JP5677331B2 - 静電潜像現像用トナー - Google Patents

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Description

本発明は、静電潜像現像用トナーに関する。
一般に電子写真法、静電記録法等の画像形成方法においては、静電潜像担持体(感光体)の表面をコロナ放電等により帯電させた後、レーザー等により露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成し、さらにこのトナー像を記録媒体に転写して高品質な画像を得ている。通常トナー像の形成に使用するトナーには熱可塑性樹脂等の結着樹脂に、着色剤、電荷制御剤、離型剤、磁性材料等を混合して混練、粉砕、分級を行い平均粒径5〜10μmのトナー粒子としたものが用いられる。そしてトナーに流動性を付与したり、トナーの帯電量の制御を行ったり、転写されずに感光体上に残留したトナーのクリーニング性を向上させたりする目的で、シリカや酸化チタン等の無機微粉末がトナーに外添されている。
近年、電子写真法用いる画像形成装置において、現像の高速化が進んでおり、短い現像時間でも良好な画像を形成できる現像性に優れたトナーが望まれている。高速の現像でも良好な画像を形成可能なトナーとしては、例えば、少なくとも結着樹脂、着色剤、及び樹脂微粒子を含有し、樹脂微粒子が粒子形状を保持した状態で存在しており、かつ画像解析装置で測定した樹脂微粒子による被覆率から求められるトナー表面の露出率が10〜60%であるトナーが提案されている(特許文献1)。
特開2007−079486号公報
しかし、特許文献1に記載のトナーは、水系で塩析により樹脂微粒子をトナー表面に付着させて製造しているために、樹脂微粒子のトナー表面に対する付着力は弱い。このため、特許文献1に記載のトナーは、印字率の低い印刷が長時間にわたって行われ、現像装置内でトナーが長時間撹拌されると、トナー表面の樹脂微粒子が剥離しやすく、優れた現像性を維持し難い問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、高速で現像を行っても良好な画像を形成でき、現像装置内でトナーが長時間撹拌される場合においても現像性が低下し難い静電潜像現像用トナーを提供することを目的とする。
本発明者らは、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含むトナー母粒子の表面に、スチレン系モノマーと、(メタ)アクリル系モノマーと、ジビニルベンゼンとを含むモノマーの共重合体からなる有機微粒子を付着させ、共重合体におけるジビニルベンゼンの量が、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル系モノマーとの合計質量に対して10質量%以上であるトナーによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 少なくとも結着樹脂と着色剤とを含むトナー母粒子の表面に有機微粒子が付着されており、
前記有機微粒子は、下記式で表されるスチレン系モノマーと、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜6のアルキルエステル、及び(メタ)アクリロニトリルからなる群より選択される1種類以上の(メタ)アクリル系モノマーと、ジビニルベンゼンとを含むモノマーの共重合体からなり、
前記共重合体におけるジビニルベンゼンの量が、前記スチレン系モノマーと前記(メタ)アクリル系モノマーとの合計質量に対して10質量%以上である、静電潜像現像用トナー。
(nは0〜3の整数であり、Rはメチル、エチル、メトキシ、エトキシ、又はクロルであり、nが2又は3である場合、Rは同一であっても異なってもよい。)
(2) 前記有機微粒子が、フローテスターにより測定される流出開始温度が240℃以上のポリマーからなる、(1)記載の静電潜像現像用トナー。
(3) 示差走査熱量計により昇温速度10℃/分で測定する場合に、400℃以上において前記有機微粒子由来の吸熱ピークが測定される、(1)又は(2)記載の静電潜像現像用トナー。
(4) 前記ジビニルベンゼンが、前記スチレン系モノマーと前記(メタ)アクリル系モノマーの合計質量に対して10〜20質量%である、(1)から(3)のいずれか1記載の静電潜像現像用トナー。
(5) 前記スチレン系モノマーがスチレンであり、前記(メタ)アクリル系モノマーがアクリロニトリルである、(1)から(4)のいずれか1記載の静電潜像現像用トナー。
(6) 前記静電潜像現像用トナー30gと、被覆処理されていないキャリア300gとを容量500ccのボトルに入れ、ターブラミキサーにより、101m−1の撹拌速度で5時間トナーを撹拌する処理を行った後の、前記有機微粒子の前記トナー母粒子に対する埋没率が30〜60%であり、前記有機微粒子の境界線長/投影総面積の値が0.02以上である、(1)から(5)のいずれか1記載の静電潜像現像用トナー。
(7) (1)から(6)のいずれか1記載の静電潜像現像用トナーと、キャリアとを含む2成分現像剤。
本発明によれば、高速で現像を行っても良好な画像を形成でき、長期にわたって印刷を行った際に現像性が低下し難い静電潜像現像用トナーを提供することができる。
示差走査熱量計により測定したDSC曲線を示す図である。 トナー母粒子表面において有機微粒子が変形していないトナーのSEM写真を示す図である。 トナー母粒子表面において有機微粒子が変形していないトナーのSEM写真に基づいて画像解析ソフトウェアにより描画した、有機微粒子の輪郭の模式図である。 トナー母粒子表面において有機微粒子が変形しているトナーのSEM写真を示す図である。 トナー母粒子表面において有機微粒子が変形しているトナーのSEM写真に基づいて画像解析ソフトウェアにより描画した、有機微粒子の輪郭の模式図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
本発明の静電潜像現像用トナー(以下、単にトナーともいう)は、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含むトナー母粒子の表面に、有機微粒子が付着されており、有機微粒子は、スチレン系モノマーと、(メタ)アクリル系モノマーと、ジビニルベンゼンとを含むモノマーの共重合体からなり、共重合体におけるジビニルベンゼンの量が、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル系モノマーとの合計質量に対して10質量%以上である。本発明のトナーは結着樹脂中に、必要に応じ、着色剤の他に、電荷制御剤、離型剤、磁性粉等を含んでいてもよい。また、本発明のトナーは所望によりその表面が、有機微粒子以外の他の外添剤により処理されたものであってもよい。さらに、本発明のトナーは、所望のキャリアと混合して2成分現像剤として使用することもできる。
以下、本発明の静電潜像現像用トナーを構成する必須、又は任意の成分である、結着樹脂、着色剤、電荷制御剤、離型剤、磁性粉、有機微粒子、有機微粒子以外の他の外添剤、及び本発明のトナーを2成分現像剤として使用する場合に用いるキャリアと、本発明の静電潜像現像用トナーの製造方法とについて順に説明する。
[静電潜像現像用トナーを構成する成分]
〔結着樹脂〕
本発明の静電潜像現像用トナーは、少なくとも着色剤を含有する結着樹脂からなるトナー母粒子の表面に後述する有機微粒子を付着させ得られる。トナー母粒子に含まれる結着樹脂は、従来からトナー用の結着樹脂として用いられている樹脂であれば特に制限されない。結着樹脂の具体例としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂の中でも、結着樹脂中の着色剤の分散性、トナーの帯電性、用紙に対する定着性の面から、ポリスチレン系樹脂、及びポリエステル系樹脂が好ましい。以下、スチレン−アクリル系樹脂、及びポリエステル系樹脂について説明する。
スチレン−アクリル系樹脂は、スチレン系単量体とアクリル系単量体との共重合体である。スチレン系単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン等が挙げられる。アクリル系単量体の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
ポリエステル系樹脂は、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合や共縮重合によって得られるものを使用することができる。ポリエステル系樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下のアルコール成分やカルボン酸成分が挙げられる。
アルコール成分としては、2価又は3価以上のアルコールを使用できる。2価又は3価以上のアルコール成分の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以上のアルコール類が挙げられる。
カルボン酸成分としては、2価又は3価以上のカルボン酸成分を使用できる。2価又は3価以上のカルボン酸成分の具体例としては、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、あるいはn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等のアルキル又はアルケニルコハク酸等の2価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボン酸等が挙げられる。これらの2価又は3価以上のカルボン酸成分は、酸ハライド、酸無水物、低級アルキルエステル等のエステル形成性の誘導体として用いてもよい。ここで、「低級アルキル」とは、炭素原子数1から6のアルキル基を意味する。
結着樹脂がポリエステル樹脂である場合のポリエステル樹脂の軟化点は、80〜150℃であることが好ましく、90〜140℃がより好ましい。
結着樹脂としては、定着性が良好であることから熱可塑性樹脂を用いることが好ましいが、熱可塑性樹脂単独で使用するだけでなく、熱可塑性樹脂に架橋剤や熱硬化性樹脂を添加することができる。結着樹脂内に一部架橋構造を導入することにより、定着性を低下させることなく、トナーの保存安定性、形態保持性、耐久性等を向上させることができる。
熱可塑性樹脂と共に使用できる熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂やシアネート系樹脂が好ましい。好適な熱硬化性樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、シアネート樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、2種以上を組み合わせて使用できる。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、50〜65℃が好ましく、50〜60℃がより好ましい。結着樹脂のガラス転移点が低すぎる場合、画像形成装置の現像部の内部でトナー同士が融着したり、保存安定性の低下により、トナー容器の輸送時や倉庫等での保管時にトナー同士が一部融着したりする場合がある。また、ガラス転移点が低すぎる場合、結着樹脂の強度が低下し、静電潜像担持体にトナーが付着しやすい。ガラス転移点が高すぎる場合、トナーの低温定着性が低下する傾向がある。
なお、結着樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることができる。より具体的には、測定装置としてセイコーインスツルメンツ社製示差走査熱量計DSC−6200を用い、吸熱曲線を測定することで求めることができる。測定試料10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25〜200℃、昇温速度10℃/分で常温常湿下にて測定して得られた吸熱曲線よりガラス転移点を求めることができる。
〔着色剤〕
本発明の静電潜像現像用トナーは結着樹脂中に着色剤を含有する。結着樹脂に配合できる着色剤は、トナーの色に合わせて、公知の顔料や染料を使用できる。結着樹脂に添加する好適な着色剤の具体例としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック等の黒色顔料;黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等の黄色顔料;赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGK等の橙色顔料;ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等の赤色顔料;マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等の紫色顔料;紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等の青色顔料;クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等の緑色顔料;亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等の白色顔料;バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等の体質顔料が挙げられる。これらの着色剤は、トナーを所望の色相に調整する目的等で2種以上を組み合わせて用いることもできる。
〔電荷制御剤〕
本発明の静電潜像現像用トナーは、本発明の目的を阻害しない範囲で、結着樹脂中に電荷制御剤を含んでいてもよい。電荷制御剤は、正帯電性又は負帯電性の電荷制御剤のいずれも使用できる。
電荷制御剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来よりトナーに使用されている電荷制御剤から適宜選択できる。正帯電性の電荷制御剤の具体例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン等のアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディ−プブラックEW、及びアジンディープブラック3RL等のアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体等のニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ等のニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの正帯電性の電荷制御剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
4級アンモニウム塩、カルボン酸塩、又はカルボキシル基を官能基として有する樹脂も正帯電性の電荷制御剤として使用できる。より具体的には、4級アンモニウム塩を有するスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル系樹脂、カルボキシル基を有するポリスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂等の1種又は2種以上が挙げられる。これらの樹脂の分子量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、オリゴマーであってもポリマーであってもよい。
正帯電性の電荷制御剤として使用できる樹脂の中では、帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができる点から、4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン−アクリル系樹脂がより好ましい。4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン−アクリル系樹脂において、スチレン単位と共重合させる好ましいアクリル系コモノマーの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
また、4級アンモニウム塩としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキル(メタ)アクリルアミド、又はジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドから第4級化の工程を経て誘導される単位が用いられる。ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、ジアルキル(メタ)アクリルアミドの具体例としてはジメチルメタクリルアミドが挙げられ、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの具体例としては、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが挙げられる。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有重合性モノマーを重合時に併用することもできる。
負帯電性の電荷制御剤の具体例としては、例えば、有機金属錯体、キレート化合物等が挙げられる。有機金属錯体、及びキレート化合物としては、アルミニウムアセチルアセトナートや鉄(II)アセチルアセトナート等のアセチルアセトン金属錯体、及び、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸クロム等のサリチル酸系金属錯体又はサリチル酸系金属塩が好ましく、サリチル酸系金属錯体又はサリチル酸系金属塩がより好ましい。これらの負帯電製の電荷制御剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
正帯電性又は負帯電性の電荷制御剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。正帯電性又は負帯電性の電荷制御剤の使用量は、典型的には、トナー全量を100質量部とした場合に、1.5〜15質量部が好ましく、2.0〜8.0質量部がより好ましく、3.0〜7.0質量部が特に好ましい。電荷制御剤の使用量が過少である場合、所定の極性にトナーを安定して帯電させ難いため、形成画像の画像濃度の低下や、画像濃度を長期にわたって維持することが困難になることがある。また、かかる場合、電荷制御剤が均一に分散し難く、形成画像にかぶりが生じやすくなったり、潜像担持部の汚染が起こりやすくなったりする。電荷制御剤の使用量が過多である場合、耐環境性の悪化による、高温高湿下での帯電不良に起因する形成画像における画像不良や、潜像担持部の汚染等が起こりやすくなる。
〔離型剤〕
本発明の静電潜像現像用トナーは、トナーの定着性や耐オフセット性を向上させる目的で、結着樹脂中に離型剤を含んでいてもよい。結着樹脂に配合できる離型剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。離型剤としてはワックスが好ましく、ワックスの例としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フッ素樹脂系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックス等が挙げられる。これらのワックスは2種以上を組み合わせて使用できる。かかる離型剤をトナーに添加することにより、オフセットや像スミアリング(画像をこすった際の画像周囲の汚れ)の発生をより効率的に抑制できる。
離型剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的な離型剤の使用量は、トナー全量を100質量部とした場合に、1〜5質量部が好ましい。離型剤の使用量が過少である場合、オフセットや像スミアリングの発生の抑制について所望の効果が得られない場合があり、離型剤の使用量が過多である場合、トナー同士の融着によって保存安定性が低下する場合がある。
〔磁性粉〕
本発明の静電潜像現像用トナーは、所望により、結着樹脂中に磁性粉を配合して、磁性1成分現像剤とすることができる。トナーを磁性1成分現像剤とする場合に用いる磁性粉の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。好適な磁性粉の例としては、フェライト、マグネタイト等の鉄;コバルト、ニッケル等の強磁性金属;鉄、及び/又は強磁性金属を含む合金;鉄、及び/又は強磁性金属を含む化合物;熱処理等の強磁性化処理を施された強磁性合金;二酸化クロムが挙げられる。
磁性粉の粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で限定されない。具体的な磁性粉の粒子径は、0.1〜1.0μmが好ましく、0.1〜0.5μmがより好ましい。かかる範囲の粒子径の磁性粉を用いる場合、結着樹脂中に磁性粉を均一に分散させやすい。
磁性粉は、結着樹脂中での分散性を改良する目的等で、チタン系カップリング剤やシラン系カップリング剤等の表面処理剤により表面処理されたものを使用できる。
磁性粉の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的な磁性粉の使用量は、トナーを1成分現像剤として使用する場合、トナー全量を100質量部とした場合に、35〜60質量部が好ましく、40〜60質量部がより好ましい。磁性粉の使用量が過多である場合、画像濃度の耐久性が低下したり、定着性が極度に低下したりする場合があり、磁性粉の使用量が過少である場合、カブリが発生しやすくなることにより画像濃度の耐久性が低下する場合がある。また、トナーを2成分現像剤として使用する場合、磁性粉の使用量は、トナー全量を100質量部とした場合に、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
〔有機微粒子〕
本発明の静電潜像現像用トナーは、結着樹脂中に、着色剤、離型剤、電荷制御剤、磁性粉等の成分を配合して所望の粒子径のトナー母粒子を調製した後に、トナー母粒子の表面に特定の樹脂を含む有機微粒子を付着させたものである。
有機微粒子を構成するポリマーは、スチレン系モノマーと、(メタ)アクリル系モノマーと、ジビニルベンゼンとを含むモノマーの共重合体からなる。共重合体のモノマーにおけるスチレン系モノマー、(メタ)アクリル系モノマー、及びジビニルベンゼンの含有量の合計は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、モノマー中80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%であるのが特に好ましい。
本発明の静電潜像現像用トナーは、トナー母粒子の表面に付着する有機微粒子を構成するポリマーとして、フローテスターにより測定される流出開始温度が240℃以上であるポリマーを用いるのが好ましい。
本願の明細書、及び特許請求の範囲において、有機微粒子を構成するポリマーの流出開始温度は、高化式フローテスターにより試験荷重30kgfで測定される流出開始温度である。ポリマーの流出開始温度は、ポリマーの分子量を調整したり、ポリマーを構成するモノマーの種類を変更したり、ポリマーの製造時に多官能モノマーを用いて、ポリマーの分子鎖に分岐や架橋を導入したりすることにより調整できる。
流出開始温度が240℃以上のポリマーからなる有機微粒子を用いることにより、現像装置内でトナーが長時間撹拌される場合においてもトナー母粒子表面の有機微粒子の変形を抑制でき、優れた現像性を長期間にわたり維持することができる。
また、本発明の静電潜像現像用トナーは、示差走査熱量計により昇温速度10℃/分で測定する場合に、400℃以上において有機微粒子由来の吸熱ピークが観測される。示差走査熱量計により測定される、トナーの有機微粒子由来の吸熱ピークの温度は、後述するように、有機微粒子を構成するポリマーにおける、共重合体の分子鎖に分岐や架橋を導入するモノマーであるジビニルベンゼンの使用量を変更し、かつ共重合体の重合度を十分に高めることにより調整できる。共重合体を調製する際のジビニルベンゼンの使用量を増加させる場合、有機微粒子由来の吸熱ピークの温度が上昇する。単に、スチレン系モノマーと、(メタ)アクリル系モノマーとを共重合する際にジビニルベンゼン重合体を加えても、得られる共重合体の重合度が低い場合、所望の特性のトナーが得られない場合がある。しかし、示差走査熱量計によって、所定の方法によりトナーを分析し、400℃以上での有機微粒子に由来する吸熱ピークの有無を確認することによって、有機微粒子の重合度が十分に上がっているか否かを確認できる。有機微粒子に由来する吸熱ピークを400℃以上に有するトナーであれば、有機微粒子が硬質であって変形しにくいため、高速で現像を行っても良好な画像を形成でき、現像装置内でトナーが長時間撹拌される場合においても現像性が低下し難いトナーを得やすい。
トナー母粒子表面における有機微粒子の変形しやすさは、ターブラミキサーによりトナーに衝撃を与えた後に、トナー母粒子表面における、有機微粒子の埋没率と、有機微粒子の境界線長/投影面積の値とを測定することにより確認できる。
ターブラミキサーによりトナーに衝撃を与える処理は、静電潜像現像用トナー30gと、被覆処理されていないキャリア300gとを容量500ccのボトルに入れ、ターブラミキサーにより、101m−1の撹拌速度で5時間トナーを撹拌して行われる。
トナー母粒子表面における有機微粒子の埋没率は、以下の方法に従って測定される。
<有機微粒子の埋没率の測定方法>
走査型電子顕微鏡(SEM)によりトナー母粒子に付着させる前の有機微粒子の画像を取得し、画像解析ソフトウェアにて画像を解析して複数の有機微粒子の一次粒子径を測定する。得られた有機微粒子の一次粒子径の値から、有機微粒子の平均一次粒子径rを算出する。平均一次粒子径rを測定する際には、10個以上の一次粒子について粒子径を測定する。次いで、走査型電子顕微鏡により、トナーを側面から観察した画像を取得する。得られた画像から、トナー表面からトナー表面に露出している有機微粒子の輪郭までの、トナー表面から垂直方向の最長の距離である、有機微粒子の露出距離rを測定する。露出距離rの測定は10個以上の有機微粒子に対して行う。以上のように求めたr及びrから、下式により埋没率を算出する。
埋没率(%)=(r−r)/r×100
なお、トナー母粒子表面には、有機微粒子と、後述する外添剤とが付着している場合があるが、走査型電子顕微鏡に付属のエネルギー分散型X線分光器により、トナー母粒子表面に付着している粒子が有機微粒子であるか、外添剤であるか判別することができる。
本発明の静電潜像現像用トナーは、ターブラミキサーによる処理後の有機微粒子の埋没率が30〜60%であるのが好ましい。ターブラミキサーによる処理後の埋没率が60%より大きい場合、有機微粒子が変形により平坦化されているか、トナー母粒子に著しく埋没しているため、長期間に渡ってトナーの優れた現像性を維持し難い。ターブラミキサーによる処理後の埋没率が30%より小さい場合、有機微粒子のトナー母粒子への埋没が不十分であり、有機微粒子がトナー母粒子の表面から脱落しやすく、長期間にわたってトナーの優れた現像性を維持し難い。
トナー母粒子表面における有機微粒子の境界線長/投影面積の値は、以下の方法に従って測定される。
<有機微粒子の境界線長/投影面積の値の測定方法>
走査型電子顕微鏡にてトナー表面を正面から観察した画像を取得する。取得した画像を画像解析ソフトウェア(WinROOF、三谷商事株式会社製)に取り込み、ソフトウェアのペンツールにより有機微粒子の輪郭線を描画し、有機微粒子の境界線長(pix(ピクセル))を測定する。次いで、輪郭線を描画した有機微粒子をペンツールにより塗りつぶし有機微粒子の投影面積(pix)を測定する。得られた有機微粒子の境界線長(pix)と有機微粒子の投影面積(pix)とから、有機微粒子の境界線長/投影面積の値を算出する。
トナー母粒子表面において有機微粒子が変形していないトナーのSEM写真を図2に示す。また、有機微粒子が変形していないトナーのSEM写真に基づいて画像解析ソフトウェアにより描画した、有機微粒子の輪郭の模式図を図3に示す。図2のSEM写真から分かるように有機微粒子が変形していない場合、有機微粒子の輪郭は明確であるため、個々の有機微粒子の境界線は略円形に描かれる。かかる場合、個々の有機微粒子の境界線長を測定できるため、境界線長の値が大きくなり、境界線長/投影面積の値も大きくなる。このため、境界線長/投影面積の値が大きいことは、トナー母粒子表面において有機微粒子が変形していないことの指標となる。具体的には、境界線長/投影面積の値が0.02以上である場合、有機微粒子の変形が少なく、長期間印刷を行っても優れた現像性を維持しやすい。
トナー母粒子表面において有機微粒子が変形し、有機微粒子同士が変形した状態で結合しているトナーのSEM写真を図4に示す。また、有機微粒子同士が変形した状態で結合しているトナーのSEM写真に基づいて画像解析ソフトウェアにより描画した、有機微粒子の輪郭の模式図を図5に示す。図4のSEM写真から分かるように、有機微粒子が変形している場合、有機微粒子同士が変形した状態で結合しやすい。図5に示すように、有機微粒子が変形している場合、有機微粒子同士の接触部分における輪郭線を描画できず、境界線長の値が小さくなり、境界線長/投影面積の値も小さくなる。このため、境界線長/投影面積の値が小さいことは、トナー母粒子表面において有機微粒子が変形していることの指標となる。具体的には、境界線長/投影面積の値が0.02未満である場合、有機微粒子の変形が大きく、現像装置内でトナーが長時間撹拌作用を受けた場合に現像性が低下しやすい。
以下、スチレン系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、及びジビニルベンゼンの共重合体について説明する。
スチレン系モノマーは下記式(I)で表される。スチレン系モノマーは、1種、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
(nは0〜3の整数であり、Rはメチル、エチル、メトキシ、エトキシ、又はクロルであり、nが2又は3である場合、Rは同一であっても異なってもよい。)
好適なスチレン系モノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、及びp−エチルスチレン等が挙げられる。これらのスチレン系モノマーの中では、スチレンがより好ましい。
(メタ)アクリル系モノマーは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜6のアルキルエステル、及び(メタ)アクリロニトリルからなる群より1種類以上が選択される。
好適な(メタ)アクリル系モノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリロニトリル、及びメタクリロニトリル等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル系もモノマーの中では、アクリロニトリルがより好ましい。
ジビニルベンゼンは、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル系モノマーの合計質量に対して10質量%以上使用される。有機微粒子を構成するポリマーとして、前述の比率でジビニルベンゼンが共重合された共重合体を用いる場合、共重合体の製造条件を調整し、共重合体の重合度を十分に高めることにより、示差走査熱量計による測定において、400℃以上において有機微粒子由来の吸熱ピークが観測されるトナーを得やすくなる。なお、結着樹脂の種類によっては、ジビニルベンゼンの使用量が過多である場合、有機微粒子が硬すぎるため、結着樹脂中に埋め込まれやすくなり、所望の特性のトナーを得にくい場合がある。
スチレン系モノマーや、(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能な多官能性のモノマーとしては、種々の化合物が知られているが、極性基を持たないために、得られる有機微粒子のトナーの帯電性に与える影響が少ないことや、耐熱性に優れる共重合体を得やすいことから、ジビニルベンゼンが、共重合体を調製する際の多官能性のモノマーとして好ましい。また、単官能モノマーと、多官能モノマーとを共重合させる場合、ポリマーの流出開始温度を高くしやすい。
以上説明した、スチレン系モノマーと、(メタ)アクリル系モノマーと、ジビニルベンゼンとを含むモノマーの共重合体の中では、スチレンと、アクリロニトリルと、ジビニルベンゼンとの共重合体が特に好ましい。かかる共重合体におけるスチレン/アクリロニトリルの比率は、モノマーの質量比として、5/95〜40/60が好ましく、10/90〜30/70がより好ましい。また、ジビニルベンゼンの使用量は、スチレンとアクリロニトリルとの質量の合計に対して10〜30質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。
スチレン系モノマーと、(メタ)アクリル系モノマーと、ジビニルベンゼンとを含むモノマーの共重合体を製造する方法は、本発明の目的を阻害しない範囲で限定されず、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等任意の方法を選択できる。これらの製造方法の中では、粒子径のそろった有機微粒子の調製が容易であることから、乳化重合法が好ましい。
スチレン系モノマーと、(メタ)アクリル系モノマーと、ジビニルベンゼンとを含むモノマーの共重合体の製造に使用できる重合開始剤としては過硫酸カリウム、過酸化アセチル、過酸化デカノイル、過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等の公知の重合開始剤を使用できる。これらの重合開始剤の使用量は、モノマーの総量に対して0.1〜15質量%が好ましい。
有機微粒子を乳化重合により製造する場合、乳化剤を使用して重合してもよく、無乳化剤(ソープフリー)系で重合してもよい。乳化重合に使用できる界面活性剤は、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、及びノニオン系界面活性剤かなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
カチオン系界面活性剤の具体例としては、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等が挙げられる。アニオン系界面活性剤の具体例としては、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム等の脂肪酸石けんや、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩類が挙げられる。ノニオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートエーテル、モノデカノイルショ糖等が挙げられる。
有機微粒子の平均一次粒子径は、50〜100nmが好ましく、60〜80nmがより好ましい。有機微粒子の平均一次粒子径は、重合条件の調整や、公知の粉砕方法、分級方法等により調整することができる。有機微粒子の平均一次粒子径が過小である場合、現像性に優れたトナーを得にくく、平均一次粒子径が過大である場合、トナー表面から脱離して、現像ローラー等を汚染し、現像性を低下させる可能性がある。有機微粒子の平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡により有機微粒子の画像を取得し、画像解析ソフトウェアにて画像を解析して複数の有機微粒子の径を測定して平均値を算出することにより得られる。平均一次粒子径を測定する際には、10個以上の一次粒子について粒子径を測定するのが好ましい。
〔外添剤〕
本発明の静電潜像現像用トナーは、トナーの流動性、保存安定性、クリーニング性等を改良する目的で、有機微粒子と共に、有機微粒子以外の他の外添剤をトナー母粒子の表面に付着させてもよい。
外添剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来からトナー用に使用されている外添剤から適宜選択できる。好適な外添剤の具体例としては、シリカや、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の金属酸化物が挙げられる。これらの外添剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
外添剤の粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、典型的には0.01〜1.0μmが好ましい。
外添剤の体積固有の抵抗値は、外添剤の表面に酸化スズ及び酸化アンチモンからなる被覆層を形成し、被覆層の厚さや、酸化スズと酸化アンチモンとの比率を変えることにより調整できる。
外添剤のトナー母粒子に対する使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。外添剤の使用量は、典型的には、トナー母粒子100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。かかる範囲の量で外添剤を使用する場合、流動性、保存安定性、クリーニング性に優れるトナーを得やすい。
〔キャリア〕
静電潜像現像用トナーは、所望のキャリアと混合して2成分現像剤として使用することもできる。2成分現像剤を調製する場合、磁性キャリアを用いるのが好ましい。
本発明の静電潜像現像用トナーを2成分現像剤とする場合の好適なキャリアとしては、キャリア芯材が樹脂により被覆されたものが挙げられる。キャリア芯材の具体例としては、鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタイト、銅、ケイ素鋼、フェライト、ニッケル、コバルト等の粒子や、これらの材料とマンガン、亜鉛、アルミニウム等との合金の粒子、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金等の粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチウム等のセラミックスの粒子、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、ロッシェル塩等の高誘電率物質の粒子、樹脂中に上記磁性粒子を分散させた樹脂キャリア等が挙げられる。
キャリア芯材を被覆する樹脂の具体例としては、(メタ)アクリル系重合体、スチレン系重合体、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体、オレフィン系重合体(ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等)、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、アミノ樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は2種以上を組み合わせて使用できる。
キャリアの粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、電子顕微鏡により測定される粒子径で、20〜120μmが好ましく、25〜80μmがより好ましい。
キャリアの見掛け密度は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。見掛け密度は、キャリアの組成や表面構造によって異なるが、典型的には、2000〜2500kg/mが好ましい。
本発明の静電潜像現像用トナーを2成分現像剤として用いる場合、トナーの含有量は、2成分現像剤の質量に対して、3〜20質量%が好ましく、5〜15質量%が好ましい。2成分現像剤におけるトナーの含有量をかかる範囲とすることにより、適度な画像濃度を維持し、トナー飛散の抑制によって画像形成装置内部の汚染や転写紙等へのトナーの付着を抑制できる。
[静電潜像現像用トナーの製造方法]
本発明の静電潜像現像用トナーは、結着樹脂に、着色剤と、必要に応じて、電荷制御剤、離型剤、磁性粉等の任意の成分とを配合した後に、所望の粒子径のトナー母粒子を調製し、得られたトナー母粒子の表面に、有機微粒子を単独で付着させるか、有機微粒子と外添剤とを付着させることにより製造できる。
結着樹脂に、着色剤、電荷制御剤、離型剤、磁性粉等の成分を配合してトナー母粒子を製造する方法は、結着樹脂中にこれらの成分を良好に分散できる限り特に限定されない。トナー母粒子の好適な製造方法の具体例としては、結着樹脂と、着色剤、電荷制御剤、離型剤、磁性粉等の成分とを混合機等により混合した後、一軸又は二軸押出機等の混練機により結着樹脂と結着樹脂に配合される成分とを溶融混練し、冷却された混練物を粉砕・分級する方法が挙げられる。トナー母粒子の平均粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、一般的には5〜10μmが好ましい。
このようにして得られたトナー母粒子の表面に対して、有機微粒子を単独で付着させるか、有機微粒子と外添剤とを付着させて、本発明の静電潜像現像用トナーが得られる。有機微粒子、及び外添剤をトナー母粒子の表面に付着させる方法は特に限定されず、例えば、ヘンシェルミキサーやナウターミキサー等の混合機により、トナー母粒子を、有機微粒子単独、又は有機微粒子と外添剤と混合する方法が挙げられる。有機微粒子のトナー母粒子の表面への付着の形態は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。典型的には、トナー母粒子の表面に対する埋没率が30〜60%となるように有機微粒子を付着させるのが好ましく、埋没率が35〜55%となるように有機微粒子を付着させるのがより好ましい。有機微粒子の埋没率は下記方法に従って測定できる。有機微粒子の埋没率は、有機微粒子をトナー母粒子に付着させる際の、処理時間、撹拌装置の回転数等を適宜変更することにより調整できる。
トナー母粒子表面に対する有機微粒子の埋没率をかかる範囲とする場合、現像装置内でトナーが長時間撹拌作用を受けた場合においても、有機微粒子の著しい変形や、トナー表面からの有機微粒子の脱離が起こり難くなり現像性の低下が起こり難い。トナー製造時の有機微粒子の埋没率は、前述のターブラミキサーによる処理後のトナーと同様に測定できる。
以上説明した本発明の静電潜像現像用トナーは、高速で現像を行っても良好な画像を形成でき、長期にわたって印刷を行った際に現像性が低下し難いため、種々の画像形成装置において好適に使用できる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
〔有機微粒子の製造〕
スチレン20質量部、アクリロニトリル80質量部、ジビニルベンゼン10質量部、過硫酸カリウム4.5質量部(水溶性重合開始剤)、イオン交換水100質量部を丸底フラスコに仕込み、アンカー型撹拌翼により100rpmで撹拌し、ソープフリー系で、70℃にて8時間乳化重合を行い、有機微粒子Aの分散液を得た。分散液を濾過した後、固形分を水洗、乾燥して有機微粒子Aを得た。走査型電子顕微鏡(JSM−7600F、日本電子株式会社製)により測定した有機微粒子Aの平均一次粒子径は100μmであった。また、フローテスター(GFT−500D、株式会社島津製作所製)により測定した有機微粒子Aの流出開始温度は242℃であった。フローテスターの測定条件は荷重30kgf、ダイ口径1.0mm、ダイ長さ1.0mm、昇温速度4℃/分であった。
表1に記載の種類及び量のモノマーを用いる他は、有機微粒子Aと同様にして、有機微粒子B〜Eを得た。有機微粒子B〜Eの平均一次粒子径と流出開始温度とを表1に記す。
〔実施例1〕
ポリエステル樹脂(タフトンNE−410、花王株式会社製)89質量部、離型剤(ポリプロピレンワックス660P、三洋化成株式会社製)5質量部、電荷制御剤(ボントロンP−51、オリヱント化学工業株式会社製)1質量部、及び着色剤(カーボンブラック、REGAL330R、キャボットジャパン株式会社製)5質量部を混合した後、二軸押出機にて溶融混練した。得られた混練物を冷却した後、粉砕・分級して、体積平均粒子径7μmのトナー母粒子を得た。得られたトナー母粒子に、トナー全体の質量に対して1.0質量%となる量の酸化チタン(EC−100、チタン工業株式会社製)、0.7質量%となる量の疎水性シリカ(RA−200H、日本エアロジル株式会社製)、及び1.0質量%となる量の有機微粒子Aを加えた後、ヘンシェルミキサー(FM−10B(日本コークス工業株式会社製))により、回転数3500rpmにて5分混合して、酸化チタン、疎水性シリカ、及び有機微粒子Aをトナー母粒子の表面に固着させて静電潜像現像用トナーを得た。
<示差走査熱量計測定>
得られたトナー母粒子、有機微粒子A、及びトナーについて示差走査熱量計(DSC)測定を行い有機微粒子由来の吸熱ピーク温度を測定した。示差走査熱量計(DSC)として、DSC6200(セイコーインスツル株式会社製)を用いた。各測定試料を30℃から500℃まで10℃/分の速度で昇温して行う示差走査熱量計による測定を行った。なお、各測定試料の量は10mgとした。
測定により得られた各試料のDSC曲線を図1に示す。これらのDSC曲線から有機微粒子由来の吸熱ピーク温度を求めた。
また、得られた静電潜像現像用トナー30gと、被覆処理されていないキャリア(FK−150(パウダーテック株式会社製))300gとを容量500ccのボトルに入れ、ターブラミキサー(TYPE T2F(WAB社製))により、101m−1の撹拌速度で5時間トナーを撹拌する処理を行った。ターブラミキサーによる処理後のトナーの画像を走査型電子顕微鏡(JSM−7600F、日本電子株式会社製)により取得し、取得した画像を画像解析ソフトウェア(WinROOF、三谷商事株式会社製)により解析して、有機微粒子の埋没率を測定した。また、ターブラミキサーによる処理後のトナーの表面を正面から観察した画像を走査型電子顕微鏡(JSM−7600F、日本電子株式会社製)により取得し、取得した画像を画像解析ソフトウェア(WinROOF、三谷商事株式会社製)に取り込んで解析して、有機微粒子の境界線長/投影面積の値を測定した。
さらに、初期、及び耐久試験後における、得られたトナーにより現像される画像を、下記の方法に従って評価した。
<画像評価>
得られたトナーと、フェライトキャリアを、現像剤中のトナーの量が10質量%となるように混合して2成分現像剤を調製した。フェライトキャリアは平均径35μmのMn−Mgフェライト芯材1000質量部に、シリコーン樹脂30重量部とトルエン200質量部とからなる溶液を噴霧塗布した後、200℃で60分間の熱処理を行い作製した。調製した2成分現像剤とトナーとを用いて、通常環境(20℃、湿度50%)にて、複合機(Taskalfa500ci、京セラミタ株式会社製)を用いて、印字率1.0%での1万枚連続印刷試験と、引き続き印字率5.0%での10万枚連続印刷試験とを行った。初期の印刷物と、連続印刷試験後の印刷物における評価パターンのベタ印字部の画像濃度(画像ID)をマクベス反射濃度計(RD914、グレタグ・マクベス社製)により測定した。初期、印字率1.0%での1万枚連続印刷試験後、及び印字率5.0%での10万枚連続印刷試験後の画像IDを表3に示す。画像ID1.2以上を良と判定し、画像ID1.2未満を不良と判定した。
得られたトナーの有機微粒子由来の吸熱ピーク温度と、初期、及びターブラミキサー処理後の有機微粒子の埋没率と、有機微粒子の境界線長/投影面積の値を表2に示す。また、得られたトナーの画像評価の結果を表3に示す。
〔実施例2〕
有機微粒子Aを有機微粒子Bに変えることの他は、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの初期、及びターブラミキサー処理後の、有機微粒子由来の吸熱ピーク温度と、有機微粒子の埋没率と、有機微粒子の境界線長/投影面積の値を表2に示す。また、得られたトナーの画像評価の結果を表3に示す。
〔実施例3〕
有機微粒子Aを有機微粒子Cに変えることの他は、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの初期、及びターブラミキサー処理後の、有機微粒子由来の吸熱ピーク温度と、有機微粒子の埋没率と、有機微粒子の境界線長/投影面積の値を表2に示す。また、得られたトナーの画像評価の結果を表3に示す。
〔比較例1〕
有機微粒子Aを有機微粒子Dに変えることの他は、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの初期、及びターブラミキサー処理後の、有機微粒子由来の吸熱ピーク温度と、有機微粒子の埋没率と、有機微粒子の境界線長/投影面積の値を表2に示す。また、得られたトナーの画像評価の結果を表3に示す。
〔比較例2〕
有機微粒子Aを有機微粒子Eに変えることの他は、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの初期、及びターブラミキサー処理後の、有機微粒子由来の吸熱ピーク温度と、有機微粒子の埋没率と、有機微粒子の境界線長/投影面積の値を表2に示す。また、得られたトナーの画像評価の結果を表3に示す。
表2から、実施例1〜3のトナーは、ターブラミキサーによる処理後であっても、有機微粒子の埋没率が30〜60%の範囲に保たれ、境界線長/投影面積の値が0.02以上に保たれることが分かる。つまり、流出開始温度が240℃以上の有機微粒子をトナー母粒子の表面に対して付着させたトナーである場合、ターブラミキサーにより長時間トナーに衝撃を与えたとしても、トナー表面の有機微粒子の過度の埋没や変形が生じないことが分かる。また、DSC曲線における有機微粒子由来の吸熱ピーク温度が400℃以上のトナーである場合、ターブラミキサーにより長時間トナーに衝撃を与えたとしても、トナー表面の有機微粒子の過度の埋没や変形が生じないことが分かる。このように、実施例1〜3のトナーは長期間使用しても形態が安定しているため、表3に示すように初期の良好な現像性を長期間にわたり維持することができる。
表2から、比較例1のトナーは、DSC曲線における有機微粒子由来の吸熱ピーク温度が400℃よりも低く、また、流出開始温度が240℃よりも著しく低く変形しやすい有機微粒子Dを用いているために、ターブラミキサーによる処理後に、有機微粒子の埋没率が85%と極めて高くなり、境界線長/投影面積の値が0.09と極めて低くなっていることが分かる。このように、比較例1のトナーは長期間の使用により有機微粒子が変形を受けやすいため、表3に示すように印字率1.0%での1万枚連続印刷試験後に良好な現像性を維持することができなかった。
表2から、比較例2のトナーは、ターブラミキサーによる処理後に境界線長/投影面積の値が0.02未満に低下しており、DSC曲線における有機微粒子由来の吸熱ピーク温度が400℃よりもやや低く、また、流出開始温度が240℃よりも著しく低くやや変形しやすい有機微粒子Eを用いているため、有機微粒子が変形していることが分かる。このように、比較例2のトナーは長期間の使用により有機微粒子が変形を受けやすいため、表3に示すように印字率1.0%での1万枚連続印刷試験後に良好な現像性を維持することができなかった。

Claims (7)

  1. 少なくとも結着樹脂と着色剤とを含むトナー母粒子の表面に有機微粒子が付着されており、
    前記有機微粒子は、下記式で表されるスチレン系モノマーと、(メタ)アクリロニトリルと、ジビニルベンゼンとを含むモノマーの共重合体からなり、
    前記共重合体におけるジビニルベンゼンの量が、前記スチレン系モノマーと前記(メタ)アクリロニトリルとの合計質量に対して10質量%以上である、静電潜像現像用トナー。
    (nは0〜3の整数であり、Rはメチル、エチル、メトキシ、エトキシ、又はクロルであり、nが2又は3である場合、Rは同一であっても異なってもよい。)
  2. 前記有機微粒子が、フローテスターにより測定される流出開始温度が240℃以上のポリマーからなる、請求項1記載の静電潜像現像用トナー。
  3. 示差走査熱量計により昇温速度10℃/分で測定する場合に、400℃以上において前記有機微粒子由来の吸熱ピークが測定される、請求項1記載の静電潜像現像用トナー。
  4. 前記ジビニルベンゼンが、前記スチレン系モノマーと前記(メタ)アクリロニトリルとの合計質量に対して10〜20質量%である、請求項1から3のいずれか1記載の静電潜像現像用トナー。
  5. 前記スチレン系モノマーがスチレンであり、前記(メタ)アクリロニトリルがアクリロニトリルである、請求項1から4のいずれか1記載の静電潜像現像用トナー。
  6. 前記静電潜像現像用トナー30gと、被覆処理されていないキャリア300gとを容量500ccのボトルに入れ、ターブラミキサーにより、101m−1の撹拌速度で5時間トナーを撹拌する処理を行った後の、前記有機微粒子の前記トナー母粒子に対する埋没率が30〜60%であり、前記有機微粒子の境界線長/投影総面積の値が0.02以上である、請求項1から5のいずれか1記載の静電潜像現像用トナー。
  7. 請求項1から6のいずれか1記載の静電潜像現像用トナーと、キャリアとを含む2成分現像剤。
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