JP2008143953A - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性や耐破壊性が良好で、乾燥路操縦安定性に優れる、高性能空気入りタイヤのトレッドゴムに適したゴム組成物を提供する。
【解決手段】分子量が特定範囲であり、リチウム系重合開始剤で重合された芳香族ビニル−共役ジエン共重合体及び/又は共役ジエン重合体からなるマトリクスゴム(A)100質量部に、カルボン酸基、スルホン酸基、カルボン酸塩官能基及びスルホン酸塩官能基からなる群から1種以上選択される極性基を分子中に含み、かつ分子量が特定範囲にある芳香族ビニル−共役ジエン共重合体及び/又は共役ジエン重合体からなる変性ポリマー(B)を1〜200質量部並びにLi、Na、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Cu、Mn、Ni、Co、Fe及びCrからなる群から1種以上選択される金属を含有する金属化合物及び/又はアミン化合物を1〜60質量部配合してなるゴム組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、空気入りタイヤのトレッドに適したゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、乾燥路操縦安定性や耐破壊性が良好で、耐摩耗性に優れた、高性能空気入りタイヤのトレッドゴムに適したゴム組成物及び該ゴム組成物をトレッド部に用いてなる空気入りタイヤに関する。
高速での走行を要求されるタイヤのトレッドゴムには、高い乾燥路操縦安定性(ドライ・グリップ性)が要求される。従来、高い乾燥路操縦安定性を得るためには、スチレン成分含有率の高いスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)を使用する方法、軟化剤及びカーボンブラックを高充填した配合系とする方法、粒子の小さなカーボンブラックを使用する方法、等の方法を取っていた。
しかしながら、一般的に、結合スチレン量の高いSBRはガラス転移温度(Tg)が高いので、走行時のタイヤ温度の近辺でゴム組成物の物性の温度依存性が大きくなり、温度変化に対する性能変化が大きくなるという問題点があった。
この点を改良するために、SBRマトリックスゴムに低分子量SBRを加えることが提案されているが、低分子量といえどもこれは架橋性を有する二重結合が多くあるので、一部の低分子量成分がマトリックスのゴムと架橋を形成しマトリックスに取り込まれ、十分なヒステリシスロスを発生しないという問題があった。(特許文献1参照)
また、低分子量成分が架橋によりマトリックスに取り込まれないようにするため低分子量SBRの二重結合部を水素添加し飽和結合にすることによって乾燥路操縦安定性を高めることも提案されている。(特許文献2参照)
しかし、この低分子量の水添SBRを用いると、乾燥路操縦安定性は向上するものの耐摩耗性及び耐破壊性の点では満足すべきものではなかった。
特開昭63−101440号公報 特開2003−253051号公報
本発明の課題は、耐摩耗性や耐破壊性が良好で、乾燥路操縦安定性に優れる、高性能空気入りタイヤのトレッドゴムに適したゴム組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体及び/又は共役ジエン重合体からなるマトリクスゴム(A)にアイオノマー変性ゴムならびに、必要に応じ、金属化合物及び/又はアミン化合物を配合すると、乾燥路操縦安定性、耐摩耗性及び耐破壊性を鼎立し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
〔1〕ゲル浸透クロマトグラフィーにより得られるポリスチレン換算重量平均分子量が3.0×105〜3.0×106である、リチウム系重合開始剤で重合された芳香族ビニル−共役ジエン共重合体及び/又は共役ジエン重合体からなるマトリクスゴム(A)100質量部に対して、カルボン酸基、スルホン酸基、カルボン酸塩官能基及びスルホン酸塩官能基からなる群から1種以上選択される極性基を分子中に含み、かつポリスチレン換算重量平均分子量が1.0×103〜2.0×105である芳香族ビニル−共役ジエン共重合体及び/又は共役ジエン重合体からなる変性ポリマー(B)を1〜200質量部並びにLi、Na、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Cu、Mn、Ni、Co、Fe及びCrからなる群から1種以上選択される金属を含有する金属化合物及び/又はアミン化合物を1〜60質量部配合してなるゴム組成物、
〔2〕マトリクスゴム(A)がスチレン−ブタジエン共重合体である上記〔1〕に記載のゴム組成物、
〔3〕スチレン−ブタジエン共重合体の結合スチレン量が20〜40質量%である上記〔2〕に記載のゴム組成物、
〔4〕スチレン−ブタジエン共重合体のブタジエン部のビニル結合量が30〜60%である上記〔2〕に記載のゴム組成物、
〔5〕マトリクスゴム(A)100質量部に対して、さらにカーボンブラックを10〜250質量部配合してなる上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のゴム組成物、
〔6〕変性ポリマー(B)の結合スチレン量が0〜60質量%である上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のゴム組成物、
〔7〕マトリクスゴム(A)100質量部に対して、変性ポリマー(B)を10〜100質量部配合してなる上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のゴム組成物、
〔8〕変性ポリマー(B)のポリスチレン換算数平均分子量が1.0×103以上2.0×104未満である上記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のゴム組成物、
〔9〕変性ポリマー(B)が、その分子鎖の片末端又は両末端に、カルボン酸基、スルホン酸基、カルボン酸塩官能基及びスルホン酸塩官能基からなる群から1種以上選択される極性基を含む上記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のゴム組成物、
〔10〕カルボン酸塩官能基が金属イオン及び/又は4級アンモニウムイオンを含む上記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載のゴム組成物、
〔11〕スルホン酸塩官能基が金属イオン及び/又は4級アンモニウムイオンを含む上記〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載のゴム組成物、
〔12〕金属イオンが、Li+、Na+、Rb+、Cs+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Al3+、Zn2+、Cu2+、Mn2+、Ni2+、Co2+、Co3+、Fe3+及びCr3+からなる群から1種以上選択されるイオンである上記〔10〕又は〔11〕に記載のゴム組成物、
〔13〕4級アンモニウムイオンが、一般式(I)
NHm1 n + ・・・(I)
(式中、m+n=4、m=0〜4、R1は炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜120のアリール基もしくはアラルキル基である)で表されるイオンである上記〔10〕又は〔11〕に記載のゴム組成物、
〔14〕金属化合物が、金属酸化物、金属水酸化物、酢酸金属塩、一般式(II)
2SO3・1/pM ・・・(II)
(式中、R2は炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜120のアリール基もしくはアラルキル基、Mは金属、pはMの価数である)で表されるスルホン酸金属塩及び/又は一般式(III)
M(OR3p ・・・(III)
(式中、R3は炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜120のアリール基もしくはアラルキル基、Mは金属、pはMの価数である)で表されるアルコラートである上記〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載のゴム組成物、
〔15〕アミン化合物が、一般式(IV)
NHq4 r ・・・(IV)
(式中、q+r=3、q=0〜3、R4は炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜120のアリール基もしくはアラルキル基である)で表される化合物である上記〔1〕〜〔14〕のいずれかに記載のゴム組成物、
〔16〕金属化合物及び/又はアミン化合物を0.01〜5質量部配合してなる上記〔1〕〜〔15〕のいずれかに記載のゴム組成物、及び
〔17〕上記〔1〕〜〔16〕のいずれかに記載のゴム組成物をトレッド部に用いてなる空気入りタイヤ、
を提供するものである。
本発明により、耐摩耗性や耐破壊性が良好で、かつ乾燥路操縦安定性が著しく向上した高性能空気入りタイヤのトレッドゴムに適したゴム組成物を提供することができる。
本発明では、マトリクスゴム(A)として、リチウム系重合開始剤で重合された芳香族ビニル−共役ジエン共重合体及び/又は共役ジエン重合体を用いる。
ここで、マトリクスゴム(A)のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC:gel permeation chromatography)により得られたポリスチレン換算重量平均分子量を3.0×105〜3.0×106と規定するが、これは、3.0×105未満では耐摩耗性や耐破壊性が低下し、3.0×106を越えると重合溶液の粘度が高くなり生産性が低くなるからである。同様の観点から、好ましくは、7.0×105〜2.5×106である。
上述のマトリクスゴム(A)は、例えば、共役ジエン単量体単独を、又は共役ジエン単量体と芳香族ビニル炭化水素単量体とを炭化水素溶媒中でエーテルまたは第三級アミンの存在下にリチウム系重合開始剤を用いて、重合又は共重合させることにより得られる。
共役ジエン単量体としては、ブタジエン(1,3−ブタジエン)、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられ、ブタジエンが好ましい。
芳香族ビニル炭化水素単量体としては、スチレン、α‐メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロヘキシルスチレン、1−2,4,6−トリメチルスチレン等が挙げられ、スチレンが好ましい。共役ジエン単量体及び芳香族ビニル炭化水素単量体のいずれも、一種単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。
上述より、マトリクスゴム(A)としては、スチレン−ブタジエン共重合体(以下、SBRということがある)が好ましく、この場合、マトリクスゴム(A)の結合スチレン量は20〜40質量%であることが好ましい。20質量%以上であれば、乾燥路操縦安定性及び耐破壊性が向上し、40質量%以下であれば、耐摩耗性がより良好となるからである。
さらに、マトリクスゴム(A)がSBRの場合、ブタジエン部のビニル結合量が30〜60%であることが好ましい。30%以上であれば乾燥路操縦安定性がより向上し、60%以下であれば耐摩耗性がより改良されるからである。
上記炭化水素溶媒としては、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、シクロオクタンなどの脂環式炭化水素;プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素を用いることができる。これらの炭化水素は単独でも、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。これらの炭化水素の中では、脂肪族炭化水素および脂環式炭化水素が好ましい。
上記リチウム系重合開始剤としては、有機リチウム化合物が好ましく、その例としては、エチルリチウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムなどのアルキルリチウム;フェニルリチウム、トリルリチウムなどのアリルリチウム;ビニルリチウム、プロペニルリチウムなどのアルケニルリチウム;テトラメチレンジリチウム、ペンタメチレンジリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、デカメチレンジリチウムなどのアルキレンジリチウム;1,3−ジリチオベンゼン、1,4−ジリチオベンゼンなどのアリレンジリチウム;1,3,5−トリリチオシクロヘキサン、1,2,5−トリリチオナフタレン、1,3,5,8−テトラリチオデカン、1,2,3,5−テトラリチオ−4−ヘキシルーアントラセン等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムおよびテトラメチレンジリチウムであり、特に好ましくは、n−ブチルリチウムである。
上記有機リチウム化合物の使用量は、反応操作における重合速度および生成される重合体の分子量によって決定されるが、通常、単量体100g当たりリチウム原子として0.02〜5mg原子程度、好ましくは0.05〜2mg原子である。
マトリクスゴム(A)を得るための重合反応は、バッチ重合方式、連続重合方式のいずれの方式によっても行うことができる。上記重合反応における重合温度は、0〜130℃の範囲が好ましい。また、重合反応は、等温重合、昇温重合あるいは断熱重合のいずれの重合形式によっても行うことができる。さらに、重合を行う際には、反応容器内にゲルが生成するのを防止するために、1,2−ブタジエンなどのアレン化合物を添加することもできる。
上述のマトリクスゴム(A)は、その一部が多官能型変性剤、例えば四塩化スズ、四塩化ケイ素、エポキシ基を分子内に有するアルコキシシラン(3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等)又はアミノ基含有アルコキシシシランのような変性剤を用いることにより分岐構造を有していてもよい。
本発明のゴム組成物は、このマトリクスゴム(A)100質量部に対して、極性基を分子中に含み、かつポリスチレン換算重量平均分子量が1.0×103〜2.0×105である芳香族ビニル−共役ジエン共重合体及び/又は共役ジエン重合体からなる変性ポリマー(B)を1〜200質量部配合することを要する。この配合量が1質量部未満では高温領域での高tanδ化効果が十分に発揮されず、200質量部を超えると耐破壊性や耐摩耗性が低下する。変性ポリマー(B)の好ましい配合量は10〜100質量部である。
本発明においては、変性ポリマー(B)の分子中に上記の極性基を導入するアイオノマー変性により、この変性ポリマー(B)がイオン会合体(クラスター)構造を形成し得るようにし、その構造の高温時崩壊によって本発明ゴム組成物の高温領域でのtanδを高くすることができた。これによって、乾燥路操縦安定性を大幅に改良することを達成した。
ここで、極性基としては、カルボン酸基(-COOH)、スルホン酸基(-SO3H)、カルボン酸塩官能基及びスルホン酸塩官能基からなる群から1種以上選択される極性基が望ましく、これらの内、カルボン酸基が変性容易性の点で好ましい。
そして、カルボン酸塩官能基とは、一般式:−COO・1/pM (式中、Mは金属イオン又は4級アンモニウムイオン、pはMの価数である)で表される官能基をいう。また、スルホン酸塩官能基とは、一般式:−SO3・1/pM (式中、Mは金属イオン又は4級アンモニウムイオン、pはMの価数である)で表される官能基をいう。
上記のカルボン酸塩官能基又はスルホン酸塩官能基に含まれる金属イオンが、Li+、Na+、Rb+、Cs+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Al3+、Zn2+、Cu2+、Mn2+、Ni2+、Co2+、Co3+、Fe3+及びCr3+からなる群から1種以上選択されるイオンであることが好ましく、4級アンモニウムイオンが、一般式(I)
NHm1 n + ・・・(I)
(式中、m+n=4、m=0〜4、R1は炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜120のアリール基もしくはアラルキル基である)で表されるイオンであることが好ましい。これらの内、Li+がアニオン重合終了時に自動的にLi塩になっているので特に好ましい。
4級アンモニウムイオンとしては、アンモニウムイオン(−NH4 +)、トリメチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、トリエチルモノメチルアンモニウムイオン等が挙げられる。
上述の変性ポリマー(B)は、マトリクスゴム(A)と同様の製造方法により得られる。即ち、上述の各種共役ジエン単量体単独を、又は上述の各種共役ジエン単量体と上述の各種芳香族ビニル炭化水素単量体とを炭化水素溶媒中でエーテルまたは第三級アミンの存在下にリチウム系重合開始剤を用いて、重合又は共重合させることにより得られるが、これらの製造方法に限定されるものではなく、配位重合法により製造されてもよい。例えば、共役ジエン単量体、特に、ブタジエン重合体は、ネオジム系触媒による配位重合によっても好適に製造される。
変性ポリマー(B)としては、スチレン−ブタジエン共重合体ポリマー又はブタジエン重合体ポリマーが好ましく、この場合変性ポリマー(B)の結合スチレン量は0〜60質量%であることが好ましい。60質量%以下であれば、低温柔軟性がより良好となるからである。スチレン−ブタジエン共重合体ポリマーである場合は、結合スチレン量が5〜60質量%であることが好ましい。スチレン−ブタジエン共重合体ポリマーのブタジエン部又はブタジエン重合体ポリマーのビニル結合量は特に限定されない。例えば、アニオン重合においては、10〜70%の範囲が好適に用いられる。また、配位重合においては、0.1〜10%の範囲が好適に用いられる。
変性ポリマー(B)のポリスチレン換算重量平均分子量は1.0×103〜2.0×105であることを要するが、1.0×103〜1.0×105の変性液状ポリマーであることが好ましく、乾燥路操縦安定性の向上のためには、ポリスチレン換算数平均分子量が1.0×103以上2.0×104未満の変性液状ポリマーであることが特に好ましい。ポリスチレン換算数平均分子量が2.0×104未満であれば、アイオノマーの形成量が多くなって、高温領域での高tanδ化効果が高くなり、ゴム組成物の加工性も改良されるので好ましく、1.0×103以上であれば耐破壊性や耐摩耗性が向上するので好ましい。
変性ポリマー(B)の変性方法としては、(1)分子鎖中のビニル結合部分を変性する方法、(2)ポリマー重合時に極性基含有化合物を共重合する方法、(3)分子鎖の片末端又は両末端を上記の極性基含有化合物で変性する方法があるが、(3)の方法により、変性ポリマー(B)の分子鎖の片末端又は両末端に、カルボン酸基(-COOH)、スルホン酸基(-SO3H)、カルボン酸塩官能基及びスルホン酸塩官能基からなる群から1種以上選択される極性基を導入することが、高温領域でのtanδを高める観点で好ましい。
また、本発明の目的を損なわない範囲で、上記のマトリクスゴム(A)100質量部の内、40質量部以下を通常タイヤ業界で用いられるゴム成分で置換することができる。置換されるゴム成分としては、天然ゴム及びジエン系合成ゴムが挙げられ、ジエン系合成ゴムとしては、マトリクスゴム(A)とは異なるスチレンーブタジエン共重合体及びポリブタジエン、ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)及びこれらの混合物等が挙げられる。その一部が多官能型変性剤、例えば四塩化スズのような変性剤を用いることにより分岐構造を有していてもよい。
本発明のゴム組成物においては、変性ポリマー(B)に加えて、マトリクスゴム(A)100質量部に対して、Li、Na、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Cu、Mn、Ni、Co、Fe及びCrからなる群から1種以上選択される金属を含有する金属化合物及び/又はアミン化合物を1〜60質量部配合することを要し、1〜5質量部配合することが好ましい。硫黄加硫性ゴム組成物には、通常、加硫活性助剤としての亜鉛華(ZnO)を配合するが、さらに、上記のZn以外の金属を含有する金属化合物及び/又はアミン化合物を配合することにより、これらの金属化合物及び/又はアミン化合物が、変性ポリマー(B)の末端COOH基との中和反応や、末端COOLiあるいは末端COOH基と亜鉛華が反応してできた(COO)2Znとさらに金属交換反応が進行し、末端官能基が変化して本発明のゴム組成物の加硫後の物性、例えば乾燥路操縦安定性を向上することとなる。
本発明においては、上記の金属化合物が、金属酸化物、金属水酸化物、酢酸金属塩、一般式(II)
2SO3・1/pM ・・・(II)
(式中、R2は炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜120のアリール基もしくはアラルキル基、Mは金属、pはMの価数である)で表されるスルホン酸金属塩及び/又は一般式(III)
M(OR3p ・・・(III)
(式中、R3は炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜120のアリール基もしくはアラルキル基、Mは金属、pはMの価数である)で表されるアルコラートであることが好ましい。これらの内では、酸化マグネシウム(MgO)又は水酸化カルシウム[Ca(OH)2 ]が特に好ましい。
また、アミン化合物としては、一般式(IV)
NHq4 r ・・・(IV)
(式中、q+r=3、q=0〜3、R4は炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜120のアリール基もしくはアラルキル基である)で表される化合物であることが好ましく、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、アニリン、ベンジルアミン等が挙げられる。
本発明のゴム組成物に用いられる充填材としては、カーボンブラック及び/又は無機充填材を挙げることができる。カーボンブラックとしては、特に制限はなく、通常ゴム工業に用いられるものを使用できる。例えば、FEF、SRF、GPF、HAF、ISAF、SAF等が用いられる。これらのカーボンブラックを単独にまたは混合して使用することができる。好ましくは、窒素吸着比表面積(N2SA、JIS K 6217−2:2001)が60m2/g以上で180m2/g以下、かつジブチルフタレート吸油量(DBP,JIS K 6217−4:2001A法)が80cm3/100g以上で180cm3/100g以下のカーボンブラックである。カーボンブラックを用いることにより、諸物性の改良効果は大きくなるが、特に、耐摩耗性に優れるHAF、ISAF、SAFが好ましい。この場合に、カーボンブラックは、マトリクスゴム(A)100質量部に対して、好ましくは10〜250質量部、より好ましくは20〜200質量部、さらに好ましくは20〜150質量部で用いられる。10質量部以上では耐破壊性向上の点で好ましく、250質量部以下では加工性が向上し好ましい。充填材として、カーボンブラック単独で配合される場合は、同様の観点から、30〜150質量部で用いられることが特に好ましい。
また、無機充填材としては、シリカが好ましい。シリカとしては特に限定されないが、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、コロイダルシリカが好ましい。これらの内、湿潤路操縦安定性及び低転がり抵抗性の向上のためには、湿式シリカが特に好ましい。
他の無機充填材としては、アルミナ−水和物(Al23・H2O)を含むアルミナ類、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3]、炭酸アルミニウム[Al2(CO32]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al23)、クレー(Al23・2SiO2)、カオリン(Al23・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al23・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al23・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5 、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2・SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al23・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO32]、各種ゼオライト、長石、マイカ、モンモリロナイト等を例示できる。
上記の内、下記一般式(V)で表されるアルミニウムの酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物から選ばれる少なくとも一つである場合が好ましい。
Al23・sH2O ・・・(V)
[式中、sは、0〜3の整数である。]
本発明のゴム組成物には、補強性充填材として、カーボンブラック又は無機充填材を夫々単独で、又は二者又はそれ以上を組み合わせて用いることができる。例えば、充填材をシリカのみとすることができ、この場合には、シリカはマトリクスゴム(A)100質量部に対して、好ましくは10〜250質量部、より好ましくは20〜200質量部、さらに好ましくは30〜150質量部で用いられる。この好適範囲内であれば、耐破壊性及び加工性の点でより好ましいからである。
上記無機充填材としては、その平均粒径が10μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがさらに好ましい。平均粒径が10μm以下であると加硫ゴム組成物の耐破壊性及び耐摩耗性をさらに向上できる。
本発明で上記シリカを配合する場合には、シリカ−ゴム成分間の結合を強化して補強性をさらに高め、耐摩耗性を向上するために、更に、シランカップリング剤を添加することが望ましい。
その目的に使用されるシランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド等が挙げられ、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド等が補強性改善効果の観点より好ましい。
上記のシランカップリング剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。シランカップリング剤の配合量としては、上記シリカの配合量に対して、5〜20質量%が好ましく、10〜15質量%がより好ましい。
本発明のゴム組成物には、必要に応じて、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤(酸化防止剤、オゾン劣化防止剤等)、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸など、通常ゴム業界で用いられるゴム薬品を、目的に応じて適宜選択して混練してもよい。
上記加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば硫黄、硫黄供与剤、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などが用いられる。これらの中で硫黄系加硫剤が好ましく、その使用量は、マトリクス成分100質量部に対して、硫黄分として0.1〜10質量部が好ましく、さらに好ましくは1〜5質量部である。0.1質量部以上であれば、加硫ゴムの耐破壊性、耐摩耗性および低発熱性が向上し、また、10質量部以下であれば、ゴム弾性としての機能がより好適に確保できるからである。
上記加硫促進剤としては、公知の加硫促進剤、例えばチアゾール類、スルフェンアミド類、チウラム類、グアニジン類、アルデヒド類、アンモニア類、アミン類、チオウレア類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類などが用いられる。好ましくは、M(2−メルカプトベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジサルファイド)、CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)等のチアゾール系、DPG(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系の加硫促進剤等を挙げることができ、その使用量は、マトリクス成分100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、さらに好ましくは、0.2〜3質量部である。
上記老化防止剤としては、アミン系、アミン−ケトン系、イミダゾール系、フェノール系、硫黄系及び燐系等が挙げられる。
上記プロセスオイルとしては、パラフィン系、ナフテン系、アロマチック系等を挙げることができる。引張強度、耐摩耗性を重視する用途にはアロマチック系が、ヒステリシスロス、低温特性を重視する用途にはナフテン系又はパラフィン系が用いられ、その使用量は、マトリクス成分100質量部に対して、1〜100質量部が好ましい。100質量部以下であることが加硫ゴム組成物の引張強度、低発熱性の向上の観点から好ましい。
本発明のゴム組成物は、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練機を用いて混練することによって得られ、成型加工後、加硫を行い、空気入りタイヤ、各種工業用ゴム製品等の用途に使用される。
本発明の空気入りタイヤは、通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて、上記のように各種薬品を含有させた本発明のゴム組成物が未加硫の段階でトレッド用部材に押出加工され、タイヤ成型機上で通常の方法により貼り付け成形され生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、空気入りタイヤが得られる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
尚、各実施例、比較例における各種測定は下記により行なった。
(1)ポリスチレン換算重量平均分子量及び数平均分子量
(i)ウォーターズ社製244型GPCを用い、検知器として示差屈折計を用い、次の条件で測定する。
カラム:東洋ソーダ製カラムGMH−3、GMH−6、G6000H−6
移動相:テトラヒドロフラン
(ii)ウォーターズ社製単分散スチレン重合体を用い、GPCによる単分散スチレン重合体のピークの分子量とGPCのカウント数との関係を予め求めて検量線を作成し、これを用いて、重合体のポリスチレン換算での重量分子量及び数平均分子量を求めた。
(2)ビニル結合量
赤外法(モレロ法)により測定した。
(3)結合スチレン量
1H-NMRでスペクトルの積分比を算出することにより求めた。
(4)乾燥路操縦安定性
160℃、12分間の条件で加硫して得られた厚さ2mmのスラブシートから、幅5mm、長さ40mmのシートを切り出し、試料とした。この試料について、上島製作所(株)製スペクトロメーターを用い、チャック間距離10mm、初期歪200マイクロメートル(ミクロン)、動的歪1%、周波数52Hz及び測定温度60℃の条件下で、tanδを測定した。
(5)耐摩耗性
ランボーン型摩耗試験機を用いて、室温における摩耗量を測定し、その逆数を、比較例1を100とする指数で表示した。値が大きいほど耐摩耗性が良好である。
(6)耐破壊性(引張試験)
JIS K6251−1993に準拠して、160℃、12分間の条件で加硫して得られた加硫ゴム組成物サンプルの引張試験を行い、23℃で測定した時の切断時引張応力(TSb)を求めた。結果は比較例1を100として指数で表した。数値が大きい程良好であることを示す。
製造例1 SBRマトリクスゴム(A)−1の製造
十分に窒素置換した拌翼つきの5リットルオートクレーブに、シクロヘキサン3000g、テトラヒドロフラン(THF)12g、1,3−ブタジエン200gおよびスチレン100gを導入し、オートクレーブ内の温度を21℃に調整した。次に、n−ブチルリチウム0.10gを加えて昇温条件下で60分間重合し、モノマーの転化率が99%であることを確認した。その後、老化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを3.5g加えた。得られたSBRマトリクスゴム(A)−1のポリスチレン換算重量平均分子量は7.0×105、結合スチレン量は33質量%、ビニル結合量は40%であった。
製造例2 変性ポリマー(B)−1の製造
乾燥し、窒素置換された温度調節ジャケット付き2リットルのステンレス耐圧反応容器に、事前に乾燥してあるシクロヘキサン500g、1,3−ブタジエン67gおよびスチレン33gをそれぞれ導入した。ジャケット温度を調整して内温を40℃に調整した。次にビステトラヒドロフリルプロパン4mmolを導入した後に、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(n−ブチルリチウム18mmol)を加えて重合を開始し、25分後に系の温度が75℃になるように温度調節しながら重合反応を行った。重合開始から35分後に二酸化炭素120mmolを添加することにより、−COOLi末端変性されたSBRを、変性ポリマー(B)−1として得た。得られた変性液状ポリマー(B)−1のポリスチレン換算重量平均分子量は15×103、ポリスチレン換算数平均分子量は14×103、結合スチレン量は33質量%、ビニル結合量は32%であった。
製造例3 変性ポリマー(B)−2の製造
製造例2で得た、−COOLi末端変性されたSBRを塩酸で洗浄することにより、−COOH末端変性されたSBRを、変性ポリマー(B)−2として得た。得られた変性液状ポリマー(B)−2のポリスチレン換算重量平均分子量、ポリスチレン換算数平均分子量、結合スチレン量及びビニル結合量は変性液状ポリマー(B)−1と同じである。
実施例1〜5、比較例1及び2
製造例1で調製したSBRマトリクスゴム(A)−1、製造例2で調製した変性ポリマー(B)−1及び製造例3で調製した変性ポリマー(B)−2を表1に示した配合処方によりバンバリーミキサー中で混練し、実施例1〜5及び比較例1及び2の7種類のゴム組成物を得た。それらを加硫し、それぞれ乾燥路操縦安定性、耐破壊性及び耐摩耗性を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2008143953
[注]
1):製造例1で得られたSBRマトリクスゴム(A)−1
2):製造例2で得られた変性液状ポリマー(B)−1
3):製造例3で得られた変性液状ポリマー(B)−2
4):ISAF、東海カーボン株式会社製、商標:シースト6 (窒素吸着比表面積:119m2/g、DBP吸油量:114cm3/100g)
5):N−(1,3−ジメチルブチル)−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、商標:ノクラック6C
6):ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業株式会社製、商標:ノクセラーD
7):N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、大内新興化学工業株式会社製、商標:ノクセラーNS
8):トリエチルアミン、東京化成工業(株)製。
表1により明らかなごとく、比較例1及び2のゴム組成物と比較して、本発明のゴム組成物(実施例1〜5)は、耐摩耗性、耐破壊性及び乾燥路操縦安定性を大幅に向上した。
また、実施例1〜5及び比較例1及び2の7種のゴム組成物を、それぞれタイヤ サイズ:205/55R16の乗用車用空気入りラジアルタイヤのトレッド部に配設して、内圧:230kPa、荷重:実車2名乗車相当にて、ドライ状態のサーキットコースを各種走行モードにてスポーツ走行したときのテストドライバーのフィーリング評価を実施した。実施例1〜5のゴム組成物を配設したタイヤは、比較例1及び2のゴム組成物を配設したタイヤと比較して、いずれも乾燥路操縦安定性が優れていた。
本発明のゴム組成物は、タイヤトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部分等の空気入りタイヤ用途をはじめ、防振ゴム、ベルトコンベア、各種工業用ベルト、自動車用ベルト、ホースその他の工業品等の用途にも用いることができるが、特に空気入りタイヤトレッド用ゴムとして好適に使用される。

Claims (17)

  1. ゲル浸透クロマトグラフィーにより得られるポリスチレン換算重量平均分子量が3.0×105〜3.0×106である、リチウム系重合開始剤で重合された芳香族ビニル−共役ジエン共重合体及び/又は共役ジエン重合体からなるマトリクスゴム(A)100質量部に対して、カルボン酸基、スルホン酸基、カルボン酸塩官能基及びスルホン酸塩官能基からなる群から1種以上選択される極性基を分子中に含み、かつポリスチレン換算重量平均分子量が1.0×103〜2.0×105である芳香族ビニル−共役ジエン共重合体及び/又は共役ジエン重合体からなる変性ポリマー(B)を1〜200質量部並びにLi、Na、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Cu、Mn、Ni、Co、Fe及びCrからなる群から1種以上選択される金属を含有する金属化合物及び/又はアミン化合物を1〜60質量部配合してなるゴム組成物。
  2. マトリクスゴム(A)がスチレン−ブタジエン共重合体である請求項1に記載のゴム組成物。
  3. スチレン−ブタジエン共重合体の結合スチレン量が20〜40質量%である請求項2に記載のゴム組成物。
  4. スチレン−ブタジエン共重合体のブタジエン部のビニル結合量が30〜60%である請求項2に記載のゴム組成物。
  5. マトリクスゴム(A)100質量部に対して、さらにカーボンブラックを10〜250質量部配合してなる請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 変性ポリマー(B)の結合スチレン量が0〜60質量%である請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. マトリクスゴム(A)100質量部に対して、変性ポリマー(B)を10〜100質量部配合してなる請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
  8. 変性ポリマー(B)のポリスチレン換算数平均分子量が1.0×103以上2.0×104未満である請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物。
  9. 変性ポリマー(B)が、その分子鎖の片末端又は両末端に、カルボン酸基、スルホン酸基、カルボン酸塩官能基及びスルホン酸塩官能基からなる群から1種以上選択される極性基を含む請求項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物。
  10. カルボン酸塩官能基が金属イオン及び/又は4級アンモニウムイオンを含む請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物。
  11. スルホン酸塩官能基が金属イオン及び/又は4級アンモニウムイオンを含む請求項1〜10のいずれかに記載のゴム組成物。
  12. 金属イオンが、Li+、Na+、Rb+、Cs+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Al3+、Zn2+、Cu2+、Mn2+、Ni2+、Co2+、Co3+、Fe3+及びCr3+からなる群から1種以上選択されるイオンである請求項10又は11に記載のゴム組成物。
  13. 4級アンモニウムイオンが、一般式(I)
    NHm1 n + ・・・(I)
    (式中、m+n=4、m=0〜4、R1は炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜120のアリール基もしくはアラルキル基である)で表されるイオンである請求項10又は11に記載のゴム組成物。
  14. 金属化合物が、金属酸化物、金属水酸化物、酢酸金属塩、一般式(II)
    2SO3・1/pM ・・・(II)
    (式中、R2は炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜120のアリール基もしくはアラルキル基、Mは金属、pはMの価数である)で表されるスルホン酸金属塩及び/又は一般式(III)
    M(OR3p ・・・(III)
    (式中、R3は炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜120のアリール基もしくはアラルキル基、Mは金属、pはMの価数である)で表されるアルコラートである請求項1〜13のいずれかに記載のゴム組成物。
  15. アミン化合物が、一般式(IV)
    NHq4 r ・・・(IV)
    (式中、q+r=3、q=0〜3、R4は炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜120のアリール基もしくはアラルキル基である)で表される化合物である請求項1〜14のいずれかに記載のゴム組成物。
  16. 金属化合物及び/又はアミン化合物を0.01〜5質量部配合してなる請求項1〜15のいずれかに記載のゴム組成物。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載のゴム組成物をトレッド部に用いてなる空気入りタイヤ。
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