JP4575008B2 - アルミ自動車車体の塗膜形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アルミ自動車車体の被塗装面の上に複層塗膜を形成する方法に関する。
自動車の車体は、鋼板基材やアルミニウム合金板基材をプレス成形してフロアパネル、インナーパネル等の車体の内側部材を成形し、得られた成形部材を溶接等で接合し、車体骨格であるシャーシーを製作する。また鋼板基材やアルミニウム合金板基材をプレス成形してドア、ルーフ、フェンダー、ボンネット、トランクリッド等の車体外装部材を成形し、シャーシーに外装部材を接合し、塗装して自動車の車体を製作する。
自動車の車体の一般的な塗装工程は、脱脂洗浄工程、脱脂後には化成処理等の塗装前処理工程、電着塗装等により防錆等を目的とした下塗り塗装工程を行い、最終の上塗りの仕上り外観性向上を目的とした中塗り塗装工程、塗装表面への美観の付与、耐候性、耐薬品性、耐摩耗性等の耐久性付与を目的とした上塗り塗装工程を施している。
上述のような、自動車の車体の一般的な塗装は、脱脂洗浄工程からはじまって最終の上塗り塗装まで、前処理工程を含んで塗装工程が極めて多くなる。また塗装を一貫したラインで実施しているので、塗装ラインが極めて長大となる。また、防錆・下塗り塗装等では、電着塗装方法を採用しているので、浸漬塗装装置等を必要とし、設備が大型化し、設備的に不利であり、また設備の維持、管理工数を要する等、費用が嵩む等の不利がある。
塗装工程が簡略化された方法として、特開2003−334490号公報(特許文献1)には、以下の(1)〜(4)工程:
(1)アルミ素材からなる自動車車体の塗装面を脱脂する工程;
(2)リン酸を含有しないジルコニウム、ニッケルを含有しないリン酸亜鉛、リン酸ジルコニウムまたはリン酸チタンを主成分とする化成処理剤を塗布乾燥させる化成処理工程、
(3)ビヒクルとして、ビヒクル中における固形分換算で40〜80質量部のポリエステル樹脂、10〜50質量部のメラミン樹脂、および5〜30質量部のエピ−ビス型エポキシ樹脂を含有し、顔料として扁平状顔料、防錆顔料、これらを除く着色顔料、および体質顔料をビヒクルと顔料の固形分質量比で30/70〜80/20含有するプライマーサーフェーサーを塗布乾燥硬化させるプライマーサーフェーサー塗膜形成工程、及び
(4)上塗り塗料を塗布乾燥硬化させる上塗り塗膜形成工程、を順次経るアルミ自動車車体の塗膜形成方法が記載されている。この、電着塗装工程の省略による塗装工程が簡略化された方法によって、耐食性等に優れた塗膜を形成することができる。しかし一方で、近年の経済情勢から原料コストの低減が重要な課題となりつつある。そのため、塗装工程が簡略化されており、かつ、より安価な基材を用いても耐食性等に優れた塗膜を形成できる方法があれば、非常に有益である。
特開2003−334490号公報
本発明の目的は、耐食性(耐塩温水性、耐糸錆性、裸耐食性)およびアルミ合金基材との密着性(耐水密着性)が良好な塗膜を形成することができ、そして電着塗装工程の省略による塗装工程の簡略化、塗装工数の大幅な削減、塗装作業の容易化を図ることができる、アルミ自動車車体の塗膜形成方法および上記塗膜形成方法で形成される複層塗膜を提供することである。
本発明は、
アルミ基材からなる自動車車体の被塗装面を脱脂する工程、
この被塗装面に化成処理剤を塗布する化成処理工程、
ビヒクルとして、ビヒクル中における固形分換算で40〜80質量部のポリエステル樹脂、10〜50質量部のメラミン樹脂、および5〜30質量部のエピ−ビス型エポキシ樹脂を含有し、顔料として扁平状顔料、防錆顔料、これらを除く着色顔料、および体質顔料をビヒクルと顔料の固形分質量比で30/70〜80/20含有するプライマーサーフェーサーを塗布乾燥硬化させるプライマーサーフェーサー塗膜形成工程、及び
上塗り塗料を塗布乾燥硬化させる上塗り塗膜形成工程、
を包含するアルミ自動車車体の塗膜形成方法であって、
この化成処理剤が、ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種と、フッ素と、イソシアネート基を有する水溶性エポキシ化合物と、を含有する化成処理剤であり、
但し、ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の化成処理剤中の含有量は20〜10000mg/Lであり、
該水溶性エポキシ化合物の化成処理剤中の含有量は5〜5000mg/Lである、アルミ自動車車体の塗膜形成方法、を提供するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
上記方法において、上記化成処理剤が更に、亜鉛イオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属イオン(A)を含有するのが好ましい。
また、上記方法の化成処理工程における化成処理剤のpHは1.5〜6.5であるのが好ましい。
本発明の塗膜形成方法は、電着塗装工程が省略されることによって塗装工数が大幅に削減され、簡略化されている。さらに本発明の方法は、より安価なアルミニウム合金基材を用いても耐食性等に優れた塗膜を形成することができる。本発明の方法における、化成処理工程により得られる化成被膜は、ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種である無機成分と、エポキシ樹脂である有機成分とを含む。そのためこの化成被膜は、金属基材との密着性に優れ、かつこの化成被膜上に形成されるプライマーサーフェ-サー塗膜との密着性にも優れる。故に、本発明によって形成される複層塗膜は、基材に優れた耐食性を与えることができる。
<アルミ自動車車体>
本発明のアルミ自動車車体の塗膜形成方法に適用する車体は、車体の内側部材、シャーシーおよび車体外装部材がアルミ基材から構成されている。ただしアルミ基材が部分的に使用されているものを含むものとする。
ここで、車体内側部材とは、フロアパネル部材、ピラー部材、ルーフレール部材、サイドシル部材、バルクヘッド部材、クロスメンバー部材等の各種インナーパネル等の複数の内側部材をいう。シャーシーとは、車体の内側部材を成形し、得られた成形部材を溶接、リベット結合、ネジ結合等で接合した車体骨格をいう。車体外装部材とは、プレス成形されたシャーシーの両外側の前後に配置されるフェンダー、前部のエンジンルームのフードであるボンネット、後部のトランクリッドまたはテイルゲート、両側の前後に配置されるドア、天井外装板を構成するルーフパネル等をいう。外装部材の接合は、シャーシーにリベット結合、ネジ結合等の接合手法を用いる。アルミ基材としては、アルミニウム合金を用いる。アルミニウム合金を用いることにより防錆性を有し、電着塗装を不要とすることが可能である。シャーシー構成部材としては、アルミニウム合金基材の板材、形材、鋳物等を用いる。
車体の内側部材、シャーシーおよび車体外装部材として用いられるアルミ基材は、特に耐食性が要求される。そのためこれらの用途に用いられるアルミ基材として一般に、耐食性が良好なJIS A6000番台のAl−Mg−Si系合金などが使用されており、そしてその中でも銅(Cu)含有量0.1質量%以下のものが用いられてきた。アルミニウム合金基材中に銅が含まれると、耐食性が劣ることとなる。銅はアルミニウムよりもイオン化傾向が小さいため、アルミニウム合金中に銅が含まれることによって、アルミニウムのイオン化(アルミニウムの腐食)が促進されるためである。アルミニウム合金中の銅含有量が少ない程、耐食性が良好となるが、しかしそのような基材はより高度な精製が必要であり、高価である。
本発明の塗膜形成方法においては、Cu含有量0.1質量%以下のアルミ基材のみならず、1質量%程Cuを含有するアルミ基材を用いることができる。そして本発明の方法によって形成される複層塗膜を有するアルミ基材は、耐食性に優れるものである。本発明の方法においては、アルミ基材として、Cuを1質量%程含有するアルミ基材を用いた場合であっても、Cu含有量0.1質量%以下のものを用いた場合と比べて遜色しないほどに優れた耐食性を与えることができる。本発明の方法で用いられる化成処理剤は、有機樹脂成分を含有する。それによって、基材の隠蔽性に優れた塗膜を形成することができ、基材が腐食環境と接触し難くなる。さらに、この化成処理剤が有機樹脂成分を含有することによって、その後に形成されるプライマーサーフェーサー塗膜との密着性も向上し、得られる塗装物の耐食性が向上する。
以下、本発明における工程について順次説明してゆく。
<脱脂工程>
本発明のアルミ自動車車体の塗膜形成方法における脱脂工程は、pH:10.5〜12.5のアルカリ脱脂剤を用いて、脱脂温度40〜50℃、脱脂時間1〜5分、アルカリ水溶液の噴霧方法またはディップ浸漬方法により処理をする工程である。
(脱脂剤)
上記脱脂工程に適用する脱脂剤は、被処理物に対して、その表面に付着している鉱物油及び動植物油等の油脂類を除去するため、脱脂洗浄処理が行われている。このような脱脂洗浄処理に用いられる脱脂洗浄剤としては、酸またはアルカリを主体とするビルダーと、非イオン系または陰イオン系界面活性剤を主成分として含むものが一般的に用いられている。アルカリビルダーとしては、洗浄力の観点からリン酸塩またはケイ酸塩を主成分としたものが用いられていたが、最近はケイ酸塩を主成分とするアルカリビルダーが好んで用いられている。またこのようなケイ酸塩にさらに炭酸塩等を配合したアルカリビルダーも用いられている。アルカリケイ酸塩、水溶性ポリカルボン酸塩、および非イオン系界面活性剤を含むものである。
上記脱脂液のpH値を10.5以上にするためには、上記必須成分に加えてpH値を上げるための薬剤が配合される。このような薬剤としては、たとえば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ炭酸塩;水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの苛性アルカリなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
上記アルカリケイ酸塩としては、オルソケイ酸ソーダ、オルソケイ酸カリウムなどのオルソケイ酸のアルカリ金属塩;メタケイ酸ソーダ、メタケイ酸カリウムなどのメタケイ酸のアルカリ金属塩;セスキケイ酸ナトリウム、セスキケイ酸カリウムなどのセスキケイ酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。上記水溶性ポリカルボン酸塩は、重合性二重結合を1つ有する不飽和カルボン酸類の単独重合体、および共重合体などであり、そのカルボキシル基が、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属で中和された塩が好ましい。上記非イオン系界面活性剤としては、たとえば、従来公知のものが挙げられる。種々の非イオン系界面活性剤の中でも、洗浄力に優れ、魚毒性が低いという点からは、ポリエチレンオキサイドのモノアルキルエーテルが好ましく、洗浄力に優れ、魚毒性が低く、かつ、消泡性に優れている(低起泡性)という点からは、ポリエチレンオキサイドポリプロピレンオキサイドのモノアルキルエーテルが好ましい。これらのモノアルキルエーテルの中でも、脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物であって該アルキレンオキサイドの50モル%以上がエチレンオキサイドであり、50モル%未満がプロピレンオキサイドおよび/またはブチレンオキサイドであり、曇点が25〜50℃の範囲内にある非イオン系界面活性剤が好ましい。脱脂液のpH値は、10.5以上にする必要があり、pH10.5〜12.5の範囲が好ましい。
<化成処理工程>
本発明の方法で用いられる化成処理剤は、ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種と、フッ素と、イソシアネート基を有する水溶性エポキシ化合物と、を含有する。本発明における化成処理剤は、これらの成分が水性媒体中に溶解および/または分散している。そしてこの化成処理剤は、クロム等の有害な重金属イオンを含有しないという利点も伴う。この化成処理剤を用いて、被塗物である金属基材を処理すると、界面pHの上昇などによって、ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種が水酸化物又は酸化物を形成し、これらの水酸化物又は酸化物が基材表面に析出すると考えられる。
このような化成処理剤中に、エポキシ化合物を含有させると、エポキシ化合物がジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種をキレートする。これによってジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種からなる皮膜とエポキシ化合物皮膜との間に強固な密着性が得られるものと考えられる。上記エポキシ化合物皮膜は、有機成分からなるものであるため、更にその上に形成される塗膜等を形成する樹脂成分との親和性が強く、これによって強度の密着性が得られるものと考えられる。
更にこの化成処理剤は、硬化剤として作用する成分を含有するものであることから、上記エポキシ化合物皮膜は、架橋反応を生じ、これによってより物理的性質に優れ、密着性及び耐食性に優れた有機皮膜層を形成することができるものでもある。
上記化成処理剤に含まれるジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種は、化成被膜形成成分である。ここで「化成被膜」とは、化成処理工程によって被塗装面に形成される塗膜をいう。被塗物である基材に、ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む化成被膜が形成されることにより、基材の耐食性や耐磨耗性を向上させ、更に、次に形成される塗膜との密着性を高めることができる。
上記ジルコニウムの供給源としては特に限定されず、例えば、KZrF等のアルカリ金属フルオロジルコネート;(NHZrF等のフルオロジルコネート;HZrF等のフルオロジルコネート酸等の可溶性フルオロジルコネート等;フッ化ジルコニウム;酸化ジルコニウム等を挙げることができる。
上記チタンの供給源としては特に限定されず、例えば、アルカリ金属フルオロチタネート、(NHTiF等のフルオロチタネート;HTiF等のフルオロチタネート酸等の可溶性フルオロジルコネート等;フッ化チタン;酸化チタン等を挙げることができる。
上記ハフニウムの供給源としては特に限定されず、例えば、HHfF等のフルオロハフネート酸;フッ化ハフニウム等を挙げることができる。上記ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の供給源としては、皮膜形成能が高いことからZrF 2−、TiF 2−、HfF 2−からなる群より選ばれる少なくとも一種を有する化合物が好ましい。
上記化成処理剤に含まれるジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の含有量は、化成処理剤中に含まれる金属イオン濃度として下限20mg/L、上限10000mg/Lの範囲であることが好ましい。上記下限未満である場合は、得られる化成被膜の性能が不充分となる恐れがある。また、上記上限を超える場合は、それ以上の効果は望めず経済的に不利である。上記下限は50mg/Lがより好ましく、上記上限は2000mg/Lがより好ましい。
上記化成処理剤に含まれるフッ素は、基材のエッチング剤としての役割を果たすものである。上記フッ素の供給源としては特に限定されず、例えば、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化ホウ素酸、フッ化水素アンモニウム、フッ化ナトリウム、フッ化水素ナトリウム等の単純フッ化物を挙げることができる。また、錯フッ化物としては、例えば、ヘキサフルオロケイ酸塩が挙げられ、その具体例としてケイフッ化水素酸、ケイフッ化水素酸亜鉛、ケイフッ化水素酸マンガン、ケイフッ化水素酸マグネシウム、ケイフッ化水素酸ニッケル、ケイフッ化水素酸鉄、ケイフッ化水素酸カルシウム等を挙げることができる。
本発明で用いられる化成処理剤は、水溶性エポキシ化合物を含有するものである。上記水溶性エポキシ化合物を化成処理剤に配合すると、エポキシ骨格によって塗料樹脂との親和性が向上するため、塗膜密着性が高まり、良好な安定性を示すことができると考えられる。
上記水溶性エポキシ化合物としては、必要量を化成処理剤中に溶解できる程度の溶解性を有するものであれば特に限定されず、エポキシ樹脂を骨格とするものであってよい。上記エポキシ樹脂としては特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加型エポキシ樹脂、ビスフェノールFプロピレンオキサイド付加型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。なかでも、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールFエピクロルヒドリン型エポキシ樹脂がより好ましい。
上記水溶性エポキシ化合物は、アミノ基を有することが好ましい。このようなアミノ基を有する水溶性エポキシ化合物は、カチオン系化合物であり、親水/疎水のバランスを調整しているために、水溶液のpHが上昇することによって不溶化し、析出するという性質を有するものである。このため、金属/水溶液界面でpHが上昇することによって上記エポキシ化合物は、金属表面に析出しやすくなる。X線光電子分光分析による分析の結果では、ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種からなる化成被膜上に上記アミノ基を有する水溶性エポキシ化合物が析出していることが明らかとなった。得られた化成被膜がこのような構造を有することによって、密着性を向上させることができるものと推測される。上記アミノ基としては特に限定されず、例えば、−NH基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、モノヒドロキシアミノ基、ジヒドロキシアミノ基、その他1級〜3級のアミンを有する化合物等を挙げることができる。
上記骨格を形成するエポキシ樹脂にアミノ基を導入する反応としては特に限定されるものではなく、溶媒中でエポキシ樹脂とアミン化合物とを混合する方法等の通常の方法を挙げることができる。
上記アミノ基を有する水溶性エポキシ化合物の例としては、アデカレジンEM−0436シリーズ、アデカレジンEM−0436Fシリーズ、アデカレジンEM0718シリーズ(いずれも旭電化工業社製)等の市販の製品を使用することもできる。
上記水溶性エポキシ化合物は、リン元素を有するものであってもよい。上記リン元素は、リン酸エステル基として上記水溶性エポキシ化合物中に含まれることが好ましい。上記リン酸エステル基は、部分的にアルキル化されたものであってもよい。上記リン酸エステル基は、上記エポキシ基とリン酸化合物との反応によってエポキシ化合物に導入することができる。
本発明で用いられる化成処理剤によって形成される皮膜は、硬化性を有するものである。すなわち、皮膜形成後に硬化反応を生じる成分を含有することによって、塗膜の物理的性質を改善し、密着性及び耐食性に優れた有機皮膜層を形成するものである。
本発明においては、上記水溶性エポキシ化合物として、イソシアネート基を有する水溶性エポキシ化合物を含有するものとすることにより、得られる皮膜に硬化性を与えることができる。水溶性エポキシ化合物中のイソシアネート基によって、架橋反応が生じ、硬化膜を形成することができる。
上記イソシアネート基は、例えば、ブロック剤によってブロックされたハーフブロックジイソシアネート化合物を水溶性エポキシ化合物と反応させることによって水溶性エポキシ化合物中に導入することができる。
上記ハーフブロックジイソシアネート化合物は、ジイソシアネート化合物とブロック剤とを、イソシアネート基が過剰となる割合で反応させることによって得ることができる。
上記ポリイソシアネート化合物としては特に限定されず、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(3量体を含む)、テトラメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイシシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等の脂環族ポリイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等を挙げることができる。
上記ブロック剤としては特に限定されず、例えば、n−ブタノール、n−ヘキシルアルコール、2−エチルヘキサノール、ラウリルアルコール、フェノールカルビノール、メチルフェニルカルビノール等の一価のアルキル(又は芳香族)アルコール類;エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル等のセロソルブ類;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾール等のフェノール類;ジメチルケトオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、メチルアミルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム類;ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムに代表されるラクタム類等を挙げることができる。オキシム類及びラクタム類のブロック剤は低温で解離するため、樹脂硬化性の観点からより好ましい。
ハーフブロックジイソシアネート化合物の合成、及び、ハーフブロックジイソシアネート化合物と水溶性エポキシ化合物との反応は、特に限定されず、公知の方法によって行うことができる。
本発明で用いられる化成処理剤は、上記イソシアネート基を有する水溶性エポキシ化合物を、固形分濃度で、下限5mg/L、上限5000mg/Lの範囲内で含有することが好ましい。5mg/L未満である場合は、得られる化成被膜中において、適正な塗装後性能が得られないおそれがある。一方、5000mg/Lを超える場合は、効率的に化成被膜が形成されないおそれがある。より好ましい下限は30mg/L、より好ましい上限は2000mg/Lである。
本発明で用いられる化成処理剤は、更に、亜鉛イオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも一種(本明細書中において「金属イオン(A)」と称することもある。)を含有することが好ましい。これらの成分を含めることによって、塗膜の基材密着性をさらに向上させることができる。
上記亜鉛イオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属イオン(A)の含有量は、化成処理剤中に含まれる金属イオン濃度として、下限1mg/L、上限5000mg/Lの範囲内であることが好ましい。1mg/L未満であると、得られる化成被膜の耐食性が低下する恐れがあり、好ましくない。5000mg/Lを超えると、それ以上の効果の向上はみられず経済的に不利であり、塗装後密着性が低下するおそれがある。上記下限は20mg/Lがより好ましく、上記上限は2000mg/Lがより好ましい。
これらの金属イオン(A)の供給源としては特に限定されず、例えば、硝酸化物、硫酸化物、又は、フッ化物等として化成処理剤に配合することができる。なかでも、化成反応に悪影響を及ぼさないため、硝酸化物が好ましい。
本発明で用いられる化成処理剤は、pHが下限1.5、上限6.5の範囲内に調整されていることが好ましい。pH1.5未満であると、水溶性エポキシ化合物が析出しにくくなるため、塗膜密着性を充分に改善することができない場合がある。pHが6.5を超えると、化成処理反応が充分に進行しない場合がある。上記下限は2.0であることがより好ましく、2.5であることが更に好ましい。上記上限は5.5であることが好ましく、5.0であることが更に好ましい。本発明で用いられる化成処理剤は、上述したような錯フッ化物イオンや、硝酸塩、硫酸塩、フッ化物塩等を含有する場合があるため、pHを上記範囲内に調整するためには、アルカリ成分を添加することが好ましい。pHを調整するために使用することができるアルカリ成分としては特に限定されず、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、アミン化合物等を挙げることができる。
本発明で用いられる化成処理剤は、実質的にリン酸イオンを含有しないものであることが好ましい。実質的にリン酸イオンを含まないとは、リン酸イオンが化成処理剤中の成分として作用する程含まれていないことを意味する。上記化成処理剤が実質的にリン酸イオンを含まないものであると、環境負荷の原因となるリンを実質的に使用することがなく、リン酸亜鉛処理剤を使用する場合に発生するリン酸鉄、リン酸亜鉛等のようなスラッジの発生を抑制することができる。更に、リンによる環境負荷がなくなり、廃水作業性の点で大きな利点となる。
本発明で用いられる化成処理剤を自動車車体の被塗装面に塗布する化成処理工程は、特に限定されるものではなく、被塗装面に上記化成処理剤を接触させることによって行うことができる。接触させる方法としては特に限定されず、例えば、浸漬法、スプレー法、ロールコート法等を挙げることができる。
上記化成処理工程においては、化成処理剤の温度を下限20℃、上限70℃の範囲内に調整することによって行うことが好ましい。このような温度範囲内で反応を行うことによって、化成処理反応を効率よく行うことができる。上記下限は、30℃であることがより好ましく、上記上限は、50℃であることがより好ましい。処理時間は、化成処理剤の濃度や処理温度によっても異なるが、20〜300秒であることが好ましい。
上記化成処理工程においては、化成処理剤を塗布した後に水洗処理を行うことが好ましい。この水洗処理は、その後の各種塗装後の密着性、耐食性等に悪影響を及ぼさないようにするために、1回又はそれ以上により行われるものである。この場合、最終の水洗は、純水で行われることが適当である。この水洗処理においては、スプレー水洗又は浸漬水洗のどちらでもよく、これらの方法を組み合わせて水洗することもできる。また、本発明で用いられる化成処理剤を使用する化成処理は、表面調整処理等を行わなくてもよいことから、作業性の点でも優れている。
本発明の化成処理工程においては、上記水洗処理の後で乾燥することは必ずしも必要ではない。乾燥工程を行わず化成被膜がウェットな状態のまま、塗装を行っても得られる性能に影響は与えない。また、乾燥工程を行う場合は、冷風乾燥、熱風乾燥等を行うことが好ましい。熱風乾燥を行う場合、有機分の分解を防ぐためにも、300℃以下が好ましい。
本発明で用いられる化成処理剤により得られる化成処理皮膜は、皮膜量が金属の合計量とエポキシ化合物に含まれる炭素量との合計量で下限0.1mg/m、上限500mg/mであることが好ましい。0.1mg/m未満であると、均一な化成処理皮膜が得られず好ましくない。500mg/mを超えると、経済的に不利である。上記下限は、5mg/mがより好ましく、上記上限は、200mg/mがより好ましい。
<プライマーサーフェーサー塗膜形成工程>
本発明のアルミ自動車車体の塗膜形成方法に適用するプライマーサーフェーサー塗膜形成工程は、プライマーサーフェーサーをスプレー塗装またはロール塗装で行ない、形成したプライマーサーフェーサー塗膜を、好ましくは120〜180℃、15〜60分間、焼き付け乾燥を行う工程である。上記プライマーサーフェーサー塗膜の乾燥膜厚は、20〜100μmが好ましい。20μm未満では、下地を隠蔽し難く、100μmを超えると塗装外観不良を生じる恐れがある。
[プライマーサーフェーサー]
本発明のアルミ自動車車体の塗膜形成方法に用いるプライマーサーフェーサーは、ビヒクルとして、ビヒクル中における固形分換算で40〜80質量部のポリエステル樹脂、10〜50質量部のメラミン樹脂、および5〜30質量部のエピ−ビス型エポキシ樹脂を、顔料として扁平状顔料、防錆顔料、これらを除く着色顔料、および体質顔料をビヒクルと顔料の固形分質量比で30/70〜80/20含有する塗料である。
上記ポリエステル樹脂のビヒクル中における固形分換算で40質量部未満では、上塗り塗膜との密着性が低下と耐チッピング性が低下する恐れがあり、80質量部を超えると硬化性の低下とアルミニウム素地との密着性が低下する恐れがある。メラミン樹脂のビヒクル中における固形分換算で10質量部未満では、硬化性の低下とアルミニウム素地との密着性が低下する恐れがあり、50質量部を超えると上塗り塗膜との密着性が低下と耐チッピング性が低下する恐れがある。エピ−ビス型エポキシ樹脂のビヒクル中における固形分換算で5質量部未満では、アルミニウム素地との密着性が低下する恐れがあり、30質量部を超えると塗装外観が低下する恐れがある。
上記扁平状顔料、防錆顔料、これらを除く着色顔料、および体質顔料をビヒクルと顔料の固形分質量比で、好ましくは30/70未満では、アルミニウム素地との密着性が低下と塗装外観が低下する恐れがあり、80/20を超えると下地隠蔽性が低下する恐れがある。
上記プライマーサーフェーサーは、好ましくは、ビヒクルとして、ビヒクル中における固形分換算で50〜70質量部のポリエステル樹脂、15〜45質量部のメラミン樹脂、および10〜20質量部のエピ−ビス型エポキシ樹脂を、顔料として扁平状顔料、防錆顔料、これらを除く着色顔料、および体質顔料をビヒクルと顔料の固形分質量比で40/60〜70/30含有する塗料である。
上記ビヒクル中の塗膜形成樹脂は、ポリエステル樹脂とエピ−ビス型エポキシ樹脂であり、上記ポリエステル樹脂の好ましい、数平均分子量は2000〜4000、水酸基価は50〜150、酸価は5〜20である。上記エピ−ビス型エポキシ樹脂の好ましい数平均分子量は、3000〜10000である。水酸基価と酸価の単位は、mgKOH/gである。
上記ポリエステル樹脂の数平均分子量が2000未満では、塗膜硬度が低下する恐れがあり、4000を超えると塗装外観が低下する恐れがある。水酸基価が50未満では、塗膜硬度の低下と架橋密度が不足する恐れがあり、150を超えると塗装外観が低下する恐れがある。酸価が5未満では、塗膜硬度の低下と架橋密度が不足する恐れがあり、20を超えると塗装外観が低下する恐れがある。上記ポリエステル樹脂のより好ましい数平均分子量は2500〜3500、水酸基価は70〜120、酸価は8〜15である。上記エピ−ビス型エポキシ樹脂のより好ましい数平均分子量は、3500〜6000である。上記エピ−ビス型エポキシ樹脂の数平均分子量が3000未満では、アルミニウム素地との密着性が低下する恐れがあり、10000を超えると塗装外観が低下する恐れがある
上記ポリエステル樹脂は、多価アルコールとポリカルボン酸との縮合生成物である樹脂を用いる。また天然乾性油または半乾性油から誘導される脂肪酸残基を提供する成分を付加することによって得られるアルキド樹脂を包含するものとする。これらの樹脂は通常の架橋結合剤との反応に利用し得るある割合の遊離のヒドロキシル基および/またはカルボキシル基を含有する。
上記ポリエステル樹脂の製造に適する多価アルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリット、ジペンタエリトリット、トリペンタエリトリット、ヘキサントリオール、およびトリメチロールプロパンとエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドとの縮合生成物を包含する。
またポリエステル樹脂の製造に適するポリカルボン酸はコハク酸(またはその無水物)、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、(またはその無水物)、フマル酸、ムコン酸、イタコン酸、フタル酸(またはその無水物)、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸(またはその無水物)、およびピロメリト酸(またはその無水物)を包含する。天然乾性油または半乾性油から誘導されるものとして亜麻仁油、大豆油、トール油、脱水ヒマシ油、魚油、および桐油から誘導される脂肪酸サフラワー油、ヒマワリ油、および綿実油から誘導される脂肪酸を包含する。通常、かかるアルキド樹脂の油長は50%を超えないことが好ましい。ポリエステルに可塑性を付与する目的で、さらに単官能性飽和カルボン酸を配合することができる。かかる酸の例はC4〜C20 の飽和脂肪族酸、安息香酸、p−第3級ブチル安息香酸、およびアビエチン酸を包含し得る。
上記エピ−ビス型エポキシ樹脂としては、1分子中に少なくとも2つ以上のエポキシ基を有するものが好適に用いられ、具体的には、ビスフェノールとエピクロルヒドリンの反応によって得られる樹脂等が挙げられる。ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールA、Fが挙げられる。上記エピ−ビス型エポキシ樹脂としては、例えば、エピコート1007、エピコート1009(いずれも商品名、シェルケミカル社製)が挙げられ、またこれらをジオール、ジカルボン酸、ジアミン等の鎖延長剤を用いて鎖延長したものも用いることができる。例えば、エピビスエポキシ樹脂、これをジオール、ジカルボン酸、ジアミン等により鎖延長したものを挙げることができる。エピ−ビス型エポキシ樹脂を用いることにより、耐食性、アルミ基材との密着性の向上が図られる。
上記メラミン樹脂としては、メチル基単独によりエーテル化されたメチル化メラミン樹脂、n−ブチル基またはi−ブチル基、およびメチル基によりエーテル化されたメチル/ブチル混合エーテル化メラミン樹脂がより好ましい。メチル化メラミン樹脂、またはメチル/ブチル混合エーテル化メラミン樹脂を用いることにより、塗膜硬化収縮制御による下地隠蔽性向上が図られる。
上記顔料として、扁平状顔料、防錆顔料、これらを除く着色顔料、および体質顔料を用いる。
上記扁平状顔料として好ましくは、平均粒子径5〜25μmのアルミニウムフレーク顔料、タルクおよびクレーからなる群より選ばれる少なくとも一種である。これらの平均粒子径が5μm未満では、下地粗度の隠蔽向上が不十分の恐れがあり、25μmを超えると塗膜外観が不十分の恐れがある。上記扁平状顔料が、好ましくは全顔料中の0.1〜3.5質量%である。扁平状顔料を用いることにより、下地粗度の隠蔽向上が図られる。上記扁平状顔料が、全顔料中の0.1質量%未満では、下地粗度の隠蔽向上が不十分の恐れがあり、3.5質量%を超えると塗膜外観が不十分の恐れがある。
また上記防錆顔料として好ましくは、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、亜リン酸亜鉛、亜リン酸カルシウムおよび亜リン酸アルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を用い、上記防錆顔料が、好ましくは全顔料中の0.1〜10質量%である。防錆顔料を用いる。これを用いることによって耐食性をさらに向上させることができる。上記防錆顔料が、全顔料中の0.1質量%未満では、耐食性向上が不十分の恐れがあり、10質量%を超えると塗膜外観が不十分の恐れがある。
上記着色顔料として、例えば、アゾレーキ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等の有機顔料類、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、二酸化チタン、カーボンブラック等の無機顔料類が挙げられる。
上記体質顔料として、例えば、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ等が挙げられる。
本発明で用いられるプライマーサーフェーサーは、さらに有機ベントナイトを、塗料固形分に対して、好ましくは0.1〜1質量%、より好ましくは0.3〜0.7質量%含有してもよい。有機ベントナイトの含有量0.1質量%未満では下地隠蔽性が低下する恐れがあり、1質量%を超えると塗装外観と光沢が低下する恐れがある。より好ましくは0.3〜0.7質量%である。有機ベントナイトを用いることにより、塗膜の粘弾性制御による下地隠蔽向上が図られる。
本発明で用いられるプライマーサーフェーサーは、さらに架橋性樹脂粒子を塗料固形分に対して、好ましくは0.3〜2.5質量%含有してもよい。上記架橋性樹脂粒子が、0.3質量%未満では、下地隠蔽性が低下する恐れがあり、2.5質量%を超えても添加に見合う効果が不十分の恐れがある。上記架橋性樹脂粒子としては、例えば特開昭58−129066号記載の両イオン性基を分子内に有する単量体を多価アルコール成分のーつとして合成した、アルキド樹脂あるいはポリエステル樹脂等の乳化能を有する樹脂と、重合開始剤との存在下に、水性媒体中でエチレン性不飽和モノマーを乳化重合させることにより得られるものが好ましい。上記の両イオン性基を分子内に有する単量体としては、−N(+)−R−COO(−)または−N(+)−R−SO3(−)として示され(Rは、置換基を有することもあるC1〜C6のアルキレンまたはフェニレン基)、さらに、1分子中に2個以上のヒドロキシル基を有するものを好ましく用いることができる。このような単量体としては、ヒドロキシル基含有アミノスルホン酸型両性イオン化合物が、樹脂合成上好ましい。
上記の単量体を用いて合成された乳化能を有する両イオン性基を分子内に有する樹脂としては、酸価が30〜150mgKOH/g、好ましくは40〜150mg、KOH/g、数平均分子量が500〜5000、好ましくは700〜3000の、ポリエステル樹脂を使用するのがよい。上限を越えると、樹脂のハンドリング性が低下する恐れがあり、下限を下回ると塗膜にした場合に乳化能を有する樹脂が脱離したり、耐溶剤性が低下する恐れがある。また、架橋性樹脂粒子の合成で、乳化重合されるエチレン性不飽和モノマーは、分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマーである。このような分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマーは、全単量体中の0.1〜10質量%の範囲で含有させることが好ましい。この量は、微粒子重合体が溶剤に溶解しないだけの十分な架橋が与えられる程度に選択される。
上記架橋性樹脂粒子は、ー般にエマルジョン樹脂に含有される低分子乳化剤あるいは保護コロイドを含まず、しかも分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマーを共重合することにより架橋されているので、塗膜の耐水性、耐溶剤性、および光沢等が、有機溶剤に不溶で、平均粒子径が0.02〜0.5μmの架橋性樹脂粒子が好ましい。架橋性樹脂粒子を用いることにより、塗膜の粘弾性制御による下地隠蔽向上が図られる。
上記プライマーサーフェーサーには、必要に応じて硬化触媒を加えることにより、ハジキの発生を抑制する効果が得られる。上記硬化触媒として、例えは、メタリン酸、オルソリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、リン酸、トリメタリン酸、トリリン酸、テトラメタリン酸、亜リン酸、モノブチルリン酸、モノエチルヘキシルリン酸、モノラウリルリン酸、フェニル酸ホスフェート、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ノニルナフタレンスルホン酸、およびジノニルナフタレンジスルホン酸より選ばれた少なくとも一種を挙げられる。より好ましくは、モノラウリルリン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、またはジノニルナフタレンスルホン酸である。
上記プライマーサーフェーサーには、添加剤として上記成分の他に、脂肪族アミドの潤滑分散体であるポリアミドワックスや酸化ポリエチレンを主体としたコロイド状分散体であるポリエチレンワックスである沈降防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シリコーンや有機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡剤、滑剤等を適宜添加して含有することができる。これらの添加剤は、通常、上記樹脂と架橋剤との固形分合計100質量部に対して、それぞれ15質量部以下の割合で配合することにより、塗料や塗膜の性能を改善することができる。
上記プライマーサーフェーサーには、上記構成成分を、通常、溶剤に溶解または分散した態様で提供される。溶剤としては、ビヒクルを溶解または分散するものであればよく、有機溶剤および/または水を使用し得る。有機溶剤としては、塗料分野において通常用いられるものを挙げることができる。例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ等のエステル類、アルコール類等を例示できる。環境面の観点から有機溶剤の使用が規制されている場合には、水を用いることが好ましい。この場合、適量の親水性有機溶剤を含有させてもよい。
<上塗り塗膜形成工程>
本発明のアルミ自動車車体の塗膜形成方法に適用する上塗り塗膜形成工程は、上塗り塗料として、着色顔料を含有する上塗りソリッド塗料、または光輝性顔料および/または着色顔料を含有する上塗りベース塗料とこの上塗りベース塗料により形成された上塗りベース塗膜上に形成する透明性を有する上塗りトップクリヤー塗料を用いて上塗り塗膜を形成する工程である。
上記上塗りソリッド塗膜または上塗りベース塗膜の形成は、スプレー塗装またはロール塗装で行うが、形成した上塗り塗膜は、焼き付け乾燥を行う場合には、好ましくは120〜180℃、20〜30分間、焼き付け乾燥を行う。
上記上塗りソリッド塗膜の乾燥膜厚は、20〜100μmが好ましい。上記上塗りベース塗膜の乾燥膜厚は、10〜100μmが好ましい。上記上塗りトップクリヤー塗膜の乾燥膜厚は、20〜100μmが好ましい。上記好ましい下限の10または20μm未満では、下地を隠蔽し難く、100μmを超えると塗装外観不良を生じる恐れがある。車体の外装部材の外表面に、上塗り塗膜を形成し、車体の塗装を完了し、次いで艤装工程に移行させる。
(上塗り塗料)
上記上塗り塗料は、上塗り塗料としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、およびこれらの変性樹脂等から選ばれた少なくとも1種の熱硬化性樹脂と各種架橋剤とを混合したものに、各種顔料、および溶媒、必要に応じて改質剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤等の添加剤を配合することが可能である。各種添加剤を用いることができる。ただし上塗りトップクリヤー塗料は、顔料を含まないか、または含む場合でも、透明性を損なわない量の顔料を配合する。これらの樹脂において、その樹脂系は、有機溶剤型、水系、粉体型のいずれであってもよい。
上塗り塗料として、着色顔料を含有する上塗りソリッド塗料、または光輝性顔料および/または着色顔料を含有する上塗りベース塗料とこの上塗りベース塗料により形成された塗膜上に形成する透明性を有する上塗りトップクリヤー塗料を用いる。
また上塗りトップクリヤー塗料として、特公平8−19315号公報に記載されたカルボシキル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーとを含有する塗料が、酸性雨対策およびウェットオンウェットで顔料を含有する上塗りベース塗膜に塗装した際に、上記光輝性顔料の配向を乱さないという観点から好ましく用いられる。
[複層塗膜]
上記アルミ自動車車体の塗膜形成方法により、被塗物である車体上に複層塗膜が形成される。
次に、本発明を実施例および比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
実施例1
1.脱脂処理
Cu含有量0.1%以下のアルミニウム合金基材(JIS A 6022 合金 相当品)を、脱脂剤「サーフクリーナーSD280A」(日本ペイント社製)と「サーフクリーナーSD280B」(日本ペイント社製)の混合物(水中濃度Aが1.5質量%、Bが0.75質量%に調整、pH約11)中に42℃で2分間浸漬して脱脂し、その後水道水を使用し、室温で15秒間水洗した。
2.化成処理
2−1.化成処理剤の調製
2−1(a) アミノ基含有水溶性エポキシ化合物の製造
エポキシ当量190のビスフェノールFエピクロルヒドリン型エポキシ化合物190質量部に、ジエタノールアミン30部、酢酸セロソルブ110部を加え、100℃で2時間反応させ、不揮発分70%のアミノ基含有水溶性エポキシ化合物を得た。
2−1(b) 部分ブロック化ポリイソシアネートの製造
NCOが13.3%、不揮発分75%のトリメチロールプロパンの2,4−トルエンジイソシアネートプレコポリマーを100部、ノニルフェノール44部、ジメチルベンジルアミン5部、酢酸セロソルブ65部を混合し、窒素下80℃で3時間攪拌、反応させ、不揮発分70%、NCO%が20%の部分ブロック化ポリイソシアネートを得た。
2−1(c) イソシアネート基を有するアミノ基含有水溶性エポキシ化合物の製造
製造したアミノ基含有水溶性エポキシ化合物70部と部分ブロック化ポリイソシアネート30部を混合し、80℃で4時間攪拌して反応させた後、赤外線分光分析でNCO基の吸収が完全になくなることを確認した。その後酢酸3部を混合し、さらにイオン交換水で希釈して不揮発分25%、pH4.1である、イソシアネート基を有するアミノ基含有水溶性エポキシ化合物を得た。
2−2.化成処理剤の調製および化成処理
表6に示した組成を有する化成処理剤を調製した。ここで錯フッ化物としてジルコンフッ化水素酸を用いた。脱脂処理したアルミ基材を化成処理剤中に浸漬することによって、化成処理を行なった。化成処理剤のpH、化成処理剤に浸漬した時間(浸漬時間)および化成処理剤の温度は、表6に記載した通りである。また、化成処理剤のpHの調整には、硝酸および水酸化ナトリウムを用いた。処理したアルミ基材を化成処理剤中から引き上げた後、25℃で30秒放置し、水道水を使用して、25℃で15秒間噴霧水洗し、さらにイオン交換水を使用し、25℃で15秒間噴霧水洗後、80℃の熱風で10分間乾燥した。
3.プライマーサーフェーサーの調製および塗膜形成
プライマーサーフェーサー(表中では、「プラサフ」と表記)を表1に示す種類および割合で配合した。
Figure 0004575008
次いで、有機溶剤(トルエン/キシレン/酢酸エチル/酢酸ブチルの質量比=70/15/10/5)とともに攪拌機により塗装適正粘度になるように攪拌混合し、プライマーサーフェーサーを調製した。
化成処理を施したアルミ基材に、上記プライマーサーフェーサーを乾燥膜厚が50μmになるように塗装し、室温で10分間セッティング後、140℃の温度で30分間焼き付けた。
4.上塗り塗膜形成
次いで、「スーパーラックM−80」(日本ペイント社製アクリル・メラミン樹脂系メタリック塗料)を乾燥膜厚15μmとなる量でスプレー塗布し、5分間セッティングし、その後、「スーパーラックO−80」(日本ペイント社製アクリル・メラミン樹脂系トップクリヤー塗料)を乾燥膜厚35μmとなる量でスプレー塗布し、10分間セッティングした。その後、塗板を140℃の温度で30分間焼き付けて複層塗膜を得た。これをテストピースとした。
評価方法と評価基準
得られたテストピースについて、Zr付着量(mg/m)、耐食性(耐塩温水性、耐糸錆性、裸耐食性)、アルミ合金基材との密着性(耐水密着性)を以下の評価方法で評価した。結果を表6に示す。
Zr付着量(mg/m )の測定:得られた皮膜中に含まれるZrの量を、「XRF1700」(島津製作所製蛍光X線分析装置)を用いて分析した。
耐塩温水性:テストピースをクロスカット後、5%NaCl水溶液に、55℃で240時間浸漬後、塗膜の膨れ、剥がれを目視で評価した。
Figure 0004575008
耐糸錆性:テストピースをクロスカット後、塩水噴霧試験(5%NaCl水溶液、35℃連続スプレー)を24時間、次いで耐湿試験(40℃で70%)を240時間、これを1サイクルとして4サイクル後に、カット部からの膨れを目視で評価した。
Figure 0004575008
耐水密着性:テストピースを40℃温水に240時間浸漬後、室温に冷却後、碁盤目密着テストを実施し、剥がれ具合を評価した。
Figure 0004575008
裸耐食性:沖縄曝露2年の後、目視にて腐食程度を評価した。
Figure 0004575008
実施例2
Cu含有量0.1%以下のアルミニウム合金基材の代わりに、Cu含有量0.7〜1.0%のアルミニウム合金基材(JIS A 6111 合金 相当品)を用いた他は、実施例1と同様にして複層塗膜を形成した。評価結果等を表6に示す。
比較例1
化成処理剤として、表6に示されるようにエポキシ化合物、金属イオン(A)を含まず、そして化成処理剤のpHを表6に示すように変更すること以外は、実施例1と同様にして複層塗膜を形成し、評価した。評価結果を表6に示す。尚、化成処理剤のpHの調整は硝酸又はアンモニア水を添加することにより行った。
比較例2
Cu含有量0.1%以下のアルミニウム合金基材の代わりに、Cu含有量0.7〜1.0%のアルミニウム合金基材を使用し、そして化成処理剤として、表6に示されるようにエポキシ化合物、金属イオン(A)を含まず、そして化成処理剤のpHを表6に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして複層塗膜を形成し、評価した。評価結果を表6に示す。尚、化成処理剤のpHの調整は硝酸又はアンモニア水を添加することにより行った。
比較例3
化成処理剤として、表6に示されるようにZrイオン、エポキシ化合物、金属イオン(A)を含まず、それらに代えて錯フッ化物:500(mg/L)、単純フッ化物:350(mg/L)、Znイオン:1000(mg/L)、Niイオン:1000(mg/L)、Mnイオン:1300(mg/L)、PO4イオン:20000(mg/L)、NO2イオン:120(mg/L)、NO3イオン:4500(mg/L)を含むものを使用した。その他は実施例1と同じである。塗膜形成方法において、化成処理の前にリン酸チタンを用いた表面処理を行ない、そして化成処理剤のpHおよび浸漬時間を表6に示すように変更した。評価結果を表6に示す。尚、化成処理剤のpHの調整は水酸化ナトリウムを添加することにより行った。
Figure 0004575008
注1)Zrイオンの濃度は、HZrFによる濃度である。
注2)錯フッ化物として、実施例1および2、ならびに比較例1および2ではHZrFを、比較例3ではHSiFを用いた。
注3)単純フッ化物としてNaHFを用いた。
注4)比較例3の化成処理剤は、下記成分:
Znイオン:1000(mg/L)
Niイオン: 1000(mg/L)
Mnイオン: 1300(mg/L)
PO4イオン:20000(mg/L)
NO2イオン: 120(mg/L)
NO3イオン: 4500(mg/L)
を含んでいる。
表6の結果から明らかであるように、本実施例は、電着塗装工程の省略による塗装工程が簡略化された方法である本発明の塗膜形成方法、化成処理剤、プライマーサーフェーサーにより複層塗膜を形成したもので、耐食性(耐塩温水性、耐糸錆性、裸耐食性)およびアルミ合金基材との密着性(耐水密着性)が良好な複層塗膜が得られた。そして、「被着体」としてCu含有量が高いアルミ基材を使用した場合においても同様に、これらの性質が良好な複層塗膜が得られた。一方、比較例では、Cu含有量が高いアルミ基材を用いる場合は特に顕著に、上記実施例で得られたような優れた効果を有する複層塗膜は得ることができなかった。

Claims (10)

  1. アルミ基材からなる自動車車体の被塗装面を脱脂する工程、
    該被塗装面に化成処理剤を塗布する化成処理工程、
    ビヒクルとして、ビヒクル中における固形分換算で40〜80質量部のポリエステル樹脂、10〜50質量部のメラミン樹脂、および5〜30質量部のエピ−ビス型エポキシ樹脂を含有し、顔料として扁平状顔料、防錆顔料、これらを除く着色顔料、および体質顔料をビヒクルと顔料の固形分質量比で30/70〜80/20含有するプライマーサーフェーサーを塗布乾燥硬化させるプライマーサーフェーサー塗膜形成工程、及び
    上塗り塗料を塗布乾燥硬化させる上塗り塗膜形成工程、
    を包含するアルミ自動車車体の塗膜形成方法であって、
    該化成処理剤が、ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種と、フッ素と、イソシアネート基を有する水溶性エポキシ化合物と、を含有する化成処理剤であり、
    但し、該ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の化成処理剤中の含有量は20〜10000mg/Lであり、
    該水溶性エポキシ化合物の化成処理剤中の含有量は5〜5000mg/Lである、
    アルミ自動車車体の塗膜形成方法。
  2. 前記化成処理剤が、更に、亜鉛イオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属イオン(A)を含有する、請求項1記載のアルミ自動車車体の塗膜形成方法。
  3. 化成処理工程における化成処理剤のpHは1.5〜6.5である、請求項1または2記載のアルミ自動車車体の塗膜形成方法。
  4. 化成処理工程により得られる化成被膜は、金属とエポキシ化合物に含まれる炭素量との合計量を0.1〜500mg/m含む、請求項1〜3いずれかに記載のアルミ自動車車体の塗膜形成方法。
  5. 前記ポリエステル樹脂は数平均分子量2000〜4000、水酸基価50〜150、酸価5〜20であり、前記エピ−ビス型エポキシ樹脂は数平均分子量3000〜10000である、請求項1〜4いずれかに記載のアルミ自動車車体の塗膜形成方法。
  6. 前記メラミン樹脂が、メチル化メラミン樹脂またはメチル/ブチル混合化メラミン樹脂である、請求項1〜5いずれかに記載のアルミ自動車車体の塗膜形成方法。
  7. 前記扁平状顔料が、平均粒子径5〜25μmを有する、アルミニウムフレーク顔料、タルクおよびクレーからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、前記扁平状顔料が全顔料中の0.1〜3.5質量%である、請求項1〜6いずれかに記載のアルミ自動車車体の塗膜形成方法。
  8. 前記防錆顔料が、亜鉛、カルシウムもしくはアルミニウムのリン酸塩および亜リン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、前記防錆顔料が全顔料中の0.1〜10質量%である、請求項1〜7いずれかに記載のアルミ自動車車体の塗膜形成方法。
  9. 前記プライマーサーフェーサーがさらに、有機ベントナイトを塗料固形分に対して0.1〜1質量%、および架橋性樹脂粒子を塗料固形分に対して0.3〜2.5質量%含有する、請求項1〜8いずれかに記載のアルミ自動車車体の塗膜形成方法。
  10. 請求項1〜9いずれかに記載のアルミ自動車車体の塗膜形成方法により形成される複層塗膜。
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