JP4476930B2 - フォトクロミック組成物および光透過性物品 - Google Patents

フォトクロミック組成物および光透過性物品 Download PDF

Info

Publication number
JP4476930B2
JP4476930B2 JP2005502075A JP2005502075A JP4476930B2 JP 4476930 B2 JP4476930 B2 JP 4476930B2 JP 2005502075 A JP2005502075 A JP 2005502075A JP 2005502075 A JP2005502075 A JP 2005502075A JP 4476930 B2 JP4476930 B2 JP 4476930B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
photochromic
oligomer
alkyl
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2005502075A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006505684A (ja
Inventor
リチャード・アレキサンダー・エバンズ
メリッサ・アン・スキッドモア
ラクラン・ハートリー・イー
トレイシー・リー・ハンリー
デイビッド・アンドリュー・ルイス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Advanced Polymerik Pty Ltd
Original Assignee
Advanced Polymerik Pty Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from AU2002952454A external-priority patent/AU2002952454A0/en
Priority claimed from AU2003903133A external-priority patent/AU2003903133A0/en
Application filed by Advanced Polymerik Pty Ltd filed Critical Advanced Polymerik Pty Ltd
Publication of JP2006505684A publication Critical patent/JP2006505684A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4476930B2 publication Critical patent/JP4476930B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/50Sympathetic, colour changing or similar inks
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D311/00Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only hetero atom, condensed with other rings
    • C07D311/02Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only hetero atom, condensed with other rings ortho- or peri-condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • C07D311/78Ring systems having three or more relevant rings
    • C07D311/92Naphthopyrans; Hydrogenated naphthopyrans
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F7/00Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic Table
    • C07F7/02Silicon compounds
    • C07F7/21Cyclic compounds having at least one ring containing silicon, but no carbon in the ring
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K9/00Tenebrescent materials, i.e. materials for which the range of wavelengths for energy absorption is changed as a result of excitation by some form of energy
    • C09K9/02Organic tenebrescent materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K2211/00Chemical nature of organic luminescent or tenebrescent compounds
    • C09K2211/10Non-macromolecular compounds
    • C09K2211/1018Heterocyclic compounds
    • C09K2211/1025Heterocyclic compounds characterised by ligands
    • C09K2211/1029Heterocyclic compounds characterised by ligands containing one nitrogen atom as the heteroatom
    • C09K2211/1033Heterocyclic compounds characterised by ligands containing one nitrogen atom as the heteroatom with oxygen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K2211/00Chemical nature of organic luminescent or tenebrescent compounds
    • C09K2211/10Non-macromolecular compounds
    • C09K2211/1018Heterocyclic compounds
    • C09K2211/1025Heterocyclic compounds characterised by ligands
    • C09K2211/1044Heterocyclic compounds characterised by ligands containing two nitrogen atoms as heteroatoms
    • C09K2211/1048Heterocyclic compounds characterised by ligands containing two nitrogen atoms as heteroatoms with oxygen

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Polyethers (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Description

本発明は、一種の官能性化フォトクロミック染料、上記官能性化染料を含有する組成物、並びにフォトクロミック応答を示すポリマー組成物および光透過性ポリマー物品を製造する方法に関する。
フォトクロミズムは、長年、光透過性物品の製造に用いられてきた特性である。光の照射時には色が変化し、照射を止めると元の色に戻る場合、化合物はフォトクロミックであると言われる。フォトクロミック物質をメガネレンズを製造するのに使用すると、照射にフィルターをかける効率を照射強度に伴って変化させることができて有用である。フォトクロミック物質は、製品中の他のポリマー組成物の領域、または窓、自動車両のフロントガラス、自動車両および航空機のトランスペアレンシー、ポリマーフィルムコーティング組成物、光学スイッチ並びにデータ記憶装置などの用途に用いる可能性を有する。フォトクロミック物質は、インクにも用いることができ、例えば、UV光下でのセキュリティチェックを行うことによって、またはコピー時の露光を知らせることによって、文書や通貨のセキュリティを向上する。
フォトクロミック化合物をレンズ等の用途に使用しているにもかかわらず、この技術の融通性および可能性を低下させる多くの問題があった。
フォトクロミックポリマー組成物が照射時に着色し、照射を止めた時に退色する速度を制御することは有用なことである。多くの場合、迅速に着色および退色することは、特にレンズおよびメガネには重要である。しかしながら、いくつかのポリマーでは、着色と退色との速度を増大するために、上記物質の成分および特性の間で妥協することが必要となるため、着色と退色との速度が小さくなる。例えば、多くのフォトクロミック物質は軟質材料中で迅速に着色および退色し、それにもかかわらず、メガネまたは構造パネルなどの用途に対して、耐摩耗性および硬度が重要である。変換速度と硬度との間のこのようなトレードオフは、製造者に強靭性とフォトクロミック効率との間でジレンマを生じさせる。ポリマーレンズにおいては、多くのフォトクロミック物質は、所望のものより小さい退色速度を示す。マトリックスの硬度に関係なく、迅速に退色するフォトクロミック染料を有することが望ましい。
以前に行われた1つのアプローチとして、ホストマトリックスとの一体部分であるフォトクロミック物質を生成する方法がある。これは、上記フォトクロミック物質を、上記ポリマーマトリックスと重合される不飽和基で官能基化することによって行われる。従って、上記フォトクロミック物質は、上記ホストポリマーマトリックスに共有結合することになる。しかしながら、もし上記マトリックスが比較的軟質でないならば、退色速度は悪影響を受ける。非特許文献1には、フォトクロミック物質の結合によって、染料濃度が増加しても、脱色速度がほとんど一定のままであることも報告されている。更に、このフォトクロミック物質が15重量%より低い濃度で結合される場合、観察される退色がかなり遅い。
退色の制御することが望ましい場合の他の例には、フォトクロミック化合物の混合物を用いる。ブラウンやグレーなどの所望の色を得るのに、フォトクロミック化合物の混合物を用いることが必要な場合がある。しかしながら、これらの色を得るために組み合わせて用いる異なるフォトクロミック染料は、多くの場合、僅かに退色速度が異なり、上記混合物が退色時に美しくない色の変化を被る。他の場合には、着色または退色が緩やかに行われ、かつ制御されるように退色速度を低減することが望ましいかもしれない。例えば、光スイッチでは、フォトクロミック物品は特定の熱刺激または電磁刺激下での迅速なスイッチングを被るか、さもなければ温度および光の周囲条件下で退色しないことが望ましいかもしれない。
フォトクロミック化合物に関する他の問題は、その寿命である。多くのフォトクロミック化合物は、化学的劣化のために、疲労するまでに比較的短い寿命を有し、可逆的な色の変化はなくなるか、または効率が悪くなる。これは、例えば、硫黄含有ポリマーまたは紙を含む高屈折率レンズ等のより過酷な化学的環境においては、問題である。
フー(Hu)等のPure Appln.Chem.、AA(6)第803〜810頁(1996年)
ポリマー支持体におけるフォトクロミック染料の光互変性は、フォトクロミック部分が官能基化されて1以上のペンダントオリゴマー基を含有するフォトクロミック化合物を用いることによって制御することができることを見出した。理論に拘束されるつもりはないが、ある種のオリゴマー基はナノ環境を提供して、退色速度にかなりの変化を生じる。上記1以上のペンダントオリゴマー基は、ポリマーマトリックス中のフォトクロミック部分の退色速度を変化させる。
1つの態様では、本発明は、ポリマーマトリックス、並びにペンダントオリゴマーを有さないフォトクロミック化合物を含有する対応する組成物と比較すると、フォトクロミックポリマー組成物のかなり変化した退色速度を提供するためのフォトクロミック部分および少なくとも1つのペンダントオリゴマー基を含有する付加物であるフォトクロミック化合物を含有するフォトクロミックポリマー組成物を提供する。
上記オリゴマーは、上記マトリックスポリマーに共有結合しないように、好ましくはホストマトリックスと反応性を有さない。
更なる態様では、本発明は、フォトクロミック部分および少なくとも1つのペンダントオリゴマー基を含有する付加物であるフォトクロミック化合物を提供する。
本発明の好ましい態様では、上記オリゴマーは、退色半減期および/または吸光度において3/4減少に到達するまでの時間が少なくとも50%だけ減少するように退色速度をかなり増大させる。
高ガラス転移温度(Tg)を有する硬質ポリマー材料においては、軟質材料と比較して、多くのフォトクロミック化合物の光互変作用をかなり低下させる。理論に拘束されるつもりはないが、ポリマー支持体の光互変性能の低下は、上記染料に有効な体積の制限の結果として生じて、開環および/または極性相互作用の影響によって変換する。
本発明の多くの化合物に対して観察される、より迅速な転移の1つの可能な説明は、上記オリゴマー鎖がフォトクロミック基の回りに巻き付いて、開環および閉環形の間のより迅速な変換を促進するナノカプセル化を提供することである。上記オリゴマー鎖は低Tgナノ環境を提供するか、さもなければ、局所環境を好適に変化させる。従って、本発明のフォトクロミック化合物に結合した上記オリゴマーは、比較的低いTgを有することが好ましい。例えば、上記Tgは好ましくは25℃未満である。より好ましくは、本発明の化合物は、室温で液体である。
上記オリゴマー鎖のホストマトリックスとの相溶性もまた、退色速度に影響を与える。
フォトクロミック発色団の退色速度は、フォトクロミック部分(スピロオキサジン基)のそれぞれ反対側の第1オリゴマー鎖および第2オリゴマー鎖を含む多数のオリゴマー置換基を用いることによって、低下する。上記オリゴマーのTgが上昇するか、またはそれらが上記ホストオリゴマーとの相溶性が向上するので、この傾向は、特にそのような場合である。例えば、スピロインドレンアリーレンオキサジン化合物の場合、1つのオリゴマーがインドレン部分の縮合ベンゼン環およびオキサジンで縮合したアリール部分に結合した1つのオリゴマー鎖に結合してもよい。上記オリゴマー鎖がそれぞれ上記ホストマトリックスと相溶性を有する場合、それらは、上記マトリックス中に含まれ、上記スピロオキサジンの反対端を制限することによってフォトクロミック部分の運動を制限する。退色速度はまた、比較的高いTgを有する単一オリゴマーによって、小さくなるかもしれない。
オリゴマーのポリマーマトリックスとの相溶性における上記傾向は、多くの場合、極性と一致する。従って、上記第1ポリマーマトリックスと同様の極性を有するオリゴマーポリマーは、相溶性を有するとみなされる。例えば、それぞれ、ポリアルキレングリコールオリゴマー基は、アクリレートおよびポリアルキレンなどの極性ポリマーホストと相溶性を有し、ポリ(アリールアルキレン)オリゴマーは、ポリオレフィンおよびスチレンポリマー(例えば、ポリスチレン、SBR等)等の非極性樹脂と相溶性を有する。
1以上のオリゴマー鎖の存在によって提供されるナノ環境によって、本発明の化合物のフォトクロミック寿命は、非置換フォトクロミック化合物と比較して、かなり改善される。
本発明は、フォトクロミック部分および少なくとも1つのペンダントオリゴマー基を含有するフォトクロミック化合物に関する。上記少なくとも1つのオリゴマー基は、ポリエーテルオリゴマー、ポリアルキレンオリゴマー、ポリフルオロアルキレンオリゴマー、ポリフルオロアルキルエーテルオリゴマー、ポリジ(C〜C10ヒドロカルビル)シリルオキシオリゴマー、ポリ珪酸オリゴマー(シリケート)またはその誘導体、ポリ(ZSi(OH))オリゴマーおよびその誘導体、ポリ(ZSiCl)オリゴマーおよびその誘導体、ポリ(ZSi(OMe))オリゴマーおよびその誘導体、並びにそれらの混合物(ここで、Zは有機基である)から成る群から選択されてもよい。Zは、好ましくは、水素、アルキル、任意に置換されたアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、ヒドロキシ、アミノ、任意に置換されたアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、アリール、任意に置換されたアリール、カルボン酸およびそれらの誘導体から成る群から選択される。これらの後者オリゴマーの特に好ましいサブセットは、俗称、多面体オリゴシルセスキオキサン(polyhedral oligomeric silsesquioxane、POSS)として知られている。フォトクロミック部分およびPOSSオリゴマーを含有する化合物は、結晶状態光互変性を示すことができる。
オリゴマー中のモノマーユニットの総数は、好ましくは少なくとも5、より好ましくは少なくとも7、最も好ましくは少なくとも10である。上記オリゴマーおよび上記オリゴマーを発色団に結合する基は、主鎖中に、好ましくは少なくとも12原子、より好ましくは少なくとも15原子、最も好ましくは少なくとも17原子の最長鎖長を共に提供する。
本発明の変性フォトクロミック物質は概して、式I:
(PC)‐(L(R))
(式中、PCはフォトクロミック部分であり;
Lは結合または結合基であり;
Rはオリゴマー鎖であり;
nは1〜3の整数であり;
mは1〜3の整数である)
を有し;かつ
上記オリゴマーR中のモノマーユニット総数が少なくとも5、好ましくは少なくとも7、より好ましくは少なくとも10である。上記結合基(存在する場合)およびオリゴマー(即ち、基(L(R)))が、主鎖中に、好ましくは少なくとも12原子、より好ましくは少なくとも15原子、最も好ましくは17〜40原子の最長鎖長を共に提供する。
好適なオリゴマー基Rの例には、式I(a):
−(X)p(R)q−R I(a)
(式中、Xは酸素、硫黄、アミノ、例えばC〜CアルキルアミノおよびC〜Cアルキレン(好ましくはメチレン)から選択され;
pは0または1であり;
qは前記オリゴマー中のモノマーユニットRの数であり、好ましくは少なくとも5であり;
は、同一であっても異なってもよく、
〜Cアルキレン、例えばエチレン、プロピレンおよびブチレン;
ハロ(C〜Cアルキレン)、例えばパーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレンおよびパーフルオロブチレン;
〜Cアルキレンオキシ;
〜Cハロアルキレンオキシ;
ジ(C〜C10ヒドロカルビル)シリルオキシ(ここで、上記ヒドロカルビルはアルキル、アリール、アルキル置換アリールまたはアリール置換アルキルであってもよく、特にジ(C〜Cアルキル)シリルオキシ、例えばジメチルシリルオキシであってもよい);から成る群から選択され;かつ
は、水素、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキル、ヒドロキシ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアリールカルボン酸およびそれらの誘導体から選択され、好ましくは、Rは水素、C〜Cアルキル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアリール並びにカルボキシルのアルキルおよびアリールエステルから成る群から選択される)
を有する基が挙げられる。
好適なオリゴマー基Rの例には、また、式IBまたはIC:
Figure 0004476930
(式中、Zは有機基であり、好ましくは、Zは、水素、アルキル、任意に置換されたアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、ヒドロキシ、アミノ、任意に置換されたアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、アリール、任意に置換されたアリール、カルボン酸およびそれらの誘導体から成る群から選択される有機基である)
を有する基が挙げられる。Zは、イソブチル、イソオクチル、シクロペンテニル、シクロヘキシルおよびフェニルから成る群から選択されることが特に好ましい。
上記オリゴマー基は好ましくは、ラジカル反応または縮合反応する基を含有しない。従って、上記オリゴマーは概して末端不飽和基または末端活性化水素、例えばアミノヒドロキシまたはカルボキシルを有さない。
好ましくは、Lは、式IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、IIg、IIh、IIi、IIjおよびIIk:
Figure 0004476930
Figure 0004476930
(式IIa〜IIk中、
Xは、同一であっても異なってもよく、前記と同様であり;
は、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノおよび置換されたアミノ、例えばアルキルアミノから成る群から選択され;
nは1〜3の整数であり;
wは1〜4の整数であり;
qは0〜15の整数であり;
pは、1つより多く存在する場合、同一であっても異なってもよく、0または1であり;および
(R)は、オリゴマーRの結合用の基を示す))
を有する基から選択される結合またはポリラジカルから成る群から選択される。
上記結合基の目的は、上記オリゴマーをフォトクロミック部分に結合することである。上記オリゴマーが染料に直接結合するのに用いることができない官能基を有する場合、結合基が必要であってもよい。例えば、コハク酸無水物との反応によって、PEGオリゴマーの末端ヒドロキシを酸に変換することができる。従って、これはフォトクロミック部分、例えば9’‐ヒドロキシ‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3’‐93H]ナフサ[2,1‐b][1,4]オキサジン]のヒドロキシ基に容易に結合することができる。他の例は、発色団のカルボン酸がエチレングリコールでエステル化されて、ポリ(ジメチルシロキサン)モノカルボキシデシルクロリドの酸基(酸塩化物による)と反応することができるヒドロキシ基を提供する実施例16である。
いくつかの場合、上記結合基を、上記オリゴマーの一部として用いることができる。例えば、上記実施例において、ポリ(ジメチルシロキサン)モノカルボキシデシルクロリドの使用が説明されている。上記ウンデシルカルボキシ基は、市販のオリゴマーMCR‐B11の一部であり、染料とオリゴマーの間の結合基としてはたらく。
結合基Lの特定例には、
Figure 0004476930
Figure 0004476930
が挙げられる。
本発明の化合物は、モノマーユニットの総数が少なくとも5、好ましくは少なくとも7、最も好ましくは少なくとも10であるオリゴマー基を含有する。上記オリゴマー鎖および結合基は好ましくは、最長鎖長少なくとも12原子、より好ましくは少なくとも15原子、最も好ましくは17〜40原子を提供する。本明細書中で鎖長とは、ポリマー主鎖中に連続して結合した原子の数を表す。
上記オリゴマーは直鎖状、分岐鎖、ブロックコポリマーまたはランダムコポリマーを含むコポリマーの形であってもよいが、各オリゴマーが、少なくとも5、より好ましくは少なくとも7の同じタイプのモノマーユニットを含有することが特に好ましい。
好ましくは、上記モノマーユニットは、パーフルオロアルキレン、アルキレン、アリールアルキレン、アルキレンオキシ、ハロアルキレンオキシ、およびジ(C〜C10ヒドロカルビル)シリルオキシから成る群から選択される。より好ましいモノマーユニットは、アルキレンオキシ、およびジアルキルシリルオキシであり、より好ましくはエチレンオキシ、プロピレンオキシ並びにそれらのランダムおよびブロックコポリマーである。
式Iの本発明のフォトクロミック化合物には、それぞれが1、2または3のオリゴマー基を含有してもよい3つ以下の基を含む。
好ましいオリゴマー基の例には、
Figure 0004476930
Figure 0004476930
(式中、XおよびRおよびpは前述と同様であり、x、vおよびyは繰り返しユニットの数であり、アルキルはC〜C20アルキル、好ましくはC〜C10アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシルである)
が挙げられる。好ましくは、本発明の化合物は、モノマーユニットの数(上記例におけるxまたはy+v)が少なくとも7、最も好ましくは少なくとも10であるオリゴマー基を少なくとも1つ含有する。
更に好ましいオリゴマー基は、式:
Figure 0004476930
(式中、Zは有機基、好ましくは、水素、アルキル、任意に置換されたアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、ヒドロキシ、アミノ、任意に置換されたアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、アリール、任意に置換されたアリール、カルボン酸およびそれらの誘導体から成る群から選択される有機基である)
の基である。Zは、イソブチル、イソオクチル、シクロペンテニル、シクロヘキシルおよびフェニルから成る群から選択されることが特に好ましい。
最も好ましいオリゴマー基は、少なくとも10のモノマーユニットを含有する。上記モノマーユニットは、長さで30ユニット以上であってもよいが、10〜30ユニットが特に好適であることを見出した。
上記基Xの存在および性質が上記結合基に依存することは、当業者に認められている。上記結合基が結合であり、上記オリゴマーがヘテロ原子、例えば窒素に結合している場合、pは好ましくは0である。
しかしながら、上記基L‐(R)がフォトクロミック部分のカーボンラジカル、または式IIa〜IIkの結合基に結合している場合、オリゴマー基R中で整数pは0または1である。
上記フォトクロミック部分は、当業者に公知の広範囲のフォトクロミック部分から選択されてもよい。本発明の化合物に用いるのに最も適当なフォトクロミック部分は、分子異性、例えばシス‐トランス異性、または周辺環状反応、例えば6π,‐6原子、6π,‐5原子プロセスおよび[2+2]、[4+4]または[4+2]付加環化をうけるフォトクロミック物質である。本発明の組成物(および特にオリゴマー鎖)は、フォトクロミック物質の発色する発色団と無色状態の間のより迅速な転位を導く所望の環境を提供するためのナノ環境を提供すると考えられている。
本発明のフォトクロミックオリゴマー付加物は、クロメン、例えばナフトピラン、ベンゾピラン、インデノナフトピランおよびフェナントロピランから成る群から選択されるもの;
スピロピラン、例えばスピロ(ベンズインドリン)ナフトピラン、スピロ(インドリン)ベンゾピラン、スピロ(インドリン)ナフトピラン、スピロキノピラン、およびスピロ(インドリン)ピラン並びにスピロジヒドロインドリジンから成る群から選択されるもの;
スピロオキサジン、例えばスピロ(インドリン)ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ピリドベンズオキサジン、スピロ(ベンズインドリン)ピリドベンズオキサジン、スピロ(ベンズインドリン)ナフトオキサジンおよびスピロ(インドリン)ベンズオキサジンから成る群から選択されるもの;
フルギド、フルギミド;
アニル;
ペルイミジンスピロシクロヘキサジエノン;
スチルベン;
チオインジゴイド;
アゾ染料;並びに
ジアリールエテンから成る群から選択されるフォトクロミック部分を含有してもよい。
フォトクロミック部分の例は、フルギドフォトクロミック化合物、クロメンフォトクロミック化合物およびスピロオキサジンフォトクロミック化合物から成る群から選択されてもよい。前述の各種類の広範囲のフォトクロミック化合物が先行技術に記載されており、当業者が広範囲のフォトクロミックオリゴマー付加物を調製するのに困難性を有さないとの示唆を本明細書中では考慮する。クロメンフォトクロミック化合物、フルギドフォトクロミック化合物およびスピロオキサジンフォトクロミック化合物の例が、米国特許第5776376号に記載されている。
最も好ましいフォトクロミック化合物はクロメンおよびスピロオキサジン、特にスピロインドレンアロキサジン(spiroindolene aroxazine)である。
後述のスピロオキサジン、例えばスピロインドリンナフトオキサジンはクリアであるが、光の存在下で開環して、以下の式:
Figure 0004476930
に示すような着色した形を提供する。
本発明の更なる態様は、以下の式:
(PC)‐(X)L(R)
(式中、PCはフォトクロミック部分、特に式IIIのスピロオキサジン、式XXのクロメン、式XXXのフルギド/フルギミドまたは式XLのアゾ染料であり、L、R、X、nおよびpは前述と同様である)
のフォトクロミック化合物である。式III、XX、XXXおよびXLを、例示を用いて以下に説明する。
以下の一般式III:
Figure 0004476930
の好ましいスピロオキサジンを好適に用いることができる。上記一般式IIIにおいて、R、RおよびRは同一または異なっていてもよく、それぞれアルキル基、シクロアルキル基、シクロアリールアルキル基、アルコキシ基、アルキレンオキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、アルコキシカルボニルアルキル基、アシル基、アシルオキシ基またはアミノ基であり、RおよびRは共に環を形成してもよく、R、RおよびRはそれぞれ任意に置換基を有してもよい。上記置換基には、前述の基に加えて、ハロゲン原子、ニトロ基、複素環式基等を含んでもよい。部分IIIa:
Figure 0004476930
によって表される基は、置換または非置換2価芳香族炭化水素基または置換または非置換2価不飽和複素環式基である。部分IIIb:
Figure 0004476930
によって表される基は、置換または非置換2価芳香族炭化水素基または置換または非置換2価不飽和複素環式基である。上記2価芳香族炭化水素基の特定例は、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等から誘導される炭素原子6〜14個を有する基である。上記2価不飽和複素環式基の特定例は、フラン環、ベンゾフラン環、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピロール環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環等から誘導される炭素原子4〜9個を有する基である。
上記置換基は、R、RおよびRに関して、前述のものと同様の基であってもよい。特に、以下の式:
‐NR
(式中、RおよびRはそれぞれアルキル基、アルコキシ基、アリル基等であり、それぞれが置換されていてもよく;RおよびRは結合し互いに環化して窒素含有複素環式環を形成してもよい)によって表される基が、初期光互換性能における高密度発色の観点から好ましい。
特に好ましい態様では、本発明のフォトクロミック化合物は、以下の式IV:
Figure 0004476930
(式中、R、R、R、R、R、R10およびR11は独立して、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキレンオキシアルキル、アルコキシカルボニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アルキレンチオアルキル、アシル、アシルオキシ、アミノ、NR、シアノおよび基L(R)から成る群から選択され、ここでR、RおよびRの少なくとも1つが式L(R)のオリゴマー基であり、L、Rおよびnは前述と同様であり、基R、R、RおよびR中に1より多いL(R)基が存在し、1以上のR基は任意に共に結合して1以上のブリッジオリゴマーを形成する)
を有する。記号mは整数であり、0、1または2であってもよく、mが2の時、上記基は独立して選択されてもよい。
式IVの化合物では、オリゴマー置換基(R)中のモノマーユニットの総数は、少なくとも7、好ましくは12である。
より好ましくは、上記置換基Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロアリールアルキル、アルキレンオキシアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキレンチオアルキルおよび基L(R)から成る群から選択され、より好ましくはRは、アルキル、シクロアルキル、シクロアリールアルキル、アルキレンオキシアルキル、アリール、アリールアルキルおよび基L(R)から成る群から選択され、好ましくはRおよびRは限定されず、アルキル、シクロアルキルおよびアリールから選択される。
およびRは独立して水素およびL(R)から選択され;R10およびR11は独立して、アルキル、シクロアルキル、シクロアリールアルキル、アルコキシ、‐NR、シアノ、アルキレンオキシアルキル、アルコキシカルボニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アルキレンチオアルキル、アシル、アシルオキシおよびアミノから成る群から選択され、最も好ましくは、NRおよび基L(R)から成る群から選択され、R10およびR11は独立して、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、NRおよびシアノから選択され;mは0または1である。
式IIIaの好ましい縮合芳香族環基の例には、以下の式IIIa(i):
Figure 0004476930
(式中、RおよびR11は前述と同様である)
を含む。
式IIIbの好ましい縮合芳香族環基の例には、以下の式IIIb(i)、IIIb(ii)、IIIb(iii)およびIIIb(iv):
Figure 0004476930
を含む。
式IIIa(i)の基の特定例には、
Figure 0004476930
を含む。
式IIIbの基の特定例には、
Figure 0004476930
Figure 0004476930
を含む。
式IVの化合物の1つの特に好ましい態様は、以下の式IVa:
Figure 0004476930
を有する。
式IVaのより好ましい化合物は、RおよびRが好ましくは独立してC〜CアルキルおよびRおよびRが共に結合して炭素原子4〜6個を有するシクロアルキルを形成する基から成る群から選択される化合物である。
およびRは、独立して、水素、ハロゲン、シクロアルキル、シクロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノ、アルケニルオキシアルキル、アルコキシカルボニル、アリール、アラルキル、アリールオキシ、アルキレン、チオアルキルおよび式L(R)のオリゴマー(式中、L、Rおよびnは前述と同様である)から成る群から選択される。
10およびR11は、独立して、水素、ハロゲン、シクロアルキル、シクロアリールアルキル、アルコキシ、シアノ、アルケニルオキシアルキル、アルコキシカルボニル、アリール、アリールアルキル、アシルオキシおよびアルキレンチオアルキルから成る群から選択される。最も好ましくは、R10およびR11は、水素であり;RおよびRの少なくとも1つは、R中のモノマーユニットの総数が少なくとも10、より好ましくは少なくとも12である基L(R)である。
ポリマー(好ましくは高Tgを有するポリマー)物品中のフォトクロミック物質の退色速度を増大するため、ポリマー鎖のサイズは、ある一定サイズより大きくすべきである。最小サイズは、オリゴマー鎖および結合基の性質に依存する。ポリマー鎖の一部がオキシラン環に隣接する配座をポリマー鎖がとる場合、退色はかなり促進されると考えられる。従って、上記オリゴマー鎖を上記分子と交差させる結合基(例えば、上記結合のオルソ位に少なくとも1つのポリマー鎖Rを含有する式VI〜VIIIの基)は、有効モノマーユニットの最小数を、他の結合基と比較して、低減することができる。
驚くべき事に、本発明者等は、少なくとも2つのオリゴマー鎖の場合、それぞれオキシラン環の反対側で、ポリマー中のフォトクロミック化合物の退色速度が低減されるのに対して、少なくとも1つのオリゴマー鎖を含有する単一置換基は広範囲のポリマーにおいて退色を促進することを見出した。理論に拘束されようとするつもりはないが、ホストポリマーを有するオキサジン部分の反対側のオリゴマー鎖間の相互作用により、フォトクロミック分子を制限または束縛して、スピロオキサジンの開環および閉環速度を低減する。
従って、1つの好ましい態様では、R、RおよびRの内の1つはL(R)(式中、R基は共に少なくとも10モノマーユニットを含む)である。更に、R並びにRおよびRの内の少なくとも1つ(好ましくはR)は、L(R)であり、2以上の基L(R)は少なくとも10モノマーユニットを含有する。
本発明の化合物の特定例には、以下の表1に示すものを含む。
表1
Figure 0004476930
Figure 0004476930
Figure 0004476930
Figure 0004476930
表中、(EO)は基(CHCHO)であり、PDMS(855)は平均分子量855を有する末端ブチルメチルシラン基を含むポリジメチルシロキサンである。
更に好ましい化合物を以下の表2に示す。
表2
Figure 0004476930
Figure 0004476930
より好ましい本発明の化合物は、式(Ivb):
Figure 0004476930
(式中、置換基は前述と同様であり、より好ましくはRはC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキルおよびL(R)であり;R5aおよびR5bは独立して、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリールから選択され;RおよびRは、水素、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシから選択され;R10は水素、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、‐NR(式中、RおよびRは独立して、水素、C〜Cアルキルであり、かつRおよびRは共に炭素原子4〜6個を有する部分的炭化水素鎖を形成してもよい)から成る群から選択される)
を有する。
前述のように、極性または非極性ポリマーにおける着色および退色の速度を最大化するため、R、RおよびRの内の1つは、少なくとも10、より好ましくは少なくとも12モノマーユニットを含むL(R)であり、かつR、RおよびRの内の他の2つは、L(R)(式中、L(R)は7モノマーユニットを含有する)以外である。
、RおよびRの内の1つ以下が少なくとも7モノマーユニットを含むL(R)である化合物において、着色および退色の速度への影響は、ある程度、上記オリゴマーに、およびポリマーのタイプに依存する。上記ポリマーおよびオリゴマーが相溶性を有する場合、退色速度は低下し、上記オリゴマーおよび樹脂が相溶性が悪い場合、上記効果は低下するか、または退色が増大する。
式IVa(好ましくはIVb)の化合物に関して、RおよびRが短鎖またはより小さい置換基である場合、より制限された範囲ではあるが、それらは退色速度を制御するのにも有用である。
従って、更なる態様では、本発明は式IVa(好ましくはIVb)(式中、RおよびRはそれぞれ式Iの基および前述のような式L(R)の基およびLR11(式中、R11は低級アルキル、低級ハロアルキル、低級ポリアルキレンオキシアリールおよびアリール(低級アルキル)である)の基から選択される)の化合物を提供する。語「低級(lower)」により、分子鎖中に炭素原子6個以下、好ましくは4個以下であることを意味する。
更に他の態様では、本発明の化合物を製造するための中間体を提供し、上記中間体は式IVa、より好ましくは式IVbを有する(式中、RおよびRはXHから選択され、ここでXは前述と同様である)。好ましくは、RおよびRは同一である。
本発明の化合物は、中間体VaまたはVbおよびVI:
Figure 0004476930
の反応によって製造されてもよい。本発明の化合物の1つの製造方法は、式Vaのメチレンインドリンまたはフィッシャー(Fishers)塩基または式Vbのインドリン塩(式中、Jはハロゲン、特にヨウ化物塩であり、R13はRであり、R14はRである)を式VIのニトロソヒドロキシ化合物と反応させて、式IVの本発明の化合物を提供する工程を含む。
または、式Vaのメチレンインドリンまたは式Vbのインドリン塩を式VI(式中、R12およびR13は独立して、水素および‐XHから成る群から選択され、R12およびR13の少なくとも1つは‐XHである)のニトロソヒドロキシ化合物と反応させて、式VII:
Figure 0004476930
の中間体を提供してもよい。次いで、式VIII:
JL(R) VIII
(式中、Jは式IVの化合物を生成する残基であり、RおよびRの内の少なくとも1つは基L(R)である)
の化合物を式VIIの化合物と反応させる。
または或いは更に、式IVの化合物(式中、RはL(R)である)は、式VaおよびVbの化合物を式VIIIの化合物と反応させて、式VaおよびVbの化合物(式中、R14はL(R)である)を提供することによって、或いは式VIaおよびVIbの化合物を式VIの化合物と反応させて、式IVの化合物(式中、RはL(R)である)を提供することによって製造されてもよい。
式VIIIの化合物の特定例には、JL(R)(式中、Jは塩素であり、Lは式IIa〜IIc(ここでpは0である)を有し、Rは前述のR基の例(i)〜(v)の内のいずれか1つである)が挙げられる。
式IVの化合物(Lは結合である)は更に、トルエンスルホニル残基を用いることによって、例えば式IX:
Figure 0004476930
の化合物と式IVの化合物(式中、RおよびRの内の少なくとも1つはXHであり、および/またはRは水素である)とを反応させて化合物(1以上の基がアルコキシ化されている)を提供することによって製造してもよい。
種々の縮合芳香族基Bを有する式X:
Figure 0004476930
の化合物を、式Vc:
Figure 0004476930
の中間体を用いて製造してもよい。
上記縮合芳香族基Bおよびその置換基は、フォトクロミック化合物の使用されていない色提供するように選択してもよい。そのような化合物は、迅速な退色スピロインドリンオキサジンの多角的製造方法を提供する。式VaおよびVbの好適な置換メチレンインドレン化合物の例には、ゲイル(Gale)およびウィルトシア(Wiltshire)のJ.Soc.Dye and Colourants、1974年、第90巻、第97〜100頁に記載の5‐アミノインドレン化合物、ゲイル(Gale)、リン(Lin)およびウィルトシア(Wiltshire)のAust.JU.Chem.、1977年、第30巻、第689〜694頁に記載の5‐アミノメチレン化合物、並びにTetrahedron Lett.、1973年、第12巻、第903〜6頁および米国特許第4062865号に記載の5‐ヒドロキシ化合物が挙げられる。
フォトクロミック物質の好ましいグループの1つは、スピロピランである。スピロピランの例には、式XIXおよびXX:
Figure 0004476930
(式中、XIX中の基X、Y、ZおよびQは、それらの1以上が任意にアリールで縮合した炭素環式環を形成する場合を含む置換基であってもよく、置換基R23およびR24はどの環に存在してもよく;
BおよびB’は任意に置換されたアリールおよびヘテロアリールであり;
22、R23およびR24は独立して、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、基L(R)および式COWの基(ここで、WはOR25、NR2627、ピペリジノまたはモルホリノであり、R25はC〜Cアルキル、フェニル、(C〜Cアルキル)フェニル、C〜Cアルコキシフェニル、フェニルC〜Cアルキル、(C〜Cアルコキシ)フェニル、C〜CアルコキシC〜Cアルキルおよび基L(R)から成る群から選択され;R26およびR27はそれぞれ、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、フェニル、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから選択される1または2の基で置換したフェニル並びに基L(R)から成る群から選択され;R22およびR23は、任意に置換されたベンゼンと任意に縮合した5または6員のカルボキシル環から選択されてもよく、該置換基の少なくとも1つはBおよびB’から成る置換基の群から選択され、R22、R23、R24、R25、R26およびR27は基L(R)である)から選択される。
22およびR23が炭素環式である場合、好ましい化合物は式XX(d):
Figure 0004476930
(式中、R22、R28およびR29は、前述のR22と同様である)
を有する。
好ましくはBおよびB’は独立して、任意に1〜3の置換基で置換されたアリールおよび任意に1〜3の置換基で置換されたヘテロアリールから成る群から選択される。存在する場合、上記置換基は、ヒドロキシ、アリール、(C〜C)アルコキシアリール、(C〜C)アルキルアリール、クロロアリール(C〜C)シクロアルキルアリール、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルコキシ、(C〜C)シクロアルコキシ、(C〜C)アルキル、アリール(C〜C)アルキル、アリール(C〜C)アルコキシ、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールオキシ(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルアリール、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシアリール、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシアリール、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシアリール、(C〜C)アルコキシ、アミノ、N‐(C〜C)アルキルピペラジノ、N‐アリールピペラジノ、インドリノ、ピペリジノ、アリールピペリシリン(aryl pipersillins)、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロキノリノから成る群から選択される。
NR2930(式中、R29およびR30は独立して、(C〜C)アルキル、フェニル、(C〜C)シクロアルキル並びに、R29およびR30がメチレン基を含有し、かつ任意に1以上のヘテロ原子を含有し、かつ任意に(C〜C)アルキルおよび基L(R)によって更に置換された4または5個の結合基を有する結合基を形成する基から成る群から選択される。)
22は、水素、(C〜C)アルキル、COW[式中、WはOR25(ここで、R25は(C〜C)アルキルである)および基NR2627(ここで、R26およびR27は独立して、(C〜C)アルキルである)である]および基L(R)から成る群から選択される。
特に好ましいナフトピラン化合物は、式XX(a):
Figure 0004476930
(式中、R20およびR21は独立して、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノおよびL(R)から成る群から選択され、
22は、基COW(ここで、Wは(C〜C)アルコキシである)または基L(R)であり、
23は、水素およびNR2627(ここで、R26は独立して、(C〜C)アルキルから成る群から選択され、R26およびR27は共に4〜6個の炭素原子を有するアルキレン基を形成してもよい)から成る群から選択され、
24は、水素または基L(R)であり、
22およびR24の内の少なくとも1つは、L(R)である)
を有する。
上記式XX(a)のナフトピラン化合物の特定例には、以下の表3に示したものが挙げられる。
表3
Figure 0004476930

Figure 0004476930
式XX(式中、R23および/またはR24は、オリゴマー基L(R)を含有する)の化合物は、式XXI(a)の好適に置換されたアセトフェノン、ベンゾフェノンまたはベンズアルデヒドから製造されてもよい。この方法では、式XXI(a)の化合物(または1より多い置換基を必要とするポリヒドロキシ化合物)を、式XXIのオリゴマーエステル化トルエンスルホネートと反応させて、対応する式XXI(b)のオリゴマーエーテルを提供する。上記式XXI(b)の芳香族オリゴマーエーテルを、コハク酸のエステル、例えば式XXI(c)のジアルキルスクシネートと反応させる。シュトッベ(Stobbe)反応により、酸無水物の存在下で脱水環化をうけて式XXIIIのナフタレンオリゴマーエーテルを形成する式XXIIの縮合ハーフエステルを生成する。式XXIIIの化合物は、塩酸などの酸およびメタノールなどの無水アルコールと反応させて、順に式XXVのプロパルギルアルコールと結合して式XX(b)の本発明のオリゴマー置換ナフトピランを形成する、式XXIVに示される対応するナフトールを生成してもよい。
Figure 0004476930
また、末端のフェニル基の少なくとも1つがオリゴマーによって置換されている式XX(c)の化合物は、式XXI(f)のベンゾフェノンから製造されてもよい。この方法では、適当なヒドロキシル基で置換されたベンゾフェノンを、式XXI(e)のトルエンスルホネートのオリゴマーエステルと反応させて、対応する式XXI(g)のオリゴマー置換ベンゾフェノンを生成する。式XXV(a)の対応するプロパルギルアルコールを、THF等の溶媒中のナトリウムアセチリドとの反応によって、上記ベンゾフェノンから製造する。上記式XXIV(a)のオリゴマーエステルを、式XXIV(b)の適当な置換ナフトールと結合させて、式XX(c)のオリゴマー置換ナフトピランを生成する。
Figure 0004476930
更に任意に、式XX(d)の本発明のオリゴマー置換ピランを生成するのに、式XXIII(a)の対応するカルボキシル化ナフトールを使用してもよい。そのような方法では、式XXIII(a)の上記ナフトールを式XXI(d)の適当なオリゴマー(特に、結合基Lが酸素を含有する)と反応させて、式XXIV(a)のオリゴマーエステルを提供する。上記式XXIV(a)のオリゴマーナフトールエステルを、式XXVのプロパルギルアルコールと反応させて、上記オリゴマーが5位に存在する式XX(d)のナフトールピランを提供してもよい。
Figure 0004476930
更に、式XXの別の化合物(式中、R22がオリゴマーL(R)を含有する)を、式XX(e)の化合物を酸塩化物または無水物置換オリゴマーと反応させて式:
Figure 0004476930
の化合物を提供することによって、生成してもよい。
フルギドおよびフルギミドの例には、式XXX、より好ましくはXXXa:
Figure 0004476930
(式中、
Qは、任意に置換された芳香族化合物、任意に置換されたヘテロ芳香族化合物(ここで、該芳香族化合物/ヘテロ芳香族化合物は、単環式または多環式の芳香族化合物/ヘテロ芳香族化合物であってもよい)から成る群から選択され;
30、R32およびR33は、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、フェノキシ、モノ‐およびジ‐(C〜C)アルキル置換フェニルまたはフェン(C〜C)アルキルから成る群から選択され、かつR32およびR33は、任意に共に、更に置換されてもよい縮合ベンゼンを形成し;
A’は、酸素または=N‐R36から成る群から選択され、R36はC〜Cアルキルまたはフェニルであり;
B’は、酸素または硫黄から成る群から選択され;
34およびR35は、独立して、C〜Cアルキル、フェニルまたはフェン(C〜C)アルキルを表すか、或いはR34およびR35の一方は水素であり、もう一方は前述の基の内の1つであるか、或いはR3435はアダマンチリジン基を表し;
30、R31、R32、R35およびR36の少なくとも1つは、基L(R)である)
の化合物が挙げられる。
BがNR30である場合、Aは一般に酸素である。
式XXXの化合物の特定例には、以下の表4に示されるものが挙げられる。
表4
Figure 0004476930

本発明のオリゴマー置換基を含有するフルギドおよびフルギミドは、分子スイッチに特に有用である。
上記式XXXのフルギドおよびフルギミドは、米国特許第4,220,708号に記載の方法と同様の方法によって生成してもよい。基A’が酸素である式XXX(a)のフルギドは、シュトッベ(Stobbe)縮合反応によって、式XXXII(式中、R37がアルコールの残基である)のコハク酸のエステルとの反応による式XXXの5員複素環から製造されてもよい。上記反応において生成されたXXXIIIのハーフエステル生成物を加水分解することによって、XXXIII(式中、R37が水素である)の二塩基酸の加熱により、式XXXIII(a)のコハク酸無水物生成物が得られる。上記シュトッベ縮合は、カリウムt‐ブトキシドを含有するt‐ブタノール中で、または無水トルエン中で水素化ナトリウムを用いて還流することによって、行ってもよい。式XXXaの基A’がN‐R36である式XXX(b)の本発明の化合物は、上記無水物および1級アミンR36NHを加熱して、例えば酸塩化物または酸無水物と加熱することによって、順に環化して式XXX(b)のイミドを生成することができる対応するハーフアミドを生成することによって、式XXX(a)の化合物から製造してもよい。また、上記式XXXのハーフエステルシュトッベ縮合生成物を、式R36NHMgBrの化合物との反応によって、式XXX(b)のイミドに変換して、式XXX(b)の化合物を提供するために酸塩化物を用いて脱水してもよい対応するスクシンアミド酸を生成することができる。式XXX(b)の化合物(式中、R36がオリゴマー基を含有する)が特に好ましい。
Figure 0004476930
式XXXIの化合物(式中、R22がオリゴマーL(R)を含有する)を、ルイス酸触媒(例えば、三塩化錫)の存在下で、オリゴマー酸塩化物、例えば(XXXV)の適当なフロイン(furon)との反応によって、製造してもよい。
Figure 0004476930
式XXX(式中、A’が式XXXVIの基である)のフルギミドは、遊離求核基、例えば4‐ヒドロキシアニリンを有するアミンを式XXX(A’が酸素である)の対応するフルギドと反応して、遊離求核基、例えばヒドロキシ(即ち、式XXXVII)を有する中間フルギミドを提供することによって、および上記フルギミドの遊離求核基をオリゴマー酸塩化物または無水物(例えば式XXXV)と反応して、オリゴマー置換フルギミド(即ち、式XXXVI)を提供することによって、製造してもよい。
Figure 0004476930
本発明の化合物は油である傾向を有する。これにより、それらはモノマーおよびポリマーマトリックス中により可溶である。それらが、マトリックス中であまり結晶化しないかもしれないことも意味し、従って、染料のより高充填を可能とし、従来のフォトクロミック染料を用いて生じる結晶化も防止する。
ジアルキルシロキサンオリゴマーを含有する本発明のフォトクロミック化合物を、適当なハロ置換フォトクロミック部分のアニオン重合によって製造してもよい。
例えば、塩素化フォトクロミック物質は、以下のようにジアリルシロキサンで官能基化してもよい。
Figure 0004476930
フォトクロミック部分でのオリゴマー生長の別法として、ATRPおよびRAFT法または他のリビングポリマー生長法がある。フォトクロミック部分でのリビング開始位置からオリゴマーを生長させるこの一般的方法によって、広範囲のフォトクロミック部分と共に使用するのに用いてもよい制御された生長方法を提供する。更に、アニオン性、ATRPおよびRAFTを含むリビング重合法の範囲は、製造されるべきオリゴマーのタイプに依存して選択されてもよい。
アゾ染料の例には、式XL:
Figure 0004476930
(式中、R40およびR41は、独立して、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、‐NR4243(ここで、R42およびR43は、R26およびR27と同様である)、アリール(例えばフェニル)、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから選択される1以上の置換基で置換したアリール、置換基がアリールおよびC〜Cアルコキシから選択される置換C〜Cアルキル、置換基がC〜Cアルコキシアリールおよびアリールオキシから選択される置換C〜Cアルコキシから選択される)
の化合物が挙げられる。
アゾ染料の特定例には、式XLを有する以下の化合物が挙げられる。
Figure 0004476930
本発明の化合物は油である傾向を有する。これにより、それらはモノマーおよびポリマーマトリックス中により可溶である。それらが、マトリックス中であまり結晶化しないかもしれないことも意味し、従って、染料のより高充填を可能とし、従来のフォトクロミック染料を用いて生じる結晶化も防止する。
本発明の化合物は、上記染料が好適なオリゴマーから分離され得ないため、固有のナノ環境を有する。
本発明の化合物は、1以上のフォトクロミック染料を含有してもよい。本発明の化合物は、従来のフォトクロミック物質との混合物に用いてもよい。
本発明の化合物を使用することによって、フォトクロミック物質の退色速度を、色の変化なしに変えることができる。従って、異なる色の染料に対して、退色速度の調節が可能となる。これは、退色が起こった時にバラツキのない色を得るのに重要である。従って、特定の速度を有する青色染料が必要である場合、本発明に従って、適当な長さを有するオリゴマーを含むように変性を行うことができる。
本発明のフォトクロミック化合物(またはそれを含有する組成物)は、当業者に公知の方法によって、ホスト材料に適用しても、または導入してもよい。そのような方法には、上記化合物を上記ホスト材料中に溶解する方法または分散する方法を含む。上記化合物はホストマトリックスと溶融混合してもよい。
含浸、熱転写またはコーティングによって、上記フォトクロミック化合物をホスト材料に吸収させ、上記フォトクロミック層を、上記ホスト材料の隣接層の間の分離層の一部として導入する。「吸収(imbibation)」または「吸収する(imbibe)」の語により、上記フォトクロミック化合物単独の上記ホスト材料への拡散、溶媒補助拡散、上記フォトクロミック化合物の多孔質ポリマーへの吸収、気相輸送、および他のそのような移動(transfer)機構を意味し、かつ包含するつもりである。
例えば、
(a)本発明のフォトクロミック化合物(またはそれを含有する組成物)は、硬化により、光学的に透明なポリマーホスト材料を生成する重合性組成物と混合することができ、上記重合性組成物はフィルム、シートまたはレンズとして注型することができ、或いはシートまたはレンズに射出成形または別の方法で成形することができる。
(b)本発明のフォトクロミック化合物は、水、アルコールまたは他の溶媒または溶媒混合物中に溶解または分散することができ、次いで、ホスト材料用に数分から数時間、例えば2〜3分から2〜3時間、そのような溶液または分散液の槽中への浸漬によって、固体ホスト材料中に吸収することができる。上記槽は、従来から高温、通常、50〜95℃である。従って、上記ホスト材料は、上記槽から除去されて、乾燥される。
(c)フォトクロミック化合物(およびそれを含有する組成物)は、ポリマーバインダーの存在下で、フォトクロミック材料の溶液または分散液から、如何なる好適な方法、例えばスプレー、ブラッシング、スピンコーティングまたはディップコーティング、によって、上記ホスト材料の表面に適用されてもよい。その後、例えば、オーブン中で、80〜180℃で1分から数時間、加熱することによって、上記フォトクロミック化合物を上記ホスト材料により吸収する。
(d)上記吸収方法の変形においては、上記フォトクロミック化合物またはそれを含有する組成物を、次いでホスト材料と接触して配置され、例えばオーブン中で加熱される、一時的な支持体、またはファブリック上に付着させることができる。
(e)上記フォトクロミック化合物は、如何なる好適な方法、例えばスプレー、ブラッシング、スピンコーティングまたはディップコーティング、によって、永久接着フィルムまたはコーティングの形で、ホスト表面に適用することができる透明ポリマー材料中に溶解または分散することができる。
(f)上記フォトクロミック化合物は、前述の方法のいずれによっても、透明ポリマー材料に導入または適用することができ、次いで、ホスト材料の隣接層の中間の連続層として上記ホスト材料中に配置することができる。
(g)本発明のフォトクロミック付加物は、キャリアと共にボールミルによって染料組成物中に導入して、バインダーマトリックス中に分散してもよい。そのような組成物は、例えばインクジェット印刷におけるインクとして用いてもよく、文書上のセキュリティーマーキングを、コピーにおけるUV光への露光時に可視となるように、好適な(PC)部分を選択してもよい
(h)上記フォトクロミック化合物は、好適な樹脂を配合してもよく、例えばブロー成形によって上記樹脂を溶融成形してフィルムを形成するか、または例えば、射出成形および/またはブロー構造体によって、より複雑な押出形状を形成する。
上記移動方法が、なかでも米国特許第4,286,957号および同4,880,667号に記載されている。この技術において、上記透明ポリマー支持体の表面を、導入されるべきフォトクロミック物質を含有するワニス層で被覆する。このようにして被覆した上記支持体を、次いで、上記フォトクロミック物質を支持体中にマイグレートさせるため、熱処理する。
高温でも比較的安定性を有することが、本発明のフォトクロミック付加物のかなり優位な点である。これに対して、不飽和官能基を用いて退色結果を改善しようとする試みにより、高温で重合し、概して時期尚早の重合を回避するように貯蔵されるべき化合物が得られる。
本発明は、当業者には多くの変形および修飾が明らかとなる以下の例示において特に記載される。
本発明のフォトクロミック化合物と共に用いられてもよいホスト材料の例には、ポリマー、即ち、ポリオール(アリルカーボネート)モノマーのホモポリマーおよびコポリマー、多官能性アクリレートモノマーのホモポリマーおよびコポリマー、ポリアクリレート、ポリ(アルキルアクリレート)、例えばポリ(メチルメタクリレート)、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酪酸セルロース、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ(エチレン‐テレフタレート)、ポリスチレン、コポリ(スチレン‐メチルメタクリレート)、コポリ(スチレン‐アクリロニトリル)、ポリ(ビニルブチラール)、並びにジアシリデンペンタエリトリトールのホモポリマーおよびコポリマー、特にポリオール(アリルカーボネート)モノマー、例えばジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)、およびアクリレートモノマーのコポリマーが挙げられる。透明コポリマーおよび透明ポリマーのブレンドも、ホスト材料として好適である。
上記ホスト材料は任意に、ポリカーボネート樹脂から製造した透明重合有機材料、例えばビスフェノールAおよび商品名「LEXAN」で市販のホスゲンから誘導されるカーボネート結合樹脂;ポリ(メチルメタクリレート)、例えば商品名「PLEXIGLAS」で市販の材料;ポリ(アリルカーボネート)の重合体、特に商品名「CR‐39」で市販のジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)、およびそのコポリマー、例えば酢酸ビニルのコポリマー、例えば約80〜90%のジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)および10〜20%の酢酸ビニル、特に80〜85%の上記ビス(アリルカーボネート)および15〜20%の酢酸ビニル、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、ポリスチレンおよびスチレンとメチルメタクリレート、酢酸ビニルおよびアクリロニトリル、および酢酪酸セルロースとのコポリマーであってもよい。
重合して透明ホスト材料を生成するポリオール(アリルカーボネート)モノマーは、直鎖状または分岐状脂肪族グリコールビス(アリルカーボネート)化合物のアリルカーボネート、またはアルキリデンビスフェノールビス(アリルカーボネート)化合物である。これらのモノマーは、ポリオール、例えばグリコールの不飽和カーボネートとして記載される。上記モノマーは、当業者に公知の方法、例えば米国特許第2,370,567号および同2,403,113号によって製造することができる。上記ポリオール(アリルカーボネート)モノマーは以下の式:
Figure 0004476930
(式中、Rは不飽和アルコールから誘導される基であり、通常、アリルまたは置換アリル基であり、R’はポリオールから誘導される基であり、nは整数2〜5、好ましくは2である)
によって表すことができる。上記アリル基(R)は、2位においてハロゲン、特に塩素または臭素、或いは炭素原子1〜4個を含有するアルキル基、一般にメチルまたはエチル基で置換されていてもよい。上記Rは、式:
Figure 0004476930
(式中、Rは水素、ハロゲン、またはC〜Cアルキルである)
によって表すことができる。Rの特定例には、アリル、2‐クロロアリル、2‐ブロモアリル、2‐フルオロアリル、2‐メチルアリル、2‐エチルアリル、2‐イソプロピルアリル、2‐n‐プロピルアリル、および2‐n‐ブチルアリルが挙げられる。最も一般的には、Rは以下の式:
Figure 0004476930
(式中、R’は、ヒドロキシ基2、3、4または5個を含有する脂肪族または芳香族ポリオールであってもよいポリオールから誘導される多価基である)
のアリル基である。通常、上記ポリオールは2つのヒドロキシ基を含有する、即ち、グリコールまたはビスフェノールである。脂肪族ポリオールは、直鎖状または分岐状であってもよく、炭素原子2〜10個を含有する。一般的に、上記脂肪族ポリオールは炭素原子2〜4個を有するアルキレングリコールまたはポリ(C〜C)アルキレングリコール、即ち、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、またはジエチレングリコール、トリエチレングリコール等である。
更なる態様では、本発明は、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチレングリコールビスメタクリレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート)、熱可塑性ポリカーボネート、ポリ(酢酸ビニル)、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)モノマー、ジエチレングリコールジメタクリレートモノマー、エトキシル化フェノールビスメチルアクリレートモノマー、ジイソプロピルベンゼンモノマーおよびエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートモノマーから成る群から選択されるポリマー有機ホスト材料、並びにフォトクロミック量の本発明の化合物を含むフォトクロミック物品を提供する。
上記ポリマー有機ホスト材料は、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ(C〜C12)アルキルメタクリレート、ポリオキシ(アルキレンメタクリレート)、ポリ(アルコキシレートフェノールメタクリレート)、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酪酸セルロース、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、熱可塑性ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリ(エチレン‐テレフタレート)、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、コポリ(スチレン‐メチルメタクリレート)、コポリ(スチレン‐アクリロニトリル)、ポリビニルブチラール、並びに
ポリオール(アリルカーボネート)モノマー、多官能性アクリレートモノマー、多官能性メチルアクリレートモノマー、ジエチレングリコールジメタクリレートモノマー、ジイソプロピルベンゼンモノマー、アルコキシレート多価アルコールモノマーおよびジアリリデンペンタエリトリトールモノマーから成る群から選択される構成要素のポリマー
から成る群から選択される。
上記フォトクロミック物品は、アクリレート、メタクリレート、メチルメタクリレート、エチレングリコールビスメタクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート、酢酸ビニル、ビニルブチラール、ウレタン、チオウレタン、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジイソプロペニルベンゼン、およびエトキシル化トリメチルプロパントリアクリレートから成る群から選択されるモノマーのホモポリマーまたはコポリマーであるポリマー有機材料を含有してもよい。
本発明のフォトクロミック組成物は、フォトクロミック部分のタイプおよび予定する用途に依存して広範囲の濃度のフォトクロミック化合物を含有してもよい。例えば、高い色の純度を必要とするインクの場合、30重量%と比較的高濃度のフォトクロミック物質を必要とする。これに対して、非常に低濃度でフォトクロミック物質を使用する光学物品などの場合、照射時に光学的透明度の比較的僅かな変化を提供することが望ましい。例えば、0.01mg/gと低濃度のホスト樹脂を用いてもよい。概して、上記フォトクロミック樹脂は、ホスト樹脂の0.01mg/gからホスト樹脂の30重量%までの量で存在する。より好ましくは、上記フォトクロミック化合物は、ホストマトリックスの0.01〜100mg/g、なお好ましくはホストマトリックスの0.05〜100mg/gの量で存在する。
上記フォトクロミック物品は、上記フォトクロミック物質を導入または適用するポリマー有機ホスト材料表面の0.05〜10.0mg/cmのフォトクロミック組成物を含有してもよい。
本発明のフォトクロミック化合物は、上記有機フォトクロミック物質が用いられてもよい用途、例えば光学レンズ(例えば、視力矯正メガネおよび平面レンズ)、フェースシールド、ゴーグル、バイザー、カメラレンズ、ウィンドウ、ミラー、自動車両のフロントガラス、装身具(jewellery)、航空機および自動車両のトランスペアレンシー(例えば、Tバールーフ(T‐roof)、サイドライトおよびバックライト)、プラスチックフィルムおよびシート、布地およびコーティング(例えば、コーティング組成物)に使用してもよい。本明細書中で用いられるように、コーティング組成物には、ポリウレタン、エポキシ樹脂および合成ポリマーを製造するのに用いられる他の樹脂等の材料から製造されるポリマーコーティング組成物;塗料、即ち、支持体の装飾、保護および/または同定に用いられる着色した液体またはペースト;およびインク、即ち、支持体上に書くおよび印刷するのに用いられる着色した液体またはペースト;を含み、上記支持体には、紙、ガラス、セラミック、木材、組積造(masonry)、布地、金属およびポリマー有機材料を含む。コーティング組成物は、真正性を認証または照合することが望ましい、セキュリティ文書、例えば銀行通帳、パスポートおよび自動車免許証等の文書における照合マークを作製するのに用いられてもよい。コピー時の露光を表示するためのセキュリティ文書もある。
本明細書の記載および特許請求の範囲において、「含有する(comprise)」の語およびその変形、例えば「comprising」および「comprises」は、他の添加剤、成分、整数または工程を排除するものではないことを意味する。
文献、作用、材料、装置、物品等の議論は、単に本発明に関する背景を提供する目的で本明細書中に含まれる。本願の各請求項の優先日前のオーストラリアに存在したので、これらの内のいくらかまたはすべてが従来技術のベースの一部を形成するか、または本発明に関する分野で通常、一般的に知られていたということは示唆も記載もない
ポリ(エチレングリコール)(PEG)メチルエーテルおよびポリジメチルシロキサンオリゴマー並びに化合物の命名法について
ある平均分子量を有するPEGモノメチルエーテルが市販されている。例えば、アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Company)から、350、750等の数平均分子量を有するものが市販されており、それらは正確にではないが、ほぼ7PEGユニット、16PEGユニット等に対応する。上記Mnが350のPEGは分子量、即ち、PEGユニットの分布を含んでいる。PDMSオリゴマーについても、同様のことが言える。それらは、ある平均分子量を有するものとして市販されている。ジメチルシロキサンの繰り返しユニット数として付記される如何なる数も、平均値と解釈されるべきである。扱いにくさおよび厳密に言えば不正確な命名を避けるため、上記PEG誘導体は、それらが誘導されるPEGのMnをベースとして、命名する。350PEGからのコハク酸誘導体は、「コハク酸モノ‐PEG(350)エステル」であり、存在する鎖長分布を表示していない、正式な「コハク酸モノ‐(2‐{2‐[2‐(2‐{2‐[2‐(2‐メトキシ‐エトキシ)‐エトキシ]‐エトキシ}‐エトキシ)‐エトキシ]‐エトキシ}‐エチル)エーテル」ではない。
コハク酸モノ‐PEG(350)エステル
Figure 0004476930
ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(即ち、PEG(350)約7‐PEGユニット、Mn約350g/モル)(20g、57.1ミリモル)を、コハク酸無水物(5.7g、57ミリモル)、メタノール(100mg)およびジメチルアミノピリジン(50mg)と共に、アルゴン雰囲気下、室温で50mLのジクロロメタン中に溶解した。トリエチルアミン(7.9mL、5.7g、57.1ミリモル)を滴下して加えた。上記反応物を室温で一日間攪拌し、次いで1時間還流した。ジクロロメタンで希釈することによって上記反応物を調製し、減圧下で蒸発する前に、2M−HCl、次いでブラインで洗浄して、生成物として透明油を得た(19g、74%)。
H NMR (CDCl) δ 2.55 (s, 4H, C=O−CHCH−C=O), 3.25 (s, 3H, メチル), 3.45 (多重線, 2H), 3.55 (s, 22H, PEGs), 3.60 (多重線, 2H, CHCH−OC=O), 4.15 (多重線, 2H, CH-OC=O)ppm.13C NMR (CDCl) 28.8 & 29.1 (スクシニルメチレン), 58.9 (-OCH), 63.8 & 68.3 (CHCH−OC=O), 70.4 (最大PEGユニット), 71.8 (-CH-O-CH), 172.2 (エステル), 175.0 (酸)ppm
コハク酸モノ‐PEG(750)エステル
Figure 0004476930
コハク酸モノ‐PEG(750)エステルを、コハク酸モノ‐PEG(350)エステルと同様の方法によって合成した。収率79%。
H NMR (CDCl) δ 2.50 (s, C=O−CHCH−C=O), 3.25 (s, メチル), 3.50 (s, PEGs), 4.10 (多重線, CH−OC=O) ppm. 13C NMR (CDCl) 28.7 および 29.0 (スクシニルメチレン), 58.9 (-OCH), 63.7 および 68.9 (CHCH−OC=O), 70.4 (最大PEGユニット), 71.8 (-CH-O-CH), 172.1 (エステル), 174.4 (酸) ppm
コハク酸塩化物モノ‐PEG(350)エステル
Figure 0004476930
コハク酸モノ‐PEG(350)エステル(9g、20ミリモル)をアルゴン雰囲気下、室温でジクロロメタン(10mL)中に溶解し、塩化チオニル(3.5mL)を滴下して加え、上記反応物を5日間攪拌し、次いで50〜70℃で2時間加熱した。上記反応物を、60℃で1時間、減圧下で蒸発した。得られた油は、純粋な酸塩化物であった(9.22g、98%)。
H NMR (CDCl) δ 2.55 (t, 2H, CH−C=O−Cl), 3.17 (t, 2H, O−C=O−CH), 3.31 (s, 3H, メチル) 3.50 (多重線, 2H), 3.60 (s, 22H, PEGs), 4.22 (多重線, 2H, CH−OC=O) ppm. 13C NMR (CDCl) 29.3 & 41.7 (スクシニルメチレン), 59.0 (−OCH), 64.2 & 68.9 (CHCH−OC=O), 70.5 (最大PEGユニット), 71.9 (−CH−O−CH), 170.9 (エステル), 172.9 (酸塩化物)ppm
コハク酸塩化物モノ‐PEG(750)エステル
Figure 0004476930
コハク酸塩化物モノ‐PEG(750)エステルを、コハク酸塩化物モノ‐PEG(350)エステルと同様の方法によって合成した。収率98%。
H NMR (CDCl) δ 2.52 (t, CH−C=O−Cl), 3.03 (t, 2H, O−C=O−CH), 3.16 (s, メチル), 3.34 (小多重線), 3.44 (s, 22H, PEGs), 3.51 (小多重線), 4.06 (多重線, CH−OC=O) ppm
スピロオキサジンのナンバリング
Figure 0004476930
この部分を、以下、略語「SOX」で表す。
実施例を、一部、図面を参照して説明する(実施例8、23および24)。
実施例1
9'‐(PEG(350)‐スクシニル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン](PEG(350)‐suc‐SOX)
Figure 0004476930
9'‐ヒドロキシ‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン](1.95g、5.67ミリモル)およびトリエチルアミン(0.857g、1.18mL、8.5ミリモル)を共にジクロロメタン(30mL)に加え、次いでジクロロメタン中のコハク酸塩化物モノ‐PEG(350)エステル(3.19g、6.8ミリモル)を室温でアルゴン保護下で上記溶液に滴下した。上記反応完了後、ジクロロメタンで希釈し、硫酸マグネシウムで最終乾燥する前に、希釈水酸化ナトリウム、希釈HClおよびブラインで洗浄することによって調製して、暗褐色油(4g)を得、カラムクロマトグラフィによって精製して褐色油を得た。
H NMR (CDCl) δ 1.33 (s,6H,C(CH)), 2.75 (s,3H,N−CH), 2.82 & 2.94 (多重線, 4H, C=O−CHCH−C=O), 3.35 (s,3H,O−CH), 3.53 (多重線, 2H,CH−O−CH), 3.63 (s,PEGユニット), 3.71 (多重線, 2H,CHCHO−C=O), 4.30 (多重線, 2H,CHCHO−C=O), 6.58 (d,J=7.6Hz, 5−H), 6.82−7.27,7.59−7.79, 8.23 (d,H=2.7Hz, 7'−H)ppm.
実施例2
9'‐(PEG(750)‐スクシニル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン](PEG(750)‐suc‐SOX)
Figure 0004476930
コハク酸塩化物モノ‐PEG(350)エステルの代わりにコハク酸塩化物モノ‐PEG(750)エステルを用いて、9'‐(PEG(350)‐スクシニル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン]と同様にして、9'‐(PEG(750)‐スクシニル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン]を合成して、76%収率の生成物を得た。H NMRスペクトルは、3.63ppmに上記PEGユニットに対応するより大きな一重線を有することを除いて、9'‐(PEG(350)‐スクシニル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン]と同様に見えた。
H NMR (CDCl) δ 1.33 (s,6H,C(CH)), 2.75 (s,3H,N−CH), 2.82 & 2.94 (多重線, 4H, C=O−CHCH−C=O), 3.35 (s,3H,O−CH), 3.53 (多重線, 2H,CH−O−CH), 3.63 (s,PEGユニット), 3.71 (多重線, 2H,CHCHO−C=O), 4.30 (多重線, 2H,CHCHO−C=O), 6.58 (d,J=7.6Hz, 5−H), 6.82−7.27,7.59−7.79, 8.23 (d,H=2.7Hz, 7'−H)ppm.
実施例3
パート(a)
5,9'‐ジヒドロキシ‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン]
Figure 0004476930
5‐ジヒドロキシ‐1,2,3,3‐テトラメチルインドリウムヨーダイド(1.65g,5.2ミリモル)をメタノール(10mL)中に溶解し、ブタノール(5mL)およびピペリジンを滴下して加え、上記溶液を静置した。次いで、2,7−ジヒドロキシ−1−ニトロソナフタレン(0.983g)を加え、上記溶液を1時間還流し、次いで室温で一晩攪拌した。上記溶媒を蒸発させ、残渣を色層分析法によって分離して、暗青色の生成物(300mg 17%)を得た。H NMR (DMSO−d) δ 1.20 & 1.27 (s,3H,メチル), 2.57 (s,3H,N−Me), 6.37−6.61 (多重線 芳香族), 6.61-6. 76 (多重線 芳香族), 7.58-7. 98 (多重線 芳香族), 8.80 (ナフチル 芳香族), 9.88 (ナフチル 芳香族) ppm.
パート(b)
5,9'‐ジ(PEG (350)‐スクシニル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン](ビスPEG (350)‐suc)‐SOX)
Figure 0004476930
2モル当量のコハク酸塩化物モノ‐PEG(350)を用いて、9'‐(PEG(350)‐スクシニル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン]と同様にして、5,9'‐ジ(PEG(350)‐スクシニル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン]を作製した。上記生成物は褐色油であった(90%
収率)。
H NMR (CDCl) δ 1.00 (s,3H,メチル), 1.13 (s,3H,メチル), 2.38 (s,3H,N−メチル), 2.49 (多重線, 8H,C=O−CHCH−C=O), 3.10 (s,6H,O−CH), 3.40 (s, 約12−14 全PEGユニット + 2×1/2PEGユニット), 4.12 (s, 4H, CHCHO−C=O), 6.18 (d, J=8.2Hz,5−H), 6.73−7.0 (多重線 芳香族), 7.2−7.6 (多重線 芳香族), 8.55 & 8.82 (s, ナフチル 芳香族)ppm.
実施例4
ポリ(ジメチルシロキサン)モノカルボン酸デシルクロリド末端
Figure 0004476930
ポリ(ジメチルシロキサン)モノカルボン酸デシル(MCR−B11 ABCR Mw ca 1056)(4g,4ミリモル)を10mLのジクロロメタン中に溶解し、塩化チオニル(2mL)を加えて、反応物をアルゴン雰囲気下で一晩加熱した。溶媒および塩化チオニル減圧下での蒸発および緩やかな加熱(40℃)によって反応物を生成して、3.77gの非常にうすい青色の琥珀色の油を得た。
H NMR (CDCl) δ 0.0 (s,Si−Me), 0.45 (m,CH), 0.8 (t, J=約6.6Hz,CH), 1.2 (s,CH), 1.6 (pent,2H,CH−CH−COCl), 2.8 (t, J=7Hz,2H,CH−CH−COCl)
13C NMR (CDCl) δ 0.18,1.05,1.18,1.78,13.8,18.0,18.3,23.2,25.07,25.5,26.4,28.5,29.1,29.4,29.48,33.4,47.1(CH−COCl),173.7(COCl)ppm.
実施例5
9’−(PDMS(855)−ウンデシル)−1,3,3−トリメチルスピロ[インドリン−2,3’−[3H]ナフタ[2,1−b][1,4]オキサジン]
Figure 0004476930
9’−ヒドロキシ−1,3,3−トリメチルスピロ[インドリン−2,3’−[3H]ナフタ[2,1−b][1,4]オキサジン](1g,2.9ミリモル)およびトリエチルアミン(0.9mL,655mg,6.5ミリモル)を共にジクロロメタン(20mL)に加え、次いでジクロロメタン中のモノカルボン酸デシルクロリド末端ポリ(ジメチルシロキサン)(3.0g、2.8ミリモル)を室温でアルゴン保護下で上記溶液に滴下して加えた。上記反応をTLC(DCMまたはエーテル:ヘキサン1:1)によって監視し、数時間後完了した。水、ブライン(+エマルジョンを破壊するための少量の希釈HCl)で洗浄し、乾燥(MgSO)することによって上記反応物を生成し、エバポレートすることによって暗色液体を得た。上記油をエーテル:ヘキサン1:3を用いてシリカ上で色層分離して、所望の生成物として、2.1g(52%)の淡褐緑色油を得た。ビニル(末端)基を有し、非常に小さいDMS含量を有する以外は、上記生成物と分光器的に同様の二番目に遅いフラクション(200mg)を得た。
H NMR (アセトン−d) δ=0.09 (d,J=1.8Hz,Si−Me), 0.10 (d,J=1.83Hz,Si−Me), 0.12 (d,J=1.8Hz,Si−Me), 0.13 (s,Si−Me), 0.6 (多重線, 4H,アルキル), 0.90 (多重線, 4H,アルキル), 1.3−1.4 (多重線, 22H,9,10−H,アルキル, CH−CH), 1.50(多重線, 2H,'c−H), 1.80 (pent., J=7.3Hz), 2H,'b’−H), 2.68 (t, J=7.3Hz, 2H,'a'-H), 2.77 (s,3H,8-H), 6.65 (d,J=7.8Hz,7-H), 6.87 (t,J=7.3Hz,5-H), 7.03 (d,J=8.5Hz,5'-H), 7.14 (d,J=7.3Hz,4-H), 7.19 (明瞭なt, 2H,6 & 8'-H), 7.80 (d, J=9.3Hz, 6'-H), 7.82 (s,2'H), 7.86 (d, J=8.6Hz,7'-H), 8.23 (d, J=2.3Hz,10'-H)ppm.
MS (FAB), M+ 1368 (100%) (オリゴマー中の11DMSユニットに相当する), 1145.9 (90%) (オリゴマー中の8DMSユニットに相当する), 1591.4 (85%) (オリゴマー中の14DMSユニットに相当する), 923.6 (オリゴマー中の5DMSユニットに相当する), 1813.5 (オリゴマー中の17DMSユニットに相当する).
4〜19DMSユニットの他のすべてのオノゴマー長さに対するピークも、12DMSユニット付近に中心を有する小さな鐘状曲線分布中に観察される(より小さい他のピークを有する12MDS40%のM+)。
Figure 0004476930
実施例6
9'‐((1‐(イソブチル)‐POSS)‐3‐プロピル)‐スクシニル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン−2,3’−[3H]ナフタ[2,1−b][1,4]オキサジン]
Figure 0004476930
9‐(モノカルボキシ‐スクシニル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン−2,3’−[3H]ナフタ[2,1−b][1,4]オキサジン](0.62g 1.8ミリモル), ヒドロキシプロピルイソブチル‐POSS(1.58g 1.8ミリモル)、ジメチルアミノピリジン(33mg、0.2ミリモル)をジクロロメタン(15mL)中に溶解し、次いでジクロロメタン中のジシクロヘキシルカルボジイミド(0.4g,1.8ミリモル)を5分間かけて徐々に加えた。TLC分析により出発スピロオキサジンが存在しないことを示すまで、上記溶液をアルゴン雰囲気下で4〜5時間還流した。生成部をTLCにより迅速移動バンドとして同定した(エーテル:ヘキサン1:1 rf約0.8)。ジクンロロメタン(100mLまで)を用いた希釈、冷却および沈澱ジシクロヘキシルウレアを濾過して除去することによって、上記反応物を生成した。上記溶液を水、ブラインを用いて洗浄し、乾燥およびエバポレートして、白色固体を得た。迅速移動明青色バンドが溶離するまで、これをシリカ上で色層分離した(エーテル:ヘキサン1:3)。上記溶媒を回収したバンドからエバポレートして、白色/淡緑色/青色固体(0.86g、37%)を得た。上記カラムをエーテル:ヘキサン(1:1)を用いて溶離して、更に2つのバンドを得た。これらをエバポレートして、べとべとした(smear)非フォトクロミック固体を得た。上記物質を逆相クロマトグラフィによって精製して、結晶状態において光互変性を示す結晶性材料を得た。紫外線光を照射した時に青色に変化した。
MS (IE) 1302 (M+, 100%). δ≠0.65 (14H, dd J 2.19,6.95), 0.75 (2H,t J 8.23), 0.98 (42H, bs), 1.34 (3H,s), 1.36 (3H,s), 1.75−1.97 (9H,m), 2.77 (3H,s), 2.80 (2H,t J 6.40) 3.0 (2H,t J 6.40), 4.12 (2H,t J 6.79), 6.66 (1H, d J 7.68), 6.87 (1H, dd J 0.73,7.32), 7.05 (1H,d J 8.78), 7.15 (1H,d J 7.32), 7.17−7.22 (2H,m), 7.82 (1H, d J 8.78), 7.83 (1H,s), 7.88 (1H, d J 8.78), 8.26 (1H, d J 2.38)ppm.
実施例7
フォトクロミック速度を同定するための簡単なスクリーンを以下の通り行った。少量のフォトクロミック化合物をTHF中に溶解して濃度約25ミリモル/mLとした。次いで、この溶液を標準コピー紙(商品名「リフレックス(Reflex)」)上に滴下して、直径約1〜2cmのスポットを提供した。これを乾燥させた。次いで、上記スポットをハンドヘルドのUV光(365nm)を用いて照射し、上記スポットをカラー化し、次いで上記UV光を取り除くと脱色した。出発SOX、比較例1、実施例1および実施例2のスポットを同時に試験すると、従来の染料(出発SOXおよび比較例1)が5分後まだ脱色状態であるのに対して、実施例1および実施例2は15秒未満で明らかに着色した。更に、上記従来の染料は3〜4時間後に疲労しており、約4時間後には着色は観察されなかった。しかしながら、実施例1および実施例2の染料は、疲労することを長期間保護した。通常、光互変性は少なくとも1週間観察された。
実施例8
表5における安定状態UV‐可視吸収測定値は、バリアン・ケアリー(Varian Cary)50 UV‐可視分光光度計を用いて得られた。上記装置は試料をインシトゥで励起させることができるが、溶液およびフィルムの吸収における即時の変化の検討はできない。上記キャリー50は、−10〜100℃の操作温度範囲を許容する調温したペルティエ試料ホルダーを装備している。図17は、フォトクロミックポリマー試料の照射および吸収測定用の装置構成である。上記試料を励起させる波長範囲に関して選択するため、多くのフィルターを上記システムに導入することができる。同様に、波長に関して選択するため、単色光分光器を2つのレンズ間に導入することもできる。
150Wキセノン・アーク・ランプ(Xenon Arc Lamp)への曝露によって、試料を光励起した。上記励起波長範囲は、2つの光学フィルター、WG320および9863の使用によって、約300〜400nmおよび650nm以上に限定した(図18参照)。上記試料の加熱を低減するのに、水フィルターも用いた。
上記フォトクロミック化合物のフィルム(約0.3g/L)を、好適な溶媒中に溶解したポリマーの4w/v%溶液をガラススライド上に注型して、風乾した。フィルムは約100μm厚さであった。
フィルム試料を特定の結合構造で分光光度計に装着した(図19参照)。検出器を飽和する散乱励起光を最小限にするため、上記フィルムの面は検出器の方を向いていなかった。他のカットオフ(cut−off)・フィルターを検出器の直前に使用して、更に検出器に到達する散乱UV光を最小限にした。
試料は、走査を行う前に各温度で約5分間、熱的に平衡にした。
異なるポリマーフィルムにおける数種のフォトクロミック染料の吸光度(A)、退色半減期(t1/2、秒)および退色3/4減期(three quarter life)(t3/4、秒)を表5に示した。t1/2は、UV照射を止めたときから染料の着色した形の初期最大光学濃度から半分だけ光学濃度が減じるのにかかった時間である。t3/4は、UV照射を止めたときから染料の着色した形の初期最大光学濃度から3/4だけ光学濃度が減じるのにかかった時間である。
表5
Figure 0004476930
Figure 0004476930
オリゴマーおよびマトリックスの選択による上記退色速度の制御の例が、表5に見られる。第3および4行には、それぞれ増加長さを有する極性ポリエチレングリコール(PEG)によって機能性化したスピロオキサジンフォトクロミック染料の退色向上が示されている。実施例2には、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン)およびポリ(カーボネート)の中の第1および2行における参照化合物に対して向上された退色速度が示されている。更に、上記オリゴマー長さが長いほど、3つの全てのポリマーにおいて、実施例2(第4行)が実施例1(第3行)より退色が速くてカプセル化効果が優れる。PEG(350)が約7PEGユニットであるのに対して、PEG(750)は約16PEGユニットを有する。実施例2の場合、退色速度はホストマトリックスとほとんど無関係になっていた。
実施例3(表6の第6行)の場合、カプセル化効果がはっきりと見られる。ここで、上記PEG鎖はポリスチレンマトリックスと非相溶性であり、上記フォトクロミック物質に近接して螺旋状に巻くか、または上記フォトクロミック物質をカプセル化するので、ポリ(スチレン)の退色速度はポリ(メチルメタクリレート)よりかなり大きい。上記ポリ(スチレン)の退色速度は、実施例1と同様である。しかしながら、ポリメチルメタクリレートにおいては、実施例3のPEG鎖は上記マトリックスとより相溶性を有し、T1/2退色速度は実施例1のようにかなり低下する。短いアルキル鎖を有するビス‐プロピレート‐SOXもこの効果を示す。ここで、非極性アルキル鎖は極性ポリ(メチルメタクリレート)マトリックスと非相溶性であるが、非極性ポリ(スチレン)とはより良好な相溶性を有し、従って、ポリ(スチレン)においては退色速度が非常に小さい。実施例3およびビス‐プロピル‐SOXの両方は、ポリカーボネート中で非常に小さい退色速度を示す。
反応速度曲線
表5のデータを得るのに用いたものとは異なるフィルムを用いて、異なる条件下で、以下の反応速度曲線(図1〜4)を得た。用いた実験構成は、実施例24に記載されている。上記曲線により、フォトクロミック染料に結合した上記PDMSオリゴマーのフォトクロミック染料の退色速度に対する大きな効果を示した。それにより、ポリマーマトリックス中のフォトクロミック染料に対して予め観察されない溶液のような反応速度挙動を提供した。一定最大光学濃度への迅速な着色、次いで照射の中止により迅速な退色を可能とする。同様の効果が、実施例2のPEGオリゴマー(SOX‐suc‐PEG(750))を用いても得られた。上記PEGがいくらか非相溶性を有するマトリックス(即ち、ポリスチレン)中に配置すると、上記PEGは上記フォトクロミック染料を溶媒和するのにより有用であり、迅速な退色が観察される。比較例1(SOX‐プロピレート)は、実施例5(SOX−undec−PDMS(855))および実施例2(SOX−suc−PEG(750))の両方と電子的に同一であり、好適なスイッチング環境を提供するオリゴマーが存在しないため非常に遅い着色および退色速度を示す。
以下の曲線(図1〜4)により、それぞれポリ(メチルメタクリレート)およびポリ(スチレン)中の電子的に同一なSOX‐プロピレートおよび出発染料(置換基なし)と比較した、実施例2(SOX−suc−PEG(750))、実施例5(SOX−undec−PDMS(855))の着色および退色性能を示した。それらによって、上記PDMSオリゴマーが上記染料を迅速に着色化し、10秒以内に最大光学濃度を達成することを可能とする。比較例1(SOX‐プロピレート)のような従来の染料(実施例5(SOX‐undec−PDMS(855))とは電子的に同一である)および出発SOX(1,3‐ジヒドロ‐1,3,3‐トリメチル-スピロ[2H‐インドール‐2,3'‐[3H]‐ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン])は、通常、徐々に着色化し、かつ100秒後も着色化し続ける。
上記標準化した退色曲線を退色反応速度に統合する。実施例5(SOX‐undec−PDMS(855))は如何なる従来の染料より非常に速く退色し、上記従来の染料が1000秒以上後もまだかなりの吸光度を有するのに対して実際に1分以内に吸光度0.0ではない場合、低くなることは明らかである。
上記PDMSは、スイッチング挙動のための移動性の局部的環境を提供している。理論に拘束されようとはしないが、上記マトリックスとの非相溶性により上記染料の近傍または周りに凝集させ、それによりバルクマトリックスの剛性からの保護を提供すると考えられる。これは、すべてのマトリックス中で同一挙動を示す、ポリ(スチレン)、ポリ(メチルメタクリレート)およびポリ(カーボネート)中で起こる。上記染料の挙動は、溶液中で観察されるものと同一である。それにより、初期の行き過ぎ量を伴う迅速な着色を示し、次いで一定光学濃度に到達し、非減衰反応速度挙動を示し、次いで照射を停止すると迅速な退色を示す。
実施例9
5‐(PDMS(855)‐ウンデシル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン]
Figure 0004476930
9'‐ヒドロキシ‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン]の代わりの5‐ヒドロキシ‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン]、カラムクロマトグラフィ(シリカ)、1:20の酢酸エチル:ヘキサン(51%)を用いる9'‐(PDMS(855)-ウンデシル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン](実施例5)の製造方法に従って、5‐(PDMS(855)‐ウンデシル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン]を合成した。
H NMR (C2D6O) δ≠0.1 (bs), 0.58 (4H,m), 0.89 (4H,m), 1.21−1.52 (242H,m), 1.72(2H,m), 2.55 (2H,t,J7.31), 2.76 (3H,s), 6.63 (1H,d,J9.14), 6.88 (1H, d, J2.19), 6.92 (1H, d, J2.19), 7.07 (1H,d,J 8.77), 7.42 (1H,dd,J 8.41,1.46), 7.59 (1H,dd, J 8.41,1.46), 7.74−7.88 (3H,m), 8.85 (1H,d,J 8.41)ppm.
13C NMR (C2D6O) δ≠172.8,151.5,146.1,145.6,144.8, 137.8, 131.8, 131.2, 130.4,128.7,127.8,125.0,122.4,121.5,117.5,116.5,107.9,99.8,52.5,34.7,34.2,30.3,30.1,30.0,27.1,26.2,25.7,25.6,24.0,20.9,18.9,18.6,14.2,1.4ppm.
実施例10
6'‐シアノ‐5‐(PDMS(855)‐ウンデシル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン]
Figure 0004476930
9'‐ヒドロキシ‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン]の代わりの6'‐シアノ‐5‐ヒドロキシ‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン]、カラムクロマトグラフィ(シリカ)、1:20の酢酸エチル:ヘキサン(68%)を用いる9'‐(PDMS(855)-ウンデシル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン](実施例5)の製造方法に従って、6'‐シアノ‐5‐(PDMS(855)‐ウンデシル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン]を合成した。
H NMR (CO) δ=0.11 (bs), 0.60(4H,m), 0.90 (3H,m), 1.24−1.51 (24H,m), 1.72 (2H,m), 2.56 (2H, t, J 7.31), 2.78 (1H,s), 6.65 (1H,d,J 9.5), 6.91(1H,s), 6.94 (1H,s), 7.63−7.83 (3H,m), 8.04 (1H,s), 8.10 (1H,d,J 8.04), 8.71 (1H,d,J 8.04)ppm.
13C NMR (CO) δ=172.8,155.4,145.9,145.8,144.0,137.4,131.5,129.3,127.7,125.5,124.4,123.5,121.7,117.4,116.6,111.8,108.2,100.2,71.7,53.0,34.7,34.3,30.3,30.1,30.1,27.1,26.2,25.7, 25.6, 24.0, 20.9, 18.9, 18.6, 14.2, 1.5 ppm.
実施例11
5‐メトキシ‐9'‐(PDMS(855)-ウンデシル)‐
1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン]
Figure 0004476930
9'‐ヒドロキシ‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン]の代わりに5‐メトキシ‐9'‐ヒドロキシ‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン]、カラムクロマトグラフィ(シリカ)、1:20の酢酸エチル:ヘキサン(75%)を用いる9'‐(PDMS(855)-ウンデシル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン](実施例5)の製造方法に従って、5‐メトキシ‐9'‐(PDMS(855)‐ウンデシル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]を合成した。
H NMR (CO) δ=0.10 (bs), 0.59 (4H,m), 0.90 (3H,m), 1.24−1.55 (22h,m), 1.79 (2H,m), 2.69 (3H, s), 2.80 (3H,s), 3.77 (1H,s), 6.57 (1H,d,J 8.77), 6.73 (1H,d,J 2.19), 6.81 (1H,d,J 2.19), 7.04 (1H,d,J 8.77), 7.18 (1H,dd,J 8.77,2.19), 7.77−7.92 (3H,m), 8.22 (1H,d,J 2.19)ppm.
13C NMR (CO) δ=172.5,155.5,151.8,151.0,145.7,142.6,138.2,132.7,130.9,130.2,128.1,123.8,120.5,117.2,113.7,112.7,110.0,108.4,100.1,56.1,52.7,34.8,34.3,30.4,30.2,30.2,27.1,26.3,25.7,24.1,20.9,19.0,18.6,14.2,1.5ppm.
実施例12
2‐(9'‐(PDMS(855)‐ウンデシル)オキシ‐エチルエステル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン]
Figure 0004476930
9'‐ヒドロキシ‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン]の代わりに、2‐(9'‐オキシエタノール)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン]を用いる9'‐(PDMS(855)-ウンデシル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1‐b][1,4]オキサジン](実施例5)の製造方法に従って、2‐(9'‐(PDMS(855)‐ウンデシル)オキシ‐エチルエステル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]を合成した。
H NMR (CO) δ=0.10 (bs), 0.58 (4H,m), 0.89 (3H,m), 1.24−1.49 (22H,m), 1.78 (2H,m), 2.51 (2H,t,J 7.31), 2.68 (2H,t,J 7.31), 2.77 (3H,s), 6.65 (1H,d,J 7.68), 6.73 (1H,dd,J 1.96), 7.04 (1H,d,J 8.77), 7.10−7.24 (3H,m), 7.75−7.93 (3H,m), 8.23 (1H,d,J 2.56)ppm.
13C NMR (CO) δ=170.3,152.0,151.0,136.7,132.6,130.9,130.2,128.8,128.1,122.3,120.7,120.5,117.2,113.7,108.0,99.7,52.5,34.8,34.2,30.3,30.2,30.1,29.9,29.8,28.7,27.1,26.2,25.8,25.7,24.0,21.0,18.9,18.6,14.8,14.2,1.4ppm.
実施例13
5‐メチルカルボキシレート‐6‐(PDMS(855)‐ウンデシル)‐2,2‐ビス(4‐メトキシフェニル)‐2H‐ナフトール[1,2-b]ピラン
Figure 0004476930
ジクロロメタン(5mL)中のポリ(ジメチルシロキサン)モノカルボキシデシルクロリド(0.78g,7.34×10−4モル)の溶液を、ジクロロメタン(10mL)中の5‐メチルカルボキシレート‐6‐ヒドロキシ‐2,2‐ビス(4‐メトキシフェニル)‐2H‐ナフト[1,2-b]ピラン(0.29g、6.2×10−4モル)およびトリエチルアミン(0.12g、1.22ミリモル)の溶液に徐々に加えた。上記溶液を窒素雰囲気下室温で2時間攪拌した。水(20mL)を加えて、上記溶液を抽出し、ジクロロメタン(3×20mL)、次いで真空下で溶媒を除去し、色層分離して(シリカ、エーテル:ヘキサン/酢酸エチル5:1)、赤色粘性油(0.89g、96%)を得た。
H NMR (CO) δ=0.10 (bs), 0.59 (4H, m), 0.90 (3H, m), 1.34 (24H, m), 1.77 (2H, m), 2.74 (2H, t, J 7.68), 3.75 (6H, s), 3.93 (3H, s), 6.40 (1H, d, J 10.23), 6.95 (1H, d, J 8.77), 7.44 (4H, d, J 8.77), 7.53−7.72 (2H, m) 7.84 (1H, d, J 8.41), 8.41 (1H, d, J 7.68)ppm.
13C NMR (CO) δ=172.2,166.3,160.1,146.7,140.3,137.7,130.2,128.9,128.7,128.5,128.3,127.1,123.5,123.1,121.7,120.9,114.3,83.5,55.5,52.8,34.3,30.4,30.2,30.2,27.1,26.3,25.6,24.1,19.0,18.7,14.3,1.6,1.5ppm.
実施例14
5‐メチルカルボキシレート‐6‐(PDMS(855)‐ウンデシル)‐2,2‐(4‐メトキシフェニル)‐2H‐ナフトール[1,2-b]ピラン
Figure 0004476930
5‐メチルカルボキシレート‐6‐ヒドロキシ‐2,2‐ビス(4‐ジメトキシフェニル)‐2H‐ナフトール[1,2-b]ピランの代わりに、5‐メチルカルボキシレート‐6‐ヒドロキシ‐2,2‐(4‐メトキシフェニル)‐2H‐ナフトール[1,2-b]ピランを用いる5‐メチルカルボキシレート‐6‐ポリ(ジメチルシロキサン)-ウンデシル‐2,2‐ビス(4‐メトキシフェニル)‐2H‐ナフトール[1,2-b]ピラン(実施例13)の製造方法に従って、5‐メチルカルボキシレート‐6‐(PDMS(855)‐ウンデシル)‐2,2‐(4‐メトキシフェニル)‐2H‐ナフトール[1,2-b]ピランを合成した。
H NMR (CO) δ=0.09 (bs), 0.58 (4H, m), 0.89 (4H, m), 1.35 (22H, m), 1.77 (2H, m), 2.75 (2H, t, J 7.31), 3.75 (3H, s), 3.93 (3H, s), 6.46 (1H, d, J 10.23), 6.88 (2H, d, J 8.77), 6.99 (1H, d, J 10.23), 7.21−7.42 (3H, m), 7.47 (2H, d, J 8.77), 7.51−7.74 (4H, m), 7.85 (1H, d, J 7.67), 8.45 (1H, d, J 7.67)ppm.
13C NMR (CO) δ=172.2,166.3,160.2,146.7,145.9,140.4,137.4,130.0,129.1,129.0,128.8,128.6,128.4,128.3,127.4,127.1,123.5123.0,121.9,120.9,114.4,114.3,83.6,55.5,52.8,34.3,30.4,30.2,30.2,29.9,27.1,26.2,25.5,24.0,18.9,18.6,14.2,1.5ppm.
実施例15
5‐メチルカルボキシレート‐6‐(PDMS(855)‐ウンデシル)‐2,2‐ビス(4‐ジメトキシアミノフェニル)‐2H‐ナフトール[1,2-b]ピラン
Figure 0004476930
5‐メチルカルボキシレート‐6‐ヒドロキシ‐2,2‐ビス(4‐ジメトキシフェニル)‐2H‐ナフトール[1,2-b]ピランの代わりに、5‐メチルカルボキシレート‐6‐ヒドロキシ‐2,2‐ビス(4‐ジメトキシアミノフェニル)‐2H‐ナフトール[1,2-b]ピランを用いる5‐メチルカルボキシレート‐6‐ポリ(ジメチルシロキサン)-ウンデシル‐2,2‐ビス(4‐メトキシフェニル)‐2H‐ナフトール[1,2-b]ピラン(実施例13)の製造方法に従って、5‐メチルカルボキシレート‐6‐(PDMS(855)‐ウンデシル)‐2,2‐ビス(4‐ジメトキシアミノフェニル)‐2H‐ナフトール[1,2-b]ピランを合成した。
H NMR (CO) δ=0.10 (bs), 0.59 (4H, m), 0.89 (3H, m), 1.34 (24H, m), 1.77 (2H, m), 2.73 (2H, t, J 7.31), 2.89 (12H, s), 3.92 (3H, s), 6.33 (1H, d, J 10.05), 6.68 (4H, d, J 8.95), 6.89 (1H, d, J 10.05), 7.32 (4H, d, J 8.95), 7.50−7.69 (2H, m), 8.37 (1H, d, J 8.41) ppm.
13C NMR (CO) δ=172.3,166.5,150.9,147.1,139.9,133.4,130.9,128.5,128.4,128.3,128.2,127.1,123.3,123.1,121.0,120.9,114.3,112.6,84.0,52.8,40.5,34.3,30.4,30.2,30.2,29.9,27.1,26.2,25.5,24.0,18.9,18.6,14.2,1.5ppm.
実施例16
5‐(カルボン酸 2‐(PDMS (855)-ウンデシル)‐オキシ‐エチルエステル)‐9‐(ジメチルアミノ)‐2,2‐(4‐ジメチルアミノフェニル)‐2H‐ナフトール[1,2-b]ピラン
Figure 0004476930
5‐メチルカルボキシレート‐6‐ヒドロキシ‐2,2‐ビス(4‐ジメトキシフェニル)‐2H‐ナフトール[1,2-b]ピランの代わりに、5‐(カルボン酸 2‐ヒドロキシ‐エチルエステル)‐9‐(ジメチルアミノ)‐2,2‐(4‐ジメチルアミノフェニル)‐2H‐ナフトール[1,2-b]ピランを用いる5‐メチルカルボキシレート‐6‐ポリ(ジメチルシロキサン)-ウンデシル‐2,2‐ビス(4‐メトキシフェニル)‐2H‐ナフトール[1,2-b]ピラン(実施例13)の製造方法に従って、5‐(カルボン酸 2‐(PDMS (855)-ウンデシル)‐オキシ‐エチルエステル)‐9‐(ジメチルアミノ)‐2,2‐(4‐ジメチルアミノフェニル)‐2H‐ナフトール[1,2-b]ピランを合成した。
H NMR (CO) δ=0.10 (bs), 0.58 (4H, m), 0.88 (3H, m), 1.30 (24H, m), 1.61 (2H, m), 2.36 (2H m), 2.81 (6H, s), 2.87 (6H, s), 4.48 (2H, m), 4.54 (2H, m), 5.73 (1H, s), 6.20 (1H, dd, J 9.87, 2.92), 6.46−6.69 (2H, m), 7.02−7.48 (8H, m), 7.60 (1H, d, J 10.96), 7.74 (1H, d, J 10.23), 8.15 (1H, s)ppm.
実施例17
5‐(カルボン酸 2‐(PDMS (855)-ウンデシル)‐オキシ‐エチルエステル)‐9‐(ジメチルアミノ)‐2,2‐ビス(4‐ジメチルアミノフェニル)‐2H‐ナフトール[1,2-b]ピラン
Figure 0004476930
5‐メチルカルボキシレート‐6‐ヒドロキシ‐2,2‐ビス(4‐ジメトキシフェニル)‐2H‐ナフトール[1,2-b]ピランの代わりに、5‐(カルボン酸 2‐ヒドロキシ‐エチルエステル)‐9‐(ジメチルアミノ)‐2,2‐ビス(4‐ジメチルアミノフェニル)‐2H‐ナフトール[1,2-b]ピランを用いる5‐メチルカルボキシレート‐6‐ポリ(ジメチルシロキサン)-ウンデシル‐2,2‐ビス(4‐メトキシフェニル)‐2H‐ナフトール[1,2-b]ピラン(実施例13)の製造方法に従って、5‐(カルボン酸 2‐(PDMS (855)-ウンデシル)‐オキシ‐エチルエステル)‐9‐(ジメチルアミノ)‐2,2‐(4‐ジメチルアミノフェニル)‐2H‐ナフトール[1,2-b]ピランを合成した。
H NMR (CO) δ(CO)=0.12 (bs), 0.58 (4H, m), 0.91 (3H, m), 1.31 (24H, m), 1.62 (2H, m), 2.35 (2H, m), 2.88 (12H, s), 3.13 (6H, s), 3.92 (3H, s), 4.40−4.59 (4H, m), 6.28 (1H, d, J 10.05), 6.66 (4H, d, J 8.95), 7.23 (1H, dd, J 9.14, 2.56), 7.36 (5H,d, J 10.05), 7.72 (1H, d, J 9.14), 7.90 (1H, s).
13C NMR (CO) δ=173.6,167.4,151.1,150.7,148.1,134.1,130.9,129.9,129.8,128.4,126.1,125.7,122.5,120.2,117.4,116.4,112.6,100.4,82.8,63.2,62.7,41.8,40.5,34.6,34.3,30.4,30.2,27.1,26.2,25.8,24.0,18.9,18.6,14.2,1.4Pppm.
実施例18
9'‐(PDMS(1077)プロピル‐エトキシ‐スクシニル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2, 1-b][1,4]オキサジン]
Figure 0004476930
実施例6で作製した9'‐(モノカルボキシ‐スクシニル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2, 1-b][1,4]オキサジン(0.6g、1.35ミリモル)をジクロロメタン中に溶解し、次いでモノカルビノール末端ポリジメチルシロキサン(ABCRからのMCR−C12)(1.76g,1.1当量、FW約1180)およびジメチルアミノピリジン(0.135ミリモル、0.1me,16mg)を加えた。次いで、ジクロロメタン中のジシクロヘキシルカルボシイミド(0.306g, 1.1当量, 1.485ミリモル)を滴下して加えた。上記反応物を室温で攪拌した。TLC分析により、1時間後に出発スピロオキサジンとの迅速な反応が観察されないことを示した。上記反応物を濾過およびエバポレートし、次いでヘキサン:エーテル(1:3)を用いてシリカ上で色層分離して、透明な青みの緑色の油を得た。
H NMR (アセトン-d) δ=0.09 (s, Si−Me), 0.5 (多重線, 2H, アルキル) 1.62 (多重線, インドールメチルおよびオリゴマー CH-Si), 1.4-1.8 (多重線, アルキルオリゴマー), 2.77 (s,3H, 8-H), 2.82 (多重線, コハク酸CH), 3.00 (多重線, コハク酸CH), 3.44 (t, J=7.2, 2H,), 3.65 (明白なt, J=ca.5,2H), 4.25 (明白なt, J=ca.5,2H), 6.65 (d, J=7.8,7-H), 6.87 (t,J=7.3,5-H), 7.04 (d, J=8.5,5'-H), 7.14 (d, J=7.3,4-H), 7.22 (明白なt, 2H, 6 & 8'-H), 7.81 (d,J=9.3,6'-H), 7.82 (s, 2'H), 7.88 (d,J=8.6,7'-H), 8.25 (d,J=2.3,10'-H) ppm.

Figure 0004476930
実施例19
5,9'‐ジ(PDMS(855)‐ウンデシル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]
Figure 0004476930
この化合物を、コハク酸塩化物モノ‐PEG(350)の代わりにポリ(ジメチルシロキサン)モノカルボン酸デシルクロリドを用いる以外は実施例3に記載されているのと同様の方法で製造した。ポリ(ジメチルシロキサン)モノカルボン酸デシルクロリド(実施例4で合成した)を、トリエチルアミンと共に5,9‐ジヒドロキシ‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン 2,3‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジンのジクロロメタン溶液に加えた後、上記反応物を約1時間攪拌した。上記反応物を水およびブラインを用いて洗浄することによって調製した。上記ジクロロメタンをエバポレートして、2.5gの粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカ、エーテル:ヘキサン 2:1)によって精製して1.4gの褐色油を得た。
H NMR (アセトン-d) δ=0.13 (s, Si−メチル), 0.6(多重線, アルキル), 0.90 (多重線, アルキル), 1.3−1.4 (多重線, ジェム ジメチル基+他の脂肪族化合物) 2.1−2.4 (多重線, アルキル), 2.7 (s, 3H, N−CH), 6.5−7.5 (多重線, 芳香族), 7.5−8.2 (多重線, 芳香族).
相対的にPDMSが多量であるため、フォトクロミック染料のシグナルは非常に小さい。染料のメチル基が、最も明確なシグナルを提供した。
実施例20
PDMS(855)‐ウンデシル 2‐(4‐フェニルアゾ‐フェノキシ)エステル
Figure 0004476930
4‐フェニルアゾフェノール(0.127g, 0.6ミリモル)を、エーテル(5〜10mL)中に溶解し、トリエチルアミン(0.1mL)を加えた。次いで、ジクロロメタン中に溶解したポリ(ジメチルシロキサン)モノカルボン酸デシルクロリド末端(実施例4で作製した)(0.73g)の溶液を室温で滴下して加えた。上記反応物を室温で2時間攪拌して、TLC(エーテル)によって監視した。上記反応物を、エーテルで希釈し、水、次いでブラインで洗浄することによって調製した。有機層をエバポレートし、エーテルを用いてシリカ上で色層分離して、橙色の油(200mg)を得た。

Figure 0004476930
実施例21
9'‐(ステアロイル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]
Figure 0004476930
9'‐ヒドロキシ‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン](0.405g, 1.2ミリモル)およびトリエチルアミン(0.32mL,234mg, 2.32ミリモル)を共にジクロロメタン(20mL)に加え、ジクロロメタン中の塩化ステアロイル(456mg,1.5ミリモル)を室温でアルゴン保護下で上記溶液に滴下して加えた。上記反応物を1時間攪拌し、TLCによって上記反応が完了したことを示した。水を用いた洗浄、乾燥(MgSO)およびエバポレートによって、上記反応物を調製して、450mgの粗生成物を得た。上記試料を80〜100℃の石油エーテルから再結晶して、300mg(42%)の白色固体を得た。
H NMR (塩化メチレン-d) δ 0.88 (t,3H,'c'-H), 1.28 (s, -CH-), 1.34 (s,メチル), 1.78 (多重線, 2H,'b'), 2.61 (t, J=7.3,'a'), 2.74 (s, 3H, N−メチル), 6.57 (d,J=7.7, 7-H), 6.92 (t,J=7.4,5-H), 7.03 (d,J=8.1,5'-H), 7.09 (d,4-H), 7.10 (dd,J=8.8 & 2.1,8'-H), 7.20 (t of d, J=7.7 & 1.3,6-H), 7.69 (d,J=8.8,6'-H), 7.74 (s,2'-H), 7.77 (d,J=9.0,7'-H), 8.23 (d,J=2.1, 10'-H)ppm.MS(EI):m/z 610.4 (M,60%) 595.4 (15), 329(20), 185(10), 159.1(100), 144.1(15).MS(HR) m/z 610.4134 (C4054 は 610.4134を要する).
実施例22
9'‐(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11‐ヘンイコサフルオロ‐1‐ウンデシル‐スクシニル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]
Figure 0004476930
工程1
5g(9ミリモル)の2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11‐ヘンイコサフルオロ‐1‐ウンデカノール、0.91gのトリエチルアミン、0.90gのコハク酸無水物、50mgのメタノールおよび25mgのDMAPを、60mLのジエチルエーテル/ジクロロメタン(6:1)に加えた。上記反応物を、40℃で一晩攪拌した。次いで、上記生成物を、0.5MのHCl、水および次いでブラインで洗浄し、次いでMgSO4で乾燥した。3.9gのピンク色固体−66%収率であった。
工程2
工程1で作製したフッ素化コハク酸4gを70mLのジエチルエーテル/ジクロロメタン溶液(6:1)に加えた。次いで、1.83gの塩化チオニルを滴下して加えた。上記反応物を48時間攪拌し、次いで4時間還流した。最終生成物をロータリーエバポレートして、塩化チオニルを除去して、3.8gの黄色固体を得た。
工程3
1.5gの9'‐ヒドロキシ‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン](0.405g, 1.2ミリモル)および0.66gのトリエチルアミンを、90mLのジエチルエーテル/ジクロロメタン溶液(5:1)に加えた。次いで、10mLのジエチルエーテル中の3.5gのフッ素化酸塩化物をアルゴン雰囲気下で滴下して加えた。上記反応物を3時間還流した。反応の完了をTLC(3:1 エーテル:ヘキサン)によって確認した。上記反応物を、水、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、ロータリーエバポレートした。最終生成物をカラムクロマトグラフィ(エーテル:ヘキサン 3:1)によって精製して、1.9gの黄色粉体を得た。
H NMR (アセトン-d) δ=1.33 & 1.35 (s, 6H,ジェム ジメチル), 2.77 (s, 3H, N−メチル), 2.85 & 3.05 (多重線,s,4H, コハク酸 水素), 4.90 (t,J=14.3,2H,CHCF), 6.65 (d, J=7.7,1H,7-H), 6.86 (t of d, J=7.4,J=0.7,1H,5-H), 7.04 (d, J=9.0,5'-H), 7.1−7.72 (多重線, 3H, 4-H, 8'-H,6-H), 7.80 (d,J=9.0,6'-H), 7.82 (s,1H,2'-H), 7.88 (d,J=ca 8.7,1H,7'-H), 8.25 (d,J=1.8,10'-H)ppm.
比較例 CE1
9'‐プロピオネート‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]
Figure 0004476930
ジクロロメタン(50mL)中の9'‐ヒドロキシ‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン](91.0g,2.91ミリモル)のマグネットスターラーで攪拌した溶液をトリエチルアミン(0.84mL,0.61g,6.03ミリモル)で処理し、ジクロロメタン(20mL)中の塩化プロピオニル(0.54mL,0.58g,6.27ミリモル)の溶液を滴下して加えた。得られた溶液をN雰囲気下、室温で30分間攪拌した。水(100mL)を加えて、上記溶液をジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。真空下での上記溶液の除去、次いでフラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル、1:5(酢酸エチル:ヘキサン))によって、緑色固体としての上記表題の化合物(1.11g,95%)を得た。
H NMR (CDCl) δ 1.32 (3H,t,J=7.31), 1.35 (6H,s), 2.57 (2H,q,J=7.31), 2.76 (3H,s), 6.58 (d,J=7.7,1H,7-H), 6.91 (t,J=7.3,1H,5-H), 6.99 (d,J=8.8,5'-H), 7.09 (d,J=7.3,1H,4-H), 7.13 (d of d,J=8.0 & 2.2,1H,8'-H), 7.21 (t of d, J=7.7 & 1.5,1H,6-H), 7.66 (d,J=8.7,6'-H), 7.75 (s,1H,2'-H), 7.73 (d,J=8.7,1H,7'-H), 8.23 (d,J=2.6,10'-H)ppm.
比較例 CE2
5‐プロピオネート‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]
Figure 0004476930
9'‐ヒドロキシ‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン](51%)の代わりに、5‐ヒドロキシ‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]を用いる9'‐プロピオネート‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン](比較例CE1)の製造方法に従って、5‐プロピオネート‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]を合成した。
H NMR (CO) δ=1.19 (3H,t,J 7.31), 1.33 (3H,s), 1.38 (3H,s), 2.57 (2H,q,J 7.31), 2.76 (3H,s), 6.64 (1H,d,J 8.77), 6.91 (1H,dd,J 7.31,2.19), 6.93 (1H, s), 7.08 (1H,d,J 8.77), 7.42 (1H,dd,J 8.41,1.46), 7.59 (1H,dd,J 8.41,1.46), 7.75−7.88 (3H,m), 8.57 (1H,d J8.41)ppm.
13C NMR (CO) δ=173.6,151.6,146.1,145.6,144.9,137.8,131.8,131.2,130.4,128.7,127.9,125.0,123.9,122.3,121.5,117.5,116.6,108.0,99.8,52.5,30.0,27.9,25.6,20.8,9.4ppm.
比較例 CE3
6'‐シアノ‐5‐プロピオネート‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]
Figure 0004476930
9'‐ヒドロキシ‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン](51%)の代わりに、6'‐シアノ‐5‐ヒドロキシ‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]を用いる9'‐プロピオネート‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン](比較例CE1)の製造方法に従って、6'‐シアノ‐5‐プロピオネート‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]を合成した。
H NMR (CO) δ=1.19 (3H,t,J 7.31), 1.34 (3H,s), 1.39 (3H,s), 2.58 (2H,q,J 7.31), 2.78 (3H, s), 6.66 (1H,d,J 8.95), 6.91 (1H,dd,J 7.31,2.19), 6.95 (1H,s), 7.60-7.82 (3H,m), 8.05 (1H,s), 8.09 (1H,d,J 7.68), 8.70 (1H,d J 7.68) ppm.
13C NMR (CO) δ=173.6,155.5,145.9,144.0,137.5,131.5,129.4,129.3,127.7,127.6,127.6,125.5,124.4,123.4,121.7,117.4,116.6,(1).7,108.2,100.3,53.0,30.0,27.9,25.6,20.8,9.4ppm.
比較例 CE4
5‐メトキシ‐9'‐プロピオネート‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]
Figure 0004476930
9'‐ヒドロキシ‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン](62%)の代わりに、5‐メトキシ‐9'‐ヒドロキシ‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]を用いる9'‐プロピオネート‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン](比較例CE1)の製造方法に従って、5‐メトキシ‐9'‐プロピオネート‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]を合成した。
H NMR (CO) δ=1.24 (3H,t,J 7.68), 1.30 (6H,bs), 2.69 (2H,q, J 7.68), 3.80 (3H, s), 6.72−6.93 (3H, m), 7.05 (1H, d, J9.14), 7.19 (1H, dd, J 8.77,2.19), 7.78 (1H,s), 7.79 (1H,d,J 7.68), 8.24 (1H,d,J 2.56) ppm.
13C NMR (CO) δ=173.4,152.2,151.0,146.6,145.7,138.4,136.0,132.7,131.0,130.2,128.1,123.5,121.9,120.5,117.2,115.3,113.7,113.2,100.4,56.4,52.6,32.7,28.1,25.8,20.9,9.4ppm.
比較例 CE5
2‐(9'‐プロピオン酸オキシ‐エチルエステル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]
Figure 0004476930
9'‐ヒドロキシ‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]の代わりに、2‐(9'‐オキシエタノール)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]を用いる9'‐プロピオネート‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン](比較例CE1)の製造方法に従って、2‐(9'‐プロピオン酸オキシ‐エチルエステル)‐1,3,3‐トリメチルスピロ[インドリン‐2,3'‐[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]を合成した。
H NMR (CO) δ=1.11 (3H, t, J 7.68), 1.33 (3H, s), 1.35 (3H, s), 2.38 (2H, q,J 7.50), 2.77 (3H,s), 4.42 (2H,t,J 4.08), 4.51 (2H,t,J 4.08), 6.65 (1H,d,J 7.68), 6.83−6.93 (2H,m), 7.08 (1H,d,8.97), 7.11−7.23 (2H,m), 7.70 (1H,d,J 8.78), 7.76 (1H,d,J 8.78), 7.80 (1H,s), 7.95 (1H,d,J 1.83) ppm.
比較例 CE6
5‐メチルカルボキシレート-6‐プロピオン酸エステル‐2,2‐ビス(4‐メトキシフェニル)‐2H‐ナフト[1,2-b]ピラン
Figure 0004476930
ジクロロメタン(10mL)中の5‐メチルカルボキシレート-6‐ヒドロキシ‐2,2‐ビス(4‐ジメトキシフェニル)‐2H‐ナフト[1,2-b]ピラン(0.50g、1.07ミリモル)およびトリエチルアミン(0.24g,2.35ミリモル)の機械的に攪拌した溶液を、ジクロロメタン(10mL)中の塩化プロピオニル(0.19g,2.02ミリモル)の溶液を滴下して処理した。得られた溶液をN雰囲気下室温で30分間攪拌した。水(50mL)を加えて、上記溶液をジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。真空下での上記溶媒の除去、次いでカラムクロマトグラフィ(シリカ、溶離液ヘキサン/酢酸エチル 3/1)によって、赤色固体としての上記表題の化合物(0.51g,91%)を得た。
H NMR (CO) δ=1.26 (3H, t, J 7.68), 2.76 (2H, q, J 7.68), 3.72 (6H, s) 3.94 (3H, s), 6.39 (1H, d, J 10.05), 6.88 (2H,d,J 8.77), 6.99 (1H, d, J 10.05, 7.45 (1H, d, J 8.77), 7.51−7.71 (2H,m), 7.88 (1H,d,J 8.41), 8.42 (1H, d, J 7.86) ppm.
13C NMR (CO) δ=173.1,166.4,160.1,146.7,140.4,137.7,130.3,128.9,128.8,128.6,128.3,127.1,123.5,123.0,121.6,120.8,114.4,83.5,55.5,52.9,27.8,9.4ppm.
比較例 CE7
5‐メチルカルボキシレート-6‐プロピオン酸エステル‐2,2‐(4‐メトキシフェニル)‐2H‐ナフト[1,2-b]ピラン
Figure 0004476930
5‐メチルカルボキシレート-6‐ヒドロキシ‐2,2‐ビス(4‐ジメトキシフェニル)‐2H‐ナフト[1,2-b]ピランの代わりに、5‐メチルカルボキシレート-6‐ヒドロキシ‐2,2‐(4‐ジメトキシフェニル)‐2H‐ナフト[1,2-b]ピランを用いる5‐メチルカルボキシレート-6‐プロピオン酸エステル‐2,2‐ビス(4‐ジメトキシフェニル)‐2H‐ナフト[1,2-b]ピラン(比較例CE6)の製造方法に従って、5‐メチルカルボキシレート-6‐プロピオン酸エステル‐2,2‐(4‐ジメトキシフェニル)‐2H‐ナフト[1,2-b]ピランを合成した。これにより、有機固体(79%)を提供した。
H NMR (CO) δ=1.29 (3H,t,J 7.49), 2.78 (2H, q, J 7.49), 3.68 (3H, s), 3.95 (3H, s), 6.46 (1H,d,J 10.05), 6.88 (2H,d,J 8.77), 7.07 (1H, d, J 10.05), 7.20−7.44(3H,m), 7.51 (2H,d,J 8.77), 7.55−7.71 (4H,m), 7.91 (1H, d, J 8.56), 8.50 (1H, d, J 8.77)ppm.
13C NMR (CO) δ=173.2,166.4,160.2,146.8,146.0,140.6,137.4,130.1,129.2,129.1,129.0,128.7,128.5,128.4,127.5,127.2,123.6,123.1,122.0,120.8,114.5,114.4,83.7,55.6,53.0,27.9,9.6ppm.
比較例 CE8
5‐(カルボン酸2‐メチルエステル)‐6‐(ピペリジノ)‐2,2‐(4‐ジメチルアミノフェニル)‐2H‐ナフト[1,2-b]ピラン
Figure 0004476930
ジェームスロビンソンミッドナイトグレー(James Robinson Midnight Grey)を供給時のまま使用した。NMRおよび質量スペクトル分析により、上記のような構造が提案された。上記構造が、米国特許第6,387,512号のスペクトルデータおよび情報と最も合致している。
比較例 CE9
5‐メチルカルボキシレート-6‐プロピオン酸エステル‐2,2‐ビス(4‐ジメトキシアミノフェニル)‐2H‐ナフト[1,2-b]ピラン
Figure 0004476930
5‐メチルカルボキシレート-6‐ヒドロキシ‐2,2‐ビス(4‐ジメトキシフェニル)‐2H‐ナフト[1,2-b]ピランの代わりに、5‐メチルカルボキシレート-6‐ヒドロキシ‐2,2‐(4‐ジメトキシフェニル)‐2H‐ナフト[1,2-b]ピランを用いる5‐メチルカルボキシレート-6‐プロピオン酸エステル‐2,2‐ビス(4‐ジメトキシフェニル)‐2H‐ナフト[1,2-b]ピラン(比較例CE6)の製造方法に従って、5‐メチルカルボキシレート-6‐プロピオン酸エステル‐2,2‐(4‐ジメトキシフェニル)‐2H‐ナフト[1,2-b]ピランを合成した。これにより、淡青色固体(85%)を提供した。
H NMR (CO) δ=1.25 (3H, t, J 7.49), 2.75 (2H, q, J 7.49), 2.88 (12H, s), 3.92 (3H, s),6.33 (1H, d, J 10.05), 6.67 (4H,d,J 6.67), 6.90 (1H, d, J 9.89), 7.33 (4H, d, J 8.95), 7.50−7.68 (2H, m), 7.83 (1H, d, J 7.68), 8.38 (1H, d, J 7.68)ppm.
13C NMR (CO) δ=173.1,166.5,150.9,150.9,147.1,139.9,136.0,133.4,131.0,128.5,128.4,128.2,127.1,123.4,123.1,120.9,114.3,112.6,84.0,52.8,40.5,27.7,9.4
比較例 CE10
プロピオン酸4‐フェニルアゾ‐フェニルエステル
Figure 0004476930
4‐フェニルアゾフェノール(0.25g,1.26ミリモル)を、エーテル(5〜10mL)中に溶解し、トリエチルアミン(0.26mL)を加えた。次いで、エーテル(1mL)中の塩化プロピル(0.14g 1.5ミリモル)を室温で滴下して加えた。上記混合物を攪拌し、反応を迅速に完了させた。上記反応混合物を水で洗浄し、酸およびブラインで希釈し、硫酸マグネシウムで乾燥した。上記溶媒をエバポレートして、0.23g(72%)の生成物を得た。
H NMR (CDCl) δ=1.16 (3H, t, J=7.7), 2.40 (2H, q J=7.7), 7.25 (2H, m), 7.40−7.58 (3H, m), 7.88−8.0 (4H,m) ppm.
実施例23
ナノカプセル化のNMR実験観察
実施例1および実施例5に記載の2つの染料を、NMR分光法により試験して、結合したオリゴマーが、ナノ溶媒和/ナノカプセル化と一致するように、フォトクロミック染料と相互作用しているかどうかを決定した。これは、上記染料を重水素アセトンに溶解し、上記染料をUV光で照射することによって行った。上記染料が着色状態にある間に、ROE(Rotational Overhaysen Enhancement)試験を行った。ROEは、NOE(Nuclear Overhaysen Enhancement)と類似の技術であるが、大きな分子に用いるには改良される。上記技術は、水素の全空間の近接を決定することを可能とする。選択された水素を(放射性周波数で)照射し、他の水素をそれらが強化されたかどうかを見るために観察する。他の水素が十分近接していれば、エネルギーは照射された水素からそこへ輸送される。
実施例1のPEGオリゴマーは上記染料の近傍または周りを螺旋状に巻くことがわかった。このことは、第1PEGユニットの第1CH基に照射されたエネルギーが上記分子の反対側のマークした水素に輸送される上記ROE試験(図5の上部スペクトル参照)に示されている。この輸送は、それらの水素によるシグナルの強化によって証明される。これを生じるためには、それらの水素は、照射される水素に近接していなければならない。従って、上記PEGは、溶媒中に失われるよりむしろ、上記染料の近傍または周りを螺旋状に巻いている。明確な形においては、弱い会合が存在する。従って、レンズの環境では上記PEG鎖は同様に染料分子近傍または周りを螺旋状に巻き、好適なスイッチング環境を提供することが予想される。図5の下部の2つのスペクトルは、減法および標準化により得られた溶液中の分子の従来のスペクトルである。
同様に、上記PDMSオリゴマーを有する実施例5の染料に関して、上記オリゴマーが上記分子の周りを螺旋状に巻くことが示された(図6および7)。ROE試験では、スピロオキサジンの着色形の中心Hを有するPDMS鎖の中央のメチレンおよび末端基の間でのエネルギー輸送が観察された(図6)。オリゴマーのウンデシル部分の中央メチレンおよびインドールの4位の水素の間でのエネルギー輸送も観察された(図7)。従って、上記PDMS鎖は、上記スピロオキサジンの周りに高い確率で配置されなければならない。明確な形においては、同様に弱い会合が存在する。
これらの試験により、上記オリゴマーが上記染料分子の周りに配置されるだけでなく、上記オリゴマーおよび観察された上記染料の遠い方の側の間の相互作用に伴って変化する程度に上記染料の周りを包み、上記PDMSオリゴマーの場合、多数位置の相互作用が存在する。このナノカプセル化は、取り囲むホスト媒体(この場合ホストポリマー)の易動度が非常に小さいポリマーマトリックスの硬質環境ではより大きくなる。
実施例24
硬化ポリマーマトリックス中に注型された染料のフォトクロミック挙動
表6には、試験レンズに直接注型された例示染料の退色速度の結果を示した。
本発明の多くのフォトクロミック化合物の性能を表するのに用いた標準配合および試験方法を以下に示す。上記試験は、「標準フォトクロミック注型試験」として、本明細書および特許請求の範囲に記載した。
モノマーミックスは、ノウリセット(Nouryset)110として知られる16gの2,2’−ビス[4−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、NKエステル9Gとして知られる4gのポリエチレングリコール400ジメタクリレートおよび80mg(0.4%)のAIBNから成る。これを、本明細書中で「モノマーミックスA」と言う。上記染料を上記モノマー中に混合して、小さい成形型中に配置した。上記成形型は、小さいシリコーンまたはバイトンのo−リング(14.5mm内径、幅2.6mm)から成る。これを、顕微鏡のスライドガラスにシアノアクリレート接着剤を用いて接着した。上記モノマーミックスを上記成形型に注入し、別の顕微鏡スライドガラスを上部に載せて、気泡を排除した。上記2つのプレートをクリップで挟んで、試料を75℃で16時間加熱した。上記レンズを再度被覆し、直径14.2mm、厚さ2.6mmおよび重量約0.5gとした。
全測定は、実施例8の薄膜観察に関して記載したのと同様に、オーダーメードの光学ベンチ上で行った。上記ベンチは、温度制御用ケアリー・ペルティエ(Cary peltier)付属品を装備したケアリー(Cary)50 Bio UV−可視分光光度計、280Wのサーモオリエル(Thermo−Oriel)キセノンアークランプ、電子シャッター、上記アークランプ用ヒートシンクとして働く水フィルター、スコット(Schott)WG−320カットオフフィルターおよびホヤ(Hoya)U340帯域フィルターから成る。上記溶液試料を石英キュベットに配置し、固体試料をUVランプおよび分光光度計の光路の両方に対して45度の角度に配置した。試料での得られたUV光の電力を、25mW/cm2用のオフル・オプトロニクス・モデル(Ophir Optronics Model)AN/2電力計を用いて測定した。
適当な試料を漂白状態に配置し、分光光度計をゼロ吸光度に調節することによって、吸光度変化を測定した。次いで、上記シャッターを開けることによって上記試料を上記キセノンランプからのUV光で照射し、吸光度の変化を測定した。漂白および活性化(着色)状態の両方に関して、吸収スペクトルを記録した。次いで、吸光度極大の波長を記録し、活性および退色の動態を監視するのに用いた。試験レンズ試料を1000秒間UV曝露して活性化した。
4:1の2,2’−ビス[4−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル]プロパンおよびポリ(エチレングリコール(400)ジメタクリレート)から成るモノマーミックスAの硬化ポリマーマトリックスに注型した染料のフォトクロミック挙動
表6
Figure 0004476930

Figure 0004476930
全ての実施例では、ポリジメチルシロキサンオリゴマー、ポリエチレングリコールオリゴマーまたは過フッ素化アルカンオリゴマーの存在により、T1/2またはT3/4によって測定されるような、かなり大きな退色速度が得られることがわかる。T1/2は、UV照射を止めたときから、光学濃度が着色状態の初期最大光学濃度から半分だけ低減するのにかかる時間である。T3/4は、光学濃度が上記染料の着色形の初期最大光学濃度から3/4だけ低減するのにかかる時間である。実施例6(および実施例21)を除くすべての場合、上記オリゴマーを有さない電子的に同一な比較例と比較して、T1/2の低減は40〜95%であり、T3/4の低減は60〜99%である。これらの実施例によって、以下のポイントが説明される。
1.比較的大きな置換基、例えばPDMSオリゴマー(1000g mwt)を加えることによって、上記染料を、硬質ポリマーマトリックス中にプロピレート置換基(29g mwt)のみを有する相当する電子的に同一な染料より迅速にスイッチさせることを見出したことは非常に驚くべきことであり、予期せぬことである。[このマトリックスは、フォトクロミック性能を促進するように調整はされていないことに注意。]実施例5は典型的である。比較例1と比べると、実施例5の迅速な着色および行き過ぎ量に注意すべきである(図8および9)。上記染料は、より迅速に退色するだけでなく、同一マトリックス中の比較染料(比較例1)と比べて、それぞれ79%および96%だけ低減されたT1/2およびT3/4を有する大きなマージンによってより迅速に退色する、上記オリゴマーを有する染料(実施例5)と電子的に同一である。
2.上記オリゴマーの結合位置によって、染料性能に実質的な差異は生じない。それらはすべて、対応する比較染料より非常に速い。(実施例5、9、13および16並びに対応する比較例の反応速度データを参照)。
3.上記オリゴマーおよび染料の間の結合基の性質は、退色速度への明白な影響は与えない。それらはすべて、対応する比較染料より非常に速い。実施例5、12および18並びに対応する比較例の反応速度データを参照。
4.上記PDMSオリゴマーおよび結合基は異なるが、比較例1の実施からかなり外れたものを有する実施例5および18に関して、直鎖状PDMSオリゴマーの性質は、退色性能にあまり影響を与えない。
5.POSS置換基を有する実施例6は、上記PDMS染料の中でも異なる。上記POSS基は、直鎖状PDMSオリゴマーと比べると、比較的剛直(即ち、高Tg)である。直鎖状PDMSオリゴマーを有する染料が油であるかまたは低融点固体であるのに対して、実施例6は固体である。そのT1/2は比較染料と全く同じであるが、T3/4はかなり速い。これは、大きなPOSS基がその周りに形成する自由体積によるものであると考えられる。実施例6に見られる固体状態の結晶の光互換が生じるこの自由体積のためであると考えられる。
6.着色状態への熱的逆反応において退色速度強化を有することをすべて示しているスピロ‐オキサジン(実施例2、5、6、9、10、11、12、18、23)、クロメン(実施例13、14、15、16、17)(図10および11)およびアゾ(実施例20)(図12および13)染料を用いる構造分子再配列を含む如何なるフォトクロミック染料に対しても、スイッチング速度および退色速度を向上する低Tgオリゴマーの概念が特に適用可能である。従って、これが、染料の色を変化させない、退色速度強化用の一般的な「ボルト締め(bolt−on)」溶液である。
7.高Tgオリゴマー、例えばステアリル(実施例21)の添加により、より小さな退色速度を得た。このことは、更に高退色速度用低Tgオリゴマーおよび低退色速度用高Tgオリゴマーの必要性についても説明している。
8.上記オリゴマーのTgはもしかすると相溶性より重要であるが、相溶性は退色速度に起因する。約16ユニットの長いPEG鎖を有する実施例2は、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレートを含有するモノマーミックスAといくらか相溶性を有することが予想される。しかしながら、実施例5のPDMSほど速くはないが、迅速な退色はなお観察される(図8および9)。
9.全体として実施例の反応速度の結果は、染料の電子的性質を変えることなく得ることができるフォトクロミック性能の制御を説明している。このことは、退色速度は大きく変化することができるのに、色の変化が生じないことを意味しているので、非常に重要である。実施例5、比較例1および実施例21の電子的に同一である染料に関して得られた3つの退色速度に注目すべきである。T1/2は3〜32秒(1オーダー)であり、T3/4は7〜441秒(1.5オーダー)である。
10.上記染料の電子的性質は、オープン形の観察された色だけでなく、スイッチング速度にも影響を与えることができる。上記オリゴマーは、染料の電子的性質によるものであるスイッチング速度のその部分を変化させることができない。例えば、実施例10は、溶液中でも本質的に低速度スイッチング染料である。上記低Tgオリゴマー(即ち、PDMS)は、できるだけ速くスイッチングすることができる、溶液に似たような(near−solution like)環境を簡単に提供する。実施例9は、実施例10より非常に速くスイッチングする。これは、2つの染料の異なる電子的性質のためである。しかしながら、実施例10は、電子的に同一である比較染料CEより非常に速くスイッチングし、これは上記PDMSオリゴマーの低Tgナノ環境の影響である。
オリゴマーの結合の重要性
迅速な退色作用が生じるためには、上記オリゴマーは染料に結合していなければならないことが示された。実施例5および比較例CE1を前述のように別のレンズに注型した。1.1321gのモノマーミックスA中に1.18mgのCE5および1.44mgの10cstPDMSを含有する第3の試験用レンズも作製した。このレンズは、僅かに曇っていた。結合したオリゴマーを有する染料(実施例5)が、迅速な着色および退色を示すことを明らかに示した。これは、低Tgオリゴマーを上記染料に結合する方法論の大きな有効性も説明している。上記染料は、その非常に局在化した低Tg環境から分離することができないため、上記レンズ中ではほとんど存在しないことが必要である。フォトクロミック効果を得るのに、ほんの少量の染料が必要であるので、必然的にほんの少量の染料を上記配合に加える。しかしながら、従来の染料を用いて退色速度を向上するためには、比較的多量の「軟質(soft)」モノマーをバルクホストマトリックスに加えることが必要である。従って、レンズのバルクの力学的特性が低下する。
フォトクロミック染料および市販のフォトクロミックレンズの比較
これらの変性フォトクロミック染料の、本技術分野の現状と比較して向上した反応速度性能を図16に示す。実施例9をモノマーミックスA(4:1のノウリセット(Nouryset)110:NKエステル9G)中に注型し、「スペクトラライト・ベロシティ・トランジションズ(Spectralite Velocity Transitionstm)」と比較した。上記フォトクロミック‐PDMS結合の性能が市販のレンズ以上に向上していることは明らかである。実施例9は、点灯消灯サイクルに合致し、サイクル毎にほぼ0.0吸光度に戻る四角形に近い波形性能を示した。上記市販レンズは、鋸歯状応答を示し、それぞれ次の点灯サイクルの前に0.4吸光度(約40%透過率)に戻った。実施例9を含有する上記ホストマトリックスは、上記市販レンズのように、フォトクロミック応答に対しては最適化されていないことに注意すべきである。本発明の化合物は、現存する技術に対して、かなり大きな優位性を示す。
実施例25
レンズ試料を実施例1の染料およびパラフィンオイル混合物と130℃で3時間接触させることによって、インビビション試験を行った。次いで、上記レンズを室温まで冷却してから、上記レンズをアセトンで洗浄した。十分な染料が上記レンズ中に分散された時、上記レンズは光互変性を有した。
実施例26
(モノマーミックスAおよび適当な染料例から作製した)上記レンズ試料を、加速耐候性条件に曝露し、次いで上記疲労の前後のレンズの色の変化を評価することによって疲労試験を行った。上記耐候性条件は、毎日の生活における上記レンズの実際の着用に等しいものであった。上記レンズ試料の室内での色変化および明暗度変化並びに活性化した色変化および明暗度変化を用いて、上記試料の疲労特性を評価した。実施例13および比較例6から得られた結果を比較することによって、上記PDMS鎖は眼鏡配合物中のフォトクロミック染料の耐疲労性を全く低下させないことが示された。
実施例2、5および比較例1のフォトクロミック染料の吸光度を出発染料と比較するポリメチルメタクリレートマトリックスの薄膜分析である。 図1の組成の標準化吸光度である。 ポリスチレンマトリックス中の比較例1、実施例5および実施例2のフォトクロミック染料の時間に対する吸光度を出発染料と比較する薄膜分析のグラフ図である。 図3の系の標準化吸光度を示す薄膜分析のグラフ図である。 実施例1に示すROE試験である。 実施例5の化合物のROE試験である。 実施例5の化合物のナノ溶媒和/カプセル化の証拠を提供するROE NMR試験である。 実施例5の化合物の着色および退色速度を示す吸光度のグラフ図である。 図8に記載した試験の標準化吸光度のグラフ図である。 実施例16の化合物の着色および退色速度を示す吸光度のグラフ図である。 図10に記載した試験の標準化吸光度のグラフ図である。 実施例20の化合物の着色および退色速度を示す吸光度のグラフ図である。 図12に記載した試験の標準化吸光度のグラフ図である。 実施例5および比較例3の染料の着色および退色速度を示す吸光度のグラフ図である。 図14に記載した試験の標準化吸光度のグラフ図である。 実施例9の染料の着色および退色速度を、製品「Spectralite Velocity Transitions」と比較する吸光度のグラフ図である。 フォトクロミックポリマー試料の照射および吸収測定用の装置構成である。 実験用構成に用いたフィルターの透過スペクトルである。 フィルム用のCary50試料ホルダーおよび実験用構成の上面図である。

Claims (32)

  1. ポリマーマトリックスおよびフォトクロミック化合物を含有する、フォトクロミックポリマー組成物であって、
    該フォトクロミック化合物は、フォトクロミック部分と;少なくとも1つのペンダントオリゴマー基;との付加物であり、
    該少なくとも1つのペンダントオリゴマー基は、少なくとも5つのモノマーユニットのポリアルキレンオキシオリゴマー、ポリジ(C −C 10 ヒドロカルビル)シロキサンオリゴマーおよび多面体オリゴマーシルセスキオキサンからなる群から選択される少なくとも1つのペンダントオリゴマー基であって、
    ここで該少なくとも1つのペンダントオリゴマー基は、該ポリマーマトリックスに共有結合しないように、該ポリマーマトリックスと反応性を有さない基であり、および
    該フォトクロミック化合物は、ペンダントオリゴマーを有さないフォトクロミック化合物を含有する対応する組成物と比較すると、フォトクロミックポリマー組成物のかなり変化した退色速度を提供する
    フォトクロミックポリマー組成物。
  2. 前記ポリマーマトリックスが、少なくとも50℃のガラス転移温度Tgを有する請求項1記載のフォトクロミックポリマー組成物。
  3. 前記ポリマーマトリックスが、少なくとも70℃のガラス転移温度Tgを有する請求項2記載のフォトクロミックポリマー組成物。
  4. 前記オリゴマーが、少なくとも5つのモノマーユニットを含む請求項1〜3いずれかに記載のフォトクロミックポリマー組成物。
  5. 前記オリゴマーが、少なくとも7つのモノマーユニットを含む請求項1〜4いずれかに記載のフォトクロミックポリマー組成物。
  6. 前記フォトクロミック化合物が、式I:
    (PC)‐(L(R))
    (式中、PCはフォトクロミック部分であり;
    Rはオリゴマーであり;
    Lは結合または結合基であり;
    nは1〜3の整数であり;
    mは1〜3の整数である)
    を有し;かつ
    該オリゴマーR中のモノマーユニット総数が少なくとも5である請求項1〜5いずれかに記載のフォトクロミックポリマー組成物。
  7. 前記結合基およびオリゴマーが、少なくとも12原子の最長鎖長を共に提供する請求項6記載のフォトクロミックポリマー組成物。
  8. 前記最長鎖長が、少なくとも15原子である請求項7記載のフォトクロミックポリマー組成物。
  9. 前記フォトクロミック部分が、
    クロメン;
    スピロオキサジン;
    スピロピラン;
    フルギド、フルギミド;
    アニル;
    ペルイミジンスピロシクロヘキサジエノン;
    スチルベン;
    チオインジゴイド;
    アゾ染料;および
    ジアリールエテン;
    から成る群から選択される請求項6〜8いずれかに記載のフォトクロミックポリマー組成物。
  10. 前記フォトクロミック部分が、ナフトピラン、ベンゾピラン、インデノナフトピラン、フェナントロピラン、スピロ(ベンズインドリン)ナフトピラン、スピロ(インドリン)ベンゾピラン、スピロ(インドリン)ナフトピラン、スピロキノピラン、スピロ(インドリン)ピラン、スピロオキサジン、スピロ(インドリン)ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ピリドベンズオキサジン、スピロ(ベンズインドリン)ピリドベンズオキサジン、スピロ(ベンズインドリン)ナフトオキサジンおよびスピロ(インドリン)ベンズオキサジンから成る群から選択される請求項9記載のフォトクロミックポリマー組成物。
  11. 前記少なくとも1つオリゴマー基が、下記式1Bおよび1C
    Figure 0004476930
    (式中、Zは、水素、アルキル、任意に置換されたアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、ヒドロキシ、アミノ、任意に置換されたアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、アリール、任意に置換されたアリール、カルボン酸およびそれらの誘導体から成る群から選択される基または原子である)
    から成る群から選択される請求項1〜10いずれかに記載のフォトクロミックポリマー組成物。
  12. 前記少なくとも1つのオリゴマーが、式Ia:
    −(X)p(R)q−R Ia
    (式中、Xは酸素、硫黄、アミノ、置換アミノおよびC〜Cアルキレンから選択され;
    pは0または1であり;
    qは、少なくとも5である、モノマーユニットの数であり;
    は、同一であっても異なってもよく、
    〜C アルキレンオキシ、およびジ(C 〜C 10 ヒドロカルビル)シロキサンから成る群から選択され;
    は、水素、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキル、ヒドロキシ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアリール、カルボン酸およびそれらの誘導体から成る群から選択される)
    を有する群から選択される請求項6〜11いずれかに記載のフォトクロミックポリマー組成物。
  13. 前記オリゴマーが、少なくとも5つのジ(C〜C10ヒドロカルビル)シリルオキシモノマーユニットを含有する請求項1記載のフォトクロミックポリマー組成物。
  14. 前記ポリマーマトリックスが、ポリ(酢酸ビニル);ポリウレタン;ポリカーボネート;ポリエチレンテレフタレート;ポリスチレン;コポリ(スチレン‐メチルメタクリレート);コポリ(スチレン‐アクリロニトライド);ポリ(ビニルブチラール);並びにアルキルカーボネート、多官能性アクリレート、多官能性メタクリレート、アクリレート、メタクリレート、メチルメタクリレート、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、ニトロセルロース、酢酪酸セルロース、ビニルアルコール、塩化ビニル、塩化ビニリデンおよびジアシリデンペンタエリスリトールから成る群から選択される1以上のモノマーのポリマー;から成る群から選択される少なくとも1つのポリマーを含有する請求項1〜13いずれかに記載のフォトクロミックポリマー組成物。
  15. 前記フォトクロミック化合物が、少なくとも部分的に硬化された前記ポリマーマトリックスの表面への適用によって、ポリマーマトリックス中に導入される請求項1〜14いずれかに記載のフォトクロミックポリマー組成物。
  16. 前記フォトクロミック化合物が、前記ポリマーマトリックスまたは前記ポリマーマトリックスのモノマーおよび/またはプレポリマー前駆体とブレンドされる請求項1〜14いずれかに記載のフォトクロミックポリマー組成物。
  17. 光学レンズまたはそれらの表面コーティングの形である請求項1〜16いずれかに記載のフォトクロミックポリマー組成物。
  18. 前記オリゴマーを有さない対応する組成物に比較して、前記退色の半減期が少なくとも20%変化し、ここで退色の半減期とはUV照射を止めたときから染料の着色した形の初期最大光学濃度から半分だけ光学濃度が減じるのにかかった時間である、請求項1〜17いずれかに記載のフォトクロミックポリマー組成物。
  19. 前記オリゴマーを有さないフォトクロミック化合物を含有する対応する組成物に比較して、前記退色の半減期が少なくとも40%減少する請求項18記載のフォトクロミックポリマー組成物。
  20. 前記フォトクロミック化合物が前記オリゴマーを含有しない対応する組成物に比較して、t3/4が少なくとも40%減少し、ここでt 3/4 とはUV照射を止めたときから染料の着色した形の初期最大光学濃度から3/4だけ光学濃度が減じるのにかかった時間である、請求項1〜17いずれかに記載のフォトクロミックポリマー組成物。
  21. 式I:
    (PC)‐(L(R))
    (式中、PCはフォトクロミック部分であり;
    Lは結合または結合基であり;
    Rは、ポリジ(C −C 10 ヒドロカルビル)シロキサンオリゴマー、および下記式1Bおよび1C
    Figure 0004476930
    (式中、Zは、水素、アルキル、任意に置換されたアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、ヒドロキシル、アミノ、任意に置換されたアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、アリール、任意に置換されたアリール、カルボン酸およびそれらの誘導体から成る群から選択される基または原子であり、
    nは1〜3の整数であり;
    mは1〜3の整数である)
    の多面体オリゴマーシルセスキオキサンオリゴマー、
    からなる群から選択されるオリゴマー基である、フォトクロミック化合物。
  22. 前記結合基LおよびオリゴマーRが、少なくとも12原子の最長鎖長を提供する請求項21記載のフォトクロミック化合物。
  23. 前記最長鎖長が、少なくとも15原子である請求項21または22記載のフォトクロミック化合物。
  24. 前記フォトクロミック部分(PC)が、クロメン、スピロピラン、スピロオキサジン、フルギド、フルギミド、アニル、ペルイミジンスピロシクロヘキサジエノン、スチルベン、チオインジゴイド、アゾ染料およびジアリールエテンから成る群から選択される請求項21〜23いずれかに記載のフォトクロミック化合物。
  25. 前記フォトクロミック部分(PC)が、ナフトピラン、ベンゾピラン、インデノナフトピラン、フェナントロピラン、スピロ(ベンズインドリン)ナフトピラン、スピロ(インドリン)ベンゾピラン、スピロ(インドリン)ナフトピラン、スピロキノピラン、スピロ(インドリン)ピラン、スピロ(インドリン)ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ピリドベンズオキサジン、スピロ(ベンズインドリン)ピリドベンズオキサジン、スピロ(ベンズインドリン)ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ベンズオキサジン、フルギドおよびフルギミドから成る群から選択される、請求項21〜23いずれかに記載のフォトクロミック化合物。
  26. Rが、ポリジアルキルシロキサンオリゴマーから成る群から選択されるオリゴマーである請求項21〜25いずれかに記載のフォトクロミック化合物。
  27. Rが、式I(a):
    −(X)p(R)q−R I(a)
    (式中、Xは酸素、硫黄、アミノ〜CアルキルアミノおよびC〜Cアルキレンから選択され;
    pは0または1であり;
    qは前記オリゴマー中のモノマーユニットRの数であって、少なくとも5であり;
    は、同一であっても異なってもよい、ジ(C〜C10ヒドロカルビル)シロキサンであり;かつ
    は、水素、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキル、ヒドロキシ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアリール、カルボン酸およびそれらの誘導体から成る群から選択される)
    を有する基を含有する請求項21〜25いずれかに記載のフォトクロミック化合物。
  28. 前記オリゴマーがポリジメチルシロキサンである、請求項21〜26いずれかに記載のフォトクロミック化合物。
  29. 前記オリゴマーRが、以下の
    Figure 0004476930
    (式中、φはアルキルまたはアリールであり、該アリールにはアリール基の少なくとも一部分が含まれており、
    Xは酸素、硫黄、アミノ、置換アミノおよびC 〜C アルキレンから選択され;
    は、水素、C 〜C アルキルおよびC 〜C ハロアルキル、ヒドロキシ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアリール、カルボン酸およびそれらの誘導体から成る群から選択され;
    pは0または1であり、および
    は繰り返しユニット数であり、少なくとも1つのオリゴマー基が存在し、モノマーユニット数()が少なくとも7である)
    から成る群から選択される請求項21〜25いずれかに記載のフォトクロミック化合物。
  30. 前記オリゴマーRが、IIa〜IIk:
    Figure 0004476930
    Figure 0004476930
    (式IIa〜IIk中、
    Xは、同一であっても異なってもよく、酸素、硫黄、アミノ、置換アミノおよびC 〜C アルキレンから選択され
    は、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノおよびアルキルアミノなどの置換アミノから成る群から選択され;
    nは1〜3の整数であり;
    wは1〜4の整数であり;
    qは0〜15の整数であり;
    pは、1つより多く存在する場合、同一であっても異なってもよく、0または1であり;および
    (R)は、オリゴマーRの結合用の基を示す)
    から選択される式のいずれか1つの結合基によって、フォトクロミック部分(PC)に結合される請求項21〜25いずれかに記載のフォトクロミック化合物。
  31. 前記フォトクロミック部分(PC)が、クロメン、スピロオキサジン、フルギド、フルギミドおよびアゾ染料から成る群から選択される請求項21〜24いずれかに記載のフォトクロミック化合物。
  32. 前記フォトクロミック部分(PC)が、
    (a)式III:
    Figure 0004476930
    上記式III中、式IIIa
    Figure 0004476930
    によって表される基は、置換または非置換2価芳香族炭化水素基、もしくは置換または非置換2価不飽和複素環式基であり、
    式IIIb
    Figure 0004476930
    によって表される基は、置換または非置換2価芳香族炭化水素基、もしくは置換または非置換2価不飽和複素環式基であり、
    式III中、R、RおよびRは、同一であっても異なってもよく、それぞれアルキル基、シクロアルキル基、シクロアリールアルキル基、アルコキシ基、アルキレンオキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、シアノ、アルコキシカルボニルアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールオキシ基、アルキレンチオアルキル基、アシル基、アシルオキシ基またはアミノ基であり、RおよびRは共に環を形成してもよく、R、RおよびRは、それぞれ任意に置換基を有してもよい)
    のスピロオキサジン;
    (b)式XX:
    Figure 0004476930
    (式中、BおよびB’は、任意に置換されたフェニルアリールおよびヘテロアリールであり;および
    22、R23およびR24は、独立して、水素;ハロゲン;C〜Cアルキル;基L(R);および式COWの基(ここで、WはOR25、NR2627、ピペリジノまたはモルホリノであり、R25はC〜Cアルキル、フェニル、(C〜Cアルキル)フェニル、C〜Cアルコキシフェニル、フェニルC〜Cアルキル、(C〜Cアルコキシ)フェニル、C〜CアルコキシC〜CアルキルおよびL(R)から成る群から選択され;R26およびR27はそれぞれ、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、フェニル、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから選択される1または2の基で置換したフェニル並びに基L(R)から成る群から選択され;R22およびR23は、任意に置換されたベンゼンと任意に縮合した5または6員のカルボキシル環から選択されてもよく、該置換基の少なくとも1つはBおよびB’から成る置換基から選択され、R22、R23、R24、R25、R26およびR27は基L(R)である);から選択される)
    のクロメン;
    (c)式XXX:
    Figure 0004476930
    (式中、
    Qは、任意に置換された芳香族化合物、任意に置換されたヘテロ芳香族化合物(ここで、該芳香族化合物/ヘテロ芳香族化合物は、単環式または多環式の芳香族化合物/ヘテロ芳香族化合物であってもよい)から成る群から選択され;
    30は、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、フェノキシ、モノ‐およびジ(C〜C)アルキル置換フェニルまたはフェン(C〜C)アルキル、から成る群から選択され;
    A’は、酸素または=N‐R36から成る群から選択され、R36はC〜Cアルキルまたは任意に置換されたフェニルであり;
    34およびR35は、独立して、C〜Cアルキル、フェニルまたはフェン(C〜C)アルキルを表すか、或いはR34およびR35の一方は水素であり、もう一方は前述の基の内の1つであるか、或いは=R3435はアダマンチリジン基を表し;
    Q、R30、R34、R35およびR36の少なくとも1つは、基L(R)を含有する)
    のフルギドおよびフルギミド;
    および
    (d)式XL:
    Figure 0004476930
    (式中、
    40およびR41は、独立して、水素;C〜Cアルキル;C〜Cアルコキシ;‐NR4243(ここで、R42およびR43は、R26およびR27と同様である);アリール(例えばフェニル)、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから選択される1以上の置換基で置換したアリール、置換基がアリールおよびC〜Cアルコキシから選択される置換C〜Cアルキル、置換基がC〜Cアルコキシアリールおよびアリールオキシから選択される置換C〜Cアルコキシから選択される)
    のアゾ染料;
    から成る群から選択される請求項21記載のフォトクロミック化合物。
JP2005502075A 2002-11-04 2003-11-03 フォトクロミック組成物および光透過性物品 Expired - Lifetime JP4476930B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
AU2002952454A AU2002952454A0 (en) 2002-11-04 2002-11-04 Photochromic compositions and light transmissible particles
AU2003903133A AU2003903133A0 (en) 2003-06-20 2003-06-20 Photochromic compositions and light transmissible particles
PCT/AU2003/001453 WO2004041961A1 (en) 2002-11-04 2003-11-03 Photochromic compositions and light transmissible articles

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006505684A JP2006505684A (ja) 2006-02-16
JP4476930B2 true JP4476930B2 (ja) 2010-06-09

Family

ID=32313397

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005502075A Expired - Lifetime JP4476930B2 (ja) 2002-11-04 2003-11-03 フォトクロミック組成物および光透過性物品

Country Status (5)

Country Link
US (2) US7247262B2 (ja)
EP (1) EP1560893B1 (ja)
JP (1) JP4476930B2 (ja)
BR (1) BR0315984A (ja)
WO (1) WO2004041961A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007535592A (ja) * 2004-04-30 2007-12-06 ポリマーズ・オーストラリア・プロプライエタリー・リミテッド ポリエーテルオリゴマーを含有するフォトクロミック組成物および物品

Families Citing this family (85)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4476930B2 (ja) 2002-11-04 2010-06-09 アドバンスト・ポリメリック・プロプライエタリー・リミテッド フォトクロミック組成物および光透過性物品
US8545984B2 (en) 2003-07-01 2013-10-01 Transitions Optical, Inc. Photochromic compounds and compositions
US9096014B2 (en) 2003-07-01 2015-08-04 Transitions Optical, Inc. Oriented polymeric sheets exhibiting dichroism and articles containing the same
US8518546B2 (en) 2003-07-01 2013-08-27 Transitions Optical, Inc. Photochromic compounds and compositions
US8211338B2 (en) 2003-07-01 2012-07-03 Transitions Optical, Inc Photochromic compounds
US8698117B2 (en) 2003-07-01 2014-04-15 Transitions Optical, Inc. Indeno-fused ring compounds
US7342112B2 (en) * 2003-07-01 2008-03-11 Ppg Industries Ohio, Inc. Photochromic compounds
US7632540B2 (en) 2003-07-01 2009-12-15 Transitions Optical, Inc. Alignment facilities for optical dyes
US7465415B2 (en) * 2004-07-30 2008-12-16 Ppg Industries Ohio, Inc. Photochromic materials derived from ring-opening monomers and photochromic initiators
US20090093601A1 (en) * 2004-09-02 2009-04-09 Polymers Australia Pty Limited Photochromic Compounds Comprising Polymeric Substituents And Methods For Preparation And Use Thereof
JP4658258B2 (ja) * 2004-09-15 2011-03-23 パイロットインキ株式会社 色彩記憶性光変色性筆記具及びそれを用いた色彩記憶性光変色性筆記具セット、筆記像の色彩記憶性光変色機能の互変的発現方法
US8899547B2 (en) 2004-11-18 2014-12-02 Qspex Technologies, Inc. Molds and method of using the same for optical lenses
US8647538B2 (en) 2005-04-08 2014-02-11 Transitions Optical, Inc. Photochromic compounds having at least two photochromic moieties
US8147725B2 (en) 2005-04-08 2012-04-03 Transitions Optical, Inc Photochromic materials having extended pi-conjugated systems and compositions and articles including the same
US8158037B2 (en) 2005-04-08 2012-04-17 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Photochromic materials having extended pi-conjugated systems and compositions and articles including the same
US20060228557A1 (en) * 2005-04-08 2006-10-12 Beon-Kyu Kim Photochromic materials having extended pi-conjugated systems and compositions and articles including the same
US7556750B2 (en) 2005-04-08 2009-07-07 Transitions Optical, Inc. Photochromic materials with reactive substituents
US9052438B2 (en) 2005-04-08 2015-06-09 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Ophthalmic devices comprising photochromic materials with reactive substituents
US9028728B2 (en) 2005-04-08 2015-05-12 Transitions Optical, Inc. Photochromic materials that include indeno-fused naphthopyrans
US9139552B2 (en) 2005-04-08 2015-09-22 Transitions Optical, Inc. Indeno-fused naphthopyrans having ethylenically unsaturated groups
US7708396B2 (en) * 2006-03-09 2010-05-04 Xerox Corporation Photochromic phase change inks
KR100846665B1 (ko) 2006-03-23 2008-07-16 주식회사 엘지화학 광 변색성을 가지는 스피로옥사진 유도체, 이의 제조방법및 이를 포함하는 광변색성 염료
US7662308B2 (en) * 2006-08-07 2010-02-16 Ciba Specialty Chemicals Corporation Polyhedral oligomeric silsesquioxane (POSS) based fluorescent colorants
US7786209B2 (en) 2006-10-27 2010-08-31 Xerox Corporation Nanostructured particles, phase change inks including same and methods for making same
US7541119B2 (en) 2007-06-13 2009-06-02 Xerox Corporation Inkless reimageable printing paper and method
US7867672B2 (en) * 2007-06-13 2011-01-11 Xerox Corporation Reimageable paper protected against UV light
US7645558B2 (en) * 2007-06-13 2010-01-12 Xerox Corporation Inkless reimageable printing paper and method
US7718325B2 (en) 2007-06-13 2010-05-18 Xerox Corporation Photochromic material, inkless reimageable printing paper, and methods
US7852366B2 (en) * 2007-06-13 2010-12-14 Xerox Corporation System and method for printing reimageable transient documents
US20080311493A1 (en) * 2007-06-13 2008-12-18 Xerox Corporation Inkless reimageable printing paper and method
US7666558B2 (en) * 2007-06-13 2010-02-23 Xerox Corporation Inkless reimageable printing paper and method
US7572569B2 (en) * 2007-06-13 2009-08-11 Xerox Corporation Inkless printing paper and method
US7569316B2 (en) * 2007-06-13 2009-08-04 Xerox Corporation Inkless reimageable printing paper and method
US7553603B2 (en) 2007-06-13 2009-06-30 Xerox Corporation Inkless printing paper and method
US7582398B2 (en) 2007-06-13 2009-09-01 Xerox Corporation Inkless reimageable printing paper and method
US7588878B2 (en) * 2007-06-13 2009-09-15 Xerox Corporation Inkless printing paper and method
US7655366B2 (en) * 2007-06-13 2010-02-02 Xerox Corporation Inkless reimageable printing paper and method
US7572560B2 (en) * 2007-06-13 2009-08-11 Xerox Corporation Inkless reimageable printing paper and method
EP2183115A2 (en) * 2007-08-02 2010-05-12 Authentix, Inc. Authenticating a product
CN102112528B (zh) * 2008-06-05 2013-08-28 先进聚合有限公司 光致变色聚合物以及包含光致变色聚合物的组合物
GB0815109D0 (en) 2008-08-18 2008-09-24 James Robinson Ltd Polydialkylsiloxane-bridged bi-photochromic molecules
US20110190455A1 (en) * 2008-08-18 2011-08-04 Vivimed Labs Europe Ltd. Polydialkylsiloxane-bridged bi-photochromic molecules
US7645560B1 (en) 2008-09-08 2010-01-12 Xerox Corporation Inkless reimageable printing paper and method
US7943515B2 (en) * 2008-09-09 2011-05-17 Sandisk 3D Llc Shared masks for x-lines and shared masks for y-lines for fabrication of 3D memory arrays
WO2010066071A1 (en) * 2008-12-08 2010-06-17 Evonik Roehm Gmbh Process for preparing a photochromic polymeric composition, thus obtained polymeric composition and use thereof
US8216765B2 (en) * 2009-03-09 2012-07-10 Xerox Corporation Reimageable and reusable medium and method of producing and using the reimageable and reusable medium
JP5623761B2 (ja) * 2009-03-12 2014-11-12 国立大学法人横浜国立大学 フォトクロミックオルガノポリシロキサン組成物
US8163357B2 (en) * 2009-03-26 2012-04-24 Signet Armorlite, Inc. Scratch-resistant coatings with improved adhesion to inorganic thin film coatings
US8633292B2 (en) * 2009-03-26 2014-01-21 Signet Armorlite Polyurethane-based photochromic optical materials
US8236466B2 (en) * 2009-10-01 2012-08-07 Xerox Corporation Photochromic materials incorporated in polymer backbone
WO2011053633A1 (en) * 2009-10-27 2011-05-05 Agency For Science, Technology And Research Fast-response photochromic nanostructured contact lenses
US8518305B2 (en) * 2009-10-28 2013-08-27 Transitions Optical, Inc. Photochromic materials
US8293438B2 (en) * 2009-11-30 2012-10-23 Xerox Corporation Erasable media with binder
US8465887B2 (en) * 2010-05-13 2013-06-18 Xerox Corporation Lower cost reusable polymer binder
US9042019B2 (en) 2011-04-15 2015-05-26 Qspex Technologies, Inc. Anti-reflective lenses and methods for manufacturing the same
US9335443B2 (en) 2011-04-15 2016-05-10 Qspex Technologies, Inc. Anti-reflective lenses and methods for manufacturing the same
WO2012149599A1 (en) * 2011-05-03 2012-11-08 Advanced Polymerik Pty Ltd Photochromic polymer
US8617436B2 (en) * 2011-05-18 2013-12-31 Bloomfield Science Museum Jerusalem Remote marking
EP2725017B1 (en) 2011-06-23 2016-06-29 Tokuyama Corporation Chromene compound
US9040648B2 (en) * 2012-04-16 2015-05-26 Ppg Industries Ohio, Inc. Polymer compositions containing mechanochromic polymers
WO2014152259A1 (en) * 2013-03-15 2014-09-25 Ppg Industries Ohio, Inc. Polymer compositions containing mechanochromic polymers
JP6077177B2 (ja) * 2013-05-28 2017-02-08 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー フォトクロミック染料を含む表面処理組成物
US9310311B2 (en) 2013-06-13 2016-04-12 Performance Indicator, Llc Time validation indicator
EP3122839A4 (en) * 2014-03-25 2017-11-22 SABIC Global Technologies B.V. Color changing material
PE20170081A1 (es) * 2014-06-25 2017-03-19 Vision Ease Lp Micromedioambiente de tinte
WO2017047742A1 (ja) * 2015-09-16 2017-03-23 三井化学株式会社 光学材料用重合性組成物、当該組成物から得られる光学材料およびプラスチックレンズ
WO2017047743A1 (ja) * 2015-09-16 2017-03-23 三井化学株式会社 重合性組成物、当該組成物を用いた有機ガラスの製造方法および有機ガラス
AU2018298623B2 (en) 2017-07-14 2022-11-17 Tokuyama Corporation Chromene compound, curable composition comprising the compound, and optical article including a cured body of the curable composition
US11168223B2 (en) 2017-09-28 2021-11-09 Sdc Technologies, Inc. Photochromic article
JP7422067B2 (ja) 2018-02-23 2024-01-25 株式会社トクヤマ 機能性積層体、及び機能性積層体を用いた機能性レンズ
BR112020020189A2 (pt) 2018-04-05 2021-01-05 Tokuyama Corporation Composição adesiva fotocrômica, laminado fotocrômico, e, artigo óptico.
CN111954832A (zh) 2018-04-12 2020-11-17 株式会社德山 光致变色光学物品及其制造方法
CN111989382B (zh) 2018-04-17 2024-01-05 株式会社德山 光致变色化合物、包含该光致变色化合物的固化性组合物和光学物品
JP7152173B2 (ja) * 2018-04-17 2022-10-12 株式会社トクヤマ フォトクロミック硬化体の製造方法
CN112822994A (zh) 2018-06-26 2021-05-18 尚飞品牌公司 紫外线指示剂、制剂和包含其的防晒套盒
MX2021000494A (es) 2018-07-20 2021-04-12 Tokuyama Corp Compuesto fotocromico y composicion curable que contiene el compuesto fotocromico.
KR20210150386A (ko) 2019-04-03 2021-12-10 가부시끼가이샤 도꾸야마 포토크로믹 광학 물품 및 그의 제조 방법
US20230242809A1 (en) 2019-10-17 2023-08-03 Tokuyama Corporation Photochromic hydroxyurethane compound
EP4112663A4 (en) 2020-02-28 2024-02-28 Tokuyama Corp PHOTOCHROMIC CURABLE COMPOSITION AND PHOTOCHROMIC OPTICAL ARTICLE
WO2021172513A1 (ja) 2020-02-28 2021-09-02 株式会社トクヤマ 湿気硬化型ポリウレタン組成物及び積層体
US20210308495A1 (en) 2020-04-02 2021-10-07 ReadyDock, Inc. Face mask system with condition indicator
CN115768746A (zh) 2020-05-28 2023-03-07 株式会社德山 光学材料用化合物、固化性组合物、固化物和光学物品
EP4194480A1 (en) 2020-08-06 2023-06-14 Tokuyama Corporation Photochromic compound, photochromic curable composition, cured body, lens, and eyeglasses
KR20230137306A (ko) 2021-01-25 2023-10-04 가부시끼가이샤 도꾸야마 수지 조성물, 광학 적층체, 광학 물품, 렌즈 및 안경
WO2022191160A1 (ja) 2021-03-08 2022-09-15 株式会社トクヤマ フォトクロミック硬化性組成物、フォトクロミック積層体及びその製造方法

Family Cites Families (38)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2370567A (en) 1941-03-28 1945-02-27 Pittsburgh Plate Glass Co Preparation of carbonic acid esters
US2403113A (en) 1942-03-07 1946-07-02 Pittsburgh Plate Glass Co Unsaturated carbonate ester and polymer thereof
US2918972A (en) * 1957-08-12 1959-12-29 Howard A Tubbs Coupling apparatus for a well system
GB1441255A (en) * 1972-08-24 1976-06-30 Agfa Gevaert Ag Photochromic polyesters
IT1015908B (it) 1974-04-05 1977-05-20 Snam Progetti Procedimento per la sintesi di indolenine alchil sostituite
US4220708A (en) 1977-07-22 1980-09-02 Heller Harold G Photochromic compounds
US4286957A (en) 1979-01-10 1981-09-01 Essilor International "Cie Generale D'optique" Process of integrating a photochromic substance into an ophthalmic lens and a photochromic lens of organic material
US4454219A (en) * 1981-04-27 1984-06-12 Hitachi Chemical Company, Ltd. Photosensitive resin composition comprised of a polymer obtained from an aliphatic amino group-containing monomer as a comonomer
US4880667A (en) 1985-09-24 1989-11-14 Ppg Industries, Inc. Photochromic plastic article and method for preparing same
DE3852831T2 (de) 1987-02-02 1995-05-18 Toray Industries Photochrome Verbindung.
JPS63250381A (ja) 1987-04-06 1988-10-18 Seiko Epson Corp フオトクロミツク化合物
JP2653458B2 (ja) * 1988-03-26 1997-09-17 旭化成工業株式会社 凸版印刷版用感光性樹脂組成物
JPH0613522B2 (ja) 1989-06-07 1994-02-23 東レ株式会社 ホトクロミック性を有するモノマー
JPH0391578A (ja) 1989-09-05 1991-04-17 Toray Ind Inc コーティング用組成物
EP0593397B1 (de) * 1992-10-15 1996-12-27 Ciba-Geigy Ag Polymerisierbare photochrome Napthacendione, Polymere dieser Monomeren, Verfahren zu deren Herstellung, und deren Verwendung
US5322945A (en) * 1993-02-19 1994-06-21 Yeda Research And Development Co. Ltd. Photochromic spirooxazine monomers and polysiloxanes
US5383959A (en) * 1993-02-22 1995-01-24 Xytronyx, Inc. Reversible inks
JPH07134356A (ja) * 1993-11-10 1995-05-23 Sekisui Chem Co Ltd フォトクロミック性樹脂成形体
US5683628A (en) * 1994-10-17 1997-11-04 Seiko Epson Corp. Photochromic composition and photochromic resin obtainable by using the same
JPH08320534A (ja) 1995-05-25 1996-12-03 Tokuyama Corp フォトクロミック硬化性組成物
US5674613A (en) 1995-06-14 1997-10-07 Exxon Chemical Patents Inc. Electrical devices including ethylene, a-olefin, vinyl norbornene elastomeric polymers
AUPN443695A0 (en) * 1995-07-28 1995-08-17 Sola International Holdings Ltd Photochromic polymer
US5821287A (en) * 1996-08-08 1998-10-13 National Science Council Photochromic pigment
US6316569B1 (en) * 1997-04-04 2001-11-13 Corning S.A. Self-light-stabilized photochromic polymer, its preparation and articles containing same
JPH11209750A (ja) * 1998-01-26 1999-08-03 Tokuyama Corp フォトクロミック硬化性組成物
US6133390A (en) * 1998-04-21 2000-10-17 Kozlovski; Mikhael Polymeric materials
ITMI981690A1 (it) * 1998-07-22 2000-01-22 Great Lakes Chemical Italia "composti fotocromatici procedimento per la loro preparazione e loro utilizzo in materiali polimerici"
US6555028B2 (en) * 1998-09-11 2003-04-29 Transitions Optical, Inc. Polymeric matrix compatibilized naphthopyrans
CA2343310C (en) * 1998-09-11 2008-04-15 Ppg Industries Ohio, Inc. Polymerizable polyalkoxylated naphthopyrans
IT1302637B1 (it) * 1998-10-09 2000-09-29 Great Lakes Chemical Italia Composti fotocromatici, procedimento per la loro preparazione e loroutilizzo in materiali polimerici.
DE19905394A1 (de) * 1999-02-10 2000-08-17 Basf Ag Flüssigkristalline Stoffgemenge
US20030099910A1 (en) * 1999-08-24 2003-05-29 Eun-Kyoung Kim Photochromic spirobenzopyran compounds and their derivatives, spiropyran group-containing polymers, process for producing the same, compositions comprising said spiropyrans or spiropyran group-containing polymers and photochromic switch thin films prepared
EP1265885B1 (en) * 2000-03-22 2005-06-22 Transitions Optical, Inc. Hydroxylated/carboxylated naphthopyrans
AUPQ662300A0 (en) * 2000-03-31 2000-05-04 Sola International Holdings Ltd Photochromic article and method of preparation
US20030141490A1 (en) * 2001-12-21 2003-07-31 Walters Robert W. Photochromic polymer compositions and articles thereof
JP4476930B2 (ja) 2002-11-04 2010-06-09 アドバンスト・ポリメリック・プロプライエタリー・リミテッド フォトクロミック組成物および光透過性物品
US7342112B2 (en) * 2003-07-01 2008-03-11 Ppg Industries Ohio, Inc. Photochromic compounds
US20070159594A9 (en) * 2004-05-13 2007-07-12 Jani Dharmendra M Photochromic blue light filtering materials and ophthalmic devices

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007535592A (ja) * 2004-04-30 2007-12-06 ポリマーズ・オーストラリア・プロプライエタリー・リミテッド ポリエーテルオリゴマーを含有するフォトクロミック組成物および物品

Also Published As

Publication number Publication date
EP1560893B1 (en) 2012-06-06
EP1560893A1 (en) 2005-08-10
EP1560893A4 (en) 2008-06-04
JP2006505684A (ja) 2006-02-16
BR0315984A (pt) 2005-09-20
US20080006798A1 (en) 2008-01-10
US7247262B2 (en) 2007-07-24
US7807075B2 (en) 2010-10-05
US20050269556A1 (en) 2005-12-08
WO2004041961A1 (en) 2004-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4476930B2 (ja) フォトクロミック組成物および光透過性物品
CA2343310C (en) Polymerizable polyalkoxylated naphthopyrans
KR100903237B1 (ko) 광변색성 물질, 광변색성 조성물, 광변색성 제품 및 광변색성 제품의 제조방법
US9006427B2 (en) Photochromic materials demonstrating improved fade rates
JP5236492B2 (ja) 電子求引性置換基を含むフォトクロミック材料
JP2533277B2 (ja) ホトクロミックナフトピラン化合物
ES2536076T3 (es) Naftopiranos condensados con indeno fotocrómicos
AU735837B2 (en) Novel substituted naphthopyrans
JPWO2002090342A1 (ja) クロメン化合物
KR101602588B1 (ko) 6-아미노 치환된 인데노-융합된 나프토피란을 포함하는 광변색성 물질
EP0778276B1 (en) Photochromic chromene derivatives
JP4368679B2 (ja) ホトクロミックビス−ナフトピラン化合物およびそれらの製造方法
US20030099910A1 (en) Photochromic spirobenzopyran compounds and their derivatives, spiropyran group-containing polymers, process for producing the same, compositions comprising said spiropyrans or spiropyran group-containing polymers and photochromic switch thin films prepared
EP1963918A1 (en) Photochromic 2h-naphthopyrans
AU2003277977B2 (en) Photochromic compositions and light transmissible articles
JP2004339184A (ja) クロメン化合物
JP2004203813A (ja) クロメン化合物
KR100289951B1 (ko) 스피로벤조피란기-함유중합체,이의제조방법,및이를이용한광호변성스위치박막
MXPA01002555A (en) Polyalkoxylated naphthopyrans
MX2008008053A (en) Photochromic indeno-fused naphthopyrans

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061102

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20090323

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090323

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090902

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090908

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20091207

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20091214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100209

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100310

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 3