JP4465159B2 - マンモグラフィ検査のためのレントゲン診断装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マンモグラフィ検査のためのレントゲン診断装置であって、Ｘ線管のためのアームと、対象物台と、Ｘ線管と対象物台との間に配置された圧縮プレートとを有しており、圧縮プレートはアームに結合されていて、アームに沿って摺動可能であって、この場合、アームは水平方向の軸を中心として回転可能であって、スタンドの仮想長手方向軸線に沿って高さ方向で摺動可能である形式のものに関する。
【０００２】
【従来の技術】
このような形式のレントゲン診断装置は、欧州特許公開第０３７００８９号明細書により公知である。このような形式の装置では、アームの回転軸が、アームの重心点の外側に位置している。Ｘ線管、圧縮プレート、対象物台を有したアームを、上記回転軸を中心として回転させることができるように、回転軸の自由端部には、この端部に堅固に結合された歯車が設けられている。この歯車は、比較的強力で、ひいては比較的大きく、高価なモータによって駆動される。ガスばね装置が、アームの付加的な重量補償部材として働く。アームの鉛直方向の摺動は、モータと、アームの回転装置とは別個に配置されている歯付きロッドとによって行われる。
【０００３】
患者の***の定期検診の際には、第１の鉛直方向の撮影と、その後、アームが４５°〜６０°回転させられている第２の撮影とが行われる。さらなる検診に関連して、アームが約９０°回転させられている場合に、撮影を行う場合もある。第１の撮影位置から第２の撮影位置へのアームの回転の際に患者が側方に一歩動かねばならないことを回避するために、回転軸の仮想中心軸線の延長線が上記欧州特許の対象物では、対象物台のすぐ上に位置するように配置されている。対象物台と上記中心軸線との間の間隔は不動であり、このことは、多くの患者が、第１の鉛直の撮影位置から、横方向の撮影位置へと交換される際に、所定の横方向の位置修正を行わなければならないことを意味している。ごく僅かな患者しかこのような装置のために理想的な***厚を有していないので、上記仮想中心軸線は、圧縮された***の仮想中心軸線と軸整合するように位置している。
【０００４】
【特許文献１】
欧州特許公開第０３７００８９号明細書（ＥＰ０３７００８９Ｂ１）
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、冒頭で述べた形式のマンモグラフィ検査のためのレントゲン診断装置を改良して、簡単な手段によりアームの回転運動を行うことができ、これによりアームが一方の撮影位置から他方の撮影位置へと、所望の回転角度で、患者に適したアイソセンタ（Isozentrum）を中心として回転することができ、患者が***のサイズに関係なくその位置を維持できるようにすることである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明の構成では、アームが、第１の手段によって水平軸を中心として回転可能であって、該軸が第２の手段によって横方向で摺動可能な装置に固定されていて、これによりアームが横方向に摺動可能であって、アームを横方向に摺動させるための装置が、スタンドに結合された昇降装置に摺動可能に取り付けられていて、該昇降装置は第３の手段によって高さ方向で摺動可能であって、制御装置が設けられており、該制御装置は、アームの高さ位置及び横方向位置を検知する位置センサと、アームの回転角度を検知する回転検出装置とからの出力信号を受け取る制御プログラムによって、アームの横方向および高さ方向への摺動のための前記第２の手段と前記第３の手段ならびにアームの回転のための前記第１の手段を、アームの回転が、スタンドの仮想長手方向軸線に沿って任意に選択可能な仮想軸線を中心として行うことができるように制御するようにした。特にここで述べた第１の手段および第２の手段は、有利には出力の弱い小さな安価なモータであってよく、これらのモータは、制御装置によって、上記の選択可能な仮想軸線を中心として回転することができる。
【０００７】
【発明の効果】
上記アーム装置のコンパクトな構成により、アームの回転運動のための重力補償装置も不要である。何故ならば、このような回転運動は常に、アームの重心点の近傍で行われるからである。
【０００８】
本発明のレントゲン装置の有利な別の構成では、圧縮プレートが圧縮位置にある場合に、仮想軸線を対象物台から、対象物台と圧縮プレートとの間の距離の半分に相当する距離をおいて配置することが提案される。アームを上記仮想軸線を中心として回転するように選択することにより、患者が、***厚に関係なく、撮影角度を変更する際に配置換えする必要はない。
【０００９】
【発明の実施の形態】
次に図面につき本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【００１０】
図１にはマンモグラフィ検査のためのレントゲン診断装置、即ちマンモグラフィ装置が概略的にスタンド１とともに示されている。このスタンド１は、後で詳しく説明するアーム装置２を支持している。このアーム装置２は、モータ３とスクリュ４とによって高さ方向で摺動可能である。スクリュ４の一方の端部は、アーム装置に堅固に配置された部分５に結合されている。
【００１１】
図２には、アーム６と、アーム６に配置されたＸ線管７と対象物台８と、Ｘ線管７と対象物台８との間に配置された圧縮プレート９とから成っているアーム装置２が示されている。圧縮プレート９はアーム６に結合されていて、アーム６に沿って摺動可能である。図２には、アーム装置２のアーム６がモータ１１によって、水平軸１０を中心として回転可能であることが示されている。この場合、軸１０は、横方向キャリッジ１２に、即ちモータ１３によって横方向で摺動可能なキャリッジに固定されている。これによりアーム６も横方向で摺動可能である。キャリッジ１２は、昇降キャリッジ１４に摺動可能に配置されていて、昇降キャリッジ１４は、上述した部分５を介して、高さ方向で昇降キャリッジ１４を摺動させるためのスクリュ４，ひいては、高さ方向でアーム装置２を摺動させるためのスクリュ５に結合されている。この図面には、マンモグラフィ装置の端面１５も示されている。この端面１５にはスリット１６が設けられていて、このスリット１６内に部分５が延びており、従ってこのスリットに沿ってアーム装置２が高さ方向で摺動可能である。
【００１２】
患者（図示せず）の***を検査する前に、アーム装置２は、スタンド１の仮想長手方向軸線２４に沿って、対象物台８が患者に適した位置をとる位置にまで摺動される。仮想長手方向軸線２４は有利にはスリット１６と平行に延びている。圧縮プレート９によって***は、撮影のために良好な***の圧縮が得られるまで対象物台８に向かって押される。この場合、***の鉛直方向の撮影が行われる。圧縮プレート９には、このような位置において対象物台８に対する距離を測定する距離計１７が設けられている。有利には、アーム６に向いている、圧縮プレート９の端部に取り付けられた距離計１７については後で説明する。***の第１の鉛直方向の撮影後に、患者は圧縮位置から解放される。この場合、アーム６は、上記の鉛直方向の撮影位置から、第２の撮影位置へと、第１の撮影位置に対して４５°〜６０°の角度分だけ回転される。このような第２の撮影位置は図３に示されている。アーム６は、理想的な仮想軸線１８を中心として回転される。この仮想軸線１８は、対象物台８に対して所定の間隔を置いて位置している。この所定の間隔とは、圧縮プレート９が上記圧縮位置に位置する場合の、対象物台８と圧縮プレート９との間の間隔の半分に相当するものである。
【００１３】
仮想軸線１８の位置は、距離計１７と、後述する制御装置とによって算出される。
【００１４】
仮想軸線１８を中心としたアーム６の回転は、アーム装置２の全運動可能性を同時に組み合わせて行われる。即ち、一部は、軸１０を中心としたアーム６の回転により、一部は、アーム６の高さ方向の摺動により、一部は、アーム６の横方向摺動により行われる。
【００１５】
図４には、アーム装置２のための制御装置１９が、概略的なブロック図で示されている。制御装置１９は、アーム６の高さ位置を示す位置センサ２０と、アーム６の横方向位置を示す位置センサ２１と、アーム６の回転角度を示す回転検出装置２２とから成っている。ここで挙げたセンサ２０，２１もしくは回転検出装置２２は図面には示されていない。しかしながら、これらはマンモグラフィ装置の戦略的な位置に配置することができる。制御装置１９は、図２に関して説明した距離計１７も有している。制御装置１９は、さらに１つの制御プログラム２３を有している。この制御プログラム２３には、アーム６の回転時に継続的に、アーム６の目下の高さ位置、横方向位置、回転位置に相当する信号をセンサ２０，２１もしくは回転検出装置２２から供給される。制御プログラム２３は、対象物台８と圧縮プレート９との間の間隔に相当する、距離計１７からの入力信号もメモリしている。制御プログラム２３は、この入力信号の値を２で割って、これにより仮想水平軸線１８の位置を算出する。この仮想水平軸線１８を中心としてアーム６は回転されるべきである。仮想水平軸線は、***が圧縮位置にある場合、常に***の仮想中心軸線と軸整合するように位置している。制御プログラム２３は、供給された情報を処理する。処理された情報の結果は、アーム６の回転のためのモータ１１と、キャリッジ１２の横方向の摺動のためのモータ１３と、アーム６の鉛直方向摺動のためのモータ３とに供給される。上記の形式の制御装置１９は、米国特許第４０１９０５９号明細書により公知であるので、詳しく記載する必要はない。ここで記載した距離計１７だけは、前記米国特許の制御装置との関連では欠如している。
【００１６】
制御装置１９が記載したように、患者のために個々に、アーム６の旋回の中心となる最良の仮想軸線を算出することができることにより、***の大きさとは無関係に、鉛直方向の撮影位置から所望の横方向の撮影位置へと患者を配置換えする必要はない。仮想軸線１８は常に、スリット１６に対して平行に延びる、スタンド１の仮想長手方向軸線２４に沿って設けられている。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるアーム装置を備えたレントゲン診断装置の側方図である。
【図２】図１のアーム装置の斜視図である。
【図３】図１及び図２のアーム装置を、アームが、図２に示した撮影位置とは異なる撮影位置にある場合に示した斜視図である。
【図４】アーム装置の制御装置を概略的に示したブロック図である。
【符号の説明】
１ スタンド、 ２ アーム装置、 ３ モータ、 ４ スクリュ、 ５ 部分、 ６ アーム、 ７ Ｘ線管、 ８ 対象物台、 ９ 圧縮プレート、 １０ 水平軸、 １１ モータ、 １２ 横方向キャリッジ、 １３ モータ、 １４ 昇降キャリッジ、 １５ 端面、 １６ スリット、 １７ 距離計、 １８ 仮想軸線、 １９ 制御装置、 ２０，２１ 位置センサ、 ２２ 回転検出装置、 ２３ 制御プログラム、 ２４ 仮想長手方向軸線

Claims (3)

1. マンモグラフィ検査のためのレントゲン診断装置であって、Ｘ線管（７）のためのアーム（６）と、対象物台（８）と、Ｘ線管（７）と対象物台（８）との間に配置された圧縮プレート（９）とを有しており、圧縮プレート（９）はアーム（６）に結合されていて、アーム（６）に沿って摺動可能であって、この場合、アーム（６）は水平方向の軸（１０）を中心として回転可能であって、スタンド（１）の仮想長手方向軸線（２４）に沿って高さ方向で摺動可能であり、アーム（６）が、第１の手段（１１）によって水平軸（１０）を中心として回転可能であって、該軸（１０）が第２の手段（１３）によって横方向で摺動可能な装置（１２）に固定されていて、これによりアーム（６）が横方向に摺動可能であって、アーム（６）を横方向に摺動させるための装置（１２）が、スタンド（１）に結合された昇降装置（１４）に摺動可能に取り付けられていて、該昇降装置（１４）は第３の手段（３）によって高さ方向で摺動可能であって、制御装置（１９）が設けられており、該制御装置（１９）は、アーム（６）の高さ位置及び横方向位置を検知する位置センサ（２０，２１）と、アーム（６）の回転角度を検知する回転検出装置（２２）とからの出力信号を受け取る制御プログラムによって、アーム（６）の横方向および高さ方向への摺動のための前記第２の手段（１３）と前記第３の手段（３）ならびにアーム（６）の回転のための前記第１の手段（１１）を、アーム（６）の回転が、スタンド（１）の仮想長手方向軸線（２４）に沿って任意に選択可能な仮想軸線（１８）を中心として行うことができるように制御する形式のものにおいて、
   制御装置（１９）は、圧縮プレート（９）に配置されている距離計（１７）を有しており、該距離計（１７）によって、対象物台（８）に対する圧縮プレート（９）の距離が測定可能であって、これにより仮想水平軸線（１８）は、検査すべき***が圧縮位置にある場合、この***の仮想中心軸線と整合するように位置していることを特徴とする、マンモグラフィ検査のためのレントゲン診断装置。
2. 仮想軸線（１８）が、圧縮プレート（９）が圧縮位置に位置している場合に、対象物台（８）と圧縮プレート（９）との間の間隔の半分に相当する距離を対象物台（８）からおいて位置している、請求項１記載のレントゲン診断装置。
3. 距離計（１７）が、アーム（６）に向いている、圧縮プレート（９）の端部に取り付けられている、請求項１記載のレントゲン診断装置。

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