JP2007285424A - 車輪用軸受装置およびその製造方法 - Google Patents

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功 平井
Takayasu Takubo
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Abstract

【課題】高周波焼入れによる熱処理で発生したスケールを除去し、製品品質の向上を図った車輪用軸受装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】内周および外周に複列の転走面が形成された複列の転がり軸受で構成された車輪用軸受装置の製造方法において、両転走面10a、2aをはじめこれら両転走面10a、2aの近傍に高周波焼入れによって所定の硬化層12、11が形成されると共に、両転走面10a、2aが研削加工される前に、硬化層12、11のうち両転走面10a、2a以外の硬化層の表面にショットブラスト加工によってスケール除去処理が施されるので、研削砥石の逃げ部となる研削加工されない隅部14および肩部15等、凹凸のある狭い部位の表面に付着したスケールが除去されると共に、それぞれの角部のバリ等も除去されて滑らかに丸めることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置に関するもので、特に、高周波焼入れによる熱処理で発生したスケールを除去し、製品品質の向上を図った車輪用軸受装置およびその製造方法に関する。
自動車等の車輪を回転自在に支承する車輪用軸受装置は、懸架装置を構成するナックルとハブ輪との間に複列アンギュラ玉軸受等からなる車輪用軸受を嵌合させた第1世代と称される構造から、外方部材の外周に直接車体取付フランジまたは車輪取付フランジが形成された第2世代構造、また、ハブ輪の外周に一方の内側転走面が直接形成された第3世代構造までが量産化されると共に、さらにはハブ輪と等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ内側転走面を直接形成して軽量・コンパクト化された第4世代構造が開発されている。
図6は、従来の車輪用軸受装置の代表的な一例を示している。この車輪用軸受装置は、ハブ輪51と複列の転がり軸受52とがユニット化され、従動輪側の第3世代と称される構成を備えている。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で、車両の外側寄りとなる側をアウター側(図面左側)、中央寄り側をインナー側(図中右側)という。
複列の転がり軸受52は、外方部材53とハブ輪51およびこのハブ輪51に外嵌された内輪54からなる内方部材55と、両部材間に保持器56を介して転動自在に収容された複列のボール57と、外方部材53の両端部に装着されたシール58、59とを備えている。
外方部材53はS53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成され、外周にナックル(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ53bを一体に有し、内周に複列の外側転走面53a、53aが形成されている。そして、これら複列の外側転走面53a、53aが高周波焼入れによって表面に所定の硬化層60が形成されている。
ハブ輪51はS53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成され、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ61を一体に有し、外周に複列の外側転走面53a、53aに対向するアウター側の内側転走面51aと、この内側転走面51aから軸方向に延びる小径段部51bが形成されている。そして、車輪取付フランジ61の基部から内側転走面51aおよび小径段部51bに亙って高周波焼入れによって表面に所定の硬化層62が形成されている。また、車輪取付フランジ61の円周等配位置には車輪を固定するためのハブボルト63が植設されている。
内輪54はSUJ2等の高炭素クロム鋼からなり、外周に複列の外側転走面53a、53aに対向するインナー側の内側転走面54aが形成され、ズブ焼入れによって芯部まで硬化処理されている。そして、ハブ輪51の小径段部51bに圧入され、さらに小径段部51bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部51cにより軸方向に固定されている。
外方部材53は、図7(a)に示すように、回転自在なベース64に同軸的に装着され、複列の外側転走面53a、53aが加工砥石65によって研削加工される。ここで、この加工砥石65は、複列の外側転走面53a、53aを加工する第1の研削面65a、65aと、内径面53cを加工する第2の研削面65bと、シール嵌合面53dを加工する第3の研削面65cを有している。そして、この加工砥石65を偏心させた状態で外方部材53に押付け、外方部材53と加工砥石65を相互に正逆反対方向に回転させることにより外方部材53の内周面が研削加工される。これにより、高周波焼入れによる熱影響で、複列の外側転走面53a、53a間の内径面53cにスケールが付着しても研削加工によって除去することができ、スケールに起因する不具合が発生するのを防止している。
特開2005−325903号公報
然しながら、前述した車輪用軸受装置において、外方部材53の内径面53cおよびシール嵌合面53dは、図7(b)に示すように、加工砥石65によって複列の外側転走面53a、53aと同時に研削加工で除去されるが、例えば、加工砥石65の逃げ部となる肩部66やシール嵌合面53dの隅部67は研削加工されないためスケールが残存する恐れがある。
このスケールは、高周波焼入れ時に加熱された金属表面の鉄分が酸素と反応して生じる酸化物で構成されているため、硬くて脱落し易い特性を有している。したがって、このスケールが軸受内部に封入された潤滑グリースの流動によって外側転走面53aに到達し、外側転走面53aとボール57との間に噛み込むことで運転時の異音、異常振動、回転不調を誘発するだけでなく、外側転走面53aやボール57の表面に圧痕が生じ、この圧痕を起点としてフレーキングが発生して短寿命の原因となる恐れがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、高周波焼入れによる熱処理で発生したスケールを除去し、製品品質の向上を図った車輪用軸受装置およびその製造方法を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、前記両転走面をはじめこれら両転走面の近傍に高周波焼入れによって所定の硬化層が形成され、当該両転走面が研削加工された車輪用軸受装置において、前記硬化層のうち前記両転走面以外の硬化層の表面にスケール除去処理が施されている。
このように、内周および外周に複列の転走面が形成された複列の転がり軸受で構成されると共に、両転走面をはじめこれら両転走面の近傍に高周波焼入れによって所定の硬化層が形成され、当該両転走面が研削加工された第2世代乃至第4世代構造の車輪用軸受装置において、硬化層のうち両転走面以外の硬化層の表面にスケール除去処理が施されているので、隅部および肩部等、凹凸のある狭い部位の表面に付着したスケールが除去されると共に、それぞれの角部のバリ等も除去されて滑らかに丸められる。したがって、スケールの脱落に起因する運転時の異音、異常振動、回転不調を確実に防止し、製品品質の向上を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記シールが装着される前記外方部材のシール嵌合面の隅部にスケール除去処理が施されていれば、軸受内部に封入された潤滑グリースの流動によって付着したスケールが外側転走面に到達し、外側転走面と転動体との間に噛み込むのを確実に防止することができる。
また、本発明のうち請求項3に記載の方法発明は、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備えた車輪用軸受装置の製造方法において、前記両転走面をはじめこれら両転走面の近傍に高周波焼入れによって所定の硬化層が形成されると共に、当該両転走面が研削加工される前に、前記硬化層のうち前記両転走面以外の硬化層の表面にスケール除去処理が施される。
このように、内周および外周に複列の転走面が形成された複列の転がり軸受で構成された車輪用軸受装置の製造方法において、両転走面をはじめこれら両転走面の近傍に高周波焼入れによって所定の硬化層が形成されると共に、当該両転走面が研削加工される前に、前記硬化層のうち両転走面以外の硬化層の表面にスケール除去処理が施されるので、研削砥石の逃げ部となる研削加工されない隅部および肩部等、凹凸のある狭い部位の表面に付着したスケールが除去されると共に、それぞれの角部のバリ等も除去されて滑らかに丸めることができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記スケールがショットブラスト加工によって除去されても良いし、また、請求項5に記載の発明のように、前記スケールが、セラミック砥石の線材が纏められたワイヤーブラシを回転させて被処理面に接触させることによって除去されても良い。
本発明に係る車輪用軸受装置は、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、前記両転走面をはじめこれら両転走面の近傍に高周波焼入れによって所定の硬化層が形成され、当該両転走面が研削加工された車輪用軸受装置において、前記硬化層のうち前記両転走面以外の硬化層の表面にスケール除去処理が施されているので、隅部および肩部等、凹凸のある狭い部位の表面に付着したスケールが除去されると共に、それぞれの角部のバリ等も除去されて滑らかに丸められる。したがって、スケールの脱落に起因する運転時の異音、異常振動、回転不調を確実に防止し、製品品質の向上を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置の製造方法は、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備えた車輪用軸受装置の製造方法において、前記両転走面をはじめこれら両転走面の近傍に高周波焼入れによって所定の硬化層が形成されると共に、当該両転走面が研削加工される前に、前記硬化層のうち前記両転走面以外の硬化層の表面にスケール除去処理が施されるので、研削砥石の逃げ部となる研削加工されない隅部および肩部等、凹凸のある狭い部位の表面に付着したスケールが除去されると共に、それぞれの角部のバリ等も除去されて滑らかに丸めることができる。
外周に懸架装置に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、アウター側の端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備えた車輪用軸受装置の製造方法において、前記両転走面をはじめこれら両転走面の近傍に高周波焼入れによって所定の硬化層が形成されると共に、当該両転走面が研削加工される前に、前記硬化層のうち前記両転走面以外の硬化層の表面にショットブラスト加工によってスケール除去処理が施される。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図、図2(a)は、図1の外方部材のショットブラスト加工を示す説明図、(b)は、図1のハブ輪のショットブラスト加工を示す説明図である。
この車輪用軸受装置は駆動輪用で第3世代構造をなし、内方部材1と外方部材10と複列の転動体(ボール)6、6とを備えている。内方部材1はハブ輪2と、このハブ輪2に圧入固定された別体の内輪3とからなる。
ハブ輪2は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ4を一体に有し、外周に一方(アウター側)の内側転走面2aと、この内側転走面2aから軸方向に延びる円筒状の小径段部2bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)2cが形成されている。車輪取付フランジ4の円周等配位置には車輪を固定するためのハブボルト5が圧入されている。内輪3は、外周に他方(インナー側)の内側転走面3aが形成され、ハブ輪2の小径段部2bに圧入固定されている。
ハブ輪2はS53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成され、内側転走面2aをはじめ、後述するシール8が摺接するシールランド部4aから小径段部2bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化層11が形成されている。こうした高周波焼入れによりハブ輪2の強度が向上すると共に、内輪3の嵌合面におけるフレッティングが防止されて耐久性が向上する。一方、内輪3は、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。
外方部材10は、外周に車体(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ10bを一体に有し、内周に内方部材1の内側転走面2a、3aに対向する複列の外側転走面10a、10aが形成されている。また、外方部材10は、ハブ輪2と同様、S53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成され、少なくとも複列の外側転走面10a、10aが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化層12が形成されている。そして、これら複列の外側転走面10a、10aと内側転走面2a、3a間には保持器7、7で円周等配された複列の転動体6、6がそれぞれ転動自在に収容されている。
外方部材10と内方部材1との間に形成された環状空間の開口部にはシール8、9が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。なお、シール8、9が装着される外方部材10のシール嵌合部10d、10dも高周波焼入れによって硬化処理されても良い。
外方部材10における硬化層12のうち複列の外側転走面10a、10aと、ハブ輪2における硬化層11のうちシールランド部4a、内側転走面2aおよび小径段部2bは、研削加工によって所定の寸法・精度に仕上げられ、硬化層12、11に付着したスケールが研削加工と同時に除去される。
ここで、本実施形態では、外方部材10において、図2(a)に示すように、前述した研削加工の前に、硬化層12のうち研削加工される複列の外側転走面10a、10a以外の部位がショットブラスト加工によってスケールが除去される。すなわち、外方部材10の径方向内方に配置されたノズル13から、回転自在にセットされた外方部材10の内周面に向けて、スチールビーズ等のメディアを噴射させて行われる。ここで、スチールビーズの粒径は20〜100μm、噴射時間は約90秒、噴射圧は1〜3kg/cmの条件でノズル13を矢印にて示すように、軸方向に移動させながらショットブラスト加工が施される。これにより、内径面10c、シール嵌合面10d、このシール嵌合面10dの隅部14および肩部15等、凹凸のある狭い部位の表面に付着したスケールが除去されると共に、それぞれの角部のバリ等も同時に除去されて滑らかに丸められる。したがって、スケールの脱落に起因する運転時の異音、異常振動、回転不調を確実に防止し、製品品質の向上を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
また、ハブ輪2においては、図2(b)に示すように、硬化層11のうち研削加工されるシールランド部4a、内側転走面2aおよび小径段部2b以外の部位がショットブラスト加工によってスケールが除去される。すなわち、ハブ輪2の径方向外方に配置されたノズル13から、回転自在にセットされたハブ輪2の外周面に向けて、メディアを噴射させて行われる。これにより、外径面16、小径段部2bの隅部17および肩部18、19の表面に付着したスケールが除去されると共に、それぞれの角部のバリ等も同時に除去されて滑らかに丸められる。なお、内側転走面2aをはじめ研削加工される部位も連続してこのショットブラスト加工を施すようにしても良い。
図3は、本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。なお、前述した実施形態と同一部品、同一部位あるいは同一機能を有する部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
この車輪用軸受装置は駆動輪用の第2世代と称され、転走面を持たないハブ輪(図示せず)と、このハブ輪に外嵌される車輪用軸受20からなる。車輪用軸受20は、外周に車体取付フランジ10bを一体に有し、内周に複列の外側転走面10a、10aが形成された外方部材10と、この外方部材10に内挿され、外周に前記複列の外側転走面10a、10aに対向する内側転走面3aが形成された一対の内輪3、3と、両転走面間に収容された複列の転動体6、6と、これら複列の転動体6、6を転動自在に保持する保持器7とを備えている。また、外方部材10の両端部にはシール8、9が装着され、軸受内部に封入されたグリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
本実施形態においても、外方部材10における硬化層12のうち複列の外側転走面10a、10aが研削加工によって所定の寸法・精度に仕上げられると共に、この研削加工の前に、硬化層12のうち研削加工されない部位がショットブラスト加工によって表面のスケールが除去される。
図4は、本発明に係る車輪用軸受装置の第3の実施形態を示す縦断面図、図5(a)〜(c)は、図4の外方部材のスケール除去加工を示す説明図である。なお、前述した実施形態と同一部品、同一部位あるいは同一機能を有する部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
この車輪用軸受装置は従動輪用で外輪回転タイプの第2世代構造をなし、外方部材(ハブ輪)21と一対の内輪3、3と複列の転動体(ボール)6、6とを備えている。外方部材21は、アウター側の端部に車輪取付フランジ4を一体に有し、内周に複列の外側転走面10a、10aが形成されている。
外方部材21はS53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成され、少なくとも複列の外側転走面10a、10aが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化層12が形成されている。
ここで、本実施形態では、外方部材21において、図5に示すように、研削加工の前に、硬化層12のうち研削加工される複列の外側転走面10a、10a以外の部位がワイヤーブラシ22によってスケールが除去される。このワイヤーブラシ22は、アルミナ繊維等のセラミック砥石の線材が纏められたもので、(a)に示すように、直径10μm程度の極細のセラミック繊維を多数(1000本程度)纏めたワイヤー部22aと、これらワイヤー部22aを保持するチューブ部22bと、回転工具(図示せず)に取り付けるためのシャンク部22cとからなり、外方部材21の径方向内方に同軸状に配置される。
図5(b)は、外方部材21の内径面10cを加工している状態を示しているが、ワイヤーブラシ22を外方部材21に内挿して回転させることにより、ワイヤー部22aが遠心力によってその先端部が広がって内径面10cに接触すると共に、内径面10cから外側転走面10aの角部に亙ってこのワイヤーブラシ22を順次矢印に示すように軸方向に移動させることにより、内周面に付着したスケールを削り取って除去することができる。そして、(c)に示すように、さらに、ワイヤーブラシ22を軸方向に移動させ、肩部15およびシール嵌合面10dの隅部14に付着したスケールが除去されると共に、角部のバリ等も同時に除去されて滑らかに丸められる。
なお、硬化層12に付着したスケールを除去する手段として、このようなワイヤーブラシ22以外に、例えば、ねじり棒にナイロン樹脂を埋め込み、その先に砥粒を低温焼結させたフレックスホーン(米国B.R.M社の登録商標)を前述したワイヤーブラシ22の場合と同様、回転させて外方部材21の内周面に接触させる方法を例示することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、例えば、第1および第2の実施形態は、外方部材に車輪取付フランジを有する外輪回転タイプでも良く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことである。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、ハブ輪あるいは外方部材の少なくとも軸受転走面が高周波焼入れによって硬化処理された第2世代乃至第4世代構造の車輪用軸受装置に適用することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。 (a)は、図1の外方部材のショットブラスト加工を示す説明図である。 (b)は、図1のハブ輪のショットブラスト加工を示す説明図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第3の実施形態を示す縦断面図である。 (a)〜(c)は、図4の外方部材のスケール除去加工を示す説明図である。 従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。 (a)は、図6の外方部材の研削加工を示す説明図である。 (b)は、(a)の要部拡大図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・内方部材
2・・・・・・・・・・・・ハブ輪
2a、3a・・・・・・・・内側転走面
2b・・・・・・・・・・・小径段部
2c・・・・・・・・・・・セレーション
3・・・・・・・・・・・・内輪
4・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
4a・・・・・・・・・・・シールランド部
5・・・・・・・・・・・・ハブボルト
6・・・・・・・・・・・・転動体
7・・・・・・・・・・・・保持器
8、9・・・・・・・・・・シール
10、21・・・・・・・・外方部材
10a・・・・・・・・・・外側転走面
10b・・・・・・・・・・車体取付フランジ
10c・・・・・・・・・・内径面
10d・・・・・・・・・・シール嵌合面
11、12・・・・・・・・硬化層
13・・・・・・・・・・・ノズル
14、17・・・・・・・・隅部
15、18、19・・・・・肩部
16・・・・・・・・・・・外径面
20・・・・・・・・・・・車輪用軸受
22・・・・・・・・・・・ワイヤーブラシ
22a・・・・・・・・・・ワイヤー部
22b・・・・・・・・・・チューブ部
22c・・・・・・・・・・シャンク部
51・・・・・・・・・・・ハブ輪
51a、54a・・・・・・内側転走面
51b・・・・・・・・・・小径段部
51c・・・・・・・・・・加締部
52・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
53・・・・・・・・・・・外方部材
53a・・・・・・・・・・外側転走面
53b・・・・・・・・・・車体取付フランジ
53c・・・・・・・・・・内径面
53d・・・・・・・・・・シール嵌合面
54・・・・・・・・・・・内輪
55・・・・・・・・・・・内方部材
56・・・・・・・・・・・保持器
57・・・・・・・・・・・ボール
58、59・・・・・・・・シール
60、62・・・・・・・・硬化層
61・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
63・・・・・・・・・・・ハブボルト
64・・・・・・・・・・・ベース
65・・・・・・・・・・・加工砥石
65a・・・・・・・・・・第1の研削面
65b・・・・・・・・・・第2の研削面
65c・・・・・・・・・・第3の研削面
66・・・・・・・・・・・肩部
67・・・・・・・・・・・隅部

Claims (5)

  1. 内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
    外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材の転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、
    前記両転走面をはじめこれら両転走面の近傍に高周波焼入れによって所定の硬化層が形成され、当該両転走面が研削加工された車輪用軸受装置において、
    前記硬化層のうち前記両転走面以外の硬化層の表面にスケール除去処理が施されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記シールが装着される前記外方部材のシール嵌合面の隅部にスケール除去処理が施されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
    外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材の転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備えた車輪用軸受装置の製造方法において、
    前記両転走面をはじめこれら両転走面の近傍に高周波焼入れによって所定の硬化層が形成されると共に、当該両転走面が研削加工される前に、前記硬化層のうち前記両転走面以外の硬化層の表面にスケール除去処理が施されることを特徴とする車輪用軸受装置の製造方法。
  4. 前記スケールがショットブラスト加工によって除去される請求項3に記載の車輪用軸受装置の製造方法。
  5. 前記スケールが、セラミック砥石の線材が纏められたワイヤーブラシを回転させて被処理面に接触させることによって除去される請求項3に記載の車輪用軸受装置の製造方法。
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