JP4532661B2 - 排水竪主管の更生方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は排水竪主管の更生方法に関し、更に詳細には、例えばマンションのような複数階建ての集合住宅等において、各階の生活水廻り設備から延びている専用枝管が接続された共同排水設備である既設の排水竪主管を更生(リニューアル)する排水竪主管の更生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばマンションのような中高層の集合住宅では、各階におけるトイレ、台所、風呂場等の生活水廻り設備から延びた排水管(各階専用枝管)は共同配水設備として1つの排水竪主管に接続され、この排水竪主管に各階からの生活排水を集合して下水若しく浄化槽などに排水している。言い換えれば、中高層の集合住宅等においては、少なくとも1つの排水竪主管に各階ごとの専用枝管が接続されている。
【0003】
このような排水竪主管は、従来、亜鉛メッキ鋼管や鋳鉄管が使用されることが多く、この亜鉛メッキ鋼管や鋳鉄管は、ある期間を経過すると内面が腐食し、一般的な使用状態で約20年〜30年で穴があき、使用できなくなることがある。そのため、従来では、通常、一定の期間が経過した既設排水竪主管は新しい管に交換されている。
【0004】
しかし、既設の排水竪主管を交換する作業は、非常に面倒で、工事期間も長く、しかも工事費用も高額になるという問題があった。そのため、従来から使用している排水竪主管を一定期間毎に更生即ちリニューアルすることが提案されはじめている。一般的に、排水竪主管の更生としては、排水竪主管内面に付着した錆や汚物等を除去して表面を滑らかにする研磨と、研磨した後の排水竪主管内面を防食する防食塗装とが含まれる。
【0005】
現在、提案されている排水竪主管の更生方法の内、洗浄及び研磨方法としては、(1)研磨材を空気加圧又は吸引によって排水竪主管に送ることで内面を洗浄、研磨する方法(特開平11−310953号公報)、(2)研磨材と水を混合して空気加圧又は吸引によって排水竪主管内に送ることで内面を洗浄、研磨する方法、(3)清掃用のピグを排水竪主管内に入れて走行させることにより洗浄、研磨する方法等が知られている。
【0006】
また、排水竪主管の塗装方法としては、(4)球状のピグで塗料を押圧して移動させて塗装する方法(特開平11−319706号公報)、(5)塗料を空気加圧又は吸引によって排水竪主管に送ることで内面を塗装する方法(特開昭56−95375号公報)、(6)一定速度で移動するスプレーノズルで塗料を吹き付けて塗装する方法などが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の排水竪主管の更生方法では、種々の問題があり、満足できるものではなかった。すなわち、(1)項及び(2)項に説明した、研磨材、又は研磨材と水を混合して空気加圧又は吸引によって排水竪主管に送ることで内面を洗浄、研磨する方法は、主に、給水管の更生方法で多用されている。
【0008】
しかし、この更生方法では、排水竪主管内面の付着物が完全に除去しきれないという問題があった。一般に、この種の排水竪主管は、汚れ及び鉄錆などの付着量が多く、また亜鉛メッキ鋼管の場合には鉄錆の付着状態が非常に強固である。そのため、研磨材を空気加圧又は吸引によって排水竪主管に送るだけでは強固に付着している鉄錆や多量の付着物を完全に除去することは困難であった。
【0009】
また、この更生方法において、特に、研磨材又は水との混合物を空気加圧によって排水竪主管に送る方法では、多量の空気を高速で流すため、管内の圧力が上昇し、この排水竪主管に接続されている各階毎の専用枝管に逆流して各階のトイレ、台所、或いは風呂場等の生活水廻り設備から汚れた空気が噴出するという重大な問題を生ずることがある。
【0010】
そのため、この排水竪主管に接続されている各階の専用枝管の排水口を蓋などで厳重に閉鎖しておく必要があるが、実際に各階の生活水廻り設備のすべてに強固な蓋をするのは排水口の構造上から困難な場合が多い。勿論、研磨材又は水との混合物を吸引によって排水竪主管に送る方法であれば、このような各階の生活水廻り設備からの汚れた空気の噴出は避けられる。
【0011】
しかし、排水竪主管の下端から内部の空気を吸引して研磨材を引き込むためには強力な吸引装置が必要であるが、現在知られている吸引装置の最大能力でも最大差圧が90キロパスカル(KPa)程度であって、吸引風量に限界がある。そのため吸引による研磨材の排水竪主管への送り込みによって排水竪主管内面の付着物を完全に除去することは困難である。
【0012】
そこで、このような研磨材又は研磨材と水を混合して空気加圧又は吸引によって排水竪主管に送ることで内面を洗浄、研磨する更生方法を改善し、排水竪主管内に研磨材を拡散させる羽根を取り付け、研磨効果を高めることが提案された(特開2000−51804号公報)。しかし、この改善方法では排水竪主管内全面を均等に研磨するには時間が掛かり過ぎ、例えばマンションのような集合住宅に適用することは困難であった。
【0013】
また、(3)項で説明された、清掃用のピグを排水竪主管内に入れて走行させることにより洗浄、研磨する方法は、前述した(1)項及び(2)項の更生方法よりも研磨度が悪く、不適当である。排水管は、種々の排水が流れ、温度的にも変化が激しく、ライニング塗膜は過酷な環境に置かれている。塗膜の耐久性は、塗膜自体の強度及び塗膜と下地の接着強度の影響を受けることが理論的に証明されており、接着強度は耐久性に対して極めて重要な要素である。
【0014】
この接着強度は、下地の研磨度の影響を強く受けるため、耐久性を持たせるためには、研磨度としてISO規格D Sa 2 1/2程度は必要であるが、(3)項で説明された従来の方法ではこの研磨度を達成するのは極めて困難であるという問題がある。
【0015】
次に、従来の排水竪主管更生方法における(4)項に説明された排水竪主管塗装方法では、排水竪主管の管径が途中で変わる場合には適用できないという問題があった。また、(5)項で説明されたような、塗料を空気加圧又は吸引によって排水竪主管に送ることで内面を塗装する方法において、特に、空気加圧で行う場合には塗料が各階ごとの専用枝管に入らないように、この専用枝管を排水竪主管から外しておく必要があり、また吸引で行う場合には大容量の吸引装置が必要となる。
【0016】
更に、(6)項で説明した、一定速度で移動するスプレーノズルで塗料を吹き付けて塗装する方法は、上記(4)、(5)項の方法による問題点は克服できるが、高粘度の塗料を定量かつ連続的に供給する必要がある。塗料流量が少ない場合などには供給するポンプの選定が難しく、かつ実際に所定量の塗料が供給されているかどうか流量チェックが難しいという問題があった。
【0017】
本発明の目的は、かかる従来の問題点を解決するためになされたもので、例えばマンションのような複数階建ての建造物において、各階ごとに配管されている専用枝管が接続され、これらの専用枝管からの排水を集合して排水する既設の排水竪主管の内面を、各階の専用枝管の排水口を塞ぐことなく、短期間に、かつ適正に研磨し且つ塗装を行って更生する排水竪主管の更生方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は既設排水竪主管更生方法であり、前述した技術的課題を解決するために以下のように構成されている。すなわち、本発明は、2階以上の建造物において、各階ごとに配管されている専用枝管が接続され、これらの専用枝管からの排水を集合して排水する既設の排水竪主管を更生する方法において、研磨材を圧縮空気に混合して排水竪主管内に配置したスプレーノズル装置の先端部から扇状に拡散して噴出させること、同時に、排水竪主管の下端から内部の空気を吸引すること、次いで、排水竪主管内の前記スプレーノズル装置を一定速度で移動させることにより排水竪主管の内壁に付着している付着物を除去し且つ内壁を研磨すること、その後、内面が研磨された排水竪主管を塗装することにより排水竪主管を更生することを特徴とする。
【0019】
<本発明における具体的構成>
本発明の排水竪主管の更生方法は、前述した必須の構成要素からなるが、その構成要素が具体的に以下のような場合であっても成立する。その具体的構成要素とは、前記スプレーノズル装置が、研磨材と圧縮空気との混合物を扇状に拡散して噴射すべく、円錐状の拡散チップを、その尖端部がノズル口に向くように前記ノズル口に同軸線上に設けて構成されていることを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、2階以上の建造物において、各階ごとに配管されている専用枝管が接続され、これらの専用枝管からの排水を集合して排水する既設の排水竪主管を更生する方法において、最初に、排水竪主管の内面を研磨すること、その後、排水竪主管内に配置したスプレーノズル装置の先端部から塗料を圧縮空気により渦状に噴射して前記排水竪主管の内面に均一に吹き付けること、次いで、排水竪主管内の前記スプレーノズル装置を一定速度で移動させることにより排水竪主管の研磨後の内壁に塗膜を形成することで排水竪主管を更生することを特徴とする。
【0021】
この時、塗料を加圧容器内に収容し、この加圧容器をデジタル秤に乗せて重量減少をg/秒単位で計測することにより塗料の使用流量を測定して塗装の良否を判断することができる。また、スプレーノズル装置の周囲に複数の撓み性スライドシューを取り付けておくと、排水竪主管内を移動中に管径が途中で変化するような場合にでもスプレーノズル装置を常に排水竪主管の中心に位置させることができる。
【0022】
更に、本発明における排水竪主管の更生方法では、建造物が集合住宅であり、排水竪主管に接続されている各階毎の専用枝管が各階の生活水廻り設備からの排水用であることを特徴とする。また、スプレーノズル装置の周囲に複数の撓み性スライドシューを取り付け、排水竪主管内を移動中にスプレーノズル装置が常に排水竪主管の中心に位置するようにすることも好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の排水竪主管の更生方法をその好適な実施形態について図を参照しながら更に詳細に説明する。本発明の一実施形態は、複数階建て建造物に設置されている排水竪主管10を更生する場合であり、図1にはこの排水竪主管10の主要部と、この排水竪主管10に接続されている各階ごとに配管された専用枝管11a、11b、11c、………とが概略的に示されている。
【0024】
各専用枝管11a、11b、11c、………の末端(上流側の端部)は、例えばこの建造物がマンションのような集合住宅であれば、各フロアの居住部におけるトイレ、台所、洗面所、浴室などの生活水廻り設備の排水口に連通している。このような既設の排水竪主管10の内面を更生する場合には、最初に、内面に付着している鉄錆や汚れ等を除去すべく研磨される。
【0025】
この時の研磨方法としては、図1に示されるように、排水竪主管10の上部を適当な位置で切断して開口を形成し、スプレーノズル装置13を先端に取り付けた供給ホース12をローラー14等で支持しながら当該スプレーノズル装置13を排水竪主管10の上部に形成した開口から内部に吊り下げる。この供給ホース12は、研磨材と圧縮空気との混合物15をスプレーノズル装置13へ送ると共にこのスプレーノズル装置13を吊り下げ支持するものである。
【0026】
この供給ホース12は、排水竪主管10の上部開口から研磨材投入機16へ延び、その投入口に接続され、この投入口には空気圧縮機17から延びる圧縮空気供給管18が接続されている。更に、供給ホース12の先端部(スプレーノズル装置取付け側)には、牽引装置19から延びる牽引ロープ20が締結されおり、排水竪主管10の上部開口から下ろされた供給ホース12を実質的に吊り下げ支持すると共に動力による引き上げが可能とされている。
【0027】
供給ホース12の先端部に取り付けられているスプレーノズル装置13は、図2に示されるように、更生材料である研磨材と圧縮空気との混合物15を扇状に拡散して噴射すべく、円錐状又は笠状の拡散チップ13aを、その尖端部がノズル口13bに向くようにノズル口13bに同軸線上に設けて構成されている。
【0028】
これにより供給ホース12から所定の圧力で送られる研磨材と圧縮空気との混合物15は、ノズル管13cの先端部におけるノズル口13bから出た時に円錐状チップ13aの周囲斜面にぶつかって扇状に拡散され、排水竪主管10の内面21に効果的に衝突することになる。その結果、排水竪主管10の内面に付着している錆や汚れ等の付着物22が研磨材と圧縮空気の混合物15による衝突によって除去されると共に併せてその内面が研磨される。
【0029】
排水竪主管10の最下端には、図1に示されるように研磨材回収用の管23の一端が接続され、その他端は研磨材セパレーター24に接続されている。この研磨材セパレーター24にはホース25を介して集塵機26及び吸引装置27が接続されている。
【0030】
前述した装置を用いて、排水竪主管10の内面に付着した付着物22を除去すると共に内面を研磨する実際の例について説明する。管径65Aの亜鉛メッキ鋼管製の排水竪主管10の上部と下部を適当な位置で切断して開放する。次いで、この排水竪主管10内に温風を流して錆瘤や汚れなどの付着物15を乾燥させる。汚れが激しい場合には、予め高圧水ジェット洗浄で予洗浄をしておくことも好ましい。
【0031】
その後、排水竪主管10の上部開口から、スプレーノズル装置13を先端に取り付けた供給ホース12を排水竪主管10内に吊り下げ、最下端まで下ろす。空気圧縮機17から供給管18を介して供給ホース12に加圧空気を送り、この空気中に研磨材投入機16で研磨材として所定量の珪砂を投入する。
【0032】
珪砂と加圧空気との混合物15は供給ホース12を通り、スプレーノズル装置13から既に説明したように扇状に噴射されて排水竪主管10の内面に吹き付けられ、この吹き付け力で排水竪主管10の内面に付着した付着物が除去されると共に研磨がなされる。
【0033】
この方法によって排水竪主管10内面を、ISO D Sa2 1/2程度に仕上げることができる。また、従来の方法(研磨材を空気加圧により管内に流して研磨する方法)では、管内流速を研磨に適正な100m/秒にするためには約20m3/分の空気流量を流す必要があったが、本発明の方法によれば、65Aの排水竪主管10の場合で5m3/分でよく、研磨程度も前述したように大幅に向上する。
【0034】
スプレーノズル装置13から混合物15を噴射する際の空気圧力は約600KPaとされる。また、スプレーノズル装置13から混合物15が噴射されている間に、牽引装置19を作動させて牽引ロープ20を徐々に引き上げ、スプレーノズル装置13を排水竪主管10内において一定速度で上昇させる。
【0035】
更に、スプレーノズル装置13から混合物15を噴射している間に、吸引装置27及び集塵機26が作動され、排水竪主管10内の空気は下端開放部に接続された研磨材回収用の管23、研磨材セパレーター24及びホース25を介して集塵機26に吸引され、これによりスプレーノズル装置13から排水竪主管10内に噴出された研磨材が研磨材セパレーター24により回収される。
【0036】
この実施形態の場合、排水竪主管10の内面に、加圧空気で研磨材を吹き付けて研磨するため、研磨材は小量の空気でよく、従って管径65Aの排水竪主管10の内面を研磨する場合でもスプレーノズル装置13から噴出する空気流量は5m3/分でよい。このように使用する空気流量が少ないことと、排水竪主管10の下端開放部から吸引式集塵機26により排水竪主管10内の空気が吸引されていることもあって、排水竪主管10内の圧力は大気圧以上にはなることはない。
【0037】
その結果、排水竪主管10内を洗浄研磨する時に、排水竪主管10内が大気圧以上になることがなく、従って各階の専用枝管11a、11b、11c、………に加圧空気が逆流して排水口から噴出するのを防ぐことができる。
【0038】
このようにして排水竪主管10内の研磨が終了すると、次に、排水竪主管10内面の塗装が行われる。図3は排水竪主管10を塗装する場合の状態を概略的に示している。排水竪主管10の塗装に用いる塗料としては、ビニルエステル樹脂塗料やエポキシ塗料等の二液性の速乾性塗料が用いられる。
【0039】
ビニルエステル樹脂塗料を使用する場合には硬化剤が入れられ、混合攪拌される。使用する塗料が加圧容器30に収容されると、この加圧容器30はデジタル式の秤31に乗せられ、塗装中に刻々と変化する塗料の使用量がg/秒単位で計量される。このようにして加圧容器をデジタル秤に乗せて重量減少を計測することにより塗料の使用流量を測定して塗装の良否を判断することができる。
【0040】
加圧容器30には空気圧縮機(図示せず)から延びるホース32が接続されており、加圧容器30の内部が空気圧縮機から送られる加圧空気で約600KPaに加圧され、これにより塗料がチューブ33を経て図4に示されるようなスプレーノズル装置34に圧送される。
【0041】
このスプレーノズル装置34は、研磨の場合と同様に牽引装置19から延びる牽引ロープ20に締結されて排水竪主管10内に吊り下げられる。このスプレーノズル装置34は、図5に示されるようにノズル口から塗料を渦状の気流にして噴出できるように特殊な構造をしたもので、このスプレーノズル装置自体は既に良く知られている。
【0042】
このスプレーノズル装置34の構造を簡単に説明すると、前端部にノズルチップが形成されたノズル本体34aのその前端部にディスクが装着され、更にこのディスクを覆うようにキャップ34bが装着されている。ノズル本体34aの前端部に取り付けられたディスクとキャップ34bの中心軸線上には貫通穴が形成され、ノズルチップはこの貫通穴を通ってキャップ34bの前面側に僅かに突出している。
【0043】
ノズルチップに形成されている液体噴射通路は、ノズル本体34aの中心軸線上に形成された塗料供給用の通路34cに連通している。また、ノズル本体34aの後端部には圧縮空気流入口が形成され、この流入口は小径噴気口を介して液体噴射通路に連通され、またこの液体噴射通路に平行し且つ径方向外側に形成されているバイパス通路34dに連通されている。ノズル本体34aの後端部にはホース35が接続され、圧縮空気流入口に圧縮空気が供給される。
【0044】
ディスクの表面には、複数の放射状溝部が中心の穴に向かって渦状に形成されており、圧縮空気供給用のバイパス通路34dの先端部はディスクの径方向外側において各放射状溝部に連通されている。このようなスプレーノズル装置34によると、圧力280KPaに調整されたスプレー用圧縮空気がホース35を介してバイパス通路34dと液体噴射通路に導入される。
【0045】
このスプレー用圧縮空気は、ディスクの表面に形成された渦状の複数の溝部に沿って径方向外側から中心の穴に向かって渦流を作るように流れ、ノズルチップ先端のノズル口外周面とキャップ中心の貫通穴内周面との環状間隙部から噴射する。その結果、この噴射流は前方へ広がりながら螺旋状の気流となる。一方、ノズル本体34a内の通路34cを介して供給された塗料は、ノズル口で圧縮空気の螺旋状噴射流に乗り、これにより塗料はノズル口から螺旋状噴射されることになる。
【0046】
その結果、塗料を排水竪主管10の全周に均一に吹き付けることができる。スプレーノズル装置34から塗料を噴射している間、牽引機19を作動させて牽引ロープ20を徐々に引き上げ、これによりスプレーノズル装置34は一定速度で上昇される。この方法によると、例えば排水竪主管10の管径が65Aの場合、約300g/分の塗料をスプレーしながら0.5m/分の速度で引き上げて塗装すると、全長13mの排水竪主管10を約30分で塗装することができる。
【0047】
スプレーノズル装置34の上昇速度は、塗装する排水竪主管10の管径により調整される。これにより、管径が異なる場合でも適正な塗膜を排水竪主管10の内面に形成することができる。また、スプレーノズル装置34から塗料を噴射している間、研磨の場合と同様に吸引式集塵機26を作動し、排水竪主管10内の空気を吸引式集塵機26に吸引することができる。これによりスプレーノズル装置34から排水竪主管10内に噴出された圧縮空気と塗料中の揮発成分が排水竪主管下端から大気中に拡散することによる臭気を防ぐことができる。
【0048】
なお、牽引機19によりスプレーノズル装置34を一定速度で引き上げることで排水竪主管10内を移動させる時、スプレーノズル装置34が常に排水竪主管10内の中心に位置するように、スプレーノズル装置34には図5に示されるように板バネ状のスライドシュー36が取り付けられている。
【0049】
すなわち、複数のスライドシュー36のそれぞれ一端はスプレーノズル装置34のノズル本体34aに固着され、他端はノズル本体の軸方向に伸長しながらも拡開してスプレーノズル装置34から離れ、排水竪主管10の内壁に接触するようにされている。これによりスプレーノズル装置34が排水竪主管10内を移動中に、管径が変化した場合でも、スライドシュー36の他端が撓んで、スプレーノズル装置34を排水竪主管10の中心に常に位置決めしておくことができる。
【0050】
なお、本発明の排水竪主管の更生方法により5階建て集合住宅の排水竪主管を研磨したところ、事前の高圧水ジェットによる洗浄を除き、1本の排水竪主管10の研磨を20分で施工することができた。この施工時間は、その後の塗装時間を含めて排水竪主管の更生を1日で終了させるのに充分な時間であった。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の排水竪主管の更生方法によれば、例えばマンションのような複数階建ての建造物において、各階ごとに配管されている専用枝管が接続され、これらの専用枝管からの排水を集合して排水する既設の排水竪主管の内面を研磨したり、塗装したりして更生することが短時間に且つ容易に行うことができ、しかも研磨による付着物の除去や研磨程度も良好で、更に塗装も非常に均一に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る排水竪主管更生方法における排水竪主管内の研磨を実施してる状態を概略的に示す作動説明図である。
【図2】本発明の排水竪主管更生方法により排水竪主管内の研磨を実施する時に使用する研磨材スプレー用のスプレーノズル装置を概略的に示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る排水竪主管更生方法における排水竪主管内の塗装を実施してる状態を概略的に示す動作説明図である。
【図4】本発明の排水竪主管更生方法により排水竪主管内の塗装を実施する時に使用する塗料スプレー用のスプレーノズル装置を概略的に示す断面図である。
【図5】図4に示されるスプレーノズル装置を排水竪主管内で移動する時、板バネ状のスライドシューを取り付けて、スプレーノズル装置を常に排水竪主管内の中心に位置させている状態を示す動作説明図である。
【符号の説明】
10 排水竪主管
11a 専用枝管
11b 専用枝管
11c 専用枝管
12 混合物供給ホース
13 スプレーノズル装置(研磨材スプレー用)
13a 拡散チップ
13b ノズル口
13c ノズル管
14 ローラ
15 混合物
16 研磨材投入機
17 空気圧縮機
18 圧縮空気供給管
19 牽引装置
20 牽引ロープ
21 排水竪主管の内面
22 付着物
23 研磨材回収管
24 研磨材セパレーター
25 ホース
26 集塵機
27 吸引装置
30 加圧容器
31 デジタル秤
32 ホース
33 チューブ
34 スプレーノズル装置(塗料スプレー用)
34a ノズル本体
34b キャップ
34c 塗料供給用の通路
34d 圧縮空気供給用の通路
35 ホース
36 スライドシュー

Claims (5)

  1. 2階以上の建造物において、各階ごとに配管されている専用枝管が接続され、これらの専用枝管からの排水を集合して排水する既設の排水竪主管を更生する方法において、
    研磨材と圧縮空気との混合物を扇状に拡散して噴射すべく、円錐状又は笠状の拡散チップを、その尖端部がノズル口に向くように前記ノズル口に同軸線上に設けて構成され、前記排水竪主管内に配置したスプレーノズル装置の先端部から、研磨材を圧縮空気に混合して扇状に拡散して噴出させること、
    同時に、前記排水竪主管の下端から内部の空気を吸引すること、
    次いで、前記排水竪主管内の前記スプレーノズル装置を一定速度で移動させることにより前記排水竪主管の内壁に付着している付着物を除去し且つ内壁を研磨すること、
    その後、内面が研磨された前記排水竪主管を塗装すること、により前記排水竪主管を更生することを特徴とする排水竪主管の更生方法。
  2. 2階以上の建造物において、各階ごとに配管されている専用枝管が接続され、これらの専用枝管からの排水を集合して排水する既設の排水竪主管を更生する方法において、
    最初に、前記排水竪主管の内面を研磨すること、
    その後、前記排水竪主管内に配置したスプレーノズル装置の先端部から塗料を圧縮空気により渦状に噴射して前記排水竪主管の内面に均一に吹き付けること、
    次いで、前記排水竪主管内の前記スプレーノズル装置を移動させること、により前記排水竪主管の研磨後の内壁に塗膜を形成することで前記排水竪主管を更生し、
    前記塗料が加圧容器内に収容され、この加圧容器をデジタル秤に乗せて重量減少をg/秒単位で計測し、これにより塗料の使用流量を測定して塗装の良否を判断することを特徴とする排水竪主管の更生方法。
  3. 前記スプレーノズル装置の周囲に複数の撓み性スライドシューを取り付け、前記排水竪主管内を移動中に前記スプレーノズル装置が常に排水竪主管の中心に位置するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の排水竪主管の更生方法。
  4. 前記建造物が集合住宅であり、前記排水竪主管に接続されている各階毎の専用枝管が各階の生活水廻り設備からの排水用であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の排水竪主管の更生方法。
  5. 建造物において排水する既設の排水竪主管を更生するためのスプレーノズル装置であって、
    前記排水竪主管内に配置され、研磨材と圧縮空気との混合物を扇状に拡散して噴射すべく、円錐状又は笠状の拡散チップを、その尖端部がノズル口に向くように前記ノズル口に同軸線上に設けて構成されているスプレーノズル装置。
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