JP4506115B2 - プロジェクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロジェクタに関する。
【0002】
【背景技術】
従来から、会議、学会、展示会等でのプレゼンテーションにプロジェクタを用いることが知られている。このようなプロジェクタは、その内部に複数の光学部品を収容し、これらの光学部品を用いることにより、光源から射出された光束を変調した後に拡大投写して投写画像を形成している。
このような光学部品として、例えば、光源から出射された光束を均一な光束に調整する照明光学系を構成するものがあげられる。具体的には、光利用効率を高め、かつ、各種の光学収差をなくすための光束分割素子である第1レンズアレイと、光源からこの第1レンズアレイを経由した光束を液晶パネル等の光変調装置側に伝達し、かつ、その光変調装置の画像形成領域上で重畳させる第2レンズアレイと、各部分光束を2種類の偏光光束に分離した後、偏光方向の揃った1種類の偏光光束に変換する偏光変換素子とが挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
これらの光学部品を、光学部品用筐体に固定する際、光学部品と光学部品用筐体との間に、ばね等の付勢手段を挟み入れ、固定することがある。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−062587号公報(図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような固定方法では、ばね等の付勢手段の反力により、光学部品用筐体が徐々に撓んでしまうことがある。この場合、偏光変換素子等の光学部品の位置がずれて、投写画像に表示影が発生してしまう可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、光学部品用筐体の撓みを防止することができるプロジェクタを提供することである。
【0006】
本発明のプロジェクタは、内部に光源から射出された光束の照明光軸が設定され、複数の光学部品を収納して前記照明光軸の所定位置に配置する光学部品用筐体を備えたプロジェクタであって、前記光学部品は、前記光学部品用筐体を構成し、対向配置された一対の壁部のうち、少なくとも一方の壁部に対して、光軸直交方向から付勢する付勢手段により押圧固定されており、前記一対の壁部の撓みを防止する撓み防止部材が、前記一対の壁部間に跨って配置されており、前記一対の壁部は、前記撓み防止部材の先端により外側から挟まれていることを特徴とする。
このような本発明によれば、光学部品用筐体の対向する一対の壁部に跨って撓み防止部材が配置されているので、撓み防止部材により、一対の壁部は外側から挟持されることとなる。そのため、壁部の内側から付勢手段の反力が加わっても、壁部が外側に開いてしまうことがなく、光学部品用筐体の撓みを防止することができる。そして、このように光学部品用筐体の撓みを防止できるので、光学部品の位置がずれることがなく、投写画像に表示影が発生することがない。
【0007】
さらに、本発明では、光源から出射された光束を複数の部分光束に分割し、均一な光束に調整する照明光学系を構成するものであることが好ましい。
照明光学系では、光束を複数の部分光束に分割する。この分割された光束は、照明光学系の後段に配置される光変調装置で重畳されることとなるため、照明光学系を構成する部品の位置がずれた場合には、投写画像に大きな影響が生じる。
本発明では、照明光学系を構成する光学部品が押圧固定された壁部間に撓み防止部材を跨らせる構成を採用したので、照明光学系を収容する部分の撓みを確実に防止することができる。これにより、照明光学系を構成する光学部品の位置ずれを防止でき、確実に投写画像の表示影の発生を防止できる。
【0008】
さらに、本発明では、前記照明光学系は、光源から射出された光束の光軸に直交する面内にマトリクス状に複数の小レンズを配列して構成され、前記光束を複数の部分光束に分割して、前記光軸に直交する面内にマトリクス状に複数の光源像を形成するレンズアレイと、各部分光束を2種類の偏光光束に分離した後、偏光方向の揃った1種類の偏光光束に変換する偏光変換素子とを備え、前記偏光変換素子は、入射光束に対して傾斜して配置され、前記入射光束を2種類の直線偏光光束に分離する複数の偏光分離膜、これら偏光分離膜の間に介在配置され、前記分離された直線偏光光束のうち一方を反射する複数の反射膜、前記偏光分離膜および反射膜が形成される複数の透光性部材、ならびに、これら透光性部材の光束射出側に設けられ、前記分離された直線偏光光束のうち一方を他方の偏光方向に変換する複数の位相差膜を備えた偏光変換素子本体と、この偏光変換素子本体の光束入射側に設けられ、前記反射膜に入射する不要光を遮断する遮光部を有する遮光板とを備え、前記撓み防止部材は、前記遮光板に取り付けられていることが好ましい。
このような本発明によれば、予め、撓み防止部材を偏光変換素子の遮光板に取り付けておけば、偏光変換素子を光学部品用筐体に収容させると同時に、撓み防止部材を光学部品用筐体に取り付けることができる。これにより、撓み防止部材の取り付けにかかる手間を省くことができる。
また、遮光板と撓み防止部材とを一体化させておくことで、部材点数の増加を防止することが可能となる。
【0009】
また、本発明では、前記撓み防止部材に、前記偏光変換素子本体が接着固定されていることが好ましい。
このような本発明によれば、撓み防止部材に偏光変換素子本体を接着固定させることで、撓み防止部材が偏光変換素子本体により補強されることとなり、撓み防止部材の剛性を向上させることができる。これにより、より確実に光学部品用筐体の撓みを防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)外観構成
図1は、本実施形態に係るプロジェクタ1を上方前面側から見た斜視図である。図2は、プロジェクタ1を下方前面側から見た斜視図である。図3は、プロジェクタ1を後方背面側から見た斜視図である。図4は、プロジェクタ1の外装ケース2の一部を示す斜視図である。
プロジェクタ1は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調し、スクリーン等の投写面上に拡大投写する。このプロジェクタ1は、図1ないし図3に示すように、略直方体状の外装ケース2、およびこの外装ケース2から露出する投写レンズ3を備えている。
投写レンズ3は、後述する光変調装置としての液晶パネルで変調形成された光学像を拡大投写する投写光学系としての機能を具備するものであり、レンズ保持筒内部に複数のレンズが収納された組レンズとして構成される。
【0011】
外装ケース2は、平面略矩形形状の合成樹脂製の筐体であり、プロジェクタ1の光学ユニット(後述)を含む装置本体を収納する。この外装ケース2は、装置本体の上部部分を覆うアッパーケース21と、装置本体の下部部分を覆うロアーケース22と、装置本体の前面部分を覆うフロントケース23と、装置本体の側面部分の一部を覆うサイドケース24と、装置本体の背面部分を覆うリアケース25(図3参照)を備えている。
なお、この外装ケース2の上面、前面、側面、底面、背面の角部分は、曲面状に形成されている。
アッパーケース21は、装置本体の上部を覆う平面略矩形形状の上面部21Aと、この上面部21Aの長辺方向の一方の端部から略垂下する側面部21Bと、上面部21Aの長辺方向の他方の端部の前方部分から略垂下する側面部21Cと、上面部21Aの後端部から略垂下する背面部21D(図3参照)とを備えている。
上面部21Aの後方側略中央部分には、図1または図3に示すように、プロジェクタ1の起動・調整操作を実施する操作パネル26が左右方向に延びるように設けられている。操作パネル26の操作ボタン261を適宜押下すると、操作パネル26内部に配置される図示しない回路基板に実装されたタクトスイッチと接触し、所望の操作が可能となる。また、前記回路基板には、ここでは図示しないLEDが取り付けられており、所望の操作に応じて発光するようになっている。
さらに、操作パネル26は、操作ボタン261を囲むように配置される化粧板262を備えており、前記LEDからの光は化粧板262を介して拡散される。
【0012】
また、この上面部21Aの前方側(図1右側)からは、投写レンズ3を上下左右に動かし、投写レンズ3の位置を調整する投写レンズ位置調整装置30(図4参照)を構成する2つのダイアル311,321が露出している。この2つのダイアル311,321のうち、図1左側に配置されたダイアル311をY1方向(下方)に動かすと、投写レンズ3がY3方向(下方)に動き、ダイアル311をY2方向(上方)に動かすと、投写レンズ3がY4方向(上方)に動くこととなる。
また、図1右側に配置されたダイアル321をX1方向(プロジェクタ1後方からみて右方向)に動かすと、投写レンズがX3方向(右方向)に動き、ダイアル321をX2方向(プロジェクタ1後方から見て左方向)に動かすと、投写レンズ3がX4方向(左方向)に動くこととなる。
さらに、上面部21Aの内面側には、図示しないが、投写レンズ3の外周を囲うようなリブが立設されている。
【0013】
側面部21Cには、複数の羽根板711から構成されるルーバ71が露出する切り欠き21C1が形成されている。
また、図3に示すように、背面部21Dには、リアケース25が係合する切り欠き21D1が形成されている。
【0014】
ロアーケース22は、図1〜図4に示すように、底面部22A、側面部22B、22C、背面部22D、前面部22Eを備えている。
底面部22Aは、平面略矩形形状であり、この底面部22Aのプロジェクタ1の後方側略中央には、固定脚部22A1が設けられるとともに、前方側長辺方向両端に調整脚部27が設けられている。
調整脚部27は、底面部22Aから面外方向に進退自在に突出する軸状部材271(図5参照)を備えており、プロジェクタ1の投写時におけるプロジェクタ1の上下方向および左右方向の傾斜位置を調整可能としている。
また、底面部22Aには、外装ケース2の内部と連通する開口部22A3が形成されている。
この開口部22A3は、外装ケース2外部の冷却空気を外装ケース2内部に取り込む吸気口であり、この開口部22A3には、複数の開口が形成されたカバー22A5が取り付けられている。
さらに、この底面部22Aには、図4に示すように、投写レンズ3の外周を囲うようなリブ22A6が立設されている。
【0015】
側面部22Bは、底面部22Aの長辺方向の一方の端部から立設されたものであり、図2に示すように、アッパーケース21の側面部21Bと係合して、外装ケース2の側面を構成する。
この側面部22Bには、アッパーケース21側に窪んだ窪み部22B1が形成されており、この窪み部22B1はプロジェクタ1を把持する際に把持部として使用される。
図1に示すように、側面部22Cは、底面部22Aの長辺方向の他方の端部の前方側部分から立設されたものであり、アッパーケース21の側面部21Cと係合して、外装ケース2の側面の一部を構成する。この側面部22Cは、その上端が大きく切りかかれており、この切り欠き22C1からルーバ71が露出する。すなわち、側面部21Cの切り欠き21C1と、側面部22Cの切り欠き22C1とにより、ルーバ71が露出する開口が形成される。この開口からは、プロジェクタ1内部を冷却した空気が排出されることとなる。
図3に示すように、背面部22Dは、底面部22Aの短辺方向の一方の端部から立設されたものであり、この背面部22Dには、リアケース25が係合する切り欠き22D1が形成されている。すなわち、本実施形態では、背面部21D,22D、リアケース25とで、外装ケース2の背面が構成されることとなる。
この背面部22Dには、矩形状の開口22D2が形成され、この開口22D2からは、インレットコネクタ22D3が露出している。インレットコネクタ22D3は、外部電源からプロジェクタ1に電力を供給する端子であり、後述する電源ユニットと電気的に接続される。
再度、図1に示すように、前面部22Eは、底面部22Aの短辺方向の他方の端部から立設されたものである。この前面部22Eは、フロントケース23と係合し、これらにより外装ケース2の前面が構成されることとなる。
【0016】
図1及び図2に示すように、フロントケース23は、略楕円形状であり、その長手方向端部側(図1右側)に投写レンズ3を露出させるための開口231が形成されている。なお、この開口231から露出する投写レンズ3には、ここでは図示しないが、開口231及び投写レンズ3の外周間の隙間を塞ぐ第1の遮光部材と、投写レンズ3及び投写レンズ位置調整装置30との間の隙間を塞ぐ第2の遮光部材12と(図4参照)が取り付けられている。
また、このフロントケース23の略中央部分には、リモコン受光窓232が形成される。このリモコン受光窓232の内側には、図示しないリモートコントローラからの操作信号を受信する図示しないリモコン受光モジュールが配置されている。
尚、リモートコントローラには、前述した操作パネル26に設けられる起動スイッチ、調整スイッチ等と同様のものが設けられていて、リモートコントローラを操作すると、この操作に応じた赤外線信号がリモートコントローラから出力され、赤外線信号は、リモコン受光窓232を介して受光部で受光され、後述する制御基板で処理される。
さらに、フロントケース23の内面には、図4に示すように、投写レンズ3の外周を囲むようにリブ234が立設されており、リブ234、ロア−ケース22の底面部22Aのリブ22A6、アッパーケース21の上面部21Aのリブとで投写レンズ3の周囲を囲むレンズ室が形成されることとなる。
【0017】
サイドケース24は、図1及び図3に示すように、上面部24Aと、上面部24Aから略垂下した側面部24Cとを備えている。上面部24Aは、アッパーケース21の上面部21Aに係合して、外装ケース2の上面を構成する。
側面部24Cは、アッパーケース21の側面部21C、ロア−ケース22の側面部22Cに係合する。
【0018】
図3に示すように、リアケース25は、アッパーケース21の背面部21Dの切り欠き21D1と、ロアーケース22の背面部22Dの切り欠き22D1とで形成される開口に嵌め込まれて固定されるものである。
このリアケース25は平面略矩形形状であり、その長手方向端部近傍には、フロントケース23と同様のリモコン受光窓232が形成されている。
また、このリアケース25には、外装ケース2内部側に窪んだ凹部251が形成されており、この凹部251から複数の接続端子252が露出している。
接続端子252は、外部の電子機器からの画像信号、音声信号等を入力するためのものであり、この接続端子252は、リアケース25の内側に位置するインターフェイス基板に接続されている。
なお、このインターフェイス基板は、後述する制御基板と、電気的に接続されており、このインターフェイス基板にて処理された信号は、制御基板に出力される。
【0019】
(2)内部構成
図5は、プロジェクタ1の内部構成を示す図である。具体的には、外装ケース2のロアーケース22のみ残し、アッパーケース21と、フロントケース23と、サイドケース24と、リアケース25とを外した図である。
外装ケース2の内部には、プロジェクタ1の装置本体が収容されており、この装置本体は、外装ケース2の長手方向に沿って左右方向に延びる光学ユニット4と、この光学ユニット4の上方に配置される制御基板5と、電源ユニット6とを備えている。
(2-1)光学ユニット4の構造
光学ユニット4は、光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、投写レンズ3を介してスクリーン上に投写画像を形成するものである。この光学ユニット4は、図6に示すように、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、光変調装置および色合成光学装置を一体化した光学装置44と、これら光学部品41,42,43,44を収納配置する略直方体形状のライトガイド45(図7参照)とに機能的に大別される。
インテグレータ照明光学系41は、光源から射出された光束を照明光軸直交面内における照度を均一にするための光学系である。このインテグレータ照明光学系41は、光源装置411、第1レンズアレイ412、第2レンズアレイ413、偏光変換素子414、および重畳レンズ415を備えて構成される。
【0020】
光源装置411は、放射光源としての光源ランプ411A、リフレクタ411B、およびリフレクタ411Bの光束射出面を覆う防爆ガラス411Cを備える。そして、光源ランプ411Aから射出された放射状の光束は、リフレクタ411Bで反射されて略平行光束とされ、外部へと射出される。本実施形態では、光源ランプ411Aとして、高圧水銀ランプを採用し、リフレクタ411Bとして、放物面鏡を採用している。なお、光源ランプ411Aとしては、高圧水銀ランプに限らず、例えばメタルハライドランプやハロゲンランプ等を採用してもよい。また、リフレクタ411Bとして放物面鏡を採用しているが、これに限らず、楕円面鏡からなるリフレクタの射出面に平行化凹レンズを配置した構成を採用してもよい。
【0021】
第1レンズアレイ412は、照明光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備している。各小レンズは、光源ランプ411Aから射出された光束を部分光束に分割し、照明光軸方向に射出する。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様の構成であり、小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備する。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を光学装置44の後述する液晶パネル441R,441G,441B上に結像させる機能を有する。
【0022】
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413からの光を略1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、光学装置44での光の利用効率が高められている。
具体的に、偏光変換素子414によって略1種類の偏光光に変換された各部分光束は、重畳レンズ415によって最終的に光学装置44の後述する液晶パネル441R,441G,441B上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネル441R,441G,441Bを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源ランプ411Aからの光束の略半分が利用されない。このため、偏光変換素子414を用いることにより、光源ランプ411Aから射出された光束を略1種類の偏光光に変換し、光学装置44における光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換素子414は、例えば、特開平8−304739号公報に紹介されている。
【0023】
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備える。インテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束は、2枚のダイクロイックミラー421,422により赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離される。
リレー光学系43は、入射側レンズ431と、一対のリレーレンズ433と、反射ミラー432,435とを備えている。このリレー光学系43は、色分離光学系42で分離された色光である青色光を光学装置44の後述する液晶パネル441Bまで導く機能を有している。
【0024】
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、インテグレータ照明光学系41から射出された光束のうち、緑色光成分と青色光成分とは透過し、赤色光成分は反射する。ダイクロイックミラー421によって反射した赤色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ419を通って、赤色用の液晶パネル441Rに到達する。このフィールドレンズ419は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル441G,441Bの光入射側に設けられたフィールドレンズ419も同様である。
【0025】
また、ダイクロイックミラー421を透過した青色光と緑色光のうちで、緑色光は、ダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ419を通って、緑色光用の液晶パネル441Gに到達する。一方、青色光は、ダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ419を通って、青色光用の液晶パネル441Bに到達する。
なお、青色光にリレー光学系43が用いられているのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ419に伝えるためである。なお、リレー光学系43には、3つの色光のうちの青色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、赤色光を通す構成としてもよい。
【0026】
光学装置44は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成する。この光学装置44は、色分離光学系42で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光板442と、この入射側偏光板442の後段に配置される光変調装置としての液晶パネル441(441R,441G,441B)および射出側偏光板444と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム445とを備える。
【0027】
液晶パネル441R,441G,441Bは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものであり、対向配置される一対の透明基板内に液晶が密封封入されている。そして、この液晶パネル441R,441G,441Bは、入射側偏光板442を介して入射する光束を画像情報に応じて変調して射出する。
【0028】
入射側偏光板442は、色分離光学系42で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、サファイアガラス等の基板に偏光膜が貼付されたものである。
また、射出側偏光板444も、入射側偏光板442と略同様に構成され、液晶パネル441R,441G,441Bから射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、透過させる偏光光の偏光軸は、入射側偏光板442における透過させる偏光光の偏光軸に対して直交するように設定されている。
【0029】
クロスダイクロイックプリズム445は、射出側偏光板444から射出され、各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。このクロスダイクロイックプリズム445には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。
以上説明した液晶パネル441R,441G,441B、射出側偏光板444およびクロスダイクロイックプリズム445は、一体的にユニット化されている。
【0030】
図7は、ライトガイド45の構造を示す図である。
ライトガイド45は、射出成形等による合成樹脂製品であり、上述した光学部品41,42,43,44が収納される下ライトガイド46と、この下ライトガイド46の上面の開口部分を塞ぐ蓋状の上ライトガイド47とを備える。
下ライトガイド46は、光源装置411が収納される光源収納部48と、光源装置411を除く他の光学部品が収納される容器状に形成された部品収納部49とを備えている。
【0031】
光源収納部48は、略箱型形状であり、部品収納部49側の端面及びこの端面に対向する端面に開口が形成されている。部品収納部49側の端面に形成された開口は、光源装置411から射出された光束を透過させるためのものである。また、部品収納部49側の端面に対向する端面に形成された開口は、光源装置411を光源収納部48の側方から差し込むようにして収容するための開口である。
部品収納部49は、上面が開口した略直方体形状であり、その一端は光源収納部48に接続されている。また、この部品収納部49の他端には、投写レンズ3がネジ止め固定されるヘッド部50が取り付けられている。このヘッド部50は、ライトガイド45内に設定される照明光軸に対する所定位置に投写レンズ3を設置するためのものである。
部品収納部49には、ここでは、具体的な図示は省略するが、光学部品412〜415,419,421〜423,431〜435を上方からスライド式に嵌め込むための複数の溝部が形成されている。また、この部品収納部49のヘッド部50に隣接する部分には、光学装置44が設置される。
【0032】
上ライトガイド47は、下ライトガイド46の部品収納部49における光学装置44の上方を除く上端開口部分を閉塞する。この上ライトガイド47には、表裏を貫通して複数の開口部47Aが形成され、この開口部47Aから、ライトガイド45内を冷却した空気が排出されることとなる。
【0033】
(2-2)制御基板5の構造
図5に示すように、制御基板5は、上述したライトガイド45の上ライトガイド47の上方に配置される。この制御基板5は、CPU(Control Processing Unit)等の演算処理装置が実装された回路基板として構成され、プロジェクタ1全体を制御する。この制御基板5は、前述のインターフェイス基板から出力される信号に基づいて液晶パネル441R,441G,441Bを駆動制御する。そして、液晶パネル441R,441G,441Bは、光変調を実施して光学像が形成される。また、この制御基板5は、前述の操作パネル26の回路基板、および前述の図示しないリモコン受光モジュールから出力される操作信号を入力し、この操作信号に基づいてプロジェクタ1の構成部材に適宜、制御指令を出力する。
【0034】
(2-3)電源ユニット6の構成
電源ユニット6は、光源装置411および制御基板5等に電力を供給するものであり、外装ケース2のフロントケース23の長手方向に沿って配置されている。この電源ユニット6は、電源回路を備えた電源ブロック61と、この電源ブロック61の下方に配置されるランプ駆動ブロック(図示略)とを備えている。
電源ブロック61は、インレットコネクタ22D3に接続された電源ケーブルを通して外部から供給された電力をランプ駆動ブロックおよび制御基板5等に供給する。この電源ブロック61は、入力される交流を低電圧の直流に変換するトランスや該トランスからの出力を所定の電圧に変換する変換回路等が片面に実装された回路基板と、この回路基板を覆うシールド部材としての筒状部材611とを備える。このうち、筒状部材611は、アルミニウムから構成され、両端が開口された略箱状に形成されている。
ランプ駆動ブロックは、前述した光源装置411に安定した電圧で電力を供給するための変換回路であり、電源ブロック61から入力した商用交流電流は、このランプ駆動ブロックによって整流、変換されて、直流電流や交流矩形波電流となって光源装置411に供給される。
【0035】
なお、このような電源ユニット6の側方には、排気ファン72が設置されており、電源ユニット6を冷却した空気をルーバ71が取り付けられた開口から排出している。また、この電源ユニット6と、ライトガイド45の光源収納部48との間には、ダクト73が設置されており、光源収納部48内の光源装置411を冷却した空気は、排気ファン72により引き寄せられ、ダクト73を通って、開口から排出される。
【0036】
(3)第1レンズアレイ412、第2レンズアレイ413及び偏光変換素子414の下ライトガイド46への取り付け構造
図8から図12を参照して、第1レンズアレイ412、第2レンズアレイ413及び偏光変換素子414の下ライトガイド46への取り付け構造について説明する。
図8に示すように、下ライトガイド46の部品収納部49は、インテグレータ照明光学系41の光学部品を収容する第1収納部491と、このインテグレータ照明光学系41以外の光学部品を収容する第2収納部492とを備えている。
第1収納部491は、外装ケース2の底面部22Aに固定される底面部(図示略)と、この底面部から立設された一対の側壁部(壁部)491Bとを備える。
【0037】
図9にも示すように、一対の側壁部491Bには、第1レンズアレイ412、第2レンズアレイ413をスライドして収納するための溝部491B1が形成されている。
溝部491B1は、第1レンズアレイ412および第2レンズアレイ413を支持するとともに、第1レンズアレイ412および第2レンズアレイ413を所定の照明光軸上に配置するものであり、第1レンズアレイ412及び第2レンズアレイ413のX軸、Y軸、Z軸方向の位置を規制している。すなわち、溝部491B1には、X軸位置基準面、Y軸位置基準面、Z軸位置基準面が形成されている。
また、この溝部491B1に隣接して、第1凹部491B5又は第2凹部491B6が形成されている。この第1凹部491B5及び第2凹部491B6は、後述する付勢手段Sを収容するためのものである。
第1凹部491B5は、第1レンズアレイ412および第2レンズアレイ413の光束入射側または光束射出側の端面に対向するように形成されており、第2凹部491B6は、第1凹部491B5に対向配置し、X軸およびZ軸に対して略45°方向に傾斜して形成されている。
【0038】
第1レンズアレイ412及び第2レンズアレイ413は、溝部491B1の前記位置基準面に対して、照明光軸に平行な方向及び照明光軸に直交する2方向から、複数の付勢手段Sにより押圧固定されている。
この付勢手段Sは、図10に示すように、板状部材から構成され、略中央部分の基部S1と、この基部S1の両端から略ハ字状に延出した腕部S2と、この腕部S2の先端から上記基部S1と平行するように張り出した脚部S3と、図9中上部に位置する脚部S3から垂直方向に延出した係合部S4とを備えて構成されている。
このような付勢手段Sの構成では、腕部S2と基部S1または脚部S3との開き角が大きくなり、基部S1と脚部S3とが平面的に近接した状態で、該基部S1と脚部S3とが平面的に離間する方向に力を及ぼす板ばね構造となっている。
この付勢手段Sは、第1レンズアレイ412および第2レンズアレイ413をX,Y,Z軸方向に付勢するために、図8に示すように、第1レンズアレイ412および第2レンズアレイ413の端部に3箇所ずつ、計6箇所に配置されている。
【0039】
具体的には、付勢手段Sは、光束入射方向から見て、第1レンズアレイ412および第2レンズアレイ413の左側に位置し、Z軸方向に第1レンズアレイ412および第2レンズアレイ413の位置を規制するZ軸付勢手段Szと、第1レンズアレイ412および第2レンズアレイ413の右側に位置し、X軸方向に第1レンズアレイ412および第2レンズアレイ413の位置を規制するX軸付勢手段Sxと、第1レンズアレイ412および第2レンズアレイ413の上側に位置し、Y軸方向に第1レンズアレイ412および第2レンズアレイ413の位置を規制するY軸付勢手段Syとを備えて構成される。
【0040】
これら付勢手段Sの脚部S3は、第1レンズアレイ412および第2レンズアレイ413の四隅部分に当接している。
このように、付勢手段Sの脚部S3が、四隅部分に当接することで、付勢手段Sから第1レンズアレイ412および第2レンズアレイ413への力を均一化し、安定して第1レンズアレイ412および第2レンズアレイ413を押圧することができるようになっている。
また、Z軸付勢手段Szにおいて、基部S1は、上記第1凹部491B5の内側面と当接する。また、X軸付勢手段Sxにおいて、基部S1は、上記第2凹部491B6の内面と当接する。これにより、図9に示すように、下ライトガイド46の第1収納部491の側壁部491Bには、第1レンズアレイ412および第2レンズアレイ413を押圧固定するX軸付勢手段Sxの反力がP方向(側壁部491B外側方)に加わることとなる。
【0041】
次に、偏光変換素子414の下ライトガイド46への取り付け構造について説明する。
偏光変換素子414は、図11及び図12に示すように、平板状の偏光変換素子本体416と、この偏光変換素子本体416の光束入射側に設けられる遮光板417とを備える。
偏光変換素子本体416は、入射光束に対して傾斜して配置され、入射光束を2種類の直線偏光光束に分離する複数の偏光分離膜416A(図示略)と、これら偏光分離膜416Aの間に介在配置され、分離された直線偏光光束のうち一方を反射する複数の反射膜416Bと、偏光分離膜416Aおよび反射膜416Bが形成される複数の透光性部材416Cと、これら透光性部材416Cの光束射出側に設けられる複数の位相差膜416Dとを備えている。
【0042】
偏光分離膜416Aは、ブリュースター角が略45°に設定された誘電体多層膜等で構成され、ランダムな偏光光束を2種類の偏光光束に分離するものであり、偏光分離膜416Aの入射面に対して、平行な偏光方向を有する光束(S偏光光束)を反射し、該S偏光光束と直交する偏光方向を有する光束(P偏光光束)を透過するものである。
反射膜416Bは、例えば、高反射性を有するAl,Au,Ag,Cu,Cr等の単一金属材料、これら複数種類の金属を含む合金等で構成され、上記偏光分離膜416Aで反射されるS偏光光束を反射するものである。
これらの偏光分離膜416Aおよび反射膜416Bは、光束入射方向および光束射出方向に対して平面視で略45°に傾斜し、かつ、等しい配列ピッチで交互に配置されている。
透光性部材416Cは、光束が内部を通過するものであり、通常、白板ガラス等を加工して形成される。
【0043】
位相差膜416Dは、透光性部材416Cから射出された2種類の光束のうち、一方の直線偏光光束の偏光方向を90°回転させて他方の直線偏光光束の偏光方向と同一にするものである。具体的には、位相差膜416Dは、偏光分離膜416Aからの光束が透過する部分に貼り付けられて、偏光分離膜416Aを透過するP偏光光束の偏光方向を90°回転させる。
【0044】
遮光板417は、反射膜に入射する不要光を遮断し、第2レンズアレイ413から偏光分離膜416Aに入射する光束のみを通すものである。
遮光板417は、平面略矩形形状であり、その長手方向に沿って矩形形状の開口417Aが形成されている。この開口417Aは、例えば5本形成されており、中央の開口417Aの幅は、他の開口417Aの幅の略2倍となっている。
また、遮光板417の上端部及び下端部は、偏光変換素子本体416の光束入射側端面が貼り付けられる貼付け部417Bとなっている。そして、この貼付け部417Bに跨って、平面矩形形状の遮光部417Cが複数設けられている。この遮光部417Cは、貼付け部417Bよりも、偏光変換素子本体416側に位置しており、遮光部417Cと、偏光変換素子本体416との間には、隙間が形成されている。
この隙間により、遮光部417Cにて発生した熱が偏光変換素子本体416へと伝達されるのを防止することができる。
なお、複数の遮光部417Cのうち、遮光板417の短辺方向両端部側の遮光部417Cには、偏光変換素子本体416側に屈曲した片417C1が形成されている。
また、遮光板417の下端部に設けられた貼付け部417Bの下方端部には、偏光変換素子本体416側に屈曲し、張り出した張出部417Dが形成されている。この張出部417Dは、ライトガイド45内において、偏光変換素子414の下方向への位置ずれを防止する。
【0045】
以上のような遮光板417の上端部には、撓み防止部材418が設けられている。
この撓み防止部材418は、遮光板417の上部部分の貼付け部417Bに一体成形された板状体を偏光変換素子本体416側に屈曲することで設けられたものであり、撓み防止部材418の偏光変換素子本体416側の表面と、偏光変換素子本体416の端面とは接着剤により接着固定されている。
撓み防止部材418の長手方向両端部418Aは、偏光変換素子本体416よりも側方に延びており、その先端418A1は、図12下方に屈曲している。この撓み防止部材418の長手方向両端部418Aは、下ライトガイド46の第1収納部491の一対の側壁部491Bに形成された突起491B7の係合溝491B8(図8参照)に係合する。これにより、偏光変換素子414が第1収納部491に固定されることとなる。
従って、このような偏光変換素子414をライトガイド45に取り付けた際には、撓み防止部材418は、第1収納部491の一対の側壁部491Bに跨って配置され、先端418A1により、一対の側壁部491Bが外側から挟まれることとなる。
【0046】
(4)実施形態の効果
本実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
(4-1)下ライトガイド46の第1収納部491の一対の側壁部491Bに跨って、撓み防止部材418が取り付けられているため、撓み防止部材418により一対の側壁部491Bは外側から挟持されることとなる。そのため、側壁部491Bに付勢手段Sの反力が加わっても、一対の側壁部491Bが外側に開いてしまうことがなく、下ライトガイド46の第1収納部491の撓みを防止することができる。そして、このように下ライトガイド46の第1収納部491の撓みを防止できるので、インテグレータ照明光学系41の光学部品412〜415の位置がずれることがなく、投写画像に表示影が発生することがない。
【0047】
(4-2)インテグレータ照明光学系41で分割された光束は、インテグレータ照明光学系41の後段に配置される液晶パネル441で重畳されることとなるため、インテグレータ照明光学系41を構成する光学部品412〜415の位置がずれた場合には、投写画像に大きな影響が生じることとなる。本実施形態では、インテグレータ照明光学系41を収納する第1収納部491の一対の側壁部491B間に撓み防止部材418を跨らせる構成を採用したので、第1収納部491の撓みを確実に防止することができ、インテグレータ照明光学系41を構成する光学部品412〜415の位置がずれてしまうことがない。これにより、確実に投写画像の表示影が発生を防止できる。
【0048】
(4-3)第1収納部491の第1レンズアレイ412側には、光源収納部48が一体的に構成されているため、第1レンズアレイ412側の側壁部491Bは、剛性が高く、付勢手段Sによる反力が加わっても撓みが生じにくい。これに対し、偏光変換素子414の側壁部491Bは、剛性が低く、付勢手段Sの反力が加わると変形しやすくなっている。本実施形態では、撓み防止部材418を第1収納部491の偏光変換素子414側に取り付けているため、効果的に側壁部491Bの撓みを防止することができる。
(4-4)さらに、本実施形態では、予め、撓み防止部材418と、偏光変換素子414の遮光板417とが一体成形されているとしたので、偏光変換素子414を下ライトガイド46の第1収納部491に収容させると同時に、撓み防止部材418を第1収納部491に取り付けることができる。これにより、撓み防止部材418の取り付けにかかる手間を省くことができる。
また、遮光板417と撓み防止部材418とを一体化させているため、部材点数の増加を防止することが可能となる。
【0049】
(4-5)さらに、撓み防止部材418に偏光変換素子本体416の端面を接着固定しているため、撓み防止部材418が偏光変換素子本体416により補強されることとなり、撓み防止部材418の剛性を向上させることができる。これにより、より確実に第1収納部491の撓みを防止することができる。
(4-6)また、偏光変換素子414に撓み防止部材418を予め取り付けているため、第1収納部491の側壁部491Bに突起491B7の係合溝491B8に撓み防止部材418の端部418Aを係合させるだけで、偏光変換素子414の第1収納部491に対する取り付け位置を位置決めし、固定することができ、偏光変換素子414の取付を容易化することができる。
そして、このように、突起491B7の係合溝491B8に撓み防止部材418の端部418Aを係合させるだけで、偏光変換素子414の第1収納部491に対する取り付け位置を位置決めすることができ、さらに、偏光変換素子414を第1収納部491に固定することができるため、偏光変換素子414を第1収納部491に固定するための固定部材等を設ける必要がなく、部材点数の削減を図ることができる。
【0050】
(5)実施形態の変形
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、撓み防止部材418に偏光変換素子本体416を固着したが、これに限らず、偏光変換素子本体416を固着しなくてもよい。このようにすれば、偏光変換素子本体416を固着する手間を省くことができる。
さらに、前記実施形態では、撓み防止部材418を遮光板417に取り付けたが、これに限らず、遮光板417とは別体としてもよい。このように遮光板417と別体とすることで、側壁部491Bのうち、付勢手段Sによる反力が最もかかっている部分に、例えば、側壁部491Bの第1凹部491B5及び第2凹部491B6が形成された部分間に跨るように撓み防止部材418を取り付けることが可能となる。
【0051】
また、前記実施形態では、第1レンズアレイ412及び第2レンズアレイ413を付勢手段Sで付勢し、固定したが、これに限らず、他の光学部品を付勢手段Sで付勢してもよい。
さらに、前記実施形態では、撓み防止部材418は、第1収納部491の開口を跨るように、配置されていたが、これに限らず、第1収納部491の底面部を跨るように撓み防止部材418を配置してもよい。
さらに、前記実施形態では、撓み防止部材418は、一対の側壁部491Bを外側から挟みこんで、第1収納部491の撓みを防止していたが、このような構造に限らず、例えば、撓み防止部材を一対の側壁部491Bの内面間に跨るように設置し、一対の側壁部491Bを内側に引っ張るような力が発生するように構成してもよい。このようにすることでも、一対の側壁部491Bの撓みを防止することができる。
【0052】
また、前記実施形態では、3つの光変調装置を用いたプロジェクタ1の例のみを挙げたが、1つの光変調装置のみを用いたプロジェクタ、2つの光変調装置を用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の光変調装置を用いたプロジェクタにも適用可能である。
さらに、前記実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の光変調装置を用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の光変調装置を用いてもよい。
また、前記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投写を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投写を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るプロジェクタを上方前面側から見た斜視図。
【図2】前記実施形態におけるプロジェクタを下方前面側から見た斜視図。
【図3】前記実施形態におけるプロジェクタを後方背面側から見た斜視図。
【図4】前記実施形態におけるプロジェクタのロアーケース及びフロントケースを上方から見た斜視図。
【図5】前記実施形態におけるプロジェクタの内部構造を示す斜視図。
【図6】前記実施形態における光学ユニットの光学系の模式図。
【図7】前記実施形態におけるライトガイドを示す斜視図。
【図8】前記実施形態における下ライトガイドを示す分解斜視図。
【図9】前記実施形態における下ライトガイドの要部を示す平面図。
【図10】前記実施形態における付勢手段を示す斜視図。
【図11】前記実施形態における偏光変換素子及び撓み防止部材を示す斜視図。
【図12】図11とは異なる方向から見た偏光変換素子及び撓み防止部材を示す斜視図。
【符号の説明】
1…プロジェクタ、41…インテグレータ照明光学系、45…ライトガイド(光学部品用筐体)、412…第1レンズアレイ、413…第2レンズアレイ、414…偏光変換素子、416D…位相差膜、416A…偏光分離膜、416B…反射膜、416C…透光性部材、417…遮光板、417C…遮光部、418…撓み防止部材、491B…側壁部
Claims (4)
- 内部に光源から射出された光束の照明光軸が設定され、複数の光学部品を収納して前記照明光軸の所定位置に配置する光学部品用筐体を備えたプロジェクタであって、
前記光学部品は、前記光学部品用筐体を構成し、対向配置された一対の壁部のうち、少なくとも一方の壁部に対して、光軸直交方向から付勢する付勢手段により押圧固定されており、
前記一対の壁部の撓みを防止する撓み防止部材が、前記一対の壁部間に跨って配置されており、
前記一対の壁部は、前記撓み防止部材の先端により外側から挟まれていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
前記光学部品は、光源から出射された光束を複数の部分光束に分割し、均一な光束に調整する照明光学系を構成するものであることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
前記照明光学系は、光源から射出された光束の光軸に直交する面内にマトリクス状に複数の小レンズを配列して構成され、前記光束を複数の部分光束に分割して、前記光軸に直交する面内にマトリクス状に複数の光源像を形成するレンズアレイと、各部分光束を2種類の偏光光束に分離した後、偏光方向の揃った1種類の偏光光束に変換する偏光変換素子とを備え、
前記偏光変換素子は、入射光束に対して傾斜して配置され、前記入射光束を2種類の直線偏光光束に分離する複数の偏光分離膜、これら偏光分離膜の間に介在配置され、前記分離された直線偏光光束のうち一方を反射する複数の反射膜、前記偏光分離膜および反射膜が形成される複数の透光性部材、ならびに、これら透光性部材の光束射出側に設けられ、前記分離された直線偏光光束のうち一方を他方の偏光方向に変換する複数の位相差膜を備えた偏光変換素子本体と、
この偏光変換素子本体の光束入射側に設けられ、前記反射膜に入射する不要光を遮断する遮光部を有する遮光板とを備え、
前記撓み防止部材は、前記遮光板に取り付けられていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項3に記載のプロジェクタにおいて、
前記撓み防止部材に、前記偏光変換素子本体が接着固定されていることを特徴とするプロジェクタ。
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