JP4484393B2 - 動力伝達装置を備えた車両 - Google Patents

動力伝達装置を備えた車両 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力軸の回転を一対の出力軸に伝達する動力伝達装置を備えた車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の動力伝達装置を備えた車両としては、例えば図9〜図11に示すように、トンネル内で掘削された土砂を運搬するための運搬用車両1がある。すなわち、運搬用車両1は、連結軸2で互いに連結された前部車体3と後部車体4とで構成されている。
【0003】
上記前部車体3には、運転室5と、エンジン6と、トランスミッション7と、左右一対の前車輪8とが設けられている。また、上記後部車体4には、土砂を入れるための容器9(ベッセル)を持ち上げて支持する荷役装置10と、左右一対の後車輪11と、動力伝達装置12とが設けられている。
【0004】
上記エンジン6の回転駆動力は、トランスミッション7から前部プロペラシャフト13と前部歯車機構14とを介して両前車輪8へ伝達されるとともに、トランスミッション7から後部第1プロペラシャフト15と上記動力伝達装置12と左右一対の後部第2プロペラシャフト16a,16bと左右一対の後部歯車機構17a,17bと左右一対の後部第3プロペラシャフト18a,18bと左右一対の減速歯車機構19a,19bとを介して上記両後車輪11へ伝達される。
【0005】
上記動力伝達装置12は、前後方向の回転軸心20周りに回転自在な入力軸21の回転を、左右方向の回転軸心22周りに回転自在な左右一対の出力軸23a,23bと、ブレーキ装置(図示せず)の補助として用いられるリターダ28のリターダ用回転軸29とに伝達するものである。尚、上記リターダ用回転軸29は、上記入力軸21と同一の前後方向の回転軸心20周りに回転自在に構成されている。
【0006】
上記入力軸21の前端は上記後部第1プロペラシャフト15に連結され、上記一方の出力軸23aの外側端部は一方の後部第2プロペラシャフト16aに連結され、上記他方の出力軸23bの外側端部は他方の後部第2プロペラシャフト16bに連結されている。
【0007】
上記動力伝達装置12の構成を以下に説明する。
すなわち、図11に示すように、動力伝達装置12は、上記入力軸21と出力軸23a,23bとリターダ用回転軸29とを回転自在に保持するハウジング24と、ハウジング24内に設けられた差動装置25(デファレンシャル)とで構成されている。
【0008】
上記ハウジング24は、上面が開放された箱形状のハウジング本体26と、ハウジング本体26の上面を覆う上部カバー27(図7参照)と、上記ハウジング本体26の前後部に設けられたブラケット30,31とで構成されている。上記入力軸21は前部ブラケット30内に設けられたベアリング32によって保持され、上記リターダ用回転軸29は後部ブラケット31内に設けられたベアリング33によって保持されている。
【0009】
また、上記差動装置25は、デファレンシャルケース35と、デファレンシャルケース35の外側に設けられたリングギヤ36と、デファレンシャルケース35内にピニオン軸37(スパイダ)を介して遊転自在に設けられた一対のピニオン38と、デファレンシャルケース35内に設けられかつ上記一対のピニオン38に歯合する一対のサイドギヤ39a,39bとで構成されている。上記一方の出力軸23aの内側端部は一方のサイドギヤ39aに連結され、他方の出力軸23bの内側端部は他方のサイドギヤ39bに連結されている。
【0010】
上記デファレンシャルケース35の左右一側部は一方のテーパーローラベアリング40aで保持され、一方の出力軸23aの外側端部は一方のボールベアリング41aで保持され、上記両ベアリング40a,41aは一方の保持部材42a(ベアリングリテーナ)に保持されている。この一方の保持部材42aは、円筒状に形成され、ハウジング本体26の一側部に取付けられてハウジング本体26内に挿入されている。尚、上記一方の出力軸23aは一方の保持部材42a内に挿通されている。
【0011】
同様に、上記デファレンシャルケース35の左右他側部は他方のテーパーローラベアリング40bで保持され、他方の出力軸23bの外側端部は他方のボールベアリング41bで保持され、上記両ベアリング40b,41bは他方の保持部材42b(ベアリングリテーナ)に保持されている。この他方の保持部材42bは、円筒状に形成され、ハウジング本体26の他側部に取付けられてハウジング本体26内に挿入されている。尚、上記他方の出力軸23bは他方の保持部材42b内に挿通されている。
【0012】
尚、上記差動装置25は前後方向の回転軸心20に対して左右他側方へ偏芯している。上記入力軸21の後端には、上記差動装置25のリングギヤ36に歯合する入力側歯車44が設けられている。また、上記リターダ用回転軸29の前端には、上記リングギヤ36に歯合するリターダ回転用歯車45が設けられている。上記各ギヤ36,39a,39bと各歯車44,45と各ピニオン38には傘歯車が用いられている。上記ハウジング24内には、下部からほぼ半分程度のレベルまで潤滑油が注入されている。
【0013】
これによると、エンジン6の回転駆動力によって後部第1プロペラシャフト15が回転すると、入力軸21が回転し、入力軸21の回転は、入力側歯車44、リングギヤ36、デファレンシャルケース35、ピニオン38、サイドギヤ39a,39bを経て、両出力軸23a,23bに伝達され、両出力軸23a,23bが回転するとともに、上記リングギヤ36と共にリターダ回転用歯車45が回転し、リターダ28が回転する。
【0014】
尚、この際、上記リングギヤ36と入力側歯車44とリターダ回転用歯車45とはそれぞれハウジング24内の潤滑油によって潤滑される。また、潤滑油は、出力軸23a,23bとデファレンシャルケース35との間の隙間を通ってデファレンシャルケース35内に流入し、その後、ピニオン軸37とデファレンシャルケース35との間の隙間を通ってデファレンシャルケース35の外部へ排出される。これにより、デファレンシャルケース35内のピニオン38とサイドギヤ39a,39bとが潤滑油によって潤滑されるとともに、デファレンシャルケース35内が冷却される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来形式では、ハウジング24内で大径のリングギヤ36と入力側歯車44とリターダ回転用歯車45とがそれぞれ高速で回転するため、ハウジング24内の潤滑油が上記ギヤ36と歯車44,45とで激しく攪拌され、攪拌損失によって潤滑油の温度が著しく上昇し、潤滑油が劣化するといった問題があった。
【0016】
また、上記ギヤ36と歯車44,45の回転によってハウジング24内の潤滑油が差動装置25の周囲に飛散してしまうため、十分な量の潤滑油がデファレンシャルケース35内に流入およびケース35内から流出せず、その結果、デファレンシャルケース35内の潤滑と冷却が不十分となり、焼き付き等のトラブルが発生する恐れがあった。
【0017】
本発明は、ハウジング内の潤滑油の劣化を防止でき、さらに、デファレンシャルケース内が十分に潤滑および冷却される動力伝達装置を備えた車両を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本第1発明は、入力軸の回転を一対の出力軸に伝達する動力伝達装置を備えた車両であって、
上記動力伝達装置は、上記入力軸と一対の出力軸とを回転自在に保持するハウジングと、ハウジング内に設けられた差動装置とで構成され、
上記差動装置は、デファレンシャルケースと、デファレンシャルケースの外側に設けられたリングギヤと、デファレンシャルケース内に遊転自在に設けられた一対のピニオンと、デファレンシャルケース内に設けられかつ上記一対のピニオンに歯合する一対のサイドギヤとで構成され、
上記入力軸に設けられた入力側歯車が上記リングギヤに歯合し、
上記一対の出力軸はそれぞれ上記サイドギヤに連結され、
上記ハウジング内に、ハウジング内の潤滑油を溜めるバッフルが設けられ、
上記バッフルは、上面が開放された箱状に形成され、かつ上記一方の出力軸とデファレンシャルケースとの下方に位置しており、
上記デファレンシャルケースの一部と一方の出力軸とが上記バッフル内に突入し、
上記デファレンシャルケースに、上記バッフル内の潤滑油をデファレンシャルケース内へ流入する流入孔と、デファレンシャルケース内の潤滑油をデファレンシャルケース内からバッフルの外部へ排出する排出孔とが形成され、
上記他方の出力軸に、デファレンシャルケース内の潤滑油をデファレンシャルケース内からバッフルの外部へ排出する排出通路が形成され、
上記ハウジングの天井部に、上記バッフルの上方に位置しかつ上記入力側歯車とリングギヤによって飛散した潤滑油をバッフルへ案内するガイド部材が設けられ、
上記入力側歯車と上記差動装置のリングギヤとは上記バッフルの外部に位置し、
上記入力軸が回転している際、上記バッフルの外部の潤滑油の油面レベルがバッフル内の潤滑油の油面レベルよりも低下するものである。
【0019】
これによると、入力軸の回転は、入力側歯車、リングギヤ、デファレンシャルケース、ピニオン、サイドギヤを経て、一対の出力軸に伝達され、出力軸が回転する。この際、上記入力側歯車とリングギヤとの回転によってハウジング内の潤滑油が飛散し、このうち、ハウジング内の天井部に飛散した潤滑油は、ガイド部材によってバッフルへ案内されて、バッフル内へ集められる。
【0020】
このようにしてバッフル内に溜まった潤滑油は、流入孔を通ってデファレンシャルケース内へ流入し、デファレンシャルケース内のピニオンやサイドギヤを潤滑および冷却した後、排出孔と排出通路とを通ってデファレンシャルケース内からバッフルの外部へ排出される。これにより、十分な量の潤滑油がデファレンシャルケース内に流入すると同時にデファレンシャルケース内から流出するため、デファレンシャルケース内の潤滑と冷却が十分に行える。
また、入力側歯車とリングギヤとの回転によってハウジング内の天井部に飛散した潤滑油はバッフル内へ集められるため、バッフルの外部の潤滑油の油面レベルがバッフル内の潤滑油の油面レベルよりも低下する。
これに対して、入力側歯車と差動装置のリングギヤとはバッフルの外部に位置しているため、バッフルの外部において、入力側歯車とリングギヤとの回転によって攪拌される潤滑油の量が減少し、その結果、攪拌損失による潤滑油の温度上昇が従来よりも抑制され、潤滑油が従来に比べて劣化し難くなる。
【0021】
本第2発明は、上記差動装置のピニオンはピニオン軸を介してデファレンシャルケース内に設けられ、
上記デファレンシャルケース内の潤滑油がデファレンシャルケースとピニオン軸との間の隙間を通って上記バッフルの外部へ排出されるものである。
【0022】
これによると、デファレンシャルケース内に流入した潤滑油は、回転するデファレンシャルケースの遠心力によって、デファレンシャルケースとピニオン軸との間の隙間を通ってバッフルの外部へ排出される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。尚、先に述べた従来のものと同一の部材については、同じ番号を付記して説明を省略する。
【0026】
図1,図2に示すように、動力伝達装置60のハウジング24内の底部には、ハウジング24内の潤滑油を溜めるバッフル61が設けられている。図3〜図6に示すように、上記バッフル61は、底板62と、底板62の前後両端部に立設された仕切板63,64と、底板62の左右両端部に立設された側板65,66とによって、上面が開放された箱状に形成されている。尚、上記一方の側板65には、上部に開放された一定半径Raの一方の切欠部67が形成され、また、他方の側板66には、上部に開放された一定半径Rbの他方の切欠部68が形成されている。また、上記両仕切板63,64の他側部の上部には、上記他方の切欠部68に連通する前後一対の切欠部69,70が形成されている。
【0027】
図2に示すように、上記バッフル61は一方の出力軸23aと保持部材42aとデファレンシャルケース35との下方に位置している。図4,図5に示すように、上記一方の出力軸23aと保持部材42aとは、上記一方の切欠部67からバッフル61内に突入している。また、図4,図6に示すように、上記デファレンシャルケース35の一側部は上記他方の切欠部68と前後一対の切欠部69,70とからバッフル61内に突入している。尚、図6に示すように、上記デファレンシャルケース35とバッフル61の他方の側板66との間には僅かな隙間しか形成されず、また、図5に示すように、上記一方の保持部材42aとバッフル61の一方の側板65との間にも僅かな隙間しか形成されていない。
【0028】
図2に示すように、上記デファレンシャルケース35の一側部には、バッフル61内の潤滑油をデファレンシャルケース35内へ流入する流入孔72が回転軸心22を中心とする円周上の複数箇所に形成されている。また、デファレンシャルケース35の他側部には、デファレンシャルケース35内の潤滑油をデファレンシャルケース35内からバッフル61の外部へ排出する排出孔73が回転軸心22を中心とする円周上の複数箇所に形成されている。上記流入孔72はバッフル61内に向いて開口しており、上記排出孔73はバッフル61の外方に向いて開口している。また、上記一方の保持部材42aには、内外に開口する貫通孔74が複数形成されている。
【0029】
また、上記他方の出力軸23bには、デファレンシャルケース35内の潤滑油をデファレンシャルケース35内からバッフル61の外部(すなわち他方の保持部材42b内)へ排出する排出通路75が形成されている。この排出通路75の一端は他方の出力軸23bの内側端部に開口し、他端は他方の出力軸23bの外周面に開口している。
【0030】
また、図3〜図7に示すように、上部カバー27の下面(ハウジング24の天井部に相当)には、入力側歯車44とリングギヤ36とリターダ回転用歯車45によって飛散した潤滑油をバッフル61(すなわち下方)へ案内するガイド部材76が設けられている。上記ガイド部材76は、回転軸心20と同方向に設けられた平板状の部材であり、バッフル61の上方に位置している。
【0031】
尚、上記リングギヤ36と入力側歯車44とリターダ回転用歯車45とはバッフル61の外部に位置している。
以下、上記構成における作用を説明する。
【0032】
エンジン6の回転駆動力によって後部第1プロペラシャフト15が回転すると、入力軸21が回転し、入力軸21の回転は、入力側歯車44、リングギヤ36、デファレンシャルケース35、ピニオン38、サイドギヤ39a,39bを経て、両出力軸23a,23bに伝達され、両出力軸23a,23bが回転し、さらに、上記リングギヤ36と共にリターダ回転用歯車45が回転し、リターダ28が回転する。
【0033】
この際、上記入力側歯車44とリングギヤ36とリターダ回転用歯車45との回転によってハウジング24内の潤滑油が飛散し、このうち、図7に示すように、上部カバー27へ飛散した潤滑油イは、上部カバー27の下面からガイド部材76の表面を伝って流れ落ち、下方のバッフル61内へ集められる。また、デファレンシャルケース35が回転軸心22周りに回転している際、デファレンシャルケース35の流入孔72がバッフル61内に入る。
【0034】
図2に示すように、バッフル61内に溜まった潤滑油イは、直接上記流入孔72からデファレンシャルケース35内に流れ込むとともに、貫通孔74から一方の出力軸23aと一方の保持部材42aとの間の隙間77を経て一方のテーパーローラベアリング40aを通り抜けた後、上記流入孔72からデファレンシャルケース35内に流れ込み、デファレンシャルケース35内のピニオン38やサイドギヤ39a,39bを潤滑および冷却する。その後、デファレンシャルケース35内の潤滑油イは、排出孔73を通ってバッフル61の外部へ排出されるとともに、排出通路75を通り他方のテーパーローラベアリング40bを通り抜けてバッフル61の外部へ排出され、さらに、回転するデファレンシャルケース35の遠心力によって、デファレンシャルケース35とピニオン軸37との間の隙間78を通ってバッフル61の外部へ排出される。
【0035】
これにより、十分な量の潤滑油がデファレンシャルケース35内に流入すると同時にデファレンシャルケース35内から流出するため、デファレンシャルケース35内の潤滑と冷却が十分に行える。
【0036】
また、上述したように、上部カバー27へ飛散した潤滑油はバッフル61内へ集められるため、図7に示すように、バッフル61の外部の潤滑油イの油面レベルH1がバッフル61内の潤滑油イの油面レベルH2よりも低下する。これに対して、入力側歯車44とリングギヤ36とリターダ回転用歯車45とはバッフル61の外部に位置しているため、バッフル61の外部において、上記入力側歯車44とリングギヤ36とリターダ回転用歯車45との回転によって攪拌される潤滑油の量が減少し、その結果、攪拌損失による潤滑油の温度上昇が従来よりも抑制され、潤滑油が従来に比べて劣化し難くなる。
【0037】
尚、図8に示したグラフは、エンジン6の回転数が一定の場合における経過時間(分)とハウジング24内の潤滑油の油温(℃)との関係を示しており、Aは上記バッフル61等を備えた上記実施の形態の動力伝達装置60に該当し、Bはバッフル61等を備えていない上記従来の動力伝達装置12に該当している。これによると、Aの動力伝達装置60の潤滑油の油温はBの動力伝達装置12の潤滑油の油温よりも低く、これにより、潤滑油の温度上昇が従来よりも抑制されているのがわかる。
【0038】
上記実施の形態では、図3,図7に示すように、上部カバー27の下面に、平板状のガイド部材76を1枚設けているが、複数枚設けてもよい。また、上部カバー27の下面以外、例えばハウジング本体26の内側面等に設けてもよい。また、平板状に限定されるものではなく、他の形状であってもよい。
【0039】
上記実施の形態では、図1に示すように、リターダ28とリターダ用回転軸29とリターダ回転用歯車45とを設けたが、これらを設けないものであってもよい。
【0040】
上記実施の形態では、車両の一例として土砂運搬用の車両1を挙げたが、他の形式の車両、例えばホイールローダ等であってもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、十分な量の潤滑油がデファレンシャルケース内に流入すると同時にデファレンシャルケース内から流出するため、デファレンシャルケース内の潤滑と冷却が十分に行え、さらに、潤滑油の温度上昇が従来よりも抑制され、潤滑油が従来に比べて劣化し難くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における動力伝達装置の内部構成を示す平面図である。
【図2】同、動力伝達装置の内部構成を示す一部拡大平面図である。
【図3】同、動力伝達装置のバッフルとガイド部材とを示した平面図である。
【図4】同、動力伝達装置のバッフルの縦断面図である。
【図5】図4におけるX−X矢視図である。
【図6】図4におけるY−Y矢視図である。
【図7】図2におけるX−X矢視図である。
【図8】本発明の実施の形態における動力伝達装置のハウジング内の潤滑油の油温と従来の動力伝達装置のハウジング内の潤滑油の油温とを比較したグラフである。
【図9】従来の動力伝達装置を備えた車両の側面図である。
【図10】従来の車両の回転駆動力の伝達経路を示す平面図である。
【図11】従来の動力伝達装置の内部構成を示す平面図である。
【符号の説明】
1 運搬用車両
21 入力軸
23a,23b 出力軸
24 ハウジング
25 差動装置
35 デファレンシャルケース
36 リングギヤ
37 ピニオン軸
38 ピニオン
39a,39b サイドギヤ
44 入力側歯車
60 動力伝達装置
61 バッフル
72 流入孔
73 排出孔
75 排出通路
76 ガイド部材

Claims (2)

  1. 入力軸の回転を一対の出力軸に伝達する動力伝達装置を備えた車両であって、
    上記動力伝達装置は、上記入力軸と一対の出力軸とを回転自在に保持するハウジングと、ハウジング内に設けられた差動装置とで構成され、
    上記差動装置は、デファレンシャルケースと、デファレンシャルケースの外側に設けられたリングギヤと、デファレンシャルケース内に遊転自在に設けられた一対のピニオンと、デファレンシャルケース内に設けられかつ上記一対のピニオンに歯合する一対のサイドギヤとで構成され、
    上記入力軸に設けられた入力側歯車が上記リングギヤに歯合し、
    上記一対の出力軸はそれぞれ上記サイドギヤに連結され、
    上記ハウジング内に、ハウジング内の潤滑油を溜めるバッフルが設けられ、
    上記バッフルは、上面が開放された箱状に形成され、かつ上記一方の出力軸とデファレンシャルケースとの下方に位置しており、
    上記デファレンシャルケースの一部と一方の出力軸とが上記バッフル内に突入し、
    上記デファレンシャルケースに、上記バッフル内の潤滑油をデファレンシャルケース内へ流入する流入孔と、デファレンシャルケース内の潤滑油をデファレンシャルケース内からバッフルの外部へ排出する排出孔とが形成され、
    上記他方の出力軸に、デファレンシャルケース内の潤滑油をデファレンシャルケース内からバッフルの外部へ排出する排出通路が形成され、
    上記ハウジングの天井部に、上記バッフルの上方に位置しかつ上記入力側歯車とリングギヤによって飛散した潤滑油をバッフルへ案内するガイド部材が設けられ、
    上記入力側歯車と上記差動装置のリングギヤとは上記バッフルの外部に位置し、
    上記入力軸が回転している際、上記バッフルの外部の潤滑油の油面レベルがバッフル内の潤滑油の油面レベルよりも低下することを特徴とする動力伝達装置を備えた車両。
  2. 上記差動装置のピニオンはピニオン軸を介してデファレンシャルケース内に設けられ、
    上記デファレンシャルケース内の潤滑油がデファレンシャルケースとピニオン軸との間の隙間を通って上記バッフルの外部へ排出されることを特徴とする請求項1記載の動力伝達装置を備えた車両。
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