JP4479716B2 - 担持ルテニウムの再生方法および塩素の製造方法 - Google Patents

担持ルテニウムの再生方法および塩素の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ルテニウム化合物や金属ルテニウムの如きルテニウム成分が担体に担持されてなる担持ルテニウムを製造する方法に関する。また、本発明は、この方法により製造された担持ルテニウムを触媒に用いて塩化水素を酸素で酸化することにより、塩素を製造する方法にも関係している。
ルテニウム化合物や金属ルテニウムの如きルテニウム成分が担体に担持されてなる担持ルテニウムは、塩化水素を酸素で酸化する反応に対して高い触媒活性を示すことから、塩素製造用触媒として好ましく用いられるが(例えば特許文献1〜5参照)、原料のルテニウム化合物が高価であり、また、使用中にルテニウム成分のシンタリングなどにより触媒活性が徐々に低下して、やがては取り替えが必要となるため、担持ルテニウムを触媒に用いる塩素の製造においては、触媒コストの削減が重要な課題となる。
この触媒コストを削減するための一処方として、担持ルテニウムの触媒活性の持続性、すなわち触媒寿命を向上させて、使用開始から取り替えまでの期間を延ばすことが挙げられ、例えば、特開2002−79093号公報(特許文献6)には、550℃以上で焼成したルチル型の結晶構造を有する酸化チタンを担体に用いることにより、担持酸化ルテニウムの触媒寿命を向上させることが提案されている。また、特開2004−181408号公報(特許文献7)には、担持酸化ルテニウムの比表面積を13〜16m2/gに制御することにより、その触媒寿命を向上させることが提案されている。
特開平9−67103号公報 特開平10−194705号公報 特開2000−229239号公報 特開2000−254502号公報 特開2000−281314号公報 特開2002−79093号公報 特開2004−181408号公報
しかしながら、特許文献6や7に開示の如き、担持ルテニウムの触媒寿命の向上には、限界があることが否めない。そこで、本発明者は、担持ルテニウムを触媒に用いる塩素の製造において、触媒寿命の向上とは別の観点から、触媒コストを削減すべく、鋭意研究を行った結果、塩素の製造に触媒として使用した担持ルテニウムからルテニウム化合物を回収し、これを担持ルテニウムの製造に再使用することにより、担持ルテニウムを低コストで製造することができ、こうして得られる担持ルテニウムを塩素の製造に触媒として再使用することにより、塩素を低コストで製造しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、塩化水素を酸素で酸化して塩素を製造する際に触媒として使用した担持ルテニウムからルテニウム化合物を回収し、該ルテニウム化合物を担体に担持することにより、担持ルテニウムを製造する方法を提供するものである。
また、本発明によれば、上記方法により担持ルテニウム触媒を製造し、該担持ルテニウムの存在下に塩化水素を酸素で酸化することにより、塩素を製造する方法も提供される。
本発明によれば、担持ルテニウムを低コストで製造することができ、こうして得られる担持ルテニウムを触媒に用いることにより、塩素を低コストで製造することができる。
本発明が対象とする担持ルテニウムは、ルテニウム成分が担体に担持されてなるものであり、このルテニウム成分は、ルテニウム化合物であってもよいし、金属ルテニウムであってもよく、また、ルテニウム化合物と金属ルテニウムが併用されていてもよい。ルテニウム成分がルテニウム化合物である場合、その例としては、RuO2、RuO(OH)、RuO(OH)2、Ru(OH)3、Ru(OH)4の如き酸化物ないし水酸化物、RuCl3、RuBr3の如きハロゲン化物、K2RuO4の如きオキソ酸塩、Ru2OCl4、Ru2OCl5、Ru2OCl6の如きオキシハロゲン化物、K2[RuCl5(NO)]、[Ru(NH3)5(NO)]Cl3、[Ru(OH)(NH3)4(NO)](NO3)2、[Ru(NO)](NO3)3の如きニトロシル錯体などが挙げられる。中でも、酸化物が担体に担持されてなる担持酸化ルテニウムが、本発明の対象として好適である。なお、ルテニウム化合物としては、必要に応じて、その水和物を使用してもよいし、また、それらの2種以上を使用してもよい。
担体としては、例えば、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、ニオブから選ばれる元素の酸化物ないし複合酸化物や、活性炭などが挙げられ、必要によりそれらの2種以上の混合物を用いてもよい。中でも、アルミナ、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウムが好ましく用いられ、特にルチル型の結晶構造を有する酸化チタンが好ましく用いられる。
ルテニウム化合物が担体に担持されてなる担持ルテニウム化合物は、例えば、担体にルテニウム化合物の溶液を含浸させる方法や、担体をルテニウム化合物の溶液に浸漬して、ルテニウム化合物を担体に吸着させる方法などにより製造することができる。また、金属ルテニウムが担体に担持されてなる担持金属ルテニウムは、例えば特許文献3〜6に開示の如く、担持ルテニウム化合物を還元処理することにより好適に製造することができる。
さらに、酸化ルテニウムが担体に担持されてなる担持酸化ルテニウムは、担持酸化ルテニウム以外の担持ルテニウム化合物や担持金属ルテニウムを、酸素含有ガスの雰囲気下に焼成することにより好適に製造することができ、より好適には、ルテニウム化合物としてハロゲン化物、特に塩化物が担体に担持されてなる担持ハロゲン化ルテニウムを、酸素含有ガスの雰囲気下に焼成することにより製造することができる。ここで、酸素含有ガスとしては、空気を使用してもよいし、純酸素を使用してもよい。また、これらを必要により窒素やヘリウムなどの不活性ガスで希釈して使用してもよいが、この場合、その酸素濃度は5容量%以上とするのがよい。焼成温度は通常100〜500℃、好ましくは200〜400℃である。また、焼成時間は通常1〜50時間程度である。
担持ルテニウムにおけるルテニウム成分/担体の重量比は、通常0.1/99.9〜20/80、好ましくは0.5/99.5〜15/85であり、この範囲になるように原料のルテニウム化合物と担体の使用割合を調整すればよい。ルテニウム成分があまり少ないと触媒活性が十分でないことがあり、あまり多いとコスト的に不利となる。なお、ルテニウム成分が酸化ルテニウムである場合、好ましくは、酸化ルテニウムにおけるルテニウムの酸化数は+4であり、酸化ルテニウムとしては二酸化ルテニウム(RuO2)であるが、他の酸化数のルテニウムないし他の形態の酸化ルテニウムが含まれていてもよい。
こうして製造される担持ルテニウムは、塩化水素を酸素で酸化して塩素を製造するための触媒として、高い活性を示す。この酸化反応は、反応器内に触媒の担持ルテニウムを固定床又は流動床として存在させ、ここに塩化水素及び酸素を含む原料ガスを供給しながら、塩素を含む生成ガスを抜き出すことによる連続式反応により、好適に行うことができる。
この酸化反応の反応温度は通常100〜500℃、好ましくは200〜450℃である。また、反応圧力は通常0.1〜5MPa程度である。酸素源としては、空気を使用してもよいし、純酸素を使用してもよい。塩化水素に対する酸素の理論モル量は1/4モルであるが、通常、この理論量の0.1〜10倍の酸素が使用される。また、塩化水素の供給速度は、触媒1Lあたりのガス供給速度(L/h;0℃、1気圧換算)、すなわちGHSVで表して、通常10〜20000h-1程度である。
上記の如く担持ルテニウムを触媒に用いて塩素の製造を行うと、通常、運転時間の経過につれて、ルテニウム成分のシンタリングなどにより、担持ルテニウムの触媒活性が徐々に低下していく。また、運転中の操作ミスや機器の不具合などにより、担持ルテニウムが不可逆性の被毒を受けて、再生不可能となったり、物理的な形状変化を起こして、触媒層に著しい圧力損失が生じたりするというアクシデントも起こりうる。そして、こうして所定の触媒性能を維持できなくなった担持ルテニウムは、廃触媒として処理して、新しいものと取り替える必要があるが、この廃触媒には、高価なルテニウム成分が含まれているため、これを回収して再利用することは、コストの点で極めて有効である。そこで、本発明では、塩素の製造に触媒として使用した担持ルテニウムからルテニウム化合物を回収し、これを担持ルテニウムの製造に再使用する。このように使用済み触媒由来の安価なルテニウム原料を用いることにより、担持ルテニウムを低コストで製造することができる。
また、市販されているルテニウム化合物は、高価であるのみならず、その原料の由来や製造方法、精製方法などによっては、金属成分などの不純物、例えば、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金、金、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、カルシウム、鉄、銅、亜鉛などの各成分を含んでいることがあり、このようなルテニウム化合物を用いて担持ルテニウムを製造すると、不純物の種類や量によっては、塩素製造用触媒としての性能が十分に得られないことがある。このため、市販されているルテニウム化合物を用いて担持ルテニウムを製造するにあたっては、該ルテニウム化合物中の不純物を厳密に管理するため、様々な規格分析が必要となり、さらなる精製が必要となることもある。これに対し、塩素製造用触媒として十分な性能を有していた実績のある使用済みの担持ルテニウムからルテニウム化合物を回収し、これを用いて担持ルテニウムを製造する場合、回収操作において不純物の混入を避けさえすれば、該回収ルテニウム化合物が不純物に関し所定の規格を満たしていることは、かなりの確度で確信できるので、その厳密な管理を省略することができ、容易で安定した担持ルテニウムの製造が可能となる。なお、この点は、塩素製造用触媒として使用した担持ルテニウム以外のルテニウム材料、例えば、電子デバイスの薄膜電極の如き電子材料や、塩素製造用触媒以外の触媒の如き機能材料などからルテニウム化合物を回収し、これを用いて担持ルテニウムを製造する場合と比較しても同様であり、これらルテニウム材料には、上記の如き金属成分などが意図的に共用成分として使用されることも多いため、そこから回収されたルテニウム化合物については、不純物の厳密な管理が必要となる。
担持ルテニウムからのルテニウム化合物の回収には、例えば、特開昭58−194745号公報、特開昭61−6131号公報、特開昭62−96322号公報、特開昭62−256930号公報、特開昭62−287025号公報などに開示の如き、公知のルテニウム回収法を適用することができ、一旦、金属ルテニウムとして回収した後、ルテニウム化合物に変換してもよい。また、回収したルテニウム化合物を、必要により金属ルテニウムを経て、別のルテニウム化合物に変換してもよい。そして、こうして回収されるルテニウム化合物は、ハロゲン化物であるのが好ましく、特に塩化物であるのが好ましい。
例えば、特開昭58−194745号公報に開示の方法を適用する場合、担持金属ルテニウムをそのまま、又は担持ルテニウム化合物を還元処理して、ルテニウム成分を金属ルテニウムとした後、塩素ガス又は酸化性の塩素化合物を含むアルカリ溶液中で金属ルテニウムをルテニウム酸アルカリとして担体から溶離させればよい。そして、こうして得られるルテニウム酸アルカリの溶液を加熱しながら、ここに塩素ガスを吹き込むことにより、ルテニウムを酸化揮発させて塩酸に吸収させ、次いで、この溶液を濃縮乾固することにより、塩化ルテニウムを得ることができる。
また、特開昭61−6131号公報に開示の方法を適用する場合、担持酸化ルテニウムをそのまま、又は担持酸化ルテニウム以外の担持ルテニウム化合物や担持金属ルテニウムを酸化焙焼して、ルテニウム成分を酸化ルテニウムとした後、濃硫酸とともに加熱して、担体(酸化物)を硫酸塩に変換した後、希硫酸に溶解し、酸化ルテニウムを分離、回収すればよい。そして、こうして得られる酸化ルテニウムを、先に述べた特開昭58−194745号公報に開示の方法に準じて、金属ルテニウムへの還元、ルテニウム酸アルカリとしての溶出、酸化揮発、塩酸吸収、濃縮乾固の順に処理することにより、塩化ルテニウムを得ることができる。
また、特開昭62−96322号公報に開示の方法を適用する場合、担持ルテニウムをカーボンの存在下に加熱しながら、ここに塩素ガスを流して、担体(酸化物)を塩化物にして蒸発分離すればよい。そして、こうして得られる金属ルテニウムを、先に述べた特開昭58−194745号公報に開示の方法に準じて、ルテニウム酸アルカリとしての溶出、酸化揮発、塩酸吸収、濃縮乾固の順に処理することにより、塩化ルテニウムを得ることができる。
また、特開昭62−256930号公報に開示の方法を適用する場合、担持ルテニウムをカーボン又は一酸化炭素の存在下に加熱しながら、ここに塩素ガスを流して、担体(酸化物)を塩化物とし、ルテニウム成分を塩化ルテニウムとし、両者を蒸気圧差により分離すれば、塩化ルテニウムを得ることができる。なお、同公報は、この塩化ルテニウムを、不活性ガスを流しながら加熱して、金属ルテニウムに解離させることを開示するが、こうして得られる金属ルテニウムを、先に述べた特開昭58−194745号公報に開示の方法に準じて、ルテニウム酸アルカリとしての溶出、酸化揮発、塩酸吸収、濃縮乾固の順に処理することにより、より純度の高い塩化ルテニウムを得ることができる。
また、特開昭62−287025号公報に開示の方法を適用する場合、担持ルテニウムを酸化焙焼した後、水酸化アルカリと共に溶融し、次いで、遊離塩素を含む水酸化アルカリ水溶液により抽出すればよい。そして、こうして得られるルテニウム酸アルカリの溶液を、先に述べた特開昭58−194745号公報に開示の方法に準じて、酸化揮発、塩酸吸収、濃縮乾固の順に処理することにより、塩化ルテニウムを得ることができる。
以上のようにして回収したルテニウム化合物を、先に述べた如く、担体に担持することにより、担持ルテニウムを低コストで製造することができる。具体的には、先の述べたとおり、担持ルテニウム化合物は、例えば、担体にルテニウム化合物の溶液を含浸させる方法や、担体をルテニウム化合物の溶液に浸漬して、ルテニウム化合物を担体に吸着させる方法などにより製造することができる。また、担持金属ルテニウムは、担持ルテニウム化合物を還元処理することにより好適に製造することができる。さらに、担持酸化ルテニウムは、担持酸化ルテニウム以外の担持ルテニウム化合物や担持金属ルテニウムを、酸素含有ガスの雰囲気下に焼成することにより好適に製造することができる。なお、原料のルテニウム化合物の全てが、回収したルテニウム化合物である必要はないが、その割合があまり低いと、本発明の効果を損なうので、その割合は、原料のルテニウム化合物全体の重量を基準に、30%以上、好ましくは50%以上とするのがよい。
そして、こうして製造された担持ルテニウムを、先に述べた如く、塩化水素を酸素で酸化する反応の触媒として用いることにより、塩素を低コストで製造することができる。なお、上記同様、触媒の担持ルテニウムの全てが、回収したルテニウム化合物を原料に用いて製造した担持ルテニウムである必要はないが、その割合があまり低いと、本発明の効果を損なうので、その割合は、触媒の担持ルテニウム全体の重量を基準に、30%以上、好ましくは50%以上とするのがよい。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。例中、使用量ないし含有量を表す部及び%は、特記ない限り重量基準である。
(a−1)触媒1の調製
酸化チタン〔堺化学(株)製のSTR−60R、100%ルチル型〕34部とα−アルミナ〔住友化学(株)製のAES−12〕66部とを混合し、次いで純水を加えて混練した。この混練物を直径1.5mmφの円柱状に押出し、乾燥した後、長さ2〜4mm程度に破砕した。得られた成型体を空気中、約600℃で3時間焼成し、酸化チタンとα−アルミナの混合物からなる担体を得た。この担体に、市販の塩化ルテニウム水和物の水溶液を含浸し、乾燥した後、空気中、250℃で2時間焼成することにより、酸化ルテニウムが1%の担持率で上記担体に担持されてなる担持酸化ルテニウムを得、これを触媒1とした。
(a−2)触媒2の調製
酸化チタン〔堺化学(株)製のSTR−60R、100%ルチル型〕34部とα−アルミナ〔住友化学(株)製のAES−12〕66部とを混合し、次いで純水を加えて混練した。この混練物を直径1.5mmφの円柱状に押出し、乾燥した後、長さ2〜4mm程度に破砕した。得られた成型体を空気中、700〜730℃で3時間焼成し、酸化チタンとα−アルミナの混合物からなる担体を得た。この担体に、市販の塩化ルテニウム水和物の水溶液を含浸し、乾燥した後、空気中、250℃で2時間焼成することにより、酸化ルテニウムが2%の担持率で上記担体に担持されてなる担持酸化ルテニウムを得、これを触媒2とした。
(a−3)触媒3の調製
酸化チタン〔堺化学(株)製のSTR−60R、100%ルチル型〕50部とα−アルミナ〔住友化学(株)製のAES−12〕50部とを混合し、次いでこの混合物100部に対し酸化チタンゾル〔堺化学(株)製のCSB、酸化チタン39%含有〕12.8部を純水で希釈し、混練した。この混練物を直径1.5mmφの円柱状に押出し、乾燥した後、長さ2〜4mm程度に破砕した。得られた成型体を空気中、650〜680℃で3時間焼成し、酸化チタンとα−アルミナの混合物からなる担体を得た。この担体に、市販の塩化ルテニウム水和物の水溶液を含浸し、乾燥した後、空気中、250℃で2時間焼成することにより、酸化ルテニウムが4%の担持率で上記担体に担持されてなる担持酸化ルテニウムを得、これを触媒3とした。
(b)触媒3の評価
上記(a−3)で調製した触媒3の内1.0gを、直径2mmのα−アルミナ球〔ニッカトー(株)製のSSA995〕12gで希釈し、ニッケル製反応管(内径14mm)に充填し、さらに反応管のガス入口側に上と同じα−アルミナ球12gを予熱層として充填した。この中に、塩化水素ガスを0.214mol/h(0℃、1気圧換算で4.8L/h)、及び酸素ガスを0.107mol/h(0℃、1気圧換算で2.4L/h)の速度で常圧下に供給し、触媒層を282〜283℃に加熱して反応を行った。反応開始1.5時間後の時点で、反応管出口のガスを30%ヨウ化カリウム水溶液に流通させることによりサンプリングを20分間行い、ヨウ素滴定法により塩素の生成量を測定し、塩素の生成速度(mol/h)を求めた。この塩素の生成速度と上記の塩化水素の供給速度から、下式より塩化水素の転化率を計算した結果、16.4%であった。
塩化水素の転化率(%)=〔塩素の生成速度(mol/h)×2÷塩化水素の供給速度(mol/h)〕×100
(c)塩素の製造
上記(a−1)で調製した触媒1、上記(a−2)で調製した触媒2、及び上記(a−3)で調製した触媒3を、多環式熱交換型反応器に、入口側から出口側に向けて触媒1/触媒2/触媒3=13/36/51(重量比)の割合で充填し、ここに塩化水素ガス66mol%及び酸素ガス29mol%を含有する原料ガスを約200℃に加熱して供給することにより、塩化水素の酸化反応を14600時間連続して行った。この間、シェル側の熱媒の温度は、触媒の劣化と共に、260℃(開始時)から364℃(終了時)までゆっくりと昇温させることにより、塩化水素の転化率を約80〜90%(平均約85%)に保った。
(d)使用済み触媒3の評価
上記(c)で使用後の触媒3を、上記(b)と同様に評価し、塩化水素の転化率を求めた結果、8.6%であった。
(e)使用済み触媒3からの塩化ルテニウムの回収
上記(c)で使用後の触媒3(ルテニウム3.2%含有)を150μm以下に粉砕し、電気マッフル炉にて空気中、200℃で1時間保持して焼成した後、放冷し、取り出した。この焼成済みの固体を水素ガス気流中、450℃で1時間保持して還元処理した後、水素ガス雰囲気下で放冷し、次いで窒素ガスにて水素ガスを置換した後、100℃以下で大気下に取り出した。この還元済みの固体10部に有効塩素濃度12.5%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液26.7部と25%の水酸化ナトリウム水溶液3.3部の混合溶液を加え、撹拌しながら70℃で1時間保持した。冷却後、濾過し、濾液の混合溶液を加熱しながら、塩素ガスを吹き込むことにより、ルテニウムを酸化揮発させて塩酸に吸収させ、次いで、この溶液を濃縮乾固することにより、塩化ルテニウム水和物を得た。得られた塩化ルテニウム水和物に含まれる不純物を誘導結合高周波プラズマ(ICP)分光分析で定量し、ルテニウムに対する重量比を求めた結果、ナトリウムが38ppm、マグネシウムが5ppm、カルシウムが25ppm、鉄が5ppm〔アルミニウム、ケイ素、銅、亜鉛、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金、金は検出限界値(2ppm)未満〕であった。
(f)触媒の再調製
上記(a−3)と同様の方法で調製した酸化チタンとα−アルミナの混合物からなる担体20.0gに、上記(e)で回収した塩化ルテニウム水和物(ルテニウム含量40.1%)1.579gの水溶液を含浸し、乾燥した後、空気中、250℃で2時間焼成することにより、酸化ルテニウムが4%の担持率で上記担体に担持されてなる担持酸化ルテニウムを得た。
(g)再調製した触媒の評価
上記(f)で再調製した担持酸化ルテニウムを、上記(b)と同様に評価し、塩化水素の転化率を求めた結果、18.1%であった。

Claims (4)

  1. 塩化水素を酸素で酸化して塩素を製造する際に触媒として使用した担持ルテニウムを還元処理した後、酸化性の塩素化合物を含むアルカリ溶液と混合し、濾過して得られた溶液に塩素ガスを吹き込むことにより、ルテニウムを酸化揮発させて塩酸に吸収させ、次いで、この溶液を濃縮乾固することにより塩化ルテニウムを回収し、該塩化ルテニウムを担体に担持することを特徴とする、塩素製造用担持ルテニウムの再生方法
  2. 担持ルテニウムが担持酸化ルテニウムであり、回収された前記塩化ルテニウムを担体に担持した後、酸素含有ガスの雰囲気下に焼成する請求項1に記載の方法。
  3. 塩化水素を酸素で酸化して塩素を製造する際に触媒として使用した担持ルテニウムを150μm以下に粉砕し、空気中で焼成した後に還元処理を行う請求項1又は2に記載の方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法により担持ルテニウムを製造し、該担持ルテニウムの存在下に塩化水素を酸素で酸化する、塩素の製造方法。
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