JP5166756B2 - 車輪用軸受およびこれを備えた車輪用軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両の車輪を回転自在に支承する車輪用軸受、詳しくは、軽量・コンパクト化と低コスト化を図ると共に、軸受の耐久性の向上を図った車輪用軸受およびこれを備えた車輪用軸受装置に関するものである。
従来から自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置は、車輪を取り付けるためのハブ輪を複列の転がり軸受を介して回転自在に支承するもので、駆動輪用と従動輪用とがある。構造上の理由から、駆動輪用では内輪回転方式が、従動輪用では内輪回転と外方部材回転の両方式が一般的に採用されている。この車輪用軸受装置には、懸架装置を構成するナックルとハブ輪との間に複列アンギュラ玉軸受等からなる車輪用軸受を嵌合させた第1世代と称される構造から、外方部材の外周に直接車体取付フランジまたは車輪取付フランジが形成された第2世代構造、また、ハブ輪の外周に一方の内側転走面が直接形成された第3世代構造、あるいは、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ内側転走面が直接形成された第4世代構造とに大別されている。
従来から、内輪および外輪(外方部材)が鋼板からプレス加工によって形成された構造のアンギュラ玉軸受が知られている。例えば、図5に示すアンギュラ玉軸受50は、磁気ハードディスク装置等に使用されるものであるが、外輪51および一対の内輪52、53は、ステンレス鋼板からプレス加工またはローリング加工によって形成されている。
外輪51は、内周面の略中間部に径方向内方に突出する環状凸部51aが形成され、この環状凸部51aの両側の内周面に外側転走面51b、51cが形成されている。この外輪51は、外周面がハウジング54の穴に嵌合され、一端部に形成されたフランジ51dがハウジング54の端面に当接されて、軸方向の位置決めが行われている。また、環状凸部51aにより、外輪51の外周面には環状凹部51eが形成され、この環状凹部51eに接着剤が充填されてハウジング54の穴に外輪51が固定されている。
一方、内輪52、53は、外輪51の複列の外側転走面51b、51cの内側に軸方向の両側からそれぞれ嵌合される。これら内輪52、53の軸方向外端外周には、湾曲肩部52a、53aが形成され、この湾曲肩部52a、53aに内側転走面52b、53bが形成されている。そして、複列のボール56、56がこれらの内側転走面52b、53bと外輪51の複列の外側転走面51b、51cとの間に配置され、保持器57、57により各列毎に保持されている。
内輪52、53の内周面には、軸部材55に隙間嵌めされる嵌合部52c、53cが形成されている。内輪52、53が軸部材55に軸方向から隙間嵌めされた後、一方の内輪52の湾曲肩部52aに重量が一定の円筒形の重錘59が乗せられ、この重錘59の重量により、内輪52、ボール56、外輪51、ボール56を経由して他方の内輪53が押圧され、湾曲肩部53aが軸部材55の鍔部55aに当接するまで嵌合される。これにより、アンギュラ玉軸受50に適正な予圧が設定される。
この隙間嵌めが完了すると、一方の内輪52の湾曲肩部52aと軸部材55との間の隙間に接着剤60が充填され、この接着剤60で一方の内輪52の嵌め外れが防止されると共に、軸部材55の鍔部55aで他方の内輪53の嵌め外れが防止される。
実開平6−1835号公報
然しながら、この種のプレス製のアンギュラ玉軸受を車輪用軸受として使用した場合、車両の旋回時等に負荷されるモーメント荷重によって、ボール56の接触楕円が乗り上げて外側転走面51bから外れる、所謂肩乗り上げが発生することがある。そして、この肩乗り上げによって肩部Aにエッジロードが発生する恐れがあった。ここで、エッジロードとは、角部等に発生する過大な応力集中のことで、早期剥離の要因の一つとなる事象を言う。
そこで、外側転走面51bの溝底から環状凸部51aまでの肩高さを高くすれば旋回モーメント負荷時にボール56の接触楕円が肩部Aを乗り上げるのを防止できるが、肩高さを高くすると絞り率が高くなり肩部Aに亀裂が発生する恐れがあるため、適切な肩高さを確保するために、外輪51のローリング加工時、外輪51の中央部を凹ませて肩部Aに素材を充足させるようにしている。
一方、軸受精度を高めるために外側転走面51bを研削加工した場合、肩部Aにエッジが発生してボール56の接触楕円がこの肩部Aのエッジに乗り上げる恐れがあった。これにより、肩部Aにエッジロードが発生して軸受の寿命低下を招来させることがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、軽量・コンパクト化と低コスト化を図ると共に、軸受の耐久性の向上を図った車輪用軸受およびこれを備えた車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、内周に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する円弧状の内側転走面が形成された一対の内輪と、これら内輪と前記外方部材の両転走面間に収容された複列のボールとを備え、前記内輪の小径側端面が突合せ状態で衝合して背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受を構成する車輪用軸受において、前記外方部材と内輪がパイプ材からローリング加工によって形成され、前記外方部材の中央部を凹ませて内周に環状凸部がフラット形状に形成されると共に、前記外側転走面から前記環状凸部に繋がる肩部が、総型砥石によって前記外側転走面と同時に研削加工され、円弧状に形成され、前記環状凸部の内径が、ローリング加工によって前記肩部と微小な段差をもって形成されている。
このように、背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受で構成された車輪用軸受において、外方部材と内輪がパイプ材からローリング加工によって形成され、外方部材の中央部を凹ませて内周に環状凸部がフラット形状に形成されると共に、外側転走面から環状凸部に繋がる肩部が、総型砥石によって外側転走面と同時に研削加工され、円弧状に形成され、環状凸部の内径が、ローリング加工によって肩部と微小な段差をもって形成されているので、所望の軸受精度を確保して肩部に亀裂が発生するのを防止すると共に、肩部が外側転走面から滑らかに繋がり、肩部に素材を充足させて外側転走面と環状凸部との肩高さを適切に確保することができ、旋回モーメント負荷時にボールの接触楕円が肩部を乗り上げてエッジロードが発生するのを防止することができ、軸受の耐久性を向上させた車輪用軸受を提供することができる。
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、内周に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する円弧状の内側転走面が形成された一対の内輪と、これら内輪と前記外方部材の両転走面間に収容された複列のボールとを備え、前記内輪の小径側端面が突合せ状態で衝合して背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受を構成する車輪用軸受において、前記外方部材と内輪がパイプ材からローリング加工によって形成され、前記外方部材の中央部を凹ませて内周に環状凸部がフラット形状に形成され、前記外方部材の両端面と前記内輪の大径側端面がローリング加工後に旋削加工されると共に、当該外方部材の外径面および内輪の内径面と小径側端面が研削加工によって所定の寸法、精度に形成されると共に、前記外側転走面から前記環状凸部に繋がる肩部が、総型砥石によって前記外側転走面と同時に研削加工され、円弧状に形成されているので、所望の軸受精度を確保して肩部に亀裂が発生するのを防止すると共に、肩部が外側転走面から滑らかに繋がり、旋回モーメント負荷時にボールの接触楕円が肩部を乗り上げてエッジロードが発生するのを防止することができ、軸受の耐久性を向上させることができる。また、従来の鍛造、削り出しの軸受と同等の軸受精度を確保することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記複列の外側転走面が総型砥石によって同時に研削加工されていれば、加工工数が削減でき、低コスト化を図ることができると共に、複列の外側転走面の溝径相互差およびピッチを所定の精度に規制することができ、軸受精度を一層向上させることができる。
また、本発明のうち請求項に記載の発明は、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから肩部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪と、このハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入された前記請求項1乃至3いずれかに車輪用軸受とを備え、前記ハブ輪に等速自在継手の外側継手部材がセレーションを介して内嵌され、前記一対の内輪が前記ハブ輪の肩部と前記外側継手部材の肩部とで挟持され、所定の軸受予圧が付与されている。
このように、第1世代構造の車輪用軸受装置において、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから肩部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪と、このハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入された前記請求項1乃至4いずれかに車輪用軸受とを備え、前記ハブ輪に等速自在継手の外側継手部材がセレーションを介して内嵌され、前記一対の内輪が前記ハブ輪の肩部と前記外側継手部材の肩部とで挟持され、所定の軸受予圧が付与されているので、軸受剛性が高くなると共に、軸受の転がり疲労寿命が向上する。
本発明に係る車輪用軸受は、内周に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する円弧状の内側転走面が形成された一対の内輪と、これら内輪と前記外方部材の両転走面間に収容された複列のボールとを備え、前記内輪の小径側端面が突合せ状態で衝合して背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受を構成する車輪用軸受において、前記外方部材と内輪がパイプ材からローリング加工によって形成され、前記外方部材の中央部を凹ませて内周に環状凸部がフラット形状に形成されると共に、前記外側転走面から前記環状凸部に繋がる肩部が、総型砥石によって前記外側転走面と同時に研削加工され、円弧状に形成され、前記環状凸部の内径が、ローリング加工によって前記肩部と微小な段差をもって形成されているので、所望の軸受精度を確保して肩部に亀裂が発生するのを防止すると共に、肩部が外側転走面から滑らかに繋がり、肩部に素材を充足させて外側転走面と環状凸部との肩高さを適切に確保することができ、旋回モーメント負荷時にボールの接触楕円が肩部を乗り上げてエッジロードが発生するのを防止することができ、軸受の耐久性を向上させた車輪用軸受を提供することができる。
また、本発明に係る車輪用軸受は、内周に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する円弧状の内側転走面が形成された一対の内輪と、これら内輪と前記外方部材の両転走面間に収容された複列のボールとを備え、前記内輪の小径側端面が突合せ状態で衝合して背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受を構成する車輪用軸受において、前記外方部材と内輪がパイプ材からローリング加工によって形成され、前記外方部材の中央部を凹ませて内周に環状凸部がフラット形状に形成され、前記外方部材の両端面と前記内輪の大径側端面がローリング加工後に旋削加工されると共に、当該外方部材の外径面および内輪の内径面と小径側端面が研削加工によって所定の寸法、精度に形成されると共に、前記外側転走面から前記環状凸部に繋がる肩部が、総型砥石によって前記外側転走面と同時に研削加工され、円弧状に形成されているので、所望の軸受精度を確保して肩部に亀裂が発生するのを防止すると共に、肩部が外側転走面から滑らかに繋がり、旋回モーメント負荷時にボールの接触楕円が肩部を乗り上げてエッジロードが発生するのを防止することができ、軸受の耐久性を向上させることができる。また、従来の鍛造、削り出しの軸受と同等の軸受精度を確保することができる。
内周に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する円弧状の内側転走面が形成された一対の内輪と、これら内輪と前記外方部材の両転走面間に収容された複列のボールとを備え、前記内輪の小径側端面が突合せ状態で衝合して背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受を構成する車輪用軸受において、前記外方部材と内輪がパイプ材からローリング加工によって形成され、前記外方部材の中央部を凹ませて内周に環状凸部がフラット形状に、かつこの環状凸部の内径が、前記外側転走面から前記環状凸部に繋がる肩部より微小な段差をもって形成されると共に、当該肩部が、総型砥石によって前記外側転走面と同時に研削加工され、円弧状に形成されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の車輪用軸受を示す拡大図、図3(a)は図2の外方部材単体を示す縦断面図、(b)は、図2の内輪単体を示す縦断面図、図4(a)は、外方部材における外側転走面の研削加工を示す説明図、(b)は、同上、他の研削加工を示す説明図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図面左側)、中央寄り側をインナー側(図面右側)という。
この車輪用軸受装置は第1世代構造をなし、ハブ輪1と、このハブ輪1に装着される車輪用軸受2とを備えている。ハブ輪1には等速自在継手3がトルク伝達自在に内嵌され、固定ナット4を介してハブ輪1と等速自在継手3が分離可能に一体化されている。
ハブ輪1は、アウター側の一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ5を有し、外周にこの車輪取付フランジ5から肩部1aを介して軸方向に延びる円筒状の小径段部1bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)1cが形成されている。このハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、鍛造の生のままである。また、曲げ強度に対する疲労強度増加のために鍛造後に調質処理を行う方法や、肩部1aから小径段部1bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理をしても良い。
車輪用軸受2はナックル6に内嵌され、図2に拡大して示すように、内周に複列の円弧状の外側転走面7a、7aが形成された外方部材(外輪)7と、外周にこれら複列の外側転走面7a、7aに対向する円弧状の内側転走面8a、8aが形成された一対の内輪8、8と、両転走面間に保持器9、9を介して転動自在に収容された複列のボール10、10と、外方部材7の両端部に装着されたシール11とを備えている。そして、内輪8、8の小径(正面)側端面8b、8bを突合せ状態で衝合し、所謂背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受を構成している。
シール11は、外方部材7の円筒部13に嵌合される芯金11aと、この芯金11aに加硫接着等により一体に接合され、ニトリルゴム等のエラストマーからなるシール部材11bからなり、一対のラジアルリップを備えている。そして、軸受内部に封入されたグリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等の異物が軸受内部に侵入するのを防止している。また、図示していないが、内輪外径にスリンガを圧入し、このスリンガに対向して外方部材7の円筒部13に装着されたシールとからなり、このシールのシールリップが摺接した所謂パックシールを用いても良い。
等速自在継手3は、図1に示すように、外側継手部材15と、継手内輪16とケージ17およびトルク伝達ボール18とを備えている。外側継手部材15は、カップ状のマウス部19と、このマウス部19の底部となる肩部20と、この肩部20から軸方向に延びる軸部21を一体に有している。軸部21の外周にはハブ輪1のセレーション1cに係合するセレーション21aと、このセレーション21aの端部に雄ねじ21bが形成されている。そして、肩部20が内輪8の大端面と衝合するまでハブ輪1に外側継手部材15がセレーション1c、21aを介して内嵌され、一対の内輪8、8がハブ輪1の肩部1aと外側継手部材15の肩部20に挟持された状態でハブ輪1の小径段部1bに所定のシメシロを介して圧入されている。さらに、雄ねじ21bに固定ナット4を所定の締付トルクで緊締することにより所定の軸受予圧が付与されている。これにより、軸受剛性が高くなると共に、軸受の転がり疲労寿命が向上する。
ここで、外方部材7および内輪8は、SUJ2等の軸受鋼やSCr420およびSCM415等の浸炭鋼からなるパイプ材を冷間のローリング加工によって形成されている。そして、SUJ2はズブ焼や高周波焼入れ、浸炭鋼は浸炭焼入れによって表面硬さを50〜64HRCの範囲に硬化処理されている。外方部材7および内輪8の材質としてこれ以外にも、SCM440や冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)やS53C等の炭素鋼を例示することができる。冷間圧延鋼鈑や炭素鋼の場合、少なくとも外方部材7においては複列の外側転走面7a、7aが、また、内輪8においては内側転走面8aが高周波焼入れによって表面硬さを50〜64HRCの範囲に硬化処理が施され、転がり疲労寿命を向上させている。そして、これらの転走面7a、8aは、研削加工によって所定の寸法、精度に形成されている。なお、その後、必要に応じて超仕上げ加工が施される。
次に、図3を用いて、外方部材7および内輪8の構成について詳細に説明する。
外方部材7は、(a)に示すように、素材となるパイプ材から冷間のローリング加工により、内周に径方向内方に突出する環状凸部12と、この環状凸部12の両側に複列の円弧状の外側転走面7a、7aが形成されると共に、両端部にシール11の嵌合部となる円筒部13、13が形成される。そして、後述する複列の外側転走面7a、7aをはじめ、この円筒部13は、冷間のローリング加工後に研削加工によって所定の寸法、精度に形成される。なお、ローリング加工でバリが発生する両端面はローリング加工後に旋削加工される。また、必要に応じて研削加工が施される。
ここで、外側転走面7aから環状凸部12の肩高さを適切に確保するために、外方部材7のローリング加工時、環状凸部12の内径をフラット形状に形成すると共に、外方部材7の中央部を凹ませて肩部22に素材を充足させるようにしている。
一方、内輪8は、(b)に示すように、素材となるパイプ材から冷間のローリング加工により、外周に円弧状の内側転走面8aと、この内側転走面8aから軸方向に延びる肩部14が形成される。ここで、この肩部14はシール11のシールランド部となり、冷間のローリング加工後に内側転走面8aと同時に研削加工され、所定の寸法、精度に形成される。なお、外方部材7と同様、ローリング加工でバリが発生する両端面はローリング加工後に旋削加工される。また、必要に応じて研削加工が施される。
本実施形態では、外方部材7および内輪8がパイプ材から冷間のローリング加工で形成されると共に、両転走面7a、8aとシール11の嵌合面となる外方部材7の円筒部13、およびシール11のランド部となる内輪8の肩部14が研削加工によって形成されているので、生産性が向上して歩溜まりが良く、また、低コスト化ができると共に、従来の軸受と同等の精度や密封性を確保することができる。
ここで、図4(a)に示すように、外側転走面7aから環状凸部12に繋がる肩部22が、熱処理後に総型砥石23によって外側転走面7aと同時に研削加工されている(ローリング加工後の肩部22を図中二点鎖線にて示す)。すなわち、この総型砥石23は、環状凸部12を避けて小径に成形された小径部23aと、外側転走面7aに対応する溝23bと、肩部22に対応する角部23cが、予めロータリドレッサによって成形されている。そして、角部23cは所定の曲率半径Rからなる円弧状に形成され、溝部23bから滑らかに繋がっている。これにより、所望の軸受精度を確保すると共に、肩部22に亀裂が発生するのを防止し、かつ、旋回モーメント負荷時にボール10の接触楕円が肩部22を乗り上げてエッジロードが発生するのを防止することができ、軸受の耐久性を向上させた車輪用軸受2を提供することができる。
なお、図示はしないが、総型砥石23に複列の外側転走面7a、7aに対応する複列の溝部23b、23bを形成し、複列の外側転走面7a、7aとそれぞれの肩部22を同時に研削加工するようにしても良い。これにより、加工工数が削減でき、低コスト化を図ることができると共に、複列の外側転走面7a、7aの溝径相互差およびピッチ(溝間距離)等を所定の精度に規制することができ、軸受精度を一層向上させることができる。
図4(b)は、(a)の変形例を示している。この外方部材24における環状凸部25の内径は、ローリング加工によって肩部26と微小な段差δをもって形成されている。そして、肩部26が、熱処理後に総型砥石27によって外側転走面7aと同時に研削加工されている。この総型砥石27は、環状凸部25を避けて小径に成形された小径部27aと、外側転走面7aに対応する溝27bと、肩部26に対応する角部27cが、予めロータリドレッサによって成形されている。角部27cは所定の曲率半径Rからなる円弧状に形成され、溝部27bから小径部27aに滑らかに繋がっている。これにより、ローリング加工時に、肩部26に亀裂が発生するのを防止しつつ、肩部26に素材を充足させて外側転走面7aと環状凸部25との肩高さを適切に確保すると共に、肩部26のエッジを無くして旋回モーメント負荷時にボール10の接触楕円が肩部26を乗り上げてエッジロードが発生するのを防止することができる。
なお、ここでは、外方部材7(24)と内輪8を冷間のローリング加工によって形成したが、これに限らず、温間のローリング加工によって形成しても良く、また、ナックル6やハブ輪1の嵌合面となる外方部材7の外径面および内輪8の内径面、さらには突合せ面となる内輪8の小径側端面8bを研削加工によって形成しても良い。これにより、従来の鍛造、削り出しの軸受と同等の軸受精度を確保することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、一端部に車輪取付フランジを一体に有するハブ輪と、このハブ輪に圧入された一対の内輪とを備えた第1世代構造の車輪用軸受装置に適用できる。
本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。 図1の車輪用軸受を示す拡大図である。 (a)は、図2の外方部材輪単体を示す縦断面図である。 (b)は、同上、内輪単体を示す縦断面図である。 (a)は、外方部材の研削加工を示す説明図である。 (b)は、(a)の変形例を示す説明図である。 従来の内・外輪がプレス加工によって形成された構造のアンギュラ玉軸受を示す縦断面図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、14、20、22、26・・・肩部
1b・・・・・・・・・・・・・・・小径段部
1c、21a・・・・・・・・・・・セレーション
2・・・・・・・・・・・・・・・・車輪用軸受
3・・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
4・・・・・・・・・・・・・・・・固定ナット
5・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
6・・・・・・・・・・・・・・・・ナックル
7、24・・・・・・・・・・・・・外方部材
7a・・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
8・・・・・・・・・・・・・・・・内輪
8a・・・・・・・・・・・・・・・内側転走面
8b・・・・・・・・・・・・・・・小径側端面
9・・・・・・・・・・・・・・・・保持器
10・・・・・・・・・・・・・・・ボール
11・・・・・・・・・・・・・・・シール
11a・・・・・・・・・・・・・・芯金
11b・・・・・・・・・・・・・・シール部材
12、25・・・・・・・・・・・・環状凸部
13・・・・・・・・・・・・・・・円筒部
15・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
16・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
17・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
18・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
19・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
21・・・・・・・・・・・・・・・軸部
21b・・・・・・・・・・・・・・雄ねじ
23、27・・・・・・・・・・・・総型砥石
23a、27a・・・・・・・・・・小径部
23b、27b・・・・・・・・・・溝部
23c、27c・・・・・・・・・・角部
50・・・・・・・・・・・・・・・アンギュラ玉軸受
51・・・・・・・・・・・・・・・外輪
51a・・・・・・・・・・・・・・環状凸部
51b、51c・・・・・・・・・・外側転走面
51d・・・・・・・・・・・・・・フランジ
51e・・・・・・・・・・・・・・環状凹部
52、53・・・・・・・・・・・・内輪
52a、53a・・・・・・・・・・湾曲肩部
52b、53b・・・・・・・・・・内側転走面
52c、53c・・・・・・・・・・嵌合部
54・・・・・・・・・・・・・・・ハウジング
55・・・・・・・・・・・・・・・軸部材
55a・・・・・・・・・・・・・・鍔部
56・・・・・・・・・・・・・・・ボール
57・・・・・・・・・・・・・・・保持器
59・・・・・・・・・・・・・・・重錘
60・・・・・・・・・・・・・・・接着剤
A・・・・・・・・・・・・・・・・肩部
R・・・・・・・・・・・・・・・・曲率半径
δ・・・・・・・・・・・・・・・・段差

Claims (4)

  1. 内周に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    外周に前記複列の外側転走面に対向する円弧状の内側転走面が形成された一対の内輪と、
    これら内輪と前記外方部材の両転走面間に収容された複列のボールとを備え、前記内輪の小径側端面が突合せ状態で衝合して背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受を構成する車輪用軸受において、
    前記外方部材と内輪がパイプ材からローリング加工によって形成され、前記外方部材の中央部を凹ませて内周に環状凸部がフラット形状に形成されると共に、前記外側転走面から前記環状凸部に繋がる肩部が、総型砥石によって前記外側転走面と同時に研削加工され、円弧状に形成され、前記環状凸部の内径が、ローリング加工によって前記肩部と微小な段差をもって形成されていることを特徴とする車輪用軸受。
  2. 内周に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と
    外周に前記複列の外側転走面に対向する円弧状の内側転走面が形成された一対の内輪と、
    これら内輪と前記外方部材の両転走面間に収容された複列のボールとを備え、前記内輪の小径側端面が突合せ状態で衝合して背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受を構成する車輪用軸受において、
    前記外方部材と内輪がパイプ材からローリング加工によって形成され、前記外方部材の中央部を凹ませて内周に環状凸部がフラット形状に形成され、前記外方部材の両端面と前記内輪の大径側端面がローリング加工後に旋削加工されると共に、当該外方部材の外径面および内輪の内径面と小径側端面が研削加工によって所定の寸法、精度に形成されると共に、前記外側転走面から前記環状凸部に繋がる肩部が、総型砥石によって前記外側転走面と同時に研削加工され、円弧状に形成されていることを特徴とする車輪用軸受。
  3. 前記複列の外側転走面が総型砥石によって同時に研削加工されている請求項1または2に記載の車輪用軸受。
  4. 一端部に車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから肩部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪と、このハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入された前記請求項1乃至3いずれかに記載の車輪用軸受とを備え、前記ハブ輪に等速自在継手の外側継手部材がセレーションを介して内嵌され、前記一対の内輪が前記ハブ輪の肩部と前記外側継手部材の肩部とで挟持され、所定の軸受予圧が付与されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
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