JP5179040B2 - 外装用フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、外装用フィルム及びその製造方法に関する。
広告宣伝用、車輌用等の用途における意匠性や表面の保護等を目的として、合成樹脂からなる外装用フィルムが使用されている。このような外装用フィルムは、優れた耐擦傷性、耐薬品性、後加工性、耐侯性、外観を有することが要求されている。このため、従来からポリ塩化ビニル(PVC)樹脂からなるフィルムが使用されてきたが、近年、環境保護の観点から非塩素化(非ハロゲン化)材料への代替が求められている。
代替材料として、アクリルフィルムが使用されることがあるが、柔軟性に乏しい等の問題がある。また、他に、特に経済性や安定性を考慮して、ポリエチレンやポリプロピレン、TPO等のポリオレフィン系樹脂が有力視されているが、フィルムの耐擦傷性や耐薬品性に劣るという問題点を有している。このため、ポリオレフィンフィルムの表面にコーティング等で表面層を形成することによってフィルム特性を改良することが行われているが、上記の性能をすべて満たすフィルムを得ることは困難であった。
例えば、特許文献1には、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂の基材とウレタン樹脂のトップコート層と有する外装用フィルムが開示されており、トップコート層を形成するための塗工溶液としてアクリルポリオール、ポリイソシアネートを含む組成物を使用することが記載されている。また、特許文献2には、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルムに、最表層としてアクリルウレタン樹脂を塗工してなる外装用フィルムが開示されている。
しかし、これらの文献では、使用する樹脂について、ガラス転移温度(Tg)等、詳細に検討されていないため、上記の性能をすべて満たすフィルムを得ることは困難である。また、特許文献2のフィルムは、ポリカーボネート骨格を有したウレタン樹脂の塗膜を必須とするものである。
特許文献3には、ポリオレフィン樹脂からなる基材と、その基材表面に少なくとも部分的に形成された着色層と、その着色層上に更にウレタン樹脂からなるトップコート層を有する装飾フィルムが開示されている。しかし、ここには、トップコート層にウレタン変性アクリル樹脂を使用することは記載されていない。また、上記の性能をすべて満たすフィルムを得ることは困難である。
特開2003−225977号公報 特開2005−82671号公報 特開2005−206724号公報
本発明は、上記現状に鑑み、非PVCでありながらPVCのような優れた耐擦傷性、耐薬品性、後加工性、耐侯性、外観を有する外装用フィルム及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、ポリオレフィン系樹脂からなる基材フィルム上に、表面層が形成された外装用
フィルムであって、上記表面層は、ガラス転移温度(Tg)が60〜100℃であるウレ
タン変性アクリル樹脂とイソシアネート系硬化剤とを併用してなるものであることを特徴とする外装用フィルムである。
上記基材フィルムは、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂及びオレフィン系熱可
塑性エラストマーからなるものであることが好ましい。
上記表面層の厚さは、10〜50μmであることが好ましい。
上記表面層は、更に平均粒径2〜6μmのポリプロピレン系樹脂粒子を含むものであるこ
とが好ましい。
上記イソシアネート系硬化剤は、無黄変型イソシアネートからなるものであることが好ましい。
上記無黄変型イソシアネートは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートであることが好ましい。
上記基材フィルム側に、アクリル系粘着剤を用いて形成される粘着剤層を有するものであることが好ましい。
本発明はまた、上述した外装用フィルムの製造方法であって、上記ポリオレフィン系樹脂からなる基材フィルム上に、上記ガラス転移温度(Tg)が60〜100℃であるウレタン変性アクリル樹脂とイソシアネート系硬化剤とを含む組成物を塗工する工程を含むことを特徴とする外装用フィルムの製造方法でもある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の外装用フィルムは、ポリオレフィン系樹脂からなる基材フィルム上に、特定のウレタン変性アクリル樹脂からなる表面層を設けたものである。
従来からポリオレフィンフィルムを外装用フィルムとして使用する場合、フィルム表面に表面コート等が施されることが多かったが、表面コートによってフィルムの延伸や折り曲げ時に白化や割れが生じてしまう。一方、延伸等を重視した柔軟な表面コートを施した場合は、耐薬品性や耐侯性が低下してしまう。
つまり、従来のポリオレフィンフィルムの表面コートでは、後加工性(3次元追従性)、耐薬品性、耐侯性、耐擦傷性等の性能をすべて満足することは困難であったが、本発明では、ポリオレフィン系樹脂からなる基材フィルム上に、特定のウレタン変性アクリル樹脂を用いた表面層を形成しているため、これらすべての性能を確保したフィルムを得ることができる。
上記外装用フィルムは、ポリオレフィン系樹脂からなる基材フィルムを有するものである。上記ポリオレフィン系樹脂としては特に限定されず、従来公知のものを使用することができるが、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましく、なかでも、ポリプロピレン系樹脂を使用することがより好ましい。また、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂及びオレフィン系熱可塑性エラストマーをすべて使用すること(3種混合系)が特に好ましい。このような場合、上記すべての性能をより効果的に確保することができる。
上記ポリプロピレン系樹脂としては特に限定されず、例えば、単独重合ポリプロピレン(h−PP)、ランダム共重合ポリプロピレン(r−PP)、ブロック共重合ポリプロピレン(b−PP)等を挙げることができる。なかでも、単独重合ポリプロピレンは、融点が高すぎてカレンダー加工では溶融不足となるおそれがあり、ブロック共重合ポリプロピレンを用いたフィルムは、折り曲げたときに白化するおそれがあるため、ランダム共重合ポリプロピレンが好ましい。上記ポリプロピレン系樹脂は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、他のモノマーを含むモノマー組成物により得られる共重合体であってもよい。
上記ポリプロピレン系樹脂は、また、JIS K 7210に準拠して測定されたメルトフローレート(温度230℃、荷重2.16kgf)が0.3〜15g/10分であるものが好ましい。0.3g/10分未満であると、粘度が高く、フィルムへの成型が困難となるおそれがある。15g/10分を超えると、樹脂の溶融張力が低いのでフィルムを安定して引き取ることができなくなるおそれがある。1.0〜5.0g/10分であることがより好ましい。
上記ポリエチレン系樹脂としては特に限定されず、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)等を挙げることができる。なかでも、上記すべての性能をより効果的に確保できる点から、低密度ポリエチレンが好ましい。上記ポリエチレン系樹脂は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、他のモノマーを含むモノマー組成物により得られる共重合体であってもよい。
上記ポリエチレン系樹脂は、JIS K 7210に準拠して測定されたメルトフローレート(温度230℃、荷重2.16kgf)が0.03〜3g/10分であるものが好ましい。0.03g/10分未満であると、粘度が高く、フィルムへの成型が困難となるおそれがある。3g/10分を超えると、樹脂の溶融張力が低いのでフィルムを安定して引き取ることができなくなるおそれがある。0.5〜5g/10分であることがより好ましい。
上記オレフィン系熱可塑性エラストマー(以下、TPOともいう)としては特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。TPOを使用することにより、従来から使用されている塩化ビニル樹脂のような優れた柔軟性と伸縮性を得ることができる。
上記オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、エチレン−プロピレン共重合体成分及び/又はポリブチレン成分と、ポリプロピレン成分とを有する共重合体であることが好ましい。このような共重合体は、ハードセグメントとなる結晶性のポリプロピレン樹脂とソフトセグメントとなるエチレン−プロピレンゴム成分やブチルゴム成分とからなるものであり、ハードセグメントとソフトセグメントとの割合を調節することによって、種々の物性のものを得ることができる。上記オレフィン系熱可塑性エラストマーは、本発明の効果を阻害しない範囲内で、他のモノマーを含むモノマー組成物により得られる共重合体であってもよい。
上記オレフィン系熱可塑性エラストマーの製造方法としては、上記ハードセグメントとソフトセグメントに必要に応じて架橋剤や可塑化オイル等を混合し、押出機を用いて溶融混練し、架橋させるような従来から用いられている方法の他、近年、上記ハードセグメントとソフトセグメントとを重合反応によって直接に製造する方法も知られており、特に、後者の方法によるオレフィン系熱可塑性エラストマーは、反応器中で製造するオレフィン系熱可塑性エラストマーという趣旨から、リアクターTPOと呼ばれている。
上記リアクターTPOは、JIS K 7210で規定されるメルトフローレート(リアクターTPOのメルトフローレートの測定は、JIS K 7210に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgfの条件下で行うものとする。以下、同じ。)が0.45〜20g/10分の範囲内にあるものが好ましい。0.45g/10分未満であると、得られるフィルムの表面の平滑性が劣るおそれがある。20g/10分を超えると、粘度が低すぎて、カレンダー加工する際に、ロールへのべたつきを生じて、フィルム加工が困難となるおそれがある。0.5〜3.0g/10分であることがより好ましい。
上記基材フィルムにおいて、ポリオレフィン系樹脂として、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂及びオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いる場合、上記ポリエチレン系樹脂の配合量は、上記ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して20〜100質量部であることが好ましい。また、上記オレフィン系熱可塑性エラストマーの配合量は、上記ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して50〜150質量部であることが好ましい。上記範囲内であると、本発明の効果を良好に得ることができる。
上記基材フィルムは、上記ポリオレフィン系樹脂のほかに、滑剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、改質剤、難燃剤、帯電防止剤、補強剤、粘着付与剤、充填剤、防カビ剤等、一般に樹脂に添加される公知の添加剤を適量添加してもよい。
上記滑剤としては、例えば、ステアリン酸等の脂肪酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム等の炭素数12〜30の脂肪酸金属石鹸;ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エシル酸アミド、エルカ酸アミド等の酸アミド;種々のワックス類等を挙げることができる。なかでも、ステアリン酸塩が好ましく、ステアリン酸カルシウムが特に好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジシクロヘキシル−4−エチルフェノール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等のフェノール系酸化防止剤;トリオクチルホスファイト、トリストリデシルホスファイト等の有機ホスファイト系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトララウリルチオプロピオネート等の硫黄系酸化防止剤等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記基材フィルムは、従来公知の方法により製造することができ、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、必要に応じて添加剤等の他の成分を含むポリオレフィン系樹脂組成物を押し出し成型、カレンダー成型等で成型することによって製造することができる。
上記基材フィルムがカレンダー成型により得られるものである場合、フィルムを構成するポリオレフィン系樹脂組成物は、メルトフローレート(230℃、37.3N)が15g/10分以下であることが好ましい。これにより、150〜200℃の範囲内における溶融状態のポリオレフィン系樹脂組成物の粘度を、混練効率が良くかつバンクの回転を良好なものにすることができる。従って、ポリ塩化ビニル樹脂用のカレンダー加工設備を用いて、上記ポリオレフィン系樹脂組成物をカレンダー加工することにより、均質な薄いフィルムを得ることができる。1〜15g/10分の範囲内であることがより好ましい。上記カレンダー加工に用いられるカレンダー形式は、特に限定されないが、例えば、逆L型、Z型、直立2本型、L型、傾斜3本型等を挙げることができる。
上記基材フィルムは、厚さが0.010〜0.5mmであることが好ましい。0.010mm未満である場合や0.5mmを超える場合には、貼り付けが困難になるおそれがある。0.020〜0.200mmであることがより好ましい。
上記基材フィルムは、上記オレフィン系樹脂組成物を用いて得られたフィルムの一方の面に表面活性化処理を施したものであることが好ましい。上記表面活性化処理とは、処理の前後で、処理される表面の化学構造に変化を生ずるものを意味する。上記表面活性化処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理、電子線処理等を挙げることができ、なかでも、簡便に充分な処理効果を得ることができる点から、コロナ処理を施すことがより好ましい。
上記コロナ処理は、例えば、公知のコロナ放電処理器を用い、不活性気体中で発生させたコロナ雰囲気に処理すべき層(基材フィルム)を通過させることにより行うことができる。上記コロナ処理の際におけるコロナ放電密度は、通常、10W・分/m以上、好ましくは30〜300W・分/mである。上記不活性気体としては、アルゴン、ヘリウム、クリプトン、ネオン、キセノン、窒素、これらの2種類以上混合気体を挙げることができる。
本発明の外装用フィルムは、上記基材フィルム上に、ガラス転移温度(Tg)が60〜100℃であるウレタン変性アクリル樹脂からなる表面層が形成されたものである。ポリオレフィン系樹脂フィルムのみでは耐擦傷性、耐薬品性が悪いが、特定のウレタン変性アクリル樹脂からなる表面層を、ポリオレフィン系樹脂からなる基材フィルム上に設けることにより、これらの性能を大きく改善することができる。また、表面層を形成したにも拘らず、優れた後加工性(3次元追従性)が得られるため、フィルムの延伸や折り曲げ時に白化や割れを防止することができる。更に、後加工性に優れた表面層を形成したにも拘らず、耐侯性の低下も防止できる。即ち、上記ポリオレフィン系樹脂からなる基材フィルム上に、特定のウレタン変性アクリル樹脂からなる表面層を形成した場合、特異的に、耐擦傷性、耐薬品性、後加工性、耐侯性のすべての性能を確保することができる。
ウレタン樹脂には種々の組成があり、例えば、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリエーテル系、ラクトン系等が挙げられるが、ポリエステル系は、耐水性が弱いため屋外での使用には適さず、イソプロピルアルコール等のアルコールを含有している薬品にも弱く接触した場合に白濁が顕著となる。また、耐擦傷性もPVCには及ばない。ポリカーボネート系は、耐水性や耐擦傷性に優れるもののアルコールや酸には弱い傾向にあり、ポリエーテル系は、光、熱、油への耐久性が悪い。これに対し、本発明では、上記特定のウレタン変性アクリル樹脂を用いているため、特異的に、耐擦傷性、耐薬品性、後加工性、耐侯性のすべての性能に優れたフィルムを得ることができる。
上記ウレタン変性アクリル樹脂は、アクリル樹脂をウレタン成分で変性したものであり、ウレタン樹脂とアクリル樹脂成分を化学的に結合させることにより製造することができる。
上記化学的に結合させる具体的方法としては、例えば、(1)β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等を用いて得られたアクリル重合体に水酸基を導入したポリマーと分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーとを反応させる方法、(2)分子末端(片末端又は両末端)に水酸基を有するアクリル成分と分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーとを反応させる方法、(3)アクリルジオール混合系にジイソシアネートを添加する方法、(4)アクリルモノマーに両末端又は片末端イソシアネートポリエステル、ポリエーテル等を付加した後、そのウレタンアクリレートを重合する方法、等を挙げることができる。このような方法で得られるウレタン変性アクリル樹脂において、ウレタン鎖とアクリル鎖とは互いにブロック型で結合していてもよく、グラフト型で結合していてもよい。これらの合成に用いられるアクリル樹脂成分としては、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;アクリロニトリル、アクリルアミド、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、マレイン酸、これらの誘導体等の重合性モノマーを共重合したもの等を挙げることができる。これらのウレタン変性アクリル樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ウレタン変性アクリル樹脂は、Tgが60〜100℃である。本発明では、上記範囲内のTgを有するウレタン変性アクリル樹脂を使用することが重要であり、これにより、耐擦傷性、耐薬品性、後加工性、耐侯性のすべての性能を確保することができる。60℃未満であると、耐薬品(アルコール)性に劣り、100℃を超えると、後加工の折り曲げ時に割れや白化が生じる。Tgは、65〜95℃であることがより好ましい。
本明細書におけるガラス転移温度 (Tg)とは、JIS K7121(1987年)に準拠して、加熱速度10℃/minの昇温条件で熱流束DSCにより求めた中間点ガラス転移温度 (℃)をいい、試験片の状態調節については「一定の熱処理を行なった後、ガラス転移温度 を測定する場合」を採用するものとする。なお、使用装置は、示差走査熱量計(DSC6200、セイコー社製)である。
上記表面層は、更にイソシアネート系硬化剤を用いて得られるものであることが好ましい。上記ウレタン変性アクリル樹脂とイソシアネート系硬化剤を併用することにより、耐擦傷性、耐薬品性、後加工性、耐侯性をより向上させることができる。この場合、ウレタン変性アクリル樹脂として、末端又は側鎖に活性水素基を含むものを用い、ポリイソシアネート化合物で架橋させることができる。
上記イソシアネート系硬化剤としては、ポリイソシアネート化合物を用いることができ、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,5−オクチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート化合物;4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添トリレンジイソシアネート、2,4又は2,6−メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等の脂環式ポリイソシアネート化合物;2,4又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(4−フェニルイソシアネート)チオホスフェート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ジフェニルスルホンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物を挙げることができる。なかでも、HDIを用いることが特に好ましい。TDIに代表される黄変型イソシアネートは耐候劣化により黄変が生じるが、HDIに代表される無黄変型イソシアネートはこのような問題を抑制できる。また、上記表面層において、上記ウレタン変性アクリル樹脂及びHDIを併用することによって、本発明の効果をより良好に得ることができる。
上記表面層は、平均粒径2〜6μmの耐擦傷性向上剤を含むものであることが好ましい。これにより、外装フィルムの耐擦傷性を向上させることができる。また、所望の外観が得られるとともに、上記すべての性能を良好に確保することができる。2μm未満であると、耐擦傷性が不足するおそれがある。6μmを超えると、表面層の平滑さが失われ、細かな凹凸が生じ、ギラついた外観となるおそれがある。
上記平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定された値である。同装置としては、「SALD−2000」(島津製作所社製)、「LA−920」(堀場製作所社製)等を挙げることができる。
上記耐擦傷性向上剤としては特に限定されず、例えば、パラフィン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン等のワックス系粒子やシリコーン系、アマイド系粒子を挙げることができるが、なかでも、価格や取り扱いやすさの点、ポリテトラフルオロエチレンがハロゲン類含有である点、アマイド系がアルコールへの耐久性に問題がある点等から、特にポリプロピレン系樹脂粒子が好ましい。また、上記外装用フィルムが、ポリオレフィン系樹脂からなる基材フィルム上に、上記ウレタン変性アクリル樹脂及び平均粒径2〜6μmのポリプロピレン系樹脂粒子を用いた表面層が形成されたものである場合、フィルムにおける耐擦傷性、耐薬品性、後加工性及び耐侯性のすべての性能を特に良好に向上させることができる。
上記ポリプロピレン系樹脂粒子を構成する樹脂としては、上述したポリプロピレン系樹脂を挙げることができる。なかでも、本発明の効果が得られる観点から、単独重合ポリプロピレンが好ましい。
上記ポリプロピレン系樹脂粒子は、原料樹脂を用いて粒子状に成形されたものである。上記樹脂粒子の具体的な形状としては特に限定されず、例えば、球状、楕円球状、円柱状、不定形状等、任意の形状を採用することができる。上記樹脂粒子は、例えば、原料樹脂を押出機内で溶融した後、押出機からストランド状に押出した線状樹脂を、カッター等で切断する方法により粒子状としたものを製造することができる。
上記耐擦傷性向上剤の配合量は、上記ウレタン変性アクリル樹脂100質量部に対して、3〜15質量部であることが好ましい。3質量部未満であると、耐擦傷性が不足するおそれがある。15質量部を超えると、表面層が白濁して見え、基材フィルムの色調(鮮やかさ)が失われるおそれがある。
上記表面層の特に好ましい形態としては、上記特定のウレタン変性アクリル樹脂、平均粒径2〜6μmのポリプロピレン系樹脂粒子、HDI等の無黄変型イソシアネートを含むものを挙げることができる。この場合、特定のウレタン変性アクリル樹脂を用いることにより、特に柔軟性や耐アルコール性等を向上させたり、ポリプロピレン系樹脂粒子を表面層の表層に存在させることで滑りやすさ(耐スクラッチ性)を発現させたり、HDI等の無黄変型イソシアネートを用いることにより、硬化反応を促進させたりする作用機能が発揮されることによって、本発明の効果をより好適に得ることが可能となる。
上記表面層は、上記ウレタン変性アクリル樹脂、耐擦傷性向上剤のほかに、上述した公知の添加剤(紫外線吸収剤等)を適量含むものであってもよい。
上記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等を挙げることができる。
上記紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2′−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール)]、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリチレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等を挙げることができる。なかでも、耐侯性等の性能の観点から、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。
上記表面層の形成方法としては特に限定されず、例えば、上記ウレタン変性アクリル樹脂、イソシアネート系硬化剤、耐擦傷性向上剤、添加剤等含む組成物を、従来公知の塗工方法により基材フィルム上に形成することができる。
上記表面層は、厚さが3〜50μmであることが好ましい。3μm未満であると、目的とする機能(耐擦傷性、耐候性、耐薬品性)を得ることができないおそれがある。50μmを超えると、フィルムが硬くなるため、曲面追従性が低下し、折り曲げ加工時に割れや白化現象を起こしたり、貼り付け後に浮きが発生したりするおそれがある。5〜40μmであることがより好ましい。
本発明の外装用フィルムは、基材フィルム側(基材フィルムの表面層が形成されていない面)に、粘着剤層を有するものであることが好ましい。これにより、車輛や広告宣伝等の種々の用途において、フィルムを良好に貼付することができる。
上記粘着剤層は、アクリル系粘着剤を用いて形成されるものであることが好ましい。上記アクリル系粘着剤は、アクリル系重合体を含む粘着剤である。これにより、粘着加工品に優れた耐侯性を付与することができる。
上記アクリル系重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体又はこれらの共重合体等を挙げることができる。上記アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル%と共重合性単量体とを共重合して得られる共重合体が好ましい。
上記アクリル系重合体の具体例としては、2−エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸とからなる共重合体、2−エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシエチルアクリレートとからなる共重合体、2−エチルヘキシルアクリレートとメチルメタクリレートとからなる共重合体、2−エチルヘキシルアクリレートと2−メトキシエチルアクリレートと酢酸ビニルとからなる共重合体、2−エチルヘキシルアクリレートとビニルピロリドンとからなる共重合体、2−エチルヘキシルアクリレートとメチルメタクリレートと2−メトキシエチルアクリレートとからなる共重合体、2−エチルヘキシルアクリレートとビニルピロリドンとアクリル酸とからなる共重合体等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記粘着剤層は、粘着付与剤、硬化剤、公知の添加剤等を含むものであってもよい。
上記粘着剤層の形成方法としては特に限定されず、従来公知の塗工方法によって形成することができる。上記粘着剤層は、厚さが3〜50μmであることが好ましい。3μm未満であると、充分な密着性及び接着力を得ることができないおそれがある。50μmを超えても、効果の向上は望めず、経済的に不利となるおそれがある。
上記外装用フィルムは、上記粘着剤層に加えて、更に離型層を有するものであってもよい。上記離型層は、フィルムを貼り付ける際に、剥離するものである。上記離型層は、粘着剤層において、基材フィルムと反対側の表面に積層される。上記離型層の積層は、従来公知の方法で行うことができ、例えば、離型層に粘着剤を塗布して粘着剤層を形成した後、粘着剤層を基材フィルムに貼着(積層)する方法が好適である。
上記離型層としては、例えば、離型処理が施されたフィルムを用いることができる。
上記離型処理が施されたフィルムの材質としては、PET、紙、オレフィン系樹脂フィルム等を挙げることができる。上記離型処理を施す際に使用する離型剤としては、シリコーン系のものが好適に用いられる。上記離型層の厚さは、粘着剤層との組み合わせ、又は、目的や用途等に応じて設定すればよい。
以下、本発明の外装フィルムの例を図1、2を用いて更に具体的に説明する。
図1、2は、本発明の外装用フィルムの概略図の一例を示した図である。図1で示された外装用フィルムは、表面層1、基材フィルム2及び粘着剤層3が積層されているものである。図2で示された外装用フィルムは、表面層1、基材フィルム2、粘着剤層3及び離型層4が積層されているものである。図1、2の表面層1には、耐擦傷性向上剤の粒子5が含まれている。これらの外装用フィルムは、優れた耐擦傷性、耐薬品性、後加工性、耐侯性、外観を有している。
上記外装用フィルムの製造方法としては、上記ポリオレフィン系樹脂からなる基材フィルム上に、上記ガラス転移温度(Tg)が60〜100℃であるウレタン変性アクリル樹脂を含む組成物を塗工する工程を含む方法を挙げることができる。上記基材フィルムの製造、上記ウレタン変性アクリル樹脂を含む組成物の塗工は、上述した方法により行うことができる。上記製造方法により、優れた耐擦傷性、耐薬品性、後加工性、耐侯性、外観を有する外装用フィルムを得ることができる。このような製造方法も本発明の1つである。
本発明の外装用フィルムは、ポリオレフィン系樹脂からなる基材フィルム上に、特定のウレタン変性アクリル樹脂からなる表面層が形成されたものであるため、優れた耐擦傷性、耐薬品性、後加工性、耐侯性、外観を有している。これらすべての特性に優れたポリオレフィンフィルムを提供することは困難であったが、本発明の外装用フィルムはこの問題を解決したものである。
以下本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」、「%」は特に断りのない限り「質量部」、「質量%」を意味する。
実施例1
(基材フィルムの作製)
ポリプロピレン樹脂(「WT2002A」、日本ポリプロピレン社製)40質量部に、オレフィン系熱可塑性エラストマー(「R−110E」、出光社製)40質量部、低密度ポリエチレン樹脂(「KF−280」、日本ポリプロピレン社製)20質量部と、酸化防止剤(「イルガノックス1076」、チバスペシャリティーケミカル社製)0.2質量部、滑剤(ステアリン酸カルシウム)0.2質量部とを混合し、バンバリーミキサーを用いて150〜180℃の温度で溶融混練し、得られた樹脂組成物を4本逆L字ロール型24インチカレンダーに供給し、ロール温度160〜190℃で0.10mmの厚みに圧延し、フィルムを得た。このフィルムにコロナ処理を行い、基材フィルム(ポリプロピレン系フィルム)を得た。
(表面層の形成)
得られた基材フィルム上に、ウレタン変性アクリル樹脂(「UCクリヤーG−407NT」、大日本インキ化学工業社製、Tg 100℃)100質量部、ポリプロピレン系樹脂粒子(耐擦傷性向上剤、平均粒径4μm)5質量部、HDI 10質量部、紫外線吸収剤(「バイオソーブ583」、共同薬品社製)0.5質量部を混合した樹脂組成物を、乾燥後の厚みが10μmになるように塗工し、硬化させた。
(粘着製品の作製)
110g/mの上質紙の上にシリコーン系の離型剤で処理した離型紙に、乾燥後の厚みが30μmとなるように粘着剤(アクリル系粘着剤:「SKダイン1340」、綜研化学社製)を塗布して粘着剤層を形成し乾燥したものを、上記の表面層が形成された基材フィルムと貼りあわせて粘着製品を得た。
なお、上記の製造方法において、樹脂成分の配合量は、樹脂固形分の質量である。
実施例2〜6、比較例1〜2
ウレタン変性アクリル樹脂のガラス転移温度、硬化剤の種類(HDI、TDI)、耐擦傷性向上剤の種類(ポリプロピレン系樹脂粒子、アマイド系樹脂粒子)、粒子径及び添加量(ウレタン変性アクリル樹脂100質量部に対して)、表面層の塗工厚み(乾燥後)を表1に示したように変更した以外は、実施例1と同様にして粘着製品を得た。
比較例3
表面層の形成において、カーボネート系ウレタン樹脂(「タイフォースCS−397」、大日本インキ化学工業社製)100質量部、紫外線吸収剤(「バイオソーブ583」、共同薬品社製)0.5質量部を混合した樹脂組成物を、乾燥後の厚みが10μmになるように塗工し、硬化させて形成した以外は、実施例1と同様にして粘着製品を得た。
比較例4〜5
カーボネート系ウレタン樹脂の代わりに、ポリエステル系ウレタン樹脂(「ポリウレタン2053」、荒川化学工業社製)、又は、ポリエーテル系ウレタン樹脂(「レザミンME8105LP」、大日精化工業社製)を使用した以外は、比較例3と同様にして粘着製品を得た。
比較例6
以下の方法により基材フィルムを作製し、その基材フィルムを用いて実施例1と同様の方法で粘着製品を作製した(表面層の形成は行わなかった)。
(基材フィルムの作製)
メタクリル酸メチル・アクリル酸アルキル共重合体(「パラペットHR−A」、クラレ社製)50質量部、メタクリル酸メチル・アクリル酸アルキル・スチレン共重合体(「メタブレンW341」、三菱レイヨン社製)50質量部、酸化防止剤(「イルガノックス1076」、チバスペシャリティーケミカル社製)1質量部、安定剤としてステアリン酸カルシウム0.2質量部、ステアリン酸亜鉛0.2質量部、滑剤として「LS−5」(旭電化工業社製)1質量部をバンバリーミキサーを用いて150〜180℃の温度で溶融混練し、得られた樹脂組成物を4本逆L字ロール型24インチカレンダーに供給し、ロール温度170〜200℃で0.10mmの厚みに圧延して、基材フィルム(アクリルフィルム)を得た。
〔評価〕
実施例、比較例で得られた粘着製品に対して、次の評価を行い、結果を表1に示した。
(1)耐擦傷性
1mm厚みのアルミ板に各フィルムを貼り付けた後、室温で5日間放置し、テーバー摩耗試験機にてフィルム表面の擦り傷を目視確認した。
摩耗輪CS17×荷重1kg×2000回転で擦り傷が目立たなければ○、目立てば×とした。
(2)耐アルコール性
イソプロピルアルコール(99%)1ccをフィルム(コート層)上に滴下し、23℃で24時間放置した後、表面を洗浄して滴下痕跡を目視で確認した。
痕跡が目立たなければ○、わずかな痕跡が認められれば△、痕跡が目立てば×とした。
(3)曲面追従性
1mm厚みのアルミ板に各フィルムを貼り付けた後、室温で5日間放置し、外径32mm×深さ3mmの条件で丸型(丸い帽子の形)に絞り加工を施した。
フィルム浮きや割れ、裂け、白化、部分伸び(ネッキング)等の外観異常が発生しなければ○、発生すれば×とした。
(4)表面のギラつき
室内蛍光灯並びに太陽光のもとで60°斜めから見たときのギラつきを目視で確認した。
ギラつき目立たなければ○、ギラつき目立てば×とした。
(5)鮮やかさ
分光光度計(KONICA MINORUTA社製 SPECTROPHOTOMETER CM−3600d)D65光源 10°視野で測色し、基材フィルムと表面層塗工後の色調を比較した。なお、測定対象物にグリセリンを塗布し、表面ツヤの影響を排除して測定した。
ΔLが1.5以下であれば○、ΔLが1.5を超えていれば×とした。
(6)耐候性
サンシャインW−O−M(JIS−A−1415準拠)で2000時間促進後の外観を目視で確認した。
○:変退色が目立たず、基材フィルムから表面層の剥離が認められない。
△:変退色は認められるものの、基材フィルムから表面層の剥離は認められない。
×:変退色が目立ち、かつ、基材フィルムから表面層の剥離が認められる。
Figure 0005179040
表1から、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂及びオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いて得られた基材フィルム上に、特定のウレタン変性アクリル樹脂を用いて表面層を形成した実施例の製品の場合、耐擦傷性、耐アルコール性、曲面追従性、耐候性、外観のすべての性能を確保することが可能であった。一方、ウレタン変性アクリル樹脂のTgが特定範囲外の場合は、耐アルコール性や曲面追従性に劣っていた。また、表面層において、カーボネート系ウレタン樹脂を用いた場合は耐アルコール性、ポリエステル系ウレタン樹脂を用いた場合は耐擦傷性、耐アルコール性、耐候性、ポリエーテル系ウレタン樹脂を用いた場合は耐アルコール性、耐候性に劣っていた。
本発明の外装用フィルムは、広告宣伝用、車輌用等の用途に好適に使用することができるものである。
本発明の外装用フィルムの概略図の一例である。 本発明の外装用フィルムの概略図の一例である。
符号の説明
1 表面層
2 基材フィルム
3 粘着剤層
4 離型層
5 耐擦傷性向上剤

Claims (8)

  1. ポリオレフィン系樹脂からなる基材フィルム上に、表面層が形成された外装用フィルムであって、
    前記表面層は、ガラス転移温度(Tg)が60〜100℃であるウレタン変性アクリル樹脂とイソシアネート系硬化剤とを併用してなるものである
    ことを特徴とする外装用フィルム。
  2. 表面層の厚さは、10〜50μmである請求項1記載の外装用フィルム。
  3. 基材フィルムは、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂及びオレフィン系熱可塑性エラストマーからなるものである請求項1又は2記載の外装用フィルム。
  4. 表面層は、更に平均粒径2〜6μmのポリプロピレン系樹脂粒子を含むものである請求項1、2又は3記載の外装用フィルム。
  5. イソシアネート系硬化剤は、無黄変型イソシアネートからなるものである請求項1、2、3又は4記載の外装用フィルム。
  6. 無黄変型イソシアネートは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートである請求項5記載の外装用フィルム。
  7. 基材フィルム側に、アクリル系粘着剤を用いて形成される粘着剤層を有するものである請求項1、2、3、4、5又は6記載の外装用フィルム。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の外装用フィルムの製造方法であって、
    ポリオレフィン系樹脂からなる基材フィルム上に、ガラス転移温度(Tg)が60〜100℃であるウレタン変性アクリル樹脂とイソシアネート系硬化剤とを含む組成物を塗工する工程を含むことを特徴とする外装用フィルムの製造方法。
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