JP4566320B2 - 動力伝動用ベルトの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はスノーモービル、スクーター及び一般産業用の変速ベルトとして使用される動力伝動用ベルトの製造方法に係り、詳しくは耐熱性にすぐれ、かつベルト走行寿命を向上させた高負荷伝動に最適な動力伝動用ベルトの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、スクーターまたは一般産業用の機械分野の駆動系において、駆動プーリと従動プーリに動力伝動用ベルトを懸架し、プーリの有効径を変化させて変速させるベルト式変速装置が用いられている。ここで使用されている動力伝動用ベルトは圧縮ゴム層と伸張ゴム層の少なくとも一方のゴム層にコグ山部とコグ谷部を交互に配したコグ部を有し、心線を接着ゴム層内に埋設した構成からなり、ローエッジシングルコグベルトあるいはローエッジダブルコグベルトなどのローエッジコグベルトが知られている。
【0003】
上記ローエッジコグベルトの製造方法のその(1)としては、成形ドラム上に装着した外帆布、伸張ゴム層のゴムシート、心線、圧縮ゴム層のゴムシート、そして内帆布を順次巻き付け、凹条部と凸条部を交互に有する円筒状母型を嵌入した後、加硫するもので、加硫時の圧力により内帆布を収縮させて、圧縮ゴム層のゴムシートを型付けする方法がある。
【0004】
また、その(2)として、予め用意したベルト周長よりも長い平面状の溝付金型の上に未加硫ゴムシートを設置し、プレスにより加熱加圧してコグ形状に型付けしたコグパッドを作製する。このコグパッドを成形ドラム上に装着した円筒状母型の凹条部と凸条部に嵌め込み、コグパッドのカット面を突き合わせてジョイントした後、心線を巻き付け、更に他のゴム層、補強布をこの上から巻き付けて成型を終え、加硫工程へ移行していた。
【0005】
更に、その(3)として、平面状の溝付金型の上に置いた帆布をピニオンロールにて型付けし、その後ゴムシートを置いて、プレスによる圧入して、コグ形状に型付けしたコグパッドを作製する。このコグパッドを成形ドラム上に装着した円筒状母型の凹条部と凸条部に嵌め込み、コグパッドのカット面を突き合わせてジョイントした後、心線を巻き付け、更に他のゴム層、補強布をこの上から巻き付けて成型を終え、加硫工程へ移行していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のスクーターを始めとする変速機用の動力伝動用ベルトでは、クロロプレンゴムが主体であったが、最近では更に耐熱性、耐側圧性、耐摩耗性に富んだ伝動ベルトが要求されている。そのため、その(1)の方法では、ベルトの心線に収縮の小さいものを使用した場合、加硫中、圧縮ゴム層のゴムシートと内帆布が圧入された時に、心線が収縮せず、蛇行する不具合があった。
【0007】
また、(2)と(3)の方法としては、クロロプレン系等は金型との粘着性に富んでいるために成型しやすいが、アルキル化クロロスルファン化ポリエチレン、水素化ニトリルゴム、そして水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマーなどの耐熱性に優れるゴムは粘着性に劣るために、このゴムシートおよびこのゴムで処理された補強布とを用いて型付けした場合、補強布とゴムシートとが剥離して、型付け出来なかった。特に、帆布をピニオンロールにて型付けする場合には、補強布が型に沿わずに宙に浮いてしまうことがあった。このようにして成型した伝動ベルトは、高負荷伝動させると、圧縮ゴムのコグ谷部から亀裂が発生しやすかった。
【0008】
そこで、本発明は上記の問題点を解消し、耐熱性にすぐれ、かつベルト走行寿命を向上させた高負荷伝動に最適な動力伝動用ベルトの製造方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1記載の発明は、圧縮ゴム層と伸張ゴム層の少なくとも圧縮ゴム層にコグ山部とコグ谷部を交互に配したコグ部を有し、心線を接着ゴム層内に埋設するように形成した動力伝動用ベルトの製造方法において、
圧縮ゴム層を形成するゴム部材を型付けし、コグ山部とコグ谷部を交互に有するコグパッドを作製する工程、上記コグパッドのコグ山部とコグ谷部の表面に補強布を伸張させないように付着させた補強布付きコグパッドを作製する工程、上記補強布付きコグパッドの両端のコグ山部を切断したものを溝付きモールドに巻き付けて両端コグ山部の切断面を当接させる工程、更に心線と伸張ゴム層を形成する材料を順次巻き付けて成形体を作製後、加硫し、得られた加硫スリーブをV状に切断して動力伝動用ベルトを作製する工程を含む動力伝動用ベルトの製造方法にある。
【0010】
この発明では、圧縮ゴム層を形成するゴム部材を型付けし、コグ山部とコグ谷部を交互に有するコグパッドを作製する工程と、上記コグパッドのコグ山部とコグ谷部の表面に補強布を伸張させないように付着させた補強布付きコグパッドを作製する工程を設けることによって、補強布付きコグパッドの補強布とコグパッドとを密着させ、しかも補強布を伸張させず付着させることができ、補強布とコグパッド間の剥離もなく動力伝動用ベルトを仕上ることができる。また、伸びの小さな補強布をコグ部表面に使用することができ、ベルトの耐亀裂性の向上につながる。
【0011】
本願請求項2記載の発明は、コグパッドの表面に補強布を設置した後、補強布をコグ山部とコグ谷部の表面に沿わし、更に加圧して補強布を伸張させないように付着させた補強布付きコグパッドを作製する動力伝動用ベルトの製造方法にあり、補強布付きコグパッドの補強布とコグパッドとを密着させ、しかも補強布を伸張させず付着させることができ、補強布とコグパッド間の剥離もなく動力伝動用ベルトを仕上ることができる。
【0012】
本願請求項3記載の発明は、補強布をピニオンロールによってコグ山部とコグ谷部の表面に沿わす動力伝動用ベルトの製造方法にあり、補強布を確実にコグパッドに付着させることができる。
【0013】
本願請求項4記載の発明は、接着ゴム層を形成するゴム部材を、圧縮ゴム層を形成するゴム部材と共に積層してコグパッドを作製する動力伝動用ベルトの製造方法にある。
【0014】
本願請求項5記載の発明は、接着ゴム層を形成するゴム部材を、伸張ゴム層を形成するゴム部材と共に使用する動力伝動用ベルトの製造方法にある。
【0015】
本願請求項6記載の発明は、圧縮ゴム層のゴム部材がアルキル化クロロスルファン化ポリエチレン、水素化ニトリルゴム、そして水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマーから選ばれた少なくとも一種の耐熱性ゴムである動力伝動用ベルトの製造方法にあり、優れた耐熱性を有する動力伝動用ベルトになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図面に従って説明する。
図1は本発明の動力伝動用ベルトの部分正面図、図2は本発明の他の動力伝動用ベルトの部分正面図、図3は本発明の動力伝動用ベルトの製造方法においてコグパッドを作製する工程を示し、図4は補強布をピニオンロールによってコグパッドのコグ山部とコグ谷部の表面に沿わす工程を示し、図5は図4の工程で得られたコグパッドを加圧成型して補強布付きコグパッドを作製する工程を示し、図6は補強布付きコグパッドの両端部の状態を示し、図7は本発明の動力伝動用ベルトの製造方法においてモールド上で圧縮ゴム層、心線、そして伸張ゴム層からなる成形体の作製状態を示す図である。
【0017】
これによると、本発明の動力伝動用ベルト1は、接着ゴム層2内にポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等のコードからなる心線3が埋め込まれ、接着ゴム層2の上部、下部にはそれぞれ補強布4とゴム層5を積層した伸張ゴム層6、また同様に補強布4とゴム層5を積層した圧縮ゴム層7がある。伸張ゴム層6および圧縮ゴム層7には、それぞれ一定ピッチでベルト長手方向に沿ってコグ谷部8とコグ山部9とを交互に配した上下コグ部11、12が設けられている。
【0018】
しかして、図1に示す下コグ部12では、ジョイント部14がコグ山部の領域a内に存在し、心線との角度が直角になっている。ジョイント部14が垂直面であるため、接着ゴム層2のゴムのジョイント部14への流れ込みが起こり易くなっているが、この流れ込みもコグ山部9のみで、しかも深くまで侵入していないことから、屈曲疲労性に大きな影響を与えない。
【0019】
また、他の動力伝動用ベルト1の下コグ部12では、図2に示すように、ジョイント部14がコグ山部の領域a内に存在し、心線3との角度θが60〜90°、好ましくは65〜90°のバイアスになっており、接着ゴム層2のゴムもほとんどジョイント部14へ流れ込むこともなく、亀裂の発生しやすい個所が少なくなってベルト走行寿命も向上する。即ち、バイアスのジョイント部14は接着ゴム層2の流れ込みを防止する役割を果たしている。
【0020】
一方、ジョイント部14の一端がコグ山部の領域aを越えてコグ谷部bまで侵入している場合には、接着ゴム層2のゴムがコグ谷部の領域bのジョイント部14まで侵入し、この結果コグ谷部の領域は屈曲疲労を受けやすくなって短時間に亀裂が発生する。
【0021】
無論、上コグ部11の場合においても、上記の下コグ部12と同様にジョイント部14をコグ谷部の領域bに侵入させないようにする必要がある。
【0022】
上記動力伝動用ベルト1の製造工程としては、
(1)まず第一工程として、圧縮ゴム層7と接着ゴム層2を形成するゴム部材20を型付けし、コグ山部22とコグ谷部23を交互に有するコグパッド21を作製する工程からなる。即ち、図3に示すように、凹部24と凸部25を交互に有する金型26に圧縮ゴム層7を形成するゴム部材20を設置し、プレス板27によって加圧してコグ山部22とコグ谷部23を有するコグパッド21を作製する。この場合、金型26とプレス板27の温度は40〜100°Cであり、ゴム部材20の加圧変形を容易にする。
【0023】
(2)第二工程として、上記コグパッド21のコグ山部22とコグ谷部23の表面に補強布4を伸張させないように付着させた補強布付きコグパッド21Aを作製する工程からなる。即ち、図4に示すように、基台28に設置したコグパッド21の上に補強布4を置き、ピニオンロール29を回転させながら補強布4を押し付けてコグ山部22とコグ谷部23の表面に沿わして補強布付きコグパッド21Aを作製する。この補強布付きコグパッド21Aは補強布4がコグパッド21の完全に付着していない。
ここで使用する補強布4は1〜3枚程度が好ましい。
【0024】
(3)第三工程として、図5に示すように、上記補強布付きコグパッド21Aを前述の金型26に嵌め込んだ後、プレス板27によって加圧し、補強布4を密着させた補強布付きコグパッド21Aを作製する。
【0025】
(4)第四工程として、上記補強布付きコグパッド21Aの両端部30を切断する。即ち、図6に示すように、上記コグパッド21Aの一方の切断部30は、コグ山部22の頂部31で角度αが0〜40°にバイヤス切断され、更にコグパッド21Aを反転させて他方の切断部30も同様にコグ山部22で逆方向へ傾斜するように切断される。上記コグパッド21Aをエンドレスにするとき、両切断面が良好に密着する。
尚、バイアス角度αが40°を越えると、ジョイント部14がコグ谷部の領域bまで侵入する危険性が出てくる。
【0026】
(5)第五工程として、図7に示すように、成形機(図示せず)にモールド35を装着し、モールドの溝部36にコグパッドのコグ山部22を嵌合しながら、所定長さのコグパッド21Aをモールド35に一周巻き付けてカット端部を面接触させた後、心線3をスパイラルに巻き付ける。その上に1〜数枚の補強布4と伸張ゴム層の未加硫ゴムシート33の積層物を巻き付けて、成形体38を作製する。無論、本発明では、上記歯部37と溝部36を交互に有するモールド35に代えて、円周方向に沿って所定の間隔で溝部を設けた内母型を装着したモールドを使用することもできる。
そして、本発明では、成形機から取り出したモールド35を支持台上に設置し、円周方向に沿って所定の間隔で設けた凹状部を有する、加硫ゴム製からなる母型(図示せず)、そしてジャケット(図示せず)を嵌入する。
【0027】
(6)第六工程として、成形体35を加硫缶へ移して通常の方法で加硫を行う。
加硫した後、ジャケット、母型、続いて円筒状のスリーブをモールド35から抜き取り、スリーブを所定幅に切断して図1あるいは図2に示すようなダブルコグベルト1を作製する。
【0028】
上記圧縮ゴム層7および伸張ゴム層6になるゴムは、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、アルキル化クロロスルファン化ポリエチレン(ACSM)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマー等のゴム材の単独、またはこれらの混合物が使用されるが、特に耐熱性に優れるアルキル化クロロスルファン化ポリエチレン(ACSM)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマーが好ましい。
【0029】
そして、上記圧縮ゴム層7および伸張ゴム層6には、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、綿等の繊維からなり繊維の長さは繊維の種類によって異なるが1〜10mm程度の短繊維が用いられ、例えばアラミド繊維であると3〜5mm程度、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、綿であると5〜10mm程度のものが用いられる。そして、上記ゴム層中の短繊維の方向はベルトの長手方向に対して直角方向を向いているのを90°としたときほとんどの短繊維が70°〜110°の範囲内に配向されていることが望ましい。
接着ゴム層2には、上記短繊維を含めてもよいが、好ましくは含めない。
【0030】
補強布4は綿、ポリエステル繊維、ナイロン等からなり、平織、綾織、朱子織等に製織した布で、経糸と緯糸との交差角が90〜120°程度の広角度帆布でもよい。補強布4はRFL処理した後、ゴム組成物をフィリクション・コーチングしてゴム付帆布とする。RFL液はレゾルシンとホルマリンとの初期縮合物をラテックスに混合したものであり、ここで使用するラテックスとしてはクロロプレン、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリル、NBRなどである。
【0031】
【実施例】
以下、更に具体的な実施例により本発明の詳細に説明する。
実施例1
心線として、1,100デニールのポリエチレンテレフタレート繊維を上撚り数11.4回/10cm、下撚り数21.0回/10cmで上下逆方向に撚糸して2×3の撚り構成とし、トータルデニール6,600の未処理コードを準備した。次いで、この未処理コードをイソシアネート系接着剤でプレディプした後、約170〜180°Cで乾燥し,RFL液に浸漬した後、200〜240°Cで延伸熱固定処理を行なって処理コードとした。
【0032】
補強布として、綿の紡績糸を使用し平織帆布を用いた。これらの帆布をRFL液に浸漬した後、150°Cで2分間熱処理して処理帆布とした。その後、これらの処理帆布にゴム組成物をフリクション・コーチングして、ゴム付帆布とした。
【0033】
圧縮ゴム層と伸張ゴム層はアラミドの短繊維を含んだH−NBRからなるゴム組成物を用い、また接着ゴム層は短繊維を含まないH−NBRからなるゴム組成物を用いた。
【0034】
コグパッドは圧縮ゴム層の未加硫ゴムシートと接着ゴム層の未加硫ゴムシートを積層し、凹部と凸部を交互に有する平坦な金型に設置し、80°Cで加圧することによってコグ部を型付けしたコグパッドを形成し、金型から取り出した。
続いて、コグパッドのコグ部表面に1枚の補強布を設置し、この上からピニオンロールを用いて補強布をコグパッドに付着させた後、再度同じ金型にコグパッドを設置し、プレスにより型付けして、コグパッドを作製した。
そして、上記コグパッドの両端をコグ山部の頂部から垂直に切断した。
【0035】
これらの材料を用意した後、平坦なモールドに装着した内母型にコグパッドを巻き付け、更に心線、平坦な伸張ゴム層、補強布を順次巻き付けて成形体を作製した。続いて、母型、そしてジャケットを被せてモールドを加硫缶に設置し、加硫してベルトスリーブを得た。このスリーブをカッターによってV状に切断してスノーモービル用のローエッジダブルコグベルトに仕上げることができた。
【0036】
得られたローエッジダブルコグベルトのコグ山部は、ジョイント部がコグ山部の領域内に存在し、心線に対して直角になり、接着ゴム層のゴムがジョイント部に侵入していた。
【0037】
上記ベルトを直径120mmの駆動プーリと直径120mmの従動プーリからなるタテ型走行試験機に懸架し、背面に直径50mmのテンションプーリを当接させてベルトの曲げ角度を160°に維持し、従動プーリに荷重150kgfをかけ、そして駆動プーリを3600rpmで回転させ、ベルトの走行寿命を確認した。その結果、コグ谷部に亀裂が入るまでのベルト走行時間は150時間であった。
【0038】
比較例1
凹部と凸部を交互に有する平坦な金型に、1枚の補強布と圧縮ゴム層の未加硫ゴムシートと接着ゴム層の未加硫ゴムシートを積層し、プレスにより80°Cで加圧することによってコグ部を型付けしたコグパッドを形成し、金型から取り出してコグパッドを作製した。このコグパッドを用いて実施例1と同様にローエッジダブルコグベルトを作製し、ベルトの走行寿命を確認した。その結果、コグ谷部に亀裂が入るまでのベルト走行時間は72時間であった。
【0039】
【発明の効果】
以上のように本願請求項記載の発明では、圧縮ゴム層を構成するゴム部材を型付けし、コグ山部とコグ谷部を交互に有するコグパッドを作製する工程と、上記コグパッドのコグ山部とコグ谷部の表面に補強布を伸張させないように付着させた補強布付きコグパッドを作製する工程を設けることによって、補強布付きコグパッドの補強布とコグパッドとを密着させ、しかも補強布を伸張させず付着させることができ、補強布とコグパッド間の剥離もなく動力伝動用ベルトを仕上ることができ、また伸びの小さな補強布をコグ部表面に使用することができ、ベルトの耐亀裂性の向上につながる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動力伝動用ベルトの部分正面図である。
【図2】本発明に係る他の動力伝動用ベルトの部分正面図である。
【図3】本発明の動力伝動用ベルトの製造方法においてコグパッドを作製する工程を示す断面図である。
【図4】補強布をピニオンロールによってコグパッドのコグ山部とコグ谷部の表面に沿わす工程を示す断面図である。
【図5】図3の工程で得られたコグパッドを加圧成型して補強布付きコグパッドを作製する工程を示す断面図である。
【図6】補強布付きコグパッドの両端部の状態を示す断面図である。
【図7】本発明の動力伝動用ベルトの製造方法においてモールド上で圧縮ゴム層、心線、そして伸張ゴム層からなる成形体の作製状態を示す図である。
【符号の説明】
1 動力伝動用ベルト
2 接着ゴム層
3 心線
4 補強布
6 伸張ゴム層
7 圧縮ゴム層
8 コグ谷部
9 コグ山部
11 上コグ部
12 下コグ部
14 ジョイント部
20 ゴム部材
21 コグパッド
21A 補強布付きコグパッド
22 コグ山部
23 コグ谷部
26 金型
29 ピニオンロール
Claims (6)
- 圧縮ゴム層と伸張ゴム層の少なくとも圧縮ゴム層にコグ山部とコグ谷部を交互に配したコグ部を有し、心線を接着ゴム層内に埋設するように形成した動力伝動用ベルトの製造方法において、
圧縮ゴム層を形成するゴム部材を型付けし、コグ山部とコグ谷部を交互に有するコグパッドを作製する工程、
上記コグパッドのコグ山部とコグ谷部の表面に補強布を伸張させないように付着させた補強布付きコグパッドを作製する工程、
上記補強布付きコグパッドの両端のコグ山部を切断したものを溝付きモールドに巻き付けて両端コグ山部の切断面を当接させる工程、
更に心線と伸張ゴム層を形成する材料を順次巻き付けて成形体を作製後、加硫し、得られた加硫スリーブをV状に切断して動力伝動用ベルトを作製する工程、を含むことを特徴とする動力伝動用ベルトの製造方法。 - コグパッドの表面に補強布を設置した後、補強布をコグ山部とコグ谷部の表面に沿わし、更に加圧して補強布を伸張させないように付着させた補強布付きコグパッドを作製する請求項1記載の動力伝動用ベルトの製造方法。
- 補強布をピニオンロールによってコグ山部とコグ谷部の表面に沿わす請求項2記載の動力伝動用ベルトの製造方法。
- 接着ゴム層を形成するゴム部材を、圧縮ゴム層を形成するゴム部材と共に積層してコグパッドを作製する請求項1、2、または3記載の動力伝動用ベルトの製造方法。
- 接着ゴム層を形成するゴム部材を、伸張ゴム層を形成するゴム部材と共に使用する請求項1、2、または3記載の動力伝動用ベルトの製造方法。
- 圧縮ゴム層のゴム部材がアルキル化クロロスルファン化ポリエチレン、水素化ニトリルゴム、そして水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマーから選ばれた少なくとも一種の耐熱性ゴムである請求項1〜5のいずれかに記載の動力伝動用ベルトの製造方法。
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