JP4509280B2 - カメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はカメラのフラッシュ発光装置の制御技術に関し、詳しくは、撮影シーンに従ってフラッシュ発光装置の制御方法を切り換えて、補助的な光の効果により更に美しい写真を撮影するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、フラッシュ発光装置を利用して、その種々の効果で撮影を行なうカメラは広く知られており、フラッシュ光を強制的に発光させる「日中シンクロ撮影」によって影を消す技術などは、ノウハウとしてアマチュアカメラマンにも広く知られている。所定の輝度以上では、極端に人の顔面に影ができやすかったり、顔のシワが深く写る傾向がある。このような場合、被写体のせっかくの表情がだいなしになってしまうので、プロカメラマンなどはレフ板を使ったりしてそれに対処していた。
【0003】
また例えば特開平6−18959号公報に提案された例は、近距離時にソフトフォーカス撮影を行なうことでシワ対策に用いられる。これは、人の顔に浮き出る小ジワを目立たせないように影を生じ難くして、人の顔をきれいに撮るための技術の一つである。
【0004】
また、例えば逆光シーンなどでは、背景が明るすぎて、その背景側の露出が支配的になり、被写体の人物の顔がつぶれてしまうので、フラッシュ発光装置を使う。このほか光線が強すぎる朝夕のシーンなどにもこのフラッシュ発光装置が多用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如くフラッシュ発光装置を用いることで表情に係わる劣化は、上述の「日中シンクロ撮影」可能なカメラである程度は防ぐことができる。しかしながら、この日中シンクロ撮影のためにフラッシュ撮影を頻繁に行っていると、電気エネルギーの消耗が激しいくなるため、電池(バッテリ)を頻繁に交換しなければ撮影の続行ができなくなってしまう。これでは、ユーザーの操作が煩雑になるばかりでなく、使用済み電池の廃棄が増加傾向となると共に、このようなカメラは地球環境に配慮した製品とは言えなくなる。
【0006】
また、太陽を背にした被写体の撮影シーン(例えば画角内に太陽が入らない場合)には、カメラ側からフラッシュ光を投射して、暗くて露光に足りない部分に光を当ててその不足を補う撮影方法が行われるが、これには、画面中央の明るさと周辺の明るさを調べて、その差が大きい時にフラッシュ発光すれば効果が得られ、単純な二分割の測光センサがあれば対応できる。しかしこのような逆光シーンは、画角外の太陽によって頭上背後から照らされ顔の一部だけが影になっているのであって、顔の大部分は背景ともども適正なため、上述の単純な二分割センサだけではこのような状況を正しく検出する事はできなかった。
【0007】
そこで本発明の目的は、必要な時のみフラッシュ発光装置の光を適度に補って顔の一部分にできる影を消して、美しい写真が撮影できるカメラを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様によるカメラは、フラッシュ発光手段と、被写体の顔部分の像を検出する像検出手段と、上記像検出手段による検出結果に基づいて、上記顔部分の像を、明るい部分と暗い部分とに判別する判別手段と、上記判別手段による判別結果に基づいて、上記被写体の顔部分が陰の状態であるか否かを判定する判定手段と、上記判定手段により、上記被写体の顔部分が陰の状態であると判定された場合に、撮影を行う際には、上記フラッシュ発光手段を発光制御する発光制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のカメラは、近年のオートフォーカスなどで用いられるセンサアレイを応用し、被写体の顔の影を検出して、必要に応じて適当なフラッシュ光で補助することによって、影で表情がわからなくなるような失敗写真の撮影が行われるのを防止することを一つの特徴としている。
【0011】
人物と背景の輝度差が大きいために人物の露出が相対的にアンダーになる状況下において、本発明のカメラ10を有効に利用する状況は、図1(a)に示す如く太陽を背にした被写体(人物像)11を撮影画角12内に撮る場合であり、特に夏の強い日射しの下で、そのまま撮影すると髪の毛の影などが顔の表面にくっきりと写ってしまい、従来方式のカメラではせっかくの表情がだいなしになりがちな撮影ケースが想定される。カメラ10はそのような不具合を自動的に防止する機能を有している。
【0012】
また、図1(b)に示すような太陽を頭上に配した被写体11の逆光シーンにおいては、人物の顔がつぶれてしまわないようにフラッシュ光を強制発光させる「日中シンクロ撮影」を単に行なう従来方式のカメラとは異なり、本発明のカメラ10では、例えば逆光シーンでなくても、顔の一部分が黒くなってしまうのを防止する機能を備えている。このために、大部分の露出は自然光や通常照明で決まるシーンにおいてフラッシュ光を適宜に自動制御し、顔の影をなくした写真撮影を行なえるものである。即ち、上述の逆光シーンにおいても、顔にできる影を消すためのフラッシュ発光装置の発光動作をオートマチックで行なうように制御されるものである。
【0013】
以下に、上述の機能を有するカメラ10の具体的な複数実施形態を挙げて、本発明の要旨について詳しく説明する。
(第1実施形態)
図2には、本発明の第1実施形態として構成されるカメラ10の構成を示す。このカメラ10に内蔵された測距装置における測距系では、測距用の受光レンズ2a、2bを介して、被写体11の像をセンサアレイ3a、3b上に結像させ、「三角測距の原理」に基づき測距する方式が採用されている。そのため、図示の如くに二つの受光レンズ2a、2bの間は基線長Bだけ離れて配置されている。この測距原理によると、受光レンズ2a、2bとセンサ間の距離をfとすると、被写体11の被写体距離Lに従って上記センサアレイ3a、3b上の被写体像の相対位置差X(即ち、X = S・f/L)は変化する。
【0014】
そこで、このカメラ10全体の動作シーケンスを司る制御手段としてのCPU1は、各センサアレイ3a、3b上の像位置を求めるために、センサアレイ信号をA/D変換器5でアナログからデジタルに変換して検出することで被写体距離Lを算出することができ、この被写体距離Lに基づいてピント合せ手段8を適宜調整することで被写体11に対する正しいピント合せ制御が行なえるように構成されている。
【0015】
CPU1はワンチップマイコン等から構成されており、内蔵された所定の制御プログラムによって、シーケンス制御のほか、各種の演算ができるようになっている。またCPU1は、センサアレイ3a、3bの出力のうちパルス状の成分のみを取り出せるように図示の如く定常光除去回路6に接続されている。この定常光除去回路6は、時間変化の小さい信号のみを除去して、例えばカメラ側から発光する投光手段(測距用補助光源)7やフラッシュ発光部4bで点灯される例えばキセノン管4aなどからのパルス的な光(即ち、時間変化の大きい信号)のみをA/D変換器5に導くハイパスフィルタを想定している。
【0016】
CPU1は、撮影しようとする状況に応じてこの定常光除去回路6を作動/不作動状態に制御し、またその時に得られた測距用センサアレイ3a、3bからのセンサデータに基づいて被写体距離Lを求めながら、ピント合せ手段8を駆動させるピント合せ制御及び所定の撮影シーケンス制御を行なうようにプログラムされている。
【0017】
なお、定常光除去回路6を作動させるタイミングは、例えば、明るいシーンでありながら被写体に明らかなコントラストがなく、上記像信号が得られなかった場合である。このような場合、投光手段7から測距用にパルス光(スポット光)を投射して、被写体上に光スポットを形成することで、その反射信号光像に従って測距が可能となる。
このようなピント合せにおけるメリットがまず挙げられるが、本発明のカメラ10では、この機能をさらに有効利用して、主要被写体が人間の顔であるかを判別する機能が付加されている。
【0018】
そこで、図3(a),(b)の二つのフローチャートと、図4(a),(b)の二つのグラフによって、本発明のカメラ10の特徴的な動作制御を説明する。図3(a)は撮影動作手順を示し、図3(b)は図3(a)中の「暗部判定」手順を詳しく示している。但し、このカメラ10の詳細なカメラシーケンス(メインルーチン)は省略し、ここでは本発明に係わるサブルーチンの形態で説明する。また、図4(a),(b)には、カメラ10で得られる像の反射信号分布および、その像中の明暗部をグラフで表わしている。
【0019】
図3のフローチャートにおいて、CPU1がセンサアレイ3a、3bのデータに基づき、「顔部検出」処理ステップ群(S1)を実行して被写体が顔であるか否かを判定してから、その顔部分に関する「影検出」処理ステップ群(S10)を行って、その結果に応じてフラッシュ発光手段(即ち、図2中のキセノン管4aおよび、発光制御やエネルギー供給を行なうフラッシュ発光部4bより成る部位)を適宜に制御すれば、上述した如くの逆光の状況下でも顔に影の生じない写真ができる。
【0020】
そこでまず、顔部を判定をするために、フラッシュ光又は、広い範囲で被写体を照射する補助光を照射しながら、定常光除去回路6を作動させて、像信号の検出を行なう(S2)。
この検出によって被写体が顔である場合には、図4(a)のグラフに示すような反射信号分布を呈する受光信号が得られる。通常、顔面からはほぼ均一な光が返ってくるので、各センサアレイ3a、3bより得られる反射信号光分布は、顔の幅Kに相当する。つまり図2中の測距距離Sに対し、顔幅Kの部分のみから相対的に強い光が返ってくることをこの図4(a)のグラフ曲線は示している。
【0021】
この受光信号により、前述のように被写体距離Lも求められる(S3)。
そこで、図2で示したように、センサアレイ3a、3bの検出エリアをHとすると、被写体距離Lにおける測距距離Sは、下式1で求められる。
S = (L/f)・H …(式1)。
【0022】
そして、この測距距離Sを基にすれば被写体の顔幅Kが算出できる。
具体的に、例えば、被写体距離Lが3000mm(即ち3m)、Hが1mm、fが10mmならば、測距距離Sは300mm(即ち30cm)となる。このうち、約半分のセンサが高い反射信号光レベルを示していれば、幅Kが約15cmのものが存在すると考えることができる。Kが15cm程度ならば人物の顔相当の値なので、顔判定にてここの部分に顔が在ると判定できる(S4)。
【0023】
その後、「影検出」処理ステップ群(S10)に移り、先の「顔部検出」処理ステップ群で被写体が顔であると検出された部分の影を次に判定する。つまり、今度はフラッシュ光などの投光なしで、且つ定常光除去回路6がOFF状態(非作動)にて、像信号を検出する(S5)。
【0024】
この検出によって、顔面上に影があると、図4(b)のグラフのように、先のステップ群で顔部と判定された幅Kの所に、明るい部分と暗い部分があると判別される(S6)。この暗い部分の判定は図3(b)に示す次のような判定ステップで行われる。すなわち、図4(b)中の暗部Dが、ステップS20におけるD/Kの値の大小比較で、顔の幅Kの30%以上を占めるか否かの判定(S20)のほか、ステップS21で行なうような暗い部分と明るい部分の出力信号差P1−P2が所定レベルP0以上であるか否かの判定(S21)、ステップS22のように、暗い部分が顔部の中心にあるか否かの判定(S22)、そしてステップS23のように、図4(b)のグラフの明暗変化(変極点)が多いか否かの判定(S23)など、幾つかの判定条件に沿って行なわれる。
【0025】
上記ステップS20の判定は、顔の部分の多くが影になる事から、人物の写真写りが悪くなる事を予測するものであり、上記ステップS21は、明暗差が大き過ぎて露出が使用しているフィルムのラティチュード内に収まらない事を予測するものである。
【0026】
また、影部が顔の中央にあると、図5(a)のように、写真としては美しくないため、また、変極点が多いと明暗の変化がわずらわしく、図5(b)のように木の影が顔にかかっている状況を予測し、いずれの判定ステップ(S20〜23)の場合もYESに分岐して、ステップS24の「影有判定」を行なう(S24)。この結果によって、図3の次ステップS7での影有り判定ではYESに分岐して、フラッシュ撮影モードにて、影の部分(暗部)を明るくすることで、表情のわかりやすい写真にする。
【0027】
(作用効果1)
このように第1実施形態によれば、被写体に影ができるシーンを自動的に検出して、特に人物の顔であることを認識した場合には、フラッシュ発光して、その顔面に生じる影を消す。
なお、影があるか否かは「パッシブAF」方式によるセンサデータを用いて検出できる。また、AF用の補助光を発する投光手段のON/OFF駆動で、影がフラッシュ光で消せるか否かを、先どりしてチェックすることができる。
【0028】
もし被写体の顔の部分に影の存在を検出できると、必要な時のみフラッシュ発光装置から照射された光が、顔面の一部分にできるその影を適度に補正して消してくれる。この結果、顔の表情に有害となる影が除去された写真が撮影可能となる。
このように本実施形態によれば、美しい写真が撮影できるカメラ10を提供することが可能となる。
【0029】
(変形例)
また次のように変形実施してもよい。例えば「ハイブリットAF」技術をここに適用し、照射するフラッシュ光が被写体まで適正に届くか否かを判定するための処理を加味してもよい。
またその光が確実に被写体まで届くように、キセノン管などの光源の照度等を調整するようにしてもよい。
これらにより、第1実施形態同等またはそれ以上の効果が期待できる。
【0030】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態としてのカメラ10について説明する。ただし、カメラ10を構成する要部は前述の第1実施形態とほぼ同等であるので、特徴的なものについて詳しく述べる。
【0031】
図6(a),(b)にはこのカメラ10に係わる測距装置を示しており、図6(a)はこの測距装置のセンサアレイと撮影レンズ系を示し、図6(b)はそのセンサで検知された像イメージを表わしている。
この第2実施形態の測距装置のセンサアレイ3a、3bには、特にエリアセンサが採用されている。これらエリアセンサによって、撮影レンズ8aの図6(b)に示す画角12のうち、かなり広い部分である領域3cの像信号を検出可能にしている。このように二次元的に像信号が検出可能であると、画像処理の技術を用いて、このエリア内に存在するものが人物の顔であるか否かを、より厳密に調べることができる。
【0032】
前述した第1実施形態では、図4(a)のように投光素子の投射時の反射光パターンによって撮像や顔判定などを行っていたが、この第2実施形態では、投光素子自体も構成的に不要となる。
【0033】
また、顔判定のため行なう「顔部検出」ルーチンの動作制御は、図7に示すフローチャートの手順に従って行われる。まず、ステップS11でエリアセンサ3a、3bの出力の微分信号を求め(S11)、「輪郭検出」のために信号も二値化処理を行なう(S12)。
次に、処理されたデータに基づき、丸みをもった円部を検出する(S13)。ここで、顔に影があるとその微分信号によって正しく円形の検出ができない場合があったり、あごの部分の輪郭が得られない事もあるり得るが、それには適宜、例えば人の平均的な所定の大きさを優先して処理したり、補間等の画像処理を行って適宜に対策する。
【0034】
このようにして、顔が主要な被写体である事を判断できれば、撮影時は、図8のフローチャートに示すように、カメラ10のフラッシュ撮影時の動作手順に基づいてフラッシュ撮影を行える。
「顔部検出」ルーチン(図7参照)が実行され、図8に示す「撮影」ルーチン中のレリーズ操作判定ステップ(S29)に続いて、ステップS30では、この撮影がポートレート撮影であると判断されるが(S30)、ここでYESに分岐した時は、その顔の部分の影判定し(S31)、影部測距して被写体距離Lを算出した後(S32)、下式2により「影判定」を行なう(S33)。
L < GNo./ FNo. …(式2)。
【0035】
但し、GNo.はガイドナンバー、 FNo.はレンズの絞り値。
【0036】
ステップS33をもしYESで分岐する場合は、フラッシュ光が届かないので、聴覚又は視覚的に所定の警告手段9によってその警告をユーザーに対して行なう(S34)。一方、NOで分岐する場合、その影を消せる場合は、ステップS35に分岐して、フラッシュ撮影を実行する(S35)。
【0037】
(作用効果2)
このように第2実施形態によれば、被写体像をエリアセンサで二次元的に検出した後、画像処理技術によって被写体の顔に影があるかどうか、また、それをフラッシュ光で消せるか否かを事前に判定するように構成されている。そして、必要な時には、警告手段により警告を発して注意を喚起できる。よって、ユーザーがうっかりして前述のような失敗写真を撮ってしまう事を未然に防止できる。
【0038】
(第3実施形態)
また本発明を応用すると次の第3実施形態のような工夫も可能となる。ここでは前述の二つの実施形態のような複雑な像判定による顔検出を行わず、図2のスイッチ1a等でユーザーがカメラ10を操作し、特定のモード、例えば「ポートレートモード」に設定する事によって、顔部検出を省略することができる。ただしこのポートレートモードでは、ファインダ視野を示す図9(b)のように画角12の中央に人物の顔が位置することを前提とした仕様でこのカメラ10を運用することとする。
【0039】
ファインダ視野内の領域3cに対応するエリアは、測距用センサアレイ3a、3bのモニタ域を示している。また領域12aのように、ファインダ内に人物型ワクを成す液晶枠表示を出力してもよい。このようにすれば、ユーザーはこの型ワクに合せて被写体(人物)の構図を決めて、ポートレート撮影の操作を行うようになる。
【0040】
図9(a)のフローチャートに、本発明の第3実施形態のカメラ10における撮影動作を示す。ステップS50でレリーズ操作の有無が判断される(S50)。レリーズ操作がされると、ステップS51で、領域3cのエリアの像検出がなされ、その検出信号に基づいて、測距およびピント合せが行われる(S51)。
【0041】
ステップS52にて、設定されたモードの判定を行い(S52)、もしポートレートモード設定時には、ステップS53にて、3Lのエリアの像のコントラストP1−P2(図4(b)参照)を調べる(S53)。
ステップS54およびステップS55では、その像コントラストの大きさを、所定値P01、P02とそれぞれ比較して、フラッシュ発光の光量を決める(S54、S55)。
【0042】
一方、上記ステップS52のモード判定の結果、ポートレートモード以外の場合は、特に影を消す必要はないかもしれないので、ステップS60に分岐して、被写体の明暗を検出し(S60)、その結果からのみ、撮影時のフラッシュ発光装置の制御を行なう(S61、S62)。
【0043】
なお、先の所定値P01、P02は、被写体の明るさによって変化させればよく、明るい時にはより大きく設定し、P02>P01とする。また、コントラストがP02より大きいと、影が大きすぎるので、ステップS57にてフラッシュ光を多めに発光させ、撮影を行なう(S57)。尚この値は、ISO100のフィルムにおいては、上述の測距の結果得られた被写体距離Lにレンズの絞り値(FNo.)を乗じたものに相当するガイドナンバー(GNo.)で表わされる光量である。
【0044】
一方、P01より大きいがP02よりも小さいコントラストでは、ステップS58にてフラッシュ光を上記ステップS57の時よりも弱め、光量を約半分に設定する。そして、適度に顔の陰影を残すようにして、平板な写真になるのを防止するため半分の光量下で撮影する(S58)。
上記ステップS54をNOに分岐した場合は、コントラストがP01より小さいので、特に影を対策する必要はないと判断して、フラッシュ光投射を行わずに撮影を行なう(S56)。
【0045】
また、図10のフローチャートに示すように、予めフラッシュ光を発光(即ち「プリ発光」)して(S70)、同様に像検出し(S71)、そのとき得られた像信号を基にして撮影時の光量を決定する(S72)。そして撮影を実行する(S73)。
【0046】
(作用効果3)
このように第3実施形態によれば、顔面の影の出来具合によって、フラッシュ光の光量を適宜切り換えたので、煩わしい影を消しながら、従来のようにフラッシュ光を強くしすぎて顔を平板状にしてしまったりせずに、適度な陰影のある味わい深いポートレート写真撮影を可能にする。そして、より美しく、効果的なポートレート撮影が可能なカメラが提供できる。
【0047】
(その他の変形例)
説明した以外にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。例えば、上記の実施形態においては像信号検出手段として測距装置を兼用しているが、専用の像検出手段を用いてもよい。また、本発明をデジタルカメラに応用する場合には、被写体像を撮像するための撮像素子を流用してもよい。
【0048】
以上、複数の実施形態と変形例に基づき説明したが、本明細書中には次の発明が含まれる。例えば、
(1) フラッシュ発光手段と、像検出によるオートフォーカスセンサ(AFセンサ)とを有するカメラにおいて、
上記像検出の結果に基づき、被写体の影を判定する判定手段と、
上記判定手段の結果に従って、上記フラッシュ発光手段を発光制御する制御手段と、
を具備するカメラを提供できる。
【0049】
(2) 被写体に測距用光を投射する補助光源と、この補助光源からの補助光の該被写体からの反射信号光分布を検出するセンサと、から成る測距装置と、フラッシュ発光手段と、を具備するカメラにおいて、
上記補助光の投射時と非投射時の上記センサの信号光分布結果に従って、撮影時における上記フラッシュ発光手段の制御を行なう制御手段を更に具備するカメラを提供できる
(3) 被写体像を検出するセンサアレイを有する測距手段と、
ポートレート、又はスナップを撮影するためのモード設定手段と、を有し、
上記モード設定の結果に応じて、上記センサアレイによる像信号のコントラスト結果に従って、フラッシュ撮影時の光量を切り換える第1のフラッシュ撮影モードと、上記コントラストを考慮しない光量で発光する第2のフラッシュ撮影モードと、を有することを特徴とするカメラを提供できる。
(4) 上記像検出手段は、オートフォーカス(AF)用のセンサであることを特徴とする、請求項1に記載のカメラである。
【0050】
(5) フラッシュ発光手段と、
被写体像を検出するためのセンサアレイを有する測距手段と、
上記センサアレイで検出された像信号のコントラストに基づいて、上記フラッシュ発光手段を制御する制御手段と、
を具備することを特徴とするカメラを提供できる。
(6) 上記制御手段は、上記コントラストの大きさに応じて上記フラッシュ発光手段の発光量を切り換えることを特徴とする(5)記載のカメラである。
(7) 上記制御手段は、上記コントラストを複数の所定値と比較し、その結果に応じて上記フラッシュ発光手段の発光量を切り換えることを特徴とする(6)記載のカメラである。
【0051】
(8) 第1撮影モードと第2撮影モードを設定可能であり、この第1撮影モードにおいては上記コントラストに基づいて上記フラッシュ発光手段の発光量を制御し、上記第2撮影モードにおいては上記コントラストを考慮せずに上記フラッシュ発光手段の発光量を制御することを特徴とする(5)記載のカメラである。
(9) 人の顔を測距した時に得られるAFセンサデータより、影の成分を検出し、フラッシュ光を発光するカメラを提供できる。
(10) AF用の補助光のON/OFF制御にて、被写体にかかる影がフラッシュ光で消せるか否かを、予めチェックするカメラを提供できる。
【0052】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、逆光ではなく、夕陽や、頭上から太陽の光が射している時などに、顔の一部を黒くしてしまう影を検出してそれを弱めたり、消すことができるカメラが提供でき、誰でも安心して写真撮影が楽しめるようになる。
【0053】
よって、必要な時のみフラッシュ発光装置の光を適度に補って、顔の一部分にできる影を消して、美しい写真が撮影可能なカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a),(b)は本発明のカメラによる撮影状況を示し、
図1(a)は、逆光シーンで撮影するカメラを示す斜視図、
図1(b)は、逆光シーンにおける露出アンダーの画像を示す説明図。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態のカメラの概略的な構成を示すブロック構成図。
【図3】 図3(a),(b)は第1実施形態のカメラの動作を示し、
図3(a)は、撮影動作手順を示すフローチャート、
図3(b)は、(a)中の「暗部判定」手順を示すフローチャート。
【図4】 図4(a),(b)は本発明のカメラで得られる像を示し、
図4(a)は、像の反射信号分布を表わすグラフ、
図4(b)は、像の中の明暗部を表わすグラフ。
【図5】 図5(a),(b)は本発明のカメラが適用する場合を示し、
図5(a)は、逆光の人物像の顔部を表わす説明図、
図5(b)は、枝の影がかかる人物像の顔部を表わす説明図。
【図6】 図6(a),(b)は本発明の第2実施形態のカメラの測距装置を示し、
図6(a)は、測距装置のセンサアレイと撮影レンズ系を示す斜視図、
図6(b)は、センサで検知された像イメージ。
【図7】図7は、第2実施形態のカメラの「顔部検出」手順を示すフローチャート。
【図8】図8は、第2実施形態のカメラのフラッシュ撮影時の動作手順を示すフローチャート。
【図9】 図9(a),(b)は本発明の第3実施形態のカメラにおける撮影動作とファインダ視野を示し、
図9(a)は、撮影動作手順を示すフローチャート、
図9(b)は、ファインダの画角内を示す説明図。
【図10】図10は、第3実施形態のカメラが撮影時にプリ発光して光量決定する手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…CPU(制御手段、判定手段、像検出手段)、
1a…スイッチ(モード設定手段)、
2a,2b…受光レンズ、
3a,3b…センサアレイ(検出手段)、
4a…キセノン管(フラッシュ光源)、
4b…フラッシュ発光部(発光駆動部)、
5…A/D変換器、
6…定常光除去回路(ハイパスフィルタ)、
7…投光手段(測距用補助光源)、
8…ピント合せ手段、
8a…撮影レンズ、
9…警告手段、
10…カメラ、
11…被写体(人物像)、
12…画角(画面ワク)、
12a…人物型ワク(表示部分)。
Claims (7)
- フラッシュ発光手段と、
被写体の顔部分の像を検出する像検出手段と、
上記像検出手段による検出結果に基づいて、上記顔部分の像を、明るい部分と暗い部分とに判別する判別手段と、
上記判別手段による判別結果に基づいて、上記被写体の顔部分が陰の状態であるか否かを判定する判定手段と、
上記判定手段により、上記被写体の顔部分が陰の状態であると判定された場合に、撮影を行う際には、上記フラッシュ発光手段を発光制御する発光制御手段と、
を具備することを特徴とするカメラ。 - 上記判定手段は、
上記顔部分の像の幅方向における暗い部分の占有割合に基づいて、上記判定を行う
ことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。 - 上記判定手段は、
上記顔部分の像における明るい部分と暗い部分との明るさにおける差異に基づいて、上記判定を行う
ことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。 - 上記判定手段は、
上記顔部分の像における上記暗い部分の位置に基づいて、上記判定を行う
ことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。 - 上記判定手段は、
上記顔部分の像における明暗変化の変極点の数に基づいて、上記判定を行う
ことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。 - 上記像検出手段による上記被写体の顔部分の像の検出の際に上記被写体を照明する照明手段を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。 - 上記像検出手段は、上記被写体について、上記照明手段により照明されている状態及び上記照明手段により照明されていない状態の両状態において上記検出を行い、
上記判定手段は、
上記照明手段により照明されていない上記被写体について検出された上記顔部分の像と、上記照明手段により照明されている上記被写体について検出された上記顔部分の像と、に基づいて上記判定を行う
ことを特徴とする請求項6のカメラ。
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