JP4524478B2 - 半導体集積回路、それを内蔵したrfモジュールおよびそれを搭載した無線通信端末装置 - Google Patents

半導体集積回路、それを内蔵したrfモジュールおよびそれを搭載した無線通信端末装置 Download PDF

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Description

本発明は、無線通信システムのための送受信切換回路(アンテナスイッチ)を内蔵する半導体集積回路、それを内蔵したRF(無線周波数)モジュールおよびそれを搭載した無線通信端末装置に関し、特にWCDMA方式で重要な相互変調歪またはGSM方式で重要な高調波歪を低減するのに有益な技術に関する。
また、本発明は、DCブースト回路を含む半導体集積回路とそれを内蔵したRFモジュールに関し、特にデバイスの寿命および動作信頼性を向上するのに有益な技術である。
世界中のどんな場所でも無線通信すると言う携帯電話端末等の通信端末機器の能力であるユビキタス・カバレージは、今日現実のものではなく、現在開発が進められている。
ユビキタスを実現するためのモバイルシステムは、GSM(Global System for Mobile Communication)、PCS(Personal Communication System)、DCS(Digital Cellular System)、GPRS(General Packet Radio Service)、EDGE(Enhanced Data for GSM Evolution; Enhanced Data for GPRS)、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)等のセルラーである。これらのシステムの特性は、一定包落線と包落線変化との信号、時分割とコード分割とのマルチプレックス、高(数ワット)から低(マイクロワット)への送信出力電力の広範囲な組み合わせに及んでいる。その結果、マルチバンドとマルチモードとの応用の要望が、大きくなっている。
一方、下記非特許文献1には、GSM、DCS、PCS、WCDMAのクワッドバンドのためのアンテナスイッチマイクロウェーブモノリシックIC(MMIC)が記載されている。このMMICは、GSM方式とDCS方式とPCS方式のそれぞれの方式の送信信号と受信信号とを時分割で直列処理できるとともに、WCDMA方式の送信信号と受信信号とをコード分割で並列処理することができる。スイッチには、バリア層としてAlGaAsが使用され、チャネル層としてInGaAsが使用され、低いオン抵抗を持つヘテロ接合構造のHEMT(High Electron Mobility Transistor)が使用されている。また、下記非特許文献1には、DCSとPCS2の送信端子での2次高調波歪と3次高調波歪とは約−70dBcとなることが記載されている。
また、下記特許文献1には、無線通信システムのための送受信切換回路のためのスイッチ回路が記載されている。オン状態のスイッチ回路からの高電圧によってオフ状態のスイッチ回路の直列接続されたFETの高電圧側のFETが最初にオン状態となるのを直列接続されたFETのゲート抵抗を高電圧側から低電圧側へ順に小さな抵抗とすることにより回避している。その結果、挿入損失および高調波歪が小さい通信用電子部品を提供できるとしている。
さらに、下記特許文献2には、移動体通信機器のための高周波スイッチ回路が記載されている。オフ状態の高周波スイッチ回路の直列接続された複数のFETのうちでオン状態の高周波スイッチ回路からの高電圧が印加される入出力端子に最も近いFETのゲート抵抗だけを最大に設定して他のゲート抵抗を最大値よりも低く設定している。その結果、ゲート抵抗の抵抗値の総合計を小さくしつつ、信号経路に及ぼす影響を低減させることができるとしている。
また、下記特許文献3には、移動体通信機のためのスイッチ回路が記載されている。スイッチ回路は2つ以上の複数のゲートを有するFETで構成され、FETのドレインとドレイン隣接ゲートとの間にドレイン付加容量が接続され、FETのソースとソース隣接ゲートとの間にソース付加容量が接続されている。オフ状態のスイッチのFETのドレインとドレイン隣接ゲートとの間にドレイン付加容量により、オン状態のスイッチ回路からの負方向の電圧の振れによってオフ状態のスイッチのFETがオンする現象が抑圧できる。また、オフ状態のスイッチのFETのソースとソース隣接ゲートとの間にソース付加容量により、オン状態のスイッチ回路からの正方向の電圧の振れによってオフ状態のスイッチのFETがオンする現象が抑圧できる。その結果、低電圧で低歪特性の高周波スイッチを実現することができるとしている。尚、下記特許文献3に対応する米国特許は、第5,774,792号 明細書である。
また、下記特許文献4には、携帯端末等の無線通信機器のためのアンテナスイッチ回路が記載されている。アンテナスイッチ回路のFETは、ドレイン・ソース間に複数のゲートを持つマルチゲートトランジスタとされている。複数のゲートの隣り合うゲートに挟まれたゲート間領域が電位安定化抵抗を介してドレインとソースとに接続されことによって、マルチゲート型のFETのドレイン・ソース間の信号漏れを抑圧できるとしている。
世界中のどんな場所でも無線通信すると言う携帯電話端末等の通信端末機器の能力であるユビキタス・カバレージは、今日現実のものではなく、現在開発が進められている。
ユビキタスを実現するためのモバイルシステムは、GSM(Global System for Mobile Communication)、PCS(Personal Communication System)、DCS(Digital Cellular System)、GPRS(General Packet Radio Service)、EDGE(Enhanced Data for GSM Evolution; Enhanced Data for GPRS)、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)等のセルラーや、無線LAN(Local Area Network)、WIMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等の様々なシステムが存在する。
これらのシステムの特性は、一定包落線や包落線変化との信号、時分割、周波数分割とコード分割等のマルチプレックス、高(数ワット)から低(マイクロワット)への送信出力電力の広範囲な組み合わせに及んでいる。その結果、1つの端末で複数のシステムに対応するマルチモード化の要望が大きくなっている。時分割で送信と受信とを切り替える時分割送受信を採用するシステムに対応するモバイル通信端末や、マルチモード対応した通信を行なうモバイル通信端末では、送信モードと受信モードとの間の切り替えをする必要がある。この切り換えに、アンテナスイッチが用いられている。
モバイル端末では、電池駆動であるために、低消費電力化が求められている。モバイル通信端末で最も電力を消費するのは、送信信号の電力を数Wの大電力に増幅する電力増幅器である。この電力増幅器の電力変換効率を高めることが、低電力化に有効である。しかし、増幅信号を低損失のアンテナスイッチを介してアンテナに供給して空間に放出することも、モバイル端末全体としての電力変換効率の向上および低消費電力化に有効である。従って、電力増幅器とアンテナとの間に接続されるアンテナスイッチは、低損失であることが求められる。
また、電波資源は各国や各地域によって管理運用されており、電波を空間に放出するモバイル通信端末は国や地域毎に、各システムに使用できる電波の周波数や電力強度が規定されている。そのため、高調波電力のようなシステムで用いられる周波数以外で空間に放出される電力強度は、法律等で決められた値以下に抑制する必要がある。端末より放出される電力は電力増幅器で増幅され、アンテナスイッチを介してアンテナより放射される。通常、電力増幅器から発生する高調波は、電力増幅器の出力のLPF(Low Pass Filter)で十分に抑制されることができる。しかし、LPFの出力に接続されたアンテナスイッチにおいて発生した高調波歪みは、そのままアンテナを介して空間に放出される。従って、アンテナスイッチにおいては、高調波歪みの発生の抑制、すなわち高線型性能も要求される。
従来では、PINダイオードを用いたアンテナスイッチが、一般的であった。しかし、下記非特許文献2に記載されているように、マイクロ波信号スイッチにPINダイオードよりも高速なGaAsスイッチFET(Field Effect Transistor)が使用される。
しかし、GaAsスイッチFETの降伏電圧は、PINダイオードの降伏電圧よりもはるかに低いと言う欠点がある。従って、下記非特許文献2には、GaAsマイクロウェーブモノリシックIC(MMIC)において多数のFETセルを直列に接続して、FET1段当りに印加される電圧を小さくすることによって、この欠点を解決する技術が記載されている。
また、GaAsモノリシックスイッチICでは、送信電力が増加すると、波形歪が発生する。従って、下記非特許文献3には、波形歪の問題を解決するためのフィードフォワード回路を含むスイッチが記載されている。このスイッチは、RF信号入力端子と接地電位との間に第1FETのドレイン・ソース経路が接続され、RF信号入力端子とRF信号出力端子との間に第2FETのソース・ドレイン経路が接続される。フィードフォワード回路は、RF信号入力端子と第1FETのゲートとの間に直列接続されたフィードフォワード容量とダイオードとを含んでいる。RF信号をRF信号入力端子からRF信号出力端子へ伝達しない際には、第1FETはオン、第2FETはオフに制御される。逆に、RF信号をRF信号入力端子からRF信号出力端子へ伝達する際には、第1FETはオフ、第2FETはオンに制御される。このRF信号の伝達時には、フィードフォワード回路を介してRF信号入力端子のRF信号の低レベルが第1FETのゲートに負電圧として伝達される。従って、波形歪とRF送信電力の損失との問題を回避することができる。
また、下記特許文献5には、複数のRF信号源に接続された複数のスイッチエレメントを含むRFスイッチに、複数のDCブースト回路を接続することが記載されている。複数のスイッチエレメントは複数のFETで構成され、FETのゲートにはオン・オフ制御のためのDC制御電圧が印加される。このDC制御電圧は一般にはシステム電源電圧から生成されるが、DC制御電圧が2.5ボルト以下に低下するとRF出力信号に歪を与える高調波信号成分が著しく増加する。下記特許文献5では、複数のダイオードと複数の容量と複数の抵抗で構成されたDCブースト回路に、DC制御電圧とRF信号とが供給される。RF信号の正電圧と負電圧とに応答した複数のダイオードと複数の容量とによる充放電動作により、DC制御電圧よりも大きなDC出力電圧がDCブースト回路から抽出される。複数の抵抗はDCブースト回路を高入力インピーダンスとして、RF信号源からDCブースト回路に大きな電流が流れるのを防止している。
Hiroyuki Tosaka et al,"An Anttena Switch MMIC Using E/D Mode p−HEMT for GSM/DCS/PCS/WCDMA Bands Application", 2003 IEEE Radio Frequency Integrated Circuits Symposium, PP.519−522. M.B.Shifrin at al, "Monolithic FET Structures for High−Power Control Component Applications", IEEE TRANSACTIONS ON MICROWAVE THEORY AND TECHNIQUES, VOL.37, NO 12, DECEMBER 1989, PP.2134−2141. K.Miyatsuji at al, "A GaAs High−Power RF Single−Pole Double−Throw Switch IC for Digital Mobile Communication System", 1994 IEEE International Solid−State Circuit Conference DIGEST OF TECHNICAL PAPERS, PP.34−35. 特開昭2005−072671号 公報 特開昭2006−174425号 公報 特開平8−70245号 公報 特開昭2000−101032号 公報 米国特許出願公開 US2004/0229577A1
本発明者等は、本発明に先立ってGSM、GSM、DCS、PCS、WCDMAのマルチバンドの送受信を可能とする携帯電話に搭載されるアンテナスイッチマイクロウェーブモノリシックIC(MMIC)と、それを内蔵したRFモジュールとの開発に従事した。
図1は、本発明に先立って開発されたアンテナスイッチMMICを内蔵したRFモジュールとベースバンド信号処理LSIとを搭載した携帯電話の構成を示すブロック図である。
同図で、携帯電話の送受信用アンテナANTにはRFモジュールRF_MLのアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の共通の入出力端子I/Oが接続されている。ベースバンド信号処理LSI(BB_LSI)からの制御信号B.B_Cntは、RFアナログ信号処理半導体集積回路(RF_IC)を経由して高出力電力増幅器モジュール(HPA_ML)のコントローラ集積回路(CNT_IC)に供給される。送受信用アンテナANTから共通の入出力端子I/OへのRF信号の流れは携帯電話の受信動作RXとなり、共通の入出力端子I/Oから送受信用アンテナANTへのRF信号の流れは携帯電話の送信動作TXとなる。
RF IC(RF_IC)はベースバンド信号処理LSI(BB_LSI)からの送信ベースバンド信号Tx_BBSをRF送信信号に周波数アップコンバージョンを行い、逆に送受信用アンテナANTで受信されたRF受信信号を受信ベースバンド信号Rx_BBSに周波数ダウンコンバージョンを行いベースバンド信号処理LSI(BB_LSI)に供給する。
RFモジュールRF_MLのアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)は共通の入出力端子I/Oと送信端子Tx1、Tx2、受信端子Rx2、Rx3、Rx4、送受信端子TRx1、TRx5のいずれかの端子の間で信号経路を確立して、受信動作RXと送信動作TXとのいずれかを行う。このアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)は受信動作RXと送信動作TXとのいずれかのために確立した信号経路以外の信号経路のインピーダンスを極めて高い値に設定することで、必要なアイソレーションが得られるものである。
図2は、本発明に先立って開発されたアンテナスイッチMMICの複数の高周波スイッチの構成を示すブロック図である。図2のアンテナスイッチMMICは、図1に示した携帯電話に搭載されたRFモジュールRF_MLに内蔵されている。
図2に示すようにアンテナスイッチMMICは複数の高周波スイッチQa、Qb、Qcを含んでいる。高周波スイッチQaは、共通の入出力端子I/Oと送信端子Tx2(GSM850またはGSM900のRF送信信号を出力する送信端子)の間で信号経路を確立するためのスイッチである。高周波スイッチQbは、共通の入出力端子I/Oと送信端子Tx1(DCS1800またはPCS1900のRF送信信号を出力する送信端子)の間で信号経路を確立するためのスイッチである。高周波スイッチQcは、共通の入出力端子I/Oと送受信端子TRx1(WCDMA1900のRF送信信号を出力してWCDMA2100のRF受信信号を入力する送受信端子)の間で信号経路を確立するためのスイッチである。
図2は、高周波スイッチQaがオン状態とされ、他の高周波スイッチQb、Qcはオフ状態とされる場合を示している。複数の高周波スイッチQa、Qb、Qcの各スイッチは6個の直列接続されたNチャンネルの電界効果トランジスタ(以下、FETと称する)で構成されることにより、扱う電圧を増大するとともに送信と受信との両方での挿入損出が最小となるように低いオン抵抗を確保している。尚、各FETは、HEMTトランジスタとなっている。各スイッチの6個の直列接続されたHEMTトランジスタのゲートには6個のゲート抵抗が接続され、6個のゲート抵抗は他の1個の抵抗を介して高周波スイッチのオン・オフを制御するための制御入力端子に接続される。各スイッチの6個の直列接続されたHEMTトランジスタのドレイン・ソース間には、スイッチの6個のHEMTトランジスタがオフ状態の時にドレイン電圧とソース電圧とを等しくするための比較的抵抗値の高い抵抗が接続されている。6個のゲート抵抗と他の1個の抵抗の抵抗値を比較的高い値に設定することにより、スイッチがオフ状態の時に6個の直列接続されたHEMTトランジスタのドレイン・ゲート寄生容量とソース・ゲート寄生容量とドレイン・ソース間抵抗とを介してRF信号入力端子からオン・オフ制御入力端子に漏れ込むRF信号損出を低減することができる。
また、図2に示した高周波スイッチでは、前記特許文献3に記載されているように、各スイッチは2つ以上の複数のゲートを有するFETで構成され、FETのドレインとドレイン隣接ゲートとの間にドレイン付加容量が接続され、FETのソースとソース隣接ゲートとの間にソース付加容量が接続されている。上述したように図2は、高周波スイッチQaがオン状態とされ、他の高周波スイッチQb、Qcはオフ状態とされる場合を示している。高レベルのゲート制御電圧Vctrl_aによって高周波スイッチQaがオン状態とされることにより、GSM850もしくはGSM900のRF送信信号が送信端子Tx2から共通の入出力端子I/Oに供給される。ゼロボルトのゲート制御電圧Vctrl_b、Vctrl_cによって、他の高周波スイッチQb、Qcはオフ状態とされている。しかし、共通の入出力端子I/Oに供給されている高周波スイッチQaを経由したRF送信信号によって、他の高周波スイッチQb、Qcの6個の直列接続されたHEMTトランジスタのドレイン・ソース間が駆動される。良く知られているように、電界効果トランジスタのドレインとソースとはデバイス構造で決定されるのではなく、厳密にはキャリヤを放出する方がソースであり、キャリアを収集する方がドレインである。従って、良く知られているように、対称型電界効果トランジスタでは流れる電流の方向が逆転すると、電流逆転前のドレインとソースとは電流逆転後のソースとドレインとなる。
しかし、説明の簡素化のために図2でオフ状態の他の高周波スイッチQb、Qcでは、共通の入出力端子I/Oに接続された方をドレインと呼び、送信端子Tx1、送受信端子TRx1に接続された方をソースと呼ぶことにする。図2ではオフ状態のスイッチQb、Qcの共通の入出力端子I/Oに近接したFETQ1b、Q1cのドレインとドレイン隣接ゲートとの間のドレイン付加容量C11Tx1、C11TRx1により、オン状態のスイッチQaからのRF送信信号の負方向の電圧の振れによってオフ状態のスイッチQb、Qcの近接FETQ1b、Q1cがオンする現象が抑圧できる。また、オフ状態のスイッチQb、Qcの送信端子Tx1、送受信端子TRx1に近接したFETQ6b、Q6cのソースとソース隣接ゲートとの間のソース付加容量C12Tx1、C12TRx1により、オン状態のスイッチQaからのRF送信信号の正方向の電圧の振れによってオフ状態のスイッチQb、Qcの近接FETQ6b、Q6cがオンする現象が抑圧できる。
図3は、図2に示した高周波スイッチのオフ状態のスイッチQbの等価回路を示す図である。図3では、スイッチQbは、6個の直列接続されたNチャンネルのHEMTトランジスタQ1b…Q6bと、6個のゲート抵抗Rg1b…Rg6bと、オン・オフ制御入力端子Vctrl_bに接続された他の1個の抵抗Rg7bと、6個のドレイン・ソース間抵抗Rd1b…Rd6bと、ドレイン付加容量C11Tx1と、ソース付加容量C12Tx1とにより構成されている。6個の直列接続されたNチャンネルのHEMTトランジスタQ1b…Q6bは、ドレイン・ゲート寄生容量Cg11b、ソース・ゲート寄生容量Cg12b…ドレイン・ゲート寄生容量Cg61b、ソース・ゲート寄生容量Cg62bを含んでいる。
図4は、図2に示した高周波スイッチのオン状態のスイッチからのRF信号の影響によるオフ状態のスイッチの6個のHEMTトランジスタの6個のゲート抵抗と他の1個の抵抗とに印加されるRF漏洩信号の分布を説明する図である。図4のオン状態のスイッチQkとオフ状態のスイッチQlとは、図2のオン状態のスイッチQaとオフ状態のスイッチQbとに対応するものと理解されたい。
図4では、一方のオン・オフ制御入力端子Vctrl_kと他方のオン・オフ制御入力端子Vctrl_lとはそれぞれ4.5ボルト、0ボルトに設定されることにより、一方のスイッチQkはオン状態とされ、他方のスイッチQlはオフ状態される。一方のスイッチQkの6個のゲート抵抗Rg1k…Rg6kは全て10KΩとされ、オン・オフ制御入力端子Vctrl_kに接続された他の1個の抵抗Rg7kは20KΩとされ、6個のドレイン・ソース間抵抗Rd1k…Rd6kは全て15KΩとされ、各HEMTトランジスタのドレイン・ゲート寄生容量とソース・ゲート寄生容量とはそれぞれ0.4pFとされている。また、ドレイン付加容量C11Tx1kと、ソース付加容量C12Tx1kとは、それぞれ0.8pFとされている。他方のスイッチQlの6個のゲート抵抗Rg1l…Rg6lも全て10KΩとされ、オン・オフ制御入力端子Vctrl_lに接続された他の1個の抵抗Rg7lも20KΩとされ、6個のドレイン・ソース間抵抗Rd1l…Rd6lも全て15KΩとされ、各HEMTトランジスタのドレイン・ゲート寄生容量とソース・ゲート寄生容量とはそれぞれ0.4pFとされている。また、ドレイン付加容量C11Tx1lと、ソース付加容量C12Tx1lとは、それぞれ0.8pFとされている。
3個のFETQk1、Qk2、Qk3は3個のゲートGk1、Gk2、Gk3がマルチゲート構造とされた1個のFETで構成され、3個のFETQk4、Qk5、Qk6は3個のゲートGk4、Gk5、Gk6がマルチゲート構造とされた1個のFETで構成されている。同様に、3個のFETQl1、Ql2、Ql3は3個のゲートGl1、Gl2、Gl3がマルチゲート構造とされた1個のFETで構成され、3個のFETQl4、Ql5、Ql6は3個のゲートGl4、Gl5、Gl6がマルチゲート構造とされた1個のFETで構成されている。
前記特許文献4と同様に、マルチゲート構造のゲートGk1とゲートGk2との間のゲート間領域(FETQk1、Qk2の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd1kを介してFETQk1のソースに接続されている。また、マルチゲート構造のゲートGk2とゲートGk3との間のゲート間領域(FETQk2、Qk3の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd2k、Rd1kを介してFETQk1のソースに接続されている。更に、マルチゲート構造のゲートGk2とゲートGk3との間のゲート間領域(FETQk2、Qk3の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd3kを介してFETQk3のドレインに接続されている。また、マルチゲート構造のゲートGk4とゲートGk5との間のゲート間領域(FETQk4、Qk5の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd4kを介してFETQk4のソースに接続されている。マルチゲート構造のゲートGk5とゲートGk6との間のゲート間領域(FETQk5、Qk6の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd5k、Rd4kを介してFETQk4のソースに接続されている。更に、マルチゲート構造のゲートGk5とゲートGk6との間のゲート間領域(FETQk5、Qk6の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd6kを介してFETQk6のドレインに接続されている。
マルチゲート構造のゲートGl1とゲートGl2との間のゲート間領域(FETQl1、Ql2の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd1lを介してFETQl1のソースに接続されている。また、マルチゲート構造のゲートGl2とゲートGl3との間のゲート間領域(FETQl2、Ql3の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd2l、Rd1lを介してFETQl1のソースに接続されている。更に、マルチゲート構造のゲートGl2とゲートGl3との間のゲート間領域(FETQl2、Ql3の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd3lを介してFETQl3のドレインに接続されている。また、マルチゲート構造のゲートGk4とゲートGk5との間のゲート間領域(FETQl4、Ql5の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd4lを介してFETQl4のソースに接続されている。マルチゲート構造のゲートGl5とゲートGl6との間のゲート間領域(FETQl5、Ql6の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd5l、Rd4lを介してFETQl4のソースに接続されている。更に、マルチゲート構造のゲートGl5とゲートGl6との間のゲート間領域(FETQl5、Ql6の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd6lを介してFETQl6のドレインに接続されている。
図4で、一方のオン・オフ制御入力端子Vctrl_kが4.5ボルトに設定されることにより、一方のスイッチQkはオン状態とされる。一方のスイッチQkの6個のNチャンネルのHEMTトランジスタのドレイン・ソース間のチャンネルは極めて低い抵抗となるので、一方のスイッチQkは低いオン抵抗のオン状態となり、送信端子Tx1kに供給されたRF信号はオン状態のスイッチQkを介して共通の入出力端子I/Oに低い挿入損出で伝達される。この時、スイッチQkの6個のNチャンネルのHEMTトランジスタのそれぞれのゲートとドレインとの間、ゲートとソースの間、ゲートとチャンネルとの間の全てのヘテロ接合(ショットキー接合)は、順方向にバイアスされる。HEMTトランジスタのこのヘテロ接合の順方向電圧は略0.7ボルトなので、共通の入出力端子I/Oの浮遊容量の充電電圧の上昇は4.5ボルト−0.7ボルト=3.8ボルトでクランプされる。
共通の入出力端子I/Oの直流レベルは略3.8ボルトのクランプ電圧であるのに対して、他方のオン・オフ制御入力端子Vctrl_lが0ボルトであるので、他方のスイッチQlはオフ状態とされる。他方のスイッチQlの6個のNチャンネルのHEMTトランジスタのドレイン・ソース間のチャンネルは無限大に近い高い抵抗となるので、他方のスイッチQlはオフ状態となり、RF信号が供給された共通の入出力端子I/Oと送信端子Tx1lとの間で高いアイソレーションを得ることができる。
携帯電話端末のためのアンテナスイッチMMICのオン状態のスイッチの挿入損失は極めて低いレベルとする一方、オフ状態のスイッチは高いアイソレーションが必要であるとともに低歪特性が必要となる。オフ状態のスイッチは共通の入出力端子I/Oと信号端子との間を絶縁するとともに、共通の入出力端子I/Oでの歪をできるだけ低減する必要がある。GSM900のRF信号の周波数880MHz〜915MHzの2倍の周波数はPCS1900のRF信号の周波数1850MHz〜1910MHzにオーバーラップするので、オフ状態のスイッチの2次高調波歪を抑圧しなければならない。更に、DCS1800のRF信号の周波数1710MHz〜1785やPCS1900のRF信号の周波数1850MHz〜1910MHzの2倍の周波数から3倍の周波数は、3.42GHz〜5.73GHzの広帯域に拡散する。従って、人体への影響や種々の電子機器への影響を考慮すると、オフ状態のスイッチの2次高調波歪と3次高調波歪とを抑圧しなければならない。
また、RF送信信号とRF受信信号とをコード分割により並列処理することができるWCDMA方式のためのアンテナスイッチMMICの送受信端子(例えば、図1の送受信端子TRx1、TRx5)と共通の入出力端子I/Oとの間では、相互変調歪を低減する必要がある。これは、WCDMA方式のための送受信端子から共通の入出力端子I/OへWCDMA方式のRF送信信号が伝達される間に、共通の入出力端子I/OからWCDMA方式のための送受信端子へWCDMA方式のRF受信信号が伝達される。一方、共通の入出力端子I/Oでは、相互変調によってアンテナで受信された妨害信号とWCDMA方式のRF送信信号とのミキシングが行われる。ミキシングの結果、WCDMA方式のRF受信信号の周波数帯域とオーバーラップする相互変調歪信号が妨害信号としてWCDMA方式のための送受信端子に現れることになる。
本発明者等による検討によって、図4でオフ状態のスイッチQlが大きなレベルの2次高調波歪と3次高調波歪とを発生するのは、オン状態のスイッチQkからのRF信号によってオフ状態のスイッチQlのHEMTトランジスタのゲートのヘテロ接合の容量が大きく変化する時と判明した。共通の入出力端子I/Oの直流レベルの略3.8ボルトのクランプ電圧に、オン状態のスイッチQkからのRF信号が重畳される。オン状態のスイッチQkからのRF信号の振幅レベルが極めて低い場合には、共通の入出力端子I/Oの直流レベルの略3.8ボルトと0ボルトのオン・オフ制御電圧Vctrl_lとにより、NチャンネルのHEMTトランジスタのゲートのヘテロ接合は深く逆方向バイアスされ、ヘテロ接合の近傍のチャンネルの電子濃度は極めて低い。この状態のHEMTトランジスタのゲートのヘテロ接合の容量値は、極めて小さい。オン状態のスイッチQkからのRF信号の振幅レベルが増大すると、重畳電圧のレベルは略3.8ボルトから0ボルトに向かって変化する。NチャンネルのHEMTトランジスタのゲートのヘテロ接合のしきい値電圧Vthは略−1ボルトであり、NチャンネルのHEMTトランジスタのゲートのヘテロ接合はしきい値電圧Vth付近にバイアスされ、ヘテロ接合の近傍のチャンネルの電子濃度は増大する。この状態のHEMTトランジスタは重畳電圧の振幅に伴う容量値の変化が大きくなり、図4でオフ状態のスイッチQlが大きなレベルの2次高調波歪と3次高調波歪とを発生するものである。従って、本発明者等はスイッチQkをオン状態にするためのオン・オフ制御電圧Vctrl_kを以前の3ボルトから4.5ボルトに増加することによって、オン状態のスイッチQkからのRF信号によってオフ状態のスイッチQlのHEMTトランジスタのゲートのヘテロ接合の容量が大きく変化する現象を抑圧できることを回路シュミュレーションにより見い出した。スイッチQkをオン状態にするためのオン・オフ制御電圧Vctrl_kが以前の3ボルトの場合の3次高調波歪は約−70.5dBcであった。それに対して、スイッチQkをオン状態にするためのオン・オフ制御電圧Vctrl_kを4.5ボルトに増加させることによって3次高調波歪は約−77dBcに低減することができた。
このようにスイッチQkをオン状態にするためのオン・オフ制御電圧Vctrl_kを3ボルトから4.5ボルトに増加させることによって2次高調波歪と3次高調波歪とを低減することができた。またWCDMA方式で重要な相互変調歪についても、Qkをオン状態にするためのオン・オフ制御電圧Vctrl_kを3ボルトから4.5ボルトに増加させることにより5dB程度低減できることを回路シミュレーションにより見い出した。
ところが、実際に作成したスイッチにおいてはシミュレーションで予想されたような歪の改善が得られなかった。例えば、WCDMA方式で重要な相互変調歪はスイッチQkをオン状態にするためのオン・オフ制御電圧Vctrl_kを3ボルトから4.5ボルトに増加させても顕著には低減できないことが判明した。
図7は、図4に示す高周波スイッチでスイッチQkをオン状態にするためのオン・オフ制御電圧Vctrl_kを3ボルトから4.5ボルトに増加させたことによるオフ状態のスイッチQlでの相互変調歪を示す図である。オン・オフ制御電圧Vctrl_kが4.5ボルトでも、相互変調歪Lcは略−95dBmまでしか低下していない。開発当初に設定された相互変調歪Lcの目標値−100dBmには、遥かに及ぶものではない。
その結果、アンテナで受信された妨害信号とWCDMA方式のRF送信信号との共通の入出力端子I/Oでのミキシング(相互変調)による歪の発生には、オフ状態のスイッチQlのHEMTトランジスタのゲートのヘテロ接合の容量は実質的には寄与していないことが判明した。発明者はこの事実から、相互変調歪の発生にはオフ状態のスイッチQlの複数のHEMTトランジスタの複数のゲートの抵抗が関係しているのではないかと考え始めた。
図4の右下には、オン状態のスイッチQkからのRF信号Pinの影響によるオフ状態のスイッチQ1の6個のHEMTトランジスタの6個のゲート抵抗Rg1l、Rg2nl、Rg3l、Rg4l、Rg5l、Rg6lと他の1個の抵抗Rg7lに印加されるRF漏洩信号の分布が示されている。尚、図4の右下のRF漏洩信号の分布はコンピュータによるシュミュレーションの結果であり、RF信号PinのRF電力は20dBm、周波数はPCS1900の周波数帯域内の1880MHzである。PCS1900のRF送信信号の最大電力は33dBm程度であるので、20dBmのRF信号Pinは中間レベルより高めの送信電力と言うことができる。図4の右下の各抵抗Rg1l、Rg2nl、Rg3l、Rg4l、Rg5l、Rg6l、Rg71の電圧Vppはピーク・ツー・ピークのRF信号電圧である。図4の右下に示したオフ状態のスイッチQ1の6個のHEMTトランジスタの6個のゲート抵抗と他の1個の抵抗のRF漏洩信号の分布の特性L1は0.8pFのドレイン付加容量C11Tx1lとソース付加容量C12Tx1lとを接続した場合の特性であり、特性L2は0.8pFのドレイン付加容量C11Tx1lとソース付加容量C12Tx1lとを接続しなかった場合の特性である。特性L1と特性L2のいずれでも変形したU字型の不均等なRF漏洩信号の定在波がオフ状態のスイッチQ1の左端のゲート抵抗から右端のゲート抵抗まで存在している。
オフ状態のスイッチQ1の6個のHEMTトランジスタの6個のゲート抵抗Rg1l、Rg2nl、Rg3l、Rg4l、Rg5l、Rg6lと他の1個の抵抗Rg7lとが完全な線型抵抗であれば、相互変調歪等の歪は発生しない。しかし、半導体集積回路に構成される半導体抵抗を含めて大多数の抵抗素子は、完全な線型抵抗ではなく非線形抵抗である。
抵抗の両端の印加電圧をVとすると、非線形抵抗に流れる電流は次式で与えられる。
I=a・V+b・V+c・V… (数1)
従って、前記数1で与えられる非線形抵抗に流れる電流は、印加電圧Vが小さい時は第1項のa・Vで支配的に決定され、印加電圧Vが大きい時は第2項と第3項のb・V+c・Vで支配的に決定される。
一方、完全な線型抵抗では、上記の式で定数aと定数bとがゼロであり、完全な線型抵抗に流れる電流は次式で与えられる。
I=a・V+b・V+c・V
=a・V+0・V+0・V…=a・V (数2)
図4でオフ状態のスイッチQlの全て10KΩに設定され前記数1で与えられる非線形抵抗の特性を持つ6個のゲート抵抗Rg1l…Rg6lに均等なレベルのRF漏洩信号が供給されずに変形U字型の定在波のRF漏洩信号が供給されることが、相互変調歪の発生の原因であることが本発明者等によるシュミュレーションにより明らかとされた。すなわち、オフ状態のスイッチQ1の左端のゲート抵抗Rg1lと右端のゲート抵抗Rg6lとに高レベルのRF漏洩信号電圧により大きな歪電流が流れ、オフ状態のスイッチQ1の中央のゲート抵抗Rg3l、ゲート抵抗Rg4lに低レベルのRF漏洩信号電圧により小さな歪電流が流れることが原因と思われる。
従って、本発明は本発明に先立って本発明者等による困難な解析結果を基にしてなされたものである。従って、本発明の目的とするところは、RF通信端末装置に搭載されるアンテナスイッチにおいてWCDMA方式で重要な相互変調歪またはGSM方式で重要な高調波歪を低減することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴とは、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
前記特許文献5に記載されているように、RFスイッチでの高調波信号成分を低減するためにDCブースト回路にDC制御電圧とRF信号とを供給して、DC制御電圧よりも大きなDC出力電圧をDCブースト回路から抽出することは極めて有効な技術である。
本発明者等は、本発明に先立ってGSM850、GSM900、DCS1800、PCS1900のマルチバンドの送信を可能とする携帯電話に搭載されるアンテナスイッチマイクロウェーブモノリシックIC(MMIC)と、それを内蔵するRFモジュールとの開発に従事した。その開発の中で、本発明者等は前記特許文献5に記載のようなアンテナスイッチを検討した。しかし、検討の結果、このアンテナスイッチは、長時間の使用での動作信頼性が十分でないことが判明した。更に、本発明者等は、その動作信頼性が十分でないことの原因の解明を行った。以下に、本発明者等により行われた原因解明の結果を説明する。
図11は、前記特許文献5に記載されたRFスイッチのDCブースト回路と実質的に同一であり、本発明に先立って本発明者等により検討されたRFスイッチのDCブースト回路を示す回路図である。
図11のRFスイッチのDCブースト回路200は、アンテナスイッチMMICのRF入力信号RFinの一部を整流してDC制御電圧Vdcに重畳して、重畳によってDC制御電圧Vdcよりも大きなDC出力電圧Voutを生成するものである。DCブースト回路200は、容量素子206(C1)、211(C2)、抵抗素子207(R11)、208(R12)、212(R2)、ダイオード209(D1)、210(D2)で構成されている。抵抗素子207、208の抵抗値は、携帯電話のアンテナのインピーダンス50Ωに比べて十分に大きい値(例えば、10KΩ)に設定されている。その結果、DCブースト回路200の入力インピーダンスは、アンテナのインピーダンス50Ωに比べて十分に高い値となっている。従って、高周波入力端子201に入力されたRF入力信号RFinの大部分はスイッチ素子としてのFETに接続される高周波信号端子202へ流れ、残りの僅かなRF信号電力がDCブースト回路200の入力端子に供給される。
DCブースト回路200による昇圧動作は、以下のように説明される。最初に高周波入力端子201での電圧振幅が負の時には、ダイオード209が順方向にバイアスされて導通状態となり、ダイオード210が逆方向にバイアスされて非導通状態となる。この時、DC制御電圧Vdcが印加されたDC制御入力端子203からダイオード209と抵抗素子207を介して、容量素子206に電流が流入する。この流入電流によって容量素子206の抵抗素子207、208に接続された一方の端子が正電圧に充電され、容量素子206の高周波入力端子201に接続された他方の端子が負電圧に充電される。次に高周波入力端子201での電圧振幅が正の時には、ダイオード209が逆方向にバイアスされて非導通状態となり、ダイオード210が順方向にバイアスされて導通状態となる。この時、容量素子206に充電されていた正電荷は、抵抗素子208とダイオード210とを介して容量素子211に流入する。その結果、容量素子211のダイオード210のカソードに接続された一方の端子が正電圧に充電され、容量素子211のDC制御入力端子203に接続された他方の端子が負電圧に充電される。高周波入力端子201のRF入力信号RFinの正電圧振幅と負電圧振幅とに応答して、容量素子211の両端は充電電圧Vbまで充電される。その結果、DC制御入力端子203のDC制御電圧Vdcより充電電圧Vb分大きなDC出力電圧VoutがDC出力端子204から生成される。DC制御入力端子203のDC制御電圧Vdcが3ボルトで、容量素子211の両端の充電電圧が略2ボルトの場合には、DC出力端子204から生成されるDC出力電圧Voutは略5ボルトとなる。
しかし、本発明者等による検討によって、図11のRFスイッチのDCブースト回路200のダイオード209、210の両端に大きな逆方向電圧が印加されることが判明した。DC制御電圧供給端子203に3Vを印加して、DC出力端子204で略5VのDC出力電圧Voutが出力される場合、高周波入力端子201のRF入力信号RFinが負電圧振幅の時には、略1mAのRF信号電流が、DC制御入力端子203からダイオード209と10KΩの抵抗素子207とを介して高周波入力端子201に流入する。ダイオード209の両端には略1ボルトの電圧降下が発生して、10KΩの抵抗素子207の両端には略10ボルトの電圧降下が発生する。その結果、抵抗素子207、208の共通接続点の電圧は、DC制御入力端子203のDC制御電圧Vdc3ボルトよりもダイオード209と抵抗素子207とでの約11ボルトの電圧降下分低い略−8ボルトとなる。ダイオード210のカソードの電圧はDC出力端子204の略5ボルトのDC出力電圧Voutに維持され、ダイオード210のアノードには略−8ボルトの電圧が印加されている。その結果、ダイオード210の両端の間には、略13ボルトの逆方向電圧が印加されることになる。高周波入力端子201のRF入力信号RFinが正電圧振幅の時には、略1mAのRF信号電流が、高周波入力端子201から容量素子206と10KΩの抵抗素子208とダイオード210とを介してDC出力端子204とDC制御入力端子203とに流入する。10KΩの抵抗素子208の両端には略10ボルトの電圧降下が発生して、ダイオード210の両端には略1ボルトの電圧降下が発生する。その結果、抵抗素子207、208の共通接続点の電圧は、DC出力端子204の略5ボルトのDC出力電圧Voutよりもダイオード210と抵抗素子208での約11ボルトの電圧降下分高い略16ボルトとなる。ダイオード209のアノードの電圧はDC制御入力端子203のDC制御電圧Vdc3ボルトに維持され、抵抗素子207、208の共通接続点の電圧は略16ボルトの電圧となっている。その結果、ダイオード209の両端の間には、略13ボルトの逆方向電圧が印加されることになる。
以上説明したように、高周波入力端子201のRF入力信号RFinが負電圧振幅の時のダイオード210の両端の略13ボルトの大きな逆方向電圧と高周波入力端子201のRF入力信号RFinが正電圧振幅の時のダイオード209の両端の間の略13ボルトの大きな逆方向電圧とは、ダイオード210、209の特性の劣化の原因となる。従って図11に示すDCブースト回路200をアンテナスイッチMMICに適応した場合には、長期的なデバイスの寿命および動作信頼性が低いという問題があることが、本発明者等の検討により明らかとされた。
本発明の目的とするところは、内蔵のDCブースト回路の寿命および動作信頼性を向上した半導体集積回路を提供することにある。本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴とは、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
本発明の1つの形態による半導体集積回路は、複数の高周波スイッチ(Qm、Qn)を含む。
前記複数の高周波スイッチ(Qm、Qn)の一方の高周波スイッチ(Qm)の一端と前記複数の高周波スイッチ(Qm、Qn)の他方の高周波スイッチ(Qn)の一端とは共通の入出力端子(I/O)に接続され、前記共通の入出力端子(I/O)は無線周波数通信端末機器のアンテナ(ANT)と接続可能にされる。
前記一方の高周波スイッチ(Qm)の他端(Txm)には所定の通信方式によるRF送信信号(WCDMA_Tx)とRF受信信号(WCDMA_Rx)とが供給可能にされ、前記他方の高周波スイッチ(Qn)の他端(Txn)には前記RF送信信号(WCDMA_Tx)と前記RF受信信号(WCDMA_Rx)と異なる他のRF送信信号(RF_Tx)と他のRF受信信号(RF_Rx)との少なくともいずれか一方が供給可能にされる。
前記一方の高周波スイッチ(Qm)は直列接続された複数の電界効果トランジスタ(Qm1、…、Qm6)を含み、前記他方の高周波スイッチ(Qn)は直列接続された他の複数の電界効果トランジスタ(Qn1、…、Qn6)を含む。
前記一方の高周波スイッチ(Qm)の前記複数の電界効果トランジスタ(Qm1、…、Qm6)の複数のゲート(Gm1、…、Gm6)には前記一方の高周波スイッチ(Qm)のオン・オフ制御のための制御電圧(Vctrl_m)が供給可能にされる。前記他方の高周波スイッチ(Qn)の前記他の複数の電界効果トランジスタ(Qn1、…、Qn6)の他の複数のゲート(Gn1、…、Gn6)には前記他方の高周波スイッチ(Qn)のオン・オフ制御のための他の制御電圧(Vctrl_n)が供給可能にされる。
前記一方の高周波スイッチ(Qm)の前記複数の電界効果トランジスタ(Qm1、…、Qm6)の前記複数のゲート(Gm1、…、Gm6)と前記制御電圧(Vctrl_m)が供給される制御端子との間には複数の抵抗(Rg1m、…、Rg6m)が接続されている。前記他方の高周波スイッチ(Qn)の前記他の複数の電界効果トランジスタ(Qn1、…、Qn6)の前記他の複数のゲート(Gn1、…、Gn6)と前記他の制御電圧(Vctrl_n)が供給される他の制御端子との間には他の複数の抵抗(Rg1n、…、Rg6n)が接続されている。
前記他方の高周波スイッチ(Qn)で前記他の複数の電界効果トランジスタ(Qn1、…、Qn6)のうちの前記共通の入出力端子(I/O)に最も近接した入出力近接電界効果トランジスタ(Qn1)のゲート(Gn1)と前記他の制御端子(Vctrl_n)との間の入出力近接抵抗(Rg1n、Rg2n、Rg3n)は、第1の電圧・電流特性を持つ。
前記他方の高周波スイッチ(Qn)で前記入出力近接電界効果トランジスタ(Qn1)と前記他の複数の電界効果トランジスタ(Qn1、…、Qn6)のうちの前記他方の高周波スイッチ(Qn)の前記他端(Txn)に最も近接した他端近接電界効果トランジスタ(Qn6)との間の中間部の中間部電界効果トランジスタ(Qn3、4)のゲート(Gn3、4)と前記他の制御端子(Vctrl_n)との間の中間部抵抗(Rg3n、Rg4n)は、第2の電圧・電流特性を持つ。
前記他方の高周波スイッチ(Qn)で前記入出力近接抵抗(Rg1n、Rg2n、Rg3n)の前記第1の電圧・電流特性の線形性は前記中間部抵抗(Rg3n、Rg4n)の前記第2の電圧・電流特性の線形性よりも高く設定されている(図5参照)。
本発明の前記1つの形態による手段によれば、前記所定の通信方式による前記RF送信信号(WCDMA_Tx)により駆動される前記他方の高周波スイッチ(Qn)で前記入出力近接抵抗(Rg1n、Rg2n、Rg3n)の前記第1の電圧・電流特性の線形性は前記中間部抵抗(Rg3n、Rg4n)の前記第2の電圧・電流特性の線形性よりも高く設定されている。従って、前記入出力近接抵抗(Rg1n、Rg2n、Rg3n)と前記中間部抵抗(Rg3n、Rg4n)に不均等なRF漏洩信号が印加されても、前記他方の高周波スイッチ(Qn)で前記共通の入出力端子(I/O)に最も近接した前記入出力近接電界効果トランジスタ(Qn1)の前記ゲート(Gn1)の前記入出力近接抵抗(Rg1n、Rg2n、Rg3n)に流れる電流の歪を抑圧できる。その結果、WCDMA方式で重要な相互変調歪またはGSM方式で重要な高調波歪を低減することができる。
本発明の1つの好適な形態による半導体集積回路では、前記他方の高周波スイッチ(Qn)で前記他の複数の電界効果トランジスタ(Qn1、…、Qn6)のうちの前記他方の高周波スイッチ(Qn)の前記他端(Txn)に最も近接した前記他端近接電界効果トランジスタ(Qn6)のゲート(Gn6)と前記他の制御端子(Vctrl_n)との間の他端近接抵抗(Rg4n、Rg5n、Rg6n)は、第3の電圧・電流特性を持つ。
前記他方の高周波スイッチ(Qn)で前記他端近接抵抗(Rg4n、Rg5n、Rg6n)の前記第3の電圧・電流特性の線形性は前記中間部抵抗(Rg3n、Rg4n)の前記第2の電圧・電流特性の前記線形性よりも高く設定されている(図5参照)。
本発明の前記1つの好適な形態による手段によれば、前記所定の通信方式による前記RF送信信号(WCDMA_Tx)により駆動される前記他方の高周波スイッチ(Qn)で前記他端近接抵抗(Rg4n、Rg5n、Rg6n)の前記第3の電圧・電流特性の線形性は前記中間部抵抗(Rg3n、Rg4n)の前記第2の電圧・電流特性の線形性よりも高く設定されている。従って、前記他端近接抵抗(Rg4n、Rg5n、Rg6n)と前記中間部抵抗(Rg3n、Rg4n)に不均等なRF漏洩信号が印加されても、前記他方の高周波スイッチ(Qn)で前記他端(Txn)に最も近接した前記他端近接電界効果トランジスタ(Qn6)の前記ゲート(Gn6)の前記他端近接抵抗(Rg4n、Rg5n、Rg6n)に流れる電流の歪を抑圧できる。その結果、WCDMA方式で重要な相互変調歪またはGSM方式で重要な高調波歪を低減することができる。
本発明の他の1つの好適な形態による半導体集積回路では、前記入出力近接抵抗(Rg1n、Rg2n、Rg3n)の抵抗値は前記中間部抵抗(Rg3n、Rg4n)の抵抗値よりも大きく設定され、前記他端近接抵抗(Rg4n、Rg5n、Rg6n)の抵抗値は前記中間部抵抗(Rg3n、Rg4n)の抵抗値よりも大きく設定されている(図5参照)。
本発明の前記他の1つの好適な形態による手段によれば、前記中間部抵抗(Rg3n、Rg4n)に印加される中間部RF漏洩信号のレベルよりも前記入出力近接抵抗(Rg1n、Rg2n、Rg3n)に印加される入出力近接RF漏洩信号のレベルが高くても、例えばWCDMA方式で重要な相互変調歪を低減することができる。これは、前記中間部抵抗(Rg3n、Rg4n)よりも抵抗値の大きな前記入出力近接抵抗(Rg1n、Rg2n、Rg3n)に高レベルの入出力近接RF漏洩信号が印加されても、前記入出力近接抵抗(Rg1n、Rg2n、Rg3n)に流れる電流自体が低減され、信号電流の歪も低減されるためである。
本発明の前記他の1つの好適な形態による手段によれば、前記中間部抵抗(Rg3n、Rg4n)に印加される中間部RF漏洩信号のレベルよりも前記他端近接抵抗(Rg4n、Rg5n、Rg6n)に印加される他端近接RF漏洩信号のレベルが高くても、例えばWCDMA方式で重要な相互変調歪を低減することができる。これは、前記中間部抵抗(Rg3n、Rg4n)よりも抵抗値の大きな前記他端近接抵抗(Rg4n、Rg5n、Rg6n)に高レベルの他端近接RF漏洩信号が印加されても、前記他端近接抵抗(Rg4n、Rg5n、Rg6n)に流れる電流自体が低減され、信号電流の歪も低減されるためである。
本発明の1つのより好適な形態による半導体集積回路では、前記他方の高周波スイッチ(Qn)で前記他の複数の電界効果トランジスタ(Qn1、…、Qn6)のうちの前記入出力近接電界効果トランジスタ(Qn1)の次に前記共通の入出力端子(I/O)に近接した入出力第2近接電界効果トランジスタ(Qn2)のゲート(Gn2)と前記入出力近接電界効果トランジスタ(Qn1)の前記ゲート(Gn1)との間に、第1抵抗(Rg1n)が接続されている。前記入出力第2近接電界効果トランジスタ(Qn2)の前記ゲート(Gn2)と前記中間部電界効果トランジスタ(Qn3、4)の前記ゲート(Gn3、4)との間に、第2抵抗(Rg2n)が接続されている。前記中間部電界効果トランジスタ(Qn3、4)の前記ゲート(Gn3、4)と前記他の制御端子(Vctrl_n)との間に、第3抵抗(Rg3n)が接続されている。
前記入出力近接電界効果トランジスタ(Qn1)の前記ゲート(Gn1)に接続された前記入出力近接抵抗(Rg1n、Rg2n、Rg3n)は、前記第1抵抗(Rg1n)と前記第2抵抗(Rg2n)と前記第3抵抗(Rg3n)とを含む。前記入出力第2近接電界効果トランジスタ(Qn2)の前記ゲート(Gn2)に接続された入出力第2近接抵抗(Rg2n、Rg3n)は、前記第1抵抗(Rg1n)を含まず、前記第2抵抗(Rg2n)と前記第3抵抗(Rg3n)とを含む。前記中間部電界効果トランジスタ(Qn3、4)の前記ゲート(Gn3、4)に接続された前記中間部抵抗(Rg3n、Rg4n)は、前記第1抵抗(Rg1n)と前記第2抵抗(Rg2n)とを含まず、前記第3抵抗(Rg3n)を含む(図5参照)。
本発明の前記1つのより好適な形態による手段によれば、前記入出力近接抵抗(Rg1n、Rg2n、Rg3n)の高い抵抗値は、1個の高抵抗で実現されるのではなく、前記第1抵抗(Rg1n)と前記第2抵抗(Rg2n)と前記第3抵抗(Rg3n)との合計により実現されることができる。
本発明の前記1つのより好適な形態による半導体集積回路では、前記他方の高周波スイッチ(Qn)で前記中間部電界効果トランジスタ(Qn3、4)の前記ゲート(Gn3、4)と前記他の制御端子(Vctrl_n)との間に、第4抵抗(Rg4n)が接続されている。前記他方の高周波スイッチ(Qn)の前記他の複数の電界効果トランジスタ(Qn1、…、Qn7)のうちの前記他端近接電界効果トランジスタ(Qn6)の次に前記他方の高周波スイッチ(Qn)の前記他端(Txn)に近接した他端第2近接電界効果トランジスタ(Qn5)のゲート(Gn5)と前記中間部電界効果トランジスタ(Qn3、4)の前記ゲート(Gn3、4)との間に、第5抵抗(Rg5n)が接続されている。前記他端第2近接電界効果トランジスタ(Qn5)の前記ゲート(Gn5)と前記他端近接電界効果トランジスタ(Qn6)の前記ゲート(Gn6)との間に、第6抵抗(Rg6n)が接続されている。
前記他端近接電界効果トランジスタ(Qn6)の前記ゲート(Gn6)に接続された前記他端近接抵抗(Rg4n、Rg5n、Rg6n)は、前記第4抵抗(Rg4n)と前記第5抵抗(Rg5n)と前記第6抵抗(Rg6n)とを含む。前記他端第2近接電界効果トランジスタ(Qn5)の前記ゲート(Gn5)に接続された他端第2近接抵抗(Rg4n、Rg5n)は、前記第6抵抗(Rg6n)を含まず、前記第4抵抗(Rg4n)と前記第5抵抗(Rg5n)とを含む。前記中間部電界効果トランジスタ(Qn3、4)の前記ゲート(Gn3、4)に接続された前記中間部抵抗(Rg3n、Rg4n)は、前記第5抵抗(Rg5n)と前記第6抵抗(Rg6n)とを含まず、前記第4抵抗(Rg4n)を含む(図5参照)。
本発明の前記1つのより好適な形態による手段によれば、前記他端近接抵抗(Rg4n、Rg5n、Rg6n)の高い抵抗値は、1個の高抵抗で実現されるのではなく、前記第4抵抗(Rg4n)と前記第5抵抗(Rg5n)と前記第6抵抗(Rg6n)との合計により実現されることができる。
本発明の1つの具体的な形態による半導体集積回路では、前記複数の高周波スイッチ(SW_TRx1、SW_Tx1、SW_TX2)の前記一方の高周波スイッチ(SW_TRx1)の前記他端(TRx1)には、前記所定の通信方式としてのWCDMA方式による前記RF送信信号(WCDMA1900_Tx)と前記RF受信信号(WCDMA2100_Rx)とが供給可能にされる。前記複数の高周波スイッチ(SW_TRx1、SW_Tx1、SW_TX2)の前記他方の高周波スイッチ(SW_Tx1、SW_TX2)の前記他端(Tx1、Tx2)には、前記他のRF送信信号(GSM850_Tx/GSM900_Tx、DCS1800_Tx/PCS1900_Tx)が供給可能にされる。
前記一方の高周波スイッチ(SW_TRx1)の前記他端(TRx1)と接地ノード(GND)との間には一方の接地スイッチ(GSW_TRx1)が接続され、前記他方の高周波スイッチ(SW_Tx1、SW_TX2)の前記他端(Tx1、Tx2)と前記接地ノード(GND)との間には他方の接地スイッチ(GSW_Tx1、GSW_TX2)が接続されている。
前記一方の高周波スイッチ(SW_TRx1)がオン状態に制御される時には、前記一方の接地スイッチ(GSW_TRx1)はオフ状態に、前記他方の高周波スイッチ(SW_Tx1、SW_TX2)はオフ状態に、前記他方の接地スイッチ(GSW_Tx1、GSW_TX2)はオン状態にそれぞれ制御される。
前記他方の高周波スイッチ(SW_Tx1、SW_TX2)がオン状態に制御される時には、前記他方の接地スイッチ(GSW_Tx1、GSW_TX2)はオフ状態に、前記一方の高周波スイッチ(SW_TRx1)はオフ状態に、前記一方の接地スイッチ(GSW_TRx1)はオン状態にそれぞれ制御される(図6参照)。
本発明の前記1つのより具体的な形態による手段によれば、前記一方の高周波スイッチ(SW_TRx1)と前記一方の接地スイッチ(GSW_TRx1)とは相補的にオン・オフ制御され、前記他方の高周波スイッチ(SW_Tx1、SW_TX2)と前記他方の接地スイッチ(GSW_Tx1、GSW_TX2)とは相補的にオン・オフ制御される。その結果、アンテナスイッチのアイソレーションを更に向上することができる。
本発明の他の1つの具体的な形態による半導体集積回路では、前記共通の入出力端子(I/O)と前記他方の高周波スイッチ(Qn)の前記入出力近接電界効果トランジスタ(Qn1)の前記ゲート(Gn1)との間に入出力付加容量(C11Tx1n)が接続され、前記他方の高周波スイッチ(Qn)の前記他端(Txn)と前記他方の高周波スイッチ(Qn)の前記他端近接電界効果トランジスタ(Qn6)の前記ゲート(Gn6)との間に他端付加容量(C12Tx1n)が接続されている(図5参照)。
本発明の前記他の1つのより具体的な形態による手段によれば、前記一方の高周波スイッチ(Qm)と前記他方の高周波スイッチ(Qn)とがそれぞれオン状態とオフ状態とされる際に、オン状態の前記一方の高周波スイッチ(Qm)からのRF送信信号の正方向と負方向との電圧の振れにより、前記他方の高周波スイッチ(Qn)の入出力近接FET(Qn1)と他端近接FET(Qn6)とがオンする現象を抑圧できる。
本発明の1つのより具体的な形態による半導体集積回路では、前記複数の高周波スイッチ(SW_TRx1、SW_Tx1、SW_TX2)の前記他方の高周波スイッチ(SW_Tx1、SW_TX2)の前記他端(Tx1、Tx2)に供給される前記他のRF送信信号(GSM850_Tx/GSM900_Tx、DCS1800_Tx/PCS1900_Tx)はGSM850とGSM900とDCS1800とPCS1900のいずれかのRF送信信号である(図6参照)。
また、本願において開示される発明のうち、別の代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
即ち、本発明の代表的な半導体集積回路は、DCブースト回路(100)を含む。前記DCブースト回路は、高周波入力端子(101)と、DC制御入力端子(103)と、DC出力端子(104)とを含む。
前記高周波入力端子に高周波入力信号(RFin)が供給され、前記DC制御入力端子にDC制御電圧(Vdc)が供給され、前記DC出力端子からDC出力電圧(Vout)が生成される。
前記DCブースト回路では、第1容量素子(106;C1)と第1抵抗素子(107;R1)との直列接続の一方の端子には、前記高周波入力端子が接続される。第1ダイオード(108;D1)と第2ダイオード(109;D2)とは、第2容量素子(110;C2)を介して、逆方向に並列接続されている。前記第1ダイオードと前記第2ダイオードの共通接続点は、前記直列接続の他方の端子に接続される。前記第1ダイオードと前記第2容量の一方の端子の共通接続点は前記DC制御入力端子に接続され、前記第2ダイオードと前記第2容量の他方の端子の共通接続点は前記第2抵抗素子を介して前記DC出力端子に接続される。
前記第2容量素子を介しての前記第1ダイオードと前記第2ダイオードとの逆方向の並列接続の内部の前記第1ダイオードの第1直列抵抗(rs1)の抵抗値と前記第2ダイオードの第2直列抵抗(rs2)の抵抗値よりも、前記第1抵抗素子の抵抗値は大きく設定されている(図10参照)。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
すなわち、本発明によれば、RF通信端末装置に搭載されるアンテナスイッチにおいてWCDMA方式で重要な相互変調歪またはGSM方式で重要な高調波歪を低減することができる。
また、本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下の通りである。
すなわち、本発明によれば、内蔵のDCブースト回路の寿命および動作信頼性を向上した半導体集積回路を提供することができる。
図1は、本発明に先立って開発されたアンテナスイッチを内蔵したRFモジュールとベースバンド信号処理LSIとを搭載した携帯電話の構成を示すブロック図であり、また本発明の1つの実施形態によるアンテナスイッチMMICを内蔵したRFモジュールとベースバンド信号処理LSIとを搭載した携帯電話の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明に先立って開発されたアンテナスイッチMMICの複数の高周波スイッチの構成を示すブロック図である。 図3は、図2に示した高周波スイッチのオフ状態のスイッチの等価回路を示す図である。 図4は、図2に示した高周波スイッチのオン状態のスイッチからのRF信号の影響によるオフ状態のスイッチの6個のHEMTトランジスタの6個のゲート抵抗と他の1個の抵抗とに印加されるRF漏洩信号の分布を説明する図である。 図5は、図1に示した本発明の1つの実施形態によるアンテナスイッチMMICの高周波スイッチの基本的な構成を示すブロック図である。 図6は、図1に示した本発明の1つの実施形態によるアンテナスイッチMMICの高周波スイッチの具体的な構成を示すブロック図である。 図7は、図4に示す高周波スイッチでスイッチQkをオン状態にするためのオン・オフ制御電圧を3ボルトから4.5ボルトに増加させたことによるオフ状態のスイッチQlでの相互変調歪を示す図であり、また図5に示す高周波スイッチでWCDMA方式のRF送信信号を伝達するための一方のスイッチQmをオン状態にする制御電圧を3ボルトから4.5ボルトに増加することで、0ボルトの制御電圧によってオフ状態に制御された他方のスイッチQnの相互変調歪を示す図である。 図8は、図6に示した本発明の1つの実施形態によるアンテナスイッチMMICの高周波スイッチのDCS1800のRF送信信号とPCS1900のRF送信信号のための高周波スイッチのマルチゲート構造のHEMTトランジスタとゲート抵抗を主として示す平面図である。 図9は、アンテナスイッチMMICと高出力電力増幅器とローパスフィルタとを含む高出力電力増幅器モジュールの他の構成を示すブロック図である。 図10は、本発明の1つの実施の形態による半導体集積回路に内蔵されたDCブースト回路100を示す回路図である。 図11は、本発明に先立って本発明者等により検討されたRFスイッチのDCブースト回路を示す回路図である。 図12は、本発明の1つの実施の形態による半導体集積回路に内蔵されたDCブースト回路と送信用高周波スイッチ回路を示す回路図である。 図13は、図10と図12とに示した本発明の1つの実施の形態による半導体集積回路に内蔵された送信用高周波スイッチ回路を駆動するDCブースト回路の高周波等価回路を示す回路図である。 図14は、図11に示した本発明に先立って本発明者等により検討されたDCブースト回路の高周波等価回路を示す回路図である。 図15は、本発明の他の1つの実施の形態によるアンテナスイッチマイクロウェーブモノリシック半導体集積回路を示す回路図である。 図16は、図15に示した本発明の1つの実施の形態によるアンテナスイッチMMICの第1送信スイッチの第1送信DCブースト回路や第2送信スイッチの第2送信DCブースト回路のデバイス構造を示す平面図である。 図17は、本発明の1つの実施の形態によるアンテナスイッチMMICを内蔵した高周波モジュールと高周波アナログ信号処理半導体集積回路とベースバンド信号処理LSIとを搭載した携帯電話の構成を示すブロック図である。
符号の説明
Qm、Qn 複数の高周波スイッチ
Qm 一方の高周波スイッチ
Qn 他方の高周波スイッチ
I/O 共通の入出力端子
ANT 無線周波数通信端末機器のアンテナ
Txm 一方の高周波スイッチの他端
WCDMA_Tx WCDMA方式のRF送信信号
WCDMA_Rx WCDMA方式のRF受信信号
Txn 他方の高周波スイッチの他端
RF_Tx 他のRF送信信号
RF_Rx 他のRF受信信号
Qm1、…、Qm6 複数の電界効果トランジスタ
Qn1、…、Qn6 他の複数の電界効果トランジスタ
Vctrl_m 制御電圧
Vctrl_n 他の制御電圧
Qn1 入出力近接電界効果トランジスタ
Rg1n、Rg2n、Rg3n 入出力近接抵抗
Qn3、4 中間部電界効果トランジスタ
Rg3n、Rg4n 中間部抵抗
Qn6 他端近接電界効果トランジスタ
Rg4n、Rg5n、Rg6n 他端近接抵抗
101 高周波信号入力端子
102 高周波信号入力端子
103 DC制御電圧供給端子
104 DC出力端子
105 接続点
106 第1容量素子
107 第1抵抗素子
108 第1ダイオード
110 第2容量素子
111 第2抵抗素子
109 第2ダイオード
201 高周波信号入力端子
202 高周波信号入力端子
203 DC制御電圧供給端子
204 DC出力端子
205 接続点
206 第1容量素子
207 第1抵抗素子
208 第2抵抗素子
209 第1ダイオード
210 第2ダイオード
211 第3抵抗素子
300 SP4TアンテナスイッチMMIC
301 共通の入出力端子
320 高周波スイッチ
330 DCブースト回路
302…305 スイッチ
306 第1送信端子
307 第2送信端子
308 第1受信端子
309 第2受信端子
310 第1送信DC制御端子
311 第2送信DC制御端子
312 第1受信DC制御端子
313 第2受信DC制御端子
320 高周波スイッチFET
330 DCブースト回路
340 高周波スイッチFET
350 DCブースト回路
360 高周波スイッチFET
370 高周波スイッチFET
402 外部電圧端子
403 出力端子
407 抵抗
423 抵抗
410 FET(ダイオード)
414 FET(ダイオード)
411 ソース電極
415 ソース電極
412 ドレイン電極
416 ドレイン電極
413 ゲート電極
417 ゲート電極
RF_ML 高周波モジュール
ANT 送受信用アンテナ
BB_LSI ベースバンド信号処理LSI
RF_IC 高周波アナログ信号処理半導体集積回路
ANT_SW アンテナスイッチMMIC
I/O 共通の入出力端子
Tx1、Tx2 送信端子、
Rx1,Rx2 受信端子
HPA1 RF高出力電力増幅器
HPA2 RF高出力電力増幅器
LPF1 ローパスフィルタ
LPF2 ローパスフィルタ
CNT_IC コントローラ集積回路
Tx_SPU 送信信号処理ユニット
Rx_SPU 受信信号処理ユニット
LNA1 低雑音増幅器
LNA2 低雑音増幅器
SAW1 表面弾性波フィルタ
SAW2 表面弾性波フィルタ
RX 受信動作
TX 送信動作
B.B_Cnt 制御信号
Tx_BBS 送信ベースバンド信号
Rx_BBS 受信ベースバンド信号
RF_Tx1 : 第1バンドの高周波送信信号
RF_Rx1 : 第1バンドの高周波受信信号
RF_Tx2 : 第2バンドの高周波送信信号
RF_Rx2 : 第2バンドの高周波受信信号
≪携帯電話の構成≫
図1は、本発明の1つの実施形態によるアンテナスイッチMMICを内蔵したRFモジュールとベースバンド信号処理LSIとを搭載した携帯電話の構成を示すブロック図である。
同図で、携帯電話の送受信用アンテナANTにはRFモジュールRF_MLのアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の共通の入出力端子I/Oが接続されている。ベースバンド信号処理LSI(BB_LSI)からの制御信号B.B_Cntは、RFアナログ信号処理半導体集積回路(RF_IC)を経由して高出力電力増幅器モジュール(HPA_ML)のコントローラ集積回路(CNT_IC)に供給される。送受信用アンテナANTから共通の入出力端子I/OへのRF信号の流れは携帯電話の受信動作RXとなり、共通の入出力端子I/Oから送受信用アンテナANTへのRF信号の流れは携帯電話の送信動作TXとなる。
RF IC(RF_IC)はベースバンド信号処理LSI(BB_LSI)からの送信ベースバンド信号Tx_BBSをRF送信信号に周波数アップコンバージョンを行い、逆に送受信用アンテナANTで受信されたRF受信信号を受信ベースバンド信号Rx_BBSに周波数ダウンコンバージョンを行いベースバンド信号処理LSI(BB_LSI)に供給する。
RFモジュールRF_MLのアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)は共通の入出力端子I/Oと送信端子Tx1、Tx2、受信端子Rx2、Rx3、Rx4、送受信端子TRx1、TRx5のいずれかの端子の間で信号経路を確立して、受信動作RXと送信動作TXとのいずれかを行う。このアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)は受信動作RXと送信動作TXとのいずれかのために確立した信号経路以外の信号経路のインピーダンスを極めて高い値に設定することで、必要なアイソレーションが得られるものである。アンテナスイッチの分野では、共通の入出力端子I/Oはシングルポール(Single Pole)と呼ばれ、送信端子Tx1、Tx2、受信端子Rx2、Rx3、Rx4、送受信端子TRx1、TRx5の合計7個の端子は7スロー(7 throw)と呼ばれる。従って、図1のアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)は、シングルポール7スロー(SP7T; Single Pole 7 throw)型のスイッチである。
尚、ベースバンド信号処理LSI(BB_LSI)は図示されていない外部不揮発性メモリと図示されていないアプリケーションプロセッサとに接続されている。アプリケーションプロセッサは、図示されていない液晶表示装置と図示されていないキー入力装置とに接続され、汎用プログラムやゲームを含む種々のアプリケーションプログラムを実行することができる。携帯電話等のモバイル機器のブートプログラム(起動イニシャライズプログラム)、オペレーティングシステムプログラム(OS)、ベースバンド信号処理LSIの内部のディジタルシグナルプロセッサ(DSP)によるGSM方式等の受信ベースバンド信号に関する位相復調と送信ベースバンド信号に関する位相変調のためのプログラム、種々のアプリケーションプログラムは、外部不揮発性メモリに格納されることができる。
≪GSM850、GSM900による送受信動作≫
BB_LSIからの送信ベースバンド信号Tx_BBSがGSM850のバンドに周波数アップコンバージョンされるべき場合には、RF ICの送信信号処理ユニットTx_SPUは送信ベースバンド信号Tx_BBSをGSM850のバンドへの周波数アップコンバージョンを行って、GSM850のRF送信信号GSM850_Tx(824MHz〜849MHz)が生成される。BB_LSIからの送信ベースバンド信号Tx_BBSがGSM900のバンドに周波数アップコンバージョンされるべき場合には、RF ICの送信信号処理ユニットTx_SPUは送信ベースバンド信号Tx_BBSをGSM900のバンドへの周波数アップコンバージョンを行って、GSM900のRF送信信号GSM900_Tx(880MHz〜915MHz)が生成される。GSM850のRF送信信号GSM850_TxとGSM900のRF送信信号GSM900_Txとは、高出力電力増幅器モジュール(HPA_ML)の高出力電力増幅器HPA2で電力増幅され、ローパスフィルタLPF2を経由してアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の送信端子Tx2に供給される。送信端子Tx2に供給されたGSM850のRF送信信号GSM850_TxとGSM900のRF送信信号GSM900_Txとは共通の入出力端子I/Oを介して送受信用アンテナANTから送信されることができる。
送受信用アンテナANTで受信されたGSM850のRF受信信号GSM850_Rx(869MHz〜894MHz)とGSM900のRF受信信号GSM900_Rx(925MHz〜960MHz)とは、アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の共通の入出力端子I/Oに供給される。アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の受信端子Rx2から得られるGSM850のRF受信信号GSM850_RxとGSM900のRF受信信号GSM900_Rxとは表面弾性波フィルタSAW3を介してRF IC(RF_IC)の低雑音増幅器LNA5で増幅された後、受信信号処理ユニットRx_SPUに供給される。受信信号処理ユニットRx_SPUでは、GSM850のRF受信信号GSM850_RxまたはGSM900のRF受信信号GSM900_Rxから受信ベースバンド信号Rx_BBSへの周波数ダウンコンバージョンが行われる。 GSM850の送受信モードでは、アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)は制御信号B.B_Cntに応答して入出力端子I/Oと送信端子Tx2との接続によるRF送信信号GSM850_Txの送信と入出力端子I/Oとの受信端子Rx2との接続によるRF受信信号GSM850_Rxの受信とを時分割で行う。同様に、GSM900の送受信モードでも、アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)は制御信号B.B_Cntに応答して入出力端子I/Oと送信端子Tx2との接続によるRF送信信号GSM900_Txの送信と入出力端子I/Oとの受信端子Rx2との接続によるRF受信信号GSM900_Rxの受信とを時分割で行う。
≪DCS1800、PCS1900による送受信動作≫
BB_LSIからの送信ベースバンド信号Tx_BBSがDCS1800のバンドに周波数アップコンバージョンされるべき場合には、RF ICの送信信号処理ユニットTx_SPUは送信ベースバンド信号Tx_BBSをDCS1800のバンドへの周波数アップコンバージョンを行って、DCS1800のRF送信信号DCS1800_Tx(1710MHz〜1780MHz)が生成される。BB_LSIからの送信ベースバンド信号Tx_BBSがPCS1900のバンドに周波数アップコンバージョンされるべき場合には、RF ICの送信信号処理ユニットTx_SPUは送信ベースバンド信号Tx_BBSをPCS1900のバンドへの周波数アップコンバージョンを行って、PCS1900のRF送信信号PCS1900_Tx(1850MHz〜1910MHz)が生成される。DCS1800のRF送信信号DCS1800_TxとPCS1900のRF送信信号PCS1900_Txとは、高出力電力増幅器モジュール(HPA_ML)の高出力電力増幅器HPA1で電力増幅され、ローパスフィルタLPF1を経由してアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の送信端子Tx1に供給される。送信端子Tx1に供給されたDCS1800のRF送信信号DCS1800_TxとPCS1900のRF送信信号PCS1900_Txとは共通の入出力端子I/Oを介して送受信用アンテナANTから送信されることができる。
送受信用アンテナANTで受信されたDCS1800のRF受信信号DCS1800_Rx(1805MHz〜1880MHz)とPCS1900のRF受信信号PCS1900_Rx(1930MHz〜1990MHz)とは、アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の共通の入出力端子I/Oに供給される。アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の受信端子Rx3から得られるDCS1800のRF受信信号DCS1800_Rxは表面弾性波フィルタSAW2を介してRF IC(RF_IC)の低雑音増幅器LNA2で増幅され、アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の受信端子Rx4から得られるPCS1900のRF受信信号PCS1900_Rxは表面弾性波フィルタSAW1を介してRF IC(RF_IC)の低雑音増幅器LNA1で増幅され、その後、受信信号処理ユニットRx_SPUに供給される。受信信号処理ユニットRx_SPUでは、DCS1800のRF受信信号DCS1800_RxまたはPCS1900のRF受信信号PCS1900_Rxから受信ベースバンド信号Rx_BBSへの周波数ダウンコンバージョンが行われる。
DCS1800の送受信モードでは、アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)は制御信号B.B_Cntに応答して入出力端子I/Oと送信端子Tx1との接続によるRF送信信号DCS1800_Txの送信と入出力端子I/Oとの受信端子Rx3との接続によるRF受信信号DCS1800_Rxの受信とを時分割で行う。同様に、PCS1900の送受信モードでも、アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)は制御信号B.B_Cntに応答して入出力端子I/Oと送信端子Tx1との接続によるRF送信信号PCS1900_Txの送信と入出力端子I/Oとの受信端子Rx4との接続によるRF受信信号PCS1900_Rxの受信とを時分割で行う。
≪WCDMAによる送受信動作≫
BB_LSIからの送信ベースバンド信号Tx_BBSがWCDMA1900のバンドに周波数アップコンバージョンされるべき場合には、RF ICの送信信号処理ユニットTx_SPUは送信ベースバンド信号Tx_BBSをWCDMA1900のバンドへの周波数アップコンバージョンを行って、WCDMA1900のRF送信信号WCDMA1900_Tx(1920MHz〜1980MHz)が生成される。WCDMA1900のRF送信信号WCDMA1900_Txは、高出力電力増幅器W_PA1で電力増幅され、デュープレクサDUP1を経由してアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の送受信端子TRx1に供給される。送受信端子TRx1に供給されたWCDMA1900のRF送信信号WCDMA1900_Txは、共通の入出力端子I/Oを介して送受信用アンテナANTから送信されることができる。
WCDMA方式では、コード分割により送信動作と受信動作とが並列に処理されることができる。すなわち、送受信用アンテナANTで受信されたWCDMA2100のRF受信信号WCDMA2100_Rx(2110MHz〜2170MHz)は、アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の共通の入出力端子I/Oに供給される。アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の送受信端子TRx1から得られるWCDMA2100のRF受信信号WCDMA2100_RxはデュープレクサDUP1を経由してRF IC(RF_IC)の低雑音増幅器LNA3で増幅され、その後、受信信号処理ユニットRx_SPUに供給される。受信信号処理ユニットRx_SPUでは、WCDMA2100のRF受信信号WCDMA2100_Rxから受信ベースバンド信号Rx_BBSへの周波数ダウンコンバージョンが行われる。
WCDMA1900による送信とWCDMA2100による受信との並列処理モードでは、アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)は制御信号B.B_Cntに応答して入出力端子I/Oと送受信端子TRx1との間の定常接続によりRF送信信号WCDMA1900_Txの送信とRF受信信号WCDMA2100_Rxの受信とを並列して行う。
WCDMA900は2006年の1月末に提案された新しい方式で、モバイルTV、ビデオ電話、遠隔地でのDSLライクなサービス等を対象としている。WCDMA900は900MHzの周波数帯域と思われるが、端末機器からのRF送信信号WCDMA900_Txの送信周波数と端末機器へのRF受信信号WCDMA900_Rxの送信周波数とは現在明らかにされていない。しかし、WCDMA900では、RF送信信号WCDMA900_Txの送信周波数よりもRF受信信号WCDMA900_Rxの送信周波数が高い周波数と推測される。
BB_LSIからの送信ベースバンド信号Tx_BBSがWCDMA900のバンドに周波数アップコンバージョンされるべき場合には、RF ICの送信信号処理ユニットTx_SPUは送信ベースバンド信号Tx_BBSをWCDMA900のバンドへの周波数アップコンバージョンを行って、WCDMA900のRF送信信号WCDMA900_Tx(略900MHz)が生成される。WCDMA900のRF送信信号WCDMA900_Txは、高出力電力増幅器W_PA2で電力増幅され、デュープレクサDUP2を経由してアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の送受信端子TRx5に供給される。送受信端子TRx5に供給されたWCDMA900のRF送信信号WCDMA900_Txは、共通の入出力端子I/Oを介して送受信用アンテナANTから送信されることができる。
送受信用アンテナANTで受信されたWCDMA900のRF受信信号WCDMA900_Rx(略900MHz)は、アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の共通の入出力端子I/Oに供給される。アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の送受信端子TRx5から得られるWCDMA900のRF受信信号WCDMA900_RxはデュープレクサDUP2を経由してRF IC(RF_IC)の低雑音増幅器LNA4で増幅され、その後、受信信号処理ユニットRx_SPUに供給される。受信信号処理ユニットRx_SPUでは、WCDMA900のRF受信信号WCDMA900_Rxから受信ベースバンド信号Rx_BBSへの周波数ダウンコンバージョンが行われる。
WCDMA900による送信とWCDMA900による受信との並列処理モードでは、アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)は制御信号B.B_Cntに応答して入出力端子I/Oと送受信端子TRx5との間の定常接続によりRF送信信号WCDMA900_Txの送信とRF受信信号WCDMA900_Rxの受信とを並列して行う。
≪アンテナスイッチの高周波スイッチの基本的な構成≫
図5は、図1に示した本発明の1つの実施形態によるアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の高周波スイッチの基本的な構成を示すブロック図である。
図1に示した本発明の1つの実施形態によるアンテナスイッチMMICのチップは、図5に示すように複数の高周波スイッチQm、Qnを含む。複数の高周波スイッチQm、Qnの一方の高周波スイッチQmの一端と他方の高周波スイッチQnの一端とは共通の入出力端子I/Oに接続され、共通の入出力端子I/Oは無線周波数通信端末機器である携帯電話のアンテナANTと接続可能にされている。一方の高周波スイッチQmの他端TxmにはWCDMA方式のRF送信信号WCDMA_TxとRF受信信号WCDMA_Rxとが供給可能にされ、他方の高周波スイッチQnの他端TxnにはRF送信信号WCDMA_TxとRF受信信号WCDMA_Rxと異なる他のRF送信信号RF_Txと他のRF受信信号RF_Rxとの少なくともいずれか一方が供給可能にされる。
一方の高周波スイッチQmは直列接続された6個のFETQm1、…、Qm6を含み、他方の高周波スイッチQnは直列接続された他の6個のFETQn1、…、Qn6を含む。尚、3個のFETQm1、Qm2、Qm3は3個のゲートGm1、Gm2、Gm3がトリプルゲート構造とされた1個のFETで構成され、3個のFETQm4、Qm5、Qm6は3個のゲートGm4、Gm5、Gm6がトリプルゲート構造とされた1個のFETで構成されている。同様に、3個のFETQn1、Qn2、Qn3は3個のゲートGn1、Gn2、Gn3がトリプルゲート構造とされた1個のFETで構成され、3個のFETQn4、Qn5、Qn6は3個のゲートGn4、Gn5、Gn6がトリプルゲート構造とされた1個のFETで構成されている。
前記特許文献4と同様に、マルチゲート構造のゲートGm1とゲートGm2との間のゲート間領域(FETQm1、Qm2の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd1mを介してFETQm1のソースに接続されている。また、マルチゲート構造のゲートGm2とゲートGm3との間のゲート間領域(FETQm2、Qm3の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd2m、Rd1mを介してFETQm1のソースに接続されている。更に、マルチゲート構造のゲートGm2とゲートGm3との間のゲート間領域(FETQm2、Qm3の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd3mを介してFETQm3のドレインに接続されている。また、マルチゲート構造のゲートGm4とゲートGm5との間のゲート間領域(FETQm4、Qm5の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd4mを介してFETQm4のソースに接続されている。マルチゲート構造のゲートGm5とゲートGm6との間のゲート間領域(FETQm5、Qm6の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd5m、Rd4mを介してFETQm4のソースに接続されている。更に、マルチゲート構造のゲートGm5とゲートGm6との間のゲート間領域(FETQm5、Qm6の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd6mを介してFETQm6のドレインに接続されている。
マルチゲート構造のゲートGn1とゲートGn2との間のゲート間領域(FETQn1、Qn2の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd1nを介してFETQn1のソースに接続されている。また、マルチゲート構造のゲートGn2とゲートGn3との間のゲート間領域(FETQn2、Qn3の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd2n、Rd1nを介してFETQn1のソースに接続されている。更に、マルチゲート構造のゲートGn2とゲートGn3との間のゲート間領域(FETQn2、Qn3の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd3nを介してFETQn3のドレインに接続されている。また、マルチゲート構造のゲートGn4とゲートGn5との間のゲート間領域(FETQn4、Qn5の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd4nを介してFETQn4のソースに接続されている。マルチゲート構造のゲートGn5とゲートGn6との間のゲート間領域(FETQn5、Qn6の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd5n、Rd4nを介してFETQn4のソースに接続されている。更に、マルチゲート構造のゲートGn5とゲートGn6との間のゲート間領域(FETQn5、Qn6の共通接続ノード)が電位安定化抵抗Rd6nを介してFETQn6のドレインに接続されている。
一方の高周波スイッチQmのFETQm1、…、Qm6のゲートGm1、…、Gm6には一方の高周波スイッチQmのオン・オフ制御のための制御電圧Vctrl_mが供給可能にされる。他方の高周波スイッチQnの他のFETQn1、…、Qn6の他のゲートGn1、…、Gn6には他方の高周波スイッチQnのオン・オフ制御のための他の制御電圧Vctrl_nが供給可能にされる。
一方の高周波スイッチQmの6個のFETQm1、…、Qm6の6個のゲートGm1、…、Gm6と制御電圧Vctrl_mが供給される制御端子との間には6個の抵抗Rg1m、…、Rg6mが接続されている。他方の高周波スイッチQnの6個のFETQn1、…、Qn6の他の6個のゲートGn1、…、Gn6と他の制御電圧Vctrl_nが供給される他の制御端子との間には他の6個の抵抗Rg1n、…、Rg6nが接続されている。
他方の高周波スイッチQnで他の6個のFETQn1、…、Qn6のうちの共通の入出力端子I/Oに最も近接した入出力近接FETQn1のゲートGn1と他の制御端子Vctrl_nとの間の入出力近接抵抗Rg1n、Rg2n、Rg3nは、第1の電圧・電流特性を持つ。他方の高周波スイッチQnで入出力近接FETQn1と他の6個のFETQn1、…、Qn6のうちの他方の高周波スイッチQnの他端Txnに最も近接した他端近接FETQn6との間の中間部の中間部FETQn3、4のゲートGn3、Gn4と他の制御端子Vctrl_nとの間の中間部抵抗Rg3n、Rg4nは、第2の電圧・電流特性を持つ。他方の高周波スイッチQnで入出力近接抵抗Rg1n、Rg2n、Rg3nの第1の電圧・電流特性の線形性は中間部抵抗Rg3n、Rg4nの第2の電圧・電流特性の線形性よりも高く設定されている。従って、一方の高周波スイッチQmからのWCDMA方式のRF送信信号WCDMA_Txにより駆動される他方の高周波スイッチQnで入出力近接抵抗Rg1n、Rg2n、Rg3nの第1の電圧・電流特性の線形性は中間部抵抗Rg3n、Rg4nの第2の電圧・電流特性の線形性よりも高く設定されている。従って、入出力近接抵抗Rg1n、Rg2n、Rg3nと中間部抵抗Rg3n、Rg4nに不均等なRF漏洩信号が印加されても、他方の高周波スイッチQnで共通の入出力端子I/Oに最も近接した入出力近接FETQn1のゲートGn1の入出力近接抵抗Rg1n、Rg2n、Rg3nに流れる電流の歪を抑圧できる。その結果、WCDMA方式で重要な相互変調歪およびGSM方式で重要な高調波歪を低減することができる。
また、他方の高周波スイッチQnで他の複数のFETQn1、…、Qnのうちの他方の高周波スイッチQnの他端Txnに最も近接した他端近接FETQn6のゲートGn6と他の制御端子Vctrl_nとの間の他端近接抵抗Rg4n、Rg5n、Rg6nは、第3の電圧・電流特性を持つ。他方の高周波スイッチQnで他端近接抵抗Rg4n、Rg5n、Rg6nの第3の電圧・電流特性の線形性は中間部抵抗Rg3n、Rg4nの第2の電圧・電流特性の前記線形性よりも高く設定されている。従って、一方の高周波スイッチQmからのWCDMA方式のRF送信信号WCDMA_Txにより駆動される他方の高周波スイッチQnで他端近接抵抗Rg4n、Rg5n、Rg6nの第3の電圧・電流特性の線形性は中間部抵抗Rg3n、Rg4nの第2の電圧・電流特性の線形性よりも高く設定されている。従って、他端近接抵抗Rg4n、Rg5n、Rg6nと中間部抵抗Rg3n、Rg4nに不均等なRF漏洩信号が印加されても、他方の高周波スイッチQnで他端Txnに最も近接した他端近接FETQn6のゲートGn6の他端近接抵抗Rg4n、Rg5n、Rg6nに流れる電流の歪を抑圧できる。その結果、WCDMA方式で重要な相互変調歪およびGSM方式で重要な高調波歪を低減することができる。
また、入出力近接抵抗Rg1n、Rg2n、Rg3nの抵抗値は中間部抵抗Rg3n、Rg4nの抵抗値よりも大きく設定されている。従って、中間部抵抗Rg3n、Rg4nに印加される中間部RF漏洩信号のレベルよりも入出力近接抵抗Rg1n、Rg2n、Rg3nに印加される入出力近接RF漏洩信号のレベルが高くても、WCDMA方式で重要な相互変調歪を低減することができる。これは、中間部抵抗Rg3n、Rg4nよりも抵抗値の大きな入出力近接抵抗Rg1n、Rg2n、Rg3nに高レベルの入出力近接RF漏洩信号が印加されても、入出力近接抵抗Rg1n、Rg2n、Rg3nに流れる電流自体が低減され、信号電流の歪も低減されるためである。また、他端近接抵抗Rg4n、Rg5n、Rg6nの抵抗値は中間部抵抗Rg3n、Rg4nの抵抗値よりも大きく設定されている。従って、中間部抵抗Rg3n、Rg4nに印加される中間部RF漏洩信号のレベルよりも他端近接抵抗Rg4n、Rg5n、Rg6nに印加される他端近接RF漏洩信号のレベルが高くても、WCDMA方式で重要な相互変調歪を低減することができる。これは、中間部抵抗Rg3n、Rg4nよりも抵抗値の大きな他端近接抵抗Rg4n、Rg5n、Rg6nに高レベルの他端近接RF漏洩信号が印加されても、他端近接抵抗Rg4n、Rg5n、Rg6nに流れる電流自体が低減され、信号電流の歪も低減されるためである。
図5に示した本発明の1つの実施形態によるアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の高周波スイッチを、更に詳細に説明する。
一方の高周波スイッチQmで他端Txmに近接した他端近接FETQm1のゲートGm1と他端第2近接FETQm2のゲートGm2との間には、10KΩのゲート抵抗Rg1mが接続されている。他端第2近接FETQm2のゲートGm2と中間部FETQm3のゲートQm3との間には、10KΩのゲート抵抗Rg2mが接続されている。一方の高周波スイッチQmで共通の入出力端子I/Oに近接した入出力近接FETQm6のゲートGm6と入出力第2近接FETQm5のゲートGm5との間には、10KΩのゲート抵抗Rg6mが接続されている。入出力第2近接FETQm5のゲートGm5と中間部FETQm4のゲートQm4との間には、10KΩのゲート抵抗Rg5mが接続されている。中間部FETQm3のゲートQm3と中間部FETQm4のゲートQm4とにはそれぞれ10KΩのゲート抵抗Rg3m、Rg4mの一端が接続され、ゲート抵抗Rg3m、Rg4mの他端は20KΩの抵抗Rg7mの一端に接続され、抵抗Rg7mの他端には制御電圧Vctrl_mが供給される。
他端近接FETQm1のソースとドレインとの間には15KΩの抵抗Rd1mが接続され、他端第2近接FETQm2のソースとドレインとの間には15KΩの抵抗Rd2mが接続され、中間部FETQm3のソースとドレインとの間には15KΩの抵抗Rd3mが接続されている。中間部FETQm4のソースとドレインとの間には15KΩの抵抗Rd4mが接続され、入出力第2近接FETQm5のソースとドレインとの間には15KΩの抵抗Rd5mが接続され、入出力近接FETQm6のソースとドレインとの間には15KΩの抵抗Rd6mが接続されている。
従って、他端近接FETQm1のゲートGm1と制御電圧Vctrl_mとの間には10KΩのゲート抵抗Rg1mと10KΩのゲート抵抗Rg2mと10KΩのゲート抵抗Rg3mと20KΩの抵抗Rg7mとが直列に接続され、入出力近接FETQm6のゲートGm6と制御電圧Vctrl_mとの間には10KΩのゲート抵抗Rg6mと10KΩのゲート抵抗Rg5mと10KΩのゲート抵抗Rg4mと20KΩの抵抗Rg7mとが直列に接続されている。他端第2近接FETQm2のゲートGm2と制御電圧Vctrl_mとの間には10KΩのゲート抵抗Rg2mと10KΩのゲート抵抗Rg3mと20KΩの抵抗Rg7mとが直列に接続され、入出力第2近接FETQm5のゲートGm5と制御電圧Vctrl_mとの間には10KΩのゲート抵抗Rg5mと10KΩのゲート抵抗Rg4mと20KΩの抵抗Rg7mとが直列に接続されている。中間部FETQm3のゲートQm3と制御電圧Vctrl_mとの間には10KΩのゲート抵抗Rg3mと20KΩの抵抗Rg7mとが直列に接続され、中間部FETQm4のゲートQm4と制御電圧Vctrl_mとの間には10KΩのゲート抵抗Rg4mと20KΩの抵抗Rg7mとが直列に接続されている。6個のゲート抵抗Rg1m…Rg6mと1個の抵抗Rg7mは前記(数1)で示すような非線型の電圧・電流特性を持っている。
図5に示したアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の一方の高周波スイッチQmでも図4と同様に変形U字型の定在波が発生して、他端近接FETQm1のゲートGm1と入出力近接FETQm6のゲートGm6とに高レベルのRF漏洩信号電圧が生じて中間部FETQm3のゲートQm3と中間部FETQm4のゲートQm4とには低レベルのRF漏洩信号電圧が生じるとする。高レベルのRF漏洩信号電圧が供給される他端近接FETQm1のゲートGm1と入出力近接FETQm6のゲートGm6のゲート抵抗網の抵抗値は、低レベルのRF漏洩信号電圧が供給される中間部FETQm3のゲートQm3と中間部FETQm4のゲートQm4のゲート抵抗網の抵抗値よりも高くなっている。他端近接FETQm1と入出力近接FETQm6の抵抗値の大きなゲート抵抗網の高レベルのRF漏洩信号電圧が印加されると、他端近接FETQm1と入出力近接FETQm6のゲート抵抗網に流れる電流自体が低減され、信号電流の歪も低減される。
図5の左下には、オン状態のスイッチQnからのPCS方式のRF送信信号の影響によるオフ状態のスイッチQmの6個のHEMTトランジスタの6個のゲート抵抗Rg1m、Rg2m、Rg3m、Rg4m、Rg5m、Rg6mと他の1個の抵抗Rg7mとに印加されるRF漏洩信号の分布が示されている。尚、図5の左下のRF漏洩信号の分布は図4と同様にコンピュータによるシュミュレーションの結果であり、図4と同様にRF信号のRF電力は20dBm、周波数はPCS1900の周波数帯域内の1880MHzである。PCS1900のRF送信信号の最大電力は33dBm程度であるので、20dBmのRF信号Pinは中間レベルより高めの送信電力と言うことができる。図5の左下の各抵抗Rg1m、Rg2m、Rg3m、Rg4m、Rg5m、Rg6m、Rg7mの電圧Vppはピーク・ツー・ピークのRF信号電圧である。図5の左下に示したオフ状態のスイッチQmの6個のHEMTトランジスタの6個のゲート抵抗と他の1個の抵抗のRF漏洩信号の分布の特性L3は0.8pFの付加容量C11Tx1m、C12Tx1mとを接続した場合の特性であり、特性L4は0.8pFの付加容量C11Tx1m、C12Tx1mとを接続しなかった場合の特性である。図5の左下の特性L3と特性L4とのいずれでも6個のゲート抵抗Rg1m、Rg2m、Rg3m、Rg4m、Rg5m、Rg6mに印加されるRF漏洩信号のレベルが略均等化されている。
他端Txmと他端近接FETQm1のゲートGm1との間には0.8pFのソース付加容量C12Tx1mが接続され、共通の入出力端子I/Oと入出力近接FETQm6のゲートGm6との間には0.8pFのドレイン付加容量C11Tx1mが接続されている。その結果、制御電圧Vctrl_mと制御電圧Vctrl_nとがそれぞれ0ボルトと4.5ボルトとなり、一方の高周波スイッチQmと他方の高周波スイッチQnとがそれぞれオフ状態とオン状態とされる際に、オン状態の他方の高周波スイッチQnからのRF送信信号の正方向と負方向との電圧の振れにより、一方の高周波スイッチQmの入出力近接FETQm6と他端近接FETQm1とがオンする現象を抑圧できる。
他方の高周波スイッチQnで他端Txnに近接した他端近接FETQn6のゲートGn6と他端第2近接FETQn5のゲートGn5との間には、10KΩのゲート抵抗Rg6nが接続されている。他端第2近接FETQn5のゲートGn5と中間部FETQn4のゲートQn5との間には、10KΩのゲート抵抗Rg5nが接続されている。他方の高周波スイッチQnで共通の入出力端子I/Oに近接した入出力近接FETQn1のゲートGn1と入出力第2近接FETQn2のゲートGn2との間には、10KΩのゲート抵抗Rg1nが接続されている。入出力第2近接FETQn2のゲートGn2と中間部FETQn3のゲートQn3との間には、10KΩのゲート抵抗Rg2nが接続されている。中間部FETQn3のゲートQn3と中間部FETQn4のゲートQn4とにはそれぞれ10KΩのゲート抵抗Rg3n、Rg4nの一端が接続され、ゲート抵抗Rg3n、Rg4nの他端は20KΩの抵抗Rg7nの一端に接続され、抵抗Rg7nの他端には制御電圧Vctrl_nが供給される。
他端近接FETQn6のソースとドレインとの間には15KΩの抵抗Rd6nが接続され、他端第2近接FETQn5のソースとドレインとの間には15KΩの抵抗Rd5nが接続され、中間部FETQn4のソースとドレインとの間には15KΩの抵抗Rd4nが接続されている。中間部FETQn3のソースとドレインとの間には15KΩの抵抗Rd3nが接続され、入出力第2近接FETQn2のソースとドレインとの間には15KΩの抵抗Rd2nが接続され、入出力近接FETQn1のソースとドレインとの間には15KΩの抵抗Rd1nが接続されている。
従って、他端近接FETQn6のゲートGn6と制御電圧Vctrl_nとの間には10KΩのゲート抵抗Rg6nと10KΩのゲート抵抗Rg5nと10KΩのゲート抵抗Rg4nと20KΩの抵抗Rg7nとが直列に接続され、入出力近接FETQn1のゲートGn1と制御電圧Vctrl_nとの間には10KΩのゲート抵抗Rg1nと10KΩのゲート抵抗Rg2nと10KΩのゲート抵抗Rg3nと20KΩの抵抗Rg7nとが直列に接続されている。他端第2近接FETQn5のゲートGn5と制御電圧Vctrl_nとの間には10KΩのゲート抵抗Rg5nと10KΩのゲート抵抗Rg4nと20KΩの抵抗Rg7nとが直列に接続され、入出力第2近接FETQn2のゲートGn2と制御電圧Vctrl_nとの間には10KΩのゲート抵抗Rg2nと10KΩのゲート抵抗Rg3nと20KΩの抵抗Rg7nとが直列に接続されている。中間部FETQn4のゲートQn4と制御電圧Vctrl_nとの間には10KΩのゲート抵抗Rg4nと20KΩの抵抗Rg7nとが直列に接続され、中間部FETQn3のゲートQn3と制御電圧Vctrl_nとの間には10KΩのゲート抵抗Rg3nと20KΩの抵抗Rg7nとが直列に接続されている。6個のゲート抵抗Rg1n…Rg6nと1個の抵抗Rg7nは前記(数1)で示すような非線型の電圧・電流特性を持っている。
図5に示したアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の他方の高周波スイッチQnでも図4と同様に変形U字型の定在波が発生して、他端近接FETQn6のゲートGn6と入出力近接FETQn1のゲートGn1とに高レベルのRF漏洩信号電圧が生じて中間部FETQn4のゲートQn4と中間部FETQn3のゲートQn3とには低レベルのRF漏洩信号電圧が生じるとする。高レベルのRF漏洩信号電圧が供給される他端近接FETQn6のゲートGn6と入出力近接FETQn1のゲートGn1のゲート抵抗網の抵抗値は、低レベルのRF漏洩信号電圧が供給される中間部FETQn4のゲートQn4と中間部FETQn3のゲートQn3のゲート抵抗網の抵抗値よりも高くなっている。他端近接FETQn6と入出力近接FETQn1の抵抗値の大きなゲート抵抗網の高レベルのRF漏洩信号電圧が印加されると、他端近接FETQn6と入出力近接FETQn1のゲート抵抗網に流れる電流自体が低減され、信号電流の歪も低減される。
図5の右下には、オン状態のスイッチQmからのWCDMA方式のRF送信信号Pinの影響によるオフ状態のスイッチQnの6個のHEMTトランジスタの6個のゲート抵抗Rg1n、Rg2n、Rg3n、Rg4n、Rg5n、Rg6nと他の1個の抵抗Rg7nとに印加されるRF漏洩信号の分布が示されている。図5の右下の各抵抗Rg1n、Rg2n、Rg3n、Rg4n、Rg5n、Rg6n、Rg7nの電圧Vppはピーク・ツー・ピークのRF信号電圧である。図5の右下に示したオフ状態のスイッチQnの6個のHEMTトランジスタの6個のゲート抵抗と他の1個の抵抗のRF漏洩信号の分布の特性L3は0.8pFの付加容量C11Tx1n、C12Tx1nとを接続した場合の特性であり、特性L4は0.8pFの付加容量C11Tx1n、C12Tx1nとを接続しなかった場合の特性である。図5の右下の特性L3と特性L4とのいずれでも6個のゲート抵抗Rg1n、Rg2n、Rg3n、Rg4n、Rg5n、Rg6nに印加されるRF漏洩信号のレベルが略均等化されている。
図7の特性Lpは、図5に示す高周波スイッチでWCDMA方式のRF送信信号を伝達するための一方のスイッチQmをオン状態にする制御電圧Vctrl_mを3ボルトから4.5ボルトに増加することで、0ボルトの制御電圧Vctrl_nによってオフ状態に制御された他方のスイッチQnの相互変調歪を示すものである。他方のスイッチQnは、WCDMA方式のRF送信信号とは異なった例えばPCS方式のRF送信信号を伝達するためのスイッチであり、GSM850、GSM900、DCS1800のRF送信信号を伝達するためのスイッチであっても良い。WCDMA方式のRF送信信号の伝達用の一方のスイッチQmをオン状態にする制御電圧Vctrl_mを3.0ボルトから4.5ボルトに増加することで、RF送信信号の伝達用の他の方式の他方のスイッチQnでの相互変調歪を−97dBmから−102dBmまでに低減でき、開発当初に設定された相互変調歪の目標値−100dBmを達成することができた。
また、図5で他端Txnと他端近接FETQn6のゲートGn6との間には0.8pFのソース付加容量C12Tx1nが接続され、共通の入出力端子I/Oと入出力近接FETQn1のゲートGn1との間には0.8pFのドレイン付加容量C11Tx1nが接続されている。その結果、制御電圧Vctrl_mと制御電圧Vctrl_nとがそれぞれ4.5ボルトと0ボルトとなり、一方の高周波スイッチQmと他方の高周波スイッチQnとがそれぞれオン状態とオフ状態とされる際に、オン状態の一方の高周波スイッチQmからのWCDMA方式のRF送信信号の正方向と負方向との電圧の振れにより、他方の高周波スイッチQnの他端近接FETQn6と入出力近接FETQn1とがオンする現象を抑圧できる。
≪アンテナスイッチの高周波スイッチの具体的な構成≫
図6は、図1に示した本発明の1つの実施形態によるアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の高周波スイッチの具体的な構成を示すブロック図である。
図1に示した本発明の1つの実施形態によるアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)のチップは、図6に示すように複数の高周波スイッチを含む。図6では、アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の共通の入出力端子I/Oは、送受信アンテナANTに接続される。
DCS1800のRF送信信号DCS1800(1710MHz〜1780MHz)とPCS1900のRF送信信号PCS1900_Tx(1850MHz〜1910MHz)とが供給される信号端子Tx1と共通の入出力端子I/Oとの間には、制御端子Tx1cの制御信号によりオン・オフ制御される高周波スイッチSW_Tx1が接続されている。制御端子Tx1cに供給される4.5ボルトの制御信号により高周波スイッチSW_Tx1のHEMTトランジスタQ_t11、Q_t12がオンに制御され、信号端子Tx1のDCS1800のRF送信信号DCS1800又はGSM900のRF送信信号PCS1900_Txは共通の入出力端子I/Oに伝達される。制御端子Tx1cの0ボルトの制御信号により高周波スイッチSW_Tx2のHEMTトランジスタQ_t11、Q_t12がオフに制御される際には、接地スイッチGSW_Tx1のゲートが接地に接続されたデプレッションモードのHEMTトランジスタQ5_t11、Q5_t12がオンに制御され、信号端子Tx1のアイソレーションが向上される。高周波スイッチSW_Tx1で、HEMTトランジスタQ_t11の3個のゲート抵抗のうち入出力端子I/Oに近接した入出力近接ゲート抵抗Rg1は30KΩ、入出力端子I/Oに次に近接した入出力第2近接ゲート抵抗Rg2は20KΩ、中間部ゲート抵抗Rg3は10KΩに設定されている。HEMTトランジスタQ_t12の3個のゲート抵抗のうち他端Tx1に近接した他端近接ゲート抵抗Rg6は30KΩ、他端Tx1に次に近接した他端第2近接ゲート抵抗Rg5は20KΩ、中間部ゲート抵抗Rg4は10KΩに設定されている。その結果、オフ状態の高周波スイッチSW_Tx1は、WCDMA方式で重要な相互変調歪を低減する
ことができる。
GSM850のRF送信信号GSM850_Tx(824MHz〜849MHz)とGSM900のRF送信信号GSM900_Tx(880MHz〜915MHz)とが供給される信号端子Tx2と共通の入出力端子I/Oとの間には、制御端子Tx2cの制御信号によりオン・オフ制御される高周波スイッチSW_Tx2が接続されている。制御端子Tx2cに供給される4.5ボルトの制御信号により高周波スイッチSW_Tx2のHEMTトランジスタQ_t21、Q_t22がオンに制御され、信号端子Tx2のGSM850のRF送信信号GSM850_Tx又はGSM900のRF送信信号GSM900_Txは共通の入出力端子I/Oに伝達される。制御端子Tx2cの0ボルトの制御信号により高周波スイッチSW_Tx2のHEMTトランジスタQ_t21、Q_t22がオフに制御される際には、接地スイッチGSW_Tx2のゲートが接地に接続されたデプレッションモードのHEMTトランジスタQ5_t21、Q5_t22がオンに制御され、信号端子Tx2のアイソレーションが向上される。高周波スイッチSW_Tx2で、HEMTトランジスタQ_t22の3個のゲート抵抗のうち入出力端子I/Oに近接した入出力近接ゲート抵抗は30KΩ、入出力端子I/Oに次に近接した入出力第2近接ゲート抵抗は20KΩ、中間部ゲート抵抗は10KΩに設定されている。HEMTトランジスタQ_t21の3個のゲート抵抗のうち他端Tx2に近接した他端近接ゲート抵抗は30KΩ、他端Tx2に次に近接した他端第2近接ゲート抵抗は20KΩ、中間部ゲート抵抗は10KΩに設定されている。その結果、オフ状態の高周波スイッチSW_Tx2は、WCDMA方式で重要な相互変調歪およびGSM方式で重要な高調波歪を低減することができる。
WCDMA900のRF送信信号WCDMA900_TxとRF受信信号WCDMA900_Rxとが供給される信号端子TRx5と共通の入出力端子I/Oとの間には、制御端子Rx5cの制御信号によりオン・オフ制御される高周波スイッチSW_TRx5が接続されている。制御端子Rx5cに供給される4.5ボルトの制御信号により高周波スイッチSW_TRx5のHEMTトランジスタQ_tr51、Q_tr52がオンに制御され、信号端子TRx1のWCDMA900のRF送信信号WCDMA900_Txは共通の入出力端子I/Oに伝達される。また、アンテナで受信されたWCDMA900のRF受信信号WCDMA900_Rxは、共通の入出力端子I/Oから送受信信号端子TRx5に伝達される。制御端子Rx5cの0ボルトの制御信号により高周波スイッチSW_TRx5のHEMTトランジスタQ_tr51、Q_tr52がオフに制御される際には、接地スイッチGSW_TRx5のゲートが接地に接続されたデプレッションモードのHEMTトランジスタQ5_tr51、Q5_tr52がオンに制御され、信号端子TRx5のアイソレーションが向上される。
WCDMA1900のRF送信信号WCDMA1900_Tx(1920MHz〜1980MHz)とWCDMA2100のRF受信信号WCDMA2100_Rx(2110MHz〜2170MHz)とが供給される信号端子TRx1と共通の入出力端子I/Oとの間には、制御端子TRx1cの制御信号によりオン・オフ制御される高周波スイッチSW_TRx1が接続されている。制御端子TRx1cに供給される4.5ボルトの制御信号により高周波スイッチSW_TRx1のHEMTトランジスタQ_tr11、Q_tr12がオンに制御され、信号端子TRx1のWCDMA1900のRF送信信号WCDMA1900_Txは、共通の入出力端子I/Oに伝達される。また、アンテナで受信されたWCDMA2100のRF受信信号WCDMA2100_Rxは、共通の入出力端子I/Oから送受信信号端子TRx1に伝達される。制御端子TRx1cの0ボルトの制御信号により高周波スイッチSW_TRx1のHEMTトランジスタQ_tr11、Q_tr12がオフに制御される際には、接地スイッチGSW_TRx1のゲートが接地に接続されたデプレッションモードのHEMTトランジスタQ5_tr11、Q5_tr12がオンに制御され、信号端子TRx1のアイソレーションが向上される。
GSM850のRF受信信号GSM850_Rx(869MHz〜894MHz)とGSM900のRF受信信号GSM900_Rx(925MHz〜960MHz)とが供給される信号端子Rx2と共通の入出力端子I/Oとの間には、制御端子Rx2cの制御信号によりオン・オフ制御される高周波スイッチSW_Rx2が接続されている。制御端子Rx2cに供給される4.5ボルトの制御信号により高周波スイッチSW_Rx2のHEMTトランジスタがオンに制御され、信号端子Rx2のGSM850のRF受信信号又はGSM900のRF受信信号は共通の入出力端子I/Oに伝達される。制御端子Rx2cの0ボルトの制御信号により高周波スイッチSW_Rx2のHEMTトランジスタがオフに制御される際には、接地スイッチGSW_Rx2のゲートが接地に接続されたデプレッションモードのHEMTトランジスタがオンに制御され、信号端子Rx2のアイソレーションが向上される。
DCS1800のRF受信信号DCS1800_Rx(1805MHz〜1880MHz)が供給される信号端子Rx3と共通の入出力端子I/Oとの間には、制御端子Rx3cの制御信号によりオン・オフ制御される高周波スイッチSW_Rx3が接続されている。制御端子Rx3cに供給される4.5ボルトの制御信号により高周波スイッチSW_Rx3のHEMTトランジスタがオンに制御され、信号端子Rx3のDCS1800のRF受信信号DCS1800_Rxは共通の入出力端子I/Oに伝達される。制御端子Rx3cの0ボルトの制御信号により高周波スイッチSW_Rx3のHEMTトランジスタがオフに制御される際には、接地スイッチGSW_Rx3のゲートが接地に接続されたデプレッションモードのHEMTトランジスタがオンに制御され、信号端子Rx3のアイソレーションが向上される。
PCS1900のRF受信信号PCS1900_Rx(1930MHz〜1990MHz)が供給される信号端子Rx4と共通の入出力端子I/Oとの間には、制御端子Rx4cの制御信号によりオン・オフ制御される高周波スイッチSW_Rx4が接続されている。制御端子Rx4cに供給される4.5ボルトの制御信号により高周波スイッチSW_Rx4のHEMTトランジスタがオンに制御され、信号端子Rx4のPCS1900のRF受信信号PCS1900_Rxは共通の入出力端子I/Oに伝達される。制御端子Rx4cの0ボルトの制御信号により高周波スイッチSW_Rx4のHEMTトランジスタがオフに制御される際には、接地スイッチGSW_Rx4のゲートが接地に接続されたデプレッションモードのHEMTトランジスタがオンに制御され、信号端子Rx4のアイソレーションが向上される。
GSM850のRF受信信号GSM850_RxとGSM900のRF受信信号GSM900_Rxとのための高周波スイッチSW_Rx2とDCS1800のRF受信信号DCS1800_Rxのための高周波スイッチSW_Rx3とPCS1900のRF受信信号PCS1900_Rxのための高周波スイッチSW_Rx4とには、共通受信高周波スイッチSW_Qcomが接続されている。制御端子Rxccに供給される4.5ボルトの制御信号により共通受信高周波スイッチSW_QcomのHEMTトランジスタがオンに制御され、4つのRF受信信号のいずれか1つのRF受信信号が共通の入出力端子I/Oに伝達される。共通受信高周波スイッチSW_Qcomで、HEMTトランジスタQ_com1の3個のゲート抵抗のうち入出力端子I/Oに近接した入出力近接ゲート抵抗は30KΩ、入出力端子I/Oに次に近接した入出力第2近接ゲート抵抗は20KΩ、中間部ゲート抵抗は10KΩに設定されている。HEMTトランジスタQ_com2の3個のゲート抵抗のうち高周波スイッチSW_Rx2、SW_Rx3、SW_Rx4に近接した他端近接ゲート抵抗は30KΩ、他端Tx2に次に近接した他端第2近接ゲート抵抗は20KΩ、中間部ゲート抵抗は10KΩに設定されている。その結果、オフ状態の共通受信高周波スイッチSW_Qcomは、WCDMA方式で重要な相互変調歪およびGSM方式で重要な高調波歪を低減することができる。
図8は、図6に示した本発明の1つの実施形態によるアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の高周波スイッチのDCS1800のRF送信信号DCS1800_TxとPCS1900のRF送信信号PCS1900_Txのための高周波スイッチSW_Tx1のマルチゲート構造のHEMTトランジスタQ_t11とゲート抵抗Rg1、Rg2、Rg3を主として示す平面図である。マルチゲート構造のHEMTトランジスタQ_t11のドレイン電極Dとソース電極Sとは、共通の入出力端子I/Oと高周波スイッチSW_Tx1のマルチゲート構造の他のHEMTトランジスタQ_t12のドレイン電極にそれぞれ接続される。マルチゲート構造のHEMTトランジスタQ_t11のゲートG1は30KΩのゲート抵抗Rg1に接続され、ゲートG2は20KΩのゲート抵抗Rg2に接続され、ゲートG3は10KΩのゲート抵抗Rg3に接続されている。共通の入出力端子I/Oに近接した入出力近接ゲート抵抗Rg1と入出力第2近接ゲート抵抗Rg2の抵抗値が中間部ゲート抵抗Rg3の抵抗値よりも高いので、オフ状態の高周波スイッチSW_Tx1は、WCDMA方式で重要な相互変調歪を低減することができる。マルチゲート構造のHEMTトランジスタQ_t11のゲートG1とゲートG2との間のゲート間領域は、コンタクト電極C1と電位安定化抵抗Rd1とを介してHEMTトランジスタQ_t11のドレイン電極Dに接続されている。HEMTトランジスタQ_t11のゲートG2とゲートG2との間のゲート間領域はコンタクト電極C2と電位安定化抵抗Rd2とを介してコンタクト電極C1と接続され、またコンタクト電極C2と電位安定化抵抗Rd3とを介してHEMTトランジスタQ_t11のソース電極Sと接続されている。また、HEMTトランジスタQ_t11のドレイン電極Dとソース電極Sとの間には、HEMTトランジスタQ_t11がオフ状態の時にドレイン電圧とソース電圧とを等しくするための抵抗R
D11が接続されている。尚、抵抗Rg1、Rg2、Rg3、Rd1、Rd2、Rd3、RD11は、化合物半導体のメサエッチングで形成された化合物半導体のメサ抵抗である。
また、図8においてゲート抵抗Rg1、Rg2、Rg3に比べて単位面積あたりの抵抗率(シート抵抗)の小さい半導体層で作成することもできる。通常、半導体層の線形性はシート抵抗が小さい方が優れる。そこで入出力端子I/Oに近接した入出力近接ゲート抵抗にシート抵抗の小さい半導体層を用い、他のゲート抵抗はシート抵抗の大きい半導体層を用いる。それにより、チップ内を占めるゲート抵抗の面積をなるべく小さくしつつ、全体の歪特性を改善することができる。
或いはゲート抵抗Rg1に金属層を用いることもできる。通常、金属層は半導体層に比べるとシート抵抗は小さいが、線形性に優れる。そこで入出力端子I/Oに近接した入出力近接ゲート抵抗に金属層を用い、他のゲート抵抗は半導体層を用いる。それにより、チップ内を占めるゲート抵抗の面積をなるべく小さくしつつ、全体の歪特性を改善することができる。
高周波スイッチSW_Tx1のマルチゲート構造の他のHEMTトランジスタQ_t12とゲート抵抗Rg4、Rg5、Rg6も、図8に示したHEMTトランジスタQ_t11とゲート抵抗Rg1、Rg2、Rg3と同様に形成される。また、接地スイッチGSW_Tx1のHEMTトランジスタQ5_t11、Q5_t12、高周波スイッチSW_Tx2のHEMTトランジスタQ_t21、Q_t22、接地スイッチGSW_Tx2のHEMTトランジスタQ5_t21、Q5_t22、高周波スイッチSW_TRx5のHEMTトランジスタQ_t51、Q_t52、接地スイッチGSW_TRx5のHEMTトランジスタQ5_t51、Q5_t52、高周波スイッチSW_TRx1のHEMTトランジスタQ_tr11、Q_tr12、接地スイッチGSW_TRx1のHEMTトランジスタQ5_tr11、Q5_tr12、共通受信高周波スイッチSW_QcomのHEMTトランジスタQcom1、Qcom2とそれらのゲート抵抗も、図8に示したHEMTトランジスタQ_t11とゲート抵抗Rg1、Rg2、Rg3と同様に形成される。その結果、図8に示した本発明の1つの実施形態によるアンテナスイッチMMICは、WCDMA方式で重要な相互変調歪およびGSM方式で重要な高調波歪を低減することができる。
≪その他の実施形態≫
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、図5のアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の高周波スイッチで、一方の高周波スイッチQmと他方の高周波スイッチQnとを、HEMTトランジスタからNチャンネルのデプレッション型の絶縁ゲートMOSトランジスタに置換することができる。尚、この時には、共通の入出力端子I/Oには、図1のコントローラ集積回路CNT_ICから発生される3.8ボルトのバイアス電圧を供給する。図1のコントローラ集積回路CNT_ICに外部から3ボルトの単一電源電圧が供給される場合には、3ボルトの単一電源電圧を3.8ボルトのバイアス電圧に昇圧するチャージポンプ回路等の昇圧回路がコントローラ集積回路CNT_IC内部に含まれている。
また、図5の高周波スイッチで、高周波スイッチがHEMTトランジスタである場合も絶縁ゲートMOSトランジスタである場合のいずれでも、3ボルトの単一電源電圧をオン・オフ制御入力端子Vctrl_m、Vctrl_nのハイレベル電圧4.5ボルトに昇圧するチャージポンプ回路等の昇圧回路がコントローラ集積回路CNT_IC内部に含まれている。
更に、図8で、図6に示した本発明の1つの実施形態によるアンテナスイッチMMICの高周波スイッチで、共通の入出力端子I/Oに近接した入出力近接ゲート抵抗Rg1を30KΩの化合物半導体のメサ抵抗からタングステン、モリブデン等の高融点金属による電圧・電流特性で線形性に優れた金属薄膜抵抗に置換することもできる。また、入出力第2近接ゲート抵抗Rg2も、20KΩの化合物半導体のメサ抵抗から同様に電圧・電流特性で線形性に優れた金属薄膜抵抗に置換することもできる。
図9は、アンテナスイッチMMICと高出力電力増幅器HPA1、HPA2とローパスフィルタLPF1、LPF2とを含む高出力電力増幅器モジュールHPA_MLの他の構成を示すブロック図である。
同図において、アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)はGaAs化合物半導体集積回路のチップchip2で構成され、図6に示すような高周波スイッチ回路の構成となっている。このアンテナスイッチMMICでは、制御信号Rx4c、Rx3c…Rx2cにより、共通の入出力端子I/Oと送信端子Tx1、Tx2、受信端子Rx2、Rx3、Rx4、送受信端子TRx1、TRx5のいずれかの端子の間で信号経路を確立して、受信動作RXと送信動作TXとのいずれかを行う。ベースバンドLSIからの3ビットの制御信号B.B_Cntに応答してアンテナスイッチMMICを制御するための制御信号Rx4c、Rx3c…Rx2cを生成するコントローラCNT_ICは、シリコン半導体集積回路のチップchip1の内部に構成されている。シリコン半導体集積回路のチップchip1のコントローラCNT_ICには、3ボルトの単一電源電圧Vddが供給されることより、制御信号Rx4c、Rx3c…Rx2cのハイレベル制御電圧4.5ボルトを生成する昇圧回路をコントローラCNT_ICが含んでいる。
シリコン半導体集積回路のチップchip1の高出力電力増幅器HPA1、HPA2の電力増幅トランジスタは、コントローラCNT_ICのCMOSデバイスと同一プロセスで形成可能なLD(Lateral Diffused)構造のパワーMOSFETである。また、高出力電力増幅器HPA1、HPA2の最終段の電力増幅トランジスタは、GaAs、InGaAs、SiGe等の電力付加効率に優れたHBT(Hetero Bipolar Transistor)を使用することも可能である。
シリコン半導体集積回路のチップchip1とGaAs化合物半導体集積回路のチップchip2とは、高出力電力増幅器モジュールHPA_MLための多層配線絶縁基板または複数の外部接続リードのタブの上に搭載されることができる。ローパスフィルタLPF1、LPF2のコンデンサは、チップコンデンサが使用されることができる。ローパスフィルタLPF1、LPF2のインダクタは、多層配線絶縁基板の内部の多層配線により形成されることができ、また複数の外部接続リードの一部を用いて形成されることができる。
また、上記の実施形態ではベースバンド信号処理LSIとアプリケーションプロセッサとはそれぞれ別の半導体チップで構成されていたが、別な実施形態ではアプリケーションプロセッサがベースバンド信号処理LSIの半導体チップに統合された統合ワンチップとされることができる。
《代表的な実施の形態》
本願において開示される発明の別の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係る半導体集積回路は、DCブースト回路(100)を含む。前記DCブースト回路は、高周波入力端子(101)と、DC制御入力端子(103)と、DC出力端子(104)とを含む。
前記DCブースト回路の前記高周波入力端子に高周波入力信号(RFin)が供給され、前記DC制御入力端子にDC制御電圧(Vdc)が供給されことにより、前記DC出力端子からDC出力電圧(Vout)が生成される。
前記DCブースト回路は、第1容量素子(106;C1)、第2容量素子(110;C2)、第1ダイオード(108;D1)、第2ダイオード(109;D2)、第1抵抗素子(107;R1)、第2抵抗素子(111;R2)を含む。前記第1容量素子と前記第1抵抗素子との直列接続の一方の端子には、前記高周波入力端子が接続される。前記直列接続の他方の端子は、前記第1ダイオードのカソードと前記第2ダイオードのアノードとに接続されている。前記第1ダイオードのアノードと前記第2容量素子の一方の端子とは前記DC制御入力端子に接続され、前記第2ダイオードのカソードと前記第2容量素子の他方の端子とは前記第2抵抗素子の一方の端子に接続されている。前記第2抵抗素子の他方の端子は、前記DC出力端子に接続されている。
前記第1ダイオードと前記第2ダイオードと前記第2容量素子とからなる閉ループの内部の前記第1ダイオードの第1直列抵抗(rs1)の抵抗値と前記第2ダイオードの第2直列抵抗(rs2)の抵抗値よりも、前記第1抵抗素子の抵抗値は大きく設定されている(図10参照)。
前記実施の形態によれば、大きな抵抗値に設定された前記第1抵抗素子によりDCブースト回路を高入力インピーダンスとすることができる。前記高周波入力端子に供給される前記高周波入力信号の負電圧振幅と正電圧振幅とにより生成される前記第1ダイオードの第1直列抵抗の電圧降下と前記第2ダイオードの第2直列抵抗の電圧降下とは、前記第1抵抗素子の電圧降下よりも小さくなる。前記第1ダイオードに印加される逆方向電圧と前記第2ダイオードに印加される逆方向電圧とが小さくなり、内蔵のDCブースト回路の寿命および動作信頼性を向上した半導体集積回路を提供することができる。
好適な実施の形態による半導体集積回路(300)は、信号入力端子(306)と信号出力端子(301)との間に接続された高周波スイッチ(320;Qsw)を更に含む。前記高周波スイッチの前記信号入力端子には高周波入力信号(RFin)が供給され、前記高周波スイッチの制御入力端子には前記DCブースト回路の前記DC出力端子から生成される前記DC出力電圧(Vout)が供給される(図12参照)。
前記好適な実施の形態によれば、高周波スイッチとDCブースト回路とを内蔵する半導体集積回路の寿命および動作信頼性を向上することができる。
より好適な実施の形態による半導体集積回路では、前記高周波スイッチ(320)は電界効果トランジスタ(Qsw)を含む。前記高周波スイッチの前記制御入力端子としての前記電界効果トランジスタのゲートに高レベルの前記DC出力電圧が供給されることにより、前記電界効果トランジスタは導通して前記高周波スイッチの前記信号入力端子に供給される前記高周波入力信号は前記信号出力端子に伝達される(図12参照)。
具体的な実施の形態による半導体集積回路では、前記高周波スイッチとしての前記電界効果トランジスタは、ドレイン・ソース経路が前記高周波スイッチの前記信号入力端子と前記信号出力端子との間に直列接続された複数の電界効果トランジスタで構成されている
(図12参照)。
前記具体的な実施の形態によれば、直列接続された複数の電界効果トランジスタの個々のトランジスタの電圧が小さくなり、高調波歪みを低減することができる。
より具体的な実施の形態による半導体集積回路では、前記高周波スイッチとしての前記電界効果トランジスタは、化合物半導体チップに形成されたヘテロ接合のHEMTで構成されている(図12参照)。
前記より具体的な実施の形態によれば、前記高周波スイッチを低いオン抵抗とすることができ、信号損失を低減することができる。
〔2〕別の観点による実施の形態に係る半導体集積回路(300)は、送受信アンテナ(ANT)に接続可能な入出力端子(301)と、少なくとも1個の受信信号出力端子(308)と、少なくとも1個の送信信号入力端子(306)とを含む。前記入出力端子と前記受信信号出力端子との間には、受信用高周波スイッチ(304)が接続される。前記入出力端子と前記送信信号入力端子との間には、送信高周波スイッチ(302)が接続される。
前記受信用高周波スイッチの受信制御入力端子(312)には、受信制御電圧が供給される。
前記受信用高周波スイッチは、受信用電界効果トランジスタ(360)を含む。前記受信用高周波スイッチの前記受信用制御入力端子としての前記受信用電界効果トランジスタのゲートに、高レベルの前記受信制御電圧が供給される。それにより、前記受信用電界効果トランジスタは導通して、前記入出力端子に前記送受信アンテナから供給される受信高周波入力信号(Rx1)が前記受信信号出力端子に伝達される。
前記送信用高周波スイッチは、送信用電界効果トランジスタ(320)とDCブースト回路(330)とを含む。前記DCブースト回路は、高周波入力端子と、DC制御入力端子と、DC出力端子とを含む。前記DCブースト回路の前記高周波入力端子に送信高周波出力信号(Tx1)が供給され、前記DC制御入力端子にDC制御電圧が供給されることにより、前記DC出力端子からDC出力電圧が生成される。前記送信用高周波スイッチの送信用信号入力端子には前記送信高周波出力信号が供給され、前記送信用高周波スイッチの送信用信号出力端子は前記入出力端子(301)と接続される。前記送信用高周波スイッチの送信用制御入力端子としての前記送信用電界効果トランジスタのゲートに、前記DCブースト回路の前記DC出力端子からの高レベルの前記DC出力電圧が供給される。それにより、前記送信用電界効果トランジスタは導通して、前記送信用高周波スイッチの前記送信用信号入力端子に供給される前記送信高周波出力信号は前記入出力端子に伝達される。
前記DCブースト回路は、高周波入力端子(101)と、DC制御入力端子(103)と、DC出力端子(104)とを含む。
前記DCブースト回路の前記高周波入力端子に高周波入力信号(RFin)が供給され、前記DC制御入力端子にDC制御電圧(Vdc)が供給されことにより、前記DC出力端子からDC出力電圧(Vout)が生成される。
前記DCブースト回路は、第1容量素子(106;C1)、第2容量素子(110;C2)、第1ダイオード(108;D1)、第2ダイオード(109;D2)、第1抵抗素子(107;R1)、第2抵抗素子(111;R2)を含む。前記第1容量素子と前記第1抵抗素子との直列接続の一方の端子には、前記高周波入力端子が接続される。前記直列接続の他方の端子は、前記第1ダイオードのカソードと前記第2ダイオードのアノードとに接続されている。前記第1ダイオードのアノードと前記第2容量素子の一方の端子とは前記DC制御入力端子に接続され、前記第2ダイオードのカソードと前記第2容量素子の他方の端子とは前記第2抵抗素子の一方の端子に接続されている。前記第2抵抗素子の他方の端子は、前記DC出力端子に接続されている。
前記第1ダイオードと前記第2ダイオードと前記第2容量素子とからなる閉ループの内部の前記第1ダイオードの第1直列抵抗(rs1)の抵抗値と前記第2ダイオードの第2直列抵抗(rs2)の抵抗値よりも、前記第1抵抗素子の抵抗値は大きく設定されている(図10参照)。
〔3〕本発明の他の実施の形態に係る高周波モジュール(RF_ML)は、電力増幅器(HPA1、HPA2)と、アンテナスイッチ半導体集積回路(ANT_SW)とを含む。前記電力増幅器は、高周波アナログ信号処理半導体集積回路(RF_IC)から生成される高周波送信信号(RF_Tx1、RF_Tx2)を増幅してアンテナ(ANT)へ供給する。前記アンテナスイッチ半導体集積回路は前記アンテナで受信される高周波受信信号(RF_Rx1、RF_Rx2)を前記高周波アナログ信号処理半導体集積回路に供給する一方、前記電力増幅器の出力信号を前記アンテナへ供給する。前記アンテナスイッチ半導体集積回路は、前記〔1〕に記載の半導体集積回路または前記〔2〕に記載の半導体集積回路である(図17参照)。
《実施の形態の説明》
次に、実施の形態について更に詳述する。以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、発明を実施するための最良の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
≪DCブースト回路≫
図10は、本発明の1つの実施の形態による半導体集積回路に内蔵されたDCブースト回路100を示す回路図である。
同図に示すように、DCブースト回路100は、容量素子106(C1)、110(C2)、抵抗素子107(R1)、111(R2)、ダイオード108(D1)、109(D2)で構成されている。抵抗素子107の抵抗値はアンテナのインピーダンス50Ωに比べて十分に大きい値(例えば、10KΩ)に設定されているので、DCブースト回路100の入力インピーダンスは50Ωに比べて十分に高い値となっている。従って、高周波信号入力端子101に入力された高周波入力信号電力RFinの大部分は、スイッチ素子に接続される高周波信号入力端子102へ流れ、わずかな一部の電力がDCブースト回路100に流入される。ダイオード108の直列抵抗rs1とダイオード109の直列抵抗rs2も数Ω程度であり、抵抗素子107の抵抗値(例えば、10KΩ)よりも十分低い。高周波信号入力端子101に供給される高周波入力信号電力RFinの負電圧振幅と正電圧振幅とにより生成されるダイオード108の直列抵抗rs1の電圧降下とダイオード109の直列抵抗rs2の電圧降下とは、抵抗素子107の電圧降下よりも小さくなる。ダイオード108に印加される逆方向電圧とダイオード109に印加される逆方向電圧とが小さくなり、DCブースト回路100の寿命および動作信頼性を向上することができる。尚、直列接続された容量素子106と抵抗素子107の接続順序は図10に示した接続の順序でも良いし、順序を逆転させても良い。
DCブースト回路100の動作は、以下のように説明される。
最初に接続点105での高周波信号の電圧振幅が負の時を考えると、ダイオード108が順方向にバイアスされて導通状態となり、ダイオード109が逆方向にバイアスされて非導通状態となる。この時に、容量素子106に電流がダイオード108を介して流れ込み、接続点105に接続された容量素子106の一方の端子が負電圧に充電され、ダイオード108、109に接続された容量素子106の他方の端子が正電圧に充電される。次に、接続点105での高周波信号の電圧振幅が正になる時を考えると、ダイオード108が逆方向にバイアスされて非導通状態となり、ダイオード109が順方向にバイアスされて導通状態となる。この時、容量素子106の他方の端子に充電されていた正電荷は、ダイオード109を介して容量素子110に流れ込む。DC制御電圧供給端子103とダイオード108との接続点に接続された容量素子110の一方の端子が負電圧に充電され、ダイオード109及び抵抗素子111との接続点に接続された容量素子110の他方の端子は正電圧に充電される。高周波信号の負電圧振幅に応答した容量素子106の充電の動作と高周波信号の正電圧振幅に応答した容量素子110の充電の動作とが繰り返され、容量素子110が充電される。DC制御電圧供給端子103に印加されるDC制御電圧Vdcと容量素子110の両端の間の充電電位差Vbの和によるがDC出力電圧VoutがDCブースト回路のDC出力端子104より出力されて、アンテナスイッチMMICの制御に用いられる。すなわち、DC制御電圧供給端子103のDC制御電圧Vdcより充電電位差Vb分大きなDC出力電圧VoutがDC出力端子104から生成される。DC制御電圧供給端子103のDC制御電圧Vdcが3ボルトで、容量素子110の両端の充電電位差Vbが略2ボルトの場合には、DC出力端子104から生成されるDC出力電圧Voutは略5ボルトとなる。
ここで、図10に示した本発明の1つの実施の形態による半導体集積回路に内蔵されたDCブースト回路100のDC制御電圧供給端子103に3Vを印加して、DC出力端子104で約5VのDC出力電圧Voutが出力される場合、ダイオード108、109の逆方向電圧の大きさを考えてみる。この場合、高周波入力端子101のRF入力信号RFinが負電圧振幅の時には、略1mAのRF信号電流が流れる。この電流はDC制御電圧供給端子103からダイオード108(直列抵抗rs1を含む)と10KΩの抵抗素子107とを介して高周波入力端子201に流入する。ダイオード108(直列抵抗rs1を含む)の両端には略1ボルトの電圧降下が発生する。従って、ダイオード108、109の共通接続点に接続された抵抗素子107の一方の端子の電圧は、DC制御電圧供給端子103のDC制御電圧Vdc3ボルトよりもダイオード108(直列抵抗rs1を含む)の両端の略1ボルトの電圧降下分低い略2ボルトとなる。ダイオード109のカソードの電圧はDC出力端子204の略5ボルトのDC出力電圧Voutに維持され、ダイオード109のアノードには略2ボルトの電圧が印加されている。その結果、ダイオード109の両端の間には、略3ボルトと極めて低い逆方向電圧が印加されることになる。高周波入力端子101のRF入力信号RFinが正電圧振幅の時には、略1mAのRF信号電流が、高周波入力端子101から容量素子106と10KΩの抵抗素子107とダイオード109(直列抵抗rs2を含む)とを介してDC出力端子104とDC制御電圧供給端子103とに流入する。ダイオード109(直列抵抗rs2を含む)の両端には、略1ボルトの電圧降下が発生する。従って、ダイオード108、109の共通接続点に接続された抵抗素子107の一方の端子の電圧は、DC出力端子104の略5ボルトのDC出力電圧Voutよりもダイオード109(直列抵抗rs2を含む)の両端の略1ボルトの電圧降下分高い略6ボルトとなる。ダイオード108のアノードの電圧はDC制御入力端子203のDC制御電圧Vdc3ボルトに維持され、ダイオード108、109の共通接続点に接続された抵抗素子107の一方の端子の電圧は略6ボルトの電圧となっている。その結果、ダイオード108の両端の間には、略3ボルトと極めて低い逆方向電圧が印加されることになる。このように、図11に示したDCブースト回路と比較して、図10に示した本発明の1つの実施の形態による半導体集積回路に内蔵されたDCブースト回路100のダイオード108、109の逆方向電圧を遙かに低くすることが可能となる。従って、図10に示したDCブースト回路100の寿命および動作信頼性を著しく向上することが可能と
なる。
≪DCブースト回路により駆動される高周波スイッチ≫
図12は、本発明の1つの実施の形態による半導体集積回路300に内蔵されたDCブースト回路(DCBC)330と送信用高周波スイッチ回路302を示す回路図である。 同図に示すように、送信用高周波スイッチ回路302は、高周波信号入力端子306と高周波信号出力端子301と制御入力端子310とに接続されている。図12の半導体集積回路300に内蔵されたDCブースト回路(DCBC)330は、図10に示したDCブースト回路100と本質的に同一である。すなわち、図12のDCブースト回路(DCBC)330の回路図では、図10のダイオード108の直列抵抗rs1とダイオード109の直列抵抗rs2とに対応する直列抵抗は、ダイオード333、334は接続されていない。
しかし、図12のダイオード333、334も、数Ω程度の直列抵抗を含むものである。
従って、図12のDCブースト回路(DCBC)330は、図10のDCブースト回路100と同様に、DC制御入力端子310のDC制御電圧Vdcより容量素子211の両端の充電電圧Vb分大きなDC出力電圧Voutを抵抗素子336(R2)の他端から生成する。DC制御入力端子310のDC制御電圧Vdcが3ボルトで、容量素子335(C2)の両端の充電電圧Vbは略2ボルトの場合には、抵抗素子336(R2)の他端から生成されるDC出力電圧Voutは略5ボルトとなる。図12の半導体集積回路300の高周波スイッチ(Qsw)320は、DCブースト回路(DCBC)330からの高レベルのDC出力電圧Voutにより駆動されて導通状態となる。導通状態の高周波スイッチ(Qsw)320を介して、高周波信号入力端子306に供給される高周波入力信号RFinとしてのRF送信信号Txは、アンテナANTに接続される信号出力端子301へ伝達される。DCブースト回路(DCBC)330からの高レベルのDC出力電圧Voutにより高周波スイッチ(Qsw)320のオン抵抗Ronが低減されて、アンテナANTに接続される信号出力端子301へ伝達されるRF信号損失が低減されることができる。また、図12では図示されていないが、アンテナANTに接続される信号出力端子301は信号入出力端子としても機能して、信号出力端子301には受信用高周波スイッチが接続される。送信動作モードでは、受信用高周波スイッチは非導通状態に制御され、送信用高周波スイッチ(Qsw)320は導通状態に制御される。高周波スイッチ(Qsw)320がオン状態に制御される際に、DCブースト回路(DCBC)330からの高レベルのDC出力電圧Voutにより信号入出力端子301の電圧も高レベルとなる。この時に、図示されていない受信用高周波スイッチのゲートのDC制御入力端子には低レベルのDC制御電圧が印加され、受信用高周波スイッチは非導通状態となる。受信用高周波スイッチのソース・ドレインの高レベルの電圧とゲートの低レベルのDC制御電圧とによって、受信用高周波スイッチのFETのゲート・ソース間電圧は深い逆方向バイアス電圧となる。受信用高周波スイッチのFETのゲート・ソース間電圧が浅い逆方向バイアス電圧の場合には、送信用高周波スイッチから伝達されるRF送信信号により駆動される受信用高周波スイッチのFETのゲート容量の容量値の変化が大きくなる。受信用高周波スイッチのFETのゲート容量の容量値の大きな変化は、アンテナスイッチの大きな高調波歪みの原因となる。図12に示した半導体集積回路300では、DCブースト回路(DCBC)330からの高レベルのDC出力電圧Voutにより、受信用高周波スイッチのFETのゲート・ソース間電圧は深い逆方向バイアス電圧となる。受信用高周波スイッチのFETのゲート容量の容量値の変化を小さくでき、アンテナスイッチの高調波歪みを低減することができる。
図12に示した半導体集積回路300では、送信用高周波スイッチ(Qsw)320は、高周波信号入力端子306と信号出力端子301との間にドレイン・ソース経路が直列接続された複数の電界効果トランジスタ(FET)320A、320B、320C、320Dにより構成されている。直列接続された複数の電界効果トランジスタ(FET)320A、320B、320C、320Dの個々のFETの電圧が小さくなり、アンテナスイッチの高調波歪みを低減することができる。FET320A、320B、320C、320Dのドレイン・ソース間に高抵抗の抵抗素子322A、322B、322C、322Dが接続され、個々のFETのドレイン・ソースは直流的に略同一の電位に維持されることができる。略同一の電位に維持された個々のFETのドレイン・ソース電圧を基準としたFET320A、320B、320C、320Dのゲート電圧の高・低により、FET320A、320B、320C、320Dのオン・オフが決定される。また、FET320A、320B、320C、320Dのゲートには抵抗素子321A、321B、321C、321Dを介して、DCブースト回路(DCBC)330からのDC出力電圧Voutが供給される。更に、FET320A、320B、320C、320Dのゲートには抵抗素子323を介して、DC制御入力端子310のDC制御電圧Vdcが供給される。尚、FET320A、320B、320C、320Dとしては、低いオン抵抗を持つヘテロ接合構造のHEMTが使用されている。尚、HEMTは、High Electron Mobility Transistorの略である。
図13は、図10と図12とに示した本発明の1つの実施の形態による半導体集積回路に内蔵された送信用高周波スイッチ回路を駆動するDCブースト回路の高周波等価回路を示す回路図である。抵抗素子107の抵抗値をR1、ダイオード108、109の等価インピーダンスを各々Z1、Z2とする。ダイオード108、109の一方の等価インピーダンスが他方の等価インピーダンスよりも十分大きくなる。従って、Z1<<Z2とすると、入力インピーダンスZin1は、
Zin1=R1+(Z1||Z2)
≒R1+Z1 …(数1)
となる。
同様に、図14は、図11に示した本発明に先立って本発明者等により検討されたDCブースト回路の高周波等価回路を示す回路図である。抵抗素子207、208の抵抗値を等しいR11とし、ダイオード209、210の等価インピーダンスを各々Z1、Z2とする。ダイオード209、210の一方の等価インピーダンスが他方の等価インピーダンスよりも十分大きくなる。従って、Z1<<Z2とすると、入力インピーダンスZin2は、
Zin2=(R11+Z1)||(R11+Z2)
≒(R11+Z1)・(R11+Z2)/(2・R11+Z2) …(数2)
となる。
DCブースト回路での昇圧により生成されるDC出力電圧のレベルは、DCブースト回路に供給される高周波入力信号RFinの入力電力で決定される。すなわち、図10と図11に示したDCブースト回路は、互いに入力インピーダンスが等しい時に同じレベルのDC出力電圧Voutを生成する。(数1)と(数2)より、図10と図11のDCブースト回路は等しいレベルのDC出力電圧Voutを生成するためには、R1>R11である必要がある。発明者らによるシミュレーション結果では、等しいレベルのDC出力電圧Voutは、R1≒0.7・R11の時に生成されることが判明した。またDCブースト回路の昇圧動作では、抵抗素子107、207、208を介して容量素子106、110、206、211が充電・放電される。GSM850、GSM900、DCS1800、PCS1900等のマルチバンドの送受信を可能とする携帯電話では、搭載されるアンテナスイッチの複数の高周波スイッチを高速で非導通・導通に駆動する必要がある。そのためには、DCブースト回路の入力インピーダンスを有る程度低くする必要がある。図10に示す本発明の1つの実施の形態によるDCブースト回路は、有る程度低い入力インピーダンスを比較的低い抵抗値R1の抵抗素子107により実現することができる。比較的低い抵抗値R1の抵抗素子107は、半導体チップ上で小さなチップ専有面積で形成される。従って、図10に示す本発明の1つの実施の形態によるDCブースト回路を採用することにより、アンテナスイッチMMICのチップ面積を低減することが可能となる。
≪アンテナスイッチMMIC≫
図15は、本発明の他の1つの実施の形態によるアンテナスイッチマイクロウェーブモノリシック半導体集積回路(MMIC)300を示す回路図である。
図15に示したアンテナスイッチMMIC(300)は共通の入出力端子I/O(301)と送信端子Tx1(306)、Tx2(307)、受信端子Rx1(308)、Rx2(309)のいずれかの端子の間で信号経路を確立して、受信動作RXと送信動作TXとのいずれかを行う。このアンテナスイッチMMIC(300)は受信動作RXと送信動作TXとのいずれかのために確立した信号経路以外の信号経路のインピーダンスを極めて高い値に設定することで、必要なアイソレーションを得るものである。アンテナスイッチの分野では、共通の入出力端子I/O(301)はシングルポール(Single Pole)と呼ばれる。このシングルポールI/O(301)と送信端子Tx1(306)、Tx2(307)、受信端子Rx1(308)、Rx2(309)間の合計4個の信号経路は、4スロー(4 throw)と呼ばれる。従って、図15のアンテナスイッチMMIC(300)は、シングルポール4スロー(SP4T; Single Pole 4 throw)型のスイッチである。
アンテナスイッチMMIC(300)は、4個の高周波スイッチ302、303、304、305を含む。第1送信スイッチ302は共通の入出力端子I/O(301)と第1送信端子Tx1(306)との間を接続することにより、第1送信端子Tx1(306)から共通の入出力端子I/O(301)への第1送信信号の経路を確立する。第2送信スイッチ303は共通の入出力端子I/O(301)と第2送信端子Tx2(307)との間を接続することにより、第2送信端子Tx2(307)から共通の入出力端子I/O(301)への第2送信信号の経路を確立する。第1受信スイッチ304は共通の入出力端子I/O(301)と第1受信端子Rx1(308)との間を接続することにより、共通の入出力端子I/O(301)から第1受信端子Rx1(308)への第1受信信号の経路を確立する。第2受信スイッチ305は共通の入出力端子I/O(301)と第2受信端子Rx2(309)との間を接続することにより、共通の入出力端子I/O(301)から第2受信端子Rx2(309)への第2受信信号の経路を確立する。尚、4個の高周波スイッチ302、303、304、305を構成する高周波スイッチFET320、340、360、370としては、低いオン抵抗を持つヘテロ接合構造のHEMTが使用されている。
共通の入出力端子301には送受信アンテナANTが接続され、第1送信端子Tx1(306)には第1電力増幅器が第1ローパスフィルタを介して接続され(図示せず)、第2送信端子Tx2(307)には図示されてない第2電力増幅器が第2ローパスフィルタを介して接続されることができる(図示せず)。第1受信端子Rx1(308)には第1低雑音増幅器が第1表面弾性波フィルタを介して接続され(図示せず)、第2受信端子Rx2(309)には第2低雑音増幅器が第2表面弾性波フィルタを介して接続されることができる(図示せず)。
第1送信スイッチ302は、共通の入出力端子I/O(301)と第1送信端子Tx1(306)との間に直列接続された第1送信FET320A…320Dを含んでいる。各FETのソース・ドレイン間には抵抗素子322A…322Dが接続されている。各ゲートは抵抗素子321A…321Dの一端に接続され、抵抗素子321A…321Dの他端は抵抗素子323を介して第1送信DC制御端子310に接続される。また、第1送信スイッチ302は、第1容量素子331、第2容量素子335、第1抵抗素子332、第2抵抗素子336、第1ダイオード333、第2ダイオード334で構成された第1送信DCブースト回路330を含んでいる。第1抵抗素子332、第2抵抗素子336の抵抗値は、第1ダイオード333の直列抵抗成分と第2ダイオード334の直列抵抗成分の抵抗値よりも十分大きな値に設定されている。第1送信スイッチ302の第1送信DCブースト回路330には、第1送信端子Tx1(306)から第1送信RF信号が供給され第1送信DC制御端子310に第1送信DC制御電圧が供給される。それにより、図15の第1送信スイッチ302の第1送信DCブースト回路330は、図10に示したDCブースト回路100と本質的に同一の昇圧動作を実行する。
第2送信スイッチ303は、共通の入出力端子I/O(301)と第2送信端子Tx2(307)との間に直列接続された第2送信FET340A…340Dを含んでいる。各FETのソース・ドレイン間には抵抗素子342A…342Dが接続されている。各ゲートは抵抗素子341A…341Dの一端に接続され、抵抗素子341A…341Dの他端は抵抗素子343を介して第2送信DC制御端子311に接続される。また、第1送信スイッチ303は、第1容量素子351、第2容量素子355、第1抵抗素子352、第2抵抗素子356、第1ダイオード353、第2ダイオード354で構成された第2送信DCブースト回路350を含んでいる。第1抵抗素子352、第2抵抗素子356の抵抗値は、第1ダイオード353の直列抵抗成分と第2ダイオード354の直列抵抗成分の抵抗値よりも十分大きな値に設定されている。第2送信スイッチ303の第2送信DCブースト回路350には、第2送信端子Tx2(307)から第2送信RF信号が供給され第2送信DC制御端子311に第2送信DC制御電圧が供給される。それにより、図15の第2送信スイッチ303の第2送信DCブースト回路350は、図10に示したDCブースト回路100と本質的に同一の昇圧動作を実行する。
第1受信スイッチ304は、共通の入出力端子I/O(301)と第1受信端子Rx1(308)との間に直列接続された第1受信FET360A…360Dを含んでいる。各FETのソース・ドレイン間には抵抗素子362A…362Dが接続されている。各ゲートは抵抗素子361A…361Dの一端に接続され、抵抗素子361A…361Dの他端は抵抗素子363を介して第1受信DC制御端子312に接続されている。
第2受信スイッチ305は、共通の入出力端子I/O(301)と第2受信端子Rx2(309)との間に直列接続された第2受信FET370A…370Dを含んでいる。各FETのソース・ドレイン間には抵抗素子372A…372Dが接続されている。各ゲートは抵抗素子371A…371Dの一端に接続され、抵抗素子371A…371Dの他端は抵抗素子373を介して第2受信DC制御端子313に接続されている。また、受信状態で送受信アンテナANTから共通の入出力端子I/O(301)に供給される第1RF受信信号の電力レベルは、送信状態でRF電力増幅器から送受信アンテナANT供給されるRF送信信号の電力レベルと比較すると極めて小さい。従って、第1受信スイッチ304や第2受信スイッチ305の内部に第1送信スイッチ302の第1送信DCブースト回路330や第2送信スイッチ303の第2送信DCブースト回路350のような受信DCブースト回路を配置しても、受信DCブースト回路の昇圧機能は極めて低い。この理由から、第1受信スイッチ304や第2受信スイッチ305の内部には、受信用のDCブースト回路が配置されていない。
図15のアンテナスイッチMMIC(300)の第1送信スイッチ302の第1送信FET320A…320Dは、第1送信DCブースト回路330からの高レベルのDC出力電圧により駆動されて導通状態となる。導通状態の第1送信FET320A…320Dを介して、第1送信端子Tx1(306)に供給される第1送信RF信号はアンテナANTに接続される共通の入出力端子I/O(301)へ伝達される。第1送信DCブースト回路330からの高レベルのDC出力電圧により第1送信スイッチ302の第1送信FET320A…320Dのオン抵抗Ronが低減されて、アンテナANTに接続される共通の入出力端子I/O(301)へ伝達されるRF信号損失が低減されることができる。また、第1送信DCブースト回路330からの高レベルのDC出力電圧により第1送信スイッチ302の第1送信FET320A…320Dがオン状態に制御される際に、高レベルのDC出力電圧により共通の入出力端子I/O(301)の電圧も高レベルとなる。この時に、第2送信スイッチ303の第2送信DC制御端子311の第2送信DC制御電圧と、第1受信スイッチ304の第1受信DC制御端子312の第1受信DC制御電圧と、第2受信スイッチ305の第2受信DC制御端子313の第2受信DC制御電圧とは、低レベルのDC制御電圧となっている。従って、第2送信スイッチ303の第2送信FET340A…340Dと、第1受信スイッチ304の第1受信FET360A…360Dと、第2受信スイッチ305の第2受信FET370A…370Dとは、非導通状態となる。また、高レベルのDC出力電圧により、非導通状態の第2送信FET340A…340D、第1受信FET360A…360D、第2受信FET370A…370Dの各FETのゲート・ソース間電圧は深い逆方向バイアス電圧となる。これらのFETのゲート容量の容量値の変化を小さくでき、アンテナスイッチの高調波歪みを低減することができる。
また、図15のアンテナスイッチMMIC(300)の第2送信スイッチ303の第2送信FET340A…340Dが第2送信DCブースト回路350からの高レベルのDC出力電圧により駆動されて導通状態となる場合には、第1送信スイッチ302の第1送信FET320A…320Dと、第1受信スイッチ304の第1受信FET360A…360Dと、第2受信スイッチ305の第2受信FET370A…370Dとは、非導通状態となる。また、非導通状態の第1送信FET320A…320D、第1受信FET360A…360D、第2受信FET370A…370Dの各FETのゲート・ソース間電圧は深い逆方向バイアス電圧となる。これらのFETのゲート容量の容量値の変化を小さくでき、アンテナスイッチの高調波歪みを低減することができる。
以上のようにSP4T型のアンテナスイッチMMIC(300)は構成されるが、図15の内部の抵抗素子は化合物半導体のメサ抵抗や金属薄膜抵抗を用い、図15の内部の容量素子はMIM(Metal Insulator Metal)容量を用いることができる。しかしながら、図15の内部の抵抗素子および容量素子はこれらに限定されるものではなく、他の製造方法で製造される抵抗素子および容量素子に変更可能であることは言うまでもない。
≪DCブースト回路のデバイス構造≫
図16は、図15に示した本発明の1つの実施の形態によるアンテナスイッチMMIC(300)の第1送信スイッチ302の第1送信DCブースト回路330や第2送信スイッチ303の第2送信DCブースト回路350のデバイス構造を示す平面図である。
同図に示すようにDCブースト回路の高周波入力端子401(Tx)は、第1容量素子C1の一端に接続されている。第1容量素子C1は、下層の第1層配線の金属層404と上層の第2層配線の金属層405と層間絶縁層とのMIM容量で構成されている。金属層404は接続点406を経由して第1抵抗素子R1を形成する抵抗407の一端に接続され、抵抗407の他端は接続点408を経由して金属層409に接続されている。金属層409には、第1ダイオードD1のカソードと第2ダイオードD2のアノードとが接続されている。第1ダイオードD1は、ソース電極411(S)、ドレイン電極412(D)、ゲート電極413(G)を持つFET(410)で形成される。FET(410)のソース電極411(S)とドレイン電極412(D)とは、金属層409により短絡されている。FET(410)のゲート電極410(G)とソース電極411(S)とが、ショットキーダイオード(D1)のアノードとカソードとなる。カソードとしてのソース電極411(S)とドレイン電極412(D)は金属層409に接続され、アノードとしてのゲート電極413(G)は金属層420に接続され、金属層420はDC制御電圧Vdcが供給されるDC制御入力端子402に接続されている。同様に、第2ダイオードD2は、ソース電極415(S)、ドレイン電極416(D)、ゲート電極417(G)を持つFET(414)で形成される。FET(414)のソース電極415(S)とドレイン電極416(D)とは、金属層418により短絡されている。FET(414)のゲート電極417(G)とソース電極415(S)とが、ショットキーダイオード(D2)のアノードとカソードとなる。FET(414)のゲート電極417(G)は金属層409に接続され、ソース電極415(S)とドレイン電極416(D)は金属層418により短絡されている。FET(414)のゲート電極417(G)とソース電極415(S)とが、ショットキーダイオード(D2)のアノードとカソードとなる。アノードとしてのゲート電極417(G)は金属層409に接続され、カソードとしてのソース電極415(S)とドレイン電極416(D)は金属層418に接続されている。金属層418は接続点419を経由して第2容量素子C2の一端に接続されている。第2容量素子C2は、下層の第1層配線の金属層421と上層の第2層配線の金属層420と層間絶縁層とのMIM容量で構成されている。下層の第1層配線の金属層421は、接続点422を経由して第2抵抗素子R2を形成する抵抗423の一端に接続され、抵抗423の他端は接続点424を経由してDC出力電圧Voutが生成されるDC出力端子403に接続されている。ショットキーダイオードD1、D2を形成するFET410、414は、図15の4個の高周波スイッチ302、303、304、305を構成する高周波スイッチFET320、340、360、370のHEMTと同一構造で、また、同一製造プロセスで製造す
ることができる。
≪高周波モジュール≫
図17は、本発明の1つの実施の形態によるアンテナスイッチMMICを内蔵した高周波モジュールと高周波アナログ信号処理半導体集積回路とベースバンド信号処理LSIとを搭載した携帯電話の構成を示すブロック図である。
同図に示された高周波モジュールRF_MLは、図15に示したアンテナスイッチマイクロウェーブモノリシック半導体集積回路(ANT_SW)とRF電力増幅器HPA1、HPA2とローパスフィルタLPF1、LPF2とコントローラ集積回路(CNT_IC)とを含んでいる。携帯電話の送受信用アンテナANTには、高周波モジュールRF_MLのアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の共通の入出力端子I/Oが接続されている。ベースバンド信号処理LSI(BB_LSI)からの制御信号B.B_Cntは、高周波アナログ信号処理半導体集積回路(RF_IC)(以下RFIC)を経由して高周波モジュール(RF_ML)のコントローラ集積回路(CNT_IC)に供給される。送受信用アンテナANTから共通の入出力端子I/Oへの高周波信号の流れは携帯電話の受信動作RXとなり、共通の入出力端子I/Oから送受信用アンテナANTへの高周波信号の流れは携帯電話の送信動作TXとなる。
RFIC(RF_IC)はベースバンド信号処理LSI(BB_LSI)からの送信ベースバンド信号Tx_BBSを高周波送信信号に周波数アップコンバージョンを行い、逆に送受信用アンテナANTで受信された高周波受信信号を受信ベースバンド信号Rx_BBSに周波数ダウンコンバージョンを行いベースバンド信号処理LSI(BB_LSI)に供給する。
高周波モジュールRF_MLのアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)は共通の入出力端子I/Oと送信端子Tx1、Tx2、受信端子Rx1、Rx2のいずれかの端子の間で信号経路を確立して、受信動作RXと送信動作TXとのいずれかを行う。このアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)は受信動作RXと送信動作TXとのいずれかのために確立した信号経路以外の信号経路のインピーダンスを極めて高い値に設定することで、必要なアイソレーションが得られるものである。
尚、ベースバンド信号処理LSI(BB_LSI)は図示されていない外部不揮発性メモリと図示されていないアプリケーションプロセッサとに接続されている。アプリケーションプロセッサは、図示されていない液晶表示装置と図示されていないキー入力装置とに接続され、汎用プログラムやゲームを含む種々のアプリケーションプログラムを実行することができる。携帯電話等のモバイル機器のブートプログラム(起動イニシャライズプログラム)、オペレーティングシステムプログラム(OS)、ベースバンド信号処理LSIの内部のディジタルシグナルプロセッサ(DSP)によるGSM方式等の受信ベースバンド信号に関する位相復調と送信ベースバンド信号に関する位相変調のためのプログラム、種々のアプリケーションプログラムは、外部不揮発性メモリに格納されることができる。
ベースバンド信号処理LSI(BB_LSI)からの送信ベースバンド信号Tx_BBSがGSM850またはGSM900の送信周波数バンドに周波数アップコンバージョンされるべき場合を想定する。尚、GSM850のRF送信信号の周波数は824MHz〜849MHzであり、GSM900のRF送信信号の周波数は880MHz〜915MHzである。この場合には、RFICの送信信号処理ユニットTx_SPUは送信ベースバンド信号Tx_BBSからこの送信周波数バンドへの周波数アップコンバージョンを行って、高周波送信信号RF_Tx1が生成される。この送信周波数バンドの高周波送信信号RF_Tx1は、高周波モジュールRF_MLのRF高出力電力増幅器HPA1で電力増幅され、ローパスフィルタLPF1を経由してアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の送信端子Tx1に供給される。送信端子Tx1に供給されたGSM850またはGSM900の高周波送信信号RF_Tx1は、共通の入出力端子I/Oを介して送受信用アンテナANTから送信されることができる。
送受信用アンテナANTで受信されたGSM850またはGSM900の高周波受信信号RF_Rx1は、アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の共通の入出力端子I/Oに供給される。尚、GSM850のRF受信信号の周波数は869MHz〜894MHzであり、GSM900のRF受信信号の周波数は925MHz〜960MHzである。アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の受信端子Rx1から得られるこの受信周波数バンドの高周波受信信号RF_Rx1は表面弾性波フィルタSAW1を介してRFIC(RF_IC)の低雑音増幅器LNA1で増幅され、その後、受信信号処理ユニットRx_SPUに供給される。受信信号処理ユニットRx_SPUでは、GSMの高周波受信信号GSM_Rxから受信ベースバンド信号Rx_BBSへの周波数ダウンコンバージョンが行われる。
GSM850またはGSM900の送受信モードでは、アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)は制御信号B.B_Cntに応答して共通の入出力端子I/Oと送信端子Tx1との接続による高周波送信信号RF_Tx1の送信と共通の入出力端子I/Oとの受信端子Rx1との接続による高周波受信信号RF_Rx1の受信とを時分割で行う。
ベースバンド信号処理LSI(BB_LSI)からの送信ベースバンド信号Tx_BBSがDCS1800またはPCS1900の送信周波数バンドに周波数アップコンバージョンされるべき場合を想定する。尚、DCS1800のRF送信信号の周波数は1710MHz〜1780MHzであり、PCS1900のRF送信信号の周波数は1850MHz〜1910MHzである。この場合には、RFICの送信信号処理ユニットTx_SPUは送信ベースバンド信号Tx_BBSをこの送信周波数バンドへの周波数アップコンバージョンを行って、この送信周波数バンドの高周波送信信号RF_Tx2が生成される。この送信周波数バンドの高周波送信信号RF_Tx2は、高周波モジュールRF_MLのRF高出力電力増幅器HPA2で電力増幅され、ローパスフィルタLPF2を経由してアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の送信端子Tx2に供給される。送信端子Tx2に供給されたDCS1800またはPCS1900の高周波送信信号RF_Tx2は、共通の入出力端子I/Oを介して送受信用アンテナANTから送信されることができる。
送受信用アンテナANTで受信されたDCS1800またはPCS1900の高周波受信信号RF_Rx2は、アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の共通の入出力端子I/Oに供給される。尚、DCS1800のRF受信信号の周波数は1805MHz〜180MHzであり、PCS1900のRF受信信号の周波数は1930MHz〜1990MHzである。アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の受信端子Rx2から得られるDCS1800またはPCS1900の高周波受信信号RF_Rx2は表面弾性波フィルタSAW2を介してRFIC(RF_IC)の低雑音増幅器LNA2で増幅され、その後、受信信号処理ユニットRx_SPUに供給される。受信信号処理ユニットRx_SPUでは、DCS1800またはPCS1900の高周波受信信号RF_Rx2から受信ベースバンド信号Rx_BBSへの周波数ダウンコンバージョンが行われる。
DCS1800またはPCS1900の送受信モードでは、アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)は制御信号B.B_Cntに応答して共通の入出力端子I/Oと送信端子Tx2との接続による高周波送信信号RF_Tx2の送信と共通の入出力端子I/Oとの受信端子Rx2との接続による高周波受信信号RF_Rx2の受信とを時分割で行う。 以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、図15のアンテナスイッチMMIC(300)の高周波スイッチで、高周波スイッチ320、340、360、370を、HEMTトランジスタからNチャンネルのデプレッション型の絶縁ゲートMOSトランジスタに置換することができる。尚、この時には、共通の入出力端子I/Oには、図17のコントローラ集積回路CNT_ICから発生される略4ボルトのバイアス電圧を供給する。図17のコントローラ集積回路CNT_ICに外部から3ボルトの単一電源電圧が供給される場合には、3ボルトの単一電源電圧を略4ボルトのバイアス電圧に昇圧するチャージポンプ回路等の昇圧回路がコントローラ集積回路CNT_IC内部に含まれている。
また、図15のアンテナスイッチMMIC(300)がWCDMAの1920MHz〜1980MHzのRF送信信号の送信とWCDMAの2110MHz〜2170MHzのRF受信信号の受信とを切り換えることも可能である。
また、上記の実施形態ではベースバンド信号処理LSIとアプリケーションプロセッサとはそれぞれ別の半導体チップで構成されていたが、別な実施形態ではアプリケーションプロセッサがベースバンド信号処理LSIの半導体チップに統合された統合ワンチップとされることができる。
本発明によれば、RF通信端末装置に搭載されるアンテナスイッチにおいてWCDMA方式で重要な相互変調歪またはGSM方式で重要な高調波歪を低減することができる。
また、本発明によれば、内蔵のDCブースト回路の寿命および動作信頼性を向上した半導体集積回路を提供することができる。

Claims (25)

  1. 2つの高周波スイッチを含み、
    前記2つの高周波スイッチの一方の高周波スイッチの一端と前記2つの高周波スイッチの他方の高周波スイッチの一端とは共通の入出力端子に接続され、前記共通の入出力端子は無線周波数通信端末機器のアンテナと接続可能にされ、
    前記一方の高周波スイッチの他端には所定の通信方式によるRF送信信号とRF受信信号とが供給可能にされ、前記他方の高周波スイッチの他端には前記RF送信信号と前記RF受信信号と異なる他のRF送信信号と他のRF受信信号との少なくともいずれか一方が供給可能にされ、
    前記一方の高周波スイッチは直列接続された複数の電界効果トランジスタを含み、前記他方の高周波スイッチは直列接続された他の複数の電界効果トランジスタを含み、
    前記一方の高周波スイッチの前記複数の電界効果トランジスタの複数のゲートには前記一方の高周波スイッチのオン・オフ制御のための制御電圧が供給可能にされ、前記他方の高周波スイッチの前記他の複数の電界効果トランジスタの他の複数のゲートには前記他方の高周波スイッチのオン・オフ制御のための他の制御電圧が供給可能にされ、
    前記一方の高周波スイッチの前記複数の電界効果トランジスタの前記複数のゲートと前記制御電圧が供給される制御端子との間には複数の抵抗がそれぞれ接続され、前記他方の高周波スイッチの前記他の複数の電界効果トランジスタの前記他の複数のゲートと前記他の制御電圧が供給される他の制御端子との間には他の複数の抵抗がそれぞれ接続され、
    前記他方の高周波スイッチで前記他の複数の電界効果トランジスタのうちの前記共通の入出力端子に最も近接した入出力近接電界効果トランジスタのゲートと前記他の制御端子との間の入出力近接抵抗は、第1の電圧・電流特性を持ち、
    前記他方の高周波スイッチで前記入出力近接電界効果トランジスタと前記他の複数の電界効果トランジスタのうちの前記他方の高周波スイッチの前記他端に最も近接した他端近接電界効果トランジスタとの間の中間部には第1中間部電界効果トランジスタと第2中間部電界効果トランジスタが直列接続され、前記第1中間部電界効果トランジスタのゲートと前記他の制御端子との間の第1中間部抵抗と前記第2中間部電界効果トランジスタのゲートと前記他の制御端子との間の第2中間部抵抗とは第2の電圧・電流特性を持ち、
    前記他方の高周波スイッチで前記入出力近接抵抗の前記第1の電圧・電流特性の線形性は前記第1中間部抵抗と前記第2中間部抵抗の前記第2の電圧・電流特性の線形性よりも高く設定され、
    前記他方の高周波スイッチで前記他の複数の電界効果トランジスタのうちの前記他方の高周波スイッチの前記他端に最も近接した前記他端近接電界効果トランジスタのゲートと前記他の制御端子との間の他端近接抵抗は、第3の電圧・電流特性を持ち、
    前記他方の高周波スイッチで前記他端近接抵抗の前記第3の電圧・電流特性の線形性は前記第1中間部抵抗と前記第2中間部抵抗の前記第2の電圧・電流特性の前記線形性よりも高く設定され、
    前記入出力近接抵抗の抵抗値は前記第1中間部抵抗と前記第2中間部抵抗の抵抗値よりも大きく設定され、前記他端近接抵抗の抵抗値は前記第1中間部抵抗と前記第2中間部抵抗の抵抗値よりも大きく設定され、
    前記他方の高周波スイッチで前記他の複数の電界効果トランジスタのうちの前記入出力近接電界効果トランジスタの次に前記共通の入出力端子に近接した入出力第2近接電界効果トランジスタのゲートと前記入出力近接電界効果トランジスタの前記ゲートとの間に第1抵抗が接続され、前記入出力第2近接電界効果トランジスタの前記ゲートと前記第1中間部電界効果トランジスタの前記ゲートとの間に第2抵抗が接続され、前記第1中間部電界効果トランジスタの前記ゲートと前記他の制御端子との間に第3抵抗が接続され、
    前記入出力近接電界効果トランジスタの前記ゲートに接続された前記入出力近接抵抗は、前記第1抵抗と前記第2抵抗と前記第3抵抗とを含み、前記入出力第2近接電界効果トランジスタの前記ゲートに接続された入出力第2近接抵抗は、前記第1抵抗を含まず、前記第2抵抗と前記第3抵抗とを含み、前記第1中間部電界効果トランジスタの前記ゲートに接続された前記第1中間部抵抗は、前記第1抵抗と前記第2抵抗とを含まず、前記第3抵抗を含み、
    前記他方の高周波スイッチで前記第2中間部電界効果トランジスタの前記ゲートと前記他の制御端子との間に、第4抵抗が接続され、前記他方の高周波スイッチの前記他の複数の電界効果トランジスタのうちの前記他端近接電界効果トランジスタの次に前記他方の高周波スイッチの前記他端に近接した他端第2近接電界効果トランジスタのゲートと前記第2中間部電界効果トランジスタの前記ゲートとの間に第5抵抗が接続され、前記他端第2近接電界効果トランジスタの前記ゲートと前記他端近接電界効果トランジスタの前記ゲートとの間に第6抵抗が接続され、
    前記他端近接電界効果トランジスタの前記ゲートに接続された前記他端近接抵抗は前記第4抵抗と前記第5抵抗と前記第6抵抗とを含み、前記他端第2近接電界効果トランジスタの前記ゲートに接続された他端第2近接抵抗は、前記第6抵抗を含まず、前記第4抵抗と前記第5抵抗とを含み、前記第2中間部電界効果トランジスタの前記ゲートに接続された前記第2中間部抵抗は、前記第5抵抗と前記第6抵抗とを含まず、前記第4抵抗を含むことを特徴とする半導体集積回路。
  2. 前記2つの高周波スイッチの前記一方の高周波スイッチの前記他端には前記所定の通信方式としてのWCDMA方式による前記RF送信信号と前記RF受信信号とが供給可能にされ、前記2つの高周波スイッチの前記他方の高周波スイッチの前記他端には前記他のRF送信信号が供給可能にされ、
    前記一方の高周波スイッチの前記他端と接地ノードとの間には一方の接地スイッチが接続され、前記他方の高周波スイッチの前記他端と前記接地ノードとの間には他方の接地スイッチが接続され、
    前記一方の高周波スイッチがオン状態に制御される時には、前記一方の接地スイッチはオフ状態に、前記他方の高周波スイッチはオフ状態に、前記他方の接地スイッチはオン状態にそれぞれ制御され、
    前記他方の高周波スイッチがオン状態に制御される時には、前記他方の接地スイッチはオフ状態に、前記一方の高周波スイッチはオフ状態に、前記一方の接地スイッチはオン状態にそれぞれ制御されることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路。
  3. 前記共通の入出力端子と前記他方の高周波スイッチの前記入出力近接電界効果トランジスタの前記ゲートとの間に入出力付加容量が接続されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体集積回路。
  4. 前記2つの高周波スイッチの前記他方の高周波スイッチの前記他端に供給される前記他のRF送信信号はGSM850とGSM900とDCS1800とPCS1900のいずれかのRF送信信号であることを特徴とする請求項2に記載の半導体集積回路。
  5. RFアナログ信号処理半導体集積回路から生成されるRF送信信号を増幅してアンテナへ供給する電力増幅器と、
    前記アンテナで受信されるRF受信信号を前記RFアナログ信号処理半導体集積回路に供給するとともに、前記電力増幅器の出力信号を前記アンテナへ供給するアンテナスイッチ半導体集積回路とを含むRFモジュールであって、
    前記アンテナスイッチ半導体集積回路は、2つの高周波スイッチを含み
    前記2つの高周波スイッチの一方の高周波スイッチの一端と前記2つの高周波スイッチの他方の高周波スイッチの一端とは共通の入出力端子に接続され、前記共通の入出力端子は無線周波数通信端末機器のアンテナと接続可能にされ、
    前記一方の高周波スイッチの他端には所定の通信方式によるRF送信信号とRF受信信号とが供給可能にされ、前記他方の高周波スイッチの他端には前記RF送信信号と前記RF受信信号と異なる他のRF送信信号と他のRF受信信号との少なくともいずれか一方が供給可能にされ、
    前記一方の高周波スイッチは直列接続された複数の電界効果トランジスタを含み、前記他方の高周波スイッチは直列接続された他の複数の電界効果トランジスタを含み、
    前記一方の高周波スイッチの前記複数の電界効果トランジスタの複数のゲートには前記一方の高周波スイッチのオン・オフ制御のための制御電圧が供給可能にされ、前記他方の高周波スイッチの前記他の複数の電界効果トランジスタの他の複数のゲートには前記他方の高周波スイッチのオン・オフ制御のための他の制御電圧が供給可能にされ、
    前記一方の高周波スイッチの前記複数の電界効果トランジスタの前記複数のゲートと前記制御電圧が供給される制御端子との間には複数の抵抗がそれぞれ接続され、前記他方の高周波スイッチの前記他の複数の電界効果トランジスタの前記他の複数のゲートと前記他の制御電圧が供給される他の制御端子との間には他の複数の抵抗がそれぞれ接続され、
    前記他方の高周波スイッチで前記他の複数の電界効果トランジスタのうちの前記共通の入出力端子に最も近接した入出力近接電界効果トランジスタのゲートと前記他の制御端子との間の入出力近接抵抗は、第1の電圧・電流特性を持ち、
    前記他方の高周波スイッチで前記入出力近接電界効果トランジスタと前記他の複数の電界効果トランジスタのうちの前記他方の高周波スイッチの前記他端に最も近接した他端近接電界効果トランジスタとの間の中間部には第1中間部電界効果トランジスタと第2中間部電界効果トランジスタが直列接続され、前記第1中間部電界効果トランジスタのゲートと前記他の制御端子との間の第1中間部抵抗と前記第2中間部電界効果トランジスタのゲートと前記他の制御端子との間の第2中間部抵抗とは第2の電圧・電流特性を持ち、
    前記他方の高周波スイッチで前記入出力近接抵抗の前記第1の電圧・電流特性の線形性は前記第1中間部抵抗と前記第2中間部抵抗の前記第2の電圧・電流特性の線形性よりも高く設定され、
    前記他方の高周波スイッチで前記他の複数の電界効果トランジスタのうちの前記他方の高周波スイッチの前記他端に最も近接した前記他端近接電界効果トランジスタのゲートと前記他の制御端子との間の他端近接抵抗は、第3の電圧・電流特性を持ち、
    前記他方の高周波スイッチで前記他端近接抵抗の前記第3の電圧・電流特性の線形性は前記第1中間部抵抗と前記第2中間部抵抗の前記第2の電圧・電流特性の前記線形性よりも高く設定され、
    前記入出力近接抵抗の抵抗値は前記第1中間部抵抗と前記第2中間部抵抗の抵抗値よりも大きく設定され、前記他端近接抵抗の抵抗値は前記第1中間部抵抗と前記第2中間部抵抗の抵抗値よりも大きく設定され、
    前記他方の高周波スイッチで前記他の複数の電界効果トランジスタのうちの前記入出力近接電界効果トランジスタの次に前記共通の入出力端子に近接した入出力第2近接電界効果トランジスタのゲートと前記入出力近接電界効果トランジスタの前記ゲートとの間に第1抵抗が接続され、前記入出力第2近接電界効果トランジスタの前記ゲートと前記第1中間部電界効果トランジスタの前記ゲートとの間に第2抵抗が接続され、前記第1中間部電界効果トランジスタの前記ゲートと前記他の制御端子との間に第3抵抗が接続され、
    前記入出力近接電界効果トランジスタの前記ゲートに接続された前記入出力近接抵抗は、前記第1抵抗と前記第2抵抗と前記第3抵抗とを含み、前記入出力第2近接電界効果トランジスタの前記ゲートに接続された入出力第2近接抵抗は、前記第1抵抗を含まず、前記第2抵抗と前記第3抵抗とを含み、前記第1中間部電界効果トランジスタの前記ゲートに接続された前記第1中間部抵抗は、前記第1抵抗と前記第2抵抗とを含まず、前記第3抵抗を含み、
    前記他方の高周波スイッチで前記第2中間部電界効果トランジスタの前記ゲートと前記他の制御端子との間に、第4抵抗が接続され、前記他方の高周波スイッチの前記他の複数の電界効果トランジスタのうちの前記他端近接電界効果トランジスタの次に前記他方の高周波スイッチの前記他端に近接した他端第2近接電界効果トランジスタのゲートと前記第2中間部電界効果トランジスタの前記ゲートとの間に第5抵抗が接続され、前記他端第2近接電界効果トランジスタの前記ゲートと前記他端近接電界効果トランジスタの前記ゲートとの間に第6抵抗が接続され、
    前記他端近接電界効果トランジスタの前記ゲートに接続された前記他端近接抵抗は前記第4抵抗と前記第5抵抗と前記第6抵抗とを含み、前記他端第2近接電界効果トランジスタの前記ゲートに接続された他端第2近接抵抗は、前記第6抵抗を含まず、前記第4抵抗と前記第5抵抗とを含み、前記第2中間部電界効果トランジスタの前記ゲートに接続された前記第2中間部抵抗は、前記第5抵抗と前記第6抵抗とを含まず、前記第4抵抗を含むことを特徴とするRFモジュール。
  6. 前記2つの高周波スイッチの前記一方の高周波スイッチの前記他端には前記所定の通信方式としてのWCDMA方式による前記RF送信信号と前記RF受信信号とが供給可能にされ、前記2つの高周波スイッチの前記他方の高周波スイッチの前記他端には前記他のRF送信信号が供給可能にされ、
    前記一方の高周波スイッチの前記他端と接地ノードとの間には一方の接地スイッチが接続され、前記他方の高周波スイッチの前記他端と前記接地ノードとの間には他方の接地スイッチが接続され、
    前記一方の高周波スイッチがオン状態に制御される時には、前記一方の接地スイッチはオフ状態に、前記他方の高周波スイッチはオフ状態に、前記他方の接地スイッチはオン状態にそれぞれ制御され、
    前記他方の高周波スイッチがオン状態に制御される時には、前記他方の接地スイッチはオフ状態に、前記一方の高周波スイッチはオフ状態に、前記一方の接地スイッチはオン状態にそれぞれ制御されることを特徴とする請求項5に記載のRFモジュール。
  7. 前記共通の入出力端子と前記他方の高周波スイッチの前記入出力近接電界効果トランジスタの前記ゲートとの間に入出力付加容量が接続されていることを特徴とする請求項6に記載の半導体集積回路。
  8. 前記2つの高周波スイッチの前記他方の高周波スイッチの前記他端に供給される前記他のRF送信信号はGSM850とGSM900とDCS1800とPCS1900のいずれかのRF送信信号であることを特徴とする請求項6に記載のRFモジュール。
  9. ベースバンド信号処理を行うLSIと、
    前記LSIからの送信ベースバンド信号のRF送信信号への周波数アップコンバージョンを行いアンテナで受信されるRF受信信号の受信ベースバンド信号への周波数ダウンコンバージョンを行うRFアナログ信号処理半導体集積回路と、
    前記RFアナログ信号処理半導体集積回路から生成される前記RF送信信号を増幅して前記アンテナへ供給する電力増幅器と、
    前記アンテナで受信される前記RF受信信号を前記RFアナログ信号処理半導体集積回路に供給するとともに、前記電力増幅器の出力信号を前記アンテナへ供給するアンテナスイッチ半導体集積回路とを含む無線通信端末装置であって、
    前記アンテナスイッチ半導体集積回路は、2つの高周波スイッチを含み、
    前記2つの高周波スイッチの一方の高周波スイッチの一端と前記2つの高周波スイッチの他方の高周波スイッチの一端とは共通の入出力端子に接続され、前記共通の入出力端子は無線周波数通信端末機器のアンテナと接続可能にされ、
    前記一方の高周波スイッチの他端には所定の通信方式によるRF送信信号とRF受信信号とが供給可能にされ、前記他方の高周波スイッチの他端には前記RF送信信号と前記RF受信信号と異なる他のRF送信信号と他のRF受信信号との少なくともいずれか一方が供給可能にされ、
    前記一方の高周波スイッチは直列接続された複数の電界効果トランジスタを含み、前記他方の高周波スイッチは直列接続された他の複数の電界効果トランジスタを含み、
    前記一方の高周波スイッチの前記複数の電界効果トランジスタの複数のゲートには前記一方の高周波スイッチのオン・オフ制御のための制御電圧が供給可能にされ、前記他方の高周波スイッチの前記他の複数の電界効果トランジスタの他の複数のゲートには前記他方の高周波スイッチのオン・オフ制御のための他の制御電圧が供給可能にされ、
    前記一方の高周波スイッチの前記複数の電界効果トランジスタの前記複数のゲートと前記制御電圧が供給される制御端子との間には複数の抵抗がそれぞれ接続され、前記他方の高周波スイッチの前記他の複数の電界効果トランジスタの前記他の複数のゲートと前記他の制御電圧が供給される他の制御端子との間には他の複数の抵抗がそれぞれ接続され、
    前記他方の高周波スイッチで前記他の複数の電界効果トランジスタのうちの前記共通の入出力端子に最も近接した入出力近接電界効果トランジスタのゲートと前記他の制御端子との間の入出力近接抵抗は、第1の電圧・電流特性を持ち、
    前記他方の高周波スイッチで前記入出力近接電界効果トランジスタと前記他の複数の電界効果トランジスタのうちの前記他方の高周波スイッチの前記他端に最も近接した他端近接電界効果トランジスタとの間の中間部には第1中間部電界効果トランジスタと第2中間部電界効果トランジスタが直列接続され、前記第1中間部電界効果トランジスタのゲートと前記他の制御端子との間の第1中間部抵抗と前記第2中間部電界効果トランジスタのゲートと前記他の制御端子との間の第2中間部抵抗とは第2の電圧・電流特性を持ち、
    前記他方の高周波スイッチで前記入出力近接抵抗の前記第1の電圧・電流特性の線形性は前記第1中間部抵抗と前記第2中間部抵抗の前記第2の電圧・電流特性の線形性よりも高く設定され、
    前記他方の高周波スイッチで前記他の複数の電界効果トランジスタのうちの前記他方の高周波スイッチの前記他端に最も近接した前記他端近接電界効果トランジスタのゲートと前記他の制御端子との間の他端近接抵抗は、第3の電圧・電流特性を持ち、
    前記他方の高周波スイッチで前記他端近接抵抗の前記第3の電圧・電流特性の線形性は前記第1中間部抵抗と前記第2中間部抵抗の前記第2の電圧・電流特性の前記線形性よりも高く設定され、
    前記入出力近接抵抗の抵抗値は前記第1中間部抵抗と前記第2中間部抵抗の抵抗値よりも大きく設定され、前記他端近接抵抗の抵抗値は前記第1中間部抵抗と前記第2中間部抵抗の抵抗値よりも大きく設定され、
    前記他方の高周波スイッチで前記他の複数の電界効果トランジスタのうちの前記入出力近接電界効果トランジスタの次に前記共通の入出力端子に近接した入出力第2近接電界効果トランジスタのゲートと前記入出力近接電界効果トランジスタの前記ゲートとの間に第1抵抗が接続され、前記入出力第2近接電界効果トランジスタの前記ゲートと前記第1中間部電界効果トランジスタの前記ゲートとの間に第2抵抗が接続され、前記第1中間部電界効果トランジスタの前記ゲートと前記他の制御端子との間に第3抵抗が接続され、
    前記入出力近接電界効果トランジスタの前記ゲートに接続された前記入出力近接抵抗は、前記第1抵抗と前記第2抵抗と前記第3抵抗とを含み、前記入出力第2近接電界効果トランジスタの前記ゲートに接続された入出力第2近接抵抗は、前記第1抵抗を含まず、前記第2抵抗と前記第3抵抗とを含み、前記第1中間部電界効果トランジスタの前記ゲートに接続された前記第1中間部抵抗は、前記第1抵抗と前記第2抵抗とを含まず、前記第3抵抗を含み、
    前記他方の高周波スイッチで前記第2中間部電界効果トランジスタの前記ゲートと前記他の制御端子との間に、第4抵抗が接続され、前記他方の高周波スイッチの前記他の複数の電界効果トランジスタのうちの前記他端近接電界効果トランジスタの次に前記他方の高周波スイッチの前記他端に近接した他端第2近接電界効果トランジスタのゲートと前記第2中間部電界効果トランジスタの前記ゲートとの間に第5抵抗が接続され、前記他端第2近接電界効果トランジスタの前記ゲートと前記他端近接電界効果トランジスタの前記ゲートとの間に第6抵抗が接続され、
    前記他端近接電界効果トランジスタの前記ゲートに接続された前記他端近接抵抗は前記第4抵抗と前記第5抵抗と前記第6抵抗とを含み、前記他端第2近接電界効果トランジスタの前記ゲートに接続された他端第2近接抵抗は、前記第6抵抗を含まず、前記第4抵抗と前記第5抵抗とを含み、前記第2中間部電界効果トランジスタの前記ゲートに接続された前記第2中間部抵抗は、前記第5抵抗と前記第6抵抗とを含まず、前記第4抵抗を含む
    ことを特徴とする無線通信端末装置。
  10. 前記2つの高周波スイッチの前記一方の高周波スイッチの前記他端には前記所定の通信方式としてのWCDMA方式による前記RF送信信号と前記RF受信信号とが供給可能にされ、前記2つの高周波スイッチの前記他方の高周波スイッチの前記他端には前記他のRF送信信号が供給可能にされ、
    前記一方の高周波スイッチの前記他端と接地ノードとの間には一方の接地スイッチが接続され、前記他方の高周波スイッチの前記他端と前記接地ノードとの間には他方の接地スイッチが接続され、
    前記一方の高周波スイッチがオン状態に制御される時には、前記一方の接地スイッチはオフ状態に、前記他方の高周波スイッチはオフ状態に、前記他方の接地スイッチはオン状態にそれぞれ制御され、
    前記他方の高周波スイッチがオン状態に制御される時には、前記他方の接地スイッチはオフ状態に、前記一方の高周波スイッチはオフ状態に、前記一方の接地スイッチはオン状態にそれぞれ制御されることを特徴とする請求項9に記載の無線通信端末装置
  11. 前記共通の入出力端子と前記他方の高周波スイッチの前記入出力近接電界効果トランジスタの前記ゲートとの間に入出力付加容量が接続され、
    前記2つの高周波スイッチの前記他方の高周波スイッチの前記他端に供給される前記他のRF送信信号はGSM850とGSM900とDCS1800とPCS1900のいずれかのRF送信信号であることを特徴とする請求項10に記載の無線通信端末装置。
  12. DCブースト回路と、
    信号入力端子と信号出力端子との間に接続された高周波スイッチとを含み、
    前記DCブースト回路は、高周波入力端子と、DC制御入力端子と、DC出力端子とを含み
    前記高周波入力端子に高周波入力信号が供給され、前記DC制御入力端子にDC制御電圧が供給され、前記DC出力端子からDC出力電圧が生成され、
    前記DCブースト回路では、第1容量素子と第1抵抗素子との直列接続の一方の端子には前記高周波入力端子が接続され、第1ダイオードと第2ダイオードとは第2容量素子を介して逆方向に並列接続され、前記第1ダイオードと前記第2ダイオードの共通接続点は前記直列接続の他方の端子に接続され、前記第1ダイオードと前記第2容量素子の一方の端子の共通接続点は前記DC制御入力端子に接続され、前記第2ダイオードと前記第2容量素子の他方の端子の共通接続点は前記第2抵抗素子を介して前記DC出力端子に接続され、
    前記第2容量素子を介しての前記第1ダイオードと前記第2ダイオードとの逆方向の並列接続の内部の前記第1ダイオードの第1直列抵抗の抵抗値と前記第2ダイオードの第2直列抵抗の抵抗値よりも、前記第1抵抗素子の抵抗値は大きく設定され、
    前記高周波スイッチの前記信号入力端子には高周波入力信号が供給され、前記高周波スイッチの制御入力端子には前記DCブースト回路の前記DC出力端子から生成される前記DC出力電圧が供給されることを特徴とする半導体集積回路
  13. 前記高周波スイッチは電界効果トランジスタを含み、前記高周波スイッチの前記制御入力端子としての前記電界効果トランジスタのゲートに高レベルの前記DC出力電圧が供給されることにより、前記電界効果トランジスタは導通して前記高周波スイッチの前記信号入力端子に供給される前記高周波入力信号は前記信号出力端子に伝達されることを特徴とする請求項12に記載の半導体集積回路。
  14. 前記高周波スイッチとしての前記電界効果トランジスタは、ドレイン・ソース経路が前記高周波スイッチの前記信号入力端子と前記信号出力端子との間に直列接続された複数の電界効果トランジスタで構成されていることを特徴とする請求項13に記載の半導体集積回路。
  15. 前記高周波スイッチとしての前記電界効果トランジスタは、化合物半導体チップに形成されたヘテロ接合のHEMTで構成されていることを特徴とする請求項14に記載の半導体集積回路。
  16. DCブースト回路と、
    信号入力端子と信号出力端子との間に接続された高周波スイッチとを含み、
    前記DCブースト回路は、高周波入力端子と、DC制御入力端子と、DC出力端子とを含み、
    前記DCブースト回路の前記高周波入力端子に高周波入力信号が供給され、前記DC制御入力端子にDC制御電圧が供給されことにより、前記DC出力端子からDC出力電圧が生成され、
    前記DCブースト回路は、第1容量素子、第2容量素子、第1ダイオード、第2ダイオード、第1抵抗素子、第2抵抗素子を含み、前記第1容量素子と前記第1抵抗素子との直列接続の一方の端子には、前記高周波入力端子が接続され、前記直列接続の他方の端子は、前記第1ダイオードのカソードと前記第2ダイオードのアノードとに接続され、前記第1ダイオードのアノードと前記第2容量素子の一方の端子とは前記DC制御入力端子に接続され、前記第2ダイオードのカソードと前記第2容量素子の他方の端子とは前記第2抵抗素子の一方の端子に接続され、前記第2抵抗素子の他方の端子は、前記DC出力端子に接続され、
    前記第1ダイオードと前記第2ダイオードと前記第2容量素子とからなる閉ループの内部の前記第1ダイオードの第1直列抵抗の抵抗値と前記第2ダイオードの第2直列抵抗の抵抗値よりも、前記第1抵抗素子の抵抗値は大きく設定され、
    前記高周波スイッチの前記信号入力端子には高周波入力信号が供給され、前記高周波スイッチの制御入力端子には前記DCブースト回路の前記DC出力端子から生成される前記DC出力電圧が供給されることを特徴とする半導体集積回路。
  17. 前記高周波スイッチは電界効果トランジスタを含み、前記高周波スイッチの前記制御入力端子としての前記電界効果トランジスタのゲートに高レベルの前記DC出力電圧が供給されることにより、前記電界効果トランジスタは導通して前記高周波スイッチの前記信号入力端子に供給される前記高周波入力信号は前記信号出力端子に伝達されることを特徴とする請求項16に記載の半導体集積回路。
  18. 前記高周波スイッチとしての前記電界効果トランジスタは、ドレイン・ソース経路が前記高周波スイッチの前記信号入力端子と前記信号出力端子との間に直列接続された複数の電界効果トランジスタで構成されていることを特徴とする請求項17に記載の半導体集積回路。
  19. 前記高周波スイッチとしての前記電界効果トランジスタは、化合物半導体チップに形成されたヘテロ接合のHEMTで構成されていることを特徴とする請求項17に記載の半導体集積回路。
  20. 送受信アンテナに接続可能な入出力端子と、少なくとも1個以上の受信信号出力端子と、少なくとも1個以上の送信信号入力端子とを含み、
    前記入出力端子と前記受信信号出力端子との間には受信用高周波スイッチが接続され、前記入出力端子と前記送信信号入力端子との間には送信高周波スイッチが接続され、
    前記受信用高周波スイッチの受信制御入力端子には受信制御電圧が供給され、
    前記受信用高周波スイッチは、受信用電界効果トランジスタを含み、前記受信用高周波スイッチの前記受信用制御入力端子としての前記受信用電界効果トランジスタのゲートに高レベルの前記受信制御電圧が供給されることにより、前記受信用電界効果トランジスタは導通して、前記入出力端子に前記送受信アンテナから供給される受信高周波入力信号が前記受信信号出力端子に伝達され、
    前記送信用高周波スイッチは、送信用電界効果トランジスタとDCブースト回路とを含み、前記DCブースト回路は、高周波入力端子と、DC制御入力端子と、DC出力端子とを含み、前記DCブースト回路の前記高周波入力端子に送信高周波出力信号が供給され、前記DC制御入力端子にDC制御電圧が供給されることにより、前記DC出力端子からDC出力電圧が生成され、前記送信用高周波スイッチの送信用信号入力端子には前記送信高周波出力信号が供給され、前記送信用高周波スイッチの送信用信号出力端子は前記入出力端子と接続され、前記送信用高周波スイッチの送信用制御入力端子としての前記送信用電界効果トランジスタのゲートに、前記DCブースト回路の前記DC出力端子からの高レベルの前記DC出力電圧が供給されることにより、前記送信用電界効果トランジスタは導通して、前記送信用高周波スイッチの前記送信用信号入力端子に供給される前記送信高周波出力信号は前記入出力端子に伝達され、
    前記各DCブースト回路は、第1容量素子、第2容量素子、第1ダイオード、第2ダイオード、第1抵抗素子、第2抵抗素子を含み、前記第1容量素子と前記第1抵抗素子との直列接続の一方の端子には、前記高周波入力端子が接続され、前記直列接続の他方の端子は、前記第1ダイオードのカソードと前記第2ダイオードのアノードとに接続され、前記第1ダイオードのアノードと前記第2容量素子の一方の端子とは前記DC制御入力端子に接続され、前記第2ダイオードのカソードと前記第2容量素子の他方の端子とは前記第2抵抗素子の一方の端子に接続され、前記第2抵抗素子の他方の端子は、前記DC出力端子に接続され、
    前記第1ダイオードと前記第2ダイオードと前記第2容量素子とからなる閉ループの内部の前記第1ダイオードの第1直列抵抗の抵抗値と前記第2ダイオードの第2直列抵抗の抵抗値よりも、前記第1抵抗素子の抵抗値は大きく設定されていることを特徴とする半導体集積回路。
  21. 前記受信用高周波スイッチ、前記送信用高周波スイッチの高周波スイッチとしての前記各電界効果トランジスタは、ドレイン・ソース経路が直列接続された複数の電界効果トランジスタで構成されていることを特徴とする請求項20に記載の半導体集積回路。
  22. 前記高周波スイッチとしての前記電界効果トランジスタは、化合物半導体チップに形成されたヘテロ接合のHEMTで構成されていることを特徴とする請求項21に記載の半導体集積回路。
  23. 高周波アナログ信号処理半導体集積回路から生成される高周波送信信号を増幅してアンテナへ供給する電力増幅器と、
    前記アンテナで受信される高周波受信信号を高周波アナログ信号処理半導体集積回路に供給する一方、前記電力増幅器の出力信号を前記アンテナへ供給するためのアンテナスイッチ半導体集積回路とを含む高周波モジュールであって、
    前記アンテナスイッチ半導体集積回路として請求項12の半導体集積回路を用いたことを特徴とする高周波モジュール。
  24. 高周波アナログ信号処理半導体集積回路から生成される高周波送信信号を増幅してアンテナへ供給する電力増幅器と、
    前記アンテナで受信される高周波受信信号を高周波アナログ信号処理半導体集積回路に供給する一方、前記電力増幅器の出力信号を前記アンテナへ供給するためのアンテナスイッチ半導体集積回路とを含む高周波モジュールであって、
    前記アンテナスイッチ半導体集積回路として請求項16の半導体集積回路を用いたことを特徴とする高周波モジュール。
  25. 高周波アナログ信号処理半導体集積回路から生成される高周波送信信号を増幅してアンテナへ供給する電力増幅器と、
    前記アンテナで受信される高周波受信信号を高周波アナログ信号処理半導体集積回路に供給する一方、前記電力増幅器の出力信号を前記アンテナへ供給するためのアンテナスイッチ半導体集積回路とを含む高周波モジュールであって、
    前記アンテナスイッチ半導体集積回路として請求項20の半導体集積回路を用いたことを特徴とする高周波モジュール。
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