JP4526611B2 - 均一細孔分布を有するシリカ系非晶質材料及び担持触媒の製造方法 - Google Patents

均一細孔分布を有するシリカ系非晶質材料及び担持触媒の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、細孔分布がシャープに制御された、強度の大きなシリカ系非晶質材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年細孔構造が制御された材料として結晶ゼオライトが関心を集めている。MCM−41と呼ばれるあたらしいゼオライトで、C.T.Kresgeらによって界面活性剤を用い合成され、Nature 359,710(1992)に発表されている。しかしながら、テンプレートを取り除くとかさ高で脆く機械的強度に問題があると考えられ、以後多くの研究者が強度改良等に取り組んでいる。一方、非晶質材料としては、細孔径を制御し新規なシリカゲルをつくることによって、有機分子の吸着材、あるいはクロマト用分離材などに有用な材料として関心が高まっている。
【0003】
特開平6−64915号公報には、界面活性剤を含む非極性有機ハロゲン化物溶媒中で、アルカリ金属ケイ酸塩水溶液を乳化させ、次いでゲル化剤によりゲル化させて、球状シリカを製造する方法が提案されている。ここで得られる球状シリカは120℃で数時間乾燥し、ゲル間水を除去したものでゲル間水由来の細孔容積が大きく、比表面積が大きいものが得られるが、かさ高で機械的強度は小さい。特開平7−138013号公報には比表面積が700〜1100m2 /g、細孔容積が0.5〜2.5ml/g、細孔径の90%が20〜50Åのシリカゲルが報告されている。該シリカゲルも細孔容積および比表面積が大きく、かさ高で機械的強度は小さい。
【0004】
特開平8−119621号公報には、比表面積が50m2 /g以下、細孔容積が0.3ml/g以下、耐摩耗性3.0wt%/15hr以下かつ嵩密度が0.6〜1.3g/mlで平均粒子径が30〜150μmであるシリカ−リン−ホウ素からなるシリカ系組成物の製造法が提案されている。しかし、提案されているものは触媒担体、流動調製剤などに使用するには比表面積が小さい。
【0005】
ところで、シリカ系非晶質材料は様々な用途にその特性を活かした材料として利用されている。その一例を示すと液体クロマトグラフィー用充填剤、化粧品基剤、触媒担体、希釈剤等が挙げられる。これらの用途に要求される要件である高比表面積を満たそうとすると、細孔容積が大きくすることが必要であり機械的強度が小さくなる。また、機械的強度を満たそうとすると高い温度で焼成することが必要であり、比表面積が小さくなる。
以上のことから機械的強度が大きく、かつ比表面積も大きいという相反する物性を満たすシリカ系非晶質材料が望まれていた。さらに、このシリカ系非晶質材料を大量に再現性よく製造する方法も望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、機械的強度が大きく、かつ比表面積も大きなシリカ系非晶質材料を提供すること及びその再現性の良い製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、機械的強度と比表面積の大きなシリカ系非晶質材料を得る為に鋭意研究を行ってきた。その結果、シリカを含むスラリーを成形して焼成した後に、さらに水熱処理を行うと、驚くべきことに大部分の細孔の細孔径が30〜50Åの範囲に存在するような均一な細孔構造となるとともに、表面積も機械的強度も大きなシリカ系非晶質材料が得られることを見出し、本発明に至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1) シリカ単独又はシリカとNa、K、Ca、Mg、Zr、Ti、Ge、Ga、Alから選ばれる少なくとも1種の成分の酸化物からなるスラリーを調合後乾燥し、800℃以下の温度で焼成した後、さらに60℃以上の温度で水熱処理する、下記a)〜c)
a)比表面積 ; 60〜400(m/g)
b)細孔容積 ; 0.1〜0.4(cc/g)
c)細孔分布 ; 窒素法脱離スペクトルから求めた細孔分布において細孔の80%以上が細孔径30〜50Åの範囲に存在する
を満足するシリカ系非晶質材料の製造方法
(2) シリカ系非晶質材料が、シリカとNa、K、Ca、Mgから選ばれる少なくとも1種の成分の酸化物0〜15wt%及びZr、Ti、Ge、Ga、Alから選ばれる少なくとも1種の成分の酸化物0〜15wt%とからなる(1)記載のシリカ系非晶質材料の製造方法、
(3) シリカ系非晶質材料が、アルミニウムを酸化物として1〜15wt%及びマグネシウムを酸化物として1〜15wt%含む(2)記載のシリカ系非晶質材料の製造方法、
(4) (1)〜(3)のいずれかに記載の方法によりシリカ系非晶質材料を製造し、前記シリカ系非晶質材料に、パラジウム金属及び/又はパラジウム金属化合物を担持させる担持触媒の製造方法である。
【0009】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のシリカ系非晶質材料は、比表面積が60〜400(m2 /g)であり、好ましくは60〜300(m2 /g)である。細孔容積は0.1〜0.4(cc/g)であり、好ましくは0.1〜0.3(cc/g)である。また、細孔分布は、窒素法脱離スペクトルから求めた細孔分布において、細孔の80%以上が細孔径30〜50Åの範囲に存在することであり、好ましくは35〜45Åの範囲である。
【0010】
本発明のシリカ系非晶質材料は、該材料の製造に際し、シリカ以外に含まれる成分の影響を受けにくく、シリカ以外の様々な元素を含むことが可能である。従って所望する材料の特性に合わせた組成にすることが可能である。耐水性を向上させようとする場合には、Ti、Zr,Al等を含有する組成にすれば、耐水性の向上した細孔分布の狭いシリカ系非晶質材料が得られる。さらに、中性もしくは塩基性とする場合には、Ti、Zr,Al等に加え、Na、K、Ca、Mgを含んだ組成にすることで、中性もしくは塩基性の細孔分布の狭いシリカ系非晶質材料を得ることも可能である。もちろん、シリカ単独でも細孔分布の狭いシリカゲルが得られる。
【0011】
本発明において用いられるシリカ原料としては、シリカゾル、水ガラスが挙げられる。シリカゾル中のシリカコロイド粒子の平均粒子径は、通常70〜500Åの範囲のものが用いられる。製造に際し粒径の異なる数種のシリカコロイドを用いることは好ましい実施態様である。Ti、Zr、Ge、Ga、Al原料としては、硝酸塩、塩化物、硫酸塩、酢酸塩、蓚酸塩等の水溶性化合物が好ましいが、シリカゾル中の未架橋シリカと反応する化合物であれば、上記水溶性化合物でなくとも用いることが可能である。添加量は例えば耐水性付与、酸性付与等目的によって異なるが、通常酸化物として1〜15wt%好ましく、より好ましくは3〜10wt%の範囲である。該添加量であれば細孔分布に影響なく実施することができる。
【0012】
Na、K、Ca、Mg原料としては、酸化物、水酸化物、酢酸塩、硝酸塩、塩化物、硫酸塩を用いることができる。該添加量は酸性、中性、塩基性と目的によって選ばれるが通常酸化物として1〜15wt%が好ましく、より好ましくは3〜10wt%の範囲から選ばれる。
以下に、本発明のシリカ系非晶質材料の製造方法を述べる。
【0013】
本発明は、上記組成のシリカ含有スラリーを調合し、成形、乾燥、焼成した後にさらに水熱処理を行うことが重要である。
本発明のシリカ含有スラリー調合の溶剤は通常水が用いられ、固形成分と溶剤の割合が1/100〜1/2、好ましくは1/10〜1/3の範囲で調合される。該調合は室温以下の0℃〜50℃の範囲で行うことが好ましい。シリカ以外の成分を含む場合は、0℃〜室温の温度範囲で行うことが粘度等の大幅な変化が起こりにくく好ましい。
【0014】
本発明において乾燥温度とは、スラリーから乾燥固体を得るための温度であり、圧力等によって最適な温度を選ぶことができる。通常、常圧では100〜150℃で行う。例えば噴霧乾燥で粒子を乾燥する場合には、130〜250℃の加熱空気を送風し固体の温度が110℃となるように風量を設定して行われる。
本発明において、水熱処理前の焼成温度は220〜800℃の範囲から選ばれる。800℃を越える温度で焼成すると水熱処理効果が低下するので好ましくなく、220℃未満では、ゲル間の脱水や縮合反応が不十分となり細孔容積が大きく嵩高くなり易く好ましくない。300〜600℃の範囲が操作性等から好ましい。ただし原料として硝酸塩を含む場合は硝酸塩の分解温度以上で行われる。焼成雰囲気は特に限定されないが、空気中あるいは窒素中で焼成するのが一般的である。また、焼成時間は、通常1〜48時間、好ましくは1〜12時間の範囲で行うことができる。
【0015】
本発明においては、焼成後に水熱処理することが必要である。本発明において水熱処理するとは、水又は水を含む溶液中に、上述の焼成後のシリカ含有材料(以下、シリカ系非晶質材料前駆体という。)を浸績し、一定の時間保持する操作である。シリカ系非晶質材料前駆体の細孔内に十分な水が存在し、水が物質移動の媒体となって細孔の再構成が進行すると推定している。従って温度が高いほど処理速度が高い傾向が見られ、通常、50〜180℃の範囲で、1〜48時間の範囲で実施される。50℃未満の低い温度でも実施は可能であるが処理時間が長くなり好ましくない。操作性、処理時間等から60〜90℃の範囲で実施することが好ましい。
【0016】
本発明において、水熱処理をすることで如何なる理由で細孔分布が狭くなるのか詳細な検討は不十分であるが、本発明者らはこの理由を次の様に推測した。シリカ含有スラリーを成形、乾燥、焼成することによって、シリカ含有スラリー中の粒子間の架橋反応が進行し、約100Å以下の細孔径を有する構造体が形成される。乾燥工程や焼成工程においては、ガス雰囲気中における加熱によるゲル間の脱水、架橋であり、固相反応であるから、得られたシリカ系非晶質材料前駆体は均一な細孔分布にはならない。ところが、さらに水熱処理を施すことによって、シリカゲルの加水分解と再架橋反応による反応が進行し、構造の組み替えが起こると推測される。また、得られる細孔容積が粒子の最密充填による空隙率に近いことから、水熱反応によって熱力学的に安定な充填構造に変化し、この結果、細孔径30〜50Åの狭い範囲に細孔分布を有するものが得られたものと推測した。
【0017】
なお、水熱処理前後で含まれる金属組成が変化していないことを確認した。金属組成の分析は蛍光X線分析(Phillips社製、PW2400)、又はアルカリ溶融塩で溶解させ、プラズマ発光分光分析器(Thermo Jarrel Ash社製 IRIS AP)によって測定し、各元素を酸化物換算して求めることができる。
【0018】
本発明のシリカ系非晶質材料は様々な形態で得ることが可能である。例えば、多孔質支持体にシリカ含有スラリーを塗布し、乾燥、焼成、水熱処理することで、細孔径30〜50Åの範囲の細孔が80%以上である、細孔分布の狭い膜材料を得ることができる。また、球状の粒子を得ることもできる。球状の粒子の製造方法の一例を示すと、シリカ含有スラリーをスプレードライヤー等で噴霧乾燥する。ついで焼成してシリカ系非晶質材料前駆体からなる球状の粒子を得た後、さらに水熱処理を行い細孔径30〜50Åの範囲の細孔が80%以上である、細孔分布の狭いシリカ系非晶質材料からなる球状粒子を得る。本発明のシリカ系非晶質材料の比表面積は、窒素吸着法による測定で60〜400m2 /gであり、好ましく60〜300m2 /gである。また、該比表面積は、水熱処理後の焼成温度を調整することで、各用途によって要求される比表面積になるようにすることも可能である。
【0019】
本発明のシリカ系非晶質材料は、顔料、充填剤、研磨剤、化粧品基剤、農薬用担体、触媒担体、吸着材、膜構成材料等に好適に用いることができる。
以下に具体例を挙げて説明すると、顔料の求められる用件としては、水、油、有機溶剤などに不溶性の微細な粉末で、機械的強度が強いことが求められている。本発明のシリカ系非晶質材料からなる球状粒子は機械的強度が大きく、さらに耐水性、耐油性、耐有機溶剤性にも優れていることから、好ましく用いることができる。また、顔料としては小さな粒子が一般的に用いられ、粒子径が10μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは5μm以下である。
【0020】
本発明のシリカ系非晶質材料は、細孔径30〜50Åの範囲の細孔が80%以上であり、細孔分布が狭いことからインクジェットプリンター用紙のインク吸収材などとしても有効に用いられる。
また、本発明のシリカ系非晶質材料は、細孔容積が小さく、嵩密度が高いことから、従来の合成シリカ充填剤の有していた欠点がなく、また、機械的強度も大きいことからポリマーの強度を増加させる補強剤として有用である。さらに、本発明のシリカ系非晶質材料は、艶消し剤や塩化ビニルペースト、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂のプレポリマー粘度調整材としても有用である。
【0021】
本発明のシリカ系非晶質材料からなる粒子は、細孔径の分布範囲が狭く、様々な金属イオンをイオン交換によって担時することも可能である。
本発明のシリカ系非晶質材料は、前述のように製造に際し、シリカ以外に含まれる成分の影響を受けにくく、シリカ以外の様々な元素を含むことが可能であることから、含有させる金属を選択することで酸触媒、塩基触媒、また触媒担体として用いることが可能である。Tiを含有したシリカ系非晶質材料は、チタンを含むシリカ含有スラーから直接合成することができ、均一にチタンを含み、光触媒として利用できる。また、Zr含有シリカ系非晶質材料は、耐酸性に優れた担体として用いることができ、さらに耐摩耗性が要求される流動床用触媒担体として用いる場合は、これに触媒活性成分を担持させるが、これらの成分としては対象になる反応により活性成分が適宜選定すれば良い。例えばモリブデン、バナジウム、コバルト、ニッケル、銀、銅、タングステン、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び又は亜鉛などの成分が挙げられる。これらの成分を本発明の球状シリカ系非晶質材料に担持させる方法としては、その成分に応じて通常の含浸法、沈殿法、イオン交換法、熔融含浸法又は蒸着法などが採用される。
【0022】
さらに、本発明のシリカ系非晶質材料の触媒担体としての適用可能な反応例を挙げると、例えば酸化エチレンからアセトアルデヒドへの異性化反応、エチレンシアンヒドリンの脱水によるアクリロントリルの製造反応、ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドよりアクロレインを合成する反応、オレフィンの水和反応、ナフタレン又はo−キシレンの酸化により無水フタル酸を得る反応などが挙げられる。
【0023】
特にアルミニウムを酸化物として1〜15wt%、好ましくは5〜15wt%、かつマグネシウムを酸化物として1〜15wt%、好ましくは3〜15wt%含むシリカ系非晶質材料は、パラジウム金属担持触媒、パラジウム金属化合物担持触媒の担体として有用である。パラジウム金属、又はパラジウム金属化合物の担持量は担体重量に対し、通常0.1〜10wt%、好ましくは0.1〜5wt%である。
【0024】
本発明の球状シリカ系非晶質材料を担体として用いてパラジウム金属、パラジウム金属化合物を担持させる際には、含浸法、沈殿法、イオン交換法等から各反応にあった調製法を採用すれば良い。このようにして調製されたパラジウム金属担持触媒、パラジウ金属化合物担持触媒は広い触媒反応に利用することが出来る。例えば、アルデヒドとアルコールから酸化的カルボン酸エステル化反応、アセチレン類のオレフィン類への部分水素化反応、パラフィン類への完全水素化反応、ジオレフィン類のモノオレフィン化反応、オレフィンの選択水素化反応、脂肪族脱ハロゲン化反応、芳香族脱ハロゲン化反応、酸クロライドの還元反応、芳香族ニトロ化合物のアミンへの水素化反応、芳香族カルボニルの水素化反応、安息香酸の環水素化反応、フェノールのシクロヘキサンへの水素化、芳香族ケトンのアルコールへの水素化、芳香族ケトンのアルキル芳香族への水素化、芳香族カルボニルの水素化分解、芳香族カルボニルの脱カルボニル、芳香族ニトリルアルデヒドへの水素化、シクロヘキセンの不均化、オレフィンの移動、アニリン類の還元N−メチル化、芳香族ニトロ化合物のヒドラゾベンゼン化合物への水素化、ニトロヘキサン類のシクロオキサノン類への水素化、ニトロオレフィン類のアルキルアミン類への水素化、オキサム類の第一アミンへの水素化、脱ベンジル反応、エポキサイドのアルコール類への水素化、還元アミノ化、キノン類のハイドロキノン類への水素化、芳香族エステル類の環水素化、フラン環の水素化、ピリジン化合物の環の水素化、硝酸塩のヒドロキシアミンへの水素化、過酸化物の水素化、脂肪族ニトロ化合物の水素化、アセトオキシレーション、カルボニレーション、脱水素反応、液相酸化反応、デオキソ反応、一酸化炭素の酸化、NOXの還元などの触媒として利用できる。
【0025】
【発明実施の形態】
・含有量:アルカリ溶融塩で溶解させ、プラズマ発光分光分析器(ThermoJarrel Ash社製IRIS AP)によって測定し、各元素を酸化物換算して求めた。
・比表面積:窒素ガス吸着法(島津製作所製 ソープトグラフADS−1B)で測定した。
・細孔容積と細孔分布:20〜150Å範囲で、窒素ガス吸着法(カルロ・エルバ社製 ソープトマチック1800)で測定し、窒素の脱離スペクトルで評価した。150Å以上は水銀圧入法(島津製作所製 オートポア9200)で測定した。
・結晶性:理学製RINT2500のX線回折装置を用い粉末法で測定判断した。
【0026】
【実施例1】
500リットルのステンレス製容器に、硝酸アルミニウム九水和物37.6kg、硝酸マグネシウム六水和物25.5kg、60%硝酸5.4kg、水46.7kgを入れ撹拌しておく。ついで、シリカゾル溶液(日産化学(株)製 スノーテックスN−30(SiO2 30%))200.0kgを少しずつ加え混合させ、スラリーを15℃に保ち2時間撹拌する。その後、スラリー温度を50℃になるように撹拌下に加温し、スラリー温度が50℃になったらそのまま24時間保持した。このスラリーを、130℃の温度に設定したスプレードライヤーで噴霧乾燥し固形物を得た。つぎに、得た固形物をロータリーキルンで室温から300℃まで2時間かけ昇温後1時間保持した。さらに600℃まで2時間で昇温後1時間保持した後徐冷して、球状シリカ−アルミナ−マグネシア粒子Aを得た。この粒子Aを1kg、90℃に加熱された5リットルの蒸留水が入った10リットルのステンレス製容器に投入し、かき混ぜながら24時間保持して水熱処理を行った。該処理後水分を濾別し空気中110℃で24時間乾燥した。試料として一部を取り80℃の真空乾燥器で24時間乾燥後、組成分析、比表面積、細孔分布、細孔容積の測定を行った。酸化物としてシリカ/アルミナ/マグネシア=86.9/7.5/5.6であった。X線回折からは図1に示すように、シリカゲルと同様の非晶質パターンが得られた。水銀法細孔分布測定からは100から10000Åの範囲に細孔はなかった。窒素吸着法で求めた比表面積は226m2 /g、細孔容積は0.26ml/gであった。細孔分布は、表1に示したように、細孔径40〜40Åに90%以上が存在する極めて均一な孔径分布を示した。
【0027】
【比較例1】
実施例1の水熱処理を行わなかった以外同様の操作で得た焼成後の粒子の物性を測定した。X線回折から、シリカゲルと同様の非晶質パターンが得られた。水銀法からは100から10000Åの範囲に細孔はなかった。窒素吸着法で求めた比表面積141m2 /g、細孔容積0.28ml/g、細孔分布は、表1に示したように、細孔径分布は30〜50Åに約14%しかなく、70Å近傍に幅の広いピークが存在している。
【0028】
【実施例2】
原料としてシリカゾルを日産化学社製スノーテックスN−30を日産化学社製スノーテックスN−40に代え、Al、Mg成分を添加せずにシリカ単独組成にした以外は実施例1と同操作でスプレードライヤーを用い噴霧乾燥し固形物を得た。つぎに、得た固形物をロータリーキルンで室温から300℃まで2時間かけ昇温後1時間保持した。さらに500℃まで2時間で昇温後1時間保持した後徐冷し、球状シリカ粒子Bを得た。さらに水熱処理温度を80℃にし48時間水熱処理を行い物性を測定した。X線回折から、シリカゲルと同様の非晶質パターンが得られた。水銀法からは100から10000Åの範囲に細孔はなかった。窒素吸着法で求めた比表面積は301m2 /g、細孔容積は0.22ml/g、細孔分布は、表1に示したように、細孔径30〜50Åに91%存在する、孔径分布の狭いものであった。
【0029】
【比較例2】
実施例2の水熱処理を行わなかった以外同様の操作で得た焼成後の粒子の物性を測定した。X線回折から、シリカゲルと同様の非晶質パターンが得られた。水銀法からは100から10000Åの範囲に細孔はなかった。窒素吸着法で求めた比表面積149m2 /g、細孔容積0.24ml/g、細孔分布は、表1に示したように、細孔径30〜50Åに15%しかなく、90Å近傍に幅の広いピークの存在するものであった。
【0030】
【実施例3】
500リットルのステンレス製容器に、硝酸アルミニウム九水和物37.6kg、硝酸5.4kg、水46.7kgを入れ撹拌しておく。ついで、シリカゾル溶液(日産化学社製 スノーテックスN−30(SiO2 30%))200.0kgを少しずつ加え混合させ、スラリーを15℃に保ち2時間撹拌する。その後昇温しスラリー温度が40℃になったらそのまま24時間保持した。このスラリーを、130℃の温度に設定したスプレードライヤーで噴霧乾燥し固形物を得た。つぎに、得た固形物をロータリーキルンで室温から300℃まで2時間かけ昇温後1時間保持した。さらに650℃まで2時間で昇温後1時間保持した後徐冷して、球状シリカーアルミナ粒子Cを得た。この粒子Cを1kg、70℃に加熱された5リットルの蒸留水が入った10リットルのステンレス製容器に投入しかき混ぜながら48時間保持して水熱処理を行った。処理後水分を濾別し空気中110℃で24時間乾燥した。試料として一部を取り80℃の真空乾燥器で24時間乾燥後、組成分析、比表面積、細孔分布、細孔容積の測定を行った。酸化物としてシリカ/アルミナ/=92.1/7.9であった。X線回折からはシリカゲルと同様の非晶質パターンが得られた。水銀法細孔分布測定からは100から10000Åの範囲に細孔はなかった。窒素吸着法で求めた比表面積は211m2 /g、細孔容積は0.25ml/gであった。細孔分布は、表1に示したように、細孔径30〜50Åに89%存在する狭い細孔分布を示した。
【0031】
【実施例4】
500リットルのステンレス製容器に、チタニアゾル(石原テクノ社製 STS−018(TiO2 30%))12.8kgを入れ撹拌しておく。ついで、シリカゾル溶液(日産化学社製 スノーテックスN−30(SiO2 30%))200.0kgを少しずつ加え混合させ、スラリーを15℃に保ちそのまま24時間保持した。このスラリーを、130℃の温度に設定したスプレードライヤーで噴霧乾燥し固形物を得た。つぎに、得た固形物をロータリーキルンで室温から300℃まで2時間かけ昇温後1時間保持した。さらに550℃まで2時間で昇温後1時間保持した後徐冷して、球状シリカーチタニア粒子Dを得た。この粒子Dを1kg、90℃に加熱された5リットルの蒸留水が入った10リットルのステンレス製容器に投入しかき混ぜながら12時間保持して水熱処理を行った。処理後水分を濾別し空気中110℃で24時間乾燥した。試料として一部を取り80℃の真空乾燥器で24時間乾燥後、組成分析、比表面積、細孔分布、細孔容積の測定を行った。酸化物としてシリカ/チタニア=93.9/6.0であった。X線回折からは主なピークはシリカゲルと同様の非晶質パターンであった。水銀法細孔分布測定からは100から10000Åの範囲に細孔はなかった。窒素吸着法で求めた比表面積は236m2 /g、細孔容積は0.26ml/gであった。細孔分布は、表1に示したように、細孔径30〜50Åに88%存在する狭い細孔分布を示した。
【0032】
【表1】
Figure 0004526611
【0033】
【発明の効果】
本発明のシリカ系非晶質材料は、細孔直径が30〜50Åの範囲に細孔容積の80%以上がある、極めてシャープな細孔分布構造を有するシリカ系非晶質材料であり、細孔容積が小さく緻密であることから機械的強度が強く、かつ比表面積が大きいことから、顔料、充填剤、研磨剤、化粧品基剤、農業用担体、触媒、触媒担体、吸着剤、機能膜材料等の機能材料として、産業上大いに有用である。
また、本発明のシリカ系非晶質材料は、シリカ系材料からなるスラリーを調製、乾燥、焼成後、簡単な水熱処理操作によって再現性良く製造することできるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたシリカ系非晶質材料のX線回折スペクトル図である。

Claims (4)

  1. シリカ単独又はシリカとNa、K、Ca、Mg、Zr、Ti、Ge、Ga、Alから選ばれる少なくとも1種の成分の酸化物からなるスラリーを調合後乾燥し、800℃以下の温度で焼成した後、さらに60℃以上の温度で水熱処理する、下記a)〜c)
    a)比表面積 ; 60〜400(m/g)
    b)細孔容積 ; 0.1〜0.4(cc/g)
    c)細孔分布 ; 窒素法脱離スペクトルから求めた細孔分布において細孔の80%以上が細孔径30〜50Åの範囲に存在する
    を満足するシリカ系非晶質材料の製造方法
  2. シリカ系非晶質材料が、シリカとNa、K、Ca、Mgから選ばれる少なくとも1種の成分の酸化物0〜15wt%及びZr、Ti、Ge、Ga、Alから選ばれる少なくとも1種の成分の酸化物0〜15wt%とからなることを特徴とする請求項1記載のシリカ系非晶質材料の製造方法
  3. シリカ系非晶質材料が、アルミニウムを酸化物として1〜15wt%及びマグネシウムを酸化物として1〜15wt%含むことを特徴とする請求項2記載のシリカ系非晶質材料の製造方法
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法によりシリカ系非晶質材料を製造し、前記シリカ系非晶質材料に、パラジウム金属及び/又はパラジウム金属化合物を担持させる担持触媒の製造方法。
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