JP4540801B2 - マーキングフィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、広告用ステッカー類、装飾用ステッカー類、表示用ステッカー類等として好適なマーキングフィルム(マーキングシートも包含する)に関する。
【0002】
【従来の技術】
マーキングフィルムは、一般に塩化ビニル系樹脂フィルムを基材層とし、この基材層に対し、用途や目的に応じて顔料を練り込んで着色したり、印刷や塗装を施した後、基材層の片面に用途や目的に応じて適当な感圧接着剤(粘着剤)や感熱接着剤を塗工して粘接着剤層を形成し、さらに必要に応じて粘接着剤層を保護する目的で離型紙や離型フィルム等の離型材層を積層して構成されており、使用時には、この離型材層を剥離して露出した粘接着剤層を被着体の所定の箇所に貼り付ける方法で用いられる。
【0003】
このマーキングフィルムは、屋外で使用されることが多く、例えば、看板、広告塔、シャッター、ショーウィンドウ等に用いられる広告用ステッカー類;自動車、二輪車等の車両やモーターボート等の船舶に用いられる装飾用ストライプステッカー類;交通標識、道路標識、案内板等に用いられる表示用ステッカー類等の屋外用途に広く使用されている。このため、マーキングフィルムは優れた耐候性を有し、且つ、三次曲面に貼り付けるための適度な柔軟性や形状追従性を有することが要求される。
【0004】
一方、塩化ビニル系樹脂フィルムを基材層とする従来のマーキングフィルムは、焼却処理して廃棄する際に塩化水素ガスやダイオキシンが発生するため、簡単な焼却設備では処理できず、さらには焼却設備の耐久性を低下させるという問題点がある。そのため最近では、簡単な焼却設備で処理できる低環境負荷型のマーキングフィルムへの要望が高まってきており、種々の試みがなされている。
【0005】
例えば、特開平3−45672号公報では、「基材がポリウレタンを含有するマーキングフィルムを被着体に貼付する表示方法」が開示されている。
【0006】
しかし、上記に開示された発明は、柔軟性を有する被着体や繊維を主体とする被着体に対し、皺やトンネル等が生じず、特に低温下においても柔軟性に優れ、クラックや被着体からの剥離等がないマーキングフィルムの表示方法を提供することを課題としているものであり、マーキングフィルムの基材を構成する樹脂として、ポリウレタンのみならず、ポリウレタンを主成分とし、塩ビで共重合変性したポリマーや可塑化塩化ビニル樹脂等を配合したブレンドポリマーが用いられても良いとされている。従って、低環境負荷型のマーキングフィルムとは言えず、また、柔軟性に関する記述も伸度や屈曲テスト、低温衝撃性での評価結果のみであって、曲面に施工する時の追従性(形状追従性)については全く言及されていず、十分な実用性が期待できるものとは言い難い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、優れた柔軟性や形状追従性を有するので曲面施工性に優れると共に、耐候性に富み、且つ、使用後は焼却処理による廃棄が容易にできる低環境負荷型のマーキングフィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明(以下、「本発明1」と記す)によるマーキングフィルムは、実質的にハロゲンを含有しない熱可塑性樹脂からなり着色されてなる基材層、粘着剤層及び離型材層がこの順に積層されてなり、且つ、上記基材層の後述する応力緩和率が40%以上であることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明(以下、「本発明2」と記す)によるマーキングフィルムは、上記本発明1によるマーキングフィルムにおいて、熱可塑性樹脂が水酸基価30〜100mg/gのアクリルポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるアクリルウレタン樹脂であることを特徴とする。
【0010】
さらに、請求項3に記載の発明(以下、「本発明3」と記す)によるマーキングフィルムは、上記本発明2によるマーキングフィルムにおいて、アクリルウレタン樹脂のゲル分率が80重量%以上であることを特徴とする。
【0011】
本発明1のマーキングフィルムは、実質的にハロゲンを含有しない熱可塑性樹脂からなり着色されてなる基材層、粘着剤層及び離型材層がこの順に積層されてなる。
【0012】
本発明1のマーキングフィルムを構成する基材層用として用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば塩化ビニル樹脂のようなハロゲンを含有する樹脂ではなく、実質的にハロゲンを含有しない樹脂であれば如何なる熱可塑性樹脂であっても良く、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられるが、なかでもアクリルウレタン樹脂が好適に用いられる。これらの実質的にハロゲンを含有しない熱可塑性樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0013】
本発明1で用いられる基材層は着色されている。基材層の着色方法は、特に限定されるものではなく、例えば、上記熱可塑性樹脂中に所望の色調の発色が可能であって、耐候性に優れる無機顔料や有機顔料等の着色剤を添加した後、基材層を作製する方法や、予め作製された基材層の少なくとも片面に、基材層の物性に悪影響を及ぼすことのない印刷インクや塗料で印刷処理や塗装処理を施す方法等が挙げられる。
【0014】
上記着色剤としては、例えば、ルチル型酸化チタン、キナクリドン、ジケトピロロピロール、シアニングリーン、シアニンブルー等が挙げられる。これらの着色剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。マーキングフィルムとして屋外での耐候性が要求される場合には、耐候性に優れる着色剤を選択して使用することが好ましい。また、分子中に有害ガスの発生源となるハロゲン原子を含有しない着色剤を選択して使用することが本発明の課題達成にとって特に好ましいことは言うまでもない。
【0015】
また、上記基材層中には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、光安定剤、紫外線吸収剤、HALS、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤等の各種安定剤の1種もしくは2種以上が添加されていても良い。
【0016】
本発明1で用いられる基材層は、応力緩和率が40%以上であることが必要であり、好ましくは60%以上である。尚、ここで言う応力緩和率とは、以下の方法で測定された応力緩和率を意味する。
【0017】
〔応力緩和率の測定方法〕
15mm幅に裁断した基材を引張試験機にチャック間隔100mmでセットして基材を固定し、引張速度200mm/分で引張って10%伸長させた後、伸長を停止させ、停止後の経過時間と応力変化の関係をチャートに記録し、次式により応力緩和率を算出する。
ε(%)=100×(a−b)/aここに、ε:応力緩和率(%)
a:停止直後の引張応力(MPa)
b:停止20分後の引張応力(MPa)
【0018】
基材層の上記応力緩和率が40%未満であると、得られるマーキングフィルムの柔軟性や形状追従性が不十分となる。
【0019】
また、上記基材層の厚みは20〜200μmであることが好ましく、より好ましくは40〜100μmである。基材層の厚みが20μm未満であると、得られるマーキングフィルムの腰が不足して作業性が低下したり、フィルム強度が不十分となって使用時に裂けが発生しやすくなることがあり、逆に厚みが200μmを超えると、マーキングフィルムのフィルム強度が高くなりすぎて、カッティングマシーンによるカッティング性が低下したり、柔軟性や形状追従性が乏しくなることがある。
【0020】
本発明1のマーキングフィルムを構成する粘着剤層用として用いられる粘着剤としては、例えば、アクリル樹脂系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリビニルエーテル樹脂系粘着剤、シリコーン樹脂系粘着剤等が挙げられるが、なかでも耐候性や透明性に優れるアクリル樹脂系粘着剤が好適に用いられる。
【0021】
本発明1で用いられる粘着剤の形態は、特に限定されるものではなく、例えば、溶剤型粘着剤、エマルジョン型粘着剤、ホットメルト型粘着剤、光重合可能なモノマー型粘着剤等のいずれの形態であっても良い。また、上記粘着剤は、架橋型であっても良いし、非架橋型であっても良い。さらに、上記粘着剤は、1液型であっても良いし、2液以上の多液型であっても良い。
【0022】
また、上記粘着剤中には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、粘着性付与剤、カップリング剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、消泡剤、難燃剤、帯電防止剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が添加されていても良い。
【0023】
本発明1のマーキングフィルムを構成する粘着剤層の乾燥後の厚みは、特に限定されるものではないが、20〜50μmであることが好ましい。粘着剤層の乾燥後の厚みが20μm未満であると、得られるマーキングフィルムの粘着性(タック)や粘着力が不十分となることがあり、逆に粘着剤層の乾燥後の厚みが50μmを超えると、得られるマーキングフィルムの端部から糊が染み出し易くなってこれにゴミが付着したり、マーキングフィルムを剥離する時に粘着剤層が凝集破壊を起こして、糊残りを生じることがある。
【0024】
本発明1のマーキングフィルムを構成する離型材層用として用いられる離型材としては、例えば、シリコーン樹脂系離型剤や長鎖アルキル基ペンダント型グラフトポリマー系離型剤等により、紙やプラスチックフィルム等の少なくとも片面に離型処理を施して得られる離型紙や離型フィルム等が挙げられる。
【0025】
本発明1のマーキングフィルムの製造方法は、例えば、上記離型材の離型処理面に前記粘着剤をリバースコート法やホットメルトコート法等により所定の塗工厚みとなるように塗工し、必要に応じて乾燥や冷却等の工程を経て粘着剤層を形成した後、前記基材層と積層して粘着剤層を基材層側に転写することにより、所望のマーキングフィルムを得ることができる。尚、基材層の一方の面に例えば印刷処理や塗装処理による塗膜層が形成されている場合には、上記粘着剤層の転写は基材層の他方の面(塗膜層が形成されていない方の面)に対して行うことが好ましい。
【0026】
次に、本発明2のマーキングフィルムは、上述した本発明1のマーキングフィルムにおいて、基材層を構成する熱可塑性樹脂が水酸基価30〜100mg/gのアクリルポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるアクリルウレタン樹脂であることが必要である。
【0027】
上記アクリルポリオールとは、水酸基含有(メタ)アクリル系モノマーと該水酸基含有(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能な(メタ)アクリル系モノマーとを共重合させて得られる水酸基含有(メタ)アクリル系化合物を言う。尚、ここで言う(メタ)アクリルとはアクリルまたはメタクリルを意味する。
【0028】
上記水酸基含有(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、カプロラクトン変成(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの水酸基含有(メタ)アクリル系モノマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0029】
また、上記水酸基含有(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能な(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、アルキル基の炭素数が1〜12の各種(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーが挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0030】
さらに、水酸基含有(メタ)アクリル系モノマーには、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー以外に、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の他の共重合性モノマーが共重合されていても良い。これらの他の共重合性モノマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0031】
本発明2で用いられるアクリルポリオールは水酸基価が30〜100mg/gであることが必要である。アクリルポリオールの水酸基価が30mg/g未満であると、得られる基材層の応力緩和率が不十分となって、マーキングフィルムの柔軟性や形状追従性が不十分となり、逆にアクリルポリオールの水酸基価が100mg/gを超えると、後述するポリイソシアネート化合物との反応が遅くなって、生産性が著しく低下する。
【0032】
また、上記アクリルポリオールは重量平均分子量が1000〜20万であることが好ましい。アクリルポリオールの重量平均分子量が1000未満であると、得られる基材層やマーキングフィルムの強度が不十分となることがあり、逆にアクリルポリオールの重量平均分子量が20万を超えると、粘度が高くなりすぎて取扱いが難しくなることがある。
【0033】
さらに、上記アクリルポリオールはガラス転移温度(Tg)が0〜100℃であることが好ましい。アクリルポリオールのTgが0℃未満であると、得られる基材層が粘着性を帯びて使用しづらくなることがあり、逆にアクリルポリオールのTgが100℃を超えると、得られる基材層が硬くなりすぎて、マーキングフィルムの柔軟性や形状追従性が不十分となることがある。
【0034】
上記アクリルポリオールと反応させるためのポリイソシアネート化合物としては、例えば、ウレタン系樹脂の合成に一般的に用いられる各種ポリイソシアネート化合物が挙げられるが、得られるアクリルウレタン樹脂の耐候性が優れることから、なかでも例えばヘキサメチレンジイソシアネートのような脂肪族ジイソシアネート化合物や、脂肪族ジイソシアネート化合物のトリメチロールプロパン付加物、ビウレット体、イソシアヌレート体あるいはこれらの混合物や縮合物等が好適に用いられる。これらのポリイソシアネート化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0035】
また、反応点(架橋点)間距離(ポリイソシアネート化合物の分子量/ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基数)が200〜400のポリイソシアネート化合物を30〜100重量%含有するポリイソシアネート化合物を用いることがより好ましい。
【0036】
水酸基価30〜100mg/gのアクリルポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるアクリルウレタン樹脂から基材層を形成する方法としては、例えば、コンマコーター、リバースコーター、ナイフコーター、スプレーガン、スクリーン印刷機等の通常の塗工機を用いて、アクリルポリオール及びポリイソシアネート化合物からなる混合組成物をフィルム状もしくはシート状にキャスティングした後、両者を反応させて基材層を形成する方法や、アクリルポリオールとポリイソシアネート化合物とを予め反応させてコンパウンド化した後、押出機からフィルム状もしくはシート状に押し出して基材層を形成する方法等が挙げられる。
【0037】
次に、本発明3のマーキングフィルムは、上述した本発明2のマーキングフィルムにおいて、アクリルウレタン樹脂のゲル分率が80重量%以上であることが必要である。尚、ここで言うゲル分率とは、以下の方法で測定されたゲル分率を意味する。
【0038】
〔ゲル分率の測定方法〕
アクリルウレタン樹脂から作製した基材層を一定サイズに裁断して試験片とし、この試験片の初期重量を測定する。次いで、この試験片を23℃の酢酸エチル中に24時間浸漬した後、200メッシュの金網で濾過し、金網不通過分(濾過残渣)を乾燥して、その重量を測定し、次式によりゲル分率を算出する。
G(重量%)=100×C/D
ここに、G:ゲル分率(重量%)
C:金網不通過分(濾過残渣)の重量(g)
D:試験片の初期重量(g)
【0039】
アクリルウレタン樹脂の上記ゲル分率が80重量%未満であると、得られる基材層及びマーキングフィルムの耐候性が不十分となることがある。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明をさらに詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は「重量部」を意味する。
【0041】
(実施例1)
【0042】
(1)基材層の作製
水酸基価40mg/gのアクリルポリオール(商品名「BL616」、大日本インキ化学工業社製)100部に対して、着色剤としてジケトピロロピロール(チバスペシャルティケミカルズ社製)5部、ポリイソシアネート化合物として脂肪族ポリイソシアネート化合物(商品名「コロネートHL」、日本ポリウレタン工業社製)13部、ヒンダードアミン系光安定剤(商品名「チヌビン622」、チバスペシャルティケミカルズ社製)0.2部及び紫外線吸収剤(商品名「チヌビン327」、チバスペシャルティケミカルズ社製)0.2部を添加し、均一に攪拌混合して、基材層用のアクリルウレタン樹脂系組成物を作製した。次いで、リバースコーターを用いて、このアクリルウレタン樹脂系組成物をPETフィルム上に乾燥後の塗工厚みが40μmとなるように塗工し、アクリルポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて、厚み40μmの基材層を作製した。
【0043】
(2)マーキングフィルムの作製
コンマコーターを用いて、シリコーン樹脂系離型剤で離型処理が施された離型紙の離型処理面に、2液架橋型の溶剤型アクリル樹脂系粘着剤を塗工し、乾燥して、厚み40μmの粘着剤層と離型紙とからなる積層体を作製した。次いで、この積層体の粘着剤層側を(1)で得られた基材層の非PETフィルム側にラミネートして積層し、マーキングフィルムを作製した。
【0044】
(3)評価
上記で得られた基材層の特性(▲1▼硬化反応性、▲2▼応力緩和率、▲3▼ゲル分率)及び上記で得られたマーキングフィルムの性能(▲4▼曲面施工性、▲5▼耐候性)を以下の方法で評価した。その結果は表1に示した。
【0045】
▲1▼硬化反応性:アクリルポリオール「BL616」100部及びポリイソシアネート化合物「コロネートHL」13部を均一に攪拌混合した後、PETフィルム上に乾燥後の塗工厚みが50μmとなるように塗工した。次いで、100℃のギアオーブン中に一定時間放置してアクリルポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させた後、取り出して、常温まで放冷し、表面の粘着性(タック)を指触による官能検査で測定し、下記判定基準により硬化反応性を評価した。
〔判定基準〕
○:10分未満で表面の粘着性(タック)が消失した
△:10分以上15分未満で表面の粘着性(タック)が消失した
×:表面の粘着性(タック)消失までに15分以上必要であった
【0046】
▲2▼応力緩和率:引張試験機として商品名「UCT500」(オリエンテック社製)を用い、前記測定方法で基材層の応力緩和率を測定した。
▲3▼ゲル分率:前記測定方法で基材層のゲル分率を測定した。
▲4▼曲面施工性:図1は曲面施工性の評価に用いたコルゲート板を示す断面図である。マーキングフィルムの離型紙を剥離して、図1に示す二次曲面を有するコルゲート板の稜線にマーキングフィルムの粘着剤層側を接着させ、次いでコルゲート板の谷部へ専用の施工工具を用いて押し込んで接着させ、23℃の雰囲気下に3日間放置した後、マーキングフィルムの浮きの状態を目視で観察し、下記5点法の判定基準により曲面施工性を評価した。
〔判定基準〕
5点:谷部に浮きが全く発生しなかった
4点:谷部へ押し込む時にマーキングフィルムの裂けが部分的に発生した
3点:谷部に若干の浮きが発生した
2点:谷部へ押し込む時にマーキングフィルムの裂けが顕著に発生した
1点:谷部に著しい浮きが発生した
【0047】
▲5▼耐候性:マーキングフィルムをカーボンアークサンシャイン型ウエザロメーターで2000時間促進曝露した後、分光測色計(商品名「CM−3700d」、ミノルタ社製)を用いて、促進曝露前後の色差を測定した。耐候性の良否の判定基準は、上記色差が6以下で良好、6を超え8以下で可、8を超えると不可である。
【0048】
(実施例2)
基材層の作製において、水酸基価50mg/gのアクリルポリオール(商品名「LR286」、三菱レイヨン社製)100部を用い、ポリイソシアネート化合物「コロネートHL」の添加量を16.3部としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、基材層及びマーキングフィルムを作製した。
【0049】
(実施例3)
基材層の作製において、水酸基価90mg/gのアクリルポリオール(商品名「HAD3351」、日立化成工業社製)100部を用い、ポリイソシアネート化合物として商品名「デュラネートE−405−80T」(旭化成工業社製)56.6部を添加したこと以外は実施例1の場合と同様にして、基材層及びマーキングフィルムを作製した。
【0050】
(比較例1)
基材層の作製において、アクリルポリオール「BL616」100部に対するポリイソシアネート化合物「コロネートHL」の添加量を8部としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、基材層及びマーキングフィルムを作製した。
【0051】
(比較例2)
基材層の作製において、水酸基価20mg/gのアクリルポリオール(商品名「Q193」、三井化学社製)100部を用い、ポリイソシアネート化合物「コロネートHL」の添加量を7.3部としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、基材層及びマーキングフィルムを作製した。
【0052】
(比較例3)
基材層の作製において、水酸基価150mg/gのアクリルポリオール(商品名「HAD1004」、日立化成工業社製)100部を用い、ポリイソシアネート化合物「コロネートHL」の添加量を48.7部としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、基材層及びマーキングフィルムを作製した。
【0053】
実施例2及び実施例3、及び、比較例1〜比較例3で得られた基材層の特性(▲1▼硬化反応性、▲2▼応力緩和率、▲3▼ゲル分率)及びマーキングフィルムの性能(▲4▼曲面施工性、▲5▼耐候性)を実施例1の場合と同様にして評価した。その結果は表1に示した。
【0054】
【表1】
Figure 0004540801
【0055】
【発明の効果】
本発明のマーキングフィルムは、40%以上の応力緩和率を有する基材層の一方の面に粘着剤層が形成されてなるので、優れた柔軟性や形状追従性を有し、曲面施工性に優れる。特に、上記基材層用の熱可塑性樹脂として特定の水酸基価を有するアクリルポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるアクリルウレタン樹脂を用いることにより、上記性能は著しく優れたものとなると共に、上記アクリルウレタン樹脂のゲル分率を80重量%以上とすることにより、耐候性に富むものとなる。
【0056】
以上述べたように、本発明のマーキングフィルムは、優れた柔軟性や形状追従性を有するので、例えば二次曲面を有するコルゲート板のみならず三次曲面を有する材料(被着体)に対しても優れた施工性(曲面施工性)を発揮すると共に、耐候性にも富む。また、焼却時に有害ガスを発生するハロゲンを実質的に含まないので、使用後は焼却処理による廃棄が容易にできる低環境負荷型のマーキングフィルムである。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】曲面施工性の評価に用いたコルゲート板を示す断面図である。

Claims (1)

  1. 水酸基価30〜100mg/gのアクリルポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて得られ、ゲル分率が80重量%以上である、実質的にハロゲンを含有しないアクリルウレタン樹脂からなり着色されてなる基材層、粘着剤層及び離型材層がこの順に積層されてなり、且つ、15mm幅に裁断した基材を引張試験機にチャック間隔100mmでセットして基材を固定し、引張速度200mm/分で引張って10%伸長させた後、伸長を停止させ、停止後の経過時間と応力変化の関係をチャートに記録し、次式
    ε(%)=100×(a−b)/a
    ここに、
    ε:応力緩和率(%)
    a:停止直後の引張応力(MPa)
    b:停止20分後の引張応力(MPa)
    により算出する応力緩和率が40%以上であることを特徴とするマーキングフィルム。
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