JP4508120B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の空燃比制御装置に係り、特に、吸気弁の温度を推定する機能を備えた内燃機関の空燃比制御装置に関する。
吸気ポート内に燃料を噴射するポート噴射弁を備えた内燃機関においては、ポート噴射弁から噴射された燃料は、その一部が吸気弁の外側などに一旦付着し、その残りが新気と混合してそのまま筒内に吸入される。そして、吸気弁の外側に付着した燃料は、徐々に吸気ポート内に蒸発し、遅れて筒内に流入する。内燃機関が定常状態にある場合は、吸気弁に付着している燃料の量が一定値で平衡し、筒内に流入する燃料の量は噴射される燃料の量と等しくなる。
ところが、内燃機関が過渡運転状態にある場合には、吸気弁に付着している燃料の量に増減が生ずる。そして、この増減が生ずる間は、筒内に流入する燃料の量と、噴射される燃料の量との間にずれが生ずる。従って、過渡運転状態において、筒内に吸入される燃料の量を高精度に制御するためには、吸気弁に付着している燃料の蒸発量を推定することが求められる。そして、吸気弁からの燃料蒸発量は吸気弁温度に依存するので、吸気弁からの燃料蒸発量を精度良く推定するためには、吸気弁温度を高い精度で推定することが求められる。
特開平11−14507号公報には、燃焼系モデルにより演算した燃焼ガス温度に基づいて吸気弁温度を演算する装置が開示されている。しかしながら、同公報には、燃焼ガス温度に基づいて吸気弁温度を演算する具体的な方法については何ら開示されていない。
特開平11−14507号公報 特開平8−177556号公報 特開2000−257467号公報 特開平11−270399号公報
ところで、内燃機関の燃料は、季節等に応じて異なる燃料性状のものが市場に供給されている。例えば、一般に、寒い季節には揮発性の良い軽質燃料が供給され、暑い季節には揮発性を抑えた重質燃料が供給される。燃料性状が異なれば、単位量当たりの発熱量も異なるので、燃焼ガスの温度にも違いが生ずる。このため、吸気弁が筒内のガスから受ける熱量も変化する。
また、吸気弁は、筒内のガスから熱を受けるだけではなく、付着した燃料が蒸発するときには気化熱を奪われる。従って、吸気弁温度を精度良く推定するには、吸気弁から奪われる気化熱量についても精度良く推定する必要がある。そして、燃料性状が違えば、吸気弁からの蒸発量や単位量当たりの気化熱にも違いが生ずるので、吸気弁から奪われる気化熱量も変化する。
従来の空燃比制御装置においては、燃料性状が吸気弁温度に与える影響については考慮されておらず、吸気弁温度を必ずしも十分な精度で推定することができなかった。その結果、特に内燃機関の過渡運転状態などにおいては、筒内の空燃比を十分な精度で制御することができない場合があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、燃料性状の違いを考慮して、内燃機関の吸気弁温度を精度良く推定することのできる内燃機関の空燃比制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の空燃比制御装置であって、
燃料性状を判定する燃料性状判定手段と、
前記燃料性状に基づいて、内燃機関の吸気弁が筒内の燃焼ガスから受ける燃焼ガス受熱量を算出する燃焼ガス受熱量算出手段と、
前記燃料性状に基づいて、前記吸気弁に付着した燃料が気化する際に前記吸気弁から持ち去られる気化熱量を算出する気化熱量算出手段と、
前記燃焼ガス受熱量と、前記気化熱量とに基づいて、前記吸気弁の温度を推定する吸気弁温度推定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記燃焼ガス受熱量算出手段は、前記燃料性状に基づいて筒内ガスの温度を算出する筒内ガス温度算出手段を含み、前記筒内ガス温度に基づいて前記燃焼ガス受熱量を算出することを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記吸気弁が、その周囲を流れる流動ガスから受ける流動ガス受熱量を算出する流動ガス受熱量算出手段と、
前記燃焼ガス受熱量、前記流動ガス受熱量、および前記気化熱量に基づいて、前記吸気弁が受ける総受熱量を算出する総受熱量算出手段と、
前記総受熱量に基づいて前記吸気弁の温度変化量を算出する温度変化量算出手段と、
前記吸気弁の初期温度を推定する初期温度推定手段と、
を更に備え、
前記吸気弁温度推定手段は、前記初期温度と、前記温度変化量とに基づいて、前記吸気弁の温度を推定することを特徴とする。
また、第4の発明は、第3の発明において、
前記吸気弁が、弁座からの伝達により受熱する接触面受熱量を算出する接触面受熱量算出手段を備え、
前記総受熱量算出手段は、前記燃焼ガス受熱量、前記流動ガス受熱量、および前記気化熱量に基づいて算出した受熱量に前記接触面受熱量を加えた値を前記総受熱量とすることを特徴とする。
また、第5の発明は、第3または第4の発明において、
前記流動ガス受熱量算出手段は、
吸気ポートから筒内へ向かって流れる吸入ガスに起因して生ずる吸入ガス受熱量を算出する吸入ガス受熱量算出手段と、
筒内から吸気ポートに逆流する吹き返しガスに起因して生ずる吹き返し受熱量を算出する吹き返し受熱量算出手段と、
前記吸入ガス受熱量および前記吹き返し受熱量に基づいて前記流動ガス受熱量を算出する最終受熱量算出手段と、
を含むことを特徴とする。
また、第6の発明は、第1乃至第5の発明の何れかにおいて、
前記吸気弁温度推定手段により推定された前記吸気弁の温度に基づいて、前記吸気弁に付着した燃料の挙動を推定することにより、筒内の空燃比を目標空燃比とするための燃料噴射量を算出する噴射量算出手段を更に備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、内燃機関の吸気弁が筒内の燃焼ガスから受ける燃焼ガス受熱量と、吸気弁に付着した燃料が気化する際に生ずる気化熱量とに基づいて吸気弁の温度を推定することができる。そして、その推定に際して、燃料性状の違いによる影響を燃焼ガス受熱量および気化熱量に反映させることができる。このため、第1の発明によれば、燃料性状の影響をも考慮に入れることができるので、吸気弁の温度を極めて高い精度で推定することができる。
第2の発明によれば、燃料性状の違いによる影響を考慮に入れて、正確な筒内ガス温度を算出することができる。そして、その筒内ガス温度を基礎とすることにより、燃焼ガス受熱量を精度良く算出することができる。
第3の発明によれば、燃焼ガス受熱量および気化熱量に加えて、吸気弁がその周囲を流れる流動ガスから受ける流動ガス受熱量を算出した上で、それらに基づいて総受熱量を算出することができる。このため、第3の発明によれば、流動ガスの影響を正確に吸気弁温度に反映させることができ、吸気弁温度をより高い精度で推定することができる。
第4の発明によれば、吸気弁が、弁座から受ける接触面受熱量の影響をも吸気弁の温度に反映させることができる。
第5の発明によれば、吸気ポートから筒内へ向かって流れる吸入ガスに起因する吸入ガス受熱量と、筒内からの吹き返しに起因する吹き返し受熱量とを区別して算出し、それらに基づいて流動ガス受熱量を算出することができる。このため、第5の発明によれば、流動ガス受熱量を精度良く算出することができ、その結果、吸気弁の温度をより高い精度で推定することができる。
第6の発明によれば、推定された吸気弁温度に基づいて吸気弁に付着した燃料の挙動を推定することにより、筒内の空燃比を目標空燃比とするための燃料噴射量を精度良く算出することができる。このため、暖機過程や過渡運転状態にある場合であっても、筒内の空燃比を高い精度で制御することができる。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。図1に示すように、本発明の実施の形態1のシステムは、内燃機関10を備えている。内燃機関10には、吸気通路12および排気通路14が連通している。
吸気通路12には、吸入空気量Gaを検出するためのエアフロメータ16が配置されている。エアフロメータ16の下流には、スロットルバルブ18が配置されている。また、スロットルバルブ18の更に下流には、吸気ポート内に燃料を噴射するためのインジェクタ20が配置されている。
内燃機関10は、吸気通路12と筒内22との導通状態を制御するための吸気弁24を備えている。吸気弁24には、その駆動源として、可変動弁機構26が連結されている。可変動弁機構26は、開弁タイミング、作用角、およびリフト量を適当に変化させつつ吸気弁24を開閉動作させることができる。
筒内22と排気通路14との間には、排気弁28が配置されている。排気弁28には、その駆動源として可変動弁機構30が連結されている。可変動弁機構30は、開弁タイミング、作用角、およびリフト量を適当に変化させつつ排気弁28を開閉動作させることができる。
本実施形態のシステムは、上記の如く、吸気弁24および排気弁28を、それぞれ可変動弁機構26および30で駆動することとしているが、それらを駆動する機構は、これに限定されるものではない。すなわち、本実施形態のシステムにおいては、吸気弁24および排気弁28は、通常のカム機構により駆動されるものであってもよい。
内燃機関10には、機関回転数Neを検出するための回転角センサ32や、冷却水温Twを検出するための水温センサ34、吸気管圧力Pmを検出するための吸気圧センサ36が装着されている。そして、本実施形態のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40には、エアフロメータ16や回転角センサ32などを含む各種センサの出力が供給されている。ECU40は、それらのセンサ出力を基礎として、インジェクタ20や可変動弁機構26,30を含む各種アクチュエータを制御することができる。
また、本実施形態のシステムは、内燃機関10に供給される燃料の性状を検出する燃料性状センサ38を備えている。本実施形態の燃料性状センサ38は、燃料の揮発性を検出するセンサである。燃料性状センサ38の配置箇所は、燃料タンク内、あるいは燃料タンクからインジェクタ20への燃料通路の途中とすることができる。
市場には、一般に、寒い季節には揮発性の良い軽質燃料が供給され、暑い季節には揮発性を抑えた重質燃料が供給される。ECU40は、燃料性状センサ38の出力に基づいて、内燃機関10に供給される燃料の軽質・重質の度合いを判定することができる。
[実施の形態1における吸気弁温度の推定手法]
内燃機関10の運転中は、インジェクタ20によって吸気ポート内に燃料が噴射される。インジェクタ20から噴射された燃料は、その一部が吸気弁24の外側に付着する。吸気弁24の外側に付着した燃料は、徐々に吸気ポート内に蒸発し、遅れて筒内22に流入する。内燃機関10が定常運転状態にある場合は、吸気弁24に新たに付着する燃料量と、吸気弁24から蒸発する燃料量とが平衡し、筒内22に流入する燃料の量は、インジェクタ20から噴射される燃料の量と等しくなる。
ところが、内燃機関が暖機過程にある場合や、過渡運転状態にある場合には、吸気弁24に付着している燃料の量に増減が生ずる。このため、筒内22に流入する燃料の量と、インジェクタ20から噴射される燃料の量とにずれが生ずる。このため、筒内22の空燃比を正確に制御するためには、筒内22に流入する燃料量を正確に把握することが要求される。
筒内22に流入する燃料量を正確に把握するためには、吸気弁24に付着した燃料の挙動を精度良く推定することが必要である。具体的には、吸気弁24から蒸発する量と、吸気弁24に残留する量との割合を精度良く推定することが必要である。そして、その推定を精度良く行うためには、吸気弁24の温度を精度良く推定することが必要である。そこで、本実施形態のシステムは、以下に説明する手法で吸気弁24の温度推定を行うこととした。
図2(A)および図2(B)は、本実施形態のシステムが吸気弁24の温度Tvを算出する原理を説明するための図である。より具体的には、図2(A)は、閉弁中における吸気弁24の熱環境を説明するための図である。また、図2(B)は、開弁中における吸気弁の熱環境を説明するための図である。
図2(A)中に示す符号Qb、QsおよびQfは、それぞれ、燃焼ガス受熱量、接触面受熱量、および燃料気化熱量を示している。燃焼ガス受熱量Qbは、筒内22の燃焼ガスから吸気弁24に与えられる熱量である。接触面受熱量Qsは、弁座との機械的な接触面から吸気弁24に伝達される熱量である。また、燃料気化熱量Qfは、吸気弁24に付着した燃料が気化する際に持ち去られる熱量である。図2(A)に示すように、吸気弁24の閉弁中には、主として上述した3種類の熱量が吸気弁24とその周囲との間で授受される。
図2(B)中に示す符号QginおよびQgbackは、それぞれ、吸気弁24の開弁に伴って生ずる吸入ガス受熱量、および吹き返し受熱量を示している。吸入ガス受熱量Qginは、吸気ポートから筒内22へ流入する新気と吸気弁24との間で授受される熱量である。一方、吹き返し受熱量Qgbackは、吸気弁24の開弁中に筒内22から吸気ポートに逆流する吹き返しガスに起因して生ずる受熱量である。図2(B)に示すように、吸気弁24の開弁中は、主として、それら2種類の熱量が吸気弁24とその周囲との間で授受される。以下、それらの受熱量を総称して、「流動ガス受熱量」と称す。
吸気弁24の温度は、周囲の環境から熱を吸収することにより上昇し、周囲の環境に熱を放出することにより下降する。このため、吸気弁24の初期温度が判れば、その後の総受熱量を検知することにより吸気弁24の温度を推定することが可能である。そして、その推定を精度良く行うためには、上述した5種類の熱量を精度良く検知することが有効である。特に、図2(B)に示す流動ガス受熱量Qgin,Qgbackは、内燃機関10の運転状態に応じて大きく変化するため、吸気弁温度Tvを高い精度で推定するためには、その値を正確に求めることが重要である。
そこで、本実施形態では、内燃機関10の運転状態に基づいて、図2(A)に示す3種類の受熱量Qb,Qs,Qfと、図2(B)に示す流動ガス受熱量Qgin,Qgbackとを、それぞれ別個独立に推定し、それらを統合することにより吸気弁24が受ける総受熱量を精度良く算出することとした。そして、このようにして算出された総受熱量に基づいて、吸気弁温度Tvを精度良く推定することとした。
また、燃料の性状が異なれば、気化する速度や、単位量当たりの気化熱、燃焼したときの発熱量などが異なる。このため、上記の各受熱量の中には、燃料性状によって影響を受けるものがある。そこで、本実施形態では、燃料性状センサ38により燃料性状を検出し、その検出した燃料性状の影響も考慮に入れることによって、吸気弁温度Tvを更に精度良く推定することとした。
[実施の形態1における具体的処理]
図3は、上記の機能を実現するために、本実施形態において実行されるルーチンのフローチャートである。図3に示すルーチンは、内燃機関10の始動開始と共に起動されるものとする。ここでは、先ず、その時点における冷却水温Twが吸気弁温度Tvの初期値として設定される(ステップ101)。内燃機関10が十分に長い時間停止すると、吸気弁温度Tvは、内燃機関10の温度、つまり、冷却水温Twに収束する。このため、内燃機関10の始動時には、本ステップ101の処理を行うことで、吸気弁温度Tvを精度良く推定することができる。
次に、現在の内燃機関10の状態を表す各種のパラメータが計測される(ステップ102)。ここでは、具体的には、吸入空気量Ga、機関回転数Ne、機関負荷KL、空燃比A/Fに加えて、可変動弁機構26の状態(吸気弁24の開弁タイミングVT、リフト量VL、および作用角Vθ)などが検出される。空燃比A/Fとしては、ECU40が設定している目標空燃比の値、あるいは排気通路14に配置された空燃比センサ(図示せず)により検出された排気空燃比の値を用いることができる。
上記ステップ102の処理に続いて、燃料性状センサ38の出力に基づき、内燃機関10に供給される燃料の性状、すなわち、燃料の軽質・重質の度合いが判定される(ステップ103)。
次に、筒内22のガスの温度(代表温度)Tcが、以下に説明する方法により算出される(ステップ104)。なお、この筒内ガス温度Tcは、後述するように、燃焼ガス受熱量Qb等を求めるときの基礎として用いられる。
筒内ガス温度Tcは、内燃機関10の運転条件に応じて変化する。このため、筒内ガス温度Tcは、内燃機関10の運転条件の関数として求めることができる。本実施形態では、以下に示す演算式をその関数として、筒内ガス温度Tcが算出される。
Tc=K1*A/F+K2*Ne+K3*KL+K4*Ga+K5*VT+K6*Vθ ・・・(1)
上記(1)式中、A/Fは空燃比、Neは機関回転数、Gaは吸入空気量、VTは吸気弁24の開弁タイミング、Vθは吸気弁24の作用角、K1〜K6は所定の係数である。
燃料性状が異なると、単位量の燃料が燃焼したときの発熱量も異なる。図4(A)は、燃料性状と発熱量との関係を示した図である。同図に示すように、本実施形態では、燃料性状が軽質であるほど、発熱量が多くなる。なお、燃料性状と発熱量との関係は、燃料の種類等によって異なるので、必ずしも図4(A)のような関係となるとは限らない。
燃料性状の違いによって燃料の発熱量が異なると、筒内ガス温度Tcも異なることとなる。つまり、筒内ガス温度Tcは、燃料性状によっても変化する。このため、筒内ガス温度Tcを基礎として算出される燃焼ガス受熱量Qbも、燃料性状の影響を受けることとなる。
そこで、本実施形態では、燃料性状の影響を加味して、筒内ガス温度Tcを算出することとした。燃料性状の影響は、上記(1)式中の係数K1〜K6を燃料性状に応じて変化させることにより、筒内ガス温度Tcの算出値に加味することができる。そこで、本実施形態では、上記係数K1〜K6の各々と、燃料性状との関係を予め調査しておき、それらの関係に対応するマップをECU40に記憶しておくこととした。筒内ガス温度Tcを算出する際には、それらのマップに、上記ステップ103で取得された燃料性状の情報を照らし合わせることによって、まず係数K1〜K6が取得される。そして、その取得された係数K1〜K6と、上記ステップ102で取得された運転条件パラメータとを用いて、上記(1)式に従い、筒内ガス温度Tcが算出される。このような方法により、上記ステップ104では、燃料性状の影響も考慮に入れた、正確な筒内ガス温度Tcを求めることができる。
上記ステップ104の処理に続いて、吸気弁24の開弁に伴って生ずる吹き返し量が判定値αより多量であるか否かが判別される(ステップ105)。吹き返し量は、内燃機関10の状態に基づいて、具体的には、例えば、内燃機関10の負荷KL、バルブオーバーラップ量VOL、および機関回転数NE等に基づいて推定することが可能である。
図5(A)〜図5(C)は、吹き返し量と、負荷KL、バルブオーバーラップVOL、機関回転数NEとの関係を示した図である。本実施形態において、ECU40には、これらの関係に対応するマップが記憶されている。上記ステップ105においては、そのマップを参照することにより、現在の状況下で生ずると予測される吹き返し量が推定され、更に、その推定値が既定の判定値αより大きいかが判別される。
判定値αは、流動ガス受熱量を求めるうえで、吹き返し受熱量Qgbackを考慮する必要があるか否かを判断するための値である。つまり、吹き返し受熱量Qgbackを考慮する必要がある程度に多量の吹き返しが発生しているかを判断するための値である。従って、吹き返し量>αの不成立が認められる場合、つまり、吹き返し量が判定値α以下である場合は、流動ガス受熱量を推定するにあたり、吹き返しの影響を考慮する必要がないと判断できる。この場合は、吸入ガス受熱量Qginを算出したうえで、その値がそのまま流動ガス受熱量とされる(ステップ106)。以下、ここで得られる流動ガス受熱量を、符号「Qg」を付して表すこととする。
一方、上記ステップ105において、吹き返し量>αの成立が認められた場合は、流動ガス受熱量を求める際に、吹き返しの影響を考慮する必要があると判断できる。この場合は、吸入ガス受熱量Qginと、吹き返し受熱量Qgbackとをそれぞれ算出したうえで、それらの和が流動ガス受熱量とされる(ステップ107)。以下、ここで得られる流動ガス流熱量については、符号「Qg'」を付して表すこととする。
(吸入ガス受熱量Qginの算出手法の例)
上述した吸入ガス受熱量Qginは、例えば、以下に示す演算式により算出することが可能である。
Qgin=hgin・(Tin−Tv)・dtin
hgin=0.0404・(kg/Dv)・Revin0.868・(Dv/liftv)0.275
Revin=(ρg・Ug・Dv)/μg ・・・(2)
但し、上段の式中、hginは熱伝達率であり、中段の式により求めることができる。また、Tinは吸入ガスの温度であり、Tvは吸気弁温度であり、dtinは吸気弁24の周囲を吸入ガスが流通している時間である。Tinは吸入空気温度で代用することが可能である。Tvは、現時点での吸気弁温度の推定値を用いることができる。また、dtinは、機関回転数Ne、吸気弁24のリフト量VLおよび作用角Vθなどに基づいて求めることができる。
中段の式において、kgは吸入ガスの熱伝達率であり、Dvは吸気弁24の径である。これらは何れも既知の値である。また、liftvは吸気弁24のリフト量であり、本実施形態では、可変動弁機構26の状態より検知することができる。そして、Revinは、下段の式により定義される値である。
下段の式において、ρgは吸気ポートのガス密度であり、Ugは吸気ポートのガス流量である。ρgおよびUgは、吸気ポートの温度、吸入空気量Ga、吸気管圧力Pmなどに基づいて公知の手法で算出することができる。また、μgは吸入ガスの粘性係数であり、既知の値である。このため、吸入ガス受熱量Qginは、上記(2)式を用いることにより、演算により求めることが可能である。
(吹き返し受熱量Qgbackの算出手法の例)
吹き返し受熱量Qgbackは、例えば、以下に示す演算式により算出することが可能である。
Qgback=hgback・(Tback−Tv)・dtback
hgback=1.2・(kg/liftv)・Revback0.38・(2・liftv/Dv)0.62
Revback=(ρg・Ug・liftv)/μg ・・・(3)
但し、上段の式中、hgbackは熱伝達率であり、中段の式により求めることができる。また、Tbackは吹き返しガスの温度であり、dtbackは吸気弁24の周囲に吹き返しが生じている時間である。Tbackは、筒内ガス温度Tcで代用することが可能である。また、dtbackは、機関回転数Ne、吸気弁24の開弁タイミングVT、リフト量VLおよび作用角Vθなどに基づいて求めることができる。
中段の式において、kgは吹き返しガスの熱伝達率であり、Dvは吸気弁24の径である。これらは何れも既知の値である。また、liftvは吸気弁24のリフト量であり、本実施形態では、可変動弁機構26の状態より検知することができる。そして、Revbackは、下段の式により定義される値である。
下段の式において、ρgは吸気ポートのガス密度であり、Ugは吸気ポートのガス流量である。ρgおよびUgは、吸気ポートの温度、吸入空気量Ga、吸気管圧力Pmなどに基づいて公知の手法で算出することができる。また、μgは吸入ガスの粘性係数であり、既知の値である。このため、吹き返し受熱量Qgbackは、上記(3)式を用いることにより、演算により求めることが可能である。
上記ステップ106において求めるべき流動ガス受熱量Qgは、上記(2)式を用いることにより算出することができる。また、上記ステップ107において求めるべき流動ガス受熱量Qg'は、上記(2)式の算出結果と上記(3)式の算出結果とを加算することにより求めることが可能である。このように、流動ガス受熱量は、吹き返しの影響を考慮しない場合(Qg)も、その影響を考慮する場合(Qg')も演算により算出することが可能である。
(流動ガス受熱量Qg、Qg'の他の算出手法の例)
但し、流動ガス受熱量Qg、Qg'を求める手法は、上述したように演算式を用いる手法に限定されるものではない。つまり、吹き返しの影響を考慮しない流動ガス受熱量Qgは、機関回転数Ne、機関負荷KL、および吸気弁24の開弁タイミングVTなどをパラメータとして予めマップ化しておくことが可能である。同様に、吹き返しの影響を考慮した流動ガス受熱量Qg'についても予めマップ化しておくことが可能である。このため、それらのマップを予めECU40に記憶させたうえで、ステップ106および107では、それらのマップを参照することにより、流動ガス受熱量Qg或いはQg'を求めることとしてもよい。
(接触面受熱量Qsの算出)
図3に示すルーチンでは、次に、接触面受熱量Qsが算出される(ステップ108)。接触面受熱量Qsは、例えば、以下に示す演算式により算出することが可能である。
Qs=hs・(Tvs−Tv)・dts
hs=4130・(Pm/50000)0.6 ・・・(4)
但し、上段の式中、hsは熱伝達率であり、下段の式により求めることができる。Tvsは弁座の温度であり、冷却水温Twで代用することができる。また、dtsは吸気弁24が弁座に着座している時間であり、ここでは、機関回転数Neと、吸気弁24の作用角Vθとに基づいて算出することができる。そして、下段の式におけるPmは、吸気管圧力である。
接触面受熱量Qsは、上記(4)式を用いることにより、内燃機関10の状態をパラメータとして演算により求めることが可能である。このため、上記ステップ108では、接触面受熱量Qsを正確に求めることができる。
但し、接触面受熱量Qsを求める手法は、上述したように演算式を用いる手法に限定されるものではない。つまり、吸気弁24が弁座から受ける単位時間当たりの熱量は、弁座の温度と吸気弁温度Tvとの差ΔTに対してほぼ一義的に決まる値である。そして、吸気弁24が弁座に着座している時間は、機関回転数Neおよび吸気弁24の作用角Vθの関数である。このため、接触面受熱量Qsは、上記温度差ΔTと機関回転数Neと作用角Vθとをパラメータとして、予めマップ化しておくことが可能である。このため、ステップ108では、そのマップに基づいて接触面受熱量Qsを求めることとしてもよい。
(燃料気化熱量Qfの算出)
図3に示すルーチンでは、次に、燃料気化熱量Qfが算出される(ステップ109)。燃料気化熱量Qfは、例えば、以下に示す演算式により算出することが可能である。
Qf=mf・{(Tv−Tf)・Cpf+Hf}・dtf ・・・(5)
上記(5)式中、mfは燃料蒸発量である。Tfは燃料温度であり、その値は、例えば、始動時冷却水温に対応する固定値で近似することができる。また、Cpfは燃料比熱、Hfは燃料気化潜熱である。そして、dtfは、燃料の気化期間として考慮すべき時間であり、ここでは、機関回転数Neの関数として設定することができる。
燃料蒸発量mfは、吸気弁24に向かって噴射される燃料の量、吸気弁温度Tv、更には吸気管圧力Pm等に基づいて求めることができる。また、燃料蒸発量mfは、燃料性状の影響も受ける。図4(B)は、燃料性状と、燃料蒸発量mfとの関係を示した図である。同図に示すように、燃料蒸発量mfは、揮発性の高い軽質な燃料ほど多くなり、揮発性を抑えた重質な燃料ほど少なくなる。
本実施形態において、ECU40には、図4(B)に示すような関係に対応するマップが記憶されている。燃料蒸発量mfを算出する際には、そのマップに、上記ステップ103で取得された燃料性状の情報を照らし合わせることによって、まず補正係数が取得される。そして、その補正係数を、吸気弁24に向かって噴射される燃料の量、吸気弁温度Tv、吸気管圧力Pm等に基づいて求めた標準的な燃料蒸発量に乗算することにより、最終的な燃料蒸発量mfが算出される。
燃料気化潜熱Hfや燃料比熱Cpfは、燃料性状に応じて定まる。図4(C)は、燃料性状と燃料気化潜熱Hfとの関係を示した図であり、図4(D)は、燃料性状と燃料比熱Cpfとの関係を示した図である。これらの図に示すように、燃料気化潜熱Hfや燃料比熱Cpfは、燃料性状が軽質であるほど小さく、重質であるほど大きくなる。本実施形態において、ECU40には、図4(C)および図4(D)に示すような関係に対応するマップが記憶されている。燃料気化潜熱Hfや燃料比熱Cpfを取得する際には、それらのマップに、上記ステップ103で取得された燃料性状の情報を照らし合わせることによって、燃料気化潜熱Hfや燃料比熱Cpfが算出される。
このように、燃料気化熱量Qfは、内燃機関10の状態と、燃料性状とに基づいて、上記(5)式の演算を行うことにより、求めることが可能である。このため、上記ステップ109では、内燃機関10の状態に加えて、燃料性状をも考慮した、正確な燃料気化熱量Qfを求めることができる。
但し、燃料気化熱量Qfを求める手法は、上述したように演算式を用いる手法に限定されるものではない。つまり、燃料気化熱量Qfは、燃料噴射量と吸気弁温度Tvと燃料性状とをパラメータとして、予めマップ化しておくことが可能である。このため、ステップ109では、そのマップを参照して燃料気化熱量Qfを求めることとしてもよい。
(燃焼ガス受熱量Qbの算出)
図3に示すルーチンでは、次に、燃焼ガス受熱量Qbが算出される(ステップ110)。燃焼ガス受熱量Qbは、例えば、以下に示す演算式により算出することが可能である。
Qb=hb・(Tc−Tv)・dtb
hb=0.013・Dc−0.2・Pc0.8・Uc0.8・Tc−0.53 ・・・(6)
但し、上段の式中、hbは熱伝達率であり、下段の式により求めることができる。上段および下段の式中、Tcは前述した筒内ガス温度である。また、上段の式中、dtbは、燃焼ガスの温度が吸気弁24に作用する時間であり、ここでは、機関回転数Neに基づいて算出することができる。
下段の式において、Dcはシリンダ径であり、既定の値として取り扱うことができる。Pcは筒内圧力であり、例えば、筒内圧センサにより実測することができる。また、Ucは、筒内22のガス流速であり、これは、内燃機関10の運転状態に基づいて公知の手法で推定することができる。
このステップ110においては、上記ステップ104で算出された筒内ガス温度Tcを用いて、上記(6)式に従い、燃焼ガス受熱量Qbが算出される。ここで用いる筒内ガス温度Tcは、前述したように、燃料性状の影響についても考慮に入れることによって高精度に算出された値である。それゆえ、上記ステップ110の処理によれば、燃料性状の影響も考慮に入れた、正確な燃焼ガス受熱量Qbを求めることができる。
但し、燃焼ガス受熱量Qbを求める手法は、上述したような筒内ガス温度Tcを含む演算式を用いる手法に限定されるものではない。つまり、燃焼ガス受熱量Qbは、機関回転数Ne、機関負荷KL、吸気弁24の開弁タイミングVT、燃料噴射量などの運転条件と、燃料性状とをパラメータとすることで、予めマップ化しておくことが可能である。このため、ステップ110では、そのマップを参照して燃焼ガス受熱量Qbを求めることとしてもよい。
(吸気弁温度Tvの更新)
上記の処理が終わると、次に、吸気弁温度Tvの更新処理が行われる(ステップ111)。ここでは、具体的には、先ず、今回の処理サイクルで得られた全ての受熱量に基づいて吸気弁24の総受熱量(QgまたはQg'+Qs−Qf+Qb)が算出される。次に、総受熱量を吸気弁24の比熱(既知であるものとする)で除することにより、今回の処理サイクルの間に生じた温度変化分ΔTvが算出される。最後に、現時点の吸気弁温度TvにΔTvを加えることにより、吸気弁温度Tvが最新値に更新される。
(燃料噴射量算出・燃料噴射実行)
以上のようにして最新の吸気弁温度Tvが求められたら、次に、その吸気弁温度Tvに基づいて、今回の作動サイクルにおいて吸気弁24から蒸発する燃料量と吸気弁24に残留する燃料量とが算出される(ステップ112)。この算出処理は、例えば、付着率・残留率によって表される公知の燃料挙動モデルを用いて行うことができる。
吸気弁24から蒸発する燃料量および吸気弁24に残留する燃料量が算出されたら、次に、それらの値に基づいて、インジェクタ20から噴射すべき燃料量が算出される(ステップ113)。具体的には、まず、筒内22に実現される空燃比を目標空燃比とするために必要な、筒内22への燃料流入量が算出される。次いで、その筒内22への燃料流入量を実現するためにインジェクタ20から噴射することが必要な燃料の量が、吸気弁24から蒸発する燃料量および吸気弁24に残留する燃料量を算入した上で、公知の手法に基づき算出される。このようにして燃料噴射量が算出されたら、その算出された量の燃料をインジェクタ20から噴射する処理が実行される(ステップ114)。
以上説明した通り、図3に示すルーチンによれば、吸気弁温度Tvに影響を与える受熱量を、流動ガス受熱量QgまたはQg'、接触面受熱量Qs、燃料気化熱量Qf、および燃焼ガス受熱量Qbに分けて、それぞれ個別に推定することができる。
特に、燃料性状の影響を受け易い燃料気化熱量Qfおよび燃焼ガス受熱量Qbについては、燃料性状センサ38により検出された燃料性状を反映させることにより、高精度に推定を行うことができる。
このような更新の手法によれば、内燃機関10において生ずる様々な現象や、更には燃料性状の影響を、きめ細かく吸気弁温度Tvに反映させることができ、その推定精度を十分に高めることができる。このため、本実施形態のシステムによれば、吸気弁温度Tvを極めて高い精度で推定することが可能である。
また、本実施形態では、流動ガス受熱量QgまたはQg'については、吹き返しの影響を考慮すべき場合と考慮する必要がない場合とを更に区別して推定することができる。そして、最終的には、それらの受熱量を統合して吸気弁温度Tvを更新することができる。
そして、図3に示すルーチンによれば、そのような極めて高い精度で推定された吸気弁温度Tvを利用することにより、吸気弁24から蒸発する燃料量や吸気弁24に残留する燃料量を極めて高い精度で求めることができる。このため、内燃機関10が暖機過程にある場合や、過渡運転状態にある場合であっても、筒内22に流入する燃料の量を正確に算出することができる。よって、暖機過程や過渡運転状態においても、筒内22の空燃比を正確に制御することができる。
尚、上述した実施の形態1においては、ECU40が、ステップ103の処理を実行することにより前記第1の発明における「燃料性状判定手段」が、ステップ104および110の処理を実行することにより前記第1の発明における「燃焼ガス受熱量算出手段」が、ステップ109の処理を実行することにより前記第1の発明における「気化熱量算出手段」が、上記ステップ111の処理を実行することにより前記第1の発明における「吸気弁温度推定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU40が、ステップ104の処理を実行することにより前記第2の発明における「筒内ガス温度算出手段」が、ステップ101の処理を実行することにより前記第3の発明における「初期温度推定手段」が、ステップ106または107の処理を実行することにより前記第3の発明における「流動ガス受熱量算出手段」が、上記ステップ111の処理を実行することにより前記第3の発明における「総受熱量算出手段」および「温度変化量算出手段」が、それぞれ実現されている。
更に、上述した実施の形態1においては、ECU40が、ステップ108の処理を実行することにより前記第4の発明における「接触面受熱量算出手段」が、ステップ106において吸入ガス受熱量Qginを算出することにより前記第5の発明における「吸入ガス受熱量算出手段」が、ステップ107において吹き返し受熱量Qgbackを算出することにより前記第5の発明における「吹き返し受熱量算出手段」が、ステップ106または107において、流動ガス受熱量QgまたはQg'を算出することにより前記第5の発明における「最終受熱量算出手段」が、ステップ112および113の処理を実行することにより前記第6の発明における「噴射量算出手段」が、それぞれ実現されている。
なお、上述した実施の形態1においては、燃料性状センサ38を設け、その出力に基づいて燃料性状を判定することとしているが、本発明における燃料性状判定方法はこのような方法に限定されるものではない。例えば、本発明では、内燃機関10の運転状態を検出するセンサの出力等を基礎とした推定を行うことによって燃料性状を判定する、公知の手法を用いることとしてもよい。そのような燃料性状判定方法としては、例えば、特開平11−270399号公報に記載された方法が挙げられる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1のシステムが吸気弁温度Tvを算出する手法を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 燃料性状と、発熱量、燃料蒸発量mf、燃料気化潜熱Hf、燃料比熱Cpfとの関係を示した図である。 吹き返し量と、負荷KL、バルブオーバーラップVOL、機関回転数NEとの関係を示した図である。
符号の説明
10 内燃機関
12 吸気通路
14 排気通路
24 吸気弁
26,30 可変動弁機構
28 排気弁
38 燃料性状センサ
40 ECU(Electronic Control Unit)

Claims (4)

  1. 燃料性状を判定する燃料性状判定手段と、
    前記燃料性状に基づいて、内燃機関の吸気弁が筒内の燃焼ガスから受ける燃焼ガス受熱量を算出する燃焼ガス受熱量算出手段と、
    前記燃料性状に基づいて、前記吸気弁に付着した燃料が気化する際に前記吸気弁から持ち去られる気化熱量を算出する気化熱量算出手段と、
    前記吸気弁が、その周囲を流れる流動ガスから受ける流動ガス受熱量を算出する流動ガス受熱量算出手段と、
    前記燃焼ガス受熱量、前記流動ガス受熱量、および前記気化熱量に基づいて、前記吸気弁が受ける総受熱量を算出する総受熱量算出手段と、
    前記総受熱量に基づいて前記吸気弁の温度変化量を算出する温度変化量算出手段と、
    前記吸気弁の初期温度を推定する初期温度推定手段と、
    前記初期温度と、前記温度変化量とに基づいて、前記吸気弁の温度を推定する吸気弁温度推定手段と、
    を備え、
    前記流動ガス受熱量算出手段は、
    吸気ポートから筒内へ向かって流れる吸入ガスに起因して生ずる吸入ガス受熱量を算出する吸入ガス受熱量算出手段と、
    筒内から吸気ポートに逆流する吹き返しガスに起因して生ずる吹き返し受熱量を算出する吹き返し受熱量算出手段と、
    前記吸入ガス受熱量および前記吹き返し受熱量に基づいて前記流動ガス受熱量を算出する最終受熱量算出手段と、
    を含むことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 前記燃焼ガス受熱量算出手段は、前記燃料性状に基づいて筒内ガスの温度を算出する筒内ガス温度算出手段を含み、前記筒内ガス温度に基づいて前記燃焼ガス受熱量を算出することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 前記吸気弁が、弁座からの伝達により受熱する接触面受熱量を算出する接触面受熱量算出手段を備え、
    前記総受熱量算出手段は、前記燃焼ガス受熱量、前記流動ガス受熱量、および前記気化熱量に基づいて算出した受熱量に前記接触面受熱量を加えた値を前記総受熱量とすることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  4. 前記吸気弁温度推定手段により推定された前記吸気弁の温度に基づいて、前記吸気弁に付着した燃料の挙動を推定することにより、筒内の空燃比を目標空燃比とするための燃料噴射量を算出する噴射量算出手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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