JP4532811B2 - 女性ホルモン様作用剤 - Google Patents
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Description
本発明は、エストラジオールのエストロゲン受容体結合阻害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
エストロゲンは女性ホルモンの一種であり、発情作用を示すホルモン及び類似の作用を持つ物質の総称である。天然に存在するステロイド系のエストロゲンとしては、エストラジオールが主要なものであるが、その他のステロイド系のエストロゲンとしては、例えばエストロン、エストリオール、エリキン、ホモエストロン、エチニルエストラジオール等が知られている。また、非ステロイド系のエストロゲンとしては、例えばジエチルスチルベストロール、ヘキセストロール等が知られている。
【0003】
これらのエストロゲン作用物質のうち、ステロイド系エストロゲンは、例えばエストロゲンの減少に起因する無月経、無***周期症、機能性子宮出血、子宮発育不全等を適応症とする医薬として用いられており、更年期障害の治療や乳汁分泌抑制などにも用いられている。また、非ステロイド系エストロゲンは、主として、前立腺癌、前立腺肥大症等の疾患の治療薬として用いられている。
【0004】
一方、植物にもエストロゲン作用物質が含まれていることが知られており、これらは植物エストロゲンと総称されている。このような植物エストロゲンとしては、例えばゲニステイン、ダイゼイン、ミロエストロール等のイソフラボン類が比較的強いエストロゲン様活性を示すことが報告されている(梅原千治、佐藤武雄著、ステロイドホルモン、製剤生理臨床、卵胞ホルモン、南江堂発行、昭和41年)。更に最近、これらの植物エストロゲンを含む植物を日常的に摂取することが、骨粗鬆症や婦人科疾患、乳癌、子宮癌、前立腺癌、前立腺肥大症等の疾患の発現の減少、さらには血中コレステロール量の減少に寄与する可能性が指摘されている。
【0005】
更に最近になって、ある種の微生物の代謝産物の中から、5,7−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルクロマン−4−オンが単離され、エストロゲン様活性を有することが報告されている(特開平2−218678号公報及び特開平2−300181号公報)。
【0006】
現在使用されているエストロゲン作用剤は、いずれも、胃腸障害、血栓症、子宮出血、肝障害等の副作用を有するという問題があり、長期間投与すると子宮癌や乳癌等が発現する場合があることが知られている。したがって、これらの副作用が軽減されたエストロゲン作用剤が望まれている。
【0007】
一方、更年期障害は、女性における生殖期の終結に起こる内分泌、体性および生理学上の変化の症候群と定義される。月経不順は、***の喪失によって引起こされる長期月経出血の症状の出現である。***の喪失は、卵胞の発生の障害によって引起こされる。最近、更年期障害の治療のための最も一般的な方法は、受胎調節ピルの投与、エストロゲンおよびプロゲステロン製剤の経口投与またはプロゲステロンのみの製剤の経口投与を含めたホルモン置換法である(Shaaban、1996年)。更年期障害の症状を緩和させる一方で、これらの治療法は、多くの関連した危険および副作用を示す。ホルモン治療に関連した危険としては、子宮内膜癌、高血圧、高脂血症、胆石症(胆石)、乳癌、および深部静脈血栓症が挙げられる(Barentsen、1996年)。
【0008】
一方、尋常性ざ瘡(ニキビ)は思春期になって初めて発症してくるため、性ホルモンの分泌増加に伴う内分泌機能の変調が本症の発症と密接に関係していることは明らかである。すなわち、男女共にアンドロゲンの分泌量がエストロゲンの分泌量と比較して、相対的に増加していることが基本となっている(フレグランスジャーナル 74号 4−7頁 1985年)。また、ニキビは思春期に好発するとされているが、最近、思春期後に発症する女性ニキビ患者が増加している。こうした女性の多数で、テストステロンやジヒドロテストステロンなどのアンドロゲンの血中濃度が上昇していることが報告されている(日本香粧品科学会誌 21巻 4号 337−340頁 1997)。このように、思春期以後に発症する女性のニキビはホルモンバランスの乱れが関与している。
【0009】
こうしたニキビ治療としては、抗生物質、ビタミン剤、ホルモン剤などの内服薬や、サリチル酸やイオウなどを含んだ角層溶解作用、殺菌作用、抗炎症作用を持つ外用薬の処方がなされている。しかし、月経前症候群と同様、医師の管理下で行われているものであり、医師のもとに通わなければならない煩わしさが伴う。また、一般医薬品でニキビを適用とした内服薬としてはビタミンB2・B6製剤や、殺菌、抗炎症作用を持つ外用薬が市販されているが、いずれもホルモンバランスに注目したものではない。
【0010】
また、一方、近年では骨粗鬆症の問題が大きくなっている。骨粗鬆症は、骨量が減少することによって起こる骨が脆くなる病態である。
【0011】
正常の骨においては、骨吸収(骨盤の溶解)と骨形成が交互にバランスよく行われて、代謝回転しつつも一定の骨量に保たれている。ところが、このバランスが崩れて、吸収が促進すると骨重量が減少し、骨が細くなって骨折しやすくなり、また疼痛を伴う場合もある。このような状態を骨粗鬆症と呼んでおり、特に閉経後の女性に多いことが特徴である。統計によっても異なるが、この年代の女性においては約1/4に認められるとも報告されている。さらに、老人の寝たきりの原因ともなるため、高齢化社会における生活の質(Quality of Life)の向上という観点からも、有効性の高い治療薬が求められている。さらに治療は長期に亘るため、高い安全性も必要である。
【0012】
骨粗鬆症の発生メカニズムはまだ完全に明らかにはなっていないが、治療にあたっては、骨吸収を抑制するか、または骨形成を促進することが必要と考えられている。このような考えに基づき、骨粗鬆症の治療には、エストロゲンが臨床に導入されてきた。
【0013】
エストロゲンは、骨吸収抑制作用と骨形成促進作用を併せ持ち、骨粗鬆症の進行を抑制する。しかし長期投与にあたっては、腹部膨満感・悪心などの消化器症状に加え、乳癌・子宮内膜癌の発生を始め、子宮内膜出血・帯下の増加・***痛など、女性ホルモンに特有の重篤な副作用が発現する恐れがあり、さらに糖代謝・脂質代謝異常、静脈血栓などの副作用も認められている。したがって、長期投与した際の安全性に問題がある。このように、骨粗鬆症の予防、あるいは治療効果が優れた安全な食品や医薬の開発が望まれているにも係らず、現状では有効性と安全性をともに解決した製品が開発されていない。
【0014】
本発明の課題は、エストラジオールのエストロゲン受容体結合阻害剤を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述した問題点を解決するために鋭意研究を行った結果、日本で抗癌作用や免疫賦活作用などの目的で健康補助食品に利用されているプロポリス、及び一般的に青汁と称されて飲用されているアブラナ科のケールに、エストロゲン様作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
【0016】
すなわち、本発明は、
プロポリスのエタノール抽出物を有効成分とするエストラジオールのエストロゲン受容体結合阻害剤、
に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明で使用するプロポリスは、蜂が集めた樹脂状の黒い塊であり、ブラジル産プロポリス、中国産プロポリス、オーストラリア産プロポリス、ウルグアイ産プロポリス、日本産プロポリスなど何れの産地のものでもよく、特に限定されるものではないが、汎用性の面から見て、ブラジル産プロポリス、中国産プロポリスが好ましい。
【0018】
プロポリスは、プロポリス自身を乾燥させた乾燥物、その粉砕物、超臨界抽出物、水あるいはアルコール、エーテル、アセトンなどの有機溶媒による粗抽出物、および粗抽出物を分配、カラムクロマトなどの各種クロマトグラフィーなどで段階的に精製して得られた抽出物画分など全てを含む。これらは単独で用いても良く、また2種以上混合して用いても良い。
【0019】
例えば、ブラジル産プロポリスの原塊乾燥物1Kgに99.5%エタノール抽出液3Lを加え、室温で一晩浸漬することにより得た抽出液を、そのまま使用しても良いし、各種クロマトグラフィーを組み合わせて、精製したものを使用しても良い。
【0020】
抽出されたプロポリス抽出物の溶液中のプロポリス抽出物濃度は特に制限はないが、15〜70重量%、好ましくは20〜60重量%程度が好ましい。この濃度が15重量%以下では、乾燥時に多量のエタノールや水などの溶液を蒸発させる必要があり、70重量%以上になると溶液の粘度が高くなり過ぎ、加工適性が悪くなる恐れがある。
【0021】
本発明で使用されるケール(Brassicca Oleracea L.var.acephala DC.)には、キッチンケール、マローケール、ブッシュケール、ツリーケール、コラード、緑藻カンランなどがある。アブラナ科の植物でもともと南ヨーロッパ原産の野菜であり、キャベツの原種といわれている。葉など通常食用として供されているもので構わないし、栽培方法や栽培地も特に限定されるものでもない。
【0022】
ケール、その抽出物としては、ケール自身を乾燥させた乾燥物、その粉砕物、圧搾汁、水あるいはアルコール、エーテル、アセトンなどの有機溶媒による粗抽出物、および粗抽出物を分配、カラムクロマトなどの各種クロマトグラフィーなどで段階的に精製して得られた抽出物画分など、全てを含む。これらは単独で用いても良く、また2種以上混合して用いても良い。
【0023】
例えば、ケールの葉、茎、花や根などの乾燥物1Kgに99.5%エタノール抽出液3Lを加え、室温で一晩浸漬することにより得た抽出液をそのまま使用しても良いし、その抽出液を各種クロマトグラフィーを組み合わせて、精製したものを使用しても良い。
【0024】
これらの本発明によるプロポリス及びケールの乾燥物または抽出物に、エストロゲン様作用を有することは、従来から全く知られておらず、本発明により得られた新知見である。
【0025】
本発明によるプロポリス及びケールは、卓越したエストロゲン様作用を有しており、抗骨粗鬆症剤、更年期障害の改善・治療剤、前立腺癌・前立腺肥大症・乳癌及び子宮癌の予防・治療剤あるいは女性の思春期後発症のざ瘡改善・治療剤を目的とした食品、医薬又は化粧料として使用可能である。
【0026】
本発明のプロポリス及びケールを、エストロゲン様作用剤、抗骨粗鬆症剤、更年期障害の改善・治療剤、前立腺癌・前立腺肥大症・乳癌及び子宮癌の予防・治療剤あるいは女性の思春期後発症のざ瘡改善・治療剤含有食品又は医薬として製造することができる。
【0027】
エストロゲン様作用剤、抗骨粗鬆症剤、更年期障害の改善・治療剤、前立腺癌・前立腺肥大症・乳癌及び子宮癌の予防・治療剤あるいは女性の思春期後発症のざ瘡改善・治療剤のような医薬の適用方法としては、経口投与又は非経口投与のいずれも採用することができる。投与に際しては、有効成分を経口投与、直腸内投与、注射などの投与方法に適した固体又は液体の医薬用無毒性担体と混合して、慣用の医薬製剤の形態で投与することができる。このような製剤としては、例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などの固形剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤などの液剤、凍結乾燥製剤などが挙げられ、これらの製剤は製剤上の常套手段により調製することができる。上記の医薬用無毒性担体としては、例えば、グルコース、乳糖、ショ糖、澱粉、マンニトール、デキストリン、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングルコール、ヒドロキシエチルデンプン、エチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アミノ酸、ゼラチン、アルブミン、水、生理食塩水などが挙げられる。また、必要に応じて、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤、等張化剤などの慣用の添加剤を適宜添加することもできる。
【0028】
食品としては、そのまま、又は種々の栄養成分を加えて、若しくは飲食品中に含有せしめて、抗骨粗鬆症剤、更年期障害の改善・治療剤、前立腺癌・前立腺肥大症・乳癌及び子宮癌の予防・治療剤あるいは女性の思春期後発症のざ瘡改善・治療剤に有用な保健用食品又は食品素材として食される。例えば、上述した適当な助剤を添加した後、慣用の手段を用いて、食用に適した形態、例えば、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル、ペーストなどに成形して食用に供してもよく、また種々の食品、例えば、ハム、ソーセージなどの食肉加工食品、かまぼこ、ちくわなどの水産加工食品、パン、菓子、バター、粉乳、発酵乳製品に添加して使用したり、水、果汁、牛乳、茶、清涼飲料などの飲料に添加して使用してもよい。
【0029】
本発明のプロポリス及びケールの有効投与量は、患者の年齢、体重、症状、患者の程度、投与経路、投与スケジュール、製剤形態、素材の阻害活性の強さなどにより、適宜選択・決定されるが、例えば、プロポリスの経口投与の場合、一般に1日当たり10〜500mg/kg体重程度、好ましくは、1日当たり150〜350mg/kg体重程度とされ、1日に数回に分けて投与してもよい。ケールでは、乾燥重量として、通常成人換算で0.1g/体重kg以上であり、1日に数回に分けて投与してもよい。
【0030】
また、本発明のプロポリスあるいはケールを含有せしめて、エストロゲン様作用剤含有化粧料または化粧料素材として使用する場合、例えば、中国産プロポリスの乾燥物あるいは抽出物を小麦胚芽油あるいはオリーブ油に添加してエストロゲン様作用剤含有組成物とし、これを化粧料素材として使用することができる。本発明のケールの乾燥物または抽出物の添加量は、特に限定されるものではないが、一例としてあげると、小麦胚芽油あるいはオリーブ油の重量に対して0.1重量%以上60重量%以下、好ましくは0.5重量%以上50重量%以下が適当である。プロポリスでは、小麦胚芽油あるいはオリーブ油の重量に対して0.01重量%以上60重量%以下、好ましくは0.1重量%以上50重量%以下が適当である。
【0031】
また、上記のエストロゲン様作用剤含有組成物を直接、化粧料成分として使用し、エストロゲン様作用を有する化粧料を製造することができる。化粧料には、植物油のような油脂類、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、防腐剤、糖類、金属イオン封鎖剤、水溶性高分子のような高分子、増粘剤、粉体成分、紫外線吸収剤、紫外線遮断剤、ヒアルロン酸のような保湿剤、香料、pH調整剤、乾燥剤等を含有させることができる。ビタミン類、皮膚賦活剤、血行促進剤、常在菌コントロール剤、活性酸素消去剤、抗炎症剤、抗癌剤、美白剤、殺菌剤等の他の薬効成分、生理活性成分を含有させることもできる。
【0032】
化粧料としては、化粧水、乳液、クリーム、パック等の皮膚化粧料、メイクアップベースローション、メイクアップクリーム、乳液状又はクリーム状あるいは軟膏型のファンデーション、口紅、アイカラー、チークカラーといったメイクアップ化粧料、ハンドクリーム、レッグクリーム、ボディローション等の身体用化粧料等、入浴剤、口腔化粧料、毛髪化粧料とすることができる。本発明の方法で得られるエストロゲン様作用剤含有組成物を含有せしめた化粧料としては、機能面からは、例えば乳液、化粧液、フェイスクリーム、ハンドクリーム、ローション、エッセンス、シャンプー、リンスなどが好ましい。
【0033】
このような化粧料は、常法に従って製造することができる。化粧料における本発明のプロポリスの乾燥物または抽出物の添加量は、特に限定されるものではないが、一例としてあげると、化粧料全重量の0.01重量%以上20重量%以下程度が適当である。
【0034】
本発明のプロポリス及びケールは、天然物であるためその毒性は低く、例えばケールのエタノール抽出物を毎日1000mg/kg、100日間という長期間に亘ってラットに経口投与しても死亡例は認められず、体重変化も観察されなかった。
【0035】
[実施例]以下に実施例を挙げて具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
製造例1(プロポリス抽出物の製造)
ブラジル産及び中国産プロポリス原塊それぞれ10gに99.5%エタノール3Lを加え、50℃で一晩浸漬した後、ロータリーエバポレーターにてエタノールを除去することにより、プロポリス抽出物をそれぞれ324mg、216mgを得た。
【0036】
製造例2(ケール抽出物の製造)
ケールの葉を90℃で乾燥させ、苦みの渋味成分となる酵素を失活させた。その粉砕物4kgを電熱式水浴機で加熱還流しながら、99.5%エタノール(和光純薬工業)20Lを用いて抽出を行い、ケール抽出物80gを得た。
【0037】
試験方法
ラット子宮エストロゲン受容体への結合試験評価は、B. KOFFMANらの方法(J. Steroid Biochem. Molec. Biol.,38(2)135−139,1991)を一部改変して行った。
【0038】
[cytosol(サイトゾル)画分の調製]
特に記述しない限り、以下に示す全ての操作は、4℃の温度で行った。
【0039】
まず、粉砕した凍結子宮組織に4倍量のリン酸緩衝液(pH8.0)を加え、ポリトロンPT-10プローブ(Brinkman Instrument Co. Inc.製)を用いて、フル調節条件で、5秒間破砕し、次の破砕まで60秒間氷中で冷却し、その後、5秒間破砕する操作を二回繰り返し行うことによりホモジナイズした。このホモジネートを105000×gで30分間遠心分離し、得られた上清をデカンテーションし、これをサイトゾル画分として使用した。サイトゾル画分のタンパク質含量は、タンパク質標準試料として牛血清アルブミンを用いて、Lowry et. al.の方法(J. Biol. Chem. 193 265−275 1951)により測定した。
【0040】
[ラット子宮エストロゲン受容体への結合試験評価]
タンパク質濃度が1.2〜7.2mg/mlになるように調製したサイトゾル画分をリン酸緩衝液(pH 8.0)に溶解し、1nMの[3H]で標識した17-β-エストラジオールと製造例1及び2で得られた各プロポリス抽出物又はケール抽出物500μg/mlとなるように加え、40℃で20時間反応させた。また、非特異的結合試験(ブランク)は、3000倍過剰量のジスチルベステロールの存在化で行った。
【0041】
次に、遊離したステロイドや試料サンプルを、デキストラン処理した活性炭懸濁液(0.5%ノーリット A、0.005%デキストランを含むリン酸緩衝液(pH 7.4);以下、DCCと略す)を用いて、4℃で10分間インキュベーションすることにより除去した。その後、5000×gで10分間遠心分離することによりDCCを沈殿させ、得られたタンパク質結合ステロイドを含む上清100μlに、シンチレーションカクテル溶液(Packard Instrument Co.製、Downer Grove、III)4mlを加え、シンチレーションカウンター(Packard Model 2425、30−40% efficiency)により測定した。抑制率は、下記式により算出した。
阻害率(%)=100−〔(C1−B)/(C0 −B)〕×100
(式中、C1 は既知量の供試化合物と[3H]標識17−β−エストラジオールが共存している状態での[3H]標識17−β−エストラジオールのラット子宮エストロゲン受容体に対する結合量を表わし、C0 は供試化合物を除いた時の[3H]標識17−β−エストラジオールのラット子宮エストロゲン受容体に対する結合量を表わし、Bは過剰のジスチルベステロール(3×10-6M)存在下での[3H]標識17−β−エストラジオールのラット子宮エストロゲン受容体に対する結合量を表わす。)
結果を表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
なお、本測定系におけるポジティブコントロールとしての17-β-エストラジオールのIC50値は、0.84nM(2.29×10-4ng/ml)であった。
表1からもわかるように、本発明のプロポリス抽出物及びケール抽出物は、17-β-エストラジオールのエストロゲン受容体結合阻害作用を拮抗的に抑制し、強いエストロゲン様作用を有することがわかる。
【0044】
例1[錠剤の製造]
製造例1で得られたブラジル産プロポリスのエタノール抽出物を用いて、常法に従って下記の組成の錠剤を製造した。
(組 成) (配合:重量%)
ブラジル産プロポリス抽出物 24
乳糖 63
コーンスターチ 12
グァーガム 1
【0045】
例2[ジュースの製造]
製造例2で得られたケールのエタノール抽出物を用いて、常法に従って下記の組成のジュースを製造した。
(組 成) (配合:重量%)
冷凍濃縮温州みかん果汁 5.0
果糖ブドウ糖液糖 11.0
クエン酸 0.2
L−アスコルビン酸 0.02
香料 0.2
色素 0.1
ケール抽出物 0.2
水 83.28
【0046】
例3[フェイスクリームの製造]
製造例1で得られた中国産プロポリスのエタノール抽出物を用いて、常法に従って下記の組成のフェイスクリームを製造した。
(組 成) (配合:重量%)
イソステアリン酸イソプロピル 8.0
ホホバ油 6.0
セタノール 8.0
ステアリルアルコール 2.0
ポリオキシエチレンラウリルエーテル 1.5
プロピレングリコール 6.0
ソルビトール 1.0
パラベン 0.4
中国産プロポリス抽出物 0.5
ビタミンE 0.5
香料 0.1
精製水 66.0
【0047】
本発明により、新規エストラジオールのエストロゲン受容体結合阻害剤が提供される。
Claims (1)
- プロポリスのエタノール抽出物を有効成分とするエストラジオールのエストロゲン受容体結合阻害剤。
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