JP4543318B2 - ダイナミックダンパ - Google Patents

ダイナミックダンパ Download PDF

Info

Publication number
JP4543318B2
JP4543318B2 JP2005003745A JP2005003745A JP4543318B2 JP 4543318 B2 JP4543318 B2 JP 4543318B2 JP 2005003745 A JP2005003745 A JP 2005003745A JP 2005003745 A JP2005003745 A JP 2005003745A JP 4543318 B2 JP4543318 B2 JP 4543318B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pair
dynamic damper
mass member
axial direction
fitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005003745A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006194266A (ja
Inventor
直仁 桑山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP2005003745A priority Critical patent/JP4543318B2/ja
Publication of JP2006194266A publication Critical patent/JP2006194266A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4543318B2 publication Critical patent/JP4543318B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Description

本発明は、内筒金具とその径方向外方に配設された筒状の質量部材間がゴム弾性体を介して連結されてなり、軸方向及び軸直角方向の振動入力を減衰させるダイナミックダンパに関する。
従来、この種のダイナミックダンパとしては、例えば、特許文献1に示すように、内筒金具とその径方向外方に配設された筒状の質量部材間がゴム弾性体で連結され、軸方向を上下に向けて車両のサスペンション部材等に固定されて、車両からの上下方向(軸方向)及び前後方向(軸直角方向)の振動入力を減衰させるものが知られている(同文献1の図4)。しかし、このダイナミックダンパは、質量部材の振動の自由度が高いため、特に20Hz前後の低周波数の振動入力に対して首振りといった望ましくない振動が生じ易い。そのため、本来の車両の上下方向及び前後方向の振動を減衰させる性能が損なわれると共に、ゴム弾性体への局部的な応力の集中によりその耐久性が損なわれることになる。さらに、質量部材の首振り動作により、質量部材がダイナミックダンパの周囲に配置された他の部材に当ってそれらに損傷を与えるおそれがある。これを避けるためにはダイナミックダンパの設置スペースを広く取る必要があるが、そのために車両のエンジンルーム内等の限られたスペースでは使用できなくなるおそれがある。
実開平6−80043号公報
これに対して、同特許文献1に示すように、軸線が平行な複数の貫通孔を持つ質量体と、振動体に一端が固定され各貫通孔の中央にそれぞれ位置した互いに平行な複数の芯部材と、貫通孔の内周面と貫通孔の中央に位置する芯部材の外周面とを一体的に連結するゴム弾性体とからなるダイナミックダンパが知られている(同文献1の図1〜3)。このダイナミックダンパの場合、複数の芯部材により質量体を支持する形態であることにより、質量体の振動の自由度が大幅に規制され、意図する方向の振動を減衰させることができるというものである。しかし、このダイナミックダンパにおいても、各芯部材は軸方向の1ヶ所で質量体を支持するものであるため、質量体の首振り等の望ましくない動作を十分に防止することはできず、それによる上記問題も十分に解消されていない。
本発明はこのような問題を解決しようとするもので、質量部材の首振り等の望ましくない動作を抑えて、軸方向及び軸直角方向の振動入力を適正に減衰させると共にゴム弾性体の耐久性が高められ、周囲の相手部材との干渉を防止でき、占有スペースの低減が可能なダイナミックダンパを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の構成上の特徴は、内筒金具と、内筒金具の径方向外方に離間して配置された外筒金具と、内外筒金具間を連結するゴム弾性体とをそれぞれ備えた一対のゴムブッシュが、筒状の質量部材の貫通孔内に質量部材の軸方向両端から圧入により挿嵌されて一対のゴム弾性体がそれぞれ質量部材の軸方向両端側に配置され、貫通孔から外方に突出した一対の内筒金具の軸方向外端に取付金具が固定されて貫通孔内にて一対の内筒金具の軸方向内端が互いに当接しており、一対の外筒金具の軸方向内端が互いに軸方向に離間しており、質量部材の内周面の軸方向中間にて一対の外筒金具の軸方向内端間を径方向内方に突出した環状の突出部が設けられ、突出部と対向する一対の内筒金具の外周面にそれぞれ内緩衝ゴム部が設けられ、取付金具によって制振対象部材に取り付けられることにある。
上記のように構成した本発明においては、一対のゴムブッシュが筒状の質量部材の貫通孔内に質量部材の軸方向両端から圧入により挿嵌されており、質量部材が軸方向両端側の2箇所にてゴム弾性体によって内筒金具に連結されている。それにより、質量部材が、軸方向両端側の2箇所でゴム弾性体を介して内筒金具によって支持されているため、質量部材の首振りといった望ましくない動作が効果的に抑制される。そのため、ダイナミックダンパは、本来の軸方向及び軸直角方向の振動入力を減衰させる機能を適正に発揮することができる。また、質量部材の望ましくない首振り動作等が抑えられることにより、ゴム弾性体への局部的な応力の集中が抑制されるため、ゴム弾性体の耐久性が確保される。さらに、質量部材の首振り等が抑えられることにより、質量部材とその周囲に配置された相手部材との干渉を避けることができ、相手部材の損傷を防止できる。また、質量部材の首振り等が抑えられることにより、ダイナミックダンパの占有スペースの低減が可能になり、ダイナミックダンパの狭いスペース内への設置の自由度が高められる。また、本発明においては、質量部材の径方向内方に突出した環状の突出部が内筒金具外周面に設けた内緩衝ゴム部に当接する簡易な径方向のストッパとして構成されていることにより、径方向の大きな振動入力による質量部材の径方向の相対変位を騒音を生じることなく適正範囲内に抑えることができる。
また、本発明において、取付金具が、互いに対向する一対の側板部と、一対の側板部を連結する連結板部とによりコ字状に形成されており、一対の側板部にて一対の内筒金具の軸方向外端にそれぞれ固定されて一対の内筒金具を挟持しているものであってもよい。このように、取付金具がコ字状で内筒金具の軸方向外端に固定される簡易な取付構造であることにより、ダイナミックダンパの占有スペースを抑えることができる。また、内筒金具の軸方向外端に固定される一対の側板部が、質量部材の軸方向の過大な振動に対するストッパとしても機能するため、別部材としてストッパを用意する必要がない。すなわち、取付金具は、本来の相手部材への取付機能に加えてストッパとしての機能を兼ね備えており、部材としての価値が高められる。
また、本発明において、一対の外筒金具の軸方向外端に、それぞれ径方向外方に延びた環状のフランジ部が設けられ、一対のフランジ部の取付金具との対向面にそれぞれ外緩衝ゴム部が設けられたものであってもよい。これにより、一対のゴムブッシュの外筒金具の軸方向外端に設けたフランジ部が外緩衝ゴム部を介して取付金具の対向面に当接する軸方向のストッパとして構成され、軸方向の大きな振動入力による質量部材の軸方向の相対変位を騒音を生じることなく適正範囲内に抑えることができる。
また、本発明において、一対のゴム弾性体において、軸直角方向の振動入力に対応する一対の内筒金具を挟んだ径方向両側にそれぞれ軸方向に貫通する一対のすぐり部を設けたものであってもよい。これにより、一対のすぐり部によって軸直角方向の振動入力の周波数に応じてゴム弾性体のばね定数が調整されるため、周波数に応じて振動入力を適正に減衰させることができる。
また、本発明において、取付金具が一対の側板部を上下方向に向けると共に連結板部にて車両の制振対象部材に車両の左右方向に対して傾斜して取り付けられた状態で、一対のすぐり部が車両の前後方向に向けて配置されてもよい。このように、取付金具の連結板部の車両制振対象部材への取付角度が異なっても、ゴム弾性体の一対のすぐり部を車両の前後方向に合わせて配置できることにより、車両前後方向の振動入力の周波数に応じてゴム弾性体のばね定数をすぐり部によって調整できるため、周波数に応じて車両の前後方向の振動入力を適正に減衰させることができる。
また、本発明において、質量部材の突出部と内筒金具の外周面を被覆する内緩衝ゴム部との隙間は、質量部材外周面と取付金具の連結板部の間の隙間より小さくされており、突出部と内緩衝ゴム部を介した内筒金具とで径方向のストッパ機構が構成されることが好ましい。これにより、突出部と内緩衝ゴム部を介した内筒金具とによる径方向のストッパ機構の機能が確実に達成される。
本発明によれば、一対のゴムブッシュが筒状の質量部材の貫通孔内に質量部材の軸方向両端から圧入により挿嵌されることにより、質量部材が軸方向両端側の2箇所においてゴム弾性体を介して内筒金具によって支持されているため、質量部材の首振りや捩れ等の望ましくない動作が有効に抑制される。その結果、本発明においては、ダイナミックダンパは、本来の軸方向及び軸直角方向の振動入力を減衰させる機能を適正に発揮でき、またゴム弾性体の耐久性も高められる。また、本発明においては、質量部材の首振りが抑えられることにより、ダイナミックダンパの周囲に配置された相手部材の損傷を防止でき、またダイナミックダンパの占有スペースの低減により狭いスペース内への設置の自由度が高められる。また、質量部材の径方向内方に突出した環状の突出部が内筒金具外周面に設けた内緩衝ゴム部に当接する簡易な径方向のストッパ機構により、径方向の大きな振動入力による相対変位を騒音を生じることなく適正範囲内に抑えることができる
また、本発明においては、取付金具をコ字状で内筒金具の軸方向外端に固定される簡易な取付構造とすることにより、ダイナミックダンパの占有スペースを抑えることができると共に、一対の側板部が、質量部材の軸方向の過大な相対変位に対するストッパとしても機能するため、別部材としてストッパを用意する必要がない。さらに、本発明においては、一対のゴムブッシュの外筒金具の軸方向外端に設けたフランジ部が外緩衝ゴム部を介して取付金具の対向面に当接する軸方向のストッパとして構成されることにより、軸方向の大きな振動入力による相対変位を騒音を生じることなく適正範囲内に抑えることができる。また、本発明においては、一対のすぐり部によって軸直角方向の振動入力の周波数に応じてゴム弾性体のばね定数を調整できるため、周波数に応じて振動入力を適正に減衰させることができる。さらに、本発明においては、取付金具の連結板部の車両制振対象部材への取付角度が異なっても、ゴム弾性体の一対のすぐり部を車両の前後方向に合わせて配置でき、車両前後方向の振動入力の周波数に応じてゴム弾性体のばね定数を調整できるため、車両の前後方向の振動入力を適正に減衰させることができる。また、本発明において、質量部材の突出部と内筒金具の外周面を被覆する内緩衝ゴム部との隙間は、質量部材外周面と取付金具の連結板部の間の隙間より小さくされており、突出部と内緩衝ゴム部を介した内筒金具とで径方向のストッパ機構が構成されていることにより、ストッパ機構の機能が確実に達成される。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1、図2、図3及び図4は、実施例である車両の車体側メンバーに軸方向を車両の上下に向けた状態で取り付けられるダイナミックダンパを正面断面図、側面断面図、正面図及び平面図により示したものである。また、図5、図6及び図7は、ダイナミックダンパを構成するゴムブッシュを平面図、VI−VI断面図及びVII−VII断面図により示したものである。
ダイナミックダンパ10は、内筒金具12と、その径方向外方に離間して配置された外筒金具14と、内外筒金具12,14間を連結するゴム弾性体17とをそれぞれ備えた同一形状の一対のゴムブッシュ11と、一対のゴムブッシュ11が貫通孔27内に軸方向両端から圧入により挿嵌された筒状の質量部材25と、各内筒金具12の軸方向外端にて内筒金具12の軸孔13に挿通された締付ボルト及びナット39,41により軸方向に締付けられて内筒金具12に固定される略コ字状の取付金具31とにより構成されている。なお、図1〜図4において、X方向は車両の前方向、Y方向は車両の左右方向、Z方向は上方向をそれぞれ示すものとする。
ゴムブッシュ11について、図5〜図7により詳細に説明する。
内筒金具12は、円筒形の肉厚のストレートなパイプである。外筒金具14は、薄肉円筒形状でストレートな軸方向長さが内筒金具の略半分程度であるパイプであり、軸方向の一端(図6の上端)が径方向外方に折り曲げられた環状のフランジ部15を有している。外筒金具14は、内筒金具12の軸方向一端側(図6の上端側)に配置されてフランジ部15が内筒金具12の一端からわずかに軸方向に離れており、内筒金具12が軸方向上方にわずかに突出した状態になっている。
ゴム弾性体17は、内外筒金具12,14間を連結しており、軸方向両端側が周方向全周に沿って軸方向に略軸方向長さで1/3程度へこんだ一対の凹部18を有している。また、ゴム弾性体17は、軸方向一端側でフランジ部15の垂直面を被覆した外緩衝ゴム部19になっており、また軸方向の反対側において外筒金具14から突出した内筒金具12の外周面を被覆した内緩衝ゴム部21になっている。また、ゴム弾性体17には、内筒金具12を挟んだ径方向両側に対向して軸方向両側に延びた貫通孔である一対のすぐり部22を設けている。すぐり部22は、内緩衝ゴム部21外周から外筒金具14内周面に向けて広がった軸直角断面形状が略U字状になっている。すぐり部22に対して、外筒金具14の内周面側には、ゴム突起部23が突設されている。すぐり部22の形状や配置を調整することにより、振動入力の周波数に合わせたダイナミックダンパ10の共振特性が得られる。ゴム弾性体17は、内筒金具12と外筒金具14を金型にセットした状態で、ゴム加硫成形により一体で形成され、これによりゴムブッシュ11が得られる。
質量部材25は、図3,図4に示すように、略正方形の対向する一対の平面を有する所定厚さの略直方体ブロック状であり、平面の中心に両平面間を垂直に貫通した円柱状の貫通孔27を有した筒状の金具である。質量部材25の平面には、貫通孔27中心から正方形の一辺に対して垂直から略20°傾斜した細い溝である一本の位置合せ溝25aが形成されている。質量部材25の貫通孔27内周面は、軸方向中間の軸方向長さが全体の略1/3の部分が内周面から軸心方向に突出した環状の突出部26になっている。従って、貫通孔27は、突出部26において小径孔28になっており、突出部26以外の軸方向両側が大径孔29になっている。大径孔29の内径は、上記外筒金具14の外径よりわずかに小さくなっている。小径孔28の内径は、外筒金具14の外径と内筒金具12の外径の略中間の大きさになっている。小径孔28及び大径孔29の内周面は何れも軸方向に平行な平坦面になっている。
上記一対のゴムブッシュ11は、それぞれ外筒金具14のフランジ部15を外側にして、質量部材25の貫通孔27内に圧入により挿嵌される。外筒金具14が大径孔29内にフランジ部15が質量部材25の軸方向両端に当接するまで圧入され、これにより、両内筒金具12の内端が互いに当接した状態となり、外筒金具14が大径孔29に緊密に固定される。ここで、ゴムブッシュ11の圧入において、図4に示すように、ゴム弾性体17のすぐり部22が、質量部材25の位置合せ溝25aに合わせて質量部材25の対向する正方形の辺に対して垂直からわずかに傾斜した状態にされる。また、質量部材25の突出部26と内筒金具12の外周面を被覆する内緩衝ゴム部21との隙間は、質量部材25外周面と後述する取付金具31の中間板部33の間の隙間より小さくされている。これにより、突出部26と内緩衝ゴム部21を介した内筒金具12とで径方向のストッパ機構が構成される。なお、外筒金具14は、質量部材25に圧接して一体になった状態で質量部材の一部としても機能するものであるが、以下の説明では、外筒金具14も含めて質量部材25として説明する。
取付金具31は、金属板製で略長方形の連結板部32を有しており、連結板部32は長手方向中間部分が長方形の中間板部33になっており、その長手方向両側が一対の取付板部34になっている。中間板部33の長手方向長さが取付金具全体の略3/5程度で、取付板部34の長手方向長さが略1/5程度である。中間板部33と取付板部34の境界は段差33aになっており、中間板部33は段差33aを挟んで両側の取付板部34と互いに平行でかつわずかに浮き上がった状態にされている。取付板部34は幅方向の両隅34aが外に向けて円弧形に膨らんでおり、円弧形の中心に設けた図示しない取付孔に後述する側板部36側からそれぞれボルト35が挿入されてその頭部35aにて取付板部34に溶接等により固定されている。中間板部33の幅方向両側縁には、一対の側板部36が、中間板部33に対して垂直にかつ取付板部34と反対方向に折り曲げられて一体で設けられている。
側板部36は、略長方形で先端側が外筒金具14のフランジ部15の外周に合わせた半円形状になっており、中間板部33から半円形の中心までの高さが質量部材25の正方形の辺の長さの半分より大きくなっている。一対の側板部36間の対向面間距離は、一対の内筒金具12を合わせた軸方向長さに等しくなっている。また、中間板部33と一対の側板部36との境界において、幅方向中間部分が内側に凹まされて略45°に傾斜した補強部37にされている。取付金具31は、長方形の金属板にプレス加工及び曲げ加工を施すことにより形成される。さらに、一対の側板部36の先端側でかつ幅方向中央には、それぞれ固定孔38が設けられている。固定孔38は、側板部36先端側の半円形に対して同軸位置に配置されており、その内径は内筒金具12の軸孔13の内径と略同一になっている。
上記ゴムブッシュ11が固定された質量部材25が、取付金具31の一対の側板部36間にて、質量部材25の辺が中間板部33に対して平行になるように、さらに側板部36の固定孔38に内筒金具12の軸孔13を合わせた状態に配置される。この配置で、一対の固定孔38と内筒金具12の軸孔13に締付ボルト39を挿通させて、ワッシャ42を挟んで締付ボルト39の突出端にナット41を螺着して締めつけることにより、取付金具31が内筒金具12両端に固定されて、ダイナミックダンパ10が得られる。ダイナミックダンパ10においては、互いに対向する取付金具31の一対の側板部36とこれに対向する外緩衝ゴム部19で被覆された外筒金具14のフランジ部15とにより、軸方向(上下方向)過大な振動入力に対する質量部材25の軸方向の相対変位を抑制する軸方向ストッパが構成されている。
このダイナミックダンパ10は、図8に示すように、一対の側板部36を上下にして軸方向を上下方向に向け、さらに一対のすぐり部22を車両前後方向に向けた状態で、連結板部32が車両の左右両側に設けた制振対象部材であるサスペンション部材Sに重ね合され、連結板部32に立設された4本のボルト35の先端にナット(図示しない)を螺着することによりサスペンション部材Sに固定される。ここで、サスペンション部材Sは車両の左右方向(図示Y方向)に対してわずかに傾斜しているが、ゴム弾性体17の一対のすぐり部22が予め連結板部32に対して傾斜して配置されているため、すぐり部22が車両の前後に向いて配置される。
上記構成の実施例においては、ダイナミックダンパ10は、一対のゴムブッシュ11が筒状の質量部材25の貫通孔27内にその軸方向両端から圧入により挿嵌されているため、質量部材25が軸方向の両端側の2箇所において一対のゴム弾性体17によって内筒金具12に連結されている。このように、質量部材25が、軸方向の2箇所でゴム弾性体17を介して内筒金具12によって支持されているため、質量部材25の首振り動作や捩れ等の望ましくない動作が効果的に抑制される。そのため、ダイナミックダンパ10は、本来の車両上下方向(軸方向)及び車両前後方向(軸直角方向)の振動入力を減衰させる機能を適正に発揮することができる。また、質量部材25の望ましくない動作が抑えられることにより、ゴム弾性体17への局部的な応力の集中が抑制されるため、ゴム弾性体17の耐久性が確保される。さらに、質量部材25の首振りが抑えられることにより、車両内の周囲の相手部材との衝突を回避することができ、相手部材の損傷を防止できる。また、質量部材25の首振りが抑えられることにより、ダイナミックダンパ10の占有スペースの低減が可能になり、車両の狭いスペース内へのダイナミックダンパ10設置の自由度が高められる。
また、本実施例においては、取付金具31がコ字状の簡易な形状で内筒金具12の両外端を挟持する構造であることにより、ダイナミックダンパ10の占有スペースを抑えることができる。また、互いに対向する側板部36と外緩衝ゴム部19で被覆された外筒金具14のフランジ部15により、軸方向(上下方向)過大な振動入力に対する振幅を抑制する軸方向ストッパが構成されている。そのため、別部材の軸方向ストッパを用意する必要がない。すなわち、取付金具31は、本来の相手部材への取付機能に加えてストッパとしての機能を兼ね備えており、部材としての価値が高められる。また、質量部材25の径方向内方に突出した環状の突出部26が、内筒金具12外周面に設けた内緩衝ゴム部21に当接することにより径方向のストッパとして機能する。そのため、別部材の径方向ストッパを用意する必要がない。
また、本実施例において、サスペンション部材Sが車両の左右方向に対してわずかに傾斜しているが、連結板部32が傾斜したサスペンション部材Sに取り付けられた状態でゴム弾性体17の一対のすぐり部22が車両の前後方向に向いて配置されている。そのため、すぐり部22によって車両前後方向の振動入力の周波数に応じてゴム弾性体17のばね定数を調整できることにより、周波数に応じて車両の前後方向の振動入力を適正に減衰させることができる。なお、一対のすぐり部22と連結板部32との配置については、ゴムブッシュ11の質量部材25への圧入の際に、連結板部32に対するすぐり部32の角度を変えることにより、任意に調整することができる。そのため、連結板部32が取り付けられる車両のサスペンション部材の傾斜に応じて、一対のすぐり部22を車両の前後方向に合わせて配置できる。そのため、サスペンション部材Sの傾斜状態にかかわらず、周波数に応じて車両の前後方向の振動入力を適正に減衰させることができる。
なお、上記実施例に示したダイナミックダンパについては、車両以外の制振対象部材に適用することも可能である。また、上記実施例に示したダイナミックダンパのゴムブッシュ、質量部材、取付金具の各部分の構造については一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変更して実施することができる。
本発明は、質量部材が軸方向の2箇所においてゴム弾性体を介して内筒金具に連結されており、軸方向両端側の2箇所でゴム弾性体によって支持されているため、質量部材の首振り等の望ましくない動作が効果的に抑制され、その結果、ダイナミックダンパ本来の軸方向及び軸直角方向の振動入力を減衰させる機能を適正に発揮でき、ゴム弾性体の耐久性が高められ、周囲に配置された相手部材の損傷を防止でき、さらに占有スペースの低減が可能になり狭いスペース内への設置の自由度が高められるので、有用である。
本発明の実施例であるダイナミックダンパを示す図4のI−I線方向の正面断面図である。 同ダイナミックダンパを示す図4のII−II線方向の側面断面図である。 同ダイナミックダンパを示す正面図である。 同ダイナミックダンパを示す平面図である。 同ダイナミックダンパを構成するゴムブッシュを示す平面図である。 同ゴムブッシュを示す図5のVI−VI線方向の断面図である。 同ゴムブッシュを示す図5のVII−VII線方向の断面図である。 同ダイナミックダンパの相手部材への取り付け状態を示す平面図である。
10…ダイナミックダンパ、11…ゴムブッシュ、12…内筒金具、14…外筒金具、15…フランジ部、17…ゴム弾性体、19…外緩衝ゴム部、21…内緩衝ゴム部、22…すぐり部、25…質量部材、26…突出部、27…貫通孔、28…小径孔、29…大径孔、31…取付金具、32…連結板部、33…中間板部、34…取付板部、36…側板部、38…固定孔、39…締付ボルト。

Claims (6)

  1. 内筒金具と、該内筒金具の径方向外方に離間して配置された外筒金具と、該内筒金具と外筒金具間を連結するゴム弾性体とをそれぞれ備えた一対のゴムブッシュが、筒状の質量部材の貫通孔内に該質量部材の軸方向両端から圧入により挿嵌されて前記一対のゴム弾性体がそれぞれ該質量部材の軸方向両端側に配置され、該貫通孔から外方に突出した前記一対の内筒金具の軸方向外端に取付金具が固定されて該貫通孔内にて該一対の内筒金具の軸方向内端が互いに当接しており、前記一対の外筒金具の軸方向内端が互いに軸方向に離間しており、前記質量部材の内周面の軸方向中間にて該一対の外筒金具の軸方向内端間を径方向内方に突出した環状の突出部が設けられ、該突出部と対向する前記一対の内筒金具の外周面にそれぞれ内緩衝ゴム部が設けられ、前記取付金具によって制振対象部材に取り付けられることを特徴とするダイナミックダンパ。
  2. 前記取付金具が、互いに対向する一対の側板部と、該一対の側板部を連結する連結板部とによりコ字状に形成されており、該一対の側板部にて前記一対の内筒金具の軸方向外端にそれぞれ固定されて該一対の内筒金具を挟持していることを特徴とする前記請求項1に記載のダイナミックダンパ。
  3. 前記一対の外筒金具の軸方向外端に、それぞれ径方向外方に延びた環状のフランジ部が設けられ、該一対のフランジ部の前記取付金具との対向面にそれぞれ外緩衝ゴム部が設けられたことを特徴とする前記請求項1又は2に記載のダイナミックダンパ。
  4. 前記一対のゴム弾性体において、軸直角方向の振動入力に対応する前記一対の内筒金具を挟んだ径方向両側にそれぞれ軸方向に貫通する一対のすぐり部を設けたことを特徴とする前記請求項1から3のいずれか1項に記載のダイナミックダンパ。
  5. 前記取付金具が前記一対の側板部を上下方向に向けると共に前記連結板部にて車両の前記制振対象部材に該車両の左右方向に対して傾斜して取り付けられた状態で、前記一対のすぐり部が車両の前後方向に向けて配置されたことを特徴とする前記請求項4に記載のダイナミックダンパ。
  6. 前記質量部材の突出部と前記内筒金具の外周面を被覆する前記内緩衝ゴム部との隙間は、該質量部材外周面と前記取付金具の連結板部の間の隙間より小さくされており、前記突出部と前記内緩衝ゴム部を介した前記内筒金具とで径方向のストッパ機構が構成されることを特徴とする前記請求項2から5のいずれか1項に記載のダイナミックダンパ
JP2005003745A 2005-01-11 2005-01-11 ダイナミックダンパ Expired - Fee Related JP4543318B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005003745A JP4543318B2 (ja) 2005-01-11 2005-01-11 ダイナミックダンパ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005003745A JP4543318B2 (ja) 2005-01-11 2005-01-11 ダイナミックダンパ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006194266A JP2006194266A (ja) 2006-07-27
JP4543318B2 true JP4543318B2 (ja) 2010-09-15

Family

ID=36800519

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005003745A Expired - Fee Related JP4543318B2 (ja) 2005-01-11 2005-01-11 ダイナミックダンパ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4543318B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101648426B1 (ko) * 2014-12-16 2016-08-16 주식회사 대흥알앤티 다이나믹 댐퍼
KR101648427B1 (ko) * 2014-12-16 2016-08-16 주식회사 대흥알앤티 다이나믹 댐퍼

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0680043U (ja) * 1993-04-19 1994-11-08 東海ゴム工業株式会社 ダイナミックダンパ
JPH109336A (ja) * 1996-06-24 1998-01-13 Suzuki Motor Corp エンジンの振動低減装置
JPH10169705A (ja) * 1996-12-06 1998-06-26 Tokai Rubber Ind Ltd 制振器
JP2004052946A (ja) * 2002-07-22 2004-02-19 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 防振装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0680043U (ja) * 1993-04-19 1994-11-08 東海ゴム工業株式会社 ダイナミックダンパ
JPH109336A (ja) * 1996-06-24 1998-01-13 Suzuki Motor Corp エンジンの振動低減装置
JPH10169705A (ja) * 1996-12-06 1998-06-26 Tokai Rubber Ind Ltd 制振器
JP2004052946A (ja) * 2002-07-22 2004-02-19 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 防振装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006194266A (ja) 2006-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6190651B2 (ja) 防振装置
JP4421500B2 (ja) 防振装置
JP4356641B2 (ja) トルクロッド
JP5000235B2 (ja) シリンダ装置
CN110541909A (zh) 用于车辆的动态阻尼器
JP2014043881A (ja) 防振装置
JP3858908B2 (ja) エンジンマウント
JP6532367B2 (ja) ブラケット付き筒形防振装置
JP4543318B2 (ja) ダイナミックダンパ
JP2008095821A (ja) トルクロッド
CN212796441U (zh) 一种动力吸振器、扭力梁总成以及车辆
US20130134641A1 (en) Vibration isolator
JPH11230251A (ja) サスペンションの制振装置
JP2005106192A (ja) 筒型エンジンマウント
JPWO2006077622A1 (ja) 防振装置
JP2005291228A (ja) 防振用弾性ブッシュ
JP5693386B2 (ja) 防振装置
JP4958690B2 (ja) 防振装置用筒状部材及び防振装置
JP5149824B2 (ja) マス部材の取付構造
JP2001227582A (ja) 自動車用制振装置
JP2005265109A (ja) ストラットマウント
KR100802773B1 (ko) 차량의 엔진 마운팅 장치
JP7374754B2 (ja) 防振装置
JP5829239B2 (ja) 防振装置
JP7121719B2 (ja) ブラケット付き筒型防振装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070913

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091026

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100603

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100616

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130709

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees