JP4471149B2 - 感光性樹脂組成物及びその硬化物の製造法 - Google Patents

感光性樹脂組成物及びその硬化物の製造法 Download PDF

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Description

本発明は、プリント(配線回路)基板製造の際のソルダーマスクや無電解金メッキレジスト等に使用でき、主にアルカリ水溶液により現像され、活性エネルギー線照射により得られるその硬化物は、密着性、ハンダ耐熱性、無電解金メッキ耐性等に優れるという特性を示す感光性樹脂組成物、その硬化物の製造法並びにその硬化物を有する基材等に関するものである。
ソルダーマスクは、プリント配線回路基板に部品をハンダ付けする際に目的の部位以外のところへのハンダの付着を避けること及びプリント配線回路基板上の回路の保護を目的として使用され、電気絶縁性、耐熱性、密着性、耐化学薬品性等の諸特性が要求される。
初期にはメラミン系の加熱硬化型ソルダーレジストインキが使用されていたが、その後、耐熱性、硬度、密着性、耐化学薬品性等に優れたエポキシ系の加熱硬化型ソルダーレジストインキが開発されるに至り、高信頼性を重要視するコンピュータ関連等の産業機器用プリント配線回路基板においては、エポキシ系加熱硬化型ソルダーレジストインキが主流となっている。
一方、民生用プリント配線回路基板においては作業性と生産性の点から、エポキシ樹脂をアクリレート化した紫外線硬化型のソルダーレジストインキが主流となっている。
最近では、エレクトロニクス機器類の小型化、高機能化、省資源化、低コスト化等により産業用プリント配線回路基板においても回路のパターン密度の精度向上についての要求が高くなったため、写真現像型のソルダーマスクの開発が進められている。
1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有するプレポリマー、例えばノボラック型エポキシ樹脂、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有し希釈剤に難溶性の微粒状エポキシ化合物を必須成分とする感光性熱硬化性樹脂組成物が特許文献1に記載されている。
ノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応物と、多塩基酸無水物とを反応せしめて得られる活性エネルギー線硬化樹脂を含む光硬化性及び熱硬化性の液状レジストインキ組成物を使用するソルダーレジストパターン形成方法が特許文献2に記載されている。
しかしながら、従来これらに使用されるノボラック型エポキシ樹脂は、軟化点100℃未満のオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂をベースにしたものであり、組成物としたときタックが現れやすく、マスクフィルムが基板に貼り付いてしまう等の不具合があった。
特公平7−17737号公報 特公平7−67008号公報
プリント回路配線基板は、携帯電話等の携帯機器の小型軽量化や通信速度の向上をめざす中でさらなる高精度・高密度化が求められており、それに伴いソルダーマスクへの要求も益々高度となり、従来よりも密着性、ハンダ耐熱性、無電解金メッキ耐性等において高い性能が求められるようになってきている。しかしながら、現在用いられているソルダーマスクではこれらの要求に十分に対応できない。
本発明の目的は、今日のプリント回路配線基板に求められる微細なパターンを描画可能とする活性エネルギー線に対する感光性に優れ、アルカリ水溶液による現像によりパターン形成できると共に、得られる硬化膜がソルダーマスクに要求される諸特性を満足する樹脂組成物並びにその硬化物等を提供することにある。
本発明者らは前述の課題を解決するため鋭意研究の結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(1)軟化点(JIS K7234による測定)が100〜130℃であり分子中に2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物(a)、分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物(b)及び任意成分として分子中に少なくとも2個の水酸基を有するモノカルボン酸化合物(c)との反応物に、多塩基酸無水物(d)を反応させて得られるエチレン性不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)、光重合開始剤(B)、架橋剤(C)並びに硬化剤(D)を含有する感光性樹脂組成物;
(2)エポキシ化合物(a)がクレゾールノボラック型エポキシ樹脂である上記(1)記載の感光性樹脂組成物;
(3)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂がメタクレゾール及び/またはパラクレゾールから得られるノボラック型エポキシ樹脂である上記(2)記載の感光性樹脂組成物;
(4)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が、メタクレゾール:パラクレゾールのモル比の比率が7:3〜3:7のクレゾール混合物から得られるノボラック型エポキシ樹脂である上記(2)または(3)に記載の感光性樹脂組成物;
(5)不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)の固形分酸価が40〜160mgKOH/gである上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物;
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射することを特徴とする該感光性樹脂組成物の硬化物の製造法;
(7)上記(6)記載の製造法により得られる硬化物の層を有する基材;
(8)上記(7)記載の基材を有する物品;
に関する。
エポキシ樹脂の軟化点(JIS K7234による測定)が100〜130℃であり分子中に2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物(a)、特にメタクレゾール及び/またはパラクレゾールから得られるノボラック型エポキシ樹脂、分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物(b)及び必要に応じて分子中に少なくとも2個の水酸基を有するモノカルボン酸化合物(c)の反応物に、多塩基酸無水物(d)を反応させて得られるエチレン性不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)、光重合開始剤(B)、架橋剤(C)並びに硬化剤(D)を含有することを特徴とする本発明の感光性樹脂組成物は、タック性がなく、感光性に優れ、アルカリ水溶液による現像によりパターン形成ができると共に、活性エネルギー線の照射により得られる硬化物は密着性、鉛筆硬度、耐溶剤性、耐酸性、ハンダ耐熱性、無電解金メッキ耐性等に高い性能を示し、光硬化型塗料、光硬化型接着剤等にも好適に使用でき、特にプリント配線回路基板用感光性樹脂組成物として適している。
本発明の感光性樹脂組成物は、エポキシ樹脂の軟化点(JIS K7234による測定)が100〜130℃であり分子中に2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物(a)、分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物(b)及び必要に応じて分子中に少なくとも2個の水酸基を有するモノカルボン酸化合物(c)の反応物に、多塩基酸無水物(d)を反応させて得られるエチレン性不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)、光重合開始剤(B)、架橋剤(C)並びに硬化剤(D)を含有することを特徴とする。
本発明の感光性樹脂組成物のエチレン性不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)を得るために使用される分子中に2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物(a)は、JIS K7234によるエポキシ樹脂の軟化点測定方法において、軟化点が100〜130℃のエポキシ化合物であれば特に限定されないが、メタクレゾール及び/またはパラクレゾールから得られるノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
メタクレゾール及び/またはパラクレゾールから得られるノボラック樹脂は、半導体加工用ポジ型レジスト用のバインダー樹脂として、従来から使用されており比較的入手も容易である。
上記のノボラック型エポキシ樹脂としては、メタクレゾールとパラクレゾールのモル比が7:3〜3:7であるクレゾール混合物から得られるノボラック樹脂にエポキシ基を導入した樹脂が特に好ましい。該ノボラック樹脂において、メタクレゾールの割合が高いと樹脂の分子量が大きくなりすぎ、最悪の場合ゲル化を引き起こし、逆にパラクレゾールの割合が高いと樹脂の分子量は小さくなるものの、環化してカレックスアレーン構造となり有機溶剤に不溶の樹脂ができ、どちらにしてもエポキシ化が困難となるおそれがある。
ノボラック樹脂の製造法の具体例としては、例えば、メタクレゾール及び/またはパラクレゾールとホルマリン水溶液に、シュウ酸、酢酸、塩酸、硫酸等の酸性触媒を加え、必要に応じて加熱して縮合反応させることにより得ることができる。
ノボラック樹脂へのエポキシ基の導入は、従来行われている方法が適用でき、例えば、ノボラック樹脂とエピクロルヒドリンを、メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒中で、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基を用いて反応させる方法が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物のエチレン性不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)を得るために使用される分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物(b)としては、例えば、アクリル酸類、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸、桂皮酸、或いは飽和または不飽和二塩基酸と不飽和基含有モノグリシジル化合物との反応物が挙げられる。アクリル酸類とは、例えば、(メタ)アクリル酸、β−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、飽和または不飽和二塩基酸無水物と1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体との当モル反応物である半エステル類、飽和または不飽和二塩基酸とモノグリシジル(メタ)アクリレート誘導体類との当モル反応物である半エステル類等が挙げられる。
上記分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物(b)として特に好ましいものは、感光性樹脂組成物としたときの感度の点から(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸とε−カプロラクトンとの反応生成物または桂皮酸である。なお、本発明において(メタ)アクリレートとは、メタクリレート若しくはアクリレートを、また、(メタ)アクリル酸とは、メタクリル酸若しくはアクリル酸を意味する。
本発明の感光性樹脂組成物のエチレン性不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)を得るために使用してもよい分子中に少なくとも2個の水酸基を有するモノカルボン酸化合物(c)として具体的には、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロール酢酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸、ジメチロールカプロン酸等のポリヒドロキシカルボン酸類を挙げることができる。好ましいものとしては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等である。
本発明の感光性樹脂組成物に使用される、上記のエポキシ化合物(a)、上記のエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物(b)及び任意成分としての上記の水酸基を有するモノカルボン酸化合物(c)の反応物であるエチレン性不飽和基含有エポキシ樹脂は、無溶剤または有機溶媒中で、後記の反応温度で、各成分を適宜の割合で混合し反応せしめて得られる。使用し得る有機溶媒としては具体的には、アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、グルタル酸ジアルキル(例えば、グルタル酸ジメチル等)、コハク酸ジアルキル(例えば、コハク酸ジメチル等)、アジピン酸ジアルキル(例えば、アジピン酸ジメチル等)等のエステル類;γ−ブチロラクトン等の環状エステル類;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等が挙げられる。さらに後述する架橋剤(C)等を溶媒として使用してもよい。これらは単独若しくは混合して用いられる。
該反応時には、熱重合反応を抑えるため熱重合禁止剤を加えることが好ましく、その使用量はエポキシ化合物(a)に対して0.05〜10重量%程度である。使用し得る熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、2−メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール等が挙げられる。
また、該反応時には反応を促進させるために触媒を使用することが好ましく、その使用量はエポキシ化合物(a)に対して0.1〜10重量%程度である。使用し得る触媒としては、例えばトリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、塩化トリエチルアンモニウム、臭化ベンジルトリメチルアンモニウム、沃化ベンジルトリメチルアンモニウム、トリフェニルフォスフィン、トリフェニルスチビン、メチルトリフェニルスチビン、オクタン酸クロム、オクタン酸亜鉛、オクタン酸ジルコニウム等が挙げられる。
該反応の反応温度は大凡60〜150℃であり、また反応時間は好ましくは3〜60時間程度である。
本発明の感光性樹脂組成物のエチレン性不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)を得るために上記のエチレン性不飽和基含有エポキシ樹脂と反応させる多塩基酸無水物(d)の具体例としては、分子中に酸無水物構造を有する化合物であれば特に制限されないが、硬化物のアルカリ水溶液現像性、耐熱性、加水分解耐性等に優れる点から、例えば、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸、3−メチル−テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸または無水マレイン酸等が挙げられる。
多塩基酸無水物(d)との反応は、上記のエチレン性不飽和基含有エポキシ樹脂を得た反応に続いて、該反応液に多塩基酸無水物(d)を加えることにより行うことが好ましい。多塩基酸無水物(d)の添加量は最終的に得られるエチレン性不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)の固形分酸価が40〜160mgKOH/gとなる計算量を仕込むことが好ましい。この固形分酸価が40mgKOH/g未満の場合、感光性樹脂組成物のアルカリ水溶液現像性が著しく低下し、現像できなくなるおそれがあり、また、固形分酸価が160mgKOH/gを越える場合、現像性が高くなりすぎ、パターニングができなくなるおそれがある。
なお、本発明において固形分酸価とは、樹脂1g中のカルボン酸の酸性を中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)である。また、溶液中の該樹脂の濃度がわかれば溶液の酸価から固形分酸価を計算して求めることもできる。本発明において酸価とは、樹脂等の酸性物質を含む溶液1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)であり、JIS K0070に準じて通常の中和滴定法により測定される。
反応温度は、例えば、60〜150℃程度であり、また、反応時間は好ましくは2〜8時間程度である。
本発明の感光性樹脂組成物に含有される光重合開始剤(B)の具体例としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシンクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフエノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルスルフィド、4,4'−ビスメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド類等があげられる。
これらは、単独または2種以上の混合物として使用でき、さらにはトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等の第3級アミン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル等の安息香酸誘導体等の重合反応促進剤等と組み合わせて使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物に含有される架橋剤(C)の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等)と多塩基酸無水物(例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等)の反応物であるハーフエステル,ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、グリセンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペングリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート(例えば、日本化薬(株)製、KAYARAD HX−220、HX−620等)、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールとε−カプロラクトンの反応物のポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、モノまたはポリグリシジル化合物と(メタ)アクリル酸の反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート等をあげることができる。上記モノまたはポリグリシジル化合物としては、例えば、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、グリセリンポリグリシジルエーテル、グリセリンポリエトキシグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリエトキシポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物に使用される硬化剤(D)としては、活性エネルギー線照射による感光性樹脂組成物の硬化後の樹脂塗膜に残存するカルボキシル基や水酸基と加熱により反応し、さらに強固な薬品耐性等を有する硬化塗膜を与える化合物であれば特に限定されないが、例えば、エポキシ化合物、オキサジン化合物等が挙げられる。
硬化剤(D)としてのエポキシ化合物の具体例としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノール−Aノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロンN−770(大日本インキ化学工業(株)製)、D.E.N438(ダウ・ケミカル製)、エピコート154(ジャパンエポキシレジン(株)製)、RE−306(日本化薬(株)製)等が挙げられる。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロンN−695(大日本インキ化学工業(株)製)、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S(いずれも日本化薬(株)製)、UVR−6650(ユニオンカーバイド(株)製)、ESCN−195(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂としては、例えば、EPPN−503、EPPN−502H、EPPN−501H(いずれも日本化薬(株)製)、TACTIX−742(ダウ・ケミカル(株)製)、エピコートE1032H60(ジャパンエポキシレジン(株)製)等が挙げられる。
ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロンEXA−7200(大日本インキ化学工業(株)製)、TACTIX−556(ダウ・ケミカル(株)製)等が挙げられる。
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、エピコート828、エピコート1001(いずれもジャパンエポキシレジン(株)製)、UVR−6410(ユニオンカーバイド(株)製)、D.E.R−331(ダウ・ケミカル(株)製)、YD−8125(東都化成(株)製)等のビスフェノール−A型エポキシ樹脂、UVR−6490(ユニオンカーバイド社製)、YDF−8170(東都化成(株)製)等のビスフェノール−F型エポキシ樹脂等が挙げられる。
ビフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、NC−3000、NC−3000H(いずれも日本化薬(株)製)等のビフェノール型エポキシ樹脂、YX−4000(ジャパンエポキシレジン(株)製)等のビキシレノール型エポキシ樹脂、YL−6121(ジャパンエポキシレジン(株)製)等が挙げられる。
ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロンN−880(大日本インキ化学工業(株)製)、エピコートE157S75(ジャパンエポキシレジン(株)製)等が挙げられる。
ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂としては、例えば、NC−7000、NC−7300(いずれも日本化薬(株)製)、EXA−4750(大日本インキ化学工業(株)製)等が挙げられる。
脂環式エポキシ樹脂としては、例えば、EHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。
複素環式エポキシ樹脂としては、例えば、TEPIC−L,TEPIC−H、TEPIC−S(いずれも日産化学工業(株)製)等が挙げられる。
硬化剤(D)としてのオキサジン化合物の具体例としては、例えば、B−m型ベンゾオキサジン、P−a型ベンゾオキサジン、B−a型ベンゾオキサジン(いずれも四国化成工業(株)製)が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、エチレン性不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)、光重合開始剤(B)、架橋剤(C)並びに硬化剤(D)を、感光性樹脂組成物の不揮発成分を100重量%とした場合、(A)成分は10〜80重量%、(B)成分は0.5〜30重量%、(C)成分は5〜60重量%、(D)成分は5〜30重量%程度の割合で混合して得られ、必要に応じて前記のエチレン性不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)を得る際に使用される有機溶媒等で希釈して用いてもよい。
さらに本発明の感光性樹脂組成物には、各種の添加剤、例えば、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、チタン酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、シリカ、クレー等の充填剤、アエロジル等のチキソトロピー付与剤、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、酸化チタン等の着色剤、シリコーン、フッ素系のレベリング剤や消泡剤、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等の重合禁止剤等を組成物の諸性能を高める目的で必要に応じて添加することができる。
なお、前述の硬化剤(D)は、予め前記の樹脂組成物に混合してもよいが、プリント配線板への塗布前に混合して用いることもできる。すなわち、前記の(A)成分を含み、これにエポキシ硬化促進剤等を配合した主剤溶液と、硬化剤(D)を含む硬化剤溶液の二液型に配合し、使用に際してこれらを混合して用いてもよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、該樹脂組成物を支持フィルムと保護フィルムでサンドイッチした構造からなるドライフィルム型としてソルダーマスク用等に使用することもできる。
本発明の感光性樹脂組成物(液状またはフィルム状)は、電子部品の層間の絶縁材、光部品間を接続する光導波路、プリント配線回路基板用のソルダーマスクやカバーレイ等のレジスト材料として有用である他、カラーフィルター、印刷インキ、封止剤、塗料、コーティング剤、接着剤等にも使用される。
本発明の感光性樹脂組成物に紫外線等の活性エネルギー線の照射による硬化物の製造法も本発明に含まれる。紫外線等のエネルギー線照射により硬化は常法により行うことができる。例えば、紫外線を照射する場合、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、紫外線発光レーザー(エキシマーレーザー等)等の紫外線発生装置を用いればよい。プリント(配線回路)基板用の製造法を例に具体的に説明すると、液状の感光性樹脂組成物を基板に、スクリーン印刷法、スプレー法、ロールコート法、静電塗装法、カーテンコート法等の方法により5〜160μmの膜厚で塗布し、塗膜を通常50〜110℃、好ましくは60〜100℃の温度で乾燥させ、タック性のない塗膜を形成する。次ぎに、ネガフィルム等の露光パターンを形成したフォトマスクを通して塗膜に直接または間接に紫外線等の活性エネルギー線を通常10〜2000mJ/cm程度の強さで照射し、露光部分を硬化する。未露光部分(非硬化部分)を後記するアルカリ水溶液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッビング等により現像する。その後、必要に応じてさらに紫外線を照射し、次いで通常100〜200℃、好ましくは140〜180℃の温度で加熱処理する。こうして、金メッキ性に優れ、耐熱性、耐溶剤性、耐酸性、密着性等の諸特性に優れた永久保護膜を有するプリント配線回路基板が得られる。
上記、現像に使用するアルカリ水溶液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等の無機アルカリ水溶液や水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリ水溶液が使用できる。
上記製造法で得られる本発明の感光性樹脂組成物の硬化物層は、例えば、レジスト膜、ビルドアップ工法用の層間絶縁材や光導波路としてプリント基板、光電子基板や光基板のような電気・電子・光部品に利用可能であるが、これらの基材や部品も本発明に含まれる。この際の硬化物層の膜厚は、通常0.5〜160μm程度で、1〜100μm程度が好ましい。
本発明の硬化物の層を有する基材や部品を使用できる物品としては、例えば、自動車、電車、飛行機等の輸送製品;テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機等の家電製品;携帯電話、コンピュータ及びその周辺機器の情報機器類等が挙げられる。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでない。
合成例1
攪拌装置、還流管をつけた1Lフラスコ中に、反応溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを123.5g、分子中に2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物(a)として、JIS K7234による軟化点が114℃、エポキシ当量:216g/当量、メタクレゾール/パラクレゾール比=5/5のエポキシ化合物を216.0g、分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物(b)としてアクリル酸(分子量:72.06)を72.1g、熱重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを1.2g、及び反応触媒としてトリフェニルフォスフィンを1.2g仕込み、120℃の温度で反応液の酸価が、2mgKOH/g以下になるまで反応させた。反応時間は15時間であった。次いで、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを87.8g、多塩基酸無水物(d)としてテトラヒドロ無水フタル酸(分子量:152.15)を104.3g加え、110℃の温度で4時間反応させ、エチレン性不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)を65重量%含む樹脂溶液を得た。樹脂溶液の酸価は67mgKOH/g(固形分酸価:103mgKOH/g)であった。この樹脂溶液をA−1とする。
合成例2
攪拌装置、還流管をつけた1Lフラスコ中に、反応溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを131.4g、分子中に2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物(a)として、JIS K7234による軟化点が114℃、エポキシ当量:216g/当量、メタクレゾール/パラクレゾール比=5/5のエポキシ化合物を216.0g、分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物(b)としてアクリル酸(分子量:72.06)を50.4g、分子中に少なくとも2個の水酸基を有するモノカルボン酸化合物(c)としてジメチロールプロピオン酸(分子量:134.13)を40.2g、熱重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを1.3g、及び反応触媒としてトリフェニルフォスフィンを1.3g仕込み、120℃の温度で反応液の酸価が、2mgKOH/g以下になるまで反応させた。反応時間は20時間であった。次いで、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを65.8g、多塩基酸無水物(d)としてテトラヒドロ無水フタル酸(分子量:152.15)を59.6g加え、110℃の温度で4時間反応させ、エチレン性不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)を65重量%含む樹脂溶液を得た。樹脂溶液の酸価は40mgKOH/g(固形分酸価:62mgKOH/g)であった。この樹脂溶液をA−2とする。
合成例3
攪拌装置、還流管をつけた1Lフラスコ中に、反応溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを128.8g、分子中に2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物(a)として、JIS K7234による軟化点が114℃、エポキシ当量:216g/当量、メタクレゾール/パラクレゾール比=5/5のエポキシ化合物を216.0g、分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物(b)としてアクリル酸(分子量:72.06)を57.7g、分子中に少なくとも2個の水酸基を有するモノカルボン酸化合物(c)としてジメチロールプロピオン酸(分子量:134.13)を26.8g、熱重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを1.3g、及び反応触媒としてトリフェニルフォスフィンを1.3g仕込み、120℃の温度で反応液の酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応させた。反応時間は18時間であった。次いで、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを52.4g、多塩基酸無水物(d)として無水コハク酸(分子量:100.01)を36.0g加え、110℃の温度で4時間反応させ、エチレン性不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)を65重量%含む樹脂溶液を得た。樹脂溶液の酸価は42mgKOH/g(固形分酸価:65mgKOH/g)であった。この樹脂溶液をA−3とする。
合成例4
攪拌装置、還流管をつけた1Lフラスコ中に、反応溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを125.2g、分子中に2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物として、JIS K7234による軟化点が92℃、エポキシ当量:220g/当量のオルソクレゾールエポキシ化合物を220.0g、分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物(b)としてアクリル酸(分子量:72.06)を72.1g、熱重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを1.3g、及び反応触媒としてトリフェニルフォスフィンを1.3g仕込み、120℃の温度で反応液の酸価が、2mgKOH/g以下になるまで反応させた。反応時間は15時間であった。次いで、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを89.0g、多塩基酸無水物(d)としてテトラヒドロ無水フタル酸(分子量:152.15)を105.7g加え、110℃の温度で4時間反応させ、エチレン性不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂を65重量%含む樹脂溶液を得た。樹脂溶液の酸価は66mgKOH/g(固形分酸価:102mgKOH/g)であった。この樹脂溶液を比較樹脂とする。
実施例1〜3、比較例1
前記合成例で得られた(A−1)、(A−2)、(A−3)または(比較樹脂)を表1に示す配合割合で混合し、必要に応じて3本ロールミルで混練し、本発明または比較用の感光性樹脂組成物を得た。これをバーコート法により15〜25μmの厚さになるように銅回路プリント基板に塗布し、塗膜を80℃の熱風乾燥器で60分乾燥した。室温に冷却後、脱脂綿を塗膜に付着させタック性の観察を行った。
次いで、パターンの描画されたマスクフィルムを密着させ、紫外線露光装置(USHIO製:500Wマルチライト)を用いて後記に示す紫外線量の紫外線を照射した。次に、現像液として2%炭酸ナトリウム水溶液(温度30℃)を用い60秒間スプレー(スプレー圧:0.2MPa)現像を行った。水洗後、150℃の熱風乾燥器で60分間熱処理を行い硬化膜を得た。光感度、表面光沢、密着性、鉛筆硬度、耐溶剤性、耐酸性、耐熱性、耐金メッキ性の試験を行ない、それらの結果を表2に示す。なお、試験方法及び評価方法は次のとおりである。
(タック性)基板に塗布した乾燥後の膜に脱脂綿をこすりつけ、膜のタック性を評価した。
○・・・・脱脂綿が貼り付かない。
×・・・・脱脂綿の糸くずが、膜に貼り付く。
(光感度)塗膜に紫外線を照射する。脱脂綿が付着するか観察した。下記の基準を使用した。
○・・・・照射量 200mJ/cm 以下。
×・・・・照射量 200mJ/cm 以上。
(表面光沢)200mJ/cmの紫外線を照射し、150℃の乾燥機で40分加熱処理を行う。得られた塗膜をエタノールに60秒間浸漬させ、乾燥後の硬化膜を観察する。下記の基準を使用した。
○・・・・曇りが全く見られない。
△・・・・若干曇りが見られる。
×・・・・曇りが見られる。
(密着性)200mJ/cmの紫外線を照射し、150℃の乾燥機で40分加熱処理を行う。硬化膜をJIS K5400に準じて、試験片に1mmのごばん目を100個作りセロテープ(登録商標)によりピーリング試験を行った。ごばん目の剥離状態を観察し、次の基準で評価した。
○・・・・剥離のないもの。
×・・・・剥離するもの。
(鉛筆硬度)200mJ/cmの紫外線を照射し、150℃の乾燥機で40分加熱処理を行う。得られた塗膜をJIS K5400に準じて評価を行った。
(耐溶剤性)200mJ/cmの紫外線を照射し、150℃の乾燥機で40分加熱処理を行う。得られた塗膜をイソプロピルアルコールに室温で30分間浸漬する。外観に異常がないか確認した。
○・・・・曇りが全く見られない。
×・・・・若干の曇りが見られる。
(耐酸性)200mJ/cmの紫外線を照射し、150℃の乾燥機で40分加熱処理を行う。得られた塗膜を10%塩酸水溶液に室温で30分浸漬する。外観に異常がないか確認した後、セロテープ(登録商標)によるピーリング試験を行い、次の基準で評価した。
○・・・・塗膜外観に異常がなく、フクレや剥離がないもの。
×・・・・塗膜にフクレや剥離があるもの。
(耐熱性)200mJ/cmの紫外線を照射し、150℃の乾燥機で40分加熱処理を行う。得られた塗膜にロジン系プラックスを塗布し260℃の半田槽に5秒間浸漬した。これを1サイクルとし3サイクル繰り返した。室温まで放冷した後、セロテープ(登録商標)によるピーリング試験を行い、次の基準で評価した。
○・・・・塗膜外観に異常がなく、フクレや剥離がないもの。
×・・・・塗膜にフクレや剥離があるもの。
(耐金メッキ性)200mJ/cmの紫外線を照射し、150℃の乾燥機で40分加熱処理を行う。得られた塗膜を30℃の酸性脱脂液(日本マクダーミット製、Metex L−5Bの20vol%水溶液)に3分間浸漬した後水洗し、次いで、14.4wt%過硫酸アンモン水溶液に室温で3分間浸漬した後水洗し、さらに10vol%硫酸水溶液に室温で試験基板を1分間浸漬した後水洗した。次に、この基板を30℃の触媒液(メルテックス製、メタルプレートアクチベーター350の10vol%水溶液)に7分間浸漬し、水洗し、85℃のニッケルメッキ液(メルテックス製、メルプレートNi−865Mの20vol%水溶液、pH4.6)に20分間浸漬しニッケルメッキを行った後、10vol%硫酸水溶液に室温で1分間浸漬し水洗した。次いで、試験基板を95℃の金メッキ液(メルテックス製、オウロレクトロレスUP15vol%とシアン化金カリウム3vol%の水溶液、pH6)に10分間浸漬し、無電解金メッキを行った後水洗し、さらに60℃の温水で3分間浸漬し水洗し乾燥した。得られた無電解金メッキ評価基板にセロハンテープ(登録商標)を付着し、剥離したときの状態を観察した。
○・・・・全く異常が無いもの。
×・・・・若干剥がれが観られたもの。
表1
実施例 比較例
1 2 3 1

不飽和基含有
ポリカルボン酸樹脂
A−1 38.15
A−2 38.15
A−3 38.15
比較樹脂 38.15
光重合開始剤(B)
Irg 907 1 3.58 3.58 3.58 3.58
DETX−S 2 0.36 0.36 0.36 0.36
架橋剤(C)
DPHA 3 5.16 5.16 5.16 5.16
TMPTA 4 2.00 2.00 2.00 2.00
硬化剤(D)
YX−4000 5 3.58 3.58 3.58 3.58
TEPIC 6 7.16 7.16 7.16 7.16
充填剤
メラミン 1.07 1.07 1.07 1.07
シリカ 7.88 7.88 7.88 7.88
硫酸バリウム 17.53 17.53 17.53 17.53

顔料 0.47 0.47 0.47 0.47
添加剤
BYK−354 7 0.72 0.72 0.72 0.72
KS−66 8 0.72 0.72 0.72 0.72
濃度調整用溶媒
PGMEA 9 11.62 11.62 11.62 11.62


1 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製 光重合開始剤、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパン
2 日本化薬(株)製 光重合開始剤、2,4−ジエチルチオキサントン
3 日本化薬(株)製 アクリレートモノマー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
4 日本化薬(株)製 アクリレートモノマー、 トリメチロールプロパントリアクリレート
5 JER製 エポキシ樹脂、3,3',4,4'−テトラメチルビフェニル−4,4'−ジグリシジルエーテル
6 日産化学(株)製 エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート
7 ビックケミー製 レベリング剤
8 信越化学(株)製 消泡剤
9 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
表2
実施例 比較例
1 2 3 1
評価項目
タック性 ○ ○ ○ ×
光感度 ○ ○ ○ ×
表面光沢 ○ ○ ○ △
密着性 ○ ○ ○ ○
鉛筆硬度 8H 5H 6H 7H
耐溶剤性 ○ ○ ○ ○
耐酸性 ○ ○ ○ ×
耐熱性 ○ ○ ○ ○
耐金メッキ性 ○ ○ ○ ×
表2の結果から明らかなように、本発明の感光性樹脂組成物はタック性がなく高感度であり、その硬化膜も表面光沢、耐酸性、耐金メッキ性等に優れているので、特にプリント配線回路基板用に適している。

Claims (6)

  1. 軟化点(JIS K7234による測定)が100〜130℃であり分子中に2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物(a)としてメタクレゾール及び/またはパラクレゾールから得られるクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物(b)及び任意成分として分子中に少なくとも2個の水酸基を有するモノカルボン酸化合物(c)との反応物に、多塩基酸無水物(d)を反応させて得られるエチレン性不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)、光重合開始剤(B)、架橋剤(C)並びに硬化剤(D)を含有する感光性樹脂組成物。
  2. クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が、メタクレゾール:パラクレゾールのモル比の比率が7:3〜3:7のクレゾール混合物から得られるノボラック型エポキシ樹脂である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. エチレン性不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)の固形分酸価が40〜160mgKOH/gである請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射することを特徴とする該感光性樹脂組成物の硬化物の製造法。
  5. 請求項記載の製造法により得られる硬化物の層を有する基材。
  6. 請求項記載の基材を有する物品。
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