JP4527440B2 - 車輪用軸受装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は車輪用軸受装置及びその製造方法に関し、詳しくは、自動車の懸架装置に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置及びその製造方法に関する。
自動車の懸架装置に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置は、例えば、ハブ輪、内輪、複列の転動体、外輪を主要な構成要素としている。
前述のハブ輪は、その外周面にアウトボード側の軌道面が形成されると共に、車輪を取り付けるためのフランジを備えている。このフランジの円周方向等間隔に、ホイールを固定するためのハブボルトが植設されている。また、ハブ輪のインボード側に形成された小径段部に内輪を嵌合させ、この内輪の外周面にインボード側の軌道面が形成されている。内輪は、クリープを防ぐために適当な締め代をもって圧入されている。車両のアウトボード側に位置する軌道面とインボード側に位置する軌道面とで複列の軌道面を構成する。
外輪は、内周面にハブ輪および内輪の軌道面と対向する複列の軌道面が形成され、外周面に車体に取り付けるためのフランジを備えている。ハブ輪および内輪の軌道面と外輪の複列の軌道面との間に複列の転動体が組み込まれている。車輪軸受の両端開口部、つまり、ハブ輪および内輪の外周面と外輪の内周面との間にはシールが配設され、内部に充填されたグリースの漏洩ならびに外部からの水や異物の侵入を防止するようになっている。
前述した外輪は、転動疲労寿命や強度の向上を図るため、外輪の軌道面を高周波焼入れにより硬化させている。従来の車輪用軸受装置では、機械構造用炭素鋼(S40C〜S70C等)から鍛造により製作された外輪を、その外側形状が最終形状となるように旋削加工により仕上げ、その後、最終仕上げ形状の外輪を高周波焼入れ焼戻しすることにより、その軌道面に硬化層を形成する。なお、外輪は、前述の高周波焼入れ後にその軌道面の研削仕上げが施される。
ところで、従来の車輪用軸受装置では、前述したように転動疲労寿命や強度の向上を図るため、外輪の軌道面を高周波焼入れにより硬化させている。この高周波焼入れにより硬化処理された外輪では、その軌道面に近接する部位、つまり、複列の軌道面間に位置する肩部にも、前述の高周波焼入れによる熱影響が及び、その肩部の内径面にスケール(炭化物)が付着することがある。ここで、スケールとは、金属の表面に生成している酸化被膜(黒錆)の総称であり、鉄鋼の熱処理時に表面に生じる黒い強固な被膜を意味する。
このように外輪の複列の軌道面間に位置する肩部の内径面にスケールが付着すると、軸受装置の回転中にそのスケールが脱落し、軸受装置の内部に封入されている潤滑油(グリース)に混入して軌道面に入り込み、振動や騒音の発生原因となる。
そこで、本発明は前記問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、外輪の軌道面の高周波焼入れによる熱影響で、その軌道面間に位置する肩部の内径面に付着したスケールが脱落することを未然に防止し得る車輪用軸受装置及びその製造方法を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明に係る車輪用軸受装置は、内周に複列の軌道面が形成された外方部材と、その外方部材の軌道面と対向する軌道面が外周に形成された内方部材と、前記外方部材と内方部材のそれぞれの軌道面間に介装された複列の転動体とを備え、前記外方部材の軌道面を高周波焼入れにより硬化させて前記軌道面に硬化層を形成した車輪用軸受装置において、前記外方部材の複列の軌道面とその軌道面間に位置する肩部の内径面とが同時研削仕上げにより形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る車輪用軸受装置の製造方法は、内周に複列の軌道面が形成された外方部材と、その外方部材の軌道面と対向する軌道面が外周に形成された内方部材と、前記外方部材と内方部材のそれぞれの軌道面間に介装された複列の転動体とを備え、前記外方部材の軌道面を高周波焼入れにより硬化させる車輪用軸受装置の製造方法において、前記外方部材の軌道面の高周波焼入れ後、外方部材の複列の軌道面とその軌道面間に位置する肩部の内径面とを同時に研削仕上げすることを特徴とする
本発明では、転動疲労寿命や強度の向上を図るため、外方部材の軌道面を高周波焼入れにより硬化させているが、その外方部材の軌道面の高周波焼入れ後に、外方部材の複列の軌道面とその軌道面間に位置する肩部の内径面とを同時に研削仕上げする。このようにすれば、外方部材の軌道面の高周波焼入れによる熱影響で、その軌道面間に位置する肩部の内径面にスケールが付着しても、その付着したスケールを研削仕上げにより除去することができるので、スケールに起因する不具合が発生することはない。また、このように肩部の内径面の研削仕上げと外輪の軌道面の研削仕上げを同時に行えば、工数増加を招くことはない。
なお、前述の構成おける内方部材としては、複列の軌道面のうちの一方の軌道面および小径段部を外周面に形成したハブ輪と、前記小径段部に嵌合され、複列の軌道面のうちの他方の軌道面を外周面に形成した内輪で構成された三世代の車輪用軸受装置に適用可能である。また、複列の軌道面のうちの一方の軌道面を形成したハブ輪と、そのハブ輪の端部に突き合わされ、複列の軌道面のうちの他方の軌道面を形成した肩部を持つ等速自在継手の外側継手部材とで構成された四世代の車輪用軸受装置にも適用可能である。
この三世代または四世代の車輪用軸受装置の場合、前述した外方部材と同様、転動疲労寿命や強度を向上させる目的から、内方部材のハブ輪に形成された軌道面についても高周波焼入れにより硬化させるようにしている。そのため、このハブ輪の軌道面の近接部位の外径面を研削仕上げすることが望ましい。
このようにすれば、ハブ輪の軌道面の高周波焼入れによる熱影響で、その軌道面の近接部位の外径面にスケールが付着しても、その付着したスケールを研削仕上げにより除去することができるので、スケールに起因する不具合が発生することはない。
また、前述の構成において、複列の軌道面のうち、少なくとも一つの列の軌道面の断面における肩の高い方の縁部に、軌道面の断面を構成する円弧状の曲線から滑らかに続き、かつ、その曲線よりも曲率の小さな曲線または直線からなる断面形状を有する補助軌道面を設けた構造が望ましい。
このようにすれば、軸受に大きなモーメント荷重が負荷されて接触角が増大した時に、接触楕円は軌道面から補助軌道面へはみ出すことになる。この補助軌道面は、軌道面の断面を構成する円弧状の曲線から滑らかに続き、かつ、その曲線よりも曲率の小さな曲線または直線からなる断面形状を有するため、接触楕円が補助軌道面からはみ出しても、エッジロードが発生することはない。
本発明によれば、外方部材の軌道面を高周波焼入れにより硬化させて前記軌道面に硬化層を形成した車輪用軸受装置において、前記外方部材の複列の軌道面とその軌道面間に位置する肩部の内径面とを同時に研削仕上げしたことにより、外方部材の軌道面の高周波焼入れによる熱影響で、その軌道面間に位置する肩部の内径面にスケールが付着しても、その付着したスケールを研削仕上げにより除去することができるので、スケールに起因する不具合が発生することはない。また、肩部の内径面と外輪の軌道面との同時研削仕上げにより、工数増加を招くことはない。
図1に示す実施形態は、内方部材であるハブ輪1と内輪2、複列の転動体3、外方部材である外輪4を主要な構成要素とする三世代の車輪用軸受装置である。
ハブ輪1は、その外周面にアウトボード側の軌道面5が形成されると共に、車輪(図示せず)を取り付けるためのフランジ6を備えている。このフランジ6の円周方向等間隔に、ホイールを固定するためのハブボルト7が植設されている。また、ハブ輪1のインボード側に形成された小径段部8に内輪2を嵌合させ、この内輪2の外周面にインボード側の軌道面9が形成されている。内輪2は、クリープを防ぐために適当な締め代をもって圧入され、脱落防止のため、ハブ輪1の小径段部8の端部を直径方向外側に加締めることによりハブ輪1に固定されている。
このようにして、車両のアウトボード側に位置する軌道面5とインボード側に位置する軌道面9とで複列の軌道面を構成する。ここで、アウトボード側とは、車輪用軸受装置を車体に取り付けた状態で、車体の外部になる側をいい、図1では左側をいう。また、インボード側とは、車体の内部になる側をいい、図1では右側をいう。
外輪4は、内周面にハブ輪1および内輪2の軌道面5,9と対向する複列の軌道面10,11が形成され、車体に取り付けるためのフランジ12(図2参照)を備えている。ハブ輪1および内輪2の軌道面5,9と外輪4の複列の軌道面10,11との間に複列の転動体3が組み込まれている。この軸受装置では、複列のアンギュラ玉軸受とされ、各軌道面10,5と11,9は、接触角θが背面合わせとなるように形成されている。接触角θは、例えば10〜45°の範囲とされる。外輪1の両端部内径には、車輪軸受の両端開口部、つまり、ハブ輪1および内輪2の外周面と外輪4の内周面との間を閉塞するシール13,14が装着され、内部に充填されたグリースの漏洩ならびに外部からの水や異物の侵入を防止するようになっている。
この実施形態における車輪用軸受装置では、転動疲労寿命や強度の向上を図るため、外輪4の軌道面10,11を高周波焼入れ焼戻しにより硬化させる。つまり、機械構造用炭素鋼(S40C〜S70C等)から鍛造により製作された外輪4を、その外側形状が最終形状となるように旋削加工により仕上げ、その後、最終仕上げ形状の外輪4を高周波焼入れ焼戻しすることにより、その軌道面10,11に硬化層16,17を形成する。この外輪4は、前述の高周波焼入れ後にその軌道面10,11の研削仕上げが行われる。
この時、外輪4の複列の軌道面10,11間に位置する肩部21の内径面22も研削仕上げする。このように外輪4の複列の軌道面10,11間に位置する肩部21の内径面22を研削仕上げすれば、外輪4の軌道面10,11の高周波焼入れによる熱影響で、その軌道面10,11の近接部位である肩部21の内径面22にスケールが付着しても、その付着したスケールを研削仕上げにより除去することができるので、スケールに起因する不具合が発生することはない。
この研削仕上げは、図2(a)に示すような加工砥石23を用いることにより、軌道面10,11と肩部21の内径面22を同時に研削すればよい。この研削仕上げ工程では、外輪4を回転自在なベース24に同軸的に装着すると共に、軌道面10,11を加工する第一の研削面25,26と肩部21の内径面22を加工する第二の研削面27を有する加工砥石23を外輪4およびベース24と偏心させて回転自在に配置し、外輪4と加工砥石23を相互に正逆反対方向に回転させることにより研削仕上げが行われる。このような加工砥石23により、軌道面10,11と肩部21の内径面22を同時に研削すれば、肩部21の研削仕上げ工程を軌道面10,11の研削仕上げ工程とは別に設ける必要がないので、工数増加を招くことはない。
なお、図2(b)は従来の車輪用軸受装置において、外輪4の軌道面10,11を研削仕上げする際に使用する加工砥石23’を示す。同図(a)に示す実施形態の加工砥石23と比較すると、同図(b)に示す従来の加工砥石23’では、外輪4の軌道面10,11を加工する第一の研削面25,26のみを有し、外輪4の軌道面10,11間に位置する肩部21の内径面22を加工する第二の研削面を有しない。
また、この三世代の車輪用軸受装置では、図1に示すようにハブ輪1のシール13のシール面からアウトボード側の軌道面5および小径段部8に至る領域についても高周波焼入れにより硬化させてその領域に硬化層18を形成している。なお、内輪2は軸受鋼でいわゆるズブ焼されている。この硬化層18の形成により、車輪用軸受装置の転動疲労寿命や強度の向上を図るようにしている。
このハブ輪1についても、前述の高周波焼入れ後にその軌道面5の研削仕上げが行われる。この時、ハブ輪1の軌道面5の近接部位、つまり、その軌道面5と小径段部8間に位置するカウンタ部28の外径面29を研削仕上げする。このようにハブ輪1のカウンタ部28の外径面29を研削仕上げすれば、ハブ輪1の軌道面5の高周波焼入れによる熱影響で、その軌道面5の近接部位であるカウンタ部28の外径面29にスケールが付着しても、その付着したスケールを研削仕上げにより除去することができるので、スケールに起因する不具合が発生することはない。
この研削仕上げは、図3(a)に示すような加工砥石30を用いることにより、軌道面5とカウンタ部28の外径面29を同時に研削すればよい。この研削仕上げ工程では、ハブ輪1を回転自在なベース31に同軸的に装着すると共に、軌道面5を加工する第一の研削面32とカウンタ部28の外径面29を加工する第二の研削面33を有する加工砥石30をハブ輪1およびベース31に対して回転自在に傾斜配置し、ハブ輪1と加工砥石30を相互に正逆反対方向に回転させることにより研削仕上げが行われる。このような加工砥石30により、軌道面5とカウンタ部28の外径面29を同時に研削すれば、カウンタ部28の研削仕上げ工程を軌道面5の研削仕上げ工程とは別に設ける必要がないので、工数増加を招くことはない。
なお、図3(b)は従来の車輪用軸受装置において、ハブ輪1の軌道面5を研削仕上げする際に使用する加工砥石30’を示す。同図(a)に示す実施形態の加工砥石30と比較すると、同図(b)に示す従来の加工砥石30’では、ハブ輪1の軌道面5を加工する第一の研削面32のみを有し、ハブ輪1の軌道面5に近接するカウンタ部28の外径面29を加工する第二の研削面を有しない。
図1に示す三世代の車輪用軸受装置は従動輪用のものであるが、駆動輪用にも適用可能であり、この駆動輪用の車輪用軸受装置についても、外輪の複列の軌道面を高周波焼入れにより硬化させ、その軌道面に硬化層を形成した後、複列の軌道面間に位置する肩部の内径面を研削仕上げすればよい。また、ハブ輪の軌道面を高周波焼入れにより硬化させ、その軌道面と近接するカウンタ部の外径面を研削仕上げすればよい。
また、図4および図5に示す二世代の車輪用軸受装置にも適用可能である。図4に示す車輪用軸受装置は内輪回転タイプであり、図5に示す車輪用軸受装置は外輪回転タイプである。これら両タイプの車輪用軸受装置についても、外輪104(204)の複列の軌道面110,111(210,211)を高周波焼入れにより硬化させ、その軌道面110,111(210,211)に硬化層116,117(216,217)を形成した後、複列の軌道面110,111(210,211)間に位置する肩部121(221)の内径面122(222)を研削仕上げすればよい。なお、図4において、図1と同一または相当部分には図1の符号に100を加算した符号を付し、図5において、図1と同一または相当部分には図1の符号に200を加算した符号を付し、重複説明は省略する。
さらに、以下のような補助軌道面を有する図6〜図8の車輪用軸受装置にも適用可能である。図6は、図1に示す三世代の車輪用軸受装置に適用した例であり、図7は、図4に示す二世代(内輪回転タイプ)の車輪用軸受装置に適用した例であり、図8は、図5に示す二世代(外輪回転タイプ)の車輪用軸受装置に適用した例である。
図9は、図6に示す車輪用軸受装置におけるインボード側に位置する軌道面11,9を拡大して示す。なお、アウトボード側に位置する軌道面10,5についても同様であり、図7および図8の車輪用軸受装置についても同様であるため、重複説明は省略する。
図9に示すように軌道面11,9の断面における肩の高い方の縁部には、軌道面11,9の断面を構成する円弧状の曲線a,bから滑らかに続き、直線からなる断面形状を有する補助軌道面11a,9aが設けられている。ここでは、補助軌道面11a,9aの断面形状は、曲線a,bの接線となる直線とされている。また、各軌道面11,9には、補助軌道面11a,9aの縁部に続く円弧状断面形状の面取り部11b,9bが形成されている。
この構成の軸受装置によると、補助軌道面11a,9aを設けたため、軸受にモーメント荷重が負荷されて接触角θが増大したときに、接触楕円(図示せず)は軌道面11,9から補助軌道面11a,9aにはみ出すことになる。しかし、この補助軌道面11a,9aは、軌道面11,9の断面を構成する曲線a,bから滑らかに続き、かつ、直線からなる断面形状を有するため、接触楕円が補助軌道面11a,9aにはみ出しても、エッジロードが発生することはない。
また、補助軌道面11a,9aは直線からなるため、外輪4の内径を小さく、あるいは内輪2の外径を大きく設定しても、円弧状の曲線a,bの軌道面11,9をそのまま延長させた面に比べて傾斜が大きくて、ある程度の傾斜角度が確保できる。そのため、補助軌道面11a,9aは、研削加工するときに砥石側面で加工する状態とはならない。このため、研削加工の加工時間の増加が避けられる。従って、外輪4の内径、および内輪2の外径を、研削加工限界にかかわらず設定することができる。
また、各軌道面11,9には、補助軌道面11a,9aの縁部に続く断面円弧状の面取り部11b,9bが形成されているので、接触楕円のエッジロードがより一層緩和される。すなわち、基本的には補助軌道面11a,9aのみでカバーすることができる。しかし、さらに大きなモーメント荷重が負荷されて接触角θが大きくなった場合でも、面取り部11b,9bによりエッジロードが緩和される。
なお、各軌道面11,9における補助軌道面11a,9aの断面形状は、前述の直線に代えて曲線としてもよい。その場合、軌道面11,9の断面を構成する円弧状の曲線a,bよりも曲率の大きな曲線とする。この場合も、接触楕円のエッジロードの発生を防止することができ、各軌道面11,9の研削加工において、加工時間が増加することはない。
なお、以上の各実施形態では、二世代あるいは三世代の車輪用軸受装置に適用した場合について説明したが、四世代の車輪用軸受装置にも適用可能である。この四世代の車輪用軸受装置は、複列の軌道面のうちのアウトボード側に位置する一方の内側軌道面をハブ輪に形成し、インボード側に位置する他方の内側軌道面を、ハブ輪の端部に突き合わされた等速自在継手の外側継手部材の肩部に形成した構造を具備する。
本発明の実施形態で、三世代の車輪用軸受装置を示す断面図である。 外輪の軌道面を研削仕上げする要領を説明するためのもので、(a)は実施形態における外輪および加工砥石を示す断面図、(b)は従来の外輪および加工砥石を示す断面図である。 ハブ輪の軌道面を研削仕上げする要領を説明するためのもので、(a)は実施形態におけるハブ輪および加工砥石を示す断面図、(b)は従来のハブ輪および加工砥石を示す断面図である。 本発明の他の実施形態で、二世代の車輪用軸受装置(内輪回転タイプ)を示す断面図である。 本発明の他の実施形態で、二世代の車輪用軸受装置(外輪回転タイプ)を示す断面図である。 図1の実施形態において、軌道面の縁部に補助軌道面を設けた車輪用軸受装置を示す断面図である。 図4の実施形態において、軌道面の縁部に補助軌道面を設けた車輪用軸受装置を示す断面図である。 図5の実施形態において、軌道面の縁部に補助軌道面を設けた車輪用軸受装置を示す断面図である。 図6のインボード側に位置する軌道面を示す部分拡大断面図である。
符号の説明
1 内方部材(ハブ輪)
2 内方部材(内輪)
3 転動体
4 外方部材(外輪)
5,9,10,11 軌道面
9a,11a 補助軌道面
16,17,18 硬化層
21 肩部
22 内径面
28 軌道面の近接部位
29 外径面

Claims (7)

  1. 内周に複列の軌道面が形成された外方部材と、その外方部材の軌道面と対向する軌道面が外周に形成された内方部材と、前記外方部材と内方部材のそれぞれの軌道面間に介装された複列の転動体とを備え、前記外方部材の軌道面を高周波焼入れにより硬化させて前記軌道面に硬化層を形成した車輪用軸受装置において、前記外方部材の複列の軌道面とその軌道面間に位置する肩部の内径面とが同時研削仕上げにより形成されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記内方部材は、複列の軌道面のうちの一方の軌道面および小径段部を外周面に形成したハブ輪と、前記小径段部に嵌合され、複列の軌道面のうちの他方の軌道面を外周面に形成した内輪で構成されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記内方部材は、複列の軌道面のうちの一方の軌道面を形成したハブ輪と、そのハブ輪の端部に突き合わされ、複列の軌道面のうちの他方の軌道面を形成した肩部を持つ等速自在継手の外側継手部材とで構成されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記ハブ輪の軌道面の近接部位の外径面を研削仕上げした請求項2又は3に記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記複列の軌道面のうち、少なくとも一つの列の軌道面の断面における肩の高い方の縁部に、軌道面の断面を構成する円弧状の曲線から滑らかに続き、かつ、その曲線よりも曲率の小さな曲線または直線からなる断面形状を有する補助軌道面を設けた請求項1〜4のいずれか一項に記載の車輪用軸受装置。
  6. 内周に複列の軌道面が形成された外方部材と、その外方部材の軌道面と対向する軌道面が外周に形成された内方部材と、前記外方部材と内方部材のそれぞれの軌道面間に介装された複列の転動体とを備え、前記外方部材の軌道面を高周波焼入れにより硬化させる車輪用軸受装置の製造方法において、前記外方部材の軌道面の高周波焼入れ後、外方部材の複列の軌道面とその軌道面間に位置する肩部の内径面とを同時に研削仕上げすることを特徴とする車輪用軸受装置の製造方法。
  7. 前記肩部の内径面の研削仕上げを外輪の軌道面の研削仕上げと同時に行う請求項6に記載の車輪用軸受装置の製造方法。
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