JP3860037B2 - フラッシュ装置付きカメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体に向けてフラッシュ光を発するフラッシュ装置を備えたフラッシュ装置付きカメラに関し、詳しくは、1回の発光ではフラッシュ光が届かないような遠距離にある被写体でも十分な光量のフラッシュ光を照射して良好に撮影できるようにしたフラッシュ装置付きカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、被写体距離に応じてフラッシュ装置の発光制御を行う技術として、以下のものが知られている。
【0003】
たとえば、特開平8−327886号公報には、撮影視野の中心の測距点に照射されるフラッシュ光量に対して、多点測距装置で測定した主要被写体のある測距点に照射されるフラッシュ光量がフラッシュ配光特性によりどの程度不足するものであるかの不足量を求め、その不足量を補うべくフラッシュによる露光量を補正するようにしたフラッシュ内蔵カメラが記載されている。この装置では、主要被写体に照射されるフラッシュによる露光量が過少にならないように、測光部で測定した撮影視野内の輝度及び多点測距装置で測定した主要被写体までの距離に応じて、フラッシュ光による露光量が最適な露光量になるようにフラッシュ光を制御することにより、撮影視野内の主要被写体の位置にかかわらず、適正な露光量を得ることができる。
【0004】
また、特開平11−95278号公報には、異なる測光方式の複数の測光回路と、被写体までの距離情報を検出する距離情報検出回路とを備え、フラッシュ装置によりプリ発光したときに得られた測光回路の測光値を、距離情報検出回路で得られた距離情報に応じて選択し、その選択された測光値を用いてフラッシュ装置の本発光の発光量を制御するようにした撮像装置が記載されている。この装置によれば、被写体距離に応じて適切な露出で主被写体を撮影できる。
【0005】
また、特開2000−122128号公報には、フラッシュ装置から出た光が被写体で反射して撮像素子に至る光路において、被写体との間の撮像素子の前方にNDフィルタを配設して撮像素子に入射する光量を制御することにより、被写体との間の距離Lを一定に確保したまま、距離Lを変更したのと実効的に同様の状態を作り出してフラッシュ発光量の調整を行うようにしたフラッシュ装置の発光量調整方法が記載されている。
【0006】
また、特開2000−275786号公報には、被写体距離に応じて、フラッシュ発光部の前面を覆うフィルタシートを移動させて、それぞれの被写体距離に応じたフラッシュ光量に切り換えることができるレンズ付きフイルムユニットが記載されている。
【0007】
また、特開2001−005067号公報には、測定された被写体輝度および被写体距離によって参照電圧Vref を選定し、反射光をフォトトランジスタで受光して光量積分を行い、光量積分値が参照電圧Vref と一致した時点でフラッシュの発光を停止することにより、低輝度近距離撮影時におけるオーバー露光を防ぐようにしたフラッシュ制御装置が記載されている。
【0008】
また、特開2001−133858号公報には、撮影レンズを通常撮影位置と近接撮影位置とに切り換えるとともに、リフレクタ内でフラッシュ発光体を変移させることにより、フラッシュの照射範囲が近接撮影位置の撮影画面範囲をカバーするように変更されるとともに、配光パララックスが補正されるようにしたレンズ付きフイルムユニットが記載されている。
【0009】
また、特開2001−174884号公報には、予備発光と本発光とを発光としては1回の発光で行うと共に、被写体までの距離に応じて予備発光の光量を調整することにより被写体までの距離に応じて赤目を防止できるようにしたフラッシュ撮影装置が記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、被写体距離すなわち、カメラから被写体までの距離に応じてフラッシュ装置の発光制御を行う技術は数多く知られている。これらの技術はいずれも、フラッシュ装置の1回の発光量が十分であることを前提とし、被写体距離に応じて撮影時におけるフラッシュ装置の発光量が適正になるようにする技術である。
【0011】
また、赤目現象を防止するため、あるいは露光量を正確に測定するなどの目的で、撮影のための本発光および露光に先だって予備発光を行うなど、1駒の撮影においてフラッシュ装置を複数回発光させる技術もよく知られている。
【0012】
また、同じ被写体を1駒内に複数回写し込むトリック撮影のために、フラッシュ装置を複数回発光させながら多重露光する技術もよく知られている。
【0013】
しかし、フラッシュ装置を内蔵または外付けで接続したカメラにおいて、そのカメラのフラッシュ装置では被写体距離が遠すぎて露出アンダーになってしまうような場合、すなわちそのフラッシュ装置の1回の発光では光量が足りない場合に光量不足を補う技術は未だ提案されていない。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、フラッシュ装置を複数回発光させることにより、そのフラッシュ装置の1回の発光では露出アンダーとなるような遠距離にある被写体でも良好に撮影することが可能なフラッシュ装置付きカメラを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被写体に向けてフラッシュ光を発するフラッシュ装置を備えたフラッシュ装置付きカメラであって1回の露光中に複数回発光するように前記フラッシュ装置を制御するフラッシュ制御手段を備え、前記フラッシュ装置の出射光路中または当該カメラの撮影レンズの入射光路中に、光透過率分布パターンを変化させることができる透過率可変フィルタを設け、この透過率可変フィルタの光透過率分布パターンを前記フラッシュ装置の複数回の発光と同期させて変化させるフィルタ制御手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
上記のように構成されたフラッシュ装置付きカメラでは、1駒撮影する際に1回の露光中にフラッシュ装置を複数回発光させて撮影を行うことにより、1回の発光ではフラッシュ光が届かずに露出アンダーとなるような遠距離にある被写体でも十分にフラッシュ光を到達させることができ、良好な撮影が可能である。また、前記フラッシュ装置の出射光路中または当該カメラの撮影レンズの入射光路中に、光透過率分布パターンを変化させることができる透過率可変フィルタを設け、この透過率可変フィルタの光透過率分布パターンを前記フラッシュ装置の複数回の発光と同期させて変化させるフィルタ制御手段を設けているため、1つの被写体の凹凸形状(カメラとの距離方向の凹凸形状)や、画角内に被写体が複数存在する場合の被写体間の位置関係など、様々な被写体条件に応じた適正な露光量で撮影することができ、フラッシュの多重発光により露出オーバーとなる被写体が生じるのを防止できる。
【0017】
また、好適には、前記フラッシュ制御手段は、所定の被写体距離よりも遠い被写体を撮影するための遠距離撮影モードが設定されている場合に、前記制御を行うものとする。これにより、1回の発光ではフラッシュ光が届かずに露出アンダーとなるような遠距離にある被写体でも十分にフラッシュ光を到達させることができ、良好な撮影が可能である。
【0018】
また、好適には、被写体までの距離を検出する距離検出手段を設け、前記フラッシュ制御手段が、前記距離検出手段により検出された被写体距離に応じて、1回の露光中における発光回数を前記被写体距離の長さに従って増大させるように前記フラッシュ装置を制御するものとする。これにより、1回の発光ではフラッシュ光が届かずに露出アンダーとなるような遠距離にある被写体でも確実にフラッシュ光を到達させることができ、良好な撮影が可能である。
【0019】
また、好適には、前記フィルタ制御手段は、撮影画像の画角内における被写体の配置および被写体距離に応じて、被写体距離が短い領域においてフラッシュ光の照射光量または被写体の露光量を減少させるように前記透過率可変フィルタの光透過率分布パターンを設定するものとする。
【0020】
例えば、画角の中心領域の被写体距離が短く、その他の周辺領域の被写体距離が長い場合は、フラッシュ装置の複数回の発光に連動して、透過率可変フィルタの光透過率の小さい部分を中心領域から周辺領域に向かって段階的に広げていくように光透過率分布パターンを変化させることにより、複数回の発光において透過率可変フィルタの中心領域の光透過率が小さくなるように遮光する。これにより、画角の中心領域に位置しているフラッシュ光が十分に到達する近距離の被写体に対しては次回以降の発光を遮断し、画角の周辺領域に位置する遠距離の被写体に対しては多数回の発光により光量を増加してフラッシュ光を到達させることができ、画角の全領域にわたって適正な露光量で被写体を撮影可能となる。また、画角の中心領域の被写体距離が長い場合は上記と逆にするなど、他の被写体についても被写体の状態に応じて透過率可変フィルタの光透過率分布パターンを適宜設定すればよい。さらに、複数種類の被写体についてそれぞれ透過率可変フィルタの光透過率分布パターンを適宜設定し、複数回の発光における光透過率分布パターンの変化のさせ方を画角内の被写体距離に応じて変更するためのフィルタ機能切換手段を設けるようにしてもよい。
【0021】
なお、フラッシュ装置は、カメラ本体に内蔵したもの、カメラ本体と別体の外付けで接続されるものなどに適用可能である。また、遠距離撮影モードを設定するために、回転ダイヤルやスイッチなどにより操作者が設定操作可能に構成された、複数の撮影モードの中から所望の撮影モードを選択するためのモード選択手段を設けてもよい。
【0022】
また、カメラ本体が安定した設置状態にあるか否かを判別するための設置状態判別手段を設け、フィルタ制御手段において、前記設置状態判別手段により安定した設置状態にあると判別された場合に1回の露光中に複数回発光するように前記フラッシュ装置を制御するようにしてもよい。この設置状態判別手段としては、カメラ本体に三脚が装着されたことを検知するセンサを三脚取付ねじ部に設け、このセンサの出力に基づいてカメラ本体が三脚によって固定されたと判定するものなどによって構成可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るフラッシュ装置付きカメラの外観構成を示す斜視図である。
【0024】
このフラッシュ装置付きカメラ(以下、単にカメラと記す。)1は、カメラ本体2の右端部上部にフラッシュ装置3を内蔵している。カメラ本体2の前面部にはフラッシュ装置3の光出射窓3aと撮影レンズであるズームレンズ(オートフォーカスレンズ)4とが配置されている。カメラ本体2の上面部には、レリーズボタン5、モード設定ダイヤル6、液晶表示装置7、UPボタン8u、DOWNボタン8d、およびフィルタ設定ダイヤル11が設けられている。カメラ本体2の下面部には、三脚取付ねじ部9が形成されている。
【0025】
図2はカメラ1の上面部を示す平面図である。モード設定ダイヤル6は、このカメラ1の撮影モードをSELF(セルフモード)、MULTI(マルチ発光モード)、AUTO(オートモード)のいずれかに設定するためのモード選択手段である。セルフモードは、フラッシュ装置3の使用/不使用の選択やフォーカスおよび露出調整などを撮影者自身が行う撮影モードである。オートモードは、フラッシュ装置3の使用/不使用の選択やフォーカスおよび露出調整などをカメラ1が自動的に行う撮影モードである。マルチ発光モードは、1駒の撮影時にフラッシュ装置6を複数回発光させる本発明特有の撮影モードである。マルチ発光モードに設定して、UPボタン8uおよびDOWNボタン8dを操作すると、1駒毎のフラッシュ発光回数を設定できる。設定されたフラッシュ発光回数は、撮影モードや残駒数などと共に液晶表示装置7に表示される。
【0026】
フィルタ設定ダイヤル11は、フラッシュ装置3またはズームレンズ4の光路中に内蔵された透過率可変フィルタ10(図3)の使用/不使用、および透過率分布パターンの変化のさせ方を設定するためのフィルタ機能切換手段である。透過率可変フィルタ10の設定状態も液晶表示装置7に表示される。
【0027】
図3(a)はフラッシュ装置3の概略構成を示す断面図である。この図はフラッシュ装置3の出射光路中に透過率可変フィルタ10を設けた構成例を示したものである。フラッシュ装置3は、フラッシュランプ(光源)3bと、このフラッシュランプ3bから後方に放出されたフラッシュ光を反射させて光出射窓3aに導くリフレクタ3cと、フラッシュ光を被写体に効率良く照射できるように光出射窓3aに取り付けられたフレネルレンズ等からなるレンズ3dと、レンズ3dの裏面側に設けられた透過率可変フィルタ10とを備えている。フラッシュランプ3bを発光させる発光回路(図示省略)には、フラッシュ発光を複数回連発して行うことができるように、大容量のメインコンデンサあるいは複数個のメインコンデンサが設けられている。
【0028】
図3(b)は撮影レンズであるズームレンズ4の入射光路中に透過率可変フィルタ10を設けた場合の構成例を示した断面図である。フィルムが配置される撮像面15に被写体像を結像するズームレンズ4の光路中(例えばレンズの表面側)に、透過率可変フィルタ10が設けられている。
【0029】
透過率可変フィルタ10は、図3(c)〜(e)に示すような円形の液晶フィルタからなり、その透過率分布パターンを変化させることにより、フラッシュ装置3の光出射窓3aから出射されるフラッシュ光による照射領域を変化させることができる。
【0030】
図3(c)の第1例は、周縁領域が透過率最低(遮光状態)、その内側領域が透過率最大となるような透過率分布パターンを示している。図3(d)の第2例は、中心領域が透過率最大、その外側領域が透過率最小(遮光状態)となるような透過率分布パターンを示している。図3(e)の第3例は、全領域が透過率最大となる透過率分布パターンを示している。
【0031】
透過率可変フィルタ10の透過率分布パターン可変機能は、マルチ発光モードにおいてのみ使用され、セルフモードやオートモードによる通常の撮影時においては、図3(e)の透過率分布パターンに固定されている。
【0032】
マルチ発光モードにおいて、フィルタ設定ダイヤル11を「A」または「B」の回転位置にセットすると、1駒の撮影時にフラッシュ発光と同期させて透過率分布パターンを変化させることができるようになっている。「A」は、画角の中心領域の被写体距離がその他の領域の被写体距離よりも大きい場合のセット位置である。一方、「B」は、画角の中心領域の被写体距離がその他の領域の被写体距離よりも小さい場合のセット位置である。
【0033】
また、透過率分布パターンの数もフラッシュ発光回数によって変化するようになっている。たとえば、フラッシュ発光回数を3回に設定して撮影した場合、透過率分布パターンは図4(a)、(b)のように3段階に変化する。図4(a)、(b)は、フィルタ設定ダイヤル11をそれぞれ、「A」、「B」にセットして撮影した場合における、透過率分布パターンの変化の様子を示している。
【0034】
図5は、このカメラ1の制御系の構成を示すブロック図である。フラッシュ制御手段としての機能を有する制御部12には、フラッシュ装置3、ズームレンズ4、レリーズボタン5、モード設定ダイヤル6、液晶表示装置7、UPボタン8u、DOWNボタン8d、およびフィルタ設定ダイヤル11がシステムバスを介して接続されている。制御部12は、CPU12a、ROM12bおよびRAM12cを内蔵しており、CPU12aがRAM12cを作業領域に使用しつつ、ROM12bに格納されているプログラムに従って処理を実行することにより、カメラ1全体を統括制御する。
【0035】
次に、上記のように構成されたカメラ1の動作について説明する。ここでは、本発明にかかるカメラ特有の撮影モードであるマルチ発光モードについて説明する。
【0036】
この実施形態のカメラ1は、モード設定ダイヤル6により撮影モードがマルチ発光モードに設定され、UPボタン8uおよびDOWNボタン8dによりフラッシュ装置3の発光回数が設定され、フィルタ設定ダイヤル11により「A」または「B」のパターン変化方法に設定された状態で、レリーズボタン5が押されると、1駒撮影する間に1回の露光中にフラッシュ装置3を設定された回数発光させるとともに、透過率可変フィルタ10の透過率分布パターンをフラッシュ発光と同期させて段階的に変化させて撮影を行う。すなわち、フラッシュ装置3の複数回発光による多重露光撮影が行われる。
【0037】
その際、フラッシュ発光回数が3回に設定されたとすると、レリーズボタン5が半押し状態になったとき、すなわち途中まで押されたときに、透過率可変フィルタ10の透過率分布パターンが1回目用のパターンにセットされ、レリーズボタン5が全押し状態になったときにシャッタが開かれるとともに1回目のフラッシュ発光が行われる。そして、1回目のフラッシュ発光の後、透過率可変フィルタ10の透過率分布パターンが2回目用のパターンにセットされ、2回目のフラッシュ発光の後、3回目用のパターンにセットされ、3回目のフラッシュ発光の後、シャッタが閉じられる。
【0038】
透過率分布パターンの変化のさせ方の設定、すなわちフィルタ設定ダイヤル11による「A」または「B」の選択は、1つの被写体の凹凸形状(カメラ1との距離方向の被写体の凹凸形状)や、1画角内に被写体が複数存在する場合の被写体間の位置関係など、被写体条件に応じて撮影者が行う。
【0039】
たとえば、図6に示すように、トンネル(被写体)20をその入り口の手前から撮影するような場合など、画角の中心領域の被写体距離がその他の領域の被写体距離よりも長い場合には、フィルタ設定ダイヤル11を「A」(図4(a)の変化のさせ方)にセットして撮影を行う。
【0040】
また、図7に示すように、撮影者の近くにいる人物(被写体)30を画角の中心部に配置し、遠くにいる人物(被写体)31と、更に遠くの樹木(被写体)32と共に1つの画角に納めて撮影するような場合など、画角の中心領域の被写体距離がその他の領域の被写体距離よりも短い場合には、フィルタ設定ダイヤル11を「B」(図4(b)の変化のさせ方)にセットして撮影を行う。
【0041】
ここで、マルチ発光モードによる多重露光撮影の原理について説明する。
フラッシュ光の到達距離Lは、フラッシュ装置の発光回数の2乗の和に比例する。たとえば、ガイドナンバー(GNo.)が10のフラッシュ装置の場合、到達距離Lは、2回発光で√(102 +102 )倍、3回発光で√(102 +102 +102 )倍になる。また、ガイドナンバーをG、FナンバーをFとすると、G=F×Lの関係が成り立つ。
【0042】
したがって、F=4.0とすると、フィルム感度がISO100の場合、G=10であるので、1回発光の場合の到達距離Lは2.5m、2回発光の場合の到達距離Lは2.5×1.4=3.5m、3回発光の場合の到達距離Lは2.5×1.7=4.25mとなる。なおISO200の場合はG=14、ISO400の場合はG=20であるが、ISO値に関係なく、1回発光の場合の到達距離をL1とすると、2回発光の場合の到達距離LはL1×1.4、3回発光の場合の到達距離LはL1×1.7となる(図8参照)。
【0043】
このように、1駒撮影する毎にフラッシュ装置3を複数回発光させて撮影を行うことにより、フラッシュ光の到達距離を延ばすことができるので、フラッシュ装置3の1回の発光では露出アンダーとなるような遠距離にある被写体でも良好に撮影することが可能となる。
【0044】
そして、図6の場合のように、画角の中心領域の被写体距離がその他の領域の被写体距離よりも大きい場合には、フラッシュ装置3の発光に連動して、図4(a)のように、透過率可変フィルタ10の光透過率の大きい部分を画角の中心領域に向かって段階的に狭めていくように光透過率分布パターンを変化させることにより、画角の全領域にわたって適正な露光量で被写体を撮影することができる。すなわち、手前に位置する被写体が多重露光によって露出オーバーになってしまうのを防止することができる。図6の場合、トンネル20の入り口から奥の方まで適正な露出で撮影することができる。
【0045】
また、図7の場合のように、画角の中心領域の被写体距離がその他の領域の被写体距離よりも小さい場合には、フラッシュ装置3の発光に連動して、図4(b)のように、透過率可変フィルタ10の光透過率の大きい部分を画角の周縁側領域に向かって段階的に拡大していくように光透過率分布パターンを変化させることにより、画角の全領域にわたって適正な露光量で被写体を撮影することができる。すなわち、手前に位置する被写体が多重露光によって露出オーバーになってしまうのを防止することができる。図7の場合、カメラ1の最も近くにある画角中心部の人物30から遠くにある樹木32まで適正な露出で撮影することができる。
【0046】
上記実施形態の変形例をその他の実施形態として以下に示す。
上記の実施形態では、フラッシュ装置3の1回の発光では露出アンダーとなるような遠距離にある被写体を撮影する場合に、撮影者がそのことを判断し、モード設定ダイヤル6を操作して撮影モードをマルチ発光モードに設定するようにしているが、カメラ1が被写体距離を検出し、被写体距離が所定距離以上遠距離にある場合には、自動的に撮影モードをマルチ発光モードに設定するようにしてもよい。
【0047】
この場合、被写体距離を検出するための情報として、ズームレンズ4のフォーカス制御信号を用いることができる。すなわち、制御部12などに設けられるズームレンズ4のフォーカス制御回路を被写体距離検出手段として使用し、撮影に際し、たとえばレリーズボタン5が半押し状態になったときに、制御部12がフォーカス制御信号に基づいて被写体距離を検出し、被写体距離が所定距離以上であれば撮影モードをマルチ発光モードに切り換えるようにする。なお、ズームレンズ4の画角および絞り値を被写体距離を検出するための情報として用いることも可能である。また、ズームレンズ4の画角によって透過率可変フィルタ10の透過率分布パターンを変化させてフラッシュ光の照射範囲を可変することもできる。
【0048】
さらに、カメラ1にセットされているフィルムの感度(ISO値)をも考慮して、マルチ発光モードに設定するか否かをカメラ1が判断するようにすれば、より適正な露出で撮影することができる。
【0049】
また、被写体距離やフィルムの感度などに基づいて、マルチ発光モードに設定するか否かの判断ならびに1駒毎のフラッシュ発光回数の設定をカメラ1が自動的に行うように構成してもよい。上記の実施形態の説明では、1駒毎のフラッシュ発光回数は3回としたが、実際には何回でもよい。
【0050】
また、カメラ1のシャッタ動作は、フラッシュ発光中は開いたままにしておくだけでなく、複数回のフラッシュ発光に連動して開閉するよう間欠的に行うようにしてもよい。
【0051】
また、カメラ本体2が安定した設置状態にあるか否かをカメラ1が判別し、安定した設置状態にある場合には、自動的に撮影モードをマルチ発光モードに設定するようにしてもよい。この場合、設置状態判別手段として、カメラ1が三脚に固定されたら所定の信号を発するセンサを三脚取付ねじ部9に設けておけば、そのセンサからの信号に基づいて制御部12が撮影モードをマルチ発光モードに切り換えることができる。
【0052】
また、上記の実施形態では、透過率可変フィルタ10の透過率分布パターンの変化のさせ方の設定を、撮影者がフィルタ設定ダイヤル11を操作して行うようにしているが、分割測光技術などを応用して、被写体の凹凸形状や、1画角内に被写体が複数存在する場合の被写体間の位置関係などをカメラ1が認識し、被写体条件に応じて自動設定するように構成してもよい。
【0053】
また、上記の実施形態では、透過率可変フィルタ10に円形の液晶フィルタを用いたが、円形に限らず矩形の液晶フィルタを用いてもよい。また、液晶フィルタの代わりにNDフィルタなどの濃度分布や透過率分布を変化可能なフィルタを用いることもできる。
【0054】
また、透過率可変フィルタ10の透過率分布パターンや透過率分布パターンの変化のさせ方も、図4(a)、(b)に示した透過率分布パターンや透過率分布パターンの変化のさせ方に限るものではない。
【0055】
また、透過率可変フィルタ10の設置位置も、必ずしもレンズ3dの裏面側である必要はない。すなわち、レンズ3dの前面を覆うようにして透過率可変フィルタ10を設置したり、撮影レンズ側に設ける場合はレンズ鏡筒の前面部や内部に設置してもよい。
【0056】
また、上記の実施形態では、本発明をフィルム撮影用カメラに適用した場合について説明したが、本発明はCCD等の撮像手段により電子的に撮影を行うデジタルカメラにも有効に適用可能である。
【0057】
上述したように、本実施形態のフラッシュ装置付きカメラによれば、1駒の撮影時に露光中にフラッシュ装置を複数回発光させることにより、フラッシュ光の到達距離を延ばすことができるので、フラッシュ装置の1回の発光ではフラッシュ光が届かずに露出アンダーとなるような遠距離にある被写体であっても良好に撮影することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、フラッシュ装置を複数回発光させることにより、そのフラッシュ装置の1回の発光では露出アンダーとなるような遠距離にある被写体でも良好に撮影することが可能となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るフラッシュ装置付きカメラの外観構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示すフラッシュ装置付きカメラの上面部を示す平面図である。
【図3】(a)は透過率可変フィルタを設けたフラッシュ装置の概略構成を示す断面図、(b)は透過率可変フィルタを設けた撮影レンズの概略構成を示す断面図である。
(c)は透過率可変フィルタの透過率分布パターンの第1例を示す説明図、(d)は透過率可変フィルタの透過率分布パターンの第2例を示す説明図、(e)は透過率可変フィルタの透過率分布パターンの第3例を示す説明図である。
【図4】(a)は透過率分布パターンの変化のさせ方の第1例を示す説明図、(b)は透過率分布パターンの変化のさせ方の第2例を示す説明図である。
【図5】図1に示すフラッシュ装置付きカメラの制御系の構成を示すブロック図である。
【図6】画角の中心領域の被写体距離がその他の領域の被写体距離よりも大きい場合を例示した説明図である。
【図7】画角の中心領域の被写体距離がその他の領域の被写体距離よりも小さい場合を例示した説明図である。
【図8】フラッシュ装置の発光回数とフラッシュ光の到達距離との関係についての説明図である。
【符号の説明】
1 フラッシュ装置付きカメラ
2 カメラ本体
3 フラッシュ装置
3a 光出射窓
3b フラッシュランプ
3c リフレクタ
3d レンズ
4 ズームレンズ
5 レリーズボタン
6 モード設定ダイヤル
7 液晶表示装置
8u UPボタン
8d DOWNボタン
9 三脚取付ねじ部
10 透過率可変フィルタ
11 フィルタ設定ダイヤル
12 制御部

Claims (3)

  1. 被写体に向けてフラッシュ光を発するフラッシュ装置を備えたフラッシュ装置付きカメラであって
    1回の露光中に複数回発光するように前記フラッシュ装置を制御するフラッシュ制御手段を備え
    前記フラッシュ装置の出射光路中または当該カメラの撮影レンズの入射光路中に、光透過率分布パターンを変化させることができる透過率可変フィルタを設け、この透過率可変フィルタの光透過率分布パターンを前記フラッシュ装置の複数回の発光と同期させて変化させるフィルタ制御手段を備えたことを特徴とするフラッシュ装置付きカメラ。
  2. 請求項1記載のフラッシュ装置付きカメラであって、
    前記フラッシュ制御手段が、所定の被写体距離よりも遠い被写体を撮影するための遠距離撮影モードが設定されている場合に、前記制御を行うフラッシュ装置付きカメラ。
  3. 請求項1記載のフラッシュ装置付きカメラであって、
    被写体までの距離を検出する距離検出手段を備え、
    前記フラッシュ制御手段が、前記距離検出手段により検出された被写体距離に応じて、1回の露光中における発光回数を前記被写体距離の長さに従って増大させるように前記フラッシュ装置を制御するフラッシュ装置付きカメラ。
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