JP4478323B2 - 4サイクル内燃エンジン - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、4サイクル内燃エンジンに関し、より詳細には、例えば、刈払機などの手持式作業機に使用される小型の4サイクル内燃エンジンに関する。
【従来技術】
従来から、クランクシャフトが収容されたクランク室の下方に、潤滑オイルを収容するオイル溜め室が設けられており、該オイル溜め室において生成されたオイルミストがオイル溜め室とクランク室の間の開口部を通って、前記クランク室内を潤滑するとともに、前記オイル溜め室と動弁室とに連通するオイルミスト通路を介して前記動弁室を潤滑する4サイクル内燃エンジンが知られている。
【0002】
例えば、特開2000−73729号公報に開示された4サイクル内燃エンジンは、ピストンと、該ピストンに対して小端部が連結されたコンロッドと、該コンロッドの大端部に対して連結されたクランクシャフトと、を有する。該クランクシャフトおよび前記コンロッドが収容されたクランク室の下方には、潤滑オイルを収容するためのオイル溜め室が設けられている。前記クランク室と前記オイル溜め室との間は、仕切壁によって仕切られている。前記コンロッドの大端部には、下方に真っ直ぐに延びる、潤滑オイルをかきあげてミスト状にするためのオイル・ディッパーが設けられている。また、前記仕切壁には、前記コンロッドの揺動運動に伴って揺動運動する前記オイル・ディッパーの通過を許容する開口部が形成されている。更に、シリンダブロックには、前記オイル溜め室と前記動弁室との間に延びるオイルミスト通路が形成されている。更に、前記動弁室の上方に設けられた、該動弁室を潤滑した後の残余のオイルを分離するためのオイル分離室と、前記シリンダブロックに形成された、前記動弁室から前記クランク室に連通する垂直管路と、が設けられている。
【0003】
前記コンロッドの運動に伴って、前記オイル・ディッパーが揺動運動し、前記開口部を介して前記オイル溜め室に対して出没して、潤滑オイルをかきあげる。これによって、オイルミストが生成される。生成されたオイルミストは、前記ピストンの昇降運動によって生じる前記クランク室内の圧力変動によって、前記オイル溜め室から前記クランク室へ、また、前記オイル溜め室から前記オイルミスト通路を介して前記動弁室に押し出される。前記クランク室内および前記動弁室内の各部がオイルミストによって潤滑され、残余のオイルミストは、前記オイル分離室に送られ、オイルミストは液状の潤滑オイルとされ、前記垂直管路を通り、前記クランク室を介して前記オイル溜め室に戻される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記4サイクル内燃エンジンの高速回転時には、高温となるために潤滑オイルの粘度が低下する。したがって、正常に作動させるためには、前記クランク室に高濃度のオイルミストを供給し、前記ピストン、前記コンロッド、前記クランクシャフトなどを十分に潤滑する必要がある。
【0005】
しかし、前記クランク室に供給された高濃度のオイルミストは、前記オイルミスト通路を介して前記動弁室まで送出されるが、該動弁室内のカムなどの部品は、前記クランク室内ほど熱くならないので、潤滑オイルをそれほど必要としない。前記公報に開示された4サイクル内燃エンジンにおいては、特に、前記オイル分離室が設けられており、余剰の高濃度のオイルミストに含有されたオイルは、前記オイル分離室によって分離されて前記オイル溜め室に戻されるが、4サイクル内燃エンジンの構造は、製造コスト上、また、保守上の理由により、できるだけ簡易であることが望ましい。また、他の4サイクル内燃エンジンにおいては、前記動弁室にブリーザが設けられ、余剰のオイルミストは、前記ブリーザからフィルターを通って、大気に放出される。オイルミストが多量のオイルを含有していると、前記フィルターは短時間で飽和状態になり、オイルを十分に除去できなくなり、オイルミストが大気に放出され、オイルの消費量が大きくなる。また、前記フィルターを頻繁に取替えなければならず、手間がかかる。
そこで、本発明は、クランク室と動弁室のそれぞれに、適量の潤滑オイルを供給することができる4サイクル内燃エンジンを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、クランクシャフトが収容されたクランク室の下方に、潤滑オイルを収容するオイル溜め部が設けられており、該オイル溜め部において生成されたオイルミストによって、前記クランク室内を潤滑するとともに、前記オイル溜め部と動弁室とに連通するオイルミスト通路を介して前記動弁室を潤滑する4サイクル内燃エンジンであって、前記オイルミスト通路は、前記クランクシャフトに形成され、一端が、前記オイル溜め部に連通し、他端が、前記クランクシャフトの半径方向外方に開放する未分離ミスト通路部分と、前記他端部分において前記クランクシャフトの周囲を取囲む円筒状の遠心分離室と、該遠心分離室から前記クランクシャフトの回転方向に対して反対方向に延び、かつ、前記動弁室と連通する分離後ミスト通路部分と、を有し、更に、前記遠心分離室と前記オイル溜め部と連通するオイル戻し通路を有し、該オイル戻し通路は、前記遠心分離室から前記クランクシャフトの回転方向と同方向に延びている、ことを特徴とする4サイクル内燃エンジンによって達成することができる。
【0007】
本発明においては、前記オイル溜め部において生成されたオイルミストは、ピストンが下降するときの前記クランク室内の正圧によって、前記未分離ミスト通路部分を通り、前記遠心分離室に送出される。オイルミストは、前記クランクシャフトの前記開口部から前記遠心分離室の中に吐出され、前記クランクシャフトの回転によって方向づけられて、該クランクシャフトの回転方向と同じ方向に流れる。オイルミストは、前記遠心分離室の中で円筒状の前記遠心分離室の周面に沿って、前記クランクシャフトの周りを流れる。その過程で、作用する遠心力の差によって、前記オイルミストに含有されている油粒のうち比較的小さくて軽い油粒は、比較的大きくて重い油粒から分離される。すなわち、比較的小さくて軽い油粒は、前記遠心分離室内における慣性力が小さく、前記クランク室の正圧が与えられると、正圧による押し出し力が慣性力にうちかって、前記遠心分離室から前記分離後ミスト通路部分の中に押し出される。したがって比較的軽い油粒は、前記分離後ミスト通路部分を介して前記動弁室に供給されることになる。
【0008】
一方、分離された比較的大きい油粒のオイルミストは、比較的重いため慣性力が大きい。そのため、前記クランク室の正圧が与えられても、正圧による押し出し力よりも慣性力の方が打ち勝って、前記分離後ミスト通路部分の中にはほとんど送出されず、前記遠心分離室の中に残る。したがって、比較的大きい油粒のオイルミストは、前記遠心分離室内で移動する過程で、慣性力によって前記遠心分離室の周面に沿って移動し、前記遠心分離室から前記クランクシャフトの回転方向と同方向に延びる前記オイル戻し通路の中に流入し、前記オイル溜め部の方へ戻される。
【0009】
本発明によれば、オイルミストが前記動弁室に供給される前の段階で、前記遠心分離室によって、前記オイルミストに含有されている油粒のうち、比較的小さくて軽い油粒は、比較的大きくて重い油粒から分離されるので、前記クランク室内には比較的多量の潤滑オイルを、また、前記動弁室内には、比較的少量の潤滑オイルを供給でき、それぞれを適量の潤滑オイルによって潤滑することができる。また、遠心分離室の遠心力を既存の部品である前記クランクシャフトの回転を利用して生じさせるので、構造を簡易なものとすることができる。更に、前記オイル戻し通路を介してオイルが前記オイル溜め部の方へ戻されるので、潤滑オイルの無駄がない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明にかかる4サイクル内燃エンジンの種々の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかる4サイクル内燃エンジンの縦断面図である。また、図2は、図1に示すII−II線に沿った断面図である。更に、図3は、遠心分離室およびその近傍を示す部分詳細図である。
図1および図2を参照しつつ、本実施形態にかかる4サイクル内燃エンジンの構造について説明する。本実施形態にかかる4サイクル内燃エンジン2は、例えば、携帯型刈払機などの動力源として使用され、図1および図2に示す直立姿勢や、更に、傾倒姿勢や、倒立姿勢などで使用されることがある。
【0011】
前記4サイクル内燃エンジン2は、上下方向に往復運動するピストン4と、該ピストン4の昇降運動によって回転駆動されるクランクシャフト6と、上端の小端部8aが前記ピストン4に連結され、下端の大端部8bが前記クランクシャフト6に連結されたコンロッド8と、を有する。前記4サイクル内燃エンジン2は、前記ピストン4が往復運動するシリンダボア10aが形成されたシリンダブロック10と、該シリンダブロック10の上方に設けられ、内部に動弁室11が形成されるシリンダヘッド12と、前記クランクシャフト6の周りを取囲むブロック本体14とを有する。該ブロック本体14は、前記クランクシャフト6の周りを取囲む、互いに一体的に形成された左右両側壁14a、14bと底壁14cとを有する。前記ブロック本体14の内側は、前記ブロック本体14の前記壁部14a、14b、14cと間隔を隔て、かつ、前記クランクシャフト6の左右両側および下方を取囲んで延びる仕切壁16によって、二つの部屋に分割されている。
【0012】
より詳細には、前記仕切壁16の内側には、前記クランクシャフト6および前記コンロッド8を収容するクランク室18が形成され、また、外側には、全体的にU字形の、潤滑オイルを収容するためのオイル溜め部としてオイル溜め室20が形成されている。
【0013】
前記仕切壁16には、前記コンロッド8及び前記シリンダボア10の中心軸線X−Xを中心として、スリット状の開口部22が形成されており、前記オイル溜め室20において生成されたオイルミストが、前記クランク室18へ流入可能となっている。一方、前記4サイクル内燃エンジン2が、傾倒姿勢や倒立姿勢において使用される場合には、前記仕切壁16及び前記開口部22の適切な形状によって、前記オイル溜め室20内に収容されている潤滑オイルが、前記クランク室18内に流入してしまうのが防止される。なお、前記オイル溜め室20の中には、オイルミスト生成手段としてコイルばね部材24が設けられている。該コイルばね部材24の両端24a、24bは、前記オイル溜め室20の左右上端に取付けられ、U字形の前記オイル溜め室20の形状に沿って、その全域にわたってU字形をなして、宙吊りにされた状態で設けられている。前記コイルばね部材24の下部は、図1および図2に示すように、前記4サイクル内燃エンジン2の図示の直立姿勢において、前記オイル溜め室20内に収容された潤滑オイルに浸漬されている。
前記ブロック本体14の下方には、燃料タンク26が設けられている。また、前記シリンダヘッド12の吸入弁50側の側方には、気化器28およびエアクリーナ30が設けられており、排気弁60側の側方には、マフラー61が設けられている。
【0014】
本実施形態にかかる前記4サイクル内燃エンジン2には、前記クランク室18と前記動弁室11とに連通するオイルミスト通路32が形成されている。該オイルミスト通路32は、前記オイル溜め室20内に生成されたオイルミストを、前記動弁室11に送出するためのものである。より詳細には、前記オイルミスト通路32は、前記クランクシャフト6の内部に形成された未分離ミスト通路部分34と、該未分離ミスト通路部分34と連通し、かつ、前記クランクシャフト6の周りに設けられた遠心分離室36と、該遠心分離室36と前記動弁室11とに連通する分離後ミスト通路部分38と、を有する。
【0015】
前記未分離ミスト通路部分34は、一端側において前記前記クランク室18に開放する第一孔34aと、他端側において前記クランクシャフト6の半径方向外方に開放する第二孔34bと、を有し、前記第一孔34aから前記クランクシャフト6の中心軸線Y−Yに沿って延び、更に、前記第二孔34bの近傍で前記クランクシャフト6の半径方向外方に、前記第二孔34bまで延び、全体的にL字形をなしている。前記クランクシャフト6には、互いに離間し、かつ、対向して設けられた二つのカウンタウエイト40、40が設けられている。前記第一孔34aは、図2に示すように、前記カウンタウエイト40、40の間に形成されたクランク室18内の空間に向けて開放している。また、図2および図3を参照すると分かるように、前記遠心分離室36は、前記第二孔34bの形成された部分において、前記クランクシャフト6の周囲を取囲む、前記中心軸線Y−Yに沿った円筒状をなしている。更に、前記分離後ミスト通路部分38は、前記クランクシャフト6の側方において、前記遠心分離室36の前記内周面に対する接線T1上に延びている。より詳細には、前記分離後ミスト通路部分38は、前記遠心分離室36の内周面36aに対して接線方向T1−T1、かつ、前記クランクシャフト6の回転方向Rに対して反対方向に、前記動弁室11へと上方に真っ直ぐに延びている。
【0016】
更に、前記4サイクル内燃エンジン2は、前記遠心分離室36と前記クランク室18及び前記オイル溜め室20と連通するオイル戻し通路42を有する。該オイル戻し通路42は、前記遠心分離室36の前記内周面36aに対する接線T2上に延びている。より詳細には、前記オイル戻し通路42は、前記クランクシャフト6に対して前記分離後ミスト通路部分38の反対の側に位置しており、前記遠心分離室36の前記内周面36aに対して接線方向T2−T2、かつ、前記クランクシャフト6の回転方向Rと同方向に、上方に延びている。更に、前記オイル戻し通路42は、前記クランク室18まで横方向に延びて、全体として逆L字形をなしている。
前記遠心分離室36、前記分離後ミスト通路部分38および前記オイル戻し通路42は、前記シリンダブロック10および/または前記ブロック本体14内に形成されている。
【0017】
本実施形態にかかる4サイクル内燃エンジン2は、以下のように作動する。
前記4サイクル内燃エンジン2が起動されると、前記ピストン4が昇降運動する。該ピストン4の昇降運動によって、振動が生じ、前記オイル溜め室20内の潤滑オイルは、その油面が全面にわたって波立つ。また、この油面の波立ちは、前記4サイクル内燃エンジン2の振動によって誘発される、前記コイルばね部材24の振動によって助長される。該コイルばね部材24が、前記オイル溜め室20の全領域にわたってまたがって配置されているため、前記4サイクル内燃エンジン2が、例えば、横向きあるいは倒立状態になったとしても、前記4サイクル内燃エンジン2の振動によって加振される前記コイルばね部材24の振動によって、前記オイル溜め室20内の潤滑オイルを細粒化して、ミスト状にすることができる。
【0018】
このようにしてミスト状にされたオイルミストは、前記ピストン4が上昇運動するときに前記クランク室18内に生じる負圧によって、前記仕切壁16に形成された前記スリット状の開口部22を介して前記クランク室18に流入する。引き続き、前記ピストン4が下降すると、前記クランク室18内に正圧が生じる。この正圧によって、前記クランク室18内のオイルミストが、前記第一孔34aの中に流入し、前記未分離ミスト通路部分34を介して前記第二孔34bの外に、前記遠心分離室36へと押し出される。該遠心分離室36内に押し出されたオイルミストは、前記クランクシャフト6の回転によって方向づけられて、前記遠心分離室36内で前記内周面36aに沿って、前記クランクシャフト6の回転方向Rと同方向に、前記クランクシャフト6の周りを流れる。その過程で、遠心力によって、前記オイルミストに含有されている油粒のうち比較的小さくて軽い油粒は、比較的大きくて重い油粒から分離される。
【0019】
すなわち、比較的小さくて軽い油粒は、前記遠心分離室36内における慣性力が小さく、前記クランク室18内が正圧になると、この正圧による押し出し力が前記慣性力にうちかって、前記分離後ミスト通路部分38の中に押し出される。この比較的軽い油粒は、前記分離後ミスト通路部分38を介して前記動弁室11に供給される。一方、分離された比較的大きい油粒のオイルミストは、比較的重いので慣性力が大きい。そのため、前記クランク室18の正圧が与えられても、正圧による押し出し力よりも慣性力の方が打ち勝って、前記分離後ミスト通路部分38の中にはほとんど送出されずに、前記遠心分離室36の中を前記内周面36aに沿って移動しつづける。この比較的大きい油粒のオイルミストは、前記遠心分離室36内で移動する過程で、慣性力によって、前記遠心分離室36の前記内周面36aに沿って移動し、前記オイル戻し通路42の中に流入し、適量が上方へ移動して前記クランク室18へ戻される。前記クランク室18内は、前記オイル溜め室20内で新たに生成されたオイルミストのみならず、戻されたオイルミストによっても潤滑される。
【0020】
次いで、前記ピストン4が上昇し、前記クランク室18内が負圧になると、前記比較的軽いミストは、負圧によって、前記分離後ミスト通路部分38内で上流側に戻される。しかし、前記比較的重いミストは、慣性力が大きいため、負圧が与えられても上流側に戻されることなく、慣性力によって前記オイル戻し通路42内を下流側に流れ、前記クランク室18へ戻る。
なお、前記4サイクル内燃エンジン2は、排気量は30mL程度で、アイドル時において回転数が約3,000r/minである。本実施形態にかかる前記4サイクル内燃エンジン2は、アイドル時の低速回転帯域においても、また、高速回転帯域(10,000r/min程度)においても、上記のように作動する。
図4は、別の実施形態にかかる遠心分離室およびその近傍を示す部分詳細図である。
図4に示す別実施形態においては、遠心分離室から分離後のオイルを戻すためのオイル戻し通路42’の構成が、図1乃至図3に示す4サイクル内燃エンジン2のオイル戻し通路42と異なる点を除き、同様に構成されている。したがって、同様な構成部分については、同じ符号で示し、オイル戻し通路42’についてのみ説明する。
【0021】
図4に示すように、別実施形態においては、オイル戻し通路42’は、前記クランクシャフト6の下方、すなわち、前記遠心分離室36の下端部の位置において、前記内周面36aに対する接線T3上に延びている。より詳細には、前記オイル戻し通路42’は、前記遠心分離室36底部の前記内周面36aに対して接線方向T3−T3、かつ、前記クランクシャフト6の回転方向Rと同方向に、前記クランク室18まで横方向に真っ直ぐ延びている。図4に示す、前記4サイクル内燃エンジン2も、すでに説明した図1乃至図3に示す4サイクル内燃エンジン2と同様に作動するので、作動については省略する。
【0022】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内36aに包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、図1乃至図4に示す、前記4サイクル内燃エンジン2においては、前記分離後ミスト通路部分38は、前記遠心分離室36の前記内周面36aに対する接線T1上に延びているので、前記遠心分離室36内で分離された比較的軽いミストを、より多く前記分離後ミスト通路部分38内に流入させることができる。しかし、前記分離後ミスト通路部分38は、前記クランクシャフト6の回転方向Rと反対方向に延びていればよく、必ずしも前記遠心分離室36の前記内周面36aに対する接線T1上(接線位置)に設けられていなくてもよい。したがって、例えば、図3および図4において、前記分離後ミスト通路部分38を、前記クランクシャフト6に向かって、該クランクシャフト6の周面の位置を偏位の限度として、半径方向内方へ並進移動させた位置に設けてもよい。前記接線T1の位置よりも半径方向内方の位置においては、前記分離後ミスト通路部分38の中に流入するミストの量が少なくなる。したがって、前記動弁室11において必要な潤滑オイルの量によって、前記分離後ミスト通路部分38の位置を決定してもよい。
【0023】
また、前記4サイクル内燃エンジン2においては、前記オイル戻し通路部分42、42’は、前記遠心分離室36の前記内周面36aに対する接線T2、T3上に延びているので、前記遠心分離室36内で分離された比較的重いミストを、より多く前記オイル戻し通路部分42、42’内に流入させることができる点で好ましい。しかし、前記オイル戻し通路部分42、42’は、前記クランクシャフト6の回転方向Rと同方向に延びていればよく、必ずしも前記遠心分離室36の前記内周面に対する接線T2、T3上に(接線位置)に設けられていなくてもよい。したがって、例えば、図3および図4において、前記オイル戻し通路部分42、42’を、前記クランクシャフト6に向かって半径方向内方に、前記クランクシャフト6の周面の位置を偏位の限度として、図3においては横方向、また、図4においては上方に並進移動させた位置に偏位させてもよい。
更に、図1乃至図4に示すように、前記分離後ミスト通路部分38は、前記遠心分離室36から上方に延び、上方に位置する前記動弁室11まで最短距離で形成されている。しかし、前記分離後ミスト通路部分38は、前記クランクシャフト6の回転方向Rと反対方向に延びていれば、前記遠心分離室36から上下左右のいずれの方向に延びていてもよい。また、前記オイル戻し通路部分42、42’も、同様に、前記クランクシャフト6の回転方向Rと同方向に延びていれば、前記遠心分離室36から上下左右のいずれの方向に延びていてもよい。
【0024】
また、図1乃至図4に示す前記オイル戻し通路42、42’は、端部が、前記クランク室18に開口しているので、戻した潤滑オイルによっても前記クランク室18内を潤滑できる点で有利であるが、前記端部は、前記オイル溜め室20に開口していてもよい。
更に、図1乃至図4に示す4サイクル内燃エンジン2においては、前記遠心分離室36、および、前記分離後ミスト通路部分38が、前記シリンダブロック10および/前記ブロック本体14内に形成されており、構造を簡素化でき、また、組立てが簡単であり、更に、全体の大きさを既存のものより大型とならない点で有利である。しかし、これらは別部品で構成されていてもよい。
更に、図1乃至図4に示す4サイクル内燃エンジン2においては、前記分離前ミスト通路部分34は、前記クランクシャフト6の前記中心軸線Y−Yに沿って延びているが、前記分離前ミスト通路部分34は、前記遠心分離室36に連通する一端が前記クランクシャフト6の半径方向外方に開放し、また、他端が前記クランク室18または前記オイル溜め室20のいずれかに連通していれば、前記クランクシャフト6のどの部分に形成されていてもよい。
【0025】
更に、図1乃至図4に示す4サイクル内燃エンジン2においては、前記コイルばね部材24によって、前記オイル溜め領域20内の潤滑オイルをミスト状にしているが、それに替えて、前記コンロッド8の前記大端部8bから下方に真っ直ぐに垂下する、周知のオイル・ディッパーによってミスト化するようにしてもよい。
なお、本発明を、仕切壁16のない一般的な4サイクルエンジンに適用しても、同一の作用・効果を奏することはいうまでもない。
【発明の効果】
本発明によれば、クランク室には高濃度のオイルミストを、また、動弁室には低濃度のオイルミストを供給することができる4サイクル内燃エンジンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態にかかる4サイクル内燃エンジンの縦断面図である。
【図2】図1に示すII−II線に沿った断面図である。
【図3】遠心分離室およびその近傍を示す部分詳細図である。
【図4】別の実施形態にかかる遠心分離室およびその近傍を示す部分詳細図である。
【符号の説明】
2 4サイクル内燃エンジン
6 クランクシャフト
10 シリンダブロック
11 動弁室
18 クランク室
20 オイル溜め部(オイル溜め室)
32 オイルミスト通路
34 未分離ミスト通路部分
34a 一端(第一孔)
34b 他端(第二孔)
36 遠心分離室
36a 内周面
38 分離後ミスト通路部分
42 オイル戻し通路
42’ オイル戻し通路
R クランクシャフトの回転方向
T1 接線
T2 接線
T3 接線
T1−T1 接線方向

Claims (5)

  1. クランクシャフト(6)が収容されたクランク室(18)の下方に、潤滑オイルを収容するオイル溜め部(20)が設けられており、該オイル溜め部(20)において生成されたオイルミストによって、前記クランク室(18)の内部を潤滑するとともに、前記オイル溜め部(20)と動弁室(11)とに連通するオイルミスト通路(32)を介して前記動弁室(11)を潤滑する4サイクル内燃エンジン(2)であって、
    前記オイルミスト通路(32)は、前記クランクシャフト(6)に形成され、一端(34a)が、前記オイル溜め部(20)に連通し、他端(34b)が、前記クランクシャフト(6)の半径方向外方に開放する未分離ミスト通路部分(34)と、前記他端(34b)部分において前記クランクシャフト(6)の周囲を取囲む円筒状の遠心分離室(36)と、該遠心分離室(36)から前記クランクシャフト(6)の回転方向(R)に対して反対方向に延び、かつ、前記動弁室(11)と連通する分離後ミスト通路部分(38)と、を有し、更に、前記遠心分離室(36)と前記オイル溜め部(20)と連通するオイル戻し通路(42,42’)を有し、該オイル戻し通路(42,42’)は、前記遠心分離室(36)から前記クランクシャフト(6)の回転方向(R)と同方向に延びている、ことを特徴とする4サイクル内燃エンジン。
  2. 前記オイル戻し通路(42,42’)は、前記遠心分離室(36)の内周面に対する接線(T2,T3)上に延びている、ことを特徴とする請求項1に記載の4サイクル内燃エンジン。
  3. 前記分離後ミスト通路部分(38)は、前記遠心分離室(36)の内周面(36a)に対して接線方向(T1−T1)上に延びている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の4サイクル内燃エンジン。
  4. 前記オイル戻し通路(42,42’)の下流端が前記クランク室(18)に連通している、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の4サイクル内燃エンジン。
  5. 前記遠心分離室(36)、前記分離後ミスト通路部分(38)、および、前記オイル戻し通路(42、42’)が、シリンダブロック(10)内、又はブロック本体(14)内に形成されている、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の4サイクル内燃エンジン。
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