JP4547212B2 - 光硬化性・熱硬化性ドライフィルム、及び光・電気混載基板 - Google Patents
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Description
(1)不飽和カルボン酸と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の共重合によって得られるカルボキシル基含有の線状ポリマー、
(2)不飽和カルボン酸と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、部分的にエチレン性不飽和基をペンダントとして付加させることによって得られるカルボキシル基含有の感光性線状ポリマー、
(3)一分子中にエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、不飽和モノカルボン酸を反応させ、生成した第二級の水酸基に飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有の感光性線状ポリマー、
(4)不飽和二重結合を有する酸無水物と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、一分子中に水酸基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有の感光性線状ポリマー、
即ち、前述した(A)カルボキシル基含有樹脂、(B)反応性希釈剤、及び(C)光重合開始剤を含有していることにより、活性エネルギー線照射後、希アルカリ水溶液で現像することにより、容易に精度良くパターン形成でき、アルカリ水溶液による現像性が安定化し、耐衝撃性、クラック耐性に優れた硬化物を提供できる。さらに(D)一分子中に2個以上のエポキシ基と、芳香環又は複素環を有し、エポキシ当量が240g/eq.以下であり、かつ重量平均分子量が3,000以下であるエポキシ樹脂で熱硬化反応することにより、優れた光学特性を有したまま、耐熱性、密着性、電気絶縁性等に優れた硬化物を提供することができる。
また、前記カルボキシル基含有樹脂(A)が、エチレン性不飽和二重結合を有していることにより、耐現像性、感度が向上し、既存のアルカリ現像設備で容易に精度良くパターン形成でき、作業性も向上することができる。
このようなエポキシ樹脂(D)を採用すれば、前記カルボキシル基含有の線状ポリマー(A)と共に配合した時、分離・白濁すること無く透明性に優れ、かつ耐熱性、密着性、電気絶縁性等にも優れ、さらにこのように均一に配合された光硬化性・熱硬化性ドライフィルムからなる硬化物が、光透過性や均一な屈折率分布等を有することから、光学特性にも優れ、光導波路材料として有用な光硬化性・熱硬化性ドライフィルムとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
ここで、本発明において、「光硬化性・熱硬化性ドライフィルム」とは、「光硬化性かつ熱硬化性のドライフィルム」を意味する。
さらに、上記光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムから形成されてなる光・電気混載基板型プリント配線板が提供される。即ち、上記光導波路材料用の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを、光導波路コア層及び/又は光導波路クラッド層、さらにソルダーレジスト層に適用した光・電気混載基板が提供される。
さらに、無機充填剤、特にナノ粒径の充填剤を用いることにより、従来使用されている充填剤と同等の特性向上効果を有し、更に光導波路材料としても光透過性等の光学特性を低下することが無く、弾性率、ガラス転移温度、線膨張係数といった物性を調節することも可能になる。すなわち、耐熱性、リフロー耐性、耐溶剤性、耐薬品性を有する光導波路、及びソルダーレジストに適用可能な組成物が提供でき、更には、光・電気混載基板を安価で、かつ生産性良く提供することができる。
以下、本発明に係る光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムの各構成成分について、詳細を説明する。
具体的には、下記に列挙するような樹脂が挙げられる。
(2)不飽和カルボン酸と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、部分的にエチレン性不飽和基をペンダントとして付加させることによって得られるカルボキシル基含有の感光性線状ポリマー(A’)、
(3)一分子中にエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、不飽和モノカルボン酸を反応させ、生成した第二級の水酸基に飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有の感光性線状ポリマー(A’)、
(4)不飽和二重結合を有する酸無水物と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、一分子中に水酸基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有の感光性線状ポリマー(A’)、
(5)二官能エポキシ樹脂に、ジカルボン酸又は二官能フェノール化合物を反応させて得られる二級水酸基含有の線状ポリマーに、さらに飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有の線状ポリマー(A)、
(6)二官能オキセタン化合物に、ジカルボン酸又は二官能フェノール化合物を反応させて得られる二級水酸基含有の線状ポリマーに、さらに飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有の線状ポリマー(A)、及び
(7)二官能オキセタン化合物に不飽和モノカルボン酸を反応させて得られるジオール化合物と四塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有の感光性線状ポリマー (A’)などが挙げられるが、これらに限定されるものでは無い。
これら線状ポリマーの中で、主鎖に芳香環の無い上記(1)〜(4)の共重合系の線状ポリマーは、黄変等による光吸収を起こすことがなく、好適に用いることができる。
このようなカルボキシル基含有の線状ポリマー(A)の酸価は、40〜250mgKOH/gの範囲であり、より好ましくは80〜120mgKOH/gの範囲である。カルボキシル基含有の線状ポリマーの酸価が40mgKOH/g未満であるとアルカリ現像が困難となり、一方、250mgKOH/gを超えると現像液による露光部の溶解が進むために、必要以上にラインが痩せたり、場合によっては、露光部と未露光部の区別なく現像液で溶解剥離してしまい、正常なレジストパターンの描画が困難となるので好ましくない。
また、このようなカルボキシル基含有の線状ポリマー(A)の重量平均分子量は、2,000〜50,000、好ましくは、5,000〜20,000の範囲が望ましい。重量平均分子量が、2,000未満の場合、塗膜の指触乾燥性が低下し、硬化物の耐衝撃性が得られ難くなるので好ましくない。一方、重量平均分子量が、50,000を超えた場合、現像性が低下するので好ましくない。
上記カルボキシル基含有の線状ポリマー(A)の配合量は、全組成物中に、20〜60質量%、好ましくは30〜50質量%である。上記範囲より少ない場合、アルカリ可溶性成分が不足し、現像処理により目的とする導波路形状が得られ難くなったり、硬化物の強度が低下したりするので好ましくない。一方、上記範囲より多い場合、他の成分が不足し、感度が低下したり、硬化物特性が低下したりするので好ましくない。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート及びそれらの混合物を総称する用語で、他の類似の表現についても同様である。
これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムは、ソルダーレジスト及び光導波路用材料として使用可能であるが、ソルダーレジストとして用いる場合、前記無機充填剤(E)の平均粒径は、一般的なソルダーレジストの膜厚から、20μm以下、より好ましくは10μm以下である。
一方、光導波路用材料に用いる場合、一般的に光導波路に用いられる波長が850nm,1300nm,1550nmであることから、無機充填剤(E)の平均粒径は、800nm以下、好ましくは400nm以下、より好ましくは100nm以下であり、かつ最大粒径が850nm以下であることが、光導波路の透過性が増し、光損失が少なくなるので好ましい。
また、同様に、前記エポキシ樹脂(D)にナノシリカを分散したものの具体例としては、Hanse−Chemie社製のNANOPOX(商品名) XP 0516、XP 0525、XP 0314(何れも製品グレード名)、XP22/0543、XP22/0531、XP22/0540(何れも試作品グレード名)などが挙げられる。
さらに、後述の有機溶剤にナノシリカを分散した日産化学工業社製のオルガノシリカゾル PMA−ST(商品名)などを使用することもできる。
このような前記反応性希釈剤(B)や前記エポキシ樹脂(D)に分散された無機充填剤(E)は、原料保管中に無機充填剤(E)が二次凝集することが少なく、樹脂組成物中に、均一にし分散させることができるので、好ましく用いることができる。
これら有機溶剤の使用量は、前記感光層成分100質量部に対して、10〜200質量部の範囲内とすることが好ましい。有機溶剤を飛散させる温度条件は、50℃〜150℃、より好ましくは70℃〜130℃である。また、乾燥後に残存する溶剤量は、感光層成分100質量部に対して、30質量部未満、より好ましくは10質量部未満にすることが好ましい。
上記支持フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリ塩化ビニル等の15〜125μm程度のフィルム厚で、可撓性を有するフィルムが用いられる。
また、支持体に感光層成分を塗布する方法としては、例えば、ナイフコーター法、コンマコーター法、ダイコーター法、グラビアコーター法、ロールコーター法、スプレーコーター法等が挙げられる。
さらに、感光層の表面に塵が付着するのを防ぐなどの目的で、感光層の表面に剥離可能なカバーフィルムを積層することが望ましい。剥離可能なカバーフィルムとしては、例えば、PETフィルム、PPフィルム、PEフィルム、あるいはこれらにシリコーンをコーティング又は焼き付けしたフィルムなどの15〜100μm程度の膜厚を有するフィルムが用いられる。剥離可能となる条件としては、カバーフィルムを剥離するときに感光層と支持フィルムとの接着力よりも、感光層とカバーフィルムとの接着力がより小さいものであればよい。
このように本発明の光導波路用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを、下部クラッド層、上部クラッド層、およびコア層の少なくとも一つに用いる場合、各部の屈折率の関係が、光導波路に要求される条件を満足するように、各成分の種類、配合量等を適宜選択することにより、異なる屈折率を有する硬化膜が得られる光硬化性・熱硬化性ドライフィルムとすることができる。本発明においては、コア部分だけに本発明の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを用い、それ以外のクラッド部分を従来の光硬化性・熱硬化性インキ組成物によって作製したり、あるいは下部クラッド部分とコア部分をドライフィルム、さらには全層を本発明のドライフィルムを用いて光導波路を作製したりすることもできる。
即ち、下部クラッド層、コア層、および上部クラッド層のいずれか、あるいはすべての層を形成するための光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを順次、基材上に転写し、露光・現像した後、熱硬化反応することにより形成することが好ましい。尚、下部クラッド層、コア層、および上部クラッド層のいずれか2つ以上に本発明のドライフィルムを用いた場合、光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを、基材上に転写し、露光・現像した後、すぐに次のドライフィルムを転写し、露光・現像した後、一括して熱硬化することもできる。
上記基材としては、基板の種類、形態は特に制限されるものではないが、例えば、シリコン基板、ガラス基板、ガラスエポキシ樹脂基板等を用いることができる。
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた2リットル容セパラブルフラスコに、ジエチレングリコールジメチルエーテル900g、およびt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート[日本油脂(株)製パーブチルO]21.4gを仕込み、90℃に昇温後、メタクリル酸309.9g、メタクリル酸メチル116.4g、ラクトン変性2−ヒドロキシエチルメタクリレート[ダイセル化学工業(株)製プラクセルFM1]109.8gをビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)を作製した。パーオキシジカーボネート[日本油脂(株)製パーロイルTCP]21.4gと共にジエチレングリコールジメチルエーテル中に3時間かけて滴下し、さらに6時間熟成することによってカルボキシル基を有するビニル共重合体溶液を得た。反応は窒素雰囲気下で行った。
次に上記ビニル共重合体溶液に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート
[ダイセル化学(株)製サイクロマーA200]363.9g、ジメチルベンジルアミン3.6g、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.80gを加え、100℃に昇温し、撹拌することによってエポキシの開環付加反応を行った。16時間後、固形分酸価=108.9mgKOH/g、重量平均分子量=25,000(スチレン換算)のカルボキシル基含有の感光性線状ポリマーを、53.8wt%(不揮発分)含む溶液を得た。以下、この反応溶液をA−1ワニスと称す。
温度計、撹拌器、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エピクロンN−680、大日本インキ化学工業社製、エポキシ当量=210)210gとカルビトールアセテート96.4gを量り取り、加熱溶解した。次に、重合禁止剤としてハイドロキノン0.1gと、反応触媒としてトリフェニルホスフィン2.0gを加えた。この混合物を95〜105℃に加熱し、アクリル酸72gを徐々に滴下し、酸価が3.0mgKOH/g以下になるまで、約16時間反応させた。この反応生成物を、80〜90℃まで冷却し、テトラヒドロフタル酸無水物76.1gを加え、赤外吸光分析により、酸無水物の吸収ピーク(1780cm−1)が無くなるまで、約6時間反応させた。この反応液に、出光石油化学社製の芳香族系溶剤イプゾール#150 96.4gを加え、希釈した後、取り出した。このようにして得られたカルボキシル基含有の感光性ポリマー溶液は、不揮発分=65wt%、固形物の酸価78mgKOH/gであった。以下、この反応溶液をA−2ワニスと称す。
上下クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−1、P−2)の作製
下記の配合成分を撹拌機にて撹拌後、3本ロールミルにて練肉することによりクラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムのベースとなる樹脂組成物を均一分散し、希釈後、ろ過することにより樹脂組成物を調整した。得られた樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを用いて塗布し、90℃で30分仮乾燥させることにより、乾燥膜厚20μmの下部クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−1)、及び乾燥膜厚70μmの上部クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−2)を作製した。
A−1ワニス 100.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 15.0部
2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパン−1−オン 5.0部
DEN−431(ダウ・ケミカル社製の
フェノールノボラック型エポキシ樹脂(Mw=970)) 60.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 10.0部
BYK−310(ビックケミージャパン社製の表面調整剤) 0.3部
コア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−3)の作製
市販のスチレン−アクリル酸樹脂であるジョンソンポリマー社製のジョンクリル 67(商品名、固形分酸価=213mgKOH/g、重量平均分子量=12,500)をカルビトールアセテートに、不揮発分=70%となるように溶かしたワニス(以下、A−3ワニスと称す。)を用いて、下記の配合成分を撹拌機にて撹拌後、3本ロールミルにて練肉することによりコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムのベースとなる樹脂組成物を均一分散し、希釈後、ろ過することにより樹脂組成物を調整した。得られた樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを用いて塗布し、90℃で30分仮乾燥させることにより、乾燥膜厚50μmのコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−3)を作製した。
A−3ワニス 100.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 15.0部
2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパン−1−オン 5.0部
DEN−431(ダウ・ケミカル社製の
フェノールノボラック型エポキシ樹脂(Mw=970)) 60.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 10.0部
BYK−310(ビックケミージャパン社製の表面調整剤) 0.3部
コア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−4)の調整
下記の配合成分を撹拌機にて撹拌後、3本ロールミルにて練肉することによりコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムのベースとなる樹脂組成物を均一分散し、希釈後、ろ過することにより樹脂組成物を調整した。得られた樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを用いて塗布し、90℃で30分仮乾燥させることにより、乾燥膜厚50μmのコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−4)を作製した。
A−3ワニス 100.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 15.0部
2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパン−1−オン 5.0部
EPPN−201(日本化薬社製の
フェノールノボラック型エポキシ樹脂(Mw=3,930)) 50.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 10.0部
BYK−310(ビックケミージャパン社製の表面調整剤) 0.3部
コア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−5)の調整
下記の配合成分を撹拌機にて撹拌後、3本ロールミルにて練肉することによりコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムのベースとなる樹脂組成物を均一分散し、希釈後、ろ過することにより樹脂組成物を調整した。得られた樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを用いて塗布し、90℃で30分仮乾燥させることにより、乾燥膜厚50μmのコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−5)を作製した。
A−2ワニス 100.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 15.0部
2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパン−1−オン 5.0部
EPPN−201(日本化薬社製の
フェノールノボラック型エポキシ樹脂(Mw=3,930)) 50.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 10.0部
BYK−310(ビックケミージャパン社製の表面調整剤) 0.3部
上下クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−6、P−7)の調整
下記の配合成分を撹拌機にて撹拌後、3本ロールミルにて練肉することによりクラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムのベースとなる樹脂組成物を均一分散し、希釈後、ろ過することにより樹脂組成物を調整した。得られた樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを用いて塗布し、90℃で30分仮乾燥させることにより、乾燥膜厚20μmの下部クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−6)、及び乾燥膜厚70μmの上部クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−7)を作製した。
A−1ワニス 100.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 15.0部
2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパン−1−オン 5.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 10.0部
BYK−310(ビックケミージャパン社製の表面調整剤) 0.3部
コア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−8)の調整
下記の配合成分を撹拌機にて撹拌後、3本ロールミルにて練肉することによりコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムのベースとなる樹脂組成物を均一分散し、希釈後、ろ過することにより樹脂組成物を調整した。得られた樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを用いて塗布し、90℃で30分仮乾燥させることにより、乾燥膜厚50μmのコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−8)を作製した。
A−2ワニス 100.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 15.0部
2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパン−1−オン 5.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 10.0部
BYK−310(ビックケミージャパン社製の表面調整剤) 0.3部
基板上に、下クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−1)を支持フィルムが上になるように、常圧熱ロール圧着機を用いて、適当な熱と圧力を加えながら、ドライフィルムを基板上に転写した。その後、この下部クラッド層を活性エネルギー線照射することにより硬化させた後、150℃、60分熱硬化反応を行った。次に、この下部クラッド層上に、コア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−3)を前述手法と同様にして、常圧熱ロール圧着機を用いて下部クラッド層上に転写し、コア用塗膜を形成した。その後、コア用塗膜の上面から所定のラインパターンを有するフォトマスクを介して活性エネルギー線照射を行い、活性エネルギー線照射後、1.0wt%Na2CO3のアルカリ水溶液にて60秒現像を行った。その後、下部クラッド層と同様に150℃、60分熱硬化反応を行うことにより、下部クラッド層上部にコア層を形成した。次に、コア部分が形成された下部クラッド層上に、支持フィルムが上になるように前記手法と同様に転写し、常圧熱ロール圧着機を用いて上クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−2)を形成した。この上クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムに対し、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、上部クラッド層を形成した後、150℃、60分熱硬化反応を行い、下部クラッド層、コア層、上部クラッド層から形成される光導波路を作製した。このようにして得られた光導波路を、1cmから5cmの間の長さにそれぞれ切り出し、光伝送損失について、カットバック法により測定を行った。
実施例1においてコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−3)の代わりに、コア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−4)を使用した以外は同様にしてマルチモード型光導波路を作製した。
このようにして得られた光導波路を、1cmから5cmの間の長さにそれぞれ切り出し、光伝送損失について、カットバック法により測定を行った。
実施例1においてコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−3)の代わりに、コア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−5)を使用したこと以外は同様にしてマルチモード型光導波路を作製した。
このようにして得られた光導波路を、1cmから5cmの間の長さにそれぞれ切り出し、光伝送損失について、カットバック法により測定を行った。
実施例1においてコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−3)の代わりに、コア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−8)を使用し、また、下クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−1)の代わりに下クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−6)を使用し、さらに、上クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−2)の代わりに上クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−7)を使用したこと以外は同様にしてマルチモード型光導波路を作製した。
このようにして得られた光導波路を、1cmから5cmの間の長さにそれぞれ切り出し、光伝送損失について、カットバック法により測定を行った。
(a)はんだ耐熱性
得られたマルチモード型光導波路について、JIS C 6481の試験方法に従って、260℃のはんだ槽に30秒間浸漬し、その後セロハンテ−プ(商品名)をその硬化塗膜の上に指で擦って貼り付けてから引き剥がす、いわゆるピ−リング試験を行い、その1回の試験を1サイクルとして、これを同じ個所で3サイクルまで行った。硬化塗膜の剥離の程度を目視により観察し、以下の基準により評価し、その結果を表1に示した。
○:テープピーリング試験後、剥離等がないもの。
×:テープピーリング試験後、剥離を生じるもの
得られたマルチモード型光導波路について、温度260℃のリフロー炉を通過させることにより、剥がれ、膨れが無いかを目視により観察し、以下の基準により評価し、その結果を表1に示した。
○:リフロー炉を通過後、塗膜に剥がれ、膨れが無い。
×:リフロー炉を通過後、塗膜に剥がれ、膨れを生じるもの。
得られたマルチモード型光導波路について、10vol%の塩酸水溶液に30分間浸漬した後、硬化塗膜の状態を目視により観察し、以下の基準により評価し、その結果を表1に示した。
○:全く変化が認められないもの。
△:ほんの僅か変化しているもの。
×:顕著に変化しているもの。
得られたマルチモード型光導波路について、プロピレングリコールモノメチルエーテルに30分間浸漬した後、硬化塗膜の状態を目視により観察し、以下の基準により評価し、その結果を表1に示した。
○:全く変化が認められないもの。
△:ほんの僅か変化しているもの。
×:顕著に変化しているもの。
得られたマルチモード型光導波路を切り出しそれぞれの長さでのコア形状の違いについて観察した。その結果を表1に示した。
○:ほぼ変化が認められないもの。
△:±3μm以上の相違が確認されるもの。
×:顕著に変化しているもの。
得られたマルチモード型光導波路基板を、サーマルショック試験器に入れ、−45℃,15分と125℃,15分のヒートサイクル試験を、300サイクル行い、試験終了後の基板の顕微鏡で観察し、クラックの発生の有無を調べ、その結果を表1に示した。
○:クラック等の異常なし。
△:一部にクラック発生。
×:全体に、クラック発生。
Claims (7)
- 光・電気混載基板を構成する、(a)光導波路及びソルダーレジスト層、(b)光導波路及び中間絶縁層、(c)光導波路、ソルダーレジスト層及び中間絶縁層のいずれかの組合せに併用して用いられるドライフィルムであって、
(A)酸価が40〜250mgKOH/gであり、かつ重量平均分子量が2,000〜50,000である主鎖に芳香環の無い下記(1)〜(4)から選ばれるいずれか少なくとも一種の共重合系の線状ポリマーであるカルボキシル基含有樹脂、
(1)不飽和カルボン酸と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の共重合によって得られるカルボキシル基含有の線状ポリマー、
(2)不飽和カルボン酸と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、部分的にエチレン性不飽和基をペンダントとして付加させることによって得られるカルボキシル基含有の感光性線状ポリマー、
(3)一分子中にエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、不飽和モノカルボン酸を反応させ、生成した第二級の水酸基に飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有の感光性線状ポリマー、
(4)不飽和二重結合を有する酸無水物と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、一分子中に水酸基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有の感光性線状ポリマー、
(B)光硬化して前記カルボキシル基含有樹脂(A)を希アルカリ水溶液に対して不溶化する反応性希釈剤、
(C)光重合開始剤、及び
(D)一分子中に2個以上のエポキシ基と、芳香環又は複素環を有し、エポキシ当量が240g/eq.以下であり、かつ重量平均分子量が3,000以下であるエポキシ樹脂
を含有する感光層を有していることを特徴とする光硬化性・熱硬化性ドライフィルム。 - 前記カルボキシル基含有樹脂(A)が、さらに(A’)分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有の感光性線状ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性・熱硬化性ドライフィルム。
- 前記感光層に、さらに、(E)無機充填剤を含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の光硬化性・熱硬化性ドライフィルム。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムが、前記カルボキシル基含有樹脂(A)、前記反応性希釈剤(B)、前記光重合開始剤(C)、及び前記エポキシ樹脂(D)を含有する成分を、又はさらに前記無機充填剤(E)を配合した成分を、(F)有機溶剤に溶解し液状化した後、支持フィルム上に塗布・乾燥して得られる乾燥皮膜からなる感光層を有していることを特徴とする光硬化性・熱硬化性ドライフィルム。
- 更に、上記感光層の上に、カバーフィルムが形成されていることを特徴とする請求項4に記載の光硬化性・熱硬化性ドライフィルム。
- 前記感光層の膜厚が、10〜150μmであり、膜厚のバラツキが±10%以内であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光硬化性・熱硬化性ドライフィルム。
- 光・電気混載基板を構成する光導波路の下部クラッド層、コア層、及び上部クラッド層の少なくとも一つと、当該光・電気混載基板を構成するソルダーレジスト層もしくは中間絶縁層とが、いずれも、前記請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムから形成されてなることを特徴とする光・電気混載基板。
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