JP4512385B2 - タイヤトレッド用ゴム組成物及びこれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤトレッド用ゴム組成物及びこれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、タイヤトレッド用ゴム組成物及びこれを用いた空気入りタイヤに関し、特に、湿潤面路面で優れた制動性及び操縦安定性を発揮できるタイヤトレッド用組成物に関する。
近年、自動車の高速化に伴い、タイヤに要求される特性が年々厳しくなっている。タイヤの特性の中でも、湿潤路面における制動性及び操縦安定性(以下において、「ウェットグリップ性」という。)の確保は、安全性の面から最も重要な特性の一つである。ウェットグリップ性の改善手段としては、シリカの配合量を増大させたゴム組成物をトレッド部に適用する方法が知られており、ゴム成分100質量部に対して100質量部を超える量のシリカを配合したゴム組成物が開示されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
又、特定の無機充填剤を配合することにより、ウェットグリップ性を改善できることが知られている(例えば、特許文献5及び6参照)。更に、シリカの配合量を増大させつつ、特定の無機充填剤を配合した例も開示されている(特許文献7参照)。
一方、特定の分子量のスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを含むゴム組成物をタイヤのトレッド部に適用することでタイヤの耐摩耗性を改善できることが知られている(例えば、特許文献8参照)。
又、重量平均分子量が100万〜200万の乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを用いた耐摩耗性に優れたゴム組成物が開示されている(例えば、特許文献9参照)。
特開平5−331316号公報 特開平9−208748号公報 特開平10−168234号公報 特開平10−152583号公報 特許第3366452号公報 特許第3366453号公報 特開2000−159935号公報 特許第2992102号公報 特開2002−241542号公報
しかしながら、特許文献7に開示されているように、ゴム成分100質量部に対して100質量部を超える量のシリカを配合し、更に無機充填剤を加えた場合、ゴム組成物中のゴム成分の比率が相対的に低下するため、ゴム組成物の耐熱性が著しく低下し、ブローアウト現象が発生するという問題があった。即ち、特にこのようなゴム組成物を用いたタイヤを乾燥路面で高速走行させた場合、発生した熱によりゴム内部がスポンジ状になり、一部がちぎれ飛ぶ現象が生じるため、実用に耐えなかった。
又、特許文献8に開示されているゴム組成物の耐熱性については知られておらず、充分な検討がなされていなかった。
又、特許文献9に開示されている乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴムは、一般的に分子量分布が広く、又、ビニル含有量の制御ができないため、耐熱性に劣ることが知られている。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑み、充分な耐熱性及び耐摩耗性を維持しつつ、ウェットグリップ性を改善するタイヤトレッド用ゴム組成物及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、シリカと無機充填剤を配合したゴム組成物の耐熱性の低下を、ゴム成分として特定の分子量の溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを用いることで補うことができ、このゴム組成物をタイヤのトレッド部に適用することで、耐摩耗性を損なうことなく、タイヤのウェットグリップ性を改善できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の第1の特徴は、有機リチウム開始剤を用いて得られるポリスチレン換算重量平均分子量が1,000,000以上のスチレン−ブタジエン共重合ゴム(A)を60質量%以上含むゴム成分100質量部に対して、BET表面積が40〜350m2/gのシリカ(B)110〜260質量部と、Mをアルミニウム、マグネシウム、チタン及びカルシウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属、該金属の酸化物又は水酸化物とし、mを1〜5の整数、xを0〜10の整数、yを2〜5の整数、zを0〜10の整数とし、下記式(I)
mM・xSiOy・zH2O … (I)
で表される、粒径が10μm以下の無機充填剤(C)5質量部以上とを配合してなり、シリカ(B)と無機充填剤(C)の総配合量が300質量部以下であるタイヤトレッド用ゴム組成物であることを要旨とする。ここで、「スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(A)」は、溶液重合法で製造されたものである。
第1の特徴に係るタイヤトレッド用ゴム組成物によると、特定の分子量のスチレン−ブタジエン共重合体ゴムと、シリカと、無機充填剤とを特定の配合で含むことにより、充分な耐熱性及び耐摩耗性を維持しつつ、ウェットグリップ性を改善することができる。
又、第1の特徴に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、更に、シリカ(B)と無機充填剤(C)の総配合量に対して、2〜15質量%のシランカップリング剤を含むことが好ましい。
このタイヤトレッド用ゴム組成物によると、ゴム組成物の加工性と補強性とを改良することができる。
本発明の第2の特徴は、第1の特徴に係るタイヤトレッド用ゴム組成物をトレッド部に用いた空気入りタイヤであることを要旨とする。
第2の特徴に係る空気入りタイヤによると、上述したゴム組成物をトレッド部に適用することにより、充分な耐熱性及び耐摩耗性を維持しつつ、ウェットグリップ性を改善することができる。
本発明によれば、充分な耐熱性及び耐摩耗性を維持しつつ、ウェットグリップ性を改善するタイヤトレッド用ゴム組成物及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
次に、本発明を詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、有機リチウム開始剤を用いて得られるポリスチレン換算重量平均分子量が1,000,000以上のスチレン−ブタジエン共重合ゴム(A)を60質量%以上含むゴム成分100質量部に対して、BET表面積が40〜350m2/gのシリカ(B)110〜260質量部と、下記式(I)
mM・xSiOy・zH2O …… (I)
で表される、粒径が10μm以下の無機充填剤(C)5質量部以上とを配合してなり、シリカ(B)と無機充填剤(C)の総配合量が300質量部以下であるタイヤトレッド用ゴム組成物である。式(I)において、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン及びカルシウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属、該金属の酸化物又は水酸化物であり、mは1〜5の整数であり、xは0〜10の整数であり、yは2〜5の整数であり、zは0〜10の整数である。
このゴム組成物においては、驚くべきことに、従来耐摩耗性の改善に有効とされてきた超高分子量のスチレン−ブタジエン共重合体ゴムが、シリカ及び無機充填剤の高充填に起因する耐熱性の低下を抑制するのに有効に作用している。これにより、本実施形態に係るゴム組成物においては、耐熱性の低下に起因するブローアウトの発生が抑制されている。又、本実施形態に係るゴム組成物は、シリカ及び無機充填剤が高充填されているため、優れたウェットグリップ性を有している。
本実施形態に係るタイヤトレッド用ゴム組成物のゴム成分は、上記超高スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(A)を60質量%以上含み、75質量%以上含むことが好ましい。ゴム成分中の超高分子量スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(A)の含有率が60質量%未満では、ゴム組成物の耐熱性の改良効果が不充分である。超高分子量スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(A)は、例えば、有機リチウム多官能開始剤を用いて共重合するか、或いは、有機モノリチウム開始剤と多官能性モノマーを用いて重合することによって得られる。有機リチウムを開始剤とするアニオン重合では、重合終了後、活性末端に対して、2原子以上のハロゲン原子を有する化合物を反応させることで分子量がジャンプする。更に、有機リチウム多官能開始剤、あるいは有機モノリチウム開始剤と多官能モノマーを用いた場合は、重合終了後の高分子一本鎖当たりの活性末端数が増加し、カップリング反応により、その分子量のジャンプは更に増大して、高分子量化が進む。一方、カップリング剤未使用の場合は、重合終了時と同じ分子量のポリマーのみが得られる。
上記超高分子量スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(A)の共重合は、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素等を溶剤として特定の有機リチウム開始剤の存在下、溶液重合法で行う。これに対し、上記特許文献9等に記載の乳化重合により製造されたスチレン−ブタジエン共重合体ゴムは、分子量分布が広く、又、耐熱性に必要なビニル構造の含有量を制御できないため、平均分子量が1,000,000以上であったとしても、ゴム組成物の耐熱性を充分に改良することができない。
上記超高分子量スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(A)の製造に用いる有機リチウム開始剤としては、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム等の有機モノリチウム開始剤、あるいは、テトラメチレン−1,4−ジリチウム、ヘキサメチレン−1,6−ジリチウム、1,3−ジリチオベンゼン、1,4−ジリチオベンゼン、オクタメチレン−1,8−ジリチウム、1,4−ジリチオシクロヘキサン等の有機リチウム多官能開始剤を用いることができる。更に、重合前又は重合時にジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン等の多官能性モノマーを添加してもよい。上記超高分子量スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(A)の共重合体におては、スチレンのランダム化剤として重合時に三級アミン化合物、エーテル化合物等の極性化合物を用いることが好ましい。
上記超高分子量スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(A)の製造においては、重合が終了した後、下記一般式(II)で表される化合物を用いてカップリングしてもよい。この場合、より高分子量の成分が得られ、この成分は、耐熱性を更に向上させることができる。
SiRpq …… (II)
式(II)において、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、Rはアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基からなる群から選ばれた置換基であり、pは0〜2の整数、qは2〜4の整数であり、p+q=4の関係にある。式(II)で表されるシラン化合物としては、テトラクロロシラン、テトラブロモシラン、メチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジブロモシラン、ジエチルジクロロシラン、ジブチルジクロロシラン、ジブチルジブロモシラン、ジオクチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ジアリルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリブロモシラン等が挙げられる。
上記超高分子量スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(A)のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は1,000,000以上で、1,200,000以上であることが好ましい。ポリスチレン換算重量平均分子量が1,000,000未満では、ゴム組成物の耐熱性を充分確保することができず、又、耐摩耗性が低下する傾向にある。又、超高分子量スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(A)の分子量は、製造可能な限り高ければ高いほどよいが、共重合体製造時の作業性及び生産性の観点から、ポリスチレン換算重量平均分子量が5,000,000以下であることが好ましい。
本実施形態に係るタイヤトレッド用ゴム組成物に用いるシリカは、BET表面積が40〜350m2/gであり、80〜280m2/gであることが好ましい。ここで、BET表面積が40m2/g未満では、ゴム組成物の補強性を確保できず、350m2/gを超えると、ゴム組成物の混練り等における作業性が悪化する。
又、上記BET表面積が40〜350m2/gのシリカの配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して110〜260質量部であり、115〜230質量部であることが好ましい。BET表面積が40〜350m2/gのシリカの配合量がゴム成分100質量部に対して110質量部未満では、ウェットグリップ性の改良効果が不充分であり、260質量部を超えると、ゴム組成物の補強性及び作業性が悪化する。
本実施形態に係るタイヤトレッド用ゴム組成物に用いる無機充填剤は、粒径が10μm以下であり、3μmであることが好ましい。無機充填剤の粒径が10μmを超えると、ゴム組成物の耐摩耗性が悪化する。又、無機充填剤は、上記式(I)で表される無機化合物からなる。尚、式(I)において、x、zがともに0である場合、無機化合物は、アルミニウム、マグネシウム、チタン及びカルシウムから選ばれる少なくとも一種の金属、該金属の金属酸化物又は金属水酸化物となる。
上記式(I)で表される無機化合物としては、アルミナ(Al23)、アルミナ水和物(Al23・H2O)、水酸化アルミニウム[Al(OH)3]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al23)、クレー(Al23・2SiO2)、カオリン(Al23・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al23・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al23・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al23・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)等が挙げられる。上記式(I)で表される無機化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。これらの無機化合物の中でも、グリップ力向上効果が顕著である点から、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、カオリンが特に好ましい。
上記無機充填剤の配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して5質量部以上である。一方、無機充填剤の配合量の上限は、無機充填剤と上記シリカとの総配合量が上記ゴム成分100質量部に対して300質量部以下となるように選択される。無機充填剤の配合量がゴム成分100質量部に対して5質量部未満では、ウェットグリップ性の改良効果が不充分である。又、無機充填剤と上記シリカとの総配合量がゴム成分100質量部に対して300質量部を超えると、ゴム組成物の補強性及び耐摩耗性が悪化する。
本実施形態に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、更に、シリカ(B)と無機充填剤(C)の総配合量に対して2〜15質量%のシランカップリング剤を含むことが好ましい。ゴム組成物にシランカップリング剤を配合することで、ゴム組成物の加工性と補強性とを改良することができる。シランカップリング剤の配合量がシリカ(B)と無機充填剤(C)の総配合量の2質量%未満では、シランカップリング剤を配合する効果が小さく、15質量%を超えると、コスト高となる。ここで、シランカップリング剤としては、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ポリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ポリスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3−ニトロプロピルジメトキシメチルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−メチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド等が挙げられ、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が好ましい。
本実施形態に係るタイヤトレッド用ゴム組成物には、上記ゴム成分、シリカ、無機充填剤、シランカップリング剤の他に、ゴム業界で通常使用される配合剤、例えば、カーボンブラック、軟化剤、硫黄、加硫促進剤、加硫助剤、老化防止剤等を目的に応じて適宜配合することができる。これら配合剤は、市販品を好適に使用することができる。尚、上記タイヤトレッド用ゴム組成物は、例えば、ゴム成分に、シリカ及び無機充填剤と共に、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本実施形態に係るタイヤトレッド用ゴム組成物によると、特定の分子量のスチレン−ブタジエン共重合体ゴムと、シリカと、無機充填剤とを特定の配合で含むことにより、充分な耐熱性及び耐摩耗性を維持しつつ、ウェットグリップ性を改善することができる。
本実施形態に係る空気入りタイヤは、上述のタイヤトレッド用ゴム組成物をトレッド部に用いることにより、充分な耐熱性及び耐摩耗性を維持しつつ、ウェットグリップ性を改善することができる。尚、本実施形態に係る空気入りタイヤは、従来より公知の構造で、特に限定はなく、通常の方法で製造できる。又、本実施形態に係る空気入りタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(a)の製造例>
40Lのオートクレーブにシクロヘキサン16L、1,3−ブタジエン2.9kg、スチレン1.1kgを仕込み、テトラヒドロフラン200gを添加後、重合温度を70℃に調節し、テトラメチレン−1,4−ジリチウム24mmolを添加して重合を行った。重合終了後、ジメチルジクロロシラン24mmolでカップリングしてポリマーを得、その後、ジ−tert−ブチル−p−クレゾールをポリマー100質量部に対して、0.5質量部、伸展油(アロマオイル)をポリマー100質量部に対して、37.5質量部加え、乾燥して、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(a)を得た。得られた共重合体ゴム(a)のブタジエン部分のビニル結合量を、赤外法(モレロ法)によって求めた。又、スチレン含有量を、IRスペクトルの699cm−1のフェニル基の吸収に基づいた赤外法による検量線より測定した。更に、ポリスチレン換算重量平均分子量を、東ソー株式会社製HLC8020(カラムGMHX×2)を用いてCPC分析法によって測定した。結果を表1に示す。
<スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(b)の製造例>
テトラメチレン−1,4−ジリチウムの添加量を48mmolとする以外は、上記共重合体ゴム(a)と同様にしてスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(b)を製造した。得られた共重合体ゴム(b)のビニル結合量、スチレン含有量及びポリスチレン換算重量平均分子量を、上記の方法で測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004512385
次に、表2に示す配合処方のゴム組成物を調整し、その物性を以下に示す方法で測定した。
(1)ウェット摩擦抵抗
ゴム組成物を160℃で15分間加硫した加硫ゴム試験片を作製し、プリティッシュ・ポータブル・スキッド・テスターを用いて、湿潤コンクリート路面に対する加硫ゴム試験片の抵抗値を測定し、比較例1を100として指数表示した。指数値が大きいほど、抵抗値が大きく、ウェットグリップ性に優れることを示す。
(2)ブローアウト温度
ASTM D623−99の方法に従い、グッドリッチ式フレクソメーターを用い、各ゴム組成物を160℃で15分間加硫した加硫ゴム試験片について、ブローアウトが発生する温度を測定した。ブローアウト温度が高いほど、耐熱性に優れることを示す。
Figure 0004512385
*2 東海カーボン社製、シースト9
*3 日本シリカ工業社製、ニップシールAQ、BET表面積:205m2/g
*4 住友化学工業社製、C−301、粒径:1.0μm
*5 デグザ社製、Si75、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド
*6 N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
*7 ジフェニルグアニジン
*8 N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド
<結果>
結果を表2に示す。
実施例1及び2のゴム組成物は、比較例1及び2のゴム組成物に比べ、ウェットグリップ性及び耐熱性が改善されていた。比較例1及び2は、表1から明らかなように、ポリスチレン換算重量平均分子量が100万未満のスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを用いている。よって、ポリスチレン換算重量平均分子量が100万以上のスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを用いることにより、ウェットグリップ性及び耐熱性が改善されることが分かった。
一方、ポリスチレン換算重量平均分子量が100万以上スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを用いても、シリカの配合量が少ない比較例4や無機充填剤が配合されていない比較例3のゴム組成物は、比較例1及び2に比べ耐熱性が改善されているものの、ウェットグリップ性が大きく劣っていた。
従って、ポリスチレン換算重量平均分子量が100万以上のスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを用いつつ、特定のBET表面積のシリカを110〜260質量部、特定の粒径の無機充填剤を5質量部以上且つシリカと無機充填剤の総配合量を300質量部以下の割合で配合することにより、ウェットグリップ性及び耐熱性が改善されることが分かった。

Claims (3)

  1. 有機リチウム開始剤を用いて得られるポリスチレン換算重量平均分子量が1,000,000以上のスチレン−ブタジエン共重合ゴム(A)を60質量%以上含むゴム成分100質量部に対して、
    BET表面積が40〜350m2/gのシリカ(B)110〜260質量部と、
    Mをアルミニウム、マグネシウム、チタン及びカルシウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属、該金属の酸化物又は水酸化物とし、mを1〜5の整数、xを0〜10の整数、yを2〜5の整数、zを0〜10の整数とし、下記式(I)
    mM・xSiOy・zH2O … (I)
    で表される、粒径が10μm以下の無機充填剤(C)5質量部以上とを配合してなり、
    前記シリカ(B)と前記無機充填剤(C)の総配合量が300質量部以下であることを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 更に、前記シリカ(B)と前記無機充填剤(C)の総配合量に対して、2〜15質量%のシランカップリング剤を含むことを特徴とする請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 請求項1〜2のいずれかに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物をトレッド部に用いた空気入りタイヤ。
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