JP4575335B2 - 燃料タンク - Google Patents

Description

本発明は、燃料タンクの改良に関するものである。

従来の燃料タンクとして、ポンプホルダで燃料ポンプを保持し、ポンプホルダの端部にフィラーを取付け、これらのポンプホルダ及びフィラーをタンク本体に取付ける構造としたものが知られている（例えば、特許文献１参照。）。
特開２００１−１３８７５９公報

特許文献１の図４及び図５に示される通り、燃料タンク２１は、タンク本体５１と、燃料ポンプ５７と、この燃料ポンプ５７を保持するポンプホルダ５８と、このポンプホルダ５８の端部に取付けた給油口部５２と、タンク本体５１にポンプホルダ５８を給油口部５２（詳しくは、給油口部５２を構成するフィラー５３）と共に固定するクランプ５６とを備える。

特許文献１では、燃料タンク２１を、主に、タンク本体５１、燃料ポンプ５７、ポンプホルダ５８、給油口部５２、クランプ５６で構成しているため、構造が複雑で部品数が多くなり、従って、燃料ポンプ５７をポンプホルダ５８に取付け、給油口部５２をポンプホルダ５８に取付け、ポンプホルダ５８をタンク本体５１に取付ける、というように組付けの工程数が多くなる。

更に、燃料通路を形成するのに、例えば、燃料ポンプ５７の吐出口７２を連結チューブ７５を介して吐出管７４に接続する、というように、この部分でも多くの部品が必要になり、構造が複雑になる。

本発明の目的は、燃料タンク構造の簡素化を図ることで部品数、組立工程数を減らし、また、燃料通路を容易に形成することにある。

請求項１に係る発明は、樹脂にてそれぞれ一体成形されたアッパタンク半体とロアタンク半体とを接合することにより形成された燃料タンクにおいて、アッパタンク半体及びロアタンク半体の一方の内面に燃料ポンプを支持するポンプ支持部を一体に形成し、他方の内面に燃料ポンプを支持する別体のポンプ用支持部材を固定し、これらのポンプ支持部とポンプ用支持部材とを係合可能とし、ポンプ用支持部材とアッパタンク半体及びロアタンク半体の他方との間に燃料通路を形成したことを特徴とする。

作用として、アッパタンク半体及びロアタンク半体の一方にポンプ支持部を形成することで、燃料タンクの構造が簡素になり、部品数が少なくなる。従って、燃料タンクの組立工程数も少なくなる。また、アッパタンク半体及びロアタンク半体の他方にポンプ用支持部材を合わせることで、燃料通路を形成することが可能になる。

請求項２に係る発明は、ポンプ用支持部材に、吐出する燃料の圧力を調整するプレッシャレギュレータを支持するレギュレータ支持部を設けるとともに、プレッシャレギュレータを燃料通路に臨ませたことを特徴とする。

作用として、ポンプ用支持部材が、燃料ポンプの支持部材とレギュレータの支持部材とを兼用する。また、ポンプ用支持部材とアッパタンク半体及びロアタンク半体の他方との間の燃料通路にプレッシャレギュレータを臨ませることで、新たに燃料通路を設けなくとも燃料通路を有効に利用することが可能になる。

請求項１に係る発明では、アッパタンク半体及びロアタンク半体の一方の内面に燃料ポンプを支持するポンプ支持部を一体に形成し、他方の内面に燃料ポンプを支持する別体のポンプ用支持部材を固定し、これらのポンプ支持部とポンプ用支持部材とを係合可能とし、ポンプ用支持部材とアッパタンク半体及びロアタンク半体の他方との間に燃料通路を形成したので、燃料タンクの構造を簡素にすることができ、部品数を削減することができる。従って、燃料タンクの組立工程数も削減することができ、燃料タンクのコストを低減することができる。
また、アッパタンク半体及びロアタンク半体の他方にポンプ用支持部材を合わせることで、燃料通路を容易に形成することができる。

請求項２に係る発明では、ポンプ用支持部材に、吐出する燃料の圧力を調整するプレッシャレギュレータを支持するレギュレータ支持部を設けるとともに、プレッシャレギュレータを燃料通路に臨ませたので、ポンプ用支持部材で、燃料ポンプの支持部材とレギュレータの支持部材とを兼用することができ、部品数を減らすことができる。

また、ポンプ用支持部材とアッパタンク半体及びロアタンク半体の他方との間の燃料通路にプレッシャレギュレータを臨ませることにより、新たに燃料通路を設けなくとも燃料通路を有効に利用することができる。以上より、燃料タンクのコストを低減することができる。

本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図１は本発明に係る自動二輪車の側面図であり、自動二輪車１０は、車体フレーム１１と、車体フレーム１１のヘッドパイプ１１ａに取付けられたフロントフォーク１２と、このフロントフォーク１２に取付けられた前輪１３と、フロントフォーク１２に連結されたハンドル１４と、車体フレーム１１の後部に上下スイング可能に取付けられたユニットスイングエンジン１５と、このユニットスイングエンジン１５に取付けられた後輪１６と、ユニットスイングエンジン１５の後端部を懸架したリヤクッションユニット１７と、車体フレーム１１の後部上部に取付けられた収納ボックス１８と、収納ボックス１８の上方に配置されて開閉可能に取付けられたシート１９とを、主要構成としたスクータ型車両である。

ユニットスイングエンジン１５は、変速機ケース１５ａ、クランクケース１５ｂ、シリンダ１５ｃ、シリンダヘッド１５ｄ、ヘッドカバー１５ｅ、シリンダヘッド１５ｄに一体形成されたヘッド一体インテークマニホールドに取付けられたインジェクター１５ｆを含み、シリンダ１５ｃ、シリンダヘッド１５ｄ及びヘッドカバー１５ｅはシリンダ部１５Ａを構成する部分である。

車体フレーム１１は、ヘッドパイプ１１ａが一体成形されたダイキャスト製のフロントフレーム１１Ｆと、ダイキャスト製のリヤフレーム１１Ｒとを、連結部１１Ｃで連結したものである。

ユニットスイングエンジン１５は、エンジン２１と、遠心クラッチ付き無段変速機２２とからなる。エンジン２１は、シリンダ部１５Ａが収納ボックス１８の下方で且つ燃料タンク４２の後方に配置され、水平に近い状態に傾斜した水冷式４サイクル型のものある。

更に、自動二輪車１０は、車体フレーム１１をボディカバー３０で覆ったものである。 ボディカバー３０は、ヘッドパイプ１１ａの前部を覆うフロントカバー３１と、ヘッドパイプ１１ａを挟んでフロントカバー３１の後部を覆うとともに運転者の脚部前方を覆うレッグシールド３２と、運転者が足を載せるステップフロア３３と、ステップフロア３３の外縁から下方へ延びる左右一対のフロアサイドカバー３４，３４（手前側の符号３４のみ示す。）と、これら左右のフロアサイドカバー３４，３４の下縁間を覆うアンダカバー３５と、シート１９の前部の下方を覆うシート下部カバー３６と、シート１９の後部の下方及び後輪１６の上方を覆うリヤカバー３７と、左右一対のサイドカバー３８，３８（手前側の符号３８のみ示す。）とからなる。

また更に、自動二輪車１０は、レッグシールド３２の上部にメインスイッチ４１を配置し、ステップフロア３３の下方に燃料タンク４２（燃料ポンプ４３を内蔵する。）を配置し、車体フレーム１１の後部上端部に図示せぬトレイを設けるとともに、このトレイにラジエータ用リザーブタンク４４、バッテリ４５並びに制御ユニット４６を配置したものである。

図中、５１はハンドルグリップ、５２は左ブレーキレバー、５３はメータパネル、５４はミラー、５５，５５（手前側の符号５５のみ示す。）は左右一対に設けられるフロントウインカ、５６Ｆは前側ハンドルカバー、５６Ｒは後側ハンドルカバー、５７はヘッドランプ、５８はフロントカバー３１内に設けられるホーン、５９は前輪１３の上方を覆うフロントフェンダ、６１，６１（手前側の符号６１のみ示す。）は左右一対のエンジンハンガ、６３は車体左側に設けられたエアクリーナ、６４はスロットルボディ、６６はシリンダヘッド１５ｄの下部に接続された排気管、６７は排気管６６の後端に接続されたマフラ、７１はメインスタンド、７２はリヤフェンダ、７３はテールランプ、７４，７４（手前側の符号７４のみ示す。）はリヤウインカ、７５はキャリア、７６はヘルメットである。

図２は本発明ほ参考例に係る燃料タンクの第１断面図（図中の矢印（ＦＲＯＮＴ）は車両前方を表す。以下同じ。）であり、燃料タンク４２は、樹脂製のアッパタンク半体８１と、このアッパタンク半体８１に接着剤により接合された樹脂製のロアタンク半体８２と、これらのアッパタンク半体８１及びロアタンク半体８２に支持された燃料ポンプ４３及び残量形ユニット（不図示）と、外部に吐出される燃料の圧力を調整するためにアッパタンク半体８１に支持されたプレッシャレギュレータ８４と、アッパタンク半体８１に一体成形された給油口８６を塞ぐフィラーキャップ８７とからなる。
上記のアッパタンク半体８１及びロアタンク半体８２は、容器としてのタンク本体４２Ａを構成する部材である。

燃料ポンプ４３は、ポンプ本体部８８と、このポンプ本体部８８から上方に突出する燃料の吐出口としてのポンプ吐出口９３と、燃料ポンプ４３内に燃料を吸い込む吸込み口４３Ａに接続されたフィルタとしてのストレーナ８９とからなる。

アッパタンク半体８１は、中央部に形成された燃料通路９１と、燃料タンク４２の外部に燃料を吐出するために燃料通路９１に接続された外部吐出口９２と、燃料ポンプ４３のポンプ吐出口９３が挿入されるとともに燃料通路９１に開口するように開けられた吐出口挿入穴９４と、プレッシャレギュレータ８４の一部が挿入されるとともに燃料通路９１にプレッシャレギュレータ８４が臨むように形成されたレギュレータ挿入穴９６と、周縁部にロアタンク半体８２との接合部として形成されたフランジ９７と、前述の給油口８６と、を一体に備える。なお、９５は外部吐出口９２とエンジン２１（図１参照）のインジェクター１５ｆ（図１参照）とを接続する燃料配管である。

吐出口挿通穴９４は、内面９８から下方に突出する第１筒部１０１の底に開けられている。なお、１０３は第１筒部１０１の内面１０４と燃料ポンプ４３のポンプ吐出口９３との間をシールするＯリングである。
レギュレータ挿入穴９６は、内面９８から下方に突出する第２筒部１０５の底に開けられている。なお、１０７は第２筒部１０５の内面１０８とレギュレータ挿入穴９６との間をシールするＯリングである。
プレッシャレギュレータ８４は、図７で詳述するプレッシャープレート２０８によって第２筒部１０５に取付けられる。

上記した吐出口挿入穴９４は、燃料ポンプ４３の上部（ポンプ吐出口９３）を支持するポンプ支持部であり、レギュレータ挿入穴９６は、プレッシャレギュレータ８４を支持するレギュレータ支持部である。

ロアタンク半体８２は、中央部に燃料ポンプ４３の下部を支持するために内面１１５から突出するように形成されたポンプ支持部１１６と、周縁部にアッパタンク半体８１との接合部として形成されたフランジ１１７と、ストレーナ８９の前半部を囲み、内面１１５から突出するように形成されたバッファプレート１１８とを一体に備える。

ポンプ支持部１１６は、筒状部１２１と、この筒状部１２１の高さのほぼ半分の位置に形成された中段部１２２と、からなり、筒状部１２１の上部と中段部１２２とで燃料ポンプ４３の下部が支持される。なお、１２５，１２６はポンプ支持部１１６に燃料ポンプ４３を装着するときにストレーナ８９を通す開口部である。

図３は本発明の参考例に係る燃料タンクの第２断面図である。この第２断面図は、図２に示した燃料タンク４２の中央部の断面図に対して、燃料タンク４２の中央部から車幅方向へ離れた位置での断面図である。
アッパタンク半体８１は、内面９８から下方に突出する複数の下方突出部１３１を一体に備え、ロアタンク半体８２は、筒状部１２１から上方に突出するとともにアッパタンク半体８１の下方突出部１３１に結合する複数の上方突出部１３２を一体に備える。

下方突出部１３１は、先端部に矩形穴１３４を開けた部分であり、上方突出部１３２は、先端部に矩形穴１３４に掛けられて結合するフック部１３５を設けた部分である。
上記した矩形穴１３４へのフック部１３５の結合は、アッパタンク半体８１とロアタンク半体８２とを合わせて接合するときに行われる。このように、矩形穴１３４へフック部１３５が結合することで、燃料タンク４２の中央部が撓みにくくなり、燃料タンク４２の剛性を高めることができる。

以上に述べた燃料タンク４２の組立要領を次に説明する。
図４は本発明の参考例に係る燃料タンクの組立要領を示す作用図である。
まず、アッパタンク半体８１の第１筒部１０１にＯリング１０３を嵌め、第２筒部１０５に設けたＯリング溝にＯリング１０７を嵌めるとともにプレッシャレギュレータ８４を挿入し、ロアタンク半体８２のポンプ支持部１１６に燃料ポンプ４３を載置する。

そして、ロアタンク半体８２に上方から白抜き矢印で示すように、アッパタンク半体８１を載せて、燃料ポンプ４３のポンプ吐出口９３を吐出口挿入穴９４に嵌合させるとともに、下方突出部１３１の矩形穴１３４と上方突出部１３２のフック部１３５（図３参照）とを結合し、アッパタンク半体８１のフランジ９７とロアタンク半体８２のフランジ１１７とを合わせ、フランジ９７とフランジ１１７とを接合する。これで燃料タンク４２の組立が完了する。

このように、アッパタンク半体８１とロアタンク半体８２とを接合する工程で、燃料ポンプ４２の上部と下部とを挟持して固定することができ、燃料ポンプ４２を固定する工程を特別に必要としない。

図５（ａ）〜（ｄ）は本発明に係る燃料タンクのフランジの結合方法を示す要部断面図であり、（ａ）は図２に示した参考例、（ｂ）〜（ｄ）は別の参考例である。
（ａ）は、フランジ９７とフランジ１１７とを接着剤１４１で接着した状態を示す。

（ｂ）は、予めフランジ１４３に貫通穴１４４を開け、フランジ１４６に、Ｏリング溝１４７と、突出部１４８を形成しておき、Ｏリング１５１をＯリング溝１４７に嵌め、突出部１４８を貫通穴１４４に挿入し、突出部１４８の先端を熱で軟化させて熱加締めを行った状態を示す。１５３は熱加締め部である。

（ｃ）は、予めフランジ１５５の縁部に鉤部１５６を形成し、フランジ１５８に、Ｏリング溝１４７と被結合部１６２とを形成しておき、Ｏリング溝１４７にＯリング１５１を嵌め、鉤部１５６を被結合部１６２に掛けて着脱自在に結合した状態を示す。

このように、鉤部１５６を被結合部１６２に着脱自在に結合したことで、アッパタンク半体８１と、ロアタンク半体８２とを分離することができ、燃料タンクに内臓する燃料ポンプのメンテナンスを容易に行うことができる。

（ｄ）は予めフランジ１６５にビス挿通穴１６６を開け、フランジ１７１に、Ｏリング溝１４７と、ビス取付穴１７２とを形成しておき、Ｏリング溝１４７にＯリング１５１を装着し、ビス１７３をビス挿通穴１６６に挿入するとともにビス取付穴１７２にねじ込むことで、フランジ１６５とフランジ１７１とを締結して着脱自在に結合した状態を示す。

この参考例においても、アッパタンク半体８１と、ロアタンク半体８２とを分離することができ、燃料タンクに内臓する燃料ポンプのメンテナンスを容易に行うことができる。

以上の図２及び図４に示したように、樹脂にてそれぞれ一体成形されたアッパタンク半体８１とロアタンク半体８２とを接合することにより形成された燃料タンク４２において、アッパタンク半体８１とロアタンク半体８２とのそれぞれの内面９８，１１５に燃料ポンプ４３を支持するポンプ支持部としての吐出口挿入穴９４、ポンプ支持部１１６を一体に形成した。

これにより、燃料タンク４２の構造を簡素にすることができ、部品数を削減することができる。これにより、燃料タンク４２の組立工程数をも少なくすることができ、燃料タンク４２のコストを低減することができる。

参考例は、燃料ポンプ４３を、アッパタンク半体８１とロアタンク半体８２とを接合するときに、吐出口挿入穴９４、ポンプ支持部１１６間に挟持することにより組み付けた。

これにより、アッパタンク半体８１とロアタンク半体８２とを接合する工程で、アッパタンク半体８１及びロアタンク半体８２のそれぞれに形成したポンプ支持部で燃料ポンプ４３を挟持することで燃料ポンプが固定されるため、燃料ポンプ４３を特別に固定する構造及び工程が不要になり、燃料ポンプ４３の簡素化及び燃料ポンプ４３の生産性向上を図ることができる。

参考例は、アッパタンク半体８１に、一体に成形された給油口８６を備える。
これにより、給油口８６を固定する構造や部品が不要になり、部品数を減らすことができ、燃料タンク４２のコストを低減することができる。

参考例は、アッパタンク半体８１に、燃料を外部に吐出する外部吐出口９２と、吐出する燃料の圧力を調整するプレッシャレギュレータ８４を支持するレギュレータ支持部としてのレギュレータ挿入穴９６とを一体に成形した。

これにより、外部吐出口９２及びレギュレータ挿入穴９６（即ち、第２筒部１０５）を固定するための構造や固定するための部品が不要になり、部品数を減らすことができ、燃料タンク４２のコストを低減することができる。

また、外部吐出口９２とレギュレータ挿入穴９６とを近接して配置することができ、外部吐出口９２からプレッシャレギュレータ８４までの通路の抵抗を小さくすることができる。

参考例は、ロアタンク半体８２に、燃料の油面を保持するバッファプレート１１８を一体に成形した。
これにより、バッファプレート１１８を固定するための構造や固定するための部品が不要になり、部品数を減らすことができ、また、燃料タンク４２の組立工数を減らすことができて、燃料タンク４２のコストを低減することができる。

図６は本発明に係る燃料タンクの支持構造を示す断面図である。
燃料タンク１８０は、樹脂製のアッパタンク半体１８１と、このアッパタンク半体１８１に接着剤により接合された樹脂製のロアタンク半体１８２と、内蔵する燃料ポンプ１８３と、この燃料ポンプ１８３の上部を支持するためにアッパタンク半体１８１の内面１８４に取付けられたポンプ用支持部材１８６と、プレッシャレギュレータ８４とを備える。

アッパタンク半体１８１は、中央部に上方に膨出させた膨出部１８８を備え、この膨出部１８８の下部にポンプ用支持部材１８６を取付けることで燃料通路１９１を形成する部材である。なお、１９３は燃料通路１９１に接続するようにアッパタンク半体１８１に一体成形された外部吐出口である。

ポンプ用支持部材１８６は、アッパタンク半体１８１の内面１８４に接着剤にて接合された平坦部１９５と、燃料通路１９１に連通するように平坦部１９５に形成されるとともに燃料ポンプ１８３のポンプ吐出口１９６が挿入される吐出口挿入穴１９７と、平坦部１９５から突出した円筒部１９８及び下方突出部２０１とからなる。

円筒部１９８は、プレッシャレギュレータ８４の一部が挿入されるとともに燃料通路１９１に連通孔１９９を介してプレッシャレギュレータ８４が臨むように形成されたレギュレータ挿入穴２００を形成した部分である。
下方突出部２０１は、先端部に矩形穴２０３を開けた部分である。

ロアタンク半体１８２は、燃料ポンプ１８３の下部を支持するポンプ支持部２０５を内面２０６から上方へ一体に突出させた部材である。
ポンプ支持部２０５は、先端部に矩形穴２０３に掛けられて結合するフック部２０７を設けた部分である。

上記したように、アッパタンク本体１８１の内面１８４に、アッパタンク半体１８１とは別体のポンプ用支持部材１８６を接合することで、アッパタンク半体１８１とポンプ用支持部材１８６とで燃料通路１９１の形状を自由に形成することができ、設計自由度を増すことができる。

図７は本発明に係るプレッシャレギュレータの支持構造を示す要部側面図であり、ポンプ用支持部材１８６の円筒部１９８にプレッシャレギュレータ８４をプレッシャープレート２０８で取付けたことを示している。

プレッシャープレート２０８は、環状プレート部２０８ａと、この環状プレート部２０８ａの内縁部から立ち上げられた筒状部２０８ｂと、環状プレート部２０８ａから折曲げ形成された一対の結合片２０８ｃ，２０８ｃ（一方の符号２０８ｃのみ示す。）とからなる一体成形品である。

結合片２０８ｃ，２０８ｃは、円筒部１９８の側面に形成されたフック部１９８ａ，１９８ａ（一方の符号１９８ａのみ示す。）に掛けられる矩形穴２０８ｄ，２０８ｄ（一方の符号２０８ｄのみ示す。）を備える。

プレッシャレギュレータ８４を円筒部１９８に組付けるには、まず、プレッシャレギュレータ８４の上部を円筒部１９８のレギュレータ挿入穴２００（図６参照）に挿入し、次に、プレッシャレギュレータ８４の下部に下からプレッシャープレート２０８の筒状部２０８ｂを嵌合させるとともにプレッシャレギュレータ８４の大径部８４ａの下部に環状プレート部２０８ａを当て、そして、プレッシャープレート２０８の矩形穴２０８ｄ，２０８ｄを円筒部１９８のフック部１９８ａ，１９８ａに掛ける。

以上の図６に示したように、本発明は樹脂にてそれぞれ一体成形されたアッパタンク半体１８１とロアタンク半体１８２とを接合することにより形成された燃料タンク１８０において、アッパタンク半体１８１及びロアタンク半体１８２の一方の内面２０６に燃料ポンプ１８３を支持するポンプ支持部２０５を一体に形成し、他方の内面１８４に燃料ポンプ１８３を支持する別体のポンプ用支持部材１８６を固定し、これらのポンプ支持部２０５とポンプ用支持部材１８６とを係合可能とし、ポンプ用支持部材１８６とアッパタンク半体１８１及びロアタンク半体１８２の他方との間に燃料通路１９１を形成したことを特徴とする。

これにより、燃料タンク１８０の構造を簡素にすることができ、部品数を削減することができる。従って、燃料タンク１８０の組立工程数も削減することができ、燃料タンク１８０のコストを低減することができる。
また、アッパタンク半体１８１及びロアタンク半体１８２の他方にポンプ用支持部材１８６を合わせることで、燃料通路１９１を容易に形成することができる。

また本発明は以上の図６及び図７に示したように、ポンプ用支持部材１８６に、吐出する燃料の圧力を調整するプレッシャレギュレータ８４を支持するレギュレータ支持部としてのレギュレータ挿入穴２００を設けるとともに、プレッシャレギュレータ８４を燃料通路１９１に臨ませたことを特徴とする。
これにより、ポンプ用支持部材１８６で、燃料ポンプ１８３の支持部材とプレッシャレギュレータ８４の支持部材とを兼用することができ、部品数を減らすことができる。

また、ポンプ用支持部材１８４とアッパタンク半体１８１及びロアタンク半体１８２の他方との間の燃料通路１９１にプレッシャレギュレータ８４を臨ませることにより、新たに燃料通路を設けなくとも燃料通路１９１を有効に利用することができる。以上より、燃料タンク１８０のコストを低減することができる。

図８は参考例に係る燃料タンクの断面図であり、燃料タンク２１０は、樹脂製のアッパタンク半体２１１と、このアッパタンク半体２１１に接着剤により接合された樹脂製のロアタンク半体２１２と、これらのアッパタンク半体２１１及びロアタンク半体２１２に支持された燃料ポンプ２１３とを備える。
上記のアッパタンク半体２１１及びロアタンク半体２１２は、タンク本体２１０Ａを構成する部材である。

アッパタンク半体２１１は、外部への燃料の吐出口２１６と、燃料ポンプ２１３の上部を支持するために内面２１５から下方に突出させた下方突出部２１７と、給油口２１８とを一体に形成した部材である。

燃料ポンプ２１３は、ポンプ本体２２１と、このポンプ本体２２１の燃料吸込み口２２２に設けられたストレーナ２２３とからなる。なお、２２５は吐出口２１６とポンプ本体２２１とを接続する燃料チューブ、２２６はストレーナ２２３を配置するためにロアタンク半体２１２に形成した凹部である。

下方突出部２１７は、それぞれ隔てて配置された第１板状部２３１、第２板状部２３２、第３板状部２３３と、これらの第１板状部２３１、第２板状部２３２、第３板状部２３３を連結するとともにそれぞれ隔てて配置された第４板状部２３４（不図示）、第５板状部２３５、第６板状部２３６（不図示）とからなる。

図９は図８の９−９線断面図であり、ロアタンク半体２１２は、上方に突出する板状の上方突出部２４１，２４２を備え、これらの上方突出部２４１，２４２は、それぞれ先端に穴部２４３を開けた部分である。

下方突出部２１７の第１板状部２３１（不図示）、第２板状部２３２、第３板状部２３３（不図示）は、それぞれ両側面に側方に突出するフック部２４５，２４６を形成した部分であり、これらのフック部２４５，２４６が上方突出部２４１，２４２の各穴部２４３に結合する。なお、２５１は燃料ポンプ２１３の上部を支持するために第１板状部２３１、第２板状部２３２、第３板状部２３３のそれぞれの下端に形成した円弧状凹部、２５２は燃料ポンプ２１３の下部を支持するためにロアタンク半体２１２にその内面２５３が円弧状となるように形成された円弧溝部である。

尚、本実施形態では、図６に示したように、アッパタンク半体１８１の内面１８４にポンプ用支持部材１８６を取付けたが、これに限らず、例えば、アッパタンク半体に燃料ポンプ支持部を設け、アッパタンク半体の外面に燃料通路を形成する部材を取付けてもよい。

本発明の燃料タンクは、二輪車に好適である。

本発明に係る自動二輪車の側面図である。 参考例に係る燃料タンクの第１断面図である。 参考例に係る燃料タンクの第２断面図である。 参考例に係る燃料タンクの組立要領を示す作用図である。 参考例に係る燃料タンクのフランジの結合方法を示す要部断面図である。 本発明に係る燃料タンクの支持構造を示す断面図である。 本発明に係るプレッシャレギュレータの支持構造を示す要部側面図である。 参考例に係る燃料タンクの断面図である。 図８の９−９線断面図である。

１０…自動二輪車、４２，１８０，２１０…燃料タンク、４３，１８３…燃料ポンプ、８１，１８１，２１１…アッパタンク半体、８２，１８２，２１２…ロアタンク半体、８４…プレッシャレギュレータ、８６，２１８…給油口、９１，１９１…燃料通路、９２，２１６…吐出口、９４，１１６，１９７，２０５…ポンプ支持部、９６，２００…レギュレータ支持部（レギュレータ挿入穴）、９８，１１５，１８４，２０６，２１５，２５３…内面、１１８…バッファプレート、１８６…ポンプ用支持部材。

Claims (2)

1. 樹脂にてそれぞれ一体成形されたアッパタンク半体（１８１）とロアタンク半体（１８２）とを接合することにより形成された燃料タンクにおいて、
   前記アッパタンク半体（１８１）及び前記ロアタンク半体（１８２）の一方の内面に燃料ポンプ（１８３）を支持するポンプ支持部（２０５）を一体に形成し、
   他方の内面に前記燃料ポンプを支持する別体のポンプ用支持部材（１８６）を固定し、 これらのポンプ支持部（２０５）とポンプ用支持部材（１８６）とを係合可能とし、
   前記ポンプ用支持部材（１８６）と前記アッパタンク半体（１８１）及び前記ロアタンク半体（１８２）の他方との間に燃料通路（１９１）を形成した、
   ことを特徴とする燃料タンク。
2. 前記ポンプ用支持部材（１８６）に、吐出する燃料の圧力を調整するプレッシャレギュレータ（８４）を支持するレギュレータ支持部（２００）を設けるとともに、前記プレッシャレギュレータ（８４）を前記燃料通路（１９１）に臨ませたことを特徴とする請求項１記載の燃料タンク。

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