JP4478953B2 - パンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パン生地の混捏工程で原料粉として難消化性澱粉を添加するパンの製造方法に関する。
一般に、難消化性澱粉(レジスタントスターチ)は「健康な人の小腸内で消化,吸収されない澱粉及び部分分解物の総称」と定義され、食物繊維又は類似の性質を有していることが知られており、近年、その生理的意義が注目されている。難消化性澱粉が注目される理由には、(イ)近年の食生活の洋風化に伴い、肥満症などの生活習慣病の予防因子である食物繊維の摂取量が低下傾向にあること、(ロ)更に近年の研究で、食後の血糖値上昇が大きく長く継続することにより、体重の増加だけでなく肥満,糖尿病などの生活習慣病のリスクがアップすることが知られるようになり、その指標であるGI値(グリセミックインデックス)に対する消費者の認知度が高まっているが、難消化性澱粉を添加することによりGI値の低減が図られる等が挙げられる。
そして、健康志向やダイエットブームを背景にし、難消化性澱粉の整腸作用、便通作用、血糖値上昇抑制作用、コレステロール低下作用、脂肪蓄積抑制作用等を利用することを目的として、有効な難消化性澱粉の開発とともに、パン生地に難消化性澱粉を添加するパンの製法が検討されている。
従来から、パンの製造方法においては、パン生地の混捏工程で小麦粉の一部を各種の澱粉に置き換えて添加する技術が存在する。例えば、小麦粉の一部をα化澱粉に置き換えることにより、α化澱粉の保水性を利用して、しっとりした柔らかいパンを製造する方法(特許文献1参照)や、同じくある種の化工澱粉を添加することにより、もちもちした弾力感と歯ごたえのあるパンを製造する方法(特許文献2参照)や、同じく化工澱粉を添加することにより、歯切れが良好な軽い食感のパンを製造する方法(特許文献3参照)等々である。
また、従来においては、パン生地の混捏工程で小麦粉の一部を難消化性澱粉に置き換えて添加するパンの製法も開発されている(特許文献4乃至10参照)。
具体的には、例えば、アミロース含量が30重量%以上の澱粉を耐圧性密閉容器内で減圧してから、蒸気等によって加圧状態下で湿熱処理することにより得られ、食物繊維含量が30重量%以上である澱粉素材の技術がある(特許文献4,5参照)。
また、約80%以上のアミロース含量を有し、化学的に修飾されていないトウモロコシ耐性澱粉を含有する食物繊維を高含量で含むパン等の食品組成物の技術がある(特許文献6参照)。
更に、40重量%以上のアミロース含有率および10〜80重量%の湿分含有率を有する高アミロース澱粉を60〜160℃の温度で加熱することにより得られ、12%以上の食物繊維含有率の耐性粒状澱粉の技術がある(特許文献7参照)。
更にまた、ジャガイモ、タピオカ、トウモロコシ等の澱粉をα―アミラーゼ等の澱粉分解酵素によって部分的に加水分解して得た中間生成物、又は澱粉顆粒の水懸濁液をゲル化温度下で酸で処理した酸希釈澱粉を温水に溶解し、イソアミラーゼ、プルラナーゼ等の酵素によって脱分枝化し、老化させてから、酵素を不活性化し、若しくは酵素を不活性化してから老化させ、噴霧乾燥して得られる難消化性澱粉の技術がある(特許文献8,9参照)。
また、澱粉を澱粉分解酵素で限定加水分解した後、脱分枝化酵素を加えて反応させることにより得られる、アミロース含量10〜30%を有する水不溶性難消化性澱粉の技術がある(特許文献10参照)。
更には、難消化性澱粉とは異なる素材であるが、上記難消化性澱粉と同様の作用・効果を奏することが期待される素材として水溶性難消化性デキストリンが開発され、且つこれをパン生地の混捏工程で小麦粉の一部に置き換えて添加するパンの製法が開発されてきている(特許文献11乃至14参照)。
特開昭62−104536号公報 特開平10−295253号公報 特開平11−9174号公報 特開平10−195104号公報 特開平10−195105号公報 特表平8−504583号公報 特開平9−12601号公報 特開平10−191931号公報 特開平8−56690号 特開2004−290176号公報 特開平4−51840号公報 特開平10−243777号公報 特開2001−45960号公報 特開平6−70670号公報
ところで、この難消化性澱粉を添加する製法においては、該製法によるパンに前記難消化性澱粉の各種の作用に由来する効能・効果の奏功を期待するためには、多量の難消化性澱粉を添加する必要がある。
しかし、このように多量の難消化性澱粉を添加すると、混捏したパン生地の小麦蛋白質量の割合が小さくなるために、パン生地から伸展性、膨張性および弾力性が失われ、オーブンスプリング(窯伸び)の小さいパン生地となる。従って、このパン生地を焼成したパンは、ボリュームが小さく、形状が安定せずに均一性を欠き、またクラストに亀裂が発生したりするという問題があった。
さらに、多量の難消化性澱粉を添加すると、焼成したパンは、すえたような澱粉臭が強くなり、また小麦粉醗酵風味を欠くようになる等の問題もある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、多量の難消化性澱粉を添加したとしても、混捏したパン生地から伸展性、膨張性および弾力性が失われることに起因して、このパン生地を焼成したパンの形状が安定せずに均一性を欠いたり、またはクラストに亀裂が発生したりすることを抑制するパンの製造方法を提供することを目的としている。
また、本発明は、当該課題を解決するために、多量の難消化性澱粉を添加するとともに、活性グルテンを添加することにより、焼成したパンの弾力が強く、かつ食感が重くなることを防止することを目的としてなされたものである。
このような目的を達成するための本発明のパンの製造方法は、パン生地の混捏工程で原料粉として小麦粉および難消化性澱粉を添加するパンの製造方法において、該小麦粉の一部として小麦蛋白質量が13.5質量%を超える高蛋白質含有量の超強力粉を添加し、また、活性グルテンおよびグリアジンのうち少なくとも活性グルテンを添加し、好ましくは活性グルテンおよびグリアジンの両者を添加するとともに、架橋澱粉および/または増粘剤含有油脂を添加する構成としている。
これにより、多量の難消化性澱粉を添加することにより生じる混捏したパン生地の小麦蛋白質量の不足分の大部分を補うことができるようになる。即ち、多量の難消化性澱粉を添加しても、超強力粉の添加により混捏したパン生地は伸展性、膨張性および弾力性を維持し、このパン生地を焼成したパンにおいては、ボリュームが小さくなり、形状が安定せずに均一性を欠いたり、またはクラストに亀裂が発生したりすることが防止され、または抑制される。
また、活性グルテンを添加したので、超強力粉を併用する構成等と相俟って、多量の難消化性澱粉を添加して混捏したパン生地の小麦蛋白質量の不足分を補うことにより、該パン生地の弾力性を回復することがより確実に可能となる。即ち、活性グルテンを添加することにより、混捏したパン生地に伸展性、膨張性および弾力性を付与し、このパン生地を焼成したパンは、ボリュームがあり、形状が均一で安定し、またクラストに亀裂が発生することなくきれいな外観を有するようになる。また、適宜量のグリアジンを併用することが望ましく、この場合は、活性グルテンだけを添加することにより、焼成したパンが強い弾力感と引きを感じさせるタフな食感となり、硬くて歯切れが悪くなり、口当たりが重くなり、また口溶けが悪くなるのを回避することができるようになる。
また、上記の活性グルテンを添加した弊害として、焼成したパンの引きや弾力が強くて歯切れも悪く、かつ口当たりや食感がタフで重くなってくるが、本発明では、架橋澱粉および/または増粘剤含有油脂を添加したので、この弊害が解消され、焼成したパンを引きのない歯切れが良好で、かつ食感も軽いものにするとともに、口溶けを良好にし、口当たり及び食感をソフトで柔らかいものにすることができる。
この場合、架橋澱粉および増粘剤含有油脂の両者を併用して添加することが望ましい。両者を併用して添加することにより、焼成したパンを引きのない歯切れが良好で、かつ口当たりおよび食感も軽く、またソフトで柔らかいものにすることができるようになる。特に、両者を併用して添加すると、焼成したパンがソフトなものになることから、両者のいずれかを単独で添加した場合よりも、焼成したパンの歯切れの良さやサクみがより感じられるようになり望ましい。
そして、必要に応じ、前記増粘剤含有油脂は、さらに乳化剤を含有する構成としている。こうすることにより、増粘剤を油脂中で沈殿することなく均一に分散させることができるし、また、焼成したパンの老化を抑制することができるため望ましい。
また、必要に応じ、前記難消化性澱粉は前記原料粉全体に対して10質量%〜40質量%の量を添加する構成としている。こうすることにより、パンに、難消化性澱粉を使用する効能・効果を奏するとともに、パンに多量の難消化性澱粉を添加することから生じる前記弊害を解消することができるようになる。
更に、必要に応じ、前記超強力粉は前記小麦粉のうち4質量%〜13質量%の量を使用する構成としている。これにより、活性グルテン、好ましくはさらにグリアジンを添加する構成と相まって、多量の難消化性澱粉を添加して混捏したパン生地の小麦蛋白質量の不足分を補うことが、より確実に実現されるようになる。すなわち、多量の難消化性澱粉を添加しても、混捏したパン生地は伸展性、膨張性および弾力性を維持し、このパン生地を焼成したパンは、ボリュームが小さくなり、形状が安定せずに均一性を欠いたり、またはクラストに亀裂が発生したりすることを防止し、または抑制することができるようになる。
更にまた、必要に応じ、前記活性グルテンは、前記パン生地を構成する前記原料粉に対し1質量%以上の量を添加する構成としている。この活性グルテンの量の添加により、確実にパン生地の弾力性を回復させることができる。
また、必要に応じ、前記架橋澱粉は、前記パン生地を構成する前記原料粉に対して0.1質量%〜3質量%の量を添加する構成としている。この架橋澱粉の量の添加により、確実に活性グルテンを添加することによる前記弊害が除去される。
更に、必要に応じ、前記増粘剤含有油脂は、前記パン生地を構成する前記原料粉に対して1質量%以上の量を添加する構成としている。この増粘剤含有油脂の当該量の添加により、確実に活性グルテンを添加することによる前記弊害が除去される。
更にまた、必要に応じ、前記グリアジンは前記原料粉に対して0.1質量%以上の量を添加する構成としている。このグリアジンの量の添加により、確実に活性グルテンだけを添加することによる前記弊害が除去される。
そして、必要に応じ、前記パン生地の混捏工程として中種混捏工程およびその後の本捏工程を備えた中種法を採用するとともに、当該中種混捏工程で前記難消化性澱粉を添加する構成としている。中種で難消化性澱粉を添加することにより、いやな澱粉臭が軽減され、小麦粉の焙焼香と醗酵風味、甘味が付与されるようになる。
この場合、前記架橋澱粉および/または増粘剤含有油脂は、好ましくはこれらの両者は、前記本捏工程で添加することがより有効である。より一層、いやな澱粉臭がなくなり、小麦粉の焙焼香と醗酵風味を有し、また甘味(あまみ)を有するようになる。また、架橋澱粉および/または増粘剤含有油脂をパン生地の混捏工程の早い段階で添加すると、パン生地の混捏に長時間を要し、その結果パン生地をいためてしまうおそれがあるが、これが防止される。
また、必要に応じ、前記超強力粉は、前記難消化性澱粉を添加する工程で添加して一緒に混捏する構成としている。こうすることにより、超強力粉を添加することによる効果をより有効に奏することができる。
更に、必要に応じ、前記活性グルテンおよび/またはグリアジンは、前記難消化性澱粉を添加する工程で添加して一緒に混捏する構成としている。こうすることにより、活性グルテンおよび/またはグリアジンを添加したことによる効果をより有効に奏することができるようになる。
更にまた、必要に応じ、前記小麦粉の一部として前記超強力粉を添加することに代えて、該小麦粉として小麦蛋白質量が13〜13.5質量%の強力粉を添加する構成としている。超強力粉を前記適宜量使用するときと同様に、活性グルテン、好ましくはさらにグリアジンを添加する構成と相俟って、多量の難消化性澱粉を添加して混捏したパン生地の小麦蛋白質量の不足分を補うことが、より確実に実現されるようになる。
本発明のパンの製造方法によれば、多量の難消化性澱粉を添加したとしても、混捏したパン生地から伸展性、膨張性および弾力性が失われることに起因して、このパン生地を焼成したパンの形状が安定せずに均一性を欠いたり、また、クラストに亀裂が発生したりすることを抑制することができ、更には焼成したパンの弾力が強く、かつ食感が重くなることを防止することができ、焼成したパンを引きのない歯切れが良好で、かつ食感も軽いものにすることができる。
また、中種法を採用して、中種混捏工程で難消化性澱粉を添加することにより、焼成したパンにおいて、いやな澱粉臭を低減することができ、小麦粉の焙焼香と醗酵風味を確保できるとともに、甘味(あまみ)を付与することができるようになる。
そして、難消化性澱粉の利点である整腸作用、便通作用、血糖値上昇抑制作用、コレステロール低下作用、脂肪蓄積抑制作用等を生かした有用なパンとすることができるようになる。
以下、本発明の最良の実施の形態に係るパンの製造方法について詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施の形態の記載に限定されるものではない。
先ず、本発明の第一の実施形態に係るパンの製造方法について説明する。この製造方法は、パン生地の混捏工程で原料粉として少なくとも小麦粉および難消化性澱粉を添加するパンの製造方法において、小麦粉の一部として小麦蛋白質量が13.5質量%を超える高蛋白質含有量の超強力粉を添加し、また、活性グルテンおよび好ましくは更にグリアジンを添加するとともに、架橋澱粉及び増粘剤含有油脂の両者を併用して、添加するパンの製造方法である。
詳しくは、難消化性澱粉とは、上述した効能・効果のうち少なくともいずれか一つを若干でも奏するような実質有効成分である難消化性成分(狭義の難消化性澱粉)を一部含有しているものを広く意味する。即ち、狭義の難消化性澱粉を一部含有する生成物又は調製物という広義のそれを意味する。
難消化性澱粉は、上記従来の技術又はその他の製法により、各種の澱粉を物理的に加工し、および/または化学的に化工することにより生成または調製されるものである。具体的には、例えば、ジャガイモ、タピオカ、トウモロコシ等の澱粉をα―アミラーゼ等の澱粉分解酵素によって部分的に加水分解して得た中間生成物を温水に溶解し、イソアミラーゼ等の酵素によって脱分枝化するとともに、老化させてから、酵素を不活性化し、若しくは酵素を不活性化してから老化させ、噴霧乾燥することにより、狭義の難消化性澱粉を50質量%前後含有する難消化性澱粉が得られる。
難消化性澱粉は、人が経口摂取したときに、胃および小腸では消化および吸収されないで大腸の結腸まで到達して、結腸である種の腸内微生物により醗酵し、種々の短鎖脂肪酸が生成される。この短鎖脂肪酸は結腸で醗酵する澱粉の種類により異なってくる。そして、結腸内で生成された短鎖脂肪酸は結腸上皮細胞により急速に吸収されることになる。
従って、上述した、またはその他の難消化性澱粉の生理作用は、第一に胃および小腸で消化吸収されない性質と、第二に大腸の結腸で腸内細菌の醗酵基質となり醗酵する性質のうち少なくともいずれかの性質に由来すると推測される。そして、血糖値上昇抑制作用、インシュリン低下作用およびコレステロール低下作用等は、難消化性澱粉の前者の生理作用によるものであり、また潰瘍・腫瘍の治癒もしくは縮小等は、後者の生理作用によるものであると考えられる。
また、難消化性澱粉は、狭義の難消化性澱粉を30%以上含有していること、好ましくは40%以上含有していること、より好ましくは45%以上含有していることが望ましく、50%程度含有していれば十分であり、好ましくは60%以下含有していること、より好ましくは55%以下含有していることが好ましい。難消化性澱粉中の狭義の難消化性澱粉以外の成分は、難消化性澱粉の調製方法や原料の澱粉素材により相違するが、一般には、それから難消化性澱粉を調製する前段階の素材や中間段階の生成物及び/又はこれらの構成成分で狭義の難消化性澱粉にならなかったもの等であると推測される。
このような難消化性澱粉は、前記原料粉全体に対して10〜40質量%の量を添加することが望ましく、また10〜30質量%の量を添加することがより望ましく、さらに15〜25質量%の量を添加することがより一層望ましい。こうすることにより、パンに、難消化性澱粉を使用する効能・効果を奏するとともに、パンに多量の難消化性澱粉を添加することから生じる前記弊害を解消することができるようになる。
また、同じく、小麦粉とは、強力粉を意味する。該強力粉は、小麦蛋白質量が12質量%以上のものであることが望ましい。
そして、本発明では、前記強力小麦粉の一部として超強力粉を添加することを構成としている。ここで、超強力粉とは、小麦蛋白質量が13.5質量%を超える、具体的には、例えば、13.5超〜17質量%の高蛋白質含有量の強力小麦粉である。これにより、多量の難消化性澱粉を添加することにより生じる混捏したパン生地の小麦蛋白質量の不足分の大部分を補うようにする。
超強力粉は、前記強力小麦粉のうちの4質量%〜13質量%の量を使用することが望ましく、7質量%〜10質量%の量を使用することがより一層望ましい。これにより、活性グルテン、好ましくはさらにグリアジンを添加する構成と相まって、多量の難消化性澱粉を添加して混捏したパン生地の小麦蛋白質量の不足分を補うことが、より確実に実現されるようになる。すなわち、多量の難消化性澱粉を添加しても、混捏したパン生地は伸展性、膨張性および弾力性を維持し、このパン生地を焼成したパンは、ボリュームが小さくなり、形状が安定せずに均一性を欠いたり、またはクラストに亀裂が発生したりすることを防止し、または抑制することができるようになる。
また、活性グルテンの添加量を少量にとどめることが可能となるため、活性グルテンを過剰に含有することに起因して生じる、焼成したパンのクラストが硬くて噛み切れなくなるとか、クラムも引きと弾力が過度に強くなって、口当たりが重くなるとか、口溶けが悪くなるとかの現象が著しく表われることも、より確実に回避することができるようになる。
超強力粉の添加量がこれよりも多過ぎるときには、パン生地中の小麦蛋白質量が多くなり過ぎて、該パン生地を焼成したパンは、過度の弾力感と引きを感じさせるタフな食感となり、硬くて歯切れが悪く、口当たりおよび口溶けも悪くなる。これに対し、超強力粉の添加量がこれよりも少な過ぎるときには、活性グルテンを多めに添加しないと、前記本発明の効果を奏しなくなるし、また活性グルテンの添加量が多くなり過ぎると、前記弊害が生じる。
超強力粉は、上述した小麦蛋白質量の不足分を補うことを目的として添加するため、難消化性澱粉を添加する工程で添加して一緒に混捏することが望ましい。こうすることにより、超強力粉を添加することによる前記効果をより有効に奏することができる。
本実施の形態において、該小麦粉の一部として小麦蛋白質量が13.5質量%を超える高蛋白含有量の超強力粉を添加する代わりに、該小麦粉として小麦蛋白質量が13質量%〜13.5質量%の強力粉を添加してもよい。
一般に、通常のパンの製造において使用される強力小麦粉の蛋白質量は11.5質量%〜12.5質量%であるが、ここでは、小麦蛋白質量が13質量%〜13.5質量%の強力小麦粉を使用する。
前記超強力粉を含めて、このような高蛋白含有量の強力小麦粉は、元々このように高蛋白含有量を有する小麦品種を製粉することにより、または通常の蛋白含有量の強力小麦を製粉する過程において、高蛋白含有量の小麦粉となるように調整して製粉することにより、または通常の蛋白含有量の強力粉に小麦蛋白を添加・混合した小麦粉調製品として入手することができる。
小麦粉として小麦蛋白質量が13質量%〜13.5質量%の強力小麦粉を使用することにより、該小麦粉の一部として小麦蛋白質量が13.5質量%を超える高蛋白含有量の超強力粉を適宜量使用するときと同様に、活性グルテン、好ましくはさらにグリアジンを添加する構成と相俟って、多量の難消化性澱粉を添加して混捏したパン生地の小麦蛋白質量の不足分を補うことが、より確実に実現されるようになる。
また、本実施の形態において、活性グルテンとは、バイタルグルテンとも言われるが、多数の市場流通品が存在していて、これらのものを用いることができる。活性グルテンは、小麦蛋白濃縮物であり、基本的には、小麦粉と水とを混捏してグルテンが発達した生地を形成した後、該生地の澱粉等の水溶性成分を除去することにより、小麦蛋白質の含有量を高めたものであり、通常、その80%〜95%が小麦蛋白質からなる。この市場流通品は一般に粉体である。
このように活性グルテンを添加することにより、上述したとおり超強力粉を併用する構成等と相俟って、多量の難消化性澱粉を添加して混捏したパン生地の小麦蛋白質量の不足分を補うことにより、該パン生地の弾力性を回復することがより確実に可能となる。そして、該パン生地を焼成したパンは、ボリュームがあり、形状が均一で安定し、またクラストに亀裂が発生することなくきれいな外観を有するようになる。
該活性グルテンは前記原料粉全体に対して1質量%以上の量を添加することが望ましく、1.2質量%以上の量を添加することがより望ましく、1.5質量%以上の量を添加することがより一層望ましい。
また、活性グルテンは、前記活性グルテンを過剰に添加することに起因して生じる弊害を回避するためには、適宜量のグリアジンを併用することを前提として、原料粉全体に対して3質量%以下の量を添加することが望ましく、2.5質量%以下がより望ましく、2質量%以下がより一層望ましい。
活性グルテンは、難消化性澱粉を添加する工程で添加して一緒に混捏することが望ましい。こうすることにより、活性グルテンを添加したことによる効果をより有効に奏することができるようになる。
このように、活性グルテンを添加することにより、混捏したパン生地に伸展性、膨張性および弾力性を付与し、このパン生地を焼成したパンが安定した均一な形状となり、またクラストに亀裂が発生することを抑制することができるようになる。しかし、その弊害として、どうしても焼成したパンの引きや弾力が強くて歯切れも悪く、かつ口当たりや食感がタフで重くなってくる傾向がある。
そこで、該弊害を除去するため、本発明の実施の形態では、架橋澱粉を添加する。ここで架橋澱粉とは、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米澱粉、甘薯澱粉等の澱粉を、好ましくはタピオカ澱粉を、トリメタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、オキシ塩化リン、アジピン酸、エピクロルヒドリン等の架橋剤を用いて常法に従って架橋したものであり、好ましくは該リン酸塩により架橋したリン酸架橋澱粉である。
該架橋澱粉の架橋度は、膨潤度が3〜15であり、かつ溶解度が15質量%以下となるように調整することが望ましい。
その他の化工処理、例えば、ヒドロキシプロピル化等のエーテル化や、アセチル化等のエステル化を施した架橋澱粉でも、本発明の目的・効果を損なわない限りかまわないが、このような化工処理は必要ではない。また、α化処理は望ましくない。本発明でα化処理した架橋澱粉を添加すると、焼成したパンはネチャついた食感となり、本発明が目的とする引きのない良好な歯切れ感と軽い食感を実現できないおそれがある。
このように、本発明で架橋澱粉を添加することにより、焼成したパンを引きのない歯切れが良好で、かつ食感も軽いものにすることができる。
本実施の形態では、該架橋澱粉は、パン生地を構成する前記原料粉に対して0.1質量%〜3質量%の量を添加することが望ましい。そして、増粘剤含有油脂を添加するので、該架橋澱粉は、同じく0.1質量%〜1.5質量%の量を添加することが望ましく、0.5質量%〜1質量%の量を添加することがより一層望ましい。これにより、確実に、焼成したパンを引きのない良好な歯切れ感および適度に軽い食感を有するものにすることができるようになる。
該架橋澱粉は、パン生地の混捏工程として中種混捏工程およびその後の本捏工程を備えた中種法を採用する場合には、当該本捏工程で添加することが望ましい。後述する本発明の好ましい実施の形態として、中種混捏工程で難消化性澱粉を添加する場合には、中種中の小麦グルテンの量が相対的に少なくなることから、グルテンが未熟傾向になるおそれがある。この場合に架橋澱粉を中種混捏工程で添加すると、中種中の小麦グルテン量は相対的にさらに少なくなり、グルテンの未熟傾向となる可能性が高まるため、前記架橋澱粉は、本捏工程で添加することが望ましい。
また、前記弊害を除去するため、本発明の実施の形態では、増粘剤含有油脂を添加する。ここで増粘剤とは、キサンタンガム、グアガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、カラヤガム、タマリンドシードガム、タラガム、グルコマンナン、プルラン、イオタカラギナン、HMペクチン、LMペクチン、トラガントガム、結晶性セルロース、アルギン酸プロピレングリコールエステル、水溶性大豆多糖類、ガティガム、メチルセルロース、サイリウムシードおよびカシャガム等があげられる。そして、これらの増粘剤の1種を単独で用いることができるし、また異なる2種以上のものを組み合わせて用いることもできる。風味および食感の点で、キサンタンガム、グアガム、ローカストビーンガムが好ましく、より好ましくはキサンタンガムである。
油脂は、食用油脂であれば特に制限はないが、例えば、大豆油、ナタネ油、パーム油、コーン油、綿実油、ヤシ油、パーム核油等の植物油脂類、牛脂、ラード、魚油、鯨油、乳脂等の動物油脂類のいずれも使用することができる。そして、これらを水添処理したもの、およびエステル交換したものも使用することができる。さらに、これらの油脂の1種を単独で用いることができるし、また異なる2種以上のものを組み合わせて用いることもできる。
増粘剤を油脂に含有させる方法としては、例えば、油脂および好ましくは乳化剤を、両者の融点温度以上の温度で加熱し、均一溶解させた後、これに増粘剤を添加して均一に混合攪拌し、該均一に混合攪拌したものを、前記油脂および増粘剤の融点以下の温度、好ましくは30℃以下まで冷却する方法が望ましい。
本実施の形態では、該増粘剤含有油脂は、パン生地を構成する前記原料粉に対して1質量%以上の量を添加することが望ましく、さらに1.5質量%以上の量を添加することがより望ましく、さらには2質量%以上の量を添加することがより一層望ましい。また、該増粘剤含有油脂は、パン生地を構成する前記原料粉に対して15質量%以下の量を添加することが望ましい。
また、該増粘剤は、該油脂中に0.1〜5質量%含有することが望ましく、さらに1〜4質量%の量を含有することが望ましく、さらには1.5〜3.5質量%の量を含有することがより一層望ましい。
該増粘剤含有油脂は、さらに乳化剤を含有することが望ましい。乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート類、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、レシチン誘導体等を使用することができ、これら2種以上を混合した系を使用することがより望ましい。また、乳化剤の増粘剤含有油脂中の好ましい含有量は、例えば、油脂/乳化剤の比率が6.5以下であり、且つ、増粘剤含有油脂全体に対し10〜30質量%、より好ましくは14〜26質量%である。
該増粘剤含有油脂は、パン生地の混捏工程として中種混捏工程およびその後の本捏工程を備えた中種法を採用する場合には、当該本捏工程で添加することが望ましい。該増粘剤含有油脂をパン生地の混捏工程の早い段階で添加すると、パン生地の混捏に長時間を要し、その結果パン生地をいためてしまうおそれがあるため、従って、中種法を採用する場合には、該増粘剤含有油脂は、本捏工程で添加するのが望ましく、更には本捏工程の途中で添加するのがより望ましい。
また、後述するように、中種の混捏工程で難消化性澱粉を添加する場合には、グルテンが未熟傾向となるが、ここで該増粘剤含有油脂を添加すると、更にグルテンの発達を抑制してしまうおそれがあるため、該増粘剤含有油脂は本捏工程で添加するのが望ましい。更に同様の理由で、該増粘剤含有油脂を本捏工程で添加する場合でも、本捏工程の最初に添加するよりも、本捏工程の途中で添加することがより望ましい。
このように、本実施の形態では、架橋澱粉および増粘剤含有油脂の両者を併用して添加したので、焼成したパンを引きのない歯切れが良好で、かつ口当たりおよび食感も軽く、またソフトで柔らかいものにすることができるようになる。特に、両者を併用して添加すると、両者のいずれかを単独で添加した場合よりも、焼成したパンがソフトなものであるため、より歯切れの良さやサクみが感じられるようになり望ましい。
また、パン生地の混捏工程として中種混捏工程およびその後の本捏工程を備えた中種法を採用する場合には、両者を当該本捏工程で添加することが望ましい。両者を本捏工程で添加することが望ましい理由は、上述したそれぞれを本捏工程で添加することが望ましい理由と同様である。
また、本発明において、グリアジンとは、グルテニンとともに小麦グルテンの構成成分であり、上述した活性グルテンを得る方法と同様の方法で小麦グルテンを得た後に、一般的には、例えば、該小麦グルテンからアルコール水溶液等の溶媒を用いてその可溶性成分として抽出・分離し、さらに通常はこれを乾燥して粉末化することにより得ることができる。このようにして得られるグリアジンは、グリアジンが例えば60%以上の高濃度で存在するグリアジン濃縮物の形で存在している。該グリアジン濃縮物中のグリアジンの濃度(含有量)は、製造コストや価格が高くなるが、高(多)ければ高い(多い)ほど望ましく、具体的には、例えば、70%以上であることが望ましい。本発明においては、該グリアジンとしては、活性グルテンから低濃度の、好ましくは30%以下の、酸性化した、好ましくはpH3〜5.5のエタノール水溶液を溶媒として用いて抽出・分離したグリアジン濃縮物を乾燥粉末化したものが望ましい。
該グリアジンは、前記原料粉全体に対して0.1質量%以上の量を添加することが望ましく、0.5質量%以上の量を添加することがより望ましく、2質量%以上の量を添加することがより一層望ましい。
このようにグリアジンを添加することにより、上述したとおり、小麦粉の一部として小麦蛋白質が13.5質量%を超える高蛋白質含有量の超強力粉を使用するか、または、小麦粉として小麦蛋白質が13質量%以上の強力小麦粉を使用するとともに、活性グルテンだけを添加することにより、焼成したパンが強い弾力感と引きを感じさせるタフな食感となり、硬くて歯切れが悪くなり、口当たりが重くなり、また口溶けが悪くなるのを回避することができるようになる。
また、グリアジンは、原料粉全体に対して5質量%以下、好ましくは4質量%以下、より好ましくは3質量%以下とすることが望ましい。
該グリアジンは、難消化性澱粉を添加する工程で添加して一緒に混捏することが望ましい。こうすることにより、グリアジンを添加したことによる効果をより有効に奏することができるようになる。
本実施の形態において、パン生地を製造する方法としては、中種法、直捏法、短時間製法、ノータイム法、液種法、その他のパン製法を採用することができるが、長時間の醗酵によりパン生地(中種を含む)の熟成を促してグルテンを十分に発達させることにより、本発明のより顕著な効果が得られるという観点からすれば、中種法や直捏法が望ましく、特に中種法が望ましい。
また、中種法を採用する場合には、難消化性澱粉を添加する時期は、中種の混捏工程でも、また本捏生地の混捏工程でも、または該澱粉を二つに分割して両者の工程でもよいが、中種の混捏工程で添加することが望ましい。パン生地に多量の難消化性澱粉を添加しても、これを中種の混捏工程で添加することにより、焼成したパンは、いやな澱粉臭がなくなり、小麦粉の焙焼香と醗酵風味を有し、また甘味(あまみ)を有するようになる。
ところで、中種法を採用するとともに、中種混捏工程で難消化性澱粉を添加する本実施の形態においては、中種に多量の難消化性澱粉を添加することから相対的に中種中の小麦グルテンの量が少なくなるために、グルテンが未熟傾向となり、グルテン気泡膜の網目が過度に細かく形成されるようになる。
従って、パン生地を構成する原料粉としての小麦粉は、一般的には、中種混捏工程では小麦粉全量の50〜100質量%の小麦粉を使用するが、本発明では、中種混捏工程では該小麦粉全量の60〜100質量%の小麦粉を使用することが望ましく、70〜100質量%の小麦粉を使用することがより一層望ましい。こうすることにより、中種のグルテンを形成する小麦蛋白質の割合を最低限または必要量以上に維持することができるようになる。
中種混捏工程で添加するイーストは、通常、前記原料粉全体に対して1.7〜2.3質量%、好ましくは1.8〜2.2質量%である。
また、中種の未熟によるグルテン気泡膜の過度に細かい網目の形成を改善するために、中種混捏工程でイースト醗酵性糖類を添加することが望ましい。イースト醗酵性糖類としては、具体的には、例えば、砂糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、その他のイーストが醗酵するときの栄養源となってイーストの醗酵活動を促進するように作用する糖類のうちのいずれか一つを、または二つ以上を組み合わせて添加することができる。しかし、イースト醗酵性糖類としては、ブドウ糖が望ましい。このように中種混捏工程でイースト醗酵性糖類を添加することにより、中種醗酵後の中種の未熟さを解消し、グルテン気泡膜の網目の形成を適度に細かい良好なものにしながら、焼成したパンの澱粉臭を軽減することができるようになる。
イースト醗酵性糖類は、中種混捏工程で添加する難消化性澱粉に対して0.5〜15質量%添加することが望ましく、1〜10質量%添加することがより望ましく、3〜8質量%添加することがより一層望ましい。また、イースト醗酵性糖類は、中種混捏工程で使用する原料粉に対して0.2〜3.8質量%添加することが望ましく、0.4〜2.5質量%添加することがより望ましく、0.6〜2質量%添加することがより一層望ましい。さらには、イースト醗酵性糖類は、中種混捏工程で添加するイーストに対して10〜100質量%添加することが望ましく、25〜75質量%添加することがより望ましく、40〜60質量%添加することがより一層望ましい。イースト醗酵性糖類の添加量を多くするほど、醗酵後の中種の未熟さが解消されて、グルテン気泡膜の網目の形成が良好になるとともに、焼成したパンの澱粉臭をより一層軽減して、小麦粉の焙焼香と醗酵風味を増大させることができる。しかし、イースト醗酵性糖類の添加量が中種に添加する原料粉に対して2.5質量%を超えるようになると、焼成したパンのクラムの内相が荒くなるおそれがある。
尚、ここで、中種の未熟によるグルテン気泡膜の過度に細かい網目の形成を改善するために、中種混捏工程で添加するイーストの添加量を増量することも考えられる。しかし、この方法も、焼成したパンの澱粉臭を軽減することができるが、その弊害として焼成したパンのイースト臭やアルコール臭が強くなって、小麦粉の焙焼香と醗酵風味を消してしまうため、望ましくない。
次に、本発明の第二の実施形態に係るパンの製造方法について説明する。この製造方法は、上記第一の実施の形態に係るパンの製造方法と略同様、小麦粉の一部として小麦蛋白質量が13.5質量%を超える高蛋白質含有量の超強力粉を添加し、また、活性グルテンおよび好ましくは更にグリアジンを添加しているが、上記と異なって、増粘剤含有油脂は添加せずに、架橋澱粉のみを添加している。該架橋澱粉は、増粘剤含有油脂を添加しないので、前記原料粉に対して1.5質量%〜3質量%の量を添加することが望ましく、2質量%〜3質量%の量を添加することがより一層望ましい。これによっても上記と同様の作用,効果を奏する。
次に、本発明の第三の実施形態に係るパンの製造方法について説明する。この製造方法は、上記第一の実施の形態に係るパンの製造方法と略同様、小麦粉の一部として小麦蛋白質量が13.5質量%を超える高蛋白質含有量の超強力粉を添加し、また、活性グルテンおよび好ましくは更にグリアジンを添加しているが、上記と異なって、架橋澱粉は添加せずに、増粘剤含有油脂のみを添加している。該増粘剤含有油脂は、前記架橋澱粉を添加しても、しなくても、パン生地を構成する前記原料粉に対して1質量%以上の量を添加することが望ましく、さらに1.5質量%以上の量を添加することがより望ましく、さらには2質量%以上の量を添加することがより一層望ましい。また、該増粘剤含有油脂は、前記架橋澱粉を添加しても、しなくても、パン生地を構成する前記原料粉に対して15質量%以下の量を添加することが望ましい。これによっても上記と同様の作用,効果を奏する。
尚、上記実施の形態において、原料粉(小麦粉および難消化性澱粉からなる)以外の穀粉としては、本発明の目的・効果の実現を妨げない範囲で、小麦粉及び難消化性澱粉以外にも、これらの一部と置き換えて、小麦全粒粉、ライ麦粉、米粉等の穀粉、α化澱粉、エーテル化澱粉若しくはエステル化澱粉、架橋澱粉等の澱粉を使用することができる。
次に、本発明に係る実施例について説明する。実施例においては、難消化性澱粉として、上掲の特許文献8(特開平10−191931号)に記載の調製物、具体的には、タピオカ澱粉をα―アミラーゼにより部分加水分解して得た中間生成物を温水に溶解し、イソアミラーゼによって脱分枝化するとともに、老化させてから、酵素を不活性化し、若しくは酵素を不活性化してから老化させ、噴霧乾燥することにより得られた難消化性澱粉(狭義の難消化性澱粉を約50%含有する。)を使用した。難消化性澱粉中の狭義の難消化性澱粉は、水不溶性であった。
〔実施例1〕
まず、本発明の実施例1として、中種法を採用して、本捏で難消化性澱粉、超強力粉、活性グルテン、架橋澱粉、増粘剤含有油脂およびグリアジンを添加し、図1に示す配合と工程で角型食パンを製造した。
このようにして製造した食パンは、本捏で超強力粉および活性グルテンを添加したことにより、多量の難消化性澱粉を添加しているにもかかわらず、混捏したパン生地から伸展性、膨張性および弾力性が失われることなく維持されており、このパン生地を焼成したパンは、オーブンスプリングが大きく、形状が安定して均一であり、またクラストに亀裂が発生しなかった。
また、混捏したパン生地の小麦蛋白質の含有量を適度に調整しているうえ、本捏でグリアジンを添加していることから、小麦蛋白質を過剰に含有することに起因して生じる、焼成したパンのクラストが硬くて噛み切れなくなるとか、クラムも引きと弾力が過度に強くなって、口当たりが重くなるとか、口溶けが悪くなるとかの弊害も発生せず、良好な食感であった。
むしろ、本実施例の食パンは、本捏で架橋澱粉および増粘剤含有油脂を添加したことにより、超強力粉および活性グルテンを添加しているにもかかわらず、引きのない歯切れが良好で、かつ口当たりおよび食感が軽く、またソフトで柔らかいものであった。
〔実施例2〕
次に、本発明の実施例2として、中種法を採用して、中種に難消化性澱粉、超強力粉、活性グルテンおよびグリアジンを添加し、また本捏で架橋澱粉および増粘剤含有油脂を添加し、図2に示す配合と工程で角型食パンを製造した。
このようにして製造した食パンは、中種に超強力粉および活性グルテンを添加したことにより、中種に多量の難消化性澱粉を添加しているにもかかわらず、混捏したパン生地から伸展性、膨張性および弾力性が失われることなく維持されており、このパン生地を焼成したパンは、オーブンスプリングが大きく、形状が安定して均一であり、またクラストに亀裂が発生しなかった。
また、混捏したパン生地の小麦蛋白質の含有量を適度に調整しているうえ、中種にグリアジンを添加していることから、小麦蛋白質を過剰に含有することに起因して生じる、焼成したパンのクラストが硬くて噛み切れなくなるとか、クラムも引きと弾力が過度に強くなって、口当たりが重くなるとか、口溶けが悪くなるとかの弊害も発生せず、良好な食感であった。
むしろ、本実施例の食パンは、本捏で架橋澱粉および増粘剤含有油脂を添加したことにより、超強力粉および活性グルテンを添加しているにもかかわらず、引きのない歯切れが良好で、かつ口当たりおよび食感が軽く、またソフトで柔らかいものであった。
さらに、難消化性澱粉の全量を中種混捏工程で添加し、しかも中種混捏工程でイースト醗酵性糖類としてブドウ糖を添加していることから、本実施例の食パンは、いやな澱粉臭がなく、小麦粉の焙焼香と醗酵風味を有し、また甘味(あまみ)を有していた。また、グルテン気泡膜も適度に細かい良好なものであった。
実験例
〔実験例1〕
次に、本発明として前記実施例1と、比較例として該実施例1において活性グルテンおよびグリアジンの添加量をそれぞれ0質量%、2質量%としたもの(比較例1)、0.5質量%、1.5質量%としてもの(比較例2)、2質量%、0質量%としたもの(比較例3)とにより角型食パンを製造して、形状の安定性、亀裂の有無および食感について比較検討してみた。その結果は、図3に示す通りであった。
本実験例によれば、本発明の実施例1は、多量の難消化性澱粉を添加しているにもかかわらず、混捏したパン生地から伸展性、膨張性および弾力性が失われることなく維持されており、このパン生地を焼成したパンは、オーブンスプリングが大きく、形状が安定して均一であり、またクラストに亀裂が発生していなかった。また、混捏したパン生地の小麦蛋白質の含有量を適度に調整していることから、小麦蛋白質を過剰に含有することに起因して生じる、焼成したパンのクラストが硬くて噛み切れなくなるとか、クラムも引きと弾力が過度に強くなって、口当たりが重くなるとか、口溶けが悪くなるとかの弊害も発生せず、良好な食感であった。
一方、比較例1は、活性グルテンを添加していないため、上述した小麦蛋白質を過度に含有することに起因して生じる弊害は発生せず、食感は良好であったが、小麦蛋白質含有量が少ないため、形状は安定せず、クラストには著しく亀裂が発生していた。
また、比較例2は、活性グルテンの添加量が少ないために、比較例1ほどではないが、食感は良好であったが、比較例1と同様に形状は不安定で、クラストには著しく亀裂が発生していた。
また、比較例3は、活性グルテンを2質量%添加していることから、形状は安定しているが、グリアジンを添加していないため、焼成したパンのクラストが硬く、クラムも引きと弾力が過度に強くなって、口当たりが重く、口溶けが悪いものであった。
〔実験例2〕
次に、本発明として前記実施例2ならびに前記実施例2において架橋澱粉の添加量を0.1質量%、1質量%、2質量%および3質量%とした実施例(それぞれ実施例3、同4、同5および同6とする)と、比較例として該実施例において架橋澱粉の添加量を0および5質量%とした比較対照例(それぞれ比較例4および5とする)とにより角型食パンを製造し、その歯切れ食感について比較検討してみた。その結果は、図4に示す通りであった。
架橋澱粉を添加した本発明の各実施例は、架橋澱粉を添加しない比較例4に比べて、歯切れが良好で、また軽い食感であった。特に、架橋澱粉を0.5質量%、1質量%添加した実施例2および4はこれが顕著であった。また、架橋澱粉を5質量%添加した比較例5は、過剰な歯切れ感を有するものであった。
〔実験例3〕
次に、本発明として前記実施例2ならびに前記実施例2においてキサンタンガム含有油脂の添加量を1質量%、1.5質量%および3質量%とした実施例(それぞれ実施例7、同8および同9とする)と、比較例として該実施例においてキサンタンガム含有油脂の添加量を0とした比較対照例(比較例6とする)とにより角型食パンを製造し、その口当たりと食感の柔らかさについて比較検討してみた。その結果は、図5に示す通りであった。
キサンタンガム含有油脂を添加した本発明の各実施例は、キサンタンガム含有油脂を添加しない比較例6に比べて、口溶けが良好で、口当たり及び食感がソフトで柔らかいものであった。特に、キサンタンガム含有油脂を2質量%、3質量%添加した実施例2および9はこれが顕著であった。
本発明の実施例1に係るパンの製造方法において、パン生地の配合と工程を示す表図である。 本発明の実施例2に係るパンの製造方法において、パン生地の配合と工程を示す表図である。 実験例1の結果を示す表図である。 実験例2の結果を示す表図である。 実験例3の結果を示す表図である。

Claims (9)

  1. パン生地の混捏工程で原料粉として小麦粉および難消化性澱粉を添加するパンの製造方法において、前記難消化性澱粉として、ジャガイモ、タピオカ、トウモロコシ等の澱粉をα―アミラーゼ等の澱粉分解酵素によって部分的に加水分解して得た中間生成物を温水に溶解し、イソアミラーゼ等の酵素によって脱分枝化するとともに、老化させてから、酵素を不活性化し、若しくは酵素を不活性化してから老化させ、噴霧乾燥することにより得た水不溶性の難消化性澱粉を使用し、前記パン生地の混捏工程として中種混捏工程およびその後の本捏工程を備えた中種法を採用して、当該中種混捏工程で前記難消化性澱粉および該小麦粉の一部として小麦蛋白質量が13.5質量%を超える高蛋白質含有量の超強力粉を前記小麦粉のうちの4質量%〜13質量%の量を添加し、また、イースト、活性グルテンおよびグリアジンを添加するとともに、前記本捏工程で架橋澱粉および/または増粘剤含有油脂を添加することを特徴とするパンの製造方法。
  2. 前記増粘剤含有油脂は、さらに乳化剤を含有することを特徴とする請求項1に記載のパンの製造方法。
  3. 前記難消化性澱粉は、前記原料粉全体に対して10質量%〜40質量%の量を添加することを特徴とする請求項1または2に記載のパンの製造方法。
  4. 前記活性グルテンは、前記パン生地を構成する前記原料粉に対して1質量%以上の量を添加することを特徴とする請求項1、2または3に記載のパンの製造方法。
  5. 前記架橋澱粉は、前記パン生地を構成する前記原料粉に対して0.1質量%〜3質量%の量を添加することを特徴とする請求項1、2、3または4に記載のパンの製造方法。
  6. 前記増粘剤含有油脂は、前記パン生地を構成する前記原料粉に対して1質量%以上の量を添加することを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載のパンの製造方法。
  7. 前記グリアジンは、前記原料粉に対して、0.1質量%以上の量を添加することを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6に記載のパンの製造方法。
  8. 前記中種混捏工程でイースト醗酵性糖類を添加することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7に記載のパンの製造方法。
  9. 前記イースト醗酵性糖類は、前記難消化性澱粉に対して0.5〜15質量%の量、および/または前記中種混捏工程で添加する原料粉に対して0.2〜3.8質量%の量を添加することを特徴とする請求項8に記載のパンの製造方法。
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