以下、図面を用いて、本発明の具体的な実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施例であるシステムの構成図を示す。本実施例のシステムは、車両に搭載される無線通信機能を有する車載機10と、その車両の運転者や所有者などの正規の車両使用者に携帯・所持される携帯電話やパソコン,PDA等の操作端末12と、車載機10と操作端末12との間における情報を管理するサービスセンタ14と、警察署や消防署などの救援機関に救援要請を行い得るヘルプネットセンタ16と、車両キーとして車両運転者に携帯・所持されるトランスミッタ18と、により構成されている。
本実施例のシステムは、車両使用者が車両から降車した後に例えばウィンドウの閉じ操作忘れなどが生じている旨をサービスセンタ14を通じてその使用者に通知する機能や車両使用者による操作端末12の操作により車載機10の有する車載機器をサービスセンタ14を通じて遠隔的に駆動させるリモート操作を実行する機能,例えば乗員保護のためのエアバッグが展開した交通事故時にヘルプネットセンタ16へ警察や消防の出動を要請するヘルプネット機能,トランスミッタ18と車載機10との無線通信により車両ドアをロック又はアンロックする機能などの複数の機能をそれぞれ実現すべく、車載機10と外部通信装置とで無線通信を行うシステムである。
車載機10は、通信ネットワークを通じて上記したサービスセンタ14及びヘルプネットセンタ16と無線通信を行わせるためのデータ通信モジュール(DCM)などの送受信機20、並びに、コンピュータを主体に構成されたコントロールマスタ電子制御ユニット(以下、マスタECUと称す)22を備えている。送受信機20は、タイマ機能を有すると共に、車載機10側の情報を通信ネットワークを介してサービスセンタ14やヘルプネットセンタ16へ送信する機能、及び、サービスセンタ14やヘルプネットセンタ16から通信ネットワークを介して送信される情報を車載機10に受信する機能を有している。マスタECU22は、ROMなどの記憶装置に予め格納されたソフトウェアプログラムに従って動作する。マスタECU22は、自車両の電話番号を含む識別情報及び上記したサービスセンタ14やヘルプネットセンタ16の電話番号などを格納する記憶装置を有し、送受信機20との間で送信データ及び受信データの授受を行う。
車載機10は、また、上記したマスタECU22とLANなどの通信バス24を介して接続する各種の電子制御ユニット(スレーブECU)を備えている。このスレーブECUとしては、ナビゲーションECU26、緊急通報ECU28、ドアECU30、ウィンドウ開閉ECU32、ボデーECU34、及びセキュリティECU36などが含まれている。通信バス24は、マスタECU22とスレーブECUとの間或いはスレーブECU同士で双方向に情報の送受を時分割に行うことを可能としている。
ナビゲーションECU26には、GPS受信機37が接続されている。GPS受信機37は、GPS衛星から送信されるGPS信号をGPSアンテナで受信する。ナビゲーションECU26は、GPS受信機37に受信されたGPS信号を復調して、自車両の位置を検出する。また、緊急通報ECU28には、車両乗員を保護するエアバッグの起動有無を示す情報が入力されていると共に、インストルメントパネルに設けられた或いはタッチディスプレイに表示された乗員操作可能なスイッチが接続されている。緊急通報ECU28は、エアバッグが起動されたか否かを判別すると共に、上記スイッチがオン操作されたか否かを判別して、自車両において緊急事態が生じているか否かを判別する。
ドアECU30には、車両周囲の所定領域に向けて上記したトランスミッタ18の応答を要求するリクエスト信号を送信する発信機38、トランスミッタ18から送信される無線信号を受信するレシーバ39、運転席ドアや助手席ドア,リヤドア,バックドアなどの各車両ドアごとに設けられたドアのロック/アンロックポジションを切り替えるドアロックモータ40、及び、各車両ドアごとに設けられたドアの開閉状態に応じた信号を出力するカーテシランプスイッチ42が接続されている。
ドアECU30は、車両のメカニカルキーがキーシリンダに挿入されて操作された場合、トランスミッタ18に設けられたロック/アンロックボタンの押下によりそのトランスミッタ18から送信される無線信号が受信された場合、車両乗員がトランスミッタ18を携帯して車両に近づき若しくは運転席ドアノブ等に設けられたスイッチを押下してそのトランスミッタ18との無線通信による照合が完了した場合、又はマスタECU22からの作動要求がなされた場合に、各車両ドアのロック/アンロックポジションをロックとアンロックとの間で切り替えるべく、ドアロックモータ40に駆動信号を供給する。ドアロックモータ40は、ドアECU30から供給される駆動信号に従って車両ドアをロックし或いはアンロックする。また、ドアECU30は、カーテシランプスイッチ42からの出力信号に基づいて各車両ドアが開放状態にあるか閉状態にあるかを検出する。
ウィンドウ開閉ECU32には、車両ドアそれぞれに設けられる各ウィンドウごとに設けられたウィンドウを開閉するPWモータ44が接続されている。ウィンドウ開閉ECU32は、運転席や各席に配設された開閉スイッチが開操作された場合又はマスタECU22からの作動要求がなされた場合に、各ウィンドウを完全に閉じるべくPWモータ44に駆動信号を供給する。PWモータ44は、ウィンドウ開閉ECU32から供給される駆動信号に従ってウィンドウを閉じる。尚、ウィンドウ開閉ECU32は、PWモータ44等の状態に基づいてウィンドウの開閉状態(開と閉との別、及び、開のときはその開度)を検知する機能を有している。
ボデーECU34には、ハザードランプやルームランプ,ヘッドランプなどのランプ類を点灯・消灯し、エアコンを作動・非作動とし、或いは、ホーンやブザー,スピーカなどを駆動する各種のアクチュエータ46が接続されている。ボデーECU34は、車室内のインストルメントパネル等に配設されたスイッチが操作された場合又はマスタECU22からの作動要求がなされた場合に、その車載機器に対応するアクチュエータ46に対してその機能を発揮させるための指令信号を供給して、その車載機器を駆動する。
セキュリティECU36には、侵入センサ48が接続されている。侵入センサ48は、車室内に配設された、例えば車室内を撮影するカメラ、電波や超音波,赤外線などを利用して物体を検知する感知センサ、車両シートに加わる荷重を検知する荷重センサなどであって、車室内における人の存在有無に応じた信号をセキュリティECU36に対して出力する。セキュリティECU36は、侵入センサ48の出力信号に基づいて車室内における人の存在有無を検知する。セキュリティECU36は、セキュリティモードにおいて侵入センサ48を用いて車室内に人が存在することを検知すると、車内侵入が生じた旨を車両周囲の人に知らせるべくセキュリティアラーム警報を車両周囲に向けて行う。
本実施例において、車載機10を搭載する車両は、車載バッテリ50を備えている。車載バッテリ50は、車両動力であるエンジンの回転等により発電する発電機から電力が供給されることにより充電される例えば鉛バッテリ等である。車載バッテリ50は、エンジン始動時に始動装置に電力を供給し、また、特にイグニションオフ後の車両駐車中に各電子部品や電子機器に電力を供給する役割を有する。
マスタECU22には、車載バッテリ50の残容量を検知するための残容量センサ52が接続された電源ECU54が接続されている。残容量センサ52としては、車載バッテリ50の端子間電圧を検知するための電圧センサや外気温を検知するための外気温センサなどである。残容量センサ52の出力信号は、電源ECU54に供給される。電源ECU54は、残容量センサ52の出力信号に基づいて、車載バッテリ50に残存している残容量を検知すると共に、その検知した車載バッテリ50の残容量のレベルを判定し、そのレベルを示す情報をマスタECU22に供給する。マスタECU22は、電源ECU54からの情報に基づいて、車載バッテリ50の残容量のレベルを検知する。
操作端末12は、電子制御ユニット(以下、携帯ECUと称す)60を備えている。携帯ECU60は、コンピュータを主体に構成されており、ROMなどの記憶装置に予め格納されたソフトウェアプログラムに従って動作する。携帯ECU60は、自操作端末12に対応する車両(すなわち車載機10)の電話番号及び自操作端末12のメールアドレスや電話番号を含む識別情報並びに上記したサービスセンタ14の電話番号などを格納する記憶装置を有している。携帯ECU60には、データ通信アンテナを有する送受信機62が接続されている。送受信機62は、所定の通信ネットワークを通じてサービスセンタ14と無線通信を行うことが可能となっており、操作端末12側の情報を通信ネットワークを介してサービスセンタ14へ送信する機能、及び、サービスセンタ14から通信ネットワークを介して送信される情報を操作端末12に受信する機能を有している。携帯ECU60は、送受信機62との間で送信データ及び受信データの授受を行う。
携帯ECU60には、車両使用者により手動入力操作されると共に、車両使用者へ向けて表示出力や音声出力を行う入出力部64が接続されている。操作端末12は、webブラウザを有しており、サービスセンタ14の提供する各種の情報例えば後述の車載機器のリモート操作を要求するためのweb画面を取得可能である。操作端末12は、入出力部64への入力操作により通信ネットワークを介して外部のwebサーバに蓄積されたファイルやデータ等を閲覧可能であり、また、入出力部64に入力された内容をwebサーバに送信可能である。
また、サービスセンタ14は、高速演算可能なホストコンピュータ70を備えている。ホストコンピュータ70は、ROMなどの記憶装置に予め格納されたソフトウェアプログラムに従って動作する。ホストコンピュータ70には、サービスセンタ14を利用する利用者である車両の正規使用者の識別情報や操作端末12のメールアドレス,電話番号及び車両の識別情報や電話番号などの顧客情報が格納された大容量のデータベース72が接続されている。
サービスセンタ14には、データ通信アンテナを有する送受信機74が接続されている。送受信機74は、所定の通信ネットワークを通じて車載機10及び操作端末12と無線通信を行うことが可能となっており、サービスセンタ14側の情報を通信ネットワークを介して車載機10及び操作端末12へ送信する機能、並びに、車載機10及び操作端末12から通信ネットワークを介して送信される情報をサービスセンタ14に受信する機能を有している。サービスセンタ14のホストコンピュータ70は、送受信機74との間で送信データ及び受信データの授受を行う。また、サービスセンタ14は、各種車載機器のリモート操作を要求するためのweb画面を操作端末12に対して提供可能である。
また、ヘルプネットセンタ16は、高速演算可能なホストコンピュータ80を備えている。ホストコンピュータ80は、ROMなどの記憶装置に予め格納されたソフトウェアプログラムに従って動作する。ホストコンピュータ70には、ヘルプネットセンタ16を利用する利用者である車両の正規使用者の識別情報や車両の識別情報,電話番号などの顧客情報が格納された大容量のデータベース82が接続されている。
ヘルプネットセンタ16には、データ通信アンテナを有する送受信機84が接続されている。送受信機84は、所定の通信ネットワークを通じて車載機10並びに警察86や消防88などの救援機関と通信を行うことが可能となっており、車載機10から通信ネットワークを介して送信される情報をヘルプネットセンタ16に受信する機能、及び、ヘルプネットセンタ16側の情報を通信ネットワークを介して警察86や消防88などの救援機関へ送信する機能を有している。ヘルプネットセンタ16のホストコンピュータ80は、送受信機84との間で送信データ及び受信データの授受を行う。
更に、上記したトランスミッタ18は、電子制御ユニット(以下、トランスミッタECUと称す)90を備えている。トランスミッタECU90は、コンピュータを主体に構成されており、ROMなどの記憶装置に予め格納されたソフトウェアプログラムに従って動作する。トランスミッタECU90は、自トランスミッタ18の識別情報を格納する記憶装置を有している。トランスミッタECU90には、データ通信アンテナを有する送受信機92が接続されている。送受信機92は、車載機10の有する発信機38及びレシーバ39と無線通信を行うことが可能となっており、車載機10の発信機38から送信されるリクエスト信号をトランスミッタ18に受信する機能、並びに、車載機10からのリクエスト信号に応答して自トランスミッタ18の識別情報を含むレスポンス信号、及び、後述の入力部94に設けられたボタンが押下された際に自トランスミッタ18の識別情報を含む無線信号を車両に対して送信する機能を有している。トランスミッタECU90は、送受信機92との間で送信データ及び受信データの授受を行う。
トランスミッタECU90には、車両使用者により手動入力操作される入力部94が接続されている。入力部94には、車両ドアのロックを要求するためのボタン、及び、車両ドアのアンロックを要求するためのボタンなどが設けられている。トランスミッタECU90は、入力部94に対して手動入力操作が行われた場合に、その入力された内容に応じた指令信号を送受信機92から送信させる。
以下、本実施例のシステムの動作について説明する。まず、車載機10から車両使用者への操作忘れ通知の手法について説明する。本実施例において、車両使用者が正規に車両に乗車し車両をイグニションオン若しくはアクセサリオンで使用しているときは、車載機10は、例えば何れかの車両ドアがアンロック状態にあり或いは車両ドアに設けられたウィンドウが開放状態にあっても、それらの車載機器があるべき状態にないと判断することはなく、また、それらの車載機器について車両使用者によるローカル操作の忘れが生じている可能性があることをサービスセンタ14へ通報することはない。
一方、車両使用者がイグニションオフ操作及びアクセサリオフ操作を行って車両使用が中止された後若しくはその後車両使用者が降車して車両ドアが閉じられた後、車両状態が変化することなく具体的には通信バス24が信号の流れないスリープした状態のまま所定時間(例えば5分や10分等;但し、車載機器ごとに異なるものであってもよい。)が経過すると、車載機10は、車両ドアがアンロック状態にあるか又は車両ドアに設けられたウィンドウが開放されているか否か、すなわち、乗員降車後に所定の車載機器があるべき状態になく車両使用者によるローカル操作の忘れが生じているか否かを判別する。その結果、何れの車載機器についても操作忘れが生じていないと判別した場合は、操作忘れが生じている旨のサービスセンタ14への通知を行わない。一方、上記した少なくとも一の車載機器について操作忘れが生じていると判別した場合は、その車載機器の操作忘れが生じている旨をサービスセンタ14へメールなどにより通知する。
サービスセンタ14は、車載機10から上記特定の車載機器の操作忘れが生じている旨の通知を受けた場合、その操作忘れが生じている旨を車両使用者へ通知すべくそのことを示す情報を当該車載機10に対応する操作端末12にメールなどにより送信する。操作端末12は、サービスセンタ14から送信される操作忘れ情報を受信した場合、その車載機器の操作忘れを車両使用者に知らせるべく入出力部64から音声出力及びディスプレイ表示を行う。
このように本実施例のシステムにおいては、車両使用者がイグニションオフ及びアクセサリオフにより車両使用を中止した後若しくは降車してから車両ドアを閉じた後、何れかの車載機器があるべき状態になく操作忘れが生じていると判断される場合、その車載機器の操作忘れ情報を車載機10からサービスセンタ14を通じて操作端末12へ送信することにより、操作端末12を所持する車両使用者に車載機器の操作忘れをその車載機器を特定して知らせることが可能となる。このため、車両使用者がイグニションオフ後の降車時に車両ドアロックやウィンドウ閉じ等の閉鎖操作を行わなかった場合等にも、その車両使用者にその後の対応を適切に取らせることが可能となる。
次に、車載機器のリモート操作の手法について説明する。本実施例において、車両使用者は、特に車両から離れた地点で、上記した操作端末12における操作忘れの音声出力やディスプレイ表示により若しくは自発的に車両ドアロックやウィンドウ閉を行う車載機器についての操作忘れを認識すること等により、盗難防止などのため車両ドアをロックさせ若しくは車両ドアのウィンドウを完全に若しくはある程度閉めることや、車室内温度の上昇抑制等のためウィンドウをある程度若しくは完全に開けること、搭乗等のため車両ドアをアンロックさせ若しくはエアコンを作動させること、カーファインダ(駐車場等における車両発見)や消し忘れ等のためハザードランプなどの灯火類を点灯若しくは消灯することなどを希望する場合、操作端末12の入出力部64を操作してwebブラウザを起動させる。
サービスセンタ14は、操作端末12の操作によって遠隔的に車両の有する車載機器を駆動させるのに必要なリモート操作を要求するためのフォーマットを格納している。操作端末12は、webブラウザを起動した状態で車両使用者が所定操作を行うことによりサービスセンタ14と通信ネットワークを介して無線通信接続して、サービスセンタ14の有するリモート操作を要求するためのweb画面を提供するようにサービスセンタ14に要求する。サービスセンタ14は、操作端末12から要求された場合、リモート操作を要求するためのweb画面を操作端末12に提供する。操作端末12は、上記処理に従ってサービスセンタ14からリモート操作を要求するためのweb画面を取得する。
このweb画面には、操作端末12の操作によって遠隔制御することが可能なリモート操作の項目が設けられている。操作端末12は、遠隔制御可能な車載機器のリモート操作の項目ごとに設けられたチェックボックスにおけるチェックの有無に基づいて、何れの車載機器の遠隔駆動が車両使用者に希望されているか否かを判別する。操作端末12は、車両使用者による操作によって上記何れかのチェックボックスにチェックが入った状態で送信要求がなされると、そのチェックに対応する車載機器の遠隔駆動が希望されていることをサービスセンタ14に通知すべくそのリモート操作要求情報をサービスセンタ14に対して送信する。
サービスセンタ14は、リモート操作を要求するためのweb画面を操作端末12に提供した後に、その操作端末12から送信されるリモート操作要求情報を受信した場合、操作端末12における操作によって特定の車載機器の遠隔駆動が要求されていることを示すリモート操作要求情報を車載機10に対して送信する。車載機10は、サービスセンタ14から送信されるリモート操作要求情報を受信した場合、そのリモート操作要求に応じた車載機器の駆動を実行する。
このように本実施例のシステムにおいては、車載機器の駆動は、操作端末12が操作されることによってサービスセンタ14を介して遠隔的に行われる。このため、車両使用者は、車両に搭乗していなくてもまた車両近傍に位置しなくても車両から離れた場所において車載機器を駆動させることが可能である。従って、本実施例のシステムによれば、各種のアクチュエータによる車載機器の駆動を遠隔的なリモート操作によって実現することが可能となっている。
また、本実施例において、車載機10は、車両使用者による操作端末12の操作に従ってその操作端末12からサービスセンタ14を通じて車載機10に対して特定の車載機器の駆動要求がなされた場合、その駆動要求の結果として、その駆動が正常に完了したか、或いは、予め定められた駆動条件の不成立等に起因して正常に完了することなく終了したか否かを判別し、その判別結果をサービスセンタ14に対して応答する。尚、車載機器の遠隔駆動が正常に完了しなかったときには、その原因を車両使用者に判断させるべく、車内カメラの撮像画像や車内マイクの入力音声を駆動未完了結果と共にサービスセンタ14に通知してもよい。サービスセンタ14は、リモート操作要求情報を車載機10に送信した後に該車載機10から車載機器の駆動要求の結果を応答通知された場合、その結果をメール等によりそのリモート操作要求情報を送信した操作端末12に対して通知する。操作端末は、サービスセンタ14から応答通知されるリモート操作に基づく車載機器の遠隔駆動要求の結果を受け取った場合、その応答結果を車両使用者に認識させるべく入出力部64のディスプレイに表示し或いはスピーカから音声出力し、処理を終了する。
このように本実施例のシステムにおいては、操作端末12からサービスセンタ14を通じて車載機10へ車載機器のリモート操作要求がなされた場合、そのリモート操作要求の結果が操作端末12を所持する車両使用者へ応答通知される(リモート操作後の応答通知機能)。このため、車両使用者は、自己の要求した車載機器のリモート操作の結果を認識することが可能である。従って、本実施例のシステムによれば、各種アクチュエータによる車載機器のリモート操作に関する車両使用者へのサービス性能が高く維持されている。
次に、警察86や消防88などの救援機関への出動要請の手法について説明する。本実施例において、車載機10は、緊急通報ECU28を用いてエアバッグが起動され或いは所定スイッチがオン操作されることにより車両に緊急事態が生じていると判別すると、その旨をナビゲーションECU26において検出される自車両の位置情報と共にヘルプネットセンタ16に対して通報する。ヘルプネットセンタ16は、予め登録された車両の搭載する車載機10から緊急事態の通報がなされた場合、その状況に応じて警察86又は消防88の出動要請を行う。このように本実施例のシステムにおいては、車載機10からヘルプネットセンタ16を通じて救援機関へ出動要請を行うことができる。このため、自車両が交通事故を起こしたときや車両運転者の突発的な体調不良が生じたときに、自車両の救援を求めることが可能である(ヘルプネット機能)。
次に、車両キーとして機能するトランスミッタ18を用いた車両ドアのロック・アンロックの手法について説明する。本実施例において、トランスミッタ18は、入力部94において車両ドアのロック要求ボタンやアンロック要求ボタンが押下操作されると、その要求に応じた自トランスミッタ18の識別情報を含む指令信号を送受信機92から外部へ向けて送信する。車載機10は、トランスミッタ18から送信される指令信号を受信した場合、その指令信号に係る要求に応じてドアロックモータ40を駆動して、車両ドアのロック又はアンロックを行う。
また、車載機10は、乗員降車後に車両ドアがロックされている状態で車両乗員が車両に近づき或いは運転席ドアノブ等に触れることにより所定スイッチがオン操作されると、車両周辺の所定領域に向けてトランスミッタ18の応答を要求するリクエスト信号を発信機38から送信する。トランスミッタ18は、送受信機92において車載機10からのリクエスト信号を受信すると、そのリクエスト信号に応答して自トランスミッタ18の識別情報を含むレスポンス信号を送受信機92から外部へ向けて送信する。車載機10は、リクエスト信号を送信した後にトランスミッタ18から送信されるレスポンス信号を受信すると、そのレスポンス信号に含まれる識別情報に基づいてそのトランスミッタ18が自車両に対応するものであるかを照合する。その結果、ドアロック状態において照合が一致する場合、ドアロックモータ40を駆動して車両ドアのアンロックを行う。
また、車載機10は、すべての車両ドアが閉じている状態で車両乗員が運転席ドアノブ等に設けられた所定スイッチをオン操作されると、車両周辺の所定領域に向けてリクエスト信号を発信機38から送信する。そして、車載機10は、リクエスト信号を送信した後にトランスミッタ18から送信されるレスポンス信号に含まれる識別情報に基づいてそのトランスミッタ18が自車両に対応するものであるかを照合した結果、照合が一致する場合、ドアロックモータ40を駆動して車両ドアのロックを行う。
このように本実施例のシステムにおいては、車載機10とトランスミッタ18との間で無線通信を行うことにより、車両乗員が車両キーをドアキーシリンダに挿入することなく或いは車両キーを手にとることなく、車両ドアのロック・アンロックを行うことが可能となる(スマート機能)。
また、本実施例のシステムにおいて、上記の如く車両乗員が車両キーをドアキーシリンダに挿入することなく或いは車両キーを手にとることなく、車両ドアのロック・アンロックが行われたときは、ドアECU30からボデーECU34へハザードランプを点滅させる指令が供給されることにより、ハザードランプが点滅されると共に、ブザーが吹鳴される(キー操作に連動したアンサーバック機能)。尚、この際、車両ドアのロック時とアンロック時とでハザードランプの点滅回数やブザーの吹鳴方法を異ならせることとしてもよい。このため、車載機10とトランスミッタ18との間の無線通信によって車両ドアがロックされ或いはアンロックされたときに、その旨を車両乗員に視覚や聴覚により知らせることができる。
また、上記の如く車両乗員が車両キーをドアキーシリンダに挿入することなく或いは車両キーを手にとることなく、車両ドアのアンロックが行われたときは、ドアECU30からボデーECU34へ、車両ドアに設けられた乗降時に乗員の足元を照らすランプや車室内照明を点灯させる指令が供給されることにより、それらのランプが点灯される(イルミネーション機能)。このため、特に夜間や暗い駐車場などで乗員が乗車する状況で、車載機10とトランスミッタ18との間の無線通信によって車両ドアがアンロックされたときに、その乗車をスムースに行わせることができる。尚、このように車両ドアのアンロックが行われた際、上記のイルミネーション機能に代えて或いはイルミネーション機能と共に、ドアECU30からボデーECU34へ、車室内スピーカや表示ディスプレイから乗車案内やラジオ放送を流し或いはCDやDVDを再生させる指令が供給されることにより、スピーカ出力や表示出力を実行することとしてもよい(ボーディング機能)。
更に、上記の如く車両乗員が車両キーをドアキーシリンダに挿入することなく或いは車両キーを手にとることなく、車両ドアのロックが行われたときは、ドアECU30からセキュリティECU36へ、侵入センサ48を用いて車両侵入に対して警戒するセキュリティモードへ移行させる指令が供給されることにより、以後セキュリティモードが実現される(キー操作に連動したセキュリティ機能)。このため、車載機10とトランスミッタ18との間の無線通信によるロック後に、自動的に車両を車両侵入から守ることができる。
ところで、本実施例において、車載機10は、特にイグニションオフ後の車両駐車中において、操作忘れ通知やアクチュエータによる車載機器のリモート操作,リモート操作要求後の応答結果通知,ヘルプネット機能,アンサーバック機能などの各機能を実行する際、それらの作動を車載バッテリ50の有する電力を用いて行う。この車載バッテリ50は充放電可能なバッテリであるが、その充電は車両動力であるエンジンの回転等により発電する発電機からの電力供給により実施される。このため、イグニションオフ後の車両駐車時、車載バッテリ50の残容量が少なくなっているときは、これらリモート操作や操作忘れ通知に伴うアクチュエータや通信機器の作動,ハザードランプの点滅などを適切に行うことはできなくなる。そこで、かかる点を考慮して、車載バッテリ50の残容量がある所定値よりも低下した際に車載バッテリ50の電源遮断によって実行されるべきすべての機能を一律に停止させることが考えられるが、しかし、かかる構成では、アクチュエータによる車載機器のリモート操作や、車両使用者への操作忘れ通知,リモート操作要求後の応答結果通知などの各機能をそれぞれ効果的に行ううえで適切ではない。
そこで、本実施例のシステムは、かかる点を考慮して、車載バッテリ50の蓄電状態に合わせて上記した各種機能の段階的な制限を行うことで、各機能をそれぞれ効果的に発揮させることとしている。以下、図2及び図3を参照して、本実施例の特徴部について説明する。図2は、本実施例のシステムにおいて設定されている各種機能の優先度を表した図を示す。また、図3は、本実施例のシステムにおいて車載機10が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。
本実施例において、車載機10の電源ECU54は、車載バッテリ50の残容量を検知するが、予めこの車載バッテリ50の残容量に関する複数(本実施例では3つ)の閾値(SH1,SH2,SH3)を記憶している。閾値SH1は、その値以下の状態に至ると車載バッテリ50の寿命低下が顕著になると想定される車載バッテリ50の残容量であり、例えば70%に設定されている。また、閾値SH2は、その値以下の状態に至ると車両動力であるエンジンを適切に始動できなくなる車載バッテリ50の残容量であり、閾値SH1よりも低い例えば50%に設定されている。更に、閾値SH3は、その値以下の状態に至ると所定のアクチュエータや送受信機20を適切に動作させることができなくなる車載バッテリ50の残容量であり、閾値SH2よりも低い例えば35%に設定されている。
また、マスタECU22は、車載機器のリモート操作を始めとする予め実行されるべき複数の機能ごとに、車載バッテリ50から電源供給を行ううえでの優先順位を示す優先度を記憶している。
車載機10から操作端末12を所持する車両使用者への操作忘れ通知機能やリモート操作要求後の応答結果通知機能,車両ドアのロック・アンロック時におけるキー操作に連動したアンサーバック機能,車両ドアアンロック時におけるイルミネーション機能,ボーディング機能は、車載機器のリモート操作に付随して或いは車載機10とトランスミッタ18との無線通信に基づく車両ドアのロック・アンロックに付随して行われる車両使用者の意思を直接的に伴わない車両での自発的な動作であるので、緊急性に乏しく、電源供給を行ううえでの優先順位は最も低く設定されており、車載バッテリ50の残容量が上記の閾値SH1以下になった際に電源供給が行われずにその機能が停止される優先度3に設定されている。
また、アクチュエータによる車載機器のリモート操作のうちカーファインダや路上駐車のための灯火類の点灯やウィンドウ開などのリモート操作機能は、車両操作を実現するのに車両使用者の利便性を図るための機能であるので、セキュリティ性を高める機能よりは緊急性に乏しく、電源供給を行ううえでの優先順位は中間レベルに設定されており、車載バッテリ50の残容量が上記の閾値SH2以下になった際に電源供給が行われずにその機能が停止される優先度2に設定されている。更に、車両ドアロックやウィンドウ閉などのリモート操作機能やヘルプネットセンタ16を利用した救援機関への救援要請を行うヘルプネット機能,キー操作に連動したセキュリティ機能は、車両のセキュリティ性や安全,安心を高めるための機能であるので、緊急性を伴い、電源供給を行ううえでの優先順位は最も高く設定されており、車載バッテリ50の残容量が上記の閾値SH3以下になった際に電源供給が行われずにその機能が停止される優先度1に設定されている。
電源ECU54は、定期的に、残容量センサ52を用いて車載バッテリ50の残容量を検知すると共に、その検知した残容量が上記した閾値SH1,SH2,SH3で区切られた何れのレベル領域に属するか否かを判定して、そのレベルを示す情報をマスタECU22に供給する。そして、マスタECU22は、電源ECU54からの情報に基づいて、車載バッテリ50の残容量のレベルを検知する(ステップ100)。
マスタECU22は、車載バッテリ50の残容量のレベル検知の結果、その残容量が閾値SH1を超えるものとなっているとき(ステップ102における否定判定時)には、以後何ら処理を進めることなくルーチンを終了するが、その残容量が閾値SH1以下かつ閾値SH2を超えるものとなっているとき(ステップ102における肯定判定かつステップ104における否定判定時)には、以後、優先度3に設定された、操作忘れ通知機能やリモート操作要求後の応答結果通知機能(車載機器のリモート操作に付随する車両の自発的機能)、アンサーバック機能、イルミネーション機能、及びボーディング機能を制限する(ステップ106)。
また、車載バッテリ50の残容量が閾値SH2以下かつ閾値SH3を超えるものとなっているとき(ステップ104における肯定判定かつステップ108における否定判定時)には、以後、優先度3の機能の制限に加えて更に、優先度2に設定された、灯火類の点灯やウィンドウ開などの車両使用者の利便性を図るためのリモート操作機能を制限する(ステップ110)。また、車載バッテリ50の残容量が閾値SH3以下となっているとき(ステップ108における肯定判定時)には、以後、上記した優先度3及び優先度2の各種機能の制限に加えて更に、優先度1に設定された、車両ドアロックやウィンドウ閉などの車両のセキュリティ性を高めるためのリモート操作機能、ヘルプネット機能、及びキー操作に連動したセキュリティ機能を制限する(ステップ112)と共に、ドアECU30へ車両ドアのロック作動要求を行うことにより、強制的に車両ドアをロックさせる処理を実行する(ステップ114)。
このように本実施例のシステムにおいては、車載バッテリ50の残容量が閾値SH1を超えて十分にあるときには上記した各種の機能をすべて実行可能とする一方、その残容量が閾値SH1以下であるときにはその残容量のレベルに応じて段階的にそれらの機能を制限することができる。具体的には、車載バッテリ50の残容量が閾値SH1以下に達した時点では操作忘れ通知やリモート操作要求後の応答結果通知の自発的機能及びキー操作に連動してハザードランプなどを点滅させるアンサーバック機能,イルミネーション機能,ボーディング機能を停止し、その残容量が閾値SH1よりも小さい閾値SH2以下に達した時点では車両使用者の利便性を図るためのリモート操作機能を停止し、更に、その残容量が閾値SH2よりも小さい閾値SH3以下に達した時点では車両のセキュリティ性を高めるためのリモート操作機能やヘルプネット機能を始めとしたすべての機能を停止することができる。かかる構成によれば、車載バッテリ50の残容量低下に伴って車載機10と外部通信装置との無線通信に基づいた各種の機能が優先順に段階的に制限されるので、その車載バッテリ50のバッテリ上がりや劣化が生ずるのを抑制することが可能である。
また、上記の構成によれば、操作忘れ通知やリモート操作要求後の応答結果通知の自発的機能やアンサーバック機能などの車載機10とトランスミッタ18との無線通信に基づく車両ドアのロック・アンロックに付随して行われる自発的機能は車載バッテリ50が寿命低下し始める時点で機能停止されるが、車両使用者の利便性を図るリモート操作機能は車載バッテリ50がエンジン始動不能に至るまで実行でき、また、車両のセキュリティ性を高めるリモート操作機能やヘルプネット機能などは車載バッテリ50がエンジン始動不能に至り更にアクチュエータや送受信機20の動作不能に至るまで実行できる。この点、車両使用者の利便性を図るリモート操作機能を車載バッテリ50の残容量低下が生ずるまで確保することができ、更には、車両のセキュリティ性を高めることができるリモート操作機能やヘルプネット機能,キー操作に連動したセキュリティ機能を車載バッテリ50の残容量低下が著しくなるまで十分に確保することができる。
車両のセキュリティ性を高めるためには、車載バッテリ50が著しい残容量低下に至ってもそのセキュリティ性を高める機能を確保するのが有効であり、また、操作忘れ通知やリモート操作要求後の応答結果通知の自発的機能や車両使用者の利便性を図るリモート操作機能よりも車両のセキュリティ性を高める機能を車載バッテリ50の残容量が著しく低下するまで確保するのが適切である。従って、本実施例の遠隔操作システムによれば、車載バッテリ50の蓄電状態に合わせて段階的な機能制限を実行することで、操作忘れ通知機能や応答結果通知機能及び車載機器のリモート操作機能を含む、車載機10と外部通信装置との無線通信に基づいた各種機能をそれぞれ優先度に合わせて効果的に発揮させることが可能となっている。
また、本実施例においては、車載バッテリ50の残容量が閾値SH3以下となることによりすべての機能が停止されるとき、強制的にすべての車両ドアがロックされることとなっている。このため、バッテリ容量低下に起因してリモート操作が不可能となった状態でも車両ドアがアンロック状態のままに放置されるのを確実に防止することができ、これにより、車両侵入防止や盗難防止を確保してセキュリティ性の更なる向上を図ることが可能となっている。
尚、上記の実施例においては、車載機10が特許請求の範囲に記載した「車載制御装置」に、操作端末12及びトランスミッタ18が特許請求の範囲に記載した「携帯端末」に、サービスセンタ14及びヘルプネットセンタ16が特許請求の範囲に記載した「センタ」に、それぞれ相当していると共に、車載機10が、図3に示すルーチン中ステップ100の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「車載バッテリ蓄電状態検出手段」が、ステップ106、110、及び112の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「機能制限手段」が、ステップ114の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「自動ドアロック手段」が、それぞれ実現されている。
ところで、上記の実施例においては、上記の如く、車載バッテリ50の残容量が閾値SH1以下であるとき、その残容量のレベルに応じて段階的に車載機器のリモート操作を始めとする複数の機能が制限されるが、その機能制限が行われる毎にその旨を車載機10からサービスセンタ14を通じて操作端末12へ通知することとし、操作端末12の入出力部64から車両使用者へ知らせることとしてもよい。
例えば、操作忘れ通知やリモート操作要求後の応答結果通知の自発的機能が制限されるときには、その旨を車載機10からサービスセンタ14を通じて操作端末12へ通知し、操作端末12の入出力部64から車両使用者へ“以降、操作忘れ通知及びリモート操作要求後の応答結果通知を停止します。”などの文言を音声や表示により出力する。また、車両使用者の利便性を図るリモート操作機能が制限されるときには、その旨を車載機10からサービスセンタ14を通じて操作端末12へ通知し、操作端末12の入出力部64から車両使用者へ“以降、利便性に関するリモート操作を停止します。”などの文言を音声や表示により出力する。更に、車載バッテリ50の残容量が閾値SH3以下に至ることに起因してセキュリティ性を高めるリモート操作機能が制限されるときには、その状態に至る直前にその旨を車載機10からサービスセンタ14を通じて操作端末12へ通知し、操作端末12の入出力部64から車両使用者へ“以降、セキュリティ性を高めるリモート操作を停止します。”などの文言を音声や表示により出力する。
かかる構成によれば、車載バッテリ50の蓄電状態に合わせて機能が制限されるのを操作端末12を介して車両使用者に知らせることができるので、これにより、機能制限後の対応を車両使用者にとり易くさせることが可能となる。この場合には、車載機10が、車両の機能制限が行われる毎にその機能制限が行われる旨をサービスセンタ14を通じて操作端末12へ通知することにより特許請求の範囲に記載した「機能制限通知手段」が実現される。
また、上記の実施例においては、上記の如く、車載バッテリ50の残容量が閾値SH2以下に至ると、車両使用者の利便性を図るリモート操作機能が制限されるが、その閾値SH2はその値以下の状態に至るとエンジンを適切に始動できなくなる車載バッテリ50の残容量であるので、エンジン始動が不能である旨を可能であれば車両の位置情報と共に車載機10からサービスセンタ14を通じてJAF等の車両整備会社へ通報することとしてもよい。かかる構成によれば、車載バッテリ50の残容量がエンジンを適切に始動できない状態に至った際にその状態を自動的に車両整備会社に知らせることができるので、これにより、バッテリ容量低下に起因してエンジン始動不能に陥った車両を整備するのに新たな車載バッテリ50の発注などの準備を車両整備前に周到に行わせることができ、その後の車両整備を速やかに行うことが可能となる。この場合には、車載機10が、車載バッテリ50の残容量がエンジンを適切に始動できない状態(閾値SH2以下)に至った際にエンジン始動が不能である旨を自動的にJAF等の車両整備会社へ通報することにより特許請求の範囲に記載した「整備依頼通報手段」が実現される。
また、上記の実施例においては、車載機器のリモート操作を始めとする複数の機能を、車載バッテリ50の残容量が3つの閾値SH1,SH2,SH3により区切られた4つの領域の何れに属するかに応じて段階的に制限するものであるが、少なくとも2つの閾値により区切られた3つの領域の何れに属するかに応じて段階的に制限するものであればよく、また、4つ以上の閾値を用いたものに適用することとしてもよい。また、複数の機能それぞれの優先度を図2(B)に示す如きパターンで設定することとしたが、他のパターンで設定することとしてもよい。
また、上記の実施例においては、車両のセキュリティ性を高めるリモート操作として、車両ドアロックとウィンドウ閉を挙げたが、室内カーテンの閉じやカメラによる車室内の撮影,侵入センサ48を用いた警戒モードのセットなどを含めてもよい。また、車両使用者の利便性を図るリモート操作として、灯火類の点灯などを挙げたが、デフォッガ作動やデフロスタ作動,次の目的地への経路探索の実行,凍結防止のためのサイドブレーキの解除などを有するものであってもよい。
更に、上記の実施例のシステムは、車載機器のリモート操作を行ううえで、車両に搭載される車載機10と、車両使用者に携帯される操作端末12と、情報管理を行うサービスセンタ14とにより構成されるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、サービスセンタ14を有さない車載機10と操作端末12とにより構成されるシステムに適用することとしてもよい。