JP4541520B2 - 遊星歯車式ディファレンシャル装置の差動制限装置 - Google Patents

遊星歯車式ディファレンシャル装置の差動制限装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サンギヤが設けられた軸部とキャリヤとの間の差動制限を行う遊星歯車式ディファレンシャル装置の差動制限装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ディファレンシャル装置においては、予め差動制限トルクをイニシャルトルクとして付加したり、一方の出力軸がスリップした際に他方の出力軸にトルクをバイパスして伝達するための差動制限装置が設けられている。
【0003】
この種の差動制限装置は油圧多板クラッチ等によって構成されることが一般的であり、例えば特開平5−112149号公報には、遊星歯車式のセンターディファレンシャル装置において、キャリヤとリヤドライブ軸との間に油圧多板クラッチを設け、後輪スリップ等に応じて油圧多板クラッチに差動制限トルクを発生させる技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、油圧多板クラッチにおいては、一般に、複数のドライブプレートやドリブンプレート等が配列されて構成されるものであるため、装置の複雑化や大型化を招く虞がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、簡単かつ小型な構成の遊星歯車式ディファレンシャル装置の差動制限装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明による遊星歯車式ディファレンシャル装置の差動制限装置は、キャリヤの中心に挿入された軸部と、上記軸部に設けられたサンギヤと、上記サンギヤに噛合されたピニオンと、上記ピニオンを回転自在に上記キャリヤに支持するピニオン軸とを備えた遊星歯車式ディファレンシャル装置に併設された差動制限装置であって、上記軸部に設けられた環状の摺動面と、上記キャリヤの端面から上記ピニオン軸の端部が突出して形成された突出部と、上記摺動面に摺動可能な摩擦面と上記突出部に係合可能なV字溝とを有し上記摺動面と上記突出部との間に配設されたカム部材と、上記キャリヤの端面に上記カム部材を挟んで突出形成され、上記キャリヤの回転方向への上記カム部材の移動を所定の揺動を許容して規制する一対の規制部とを備え、一対の上記規制部の間に、上記カム部材を上記摺動面に付勢する付勢部材を設けたことを特徴とする
また、請求項2記載の発明による遊星歯車式ディファレンシャル装置の差動制限装置は、請求項1記載の発明において、上記軸部にドラム部材を固設し、このドラム部材の内周に上記摺動面を形成したことを特徴とする。
【0007】
また、請求項3記載の発明による遊星歯車式ディファレンシャル装置の差動制限装置は、請求項1記載の発明において、上記軸部の外周或いは上記軸部に固設したリング部材の外周に上記摺動面を形成したことを特徴とする。
【0009】
すなわち、請求項1記載の発明は、軸部とキャリヤとが差動した際に摺動面に対する摩擦面の摩擦抵抗によってカム部材が上記キャリヤに対して規制部間内で相対的に移動され、突出部に対するV字溝の係合位置がずれる。この突出部に対するV字溝の係合位置のずれ量に応じて、上記カム部材には摺動面方向への押圧力が発生し、上記摺動面に対する上記摩擦面の摩擦抵抗が増大されて上記軸部と上記キャリヤとの間で差動制限が行われる。この場合において、上記カム部材を上記摺動面に付勢する付勢手段によって、遊星歯車式ディファレンシャル装置におけるイニシャルトルクが発生される。
【0010】
この場合、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記軸部に固設したドラム部材の内周に上記摺動面を形成することにより、上記カム部材が上記摺動面の内周に位置する構成となり、上記カム部材には遠心力による上記摺動面方向への押圧力が加わる。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記軸部の外周或いは上記軸部に固設したリング部材の外周に上記摺動面を形成することにより、上記カム部材が上記摺動面の外周に位置する構成となり、上記カム部材には遠心力による上記摺動面方向への押圧力を打ち消す力が加わる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1〜図3は本発明の第1の実施の形態に係わり、図1はセンターディファレンシャル装置の要部断面図、図2は図1のII−II断面図、図3はトランスミッションのスケルトン図である。
【0014】
これらの図において、符号1は車体前部に配設されたエンジンを示し、符号2はこのエンジン1の後方に連結されたマニュアルトランスミッションを示す。このマニュアルトランスミッション2のクラッチハウジング3の後方には、変速機ケース4が一体に形成され、この変速機ケース4の後方には、トランスファケース5が連結され、さらに、このトランスファケース5の後方にはエクステンションケース6が順に連結されている。そして、クラッチハウジング3に発進クラッチ7が、変速機ケース4に前輪の終減速装置8と手動変速機9が、トランスファケース5にトランスファ部10が配設される。
【0015】
エンジン1のクランク軸11は発進クラッチ7に連結され、発進クラッチ7が手動変速機9の入力軸21に連結されている。
【0016】
手動変速機9は入力軸21に平行な中空のカウンタ軸22を有し、変速機ケース4の内部において、これら入力軸とカウンタ軸22との間に前方から第1速ギヤ列23、第2速ギヤ列24、第3速ギヤ列25、第4速ギヤ列26が順次配設され、2つのギヤ相互の間にシンクロ機構30,31がそれぞれ設けられている。また、第1速ギヤ23と第2速ギヤの間には、リバースギヤ列28が配置されている。
【0017】
さらに、入力軸21及びカウンタ軸22は、トランスファケース5の内部に延設され、これらの間に第5速ギヤ列27とシンクロ機構32が配設されている。そして、手動変速機9は、以上の3組のシンクロ機構30,31,32を選択的に作動して前進5段の何れか1つにシフトし、リバースギヤ列28を噛合することでリバースにシフトされるよう構成されている。
【0018】
トランスファケース5の内部において、カウンタ軸22の同軸上には、遊星歯車式のセンターディファレンシャル装置35が配設されている。このセンターディファレンシャル装置35には、カウンタ軸22の内部に配設されたフロントドライブ軸36が連結されているとともに、入力軸21と同軸上に配設されたリヤドライブ軸37がトランスファギヤ列38を介して連結され、カウンタ軸22から入力された変速動力が両ドライブ軸36,37に配分される。そして、フロントドライブ軸36に伝達された動力は前輪の終減速装置8に伝達される一方、リヤドライブ軸37に伝達された動力はプロペラシャフト39を介して後輪の終減速装置40に伝達される。また、センターディファレンシャル装置35の後部には差動制限装置41が併設されており、前後輪間の差動制限を行う。
【0019】
次に、センターディファレンシャル装置35の構成について図1に基づいて詳細に説明すると、センターディファレンシャル装置35は、先端側が中間部材50を介してカウンタ軸22の外周にスプライン結合された中空のセンターデフ入力軸51と、このセンターデフ入力軸51の内部に配設され先端側が中間部材54を介してフロントドライブ軸36の外周にスプライン結合された中空のフロント出力軸55と、このフロント出力軸55の内部に先端側が臨まされたリヤ出力軸57とを備えて構成され、これら各軸51,55,57が同軸上で互いに相対回転自在となっている。
【0020】
センターデフ入力軸51の後端側には大径の第1のサンギヤ60が一体形成され、この第1のサンギヤ60に小径の第1のピニオン61が等間隔毎に複数(例えば3個)噛合されている。
【0021】
また、リヤ出力軸57の中途には小径の第2のサンギヤ63がスプライン嵌合され、この第2のサンギヤ63に大径の第2のピニオン64が等間隔毎に複数(例えば3個)噛合されている。
【0022】
これら第1,第2のピニオン61,64において、それぞれ互いに対応する第1,第2のピニオン61,64対はピニオン部材65に一体形成され、各ピニオン部材65がキャリヤ66に固定されたピニオン軸67に回転自在に軸支されている。
【0023】
すなわち、キャリヤ66は、前方からセンターデフ入力軸51が回転自在に挿入される一方、後方からリヤ出力軸57が回転自在に挿入され、空間中央に第1のサンギヤ60と第2のサンギヤ63を格納する。そして、各第1のピニオン61が第1のサンギヤ60に、各第2のピニオン64が第2のサンギヤ63に、ともに噛合可能なように各ピニオン軸67が前後にかけて装架されている。
【0024】
ここで、第1のサンギヤ60と第2のサンギヤ63は所定間隔隔ててキャリヤ66の内部に配列されており、これら第1,第2のサンギヤ60,63の間隙からフロント出力軸55の後端側がキャリヤ66の内部に臨まされている。キャリヤ66の内周にはハブ70が固設されており、ハブ70は、第1,第2のサンギヤ60,63の間隙からセンターデフ入力軸51の内部に延設されてフロント出力軸55の外周にスプライン結合されている。そして、ピニオン軸67を介してキャリヤ66に伝達された動力は、ハブ70,フロント出力軸55を介してフロントドライブ軸36に伝達される。
【0025】
一方、リヤ出力軸57の後端寄りにはトランスファドライブギヤ38aが一体形成され、このトランスファドライブギヤ38aがリヤドライブ軸37に一体形成されたトランスファドリブンギヤ38bに噛合されてトランスファギヤ列38を構成している。そして、第2のサンギヤ63からリヤ出力軸57に伝達された動力は、トランスファギヤ列38を介してリヤドライブ軸37に伝達される。
【0026】
図1,2に示すように、差動制限装置41は、センターディファレンシャル装置35の後方でリヤ出力軸57にスプライン嵌合されたドラム部材42を備え、このドラム部材42の内周には環状の摺動面42aが形成されている。
【0027】
また、ピニオン軸67を支持するキャリヤ66の後端面からは、ピニオン軸67の端部が突出され、このピニオン軸67の突出部67aがドラム部材42の内部で摺動面42aに対向されている。
【0028】
また、これら摺動面42aと突出部67aとの間にはカム部材43が配設されている。カム部材43には、摺動面42aに摺動可能な部分円弧状の摩擦面43aと、突出部67aに係合可能なV字溝43bとが設けられ、摩擦面43aが摺動面42aに当接されるとともに、V字溝43bが突出部67aに対して係合されることによって、カム部材43は摺動面42aと突出部67aとの間に支持されている。そして、カム部材43がキャリヤ66に対して相対移動されると、突出部67aに対するV字溝43bの係合位置のずれ量に応じて、カム部材43には、摺動面42a方向への押圧力が発生し、摺動面42aに対する摩擦面43aの摩擦抵抗が増大されてリヤ出力軸57とキャリヤ66との間で差動制限が行われるようになっている。ここで、摩擦面43aは、カム部材43への摩擦材のコーティング、或いは、摩擦材の貼付等によって形成される。
【0029】
また、キャリヤ66の後端面には、一対の規制部45,45が、カム部材43を挟む位置に突出形成されている。この規制部45,45は、キャリヤ66の両回転方向へのカム部材43の移動を所定の揺動を許容して規制するもので、カム部材43が突出部67aに対して対称位置にあるときカム部材43の両側にそれぞれδ1の間隙を有する。ここで、間隙δ1を適切に設定することにより、カム部材43のキャリヤ66に対する移動量が規定されて、カム部材43による差動制限トルクの最大値が設定されるとともに、カム部材43の過剰な移動によるロックが防止されている。
【0030】
また、キャリヤ66には、突出部67aを挟む位置に一対の付勢部材としてのスプリング46,46設けられており、これらのスプリング46,46はカム部材43を摺動面42a方向に付勢するようになっている。ここで、スプリング46,46による付勢力は、カム部材43が前後輪間にイニシャルトルクを発生するために必要最低限な付勢力に設定されている。同時に、スプリング46,46は、カム部材43がキャリヤ66に対して相対移動された際に、元の位置に復元されるよう付勢する機能を有する。
【0031】
次に、上記構成によるマニュアルトランスミッション2の作用について説明する。先ず、停車または走行中に発進クラッチ7を切断して前進段にシフトするとシンクロ機構30,31または32により第1速ないし第5速のギヤ列23〜27の何れか1つが入力軸21と同期しながら一体化して選択される。そこで発進クラッチ7を接続すると、エンジン1の動力が手動変速機9の入力軸21に入力され選択された変速ギヤ列による変速動力がカウンタ軸22に出力される。また、停車時に発進クラッチ7を切断した状態でリバースシフトすると、リバースギヤ列28が噛合され、逆転した変速動力がカウンタ軸22に出力され、こうして前進5段後進1段に変速される。
【0032】
手動変速機9で変速された動力は、センターディファレンシャル装置35の第1のサンギヤ60に入力され、第1のピニオン61を介してピニオン部材65に伝達される。
【0033】
ここで、センターディファレンシャル装置35は、各歯車緒元により、前後輪へのトルク配分比が、例えばTF:TR=36.4:63.6に設定されているため、変速動力の36.4%がキャリヤに、63.6%が第2のサンギヤ63にそれぞれ配分して出力される。そしてキャリヤ66の動力は、ハブ70、フロント出力軸55、フロントドライブ軸36、終減速装置8を介して前輪に伝達される。また、第2のサンギヤ63の動力は、リヤ出力軸57、トランスファギヤ列38、リヤドライブ軸37、プロペラシャフト39、終減速装置40を介して後輪に伝達される。このような後輪偏重のトルク配分では、オーバーステア気味になって回頭性、操舵性等が良好になる。この4輪駆動走行の旋回時には、センターディファレンシャル装置35の第1,第2のピニオン61,64の遊星回転により、旋回時に生じる前後輪の回転数差が吸収され、自由に旋回可能になる。
【0034】
このとき、リヤ出力軸57とキャリヤ66とが差動され、すなわち、ドラム部材42とキャリヤ66とが相対回転され、摺動面42aに対する摩擦面43aの微少な摩擦抵抗によってカム部材43がキャリヤ66に対して相対移動されると、突出部67aに対するV字溝43bの係合位置がずれる。そして、この突出部67aに対するV字溝43bの係合位置のずれ量に応じて、カム部材43には、摺動面42a方向への押圧力が発生し、摺動面42aに対する摩擦面43aの摩擦抵抗が増大されてリヤ出力軸57とキャリヤ66との間で差動制限が行われる。すなわち、カム部材43は、キャリヤ66に対して相対移動されると、V字溝43bの傾斜面が突出部67aに押圧されてドラム部材42に対する摩擦抵抗を増大させる。
【0035】
ここで、上記構成においては、カム部材43は、キャリヤ66の回転数に応じた遠心力によってドラム部材42の摺動面42a側に付勢されるので、差動制限トルクは回転数によっても可変に作用する。
【0036】
このような実施の形態によれば、キャリヤ66の端面からピニオン軸67の端部を突出させて突出部67aを形成し、この突出部67aにカム部材43を係合して差動制限装置41の要部を構成したので、差動制限装置41を簡単且つ小型なものとすることができる。
【0037】
すなわち、複数のクラッチ板等を用いることなく差動制限装置を構成することができるので、構造を簡素化することができ、しかも軸方向への全長を短縮することができる。
【0038】
また、V字溝43bの傾斜角や規制部45,45の間隔等を変更するだけで差動制限装置41による差動制限トルクの特性を容易に変更することができ、設計の自由度を増大させることができる。
【0039】
また、スプリング46,46による所定の弱い付勢力によってカム部材43を常に摺動面42a側に付勢することにより、差動時における差動制限トルク発生のレスポンスを向上することができる。
【0040】
次に、図4,図5は本発明の第2の実施の形態に係わり、図4はセンターディファレンシャル装置の要部断面図、図5は図4のV−V断面図である。なお、本実施の形態において、上述の第1の実施の形態と同様の構成については同符号を付して説明を省略する。
【0041】
図4,5に示すように、差動制限装置71は、センターディファレンシャル装置35の後方でリヤ出力軸57にスプライン嵌合されたリング部材72を備え、このリング部材72の外周には環状の摺動面72aが形成されている。ここで、リヤ出力軸57にリング部材72をスプライン嵌合することなく、リヤ出力軸57上に直接、摺動面72aを形成してもよい。
【0042】
また、ピニオン軸67を支持するキャリヤ66の後端面からは、ピニオン軸67の端部が突出され、このピニオン軸67の突出部67aがリング部材72の摺動面72aに対向されている。
【0043】
また、これら摺動面72aと突出部67aとの間にはカム部材73が配設されている。カム部材73には、摺動面72aに摺動可能な部分円弧状の摩擦面73aと、突出部67aに係合可能なV字溝73bとが設けられ、摩擦面73aが摺動面72aに当接されるとともに、V字溝73bが突出部67aに対して係合されることによって、カム部材73は摺動面72aと突出部67aとの間に支持されている。そして、カム部材73がキャリヤ66に対して相対移動されると、突出部67aに対するV字溝73bの係合位置のずれ量に応じて、カム部材73には、摺動面72a方向への押圧力が発生し、摺動面72aに対する摩擦面73aの摩擦抵抗が増大されてリヤ出力軸57とキャリヤ66との間で差動制限が行われるようになっている。ここで、摩擦面73aは、カム部材73への摩擦材のコーティング、或いは、摩擦材の貼付等によって形成される。
【0044】
また、キャリヤ66の後端面には、一対の規制部75,75が、カム部材73を挟む位置に突出形成されている。この規制部75,75は、キャリヤ66の両回転方向へのカム部材73の移動を所定の揺動を許容して規制するもので、カム部材73が突出部67aに対して対称位置にあるときカム部材73の両側にそれぞれδ2の間隙を有する。ここで、間隙δ2を適切に設定することにより、カム部材73のキャリヤ66に対する移動量が規定されて、カム部材73による差動制限トルクの最大値が設定されるとともに、カム部材73の過剰な移動によるロックが防止されている。
【0045】
また、キャリヤ66には、突出部67aを挟む位置に一対の付勢部材としてのスプリング76,76設けられており、これらのスプリング76,76はカム部材73を摺動面72a方向に付勢するようになっている。ここで、スプリング76,76による付勢力は、カム部材43が前後輪間にイニシャルトルクを発生するために必要最低限な付勢力に設定されている。同時に、スプリング76,76は、カム部材73がキャリヤ66に対して相対移動された際に、元の位置に復元されるよう付勢する機能を有する。
【0046】
このような構成によれば、上述の第1の実施の形態と略同様の作用、効果を得ることができる。この場合、カム部材73にはキャリヤ66の回転数に応じた遠心力が作用するが、この遠心力は上述の第1の実施の形態とは逆に、差動制限トルクを打ち消す方向に作用する。
【0047】
なお、上述の各実施の形態においては、センターディファレンシャル装置に本発明による差動制限装置を設けた例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば左右輪間のトルク配分を行う遊星歯車式ディファレンシャル装置に上記差動制限装置を適用してもよい。
【0048】
また、遊星歯車式ディファレンシャル装置の構成は、一対のサンギヤと一対のピニオンとを有するものに限定されるものではない。
【0049】
また、上述の実施の形態において、キャリヤと第2のサンギヤがともに出力要素として設定されたディファレンシャル装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばキャリヤ或いは第2のサンギヤを入力要素として設定してもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、遊星歯車式ディファレンシャル装置の差動制限装置を簡単かつ小型に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1〜図3は本発明の第1の実施の形態に係わり、図1はセンターディファレンシャル装置の要部断面図
【図2】図1のII−II断面図
【図3】トランスミッションのスケルトン図
【図4】図4,図5は本発明の第2の実施の形態に係わり、図4はセンターディファレンシャル装置の要部断面図
【図5】図4のV−V断面図
【符号の説明】
35 センターディファレンシャル装置(遊星歯車式ディファレンシャル装置)
41 差動制限装置
42 ドラム部材
42a 摺動面
43 カム部材
43a 摩擦面
43b V字溝
45 規制部
46 スプリング(付勢部材)
57 リヤ出力軸(軸部)
63 第2のサンギヤ(サンギヤ)
64 第2のピニオン(ピニオン)
66 キャリヤ
67 ピニオン軸
67a 突出部
71 差動制限装置
72 リング部材
72a 摺動面
73 カム部材
73a 摩擦面
73b V字溝
75 規制部
76 スプリング(付勢部材)

Claims (3)

  1. キャリヤの中心に挿入された軸部と、上記軸部に設けられたサンギヤと、上記サンギヤに噛合されたピニオンと、上記ピニオンを回転自在に上記キャリヤに支持するピニオン軸とを備えた遊星歯車式ディファレンシャル装置に併設された差動制限装置であって、
    上記軸部に設けられた環状の摺動面と、
    上記キャリヤの端面から上記ピニオン軸の端部が突出して形成された突出部と、
    上記摺動面に摺動可能な摩擦面と上記突出部に係合可能なV字溝とを有し上記摺動面と上記突出部との間に配設されたカム部材と、
    上記キャリヤの端面に上記カム部材を挟んで突出形成され、上記キャリヤの回転方向への上記カム部材の移動を所定の揺動を許容して規制する一対の規制部とを備え
    一対の上記規制部の間に、上記カム部材を上記摺動面に付勢する付勢部材を設けたことを特徴とする遊星歯車式ディファレンシャル装置の差動制限装置。
  2. 上記軸部にドラム部材を固設し、このドラム部材の内周に上記摺動面を形成したことを特徴とする請求項1に記載の遊星歯車式ディファレンシャル装置の差動制限装置。
  3. 上記軸部の外周或いは上記軸部に固設したリング部材の外周に上記摺動面を形成したことを特徴とする請求項1に記載の遊星歯車式ディファレンシャル装置の差動制限装置。
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