JP4469479B2 - 水性エマルジョン系樹脂組成物 - Google Patents

水性エマルジョン系樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、水性エマルジョン系樹脂組成物及びこれを用いた水性インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、印刷インキとしては、有機溶剤を用いた溶剤系印刷インキが主流であった。しかし、近年、溶剤系印刷インキによる大気汚染等の公害、有機溶剤中毒等の労働安全衛生、引火爆発などの危険性の各問題や、省エネルギー・省資源の目的から溶剤系印刷インキから水性印刷インキへの転換が検討されており、さらに、最近のPRTR法(化学物質管理促進法)制定に伴い、その要望が高まっている。
【0003】
既に、一般包装紙や段ボールなどの紙器類の印刷には水性インキが実用化されている。しかし、軟包装材用途であるプラスチックフイルムを基材とするグラビア印刷の分野においては、乾燥性や基材への濡れ性、接着性、印刷適性等の点で問題があり、一部の用途を除いて未だ実用化には至っていない。
【0004】
水性インキに使用される樹脂として、特開平10−265729号公報に、カルボニル基を含有した水性アクリル分散樹脂に分子中に少なくとも2個のヒドラジド基を有するヒドラジド化合物を配合した常温1液硬化型樹脂や、その改良タイプとして本発明者らが提案したヒドラジド化合物のブロック体を使用するものが開示されている。また、特開平11−172168号公報に、ヒドラジド化合物の硬化遅延剤として特定のケトン系溶剤を添加する方法が開示されている。これらは、いずれも架橋により塗膜が硬くてもろくなり各種フイルムへの接着性(特にPETフイルム)が低下し充分ではない。
【0005】
この点、水性ウレタン樹脂は塗膜の粘弾性的特性に優れ水性インキ用樹脂として各種の提案がなされ、ポリエステル系フィルムなどの比較的極性の高いフィルムに対しては所望の接着性が得られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、軟包装用プラスチックフィルムとして多用されているコロナ処理が施されたオレフィン系フィルムに対しては、接着性の面で不十分である。
【0007】
また、グラビア印刷においては、版(グラビア)凹部へのインク残を防ぎ、版づまり、版かぶり等を防止するため、版(グラビア)凹部への残存インクのインクへの再溶解性が必要となる。しかし、上記水性インキは、この再溶解性が不十分であり、耐版づまり、耐版かぶり等の印刷適性において十分でない。
【0008】
さらに、ドライラミネート又は押出ラミネートを行う場合にインキ塗膜とその両面の基材とから構成されるラミネートのラミネート強度が必要となり、印刷後に巻き取りを行う場合にインキ塗膜の耐ブロッキング性が必要となり、保管中に粘度上昇を生じるのを防止するためにインキの貯蔵安定性が必要となり、また、各種の色を出すために顔料分散性が必要となるが、上記の水性インキでは、これらの性能が不十分であった。
【0009】
そこでこの発明は、コロナ処理を施したOPP、PETフィルムへの接着性、インキ塗膜を中間層とするラミネートのラミネート強度、インキ塗膜の耐ブロッキング性、インキの貯蔵安定性、顔料分散性が良好であり、かつ、グラビア印刷におけるインキの再溶解性が良好な樹脂組成物をバインダーとする水性インキの組成物を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、(A)カルボニル基を少なくとも1個含有するアクリル系樹脂、(B)水性アクリル−ウレタン樹脂、(C)有機多価ヒドラジド化合物、及び(D)沸点100℃以上のケトン系溶剤を水性媒体中に含有させてなり、上記(A)成分100重量部に対し、上記(B)成分を10〜50重量部、上記(C)成分を上記(A)成分のカルボニル基1当量あたり、ヒドラジド基0.2〜2当量、及び上記(D)成分を上記(C)成分のヒドラジド基1当量に対してカルボニル基が0.5〜2当量となるように配合することにより、上記課題を解決したのである。すなわち、本発明においては、(A)アクリル系樹脂に加えて(B)水性アクリル−ウレタン樹脂を使用したので、コロナ処理を施したOPP、PETフィルムへの接着性、ラミネート強度、インキ塗膜の耐ブロッキング性やインキの貯蔵安定性、顔料分散性に優れ、さらに印刷時のインキの再溶解性が良好となるものと考えられる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を説明する。
【0012】
この発明にかかる水性エマルジョン系樹脂組成物は、(A)成分として、カルボニル基を少なくとも1個含有するアクリル系樹脂、(B)成分として、水性アクリル−ウレタン樹脂、(C)成分として、有機多価ヒドラジド化合物、及び(D)成分として、沸点100℃以上のケトン系溶剤を水性媒体中に含有させた組成物である。
【0013】
上記(A)成分であるアクリル系樹脂を構成する重合性二重結合含有単量体は、ケト基又はアルド基に基づくカルボニル基を分子中少なくとも1個含有する重合性二重結合含有単量体と、他の重合性二重結合含有単量体とからなる組成を有する。
【0014】
このようなカルボニル基を分子中少なくとも1個含有する重合性二重結合含有単量体の具体例としては、例えばアクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ホルミルスチロール、ビニルメチルケトン、ビニルイソブチルケトン、ジアセトン(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等があげられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、ジアセトンアクリルアミドが、他の重合性二重結合含有単量体との共重合性の点から好ましい。
【0015】
また、上記他の重合性二重結合含有単量体の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等の炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレート、芳香族基を有する重合性二重結合含有単量体や、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基を有する重合性二重結合含有単量体、又はヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を含有する重合性二重結合含有単量体等があげられる。
【0016】
上記カルボニル基を分子中少なくとも1個含有する重合性二重結合含有単量体と、他の重合性二重結合含有単量体の組成比は、両者の合計に対して、前者は3〜20重量%がよく、5〜15重量%が好ましい。また、後者は、80〜97重量%がよく、85〜95重量%が好ましい。前者が3重量%より少ないと、充分な架橋効果が得られず、耐水性、密着性等が不十分となる傾向が生じる。また、前者が20重量%より多いと、粘度安定性が著しく低下する。
【0017】
さらに、他の重合性二重結合含有単量体中における上記炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート又は炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレート、及び芳香族基を有する重合性二重結合含有単量体等の疎水性単量体と、カルボキシル基を有する重合性二重結合含有単量体又はヒドロキシル基を有する重合性二重結合含有単量体等の親水性単量体の合計使用量は、上記(A)成分の80〜97重量%がよく、好ましくは85〜95重量%である。このとき、上記疎水性単量体の使用割合は50〜94重量%がよく、好ましくは70〜90重量%であり、また、親水性単量体の使用割合は3〜30重量%がよく、好ましくは5〜15重量%である。親水性単量体が3重量%より少ないと、塗膜の再溶解性が低下し、30重量%より多くなると、塗膜の密着性及び耐水性が著しく低下する。
【0018】
上記(B)成分である水性アクリル−ウレタン樹脂は、(a)成分である有機ポリイソシアネート化合物、(b)成分である高分子ポリオール、(d)成分である分子中にアニオン性親水基と少なくとも2個の活性水素を含有する化合物、及び必要に応じて、(f)鎖伸長剤を用いてウレタンプレポリマーを合成し、必要に応じて、このプレポリマーのイソシアネ−ト基末端を中和し、これを、(e)成分である水溶性ポリアミン又はヒドラジン誘導体を用いて、水中で鎖伸長反応をさせた樹脂である。
【0019】
上記(a)成分の有機ポリイソシアネート化合物は、特に制限されるものではなく、従来公知の種々の有機ポリイソシアネート化合物を使用することができる。この中でも、脂肪族ジイソシアネート化合物及び脂環式ジイソシアネート化合物の中から選ばれた少なくとも1種のイソシアネート化合物が好ましい。このようなイソシアネート化合物の例としては、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルカンファンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等があげられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0020】
上記(b)成分である高分子ポリオールは、必須成分としてアクリルポリオール及びダイマージオールを含有するものである。このアクリルポリオールは、後述するような、1分子中にエチレン性不飽和基1個を有し、かつ官能基としてヒドロキシル基を有する単量体を必須成分とし、必要に応じて用いられる共重合可能な単量体とを、従来公知の方法、例えば塊状重合法や溶液重合法などで重合させることにより、製造することができる。
【0021】
上記の1分子中にエチレン性不飽和基1個を有し、かつ官能基としてヒドロキシル基を有する単量体の例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、6−ヒドロキシへキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、5,6−ジヒドロキシへキシルメタクリレートなどがあげられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】
また、上記の共重合可能な単量体の例としては、アクリル系単量体、エチレン性単量体等があげられる。上記アクリル系単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、n−へキシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレート、シンナミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、へキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ニトロ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、2−フエノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラピラニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等があげられる。
【0023】
また、上記エチレン性単量体としては、アクリロニトリル、酢酸ビニル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、メチルクロトナート、無水マレイン酸、スチレン、α−メチルスチレンなどのエチレン性単量体等があげられる。
【0024】
なお、上記(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸又はメタクリル酸を意味する。これらの共重合可能な単量体は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】
これらアクリルポリオールは、必要に応じて、後述する、他に用いる高分子ポリオール成分であるポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール等の存在下で重合することもできる。
【0026】
上記アクリルポリオールのガラス転移点(Tg)は0〜100℃が好ましく、30〜80℃がより好ましい。また、水酸基価は10〜100mgKOH/gが好ましく、30〜70mgKOH/gがより好ましい。Tgや水酸基価が上記範囲を逸脱するものでは、所望の性能を有するアクリル−ウレタン共重合組成物が得られず、本発明の目的が達せられない。
【0027】
さらに、上記アクリルポリオールの分子量は、得られるアクリル−ウレタン共重合組成物の性能の面から、重量平均分子量で、1000〜100000がこのましく、5000〜50000がより好ましく、8000〜30000が特に好ましい。
【0028】
上記ダイマージオールとは、不飽和化合物を二量化したものであって、2つの水酸基を有する化合物であり、例えば、植物油由来の炭素数18の不飽和脂肪酸が二量化された炭素数36の2塩基性カルボン酸であるダイマー酸を水素還元して得られる炭素数36のジオールなどが好ましくあげられる。
【0029】
上記(b)成分である高分子ポリオールとして、上記アクリルポリオールを5〜60重量%及びダイマージオールを1〜40重量%の割合で含有するものが用いられる。上記アクリルポリオールの含有量が5重量%未満ではアクリル樹脂成分による有利な性質の発現が不十分であるし、60重量%を超えるとウレタン樹脂成分による弾性等の有利な性質の発現が不十分となる。アクリル樹脂とウレタン樹脂の有利な性質をそれぞれ併せもつバランスなどを考慮すると、このアクリルポリオールの好ましい含有量は7〜50重量%の範囲であり、特に10〜30重量%の範囲が好適である。また、ダイマージオールの含有量が1重量%未満では、低極性プラスチック素材への密着性の発現が不十分であるし、40重量%を超えるとウレタン樹脂による弾性や耐摩耗性等の有利な性質の発現が不十分となる。アクリル樹脂とウレタン樹脂の有利な性質を維持しつつ、ダイマージオールによる密着性を十分に発現させるバランスなどを考慮すると、このダイマージオールの含有量は2〜30重量%が好ましく、5〜20重量%がより好ましい。
【0030】
この(b)成分の高分子ポリオールには、上記のアクリルポリオール及びダイマージオール以外に、所望により他の高分子ポリオールを含有させることができる。その含有量は94〜10重量%が好ましく、91〜20重量%がより好ましく、85〜30重量%がさらに好ましい。
【0031】
この他の高分子ポリオールとしては、例えば、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール及びポリエーテル系ポリオールを好ましくあげることができる。
【0032】
上記ポリエステル系ポリオールとしては、例えば、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンブチレンアジペート、ポリへキサメチレンアジペート、ポリジエチレンアジペート、ポリエチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンイソフタレートアジペート、ポリエチレンサクシネ←ト、ポリプチレンサクシネート、ポリエチレンセバケート、ポリプチレンセバケート、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリ−3−メチル−1,5−ペンチレンアジペート、1,6−へキサンジオールとダイマー酸の重縮合物などがあげられる。
【0033】
また、ポリカーボネート系ポリオールとしては、例えばポリヘキサメチレンカーボネートジオールなどをあげることができる。さらに、ポリエーテル系ポリオールとして、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの単独重合体、ブロック共重合体、及びランダム共重合体などがあげられる。また、エーテル系とエステル系を組み合わせたエーテル・エステル系ポリオールを用いることも可能である。これらの他の高分子ポリオールは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0034】
上記(d)成分の分子中にアニオン性親水基と少くとも2個の活性水素を有する化合物は、特に制限はないが、得られる(B)成分のアクリル−ウレタン樹脂の性能の面から、アニオン性親水基としてカルボキシル基を有するものが好ましい。この例としては、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2一ジメチロールブタン酸などをあげることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0035】
上記(d)成分由来のカルボキシル基の(B)成分のアクリル−ウレタン樹脂中における含有量は、アクリル−ウレタン樹脂の重量に対して、0.3〜2.5重量%が好ましく、0.5〜1.5重量%がより好ましい。この含有量が0.3重量%未満では乳化が困難あるいは乳化安定性が不十分となりやすく、2.5重量%を超えると樹脂の耐水性が低下し、好ましくない。
【0036】
上記(B)成分である水性アクリル−ウレタン樹脂は、下記の方法で製造される。
【0037】
上記(a)成分、(b)成分、(d)成分を用い、まず末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを調製する。このウレタンプレポリマーの調製は、例えば、従来公知のワンショット法(1段式)又は多段式のイソシアネート重付加反応法によって、反応温度40〜150℃程度の条件下で行うことができる。この際、必要に応じ、ジブチル錫ジラウレート、スタナスオクトエート、ジブチル錫−2−エチルへキソエート、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリンなどの反応触媒を1種又は2種以上添加してもよい。また、反応段階若しくは反応終了後、イソシアネート基と反応しない有機溶剤を添加してもよく、この有機溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどを用いることができる。
【0038】
上記プレポリマーの製造において、必要に応じて、(f)成分である鎖伸長剤を用いることができる。この鎖伸長剤としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の低分子量多価アルコール、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の低分子量ポリアミン等があげられる。これらの鎖伸長剤は単独でもよく、2種以上を組み合わせても良い。
【0039】
また、必要に応じて、上記プレポリマー調製前後のいずれでもかまわないが、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア等を加えて、得られるプレポリマーのイソシアネート基末端を中和してもよい。
【0040】
次に、得られたプレポリマーの中和物を、(e)成分である水溶性ポリアミン又はヒドラジン誘導体等を用いて水中で鎖伸長させる。この際、上記プレポリマーを必要に応じて中和した後、水中に乳化分散させ、上記(e)成分で高分子量化する。
【0041】
上記(e)成分である水溶性ポリアミン又はヒドラジン誘導体としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノシクロへキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヒドラジン等が用いられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。溶剤を用いてプレポリマー反応を行った場合には、例えば鎖伸長反応を終えてから減圧蒸留などの方法で除去するのが望ましい。
【0042】
なお、この鎖伸長反応において、適当な界面活性剤、例えば高級脂肪酸、樹脂酸、酸性脂肪アルコール、硫酸エステル、高級アルキルスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、スルホン化ひまし油、スルホコハク酸エステルなどに代表されるアニオン系界面活性剤あるいは、エチレンオキシドと長鎖脂肪アルコールまたはフェノール類との公知の反応生成物に代表されるノニオン系界面活性剤などを併用して乳化性を保持してもよい。
【0043】
このようにして得られた水性アクリル−ウレタン樹脂は、それ自体耐久性、耐候(光)性、耐水性などに優れた樹脂物性を有するが、水系オキサゾリン系架橋剤、水系(ポリ)カルボジイミド系架橋剤、水系エポキシ樹脂系架橋剤、などカルボキシル基と反応性のある架橋剤を併用することで、さらに優れた耐水性を付与することも可能である。得られた水性アクリル−ウレタン共重合組成物は、本発明の水性エマルジョン系組成物の被着物に対する密着性、特に難接着性のポリプロピレンやポリエステルなどのプラスチックフィルムに対しても優れた密着性を与えるとともに、乾爆後の塗膜に良好な可撓性、耐摩耗性、耐洗たく性、光沢性などを付与するため、この組成物は、これらの性質が要求される各種用途、特に接着剤あるいは塗料、印刷インキなどの各種コーティング剤として好適である。このような効果を発揮するのは、アクリル樹脂がウレタン樹脂中に組み込まれた完全均一な共重合体であるためと推測される。
【0044】
上記(C)成分である有機多価ヒドラジド化合物は、上記(A)成分の架橋剤として作用する。このとき、水が多量に存在する環境下では、水及び、上記(D)成分であるケトン系溶剤が硬化遅延剤となり、(C)成分のヒドラジド基と(A)成分の反応が抑制される。
【0045】
したがって、この発明にかかる水性エマルジョン系樹脂組成物は(C)成分を含むが、水及び(D)成分も多量に含むので、硬化反応が抑制され、安定な組成物として存在する。このため、この水性エマルジョン系樹脂組成物を用いた印刷インクは、粘度が安定し、貯蔵安定性に優れる。また、インク塗膜形成直後では、水は揮散するものの、(D)成分が一時的に残存するので、再溶解性に優れる。そして、所定時間が経過して、(D)成分が揮散すると、上記硬化反応が進行し、インク塗膜が硬化され、耐水性及び耐溶剤性が向上していく。
【0046】
上記(C)成分である有機多価ヒドラジド化合物としては、分子中に複数のヒドラジド基を有するヒドラジド誘導体があげられる。具体例としては、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等のジカルボン酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン等があげられる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのうちで、アジピン酸ジヒドラジド及び1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントインが水への溶解性が良好である点から好ましく、さらに、アジピン酸ジヒドラジドがより好ましい。
【0047】
上記(D)成分であるケトン系溶剤としては、水への溶解性が大きいものがよく、具体的には、水に対して50%以上の溶解性を有するものが好ましく、水に対して任意の割合で混合可能なものがより好ましい。さらに、水より高沸点、すなわち、沸点が100℃以上のものがよく、110〜200℃の沸点を有するものが好ましい。水への溶解性が大きい溶剤は、水相中に多く存在でき、上記(C)成分と共存することができる。これにより、水性インキとしたときに、水性インキの粘度安定性を向上し、かつ水より高沸点のため、水が揮散した後のインキ塗膜中に一次的に残存し、硬化を遅延させるので、インキ塗膜の再溶解性の低下を少なくすることができる。
【0048】
上記(D)成分の例としては、ジアセトンアルコール(沸点:164℃、水と任意の割合で混合)、アセトニルアセトン(沸点:188℃、水と任意の割合で混合)、アセトンアルコール(沸点:145℃、水に可溶)、アセトエチルアルコール(沸点:109〜110℃/30mmHg、水に可溶)等があげられる。これらのうち、ジアセトンアルコールが印刷インキ等の溶剤として工業的に使用されており、また、硬化後のインキ塗膜の耐水性が良好である点で好ましい。
【0049】
上記(A)成分100重量部に対する、上記(B)成分の配合量は、10〜50重量部がよく、20〜30重量部が好ましい。10重量部より少ないと、フィルムへの密着性及び塗膜の耐ブロッキング性が悪化する。また、50重量部より多いと、塗膜再溶解性が低下する。
【0050】
上記(C)成分の配合割合は、上記(A)成分のカルボニル基1当量あたり、上記(C)成分のヒドラジド基0.2〜2当量がよく、0.5〜1当量が好ましい。0.2当量より少ないと、架橋効果が得られず、充分な接着性及び耐水性が得られない。また、2当量より多くしても、密着性、耐水性が向上せず、却って低下する場合がある。
【0051】
上記(D)成分の配合割合は、上記(C)成分のヒドラジド基1当量に対して上記(D)成分のカルボニル基が0.5〜2当量がよく、1〜1.5当量が好ましい。0.5当量より少ないと、硬化抑制効果が十分に得られず、2当量より多いと、密着性,耐水性等のインキ物性が低下する場合がある。
【0052】
この発明にかかる水性エマルジョン系樹脂組成物は、上記の(A)成分〜(D)成分、乳化剤等を所定の割合で配合するすることにより製造される。
【0053】
この発明にかかる水性エマルジョン系樹脂組成物は水性インキ用バインダーとして使用することができる。すなわち、この水性エマルジョン系樹脂組成物に顔料等の着色剤、必要に応じてワックス、消泡剤、可塑剤、成膜助剤等が添加することにより、水性インキ組成物を構成することができる。
【0054】
【実施例】
この水性エマルジョン系樹脂組成物にかかる発明について、実施例を用いてより詳細に説明する。
【0055】
(実施例1)
[アクリル系樹脂の合成]
(合成例1)
攪拌機、還流冷却機および原料投入口を備えた1L容のフラスコ内にイオン交換水300g、界面活性剤(エレミノールES−70、三洋化成工業製、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート系アニオン性界面活性剤)3.75gを仕込み、その内温を77℃に保ちながら重合開始剤過硫酸アンモニウムの20%水溶液13.5gを添加した後、スチレン94.5g、n−ブチルアクリレート157.5g、ヒドロキシエチルアクリレート15g、ジアセトンアクリルアミド15g、アクリル酸18gおよびn−オクチルメルカプタン4.5gのモノマー組成に前記界面活性剤(エレミノールES−70)11.25gおよびイオン交換水135gを配合し作製した予備乳化物を3時間かけて滴下した。滴下終了後、過硫酸アンモニウムの20%水溶液6gを添加し、内温80℃で2時間熟成した。得られた乳化物を25℃に冷却し、攪拌を続けながら中和剤として25%アンモニア水を12.6g添加して固形分39.8%、PH8.2の水分散性樹脂乳化物であるアクリル系樹脂を得た。
【0056】
(合成例2)
合成例1の予備乳化物のモノマー組成をスチレン64.5g、n−ブチルアクリレート187.5gに変更した以外は同様にして固形分40.8%、pH 7.8の水分散性樹脂乳化物であるアクリル系樹脂を得た。
【0057】
(合成例3)
合成例1の予備乳化物のモノマー組成をスチレン49.5g、ジアセトンアクリルアミド30gに変更した以外は同様にして、固形分40.3%、pH 7.7の水分散性樹脂乳化物であるアクリル系樹脂を得た。
【0058】
[水性アクリル−ウレタン樹脂の合成]
(合成例4)
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹込み管を備えた4ツ口フラスコに、アクリルポリオールとして、アクリディックA−809(不揮発分約50重量%、OHV=約20mgKOH/g、Tg=61℃)112重量部、ポリブチレンアジペートジオール(重量平均分子量1700)68重量部、ポリエチレングリコール(重量平均分子量1000)10重量部、ダイマージオール(東亜合成(株)製ベスポールHP−1000、重量平均分子量538)16重量部、2,2−ジメチロールブタン酸7.4重量部、ジブチル錫ジラウレート0.001重量部及びメチルエチルケトン60重量部を加え、均一混合後、イソホロンジイソシアネート44.6重量部を加え、80℃、2時間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量1.9重量%のウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。
【0059】
この溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン5重量部を加えて中和後、水350重量部を徐々に加えて乳化分散させ、これにエチレンジアミンの20重量%水溶液15重量部を添加後2時間撹拌し、鎖伸長を行った。減圧下約2時間かけて60℃まで昇温しながら脱溶剤を行い、固形分約35重量%の水性アクリル−ウレタン樹脂を得た。
【0060】
[水性ウレタン樹脂の合成](比較例に使用)
(合成例5)
合成例4で用いたものと同様の反応装置に、ポリ−ε−カプロラクトンジオール(重量平均分子量2000)100重量部、1,6−ヘキサンジオール2.4重量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸6.7重量部、トリメチロールプロパン2.7重量部、ジブチル錫ジラウレート0.001重量部、及びメチルエチルケトン60重量部を加え、均一混合後、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート52.4重量部を加え、80℃で2時間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量1.9重量%のウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。
【0061】
この溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン5重量部を加え中和後、水350重量部を徐々に加えて乳化分散させ、これを水加ヒドラジン60重量%水溶液4重量部を添加後、2時間撹拌した。減圧下、約2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約35重量%の水性ウレタン樹脂を得た。
【0062】
(実施例1)
合成例1で得られた(A)成分(アクリル系樹脂)100重量部(固形分換算)に、(C)成分としてアジピン酸ジヒドラジド2.5重量部(水分散性樹脂中のカルボニル基に対して当量のヒドラジド)、及び(D)成分としてジアセトンアルコール5重量部(アジピン酸ジヒドラジドのヒドラジド基1当量に対して1.5当量のカルボニル基)を加え、更に合成例4で得られた(B)成分(水性アクリル−ウレタン樹脂)を20部配合して水性エマルジョン系樹脂組成物を得た。
【0063】
この水性エマルジョン系樹脂組成物を用いて下記の組成の混合物を調整した後、振動式分散機(レッドデビル社製、5400)を用い、30分分散させて白色の水性インキを製造した。得られた水性インキの物性を下記の評価方法に従って評価した。結果を表1に示す。
【0064】
(インキ組成)
・水性エマルジョン樹脂組成物 75部
・白顔料(帝国化学産業製、酸化チタンJR−600E)60部
・イソプロピルアルコール 15部
・水 30部
合計 180部。
【0065】
(インキの貯蔵安定性)
得られた上記水性インキを50℃の恒温器に7日間放置した後室温(25℃)に戻してインキの増粘、顔料の凝集および沈降の有無を下記の基準で確認した。
◎:増粘あるいは顔料の凝集および沈降が全く見られない
○:顔料の凝集および沈降はないが2倍程度増粘がみられる
△:増粘が3倍以上あり顔料の凝集がみられる
×:ゲル化あるいは顔料の凝集や沈降がみられる。
【0066】
(光沢性)
得られた水性インキをバーコーター#4でPETフィルム面上に展色しハンドドライヤーで数秒間乾燥させた塗膜の光沢を光沢計(スガ試験機(株)製;デジタル変角光沢計、60度角)で測定した。
【0067】
(再溶解性)
得られた水性インキをバーコーター#4でスリガラス板上に展色し、ハンドドライヤーで数秒間乾燥させた後イソプロピルアルコール/水(7/3)に数秒間浸漬し、持ち上げて塗膜の溶け出し程度を下記の基準で判定した。
◎:1回の浸漬で塗膜が完全に溶解する
○:2回の浸漬で塗膜が完全に溶解する
△:2回の浸漬で半分以上塗膜が溶解する
×:2回以上の浸漬でも塗膜が溶解しない。
【0068】
(ブロッキング性)
得られた水性インキをバーコーター#5でPETフィルム面上に展色しハンドドライヤーで数秒間乾燥させた塗膜のブロッキング性を下記の条件下で測定し、その結果を下記の基準で判定した。
測定条件:塗布面/塗布面 40℃、80%、0.5Kg/cm2 、16時間
◎:剥離が容易で塗膜面の剥がれ等が全く無い
○:剥離は容易であるが塗膜面の剥がれが若干見られる
△:剥離時に抵抗があり塗膜面の剥がれが見られる
×:剥離が困難であり塗膜面の全面に剥がれが見られる。
【0069】
(ラミネート強度)
上記水性インキをイソプロピルアルコール(IPA)/水=1/1にて25%に希釈してOPP(30μ)、PET(12μ)コロナ処理面にバーコーター#7にて塗布、乾燥(80℃、20秒)養生1日(20℃)後水性ドライラミネート接着剤(中央理化工業(株)製リカボンドAP−368A/AP−316B2液タイプ)にてCPP(40μ)フィルムを貼り合わせ、養生後、(株)安田精機製作所製、オートストレインを用いて接着力を測定した。
【0070】
ラミネート条件は、下記の通りである。
・接着剤:AP−368A/AP−316B/水=10/1/7.5(固形分約30%)
・塗布:バーコーター#7にてインキ面に塗布、塗布量 約3g/m2 (ドライ)
・乾燥:80℃、20秒
・ニップロール:70℃、2kg/cm
・養生:40℃、1日
接着力測定条件は下記のとおりである。
・試料:15mm巾
・剥離速度:300mm/分
・温度:20℃
・湿度:60%
【0071】
(実施例2〜8、比較例1〜4)
表1又は表2に記載の配合条件にしたがって、水性エマルジョン系樹脂組成物を製造した。得られた水性エマルジョン系樹脂組成物を用いて、上記の方法にしたがって白色の水性インキを製造した。得られた水性インキの物性を上記の評価方法に従って評価した。結果を表1及び表2に示す。
【0072】
【表1】
Figure 0004469479
【0073】
【表2】
Figure 0004469479
【0074】
【発明の効果】
この発明によれば、アクリル系樹脂に加えて、水性アクリル−ウレタン樹脂を使用したので、コロナ処理を施したOPP、PETフィルムへの接着性、インキ塗膜の耐ブロッキング性やインキの貯蔵安定性、顔料分散性に優れ、さらに印刷時のインキの再溶解性が良好となる。
【0075】
この水性エマルジョン系樹脂組成物は、スナック菓子等の食品包材用の各種プラスチックフィルムへのグラビア印刷用等の、印刷用水性インキに使用することができる。

Claims (8)

  1. (A)ケト基又はアルド基に基づくカルボニル基を少なくとも1個含有するアクリル系樹脂、(B)水性アクリル−ウレタン樹脂、(C)有機多価ヒドラジド化合物、及び(D)沸点100℃以上のケトン系溶剤を水性媒体中に含有させてなり、
    上記(A)成分100重量部に対し、上記(B)成分を10〜50重量部、上記(C)成分を上記(A)成分のカルボニル基1当量あたり、ヒドラジド基0.2〜2当量、及び上記(D)成分を上記(C)成分のヒドラジド基1当量に対してカルボニル基が0.5〜2当量となるように配合し
    上記(B)水性アクリル−ウレタン樹脂は、(a)有機ポリイソシアネート化合物、(b)ガラス転移点0〜100℃、及び水酸基価10〜100mgKOH/gのアクリルポリオール5〜60重量%、並びにダイマージオール1〜40重量%を含有する高分子ポリオール、及び(d)分子中にアニオン性親水基と少なくとも2個の活性水素を含有する化合物を配合してプレポリマーを合成し、次いで、(e)水溶性ポリアミン又はヒドラジン誘導体を用いて、水中で鎖伸長反応させた樹脂である水性エマルジョン系樹脂組成物。
  2. 上記(a)(b)(d)のプレポリマー合成反応において、(f)鎖伸長剤を添加してプレポリマーを製造し、このプレポリマーのイソシアネート基末端を中和したものを上記鎖伸長反応に供与した請求項に記載の水性エマルジョン系樹脂組成物。
  3. 上記(B)水性アクリル−ウレタン樹脂の(b)高分子ポリオールとして、上記アクリルポリオール及びダイマージオールに加えて、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール及びポリエーテル系ポリオールの中から選ばれた少なくとも1種を94〜10重量%の割合で含有するものである請求項又はに記載の水性エマルジョン系樹脂組成物。
  4. 上記(B)水性アクリル−ウレタン樹脂の(a)有機ポリイソシアネート化合物が、脂肪族ジイソシアネート化合物及び脂環式ジイソシアネート化合物の中から選ばれた少なくとも1種である請求項乃至のいずれかに記載の水性エマルジョン系樹脂組成物。
  5. 上記(B)水性アクリル−ウレタン樹脂の(d)分子中にアニオン性親水基と少なくとも2個の活性水素を含有する化合物が、分子中にカルボキシル基と少なくとも2個の活性水素を有する化合物であり、このカルボキシル基の上記(B)水性アクリル−ウレタン樹脂中の含有量が、(B)水性アクリル−ウレタン樹脂の重量に対して0.3%〜2.5重量%である請求項乃至のいずれかに記載の水性エマルジョン系樹脂組成物。
  6. 上記(A)アクリル系樹脂を構成する重合性二重結合含有単量体は、カルボニル基を分子中少なくとも1個含有する重合性二重結合含有単量体3〜20重量%、及び、他の重合性二重結合含有単量体80〜97重量%からなる組成を有し、上記の他の重合性二重結合含有単量体は、芳香族基を有する重合性二重結合含有単量体又は炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜97重量%と、カルボキシル基またはヒドロキシル基を有する重合性二重結合含有単量体3〜30重量%の混合物である請求項1乃至のいずれかに記載の水性エマルジョン系樹脂組成物。
  7. 上記(D)ケトン系溶剤がジアセトンアルコールである請求項1乃至のいずれかに記載の水性エマルジョン系樹脂組成物。
  8. 請求項1乃至のいずれかに記載の水性エマルジョン系樹脂組成物を水性インキ用バインダーとして使用してなる水性インキ組成物。
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