JP4462493B2 - 導電性ペースト - Google Patents

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Description

本発明は、積層セラミックコンデンサー、多層セラミック基板などの多層セラミック電子部品を製造する際に使用される導電性ペーストに関するものである。
多層セラミック電子部品に使用されるセラミック積層体は、通常、誘電層となるセラミックグリーンシートの上に導電性ペーストをスクリーン印刷し、それを交互に数十層積み重ね同時焼成して得られる。多層セラミック電子部品は、このセラミック積層体に外部電極を塗布、焼き付け加工して得られる。
セラミックグリーンシートは、セラミック誘電体粉末にポリビニルブチラール樹脂などの有機バインダーおよびエタノールなどの有機溶剤を加え混合したセラミックスラリーをドクターブレード法によりシート状に成形したものが使用される。また、導電性ペーストは、Ni、Cu、Ag、Pdなどの金属粉末などの導電性材料を、エチルセルロース樹脂などの有機バインダーおよび溶剤に溶解した有機ビヒクルに分散させたものが使用される。
導電性ペーストに使用される溶剤としては、通常、テルピネオール、メチルエチルケトン、ブチルカルビトールアセテート、ケロシンなどの溶剤が使用されてきた(特許文献1)。
また、セラミックグリーンシート上に導電性ペーストを印刷した際、溶剤がセラミックグリーンシート層に含まれる有機バインダーを溶解することにより生じるシートアタック現象を解決する方法として、特許文献2に水素添加テルピネオール、特許文献3にはイソボルニルアセテートおよびノピルアセテート、特許文献4には水素添加テルピネオールアセテートを使用するペースト溶剤が提案されている。
しかしながら、これらの溶剤は、ポリビニルブチラール樹脂に対する溶解性が高く、完全にシートアタック現象を抑制することができていないのが現状である。今後、さらに欠品の削減や多層セラミック電子部品の薄膜化、高密度化に対応するためには、有機ビヒクルのエチルセルロース樹脂に対する溶解性を維持したままで、ポリビニルブチラール樹脂に代表される有機バインダーに対する溶解性をさらに下げる必要がある。
すなわち、これらの溶剤を使用した導電性ペーストでは、シートアタック現象が生じ、積層時にシートアタック現象が発生するとセラミック誘電層に穴や皺などが発生したり、膜厚の変動などにより焼成時に層間剥離現象(デラミネーション)と呼ばれる現象が生じ、積層セラミックコンデンサーの場合は、耐電圧性を低下させたり、静電容量不足が発生するなどの不具合が生じる。
また、このような耐電圧性の低下や静電容量不足は、積層セラミックコンデンサーのヒビやカケ破断の原因にもなっている。
特開平2−5591号公報 特開平7−21833号公報 特開2002−270456号公報 特許第2976268号公報
本発明は、多層セラミック電子部品を製造する際に、シートアタック現象による層間剥離が生じない、電気的特性の劣化の発生しないセラミック積層体を製造するための導電性ペースト用の溶剤を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、次のような導電性ペーストを提案した。
すなわち、本発明は、セラミック誘電体粉末およびポリビニルブチラール樹脂を含むセラミックスラリーを成形してなるセラミックグリーンシート上に印刷される金属電極層となるものであり、セルロース系樹脂あるいはアクリル系樹脂を含む有機バインダーおよび有機溶剤を含有する有機ビヒクル中に金属粉末が分散されてなる、多層セラミック部品を製造する際に用いる導電性ペーストにおいて、当該有機溶剤成分として下記式(I)で示されるボルナン骨格含有カルボン酸付加物を含有することを特徴とした導電性ペーストである。
〔ただし、式(I)において、Rの炭素数は2〜4である。〕
ボルナン骨格含有カルボン酸付加物としては、式(II)、(III)、(IV)のような構造を有するものが、性能的に好ましい。
〔ただし、式(II)において、RはCHまたはHである。〕
〔ただし、式(III)において、RはCHまたはHである。〕
本発明の導電性ペーストによれば、溶剤成分として、式(I)で表されるRの炭素数が2〜4のボルナン骨格含有カルボン酸付加物を含有することにより、シートアタック現象による層間剥離が生じない、電気的特性の劣化の発生しないセラミック積層体を製造することが可能となる。
本発明のボルナン骨格含有カルボン酸付加物について説明する。
本発明の導電性ペーストは、溶剤成分として、式(I)で表されるRの炭素数が2〜4のボルナン骨格含有カルボン酸付加物を含有するものである。上記式(I)のRの炭素数が1のボルナン骨格含有カルボン酸付加物、つまりイソボルニルアセテートではポリビニルブチラール樹脂に対する溶解性が高くシートアタック現象を完全に回避することが難しく、また炭素数が5以上のボルナン骨格含有カルボン酸付加物になるとエチルセルロース樹脂に対する溶解性が低下しペースト溶剤として好ましくない。エチルセルロースを溶解し、ポリビニルブチラール樹脂を溶解しない溶剤について、鋭意検討した結果、ボルナン骨格を含有するエステル化合物で、上記式(I)のRの炭素数が2〜4であることが非常に重要であることが判明した。
製造方法は特定の方法に限定されないが、例えば、本発明のボルナン骨格含有カルボン酸付加物は、カンフェンやトリシクレン、ボルネンにカルボン酸を酸触媒下において付加反応させる、あるいはボルネオールやイソボルネオールとカルボン酸の脱水縮合反応などによって得ることができる。
ここで、カンフェンについて説明する。
カンフェンは、モノテルペン化合物の1つであり、ショウノウの合成工程中に得られるものである。天然には、スギの針葉油やヒノキ科の枝葉油に含まれる精油であり、特有のにおいのある昇華性の油である。カンフェンの構造式を下記式に示す。










本発明に用いられるカルボン酸としては、炭素数が3〜5であれば特に限定はされないが、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、(メタ)アクリル酸などが挙げられ、好ましくは、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸である。
反応方式は特に限定されないが、バッチ反応でも連続反応でも反応できる。
なお、カンフェンとカルボン酸化合物との反応は、カンフェン1モルに対し、通常、カルボン酸化合物が0.2〜3.0モル、好ましくは0.5〜1.5モルである。1.0モル未満ではカンフェンが過剰になり製造コスト的に好ましくなく、一方、1.2モルを超えるとカルボン酸が過剰になり製造コスト的に好ましくない。
反応温度は、通常、−10〜100℃、好ましくは15〜50℃で反応が行なわれる。反応温度が−10℃未満では反応速度が極端に遅く、一方、100℃を超えると、カンフェンの重合・異性化などの副反応が顕著になり好ましくない。
溶媒は使用しなくてもよいが、パラメンタンなどの高沸点の二重結合や官能基を有しない溶媒を使用してもよい。
この付加反応における触媒としては特に限定されないが、好ましくは、通常、硫酸、p−トルエンスルホン酸、BF、B、リン酸、ヘテロポリ酸、イオン交換樹脂などが用いられる。
上記カンフェンの他、トリシクレン、ボルネンにカルボン酸を酸触媒下において付加反応させる時も同様の酸触媒が用いられる。また、ボルネオールやイソボルネオールとカルボン酸を脱水縮合反応させる時は、同様の酸触媒を使用する方法や、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジンといった塩基性触媒を、ジシクロヘキサカルボジイミド等の、理論量の脱水剤存在下で反応させる方法を用いることもできる。
式(II)の化合物は、カンフェンと(メタ)アクリル酸を、触媒として硫酸を使用して、付加反応して得られた化合物である。
式(III)の化合物は、カンフェンとプロピオン酸またはイソ酪酸を、触媒として硫酸を使用して、付加反応して得られた化合物である。
式(IV)の化合物は、カンフェンと酪酸を、触媒として硫酸を使用して、付加反応して得られた化合物である。
なお、本発明の導電性ペーストの溶剤中には、テルペン系反応物などを含有することが可能である。
また、本発明の導電性ペーストの溶剤中には、必要に応じて、各種添加剤、溶剤を含有させてもよい。
本発明の導電性ペーストについて説明する。
本発明の導電性ペーストは、貴金属電極層に相当するもので、有機バインダーとなる樹脂を有機溶剤(炭素数3〜5のカルボン酸化合物から得られるボルナン骨格含有カルボン酸付加物)に溶解して得られる有機ビヒクル中に、Pdなどの金属粉末を分散させたものである。
有機ビヒクル中のボルナン骨格含有カルボン酸付加物は、60〜95重量%であることが好ましい。より好ましくは、65〜85重量%である。
60重量%未満では、エチルセルロースなどの溶解性が悪くなり、95重量%を超えると、有機ビヒクルの粘度が低くなり過ぎて好ましくない。
有機バインダーとしては、エチルセルロース、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂や、ブチルメタクリレート、メチルメタクリレートなどを重合して得られるアクリル系樹脂が使用される。
導電体ペースト中には、粘度調整用の希釈溶剤を使用してもよい。
導電体ペースト中における、該有機ビヒクルは、5〜40重量%であることが好ましい。より好ましくは、10〜30重量%である。
有機ビヒクルは、5重量%未満であると、乾燥膜の強度が弱くなり、40重量%を超えると、焼成後の電極厚さが薄くなりすぎて好ましくない。
具体的には、塗布膜厚などの粘度調製として、一般に回転粘度計において100回転での粘度が40,000cps以下になるようにエチルアルコール、トルエン、トリメチルベンゼンなどに希釈溶剤を加えていることが多い。
本発明の溶剤成分について説明する。
本発明の溶剤成分は、上記にも記載しているように、有機バインダーとなる樹脂と混合して、有機ビヒクルを形成するものであり、その成分は炭素数3〜5のカルボン酸化合物から得られるボルナン骨格含有カルボン酸付加物である。
このボルナン骨格含有カルボン酸付加物は、セラミックグリーンシートに使用されるポリビニルブチラールなどの有機バインダー樹脂に対する溶解性が低く、一方、導電性ペーストに使用されるエチルセルロース、ニトロセルロース、ブチルメタクリレート、メチルメタクリレートなどの有機バインダーに対しては良好な溶解性を示すものである。
したがって、セラミック誘電層とPd(パラジウム)などの貴金属電極が交互に、規則性をもって積み重ねた積層体を製造することが可能となり、デラミネーションが生じない、電気的特性の劣化の発生しない、積層セラミックコンデンサーを提供する事を可能にするものである。
以下実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
合成例1
(式(II)で表される化合物の合成)
カンフェン573g(ヤスハラケミカル(株)製YSカンフェン、純度95%、4モル)にアクリル酸300g(4.16モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテル300mgを加え、攪拌しながら反応温度が35℃を超えないように硫酸54gを徐々に滴下し、終了後、35℃で、3時間攪拌した。
反応終了後、理論量の水酸化ナトリウム水溶液で中和し、水洗を行い、フェノチアジン4gを添加し、蒸留によって、式(II)で表される化合物イソボルニルアクリレート(純度97%)622gを得た。
合成例2
(式(II)で表される化合物の合成)
カンフェン573g(ヤスハラケミカル(株)製YSカンフェン、純度95%、4モル)に(メタ)アクリル酸362g(4.2モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテル362mgを加え、攪拌しながら反応温度が35℃を越えないように硫酸60gを徐々に滴下し、終了後、35℃で、3時間攪拌した。
反応終了後、理論量の水酸化ナトリウム水溶液で中和し、水洗を行い、フェノチアジン4gを添加し、蒸留によって、式(II)で表される化合物イソボルニルメタクリレート(純度97%)636gを得た。
合成例3
(式(III)で表される化合物の合成)
カンフェン573g(ヤスハラケミカル(株)製YSカンフェン、純度95%、4モル)にプロピオン酸308g(4.16モル)を加え、攪拌しながら反応温度が50℃を越えないように硫酸54gを徐々に滴下し、終了後、35℃で、3時間攪拌した。
反応終了後、理論量の水酸化ナトリウム水溶液で中和し、水洗を行い、蒸留によって、式(III)で表される化合物イソボルニルプロピオネート(純度97%)633gを得た。
合成例4
(式(III)で表される化合物の合成)
カンフェン573g(ヤスハラケミカル(株)製YSカンフェン、純度95%、4モル)にイソ酪酸365g(4.15モル)を加え、攪拌しながら反応温度が50℃を越えないように硫酸61gを徐々に滴下し、終了後、35℃で、3時間攪拌した。
反応終了後、理論量の水酸化ナトリウム水溶液で中和し、水洗を行い、蒸留によって、式(III)で表される化合物イソボルニルイソブチレート(純度97%)651gを得た。
合成例5
(式(IV)で表される化合物の合成)
カンフェン573g(ヤスハラケミカル(株)製YSカンフェン、純度95%、4モル)に酪酸366g(4.16モル)を加え、攪拌しながら反応温度が50℃を越えないように硫酸61gを徐々に滴下し、終了後、35℃で、3時間攪拌した。
反応終了後、理論量の水酸化ナトリウム水溶液で中和し、水洗を行い、蒸留によって、式(IV)で表される化合物イソボルニルブチレート(純度97%)681gを得た。
(ブチラール樹脂の溶解性試験:実施例1〜5)
50mL共栓付試験管にブチラール樹脂(和光純薬社製:MW2400、住友化学社製:S−LEC BH−3)500mgと本発明の各溶剤(イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルプロピオネート、イソボルニルブチレート、イソボルニルイソブチレート)25gを入れ、スターラーで撹拌しながら60℃で2時間加温した。加温終了後、上清を分取し、さらに2,000rpmで5分間遠沈操作を行った。このものの上澄みを1g取り、標品(旭電化工業社製、アデカスタブAO−20)を50mg加えてGPCを測定した。測定後、ブチラール樹脂の分子量に相当するピークエリアと標品のピークエリア比より、各溶剤25gに溶解したブチラール樹脂量(mg)を算出した。その結果を表1に示す。
(エチルセルロースの溶解性試験:実施例1〜5)
50mL共栓付試験管にエチルセルロースSTD45(和光純薬製)1,250mgと本発明の各溶剤(イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルプロピオネート、イソボルニルブチレート、イソボルニルイソブチレート)25gを入れ、スターラーで撹拌しながら60℃で2時間加温した。加温終了後室温まで放冷し、エチルセルロースの溶け残りが無いか目視で確認した。完全に溶解したものについては○、溶け残りが確認されたものについては×とした。その結果を表1に示す。
(ブチラール樹脂の溶解性試験:比較例1〜7)
50mL共栓付試験管にブチラール樹脂(和光純薬社製:MW2400、住友化学社製:S−LEC BH−3)500mgと各比較溶剤(ターピネオール、ジヒドロターピネオール、イソボルニルアセテート、イソボルニルヘキサネート、ノピルアセテート、ターピニルアセテート、ジヒドロターピニルアセテート)25gを入れ、スターラーで撹拌しながら60℃で2時間加温した。加温終了後上清を分取し、さらに2,000rpmで5分間遠沈操作を行った。このものの上澄みを1g取り、標品(旭電化工業製アデカスタブAO−20)を50mg加えてGPCを測定した。測定後、ブチラール樹脂の分子量に相当するピークエリアと標品のピークエリア比より、各溶剤25gに溶解したブチラール樹脂量(mg)を算出した。その結果を表1に示す。
(エチルセルロースの溶解性試験:比較例1〜7)
50mL共栓付試験管にエチルセルロースSTD45(和光純薬社製)1,250mgと各比較溶剤(ターピネオール、ジヒドロターピネオール、イソボルニルアセテート、イソボルニルヘキサネート、ノピルアセテート、ターピニルアセテート、ジヒドロターピニルアセテート)25gを入れ、スターラーで撹拌しながら60℃で2時間加温した。加温終了後、室温まで放冷し、エチルセルロースの溶け残りが無いか目視で確認した。完全に溶解したものについては○、溶け残りが確認されたものについては×とした。その結果を表1に示す。
(デラミネーションの発生の測定方法:実施例1〜5、比較例1〜7)
積層セラミックコンデンサーを製造する場合について、以下の方法で、本発明の導電性ペーストを評価した。
微細化したチタン酸バリウム粉末90重量%とポリビニルブチラール(積水化学工業(株)製ポリビニルブチラールS−LEC SB3)4重量%、エチルアルコール6重量%からなる有機ビヒクルを混練して、セラミックスラリーを作製し、ドクターブレード法により、誘電体グリーンシートを作製した。
次に、合成例1〜5および上記比較例で使用したそれぞれの溶剤30重量部に、エチルセルロース樹脂(和光純薬工業(株)製エチルセルロース)5重量部を溶解させ、有機ビヒクルを調合した。次に、この有機ビヒクル10重量部と、Pd(パラジウム)粉末10重量部を混練して、導電性ペーストを作製した。上記誘電体グリーンシート上に、この導電性ペーストをスクリーン印刷し、そのシートを120℃で10分間乾燥させた。その後、そのシートを積層し、80℃、100kg/cを3mm×5mm角に切断し、大気炉にて1,350℃で2時間焼成した。その後焼成体を研磨し、断面を光学顕微鏡で観察し、デラミネーションの発生の有無を観察した。結果を表1に記載した。











表1に示すように、本発明の溶剤(イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルプロピオネート、イソボルニルブチレート、イソボルニルイソブチレート)は従来の金属ペースト用溶剤として使用されているターピネオールやイソボルニルアセテート、ターピニルアセテートなどと比較して、エチルセルロースを溶解性しつつ、ブチラール樹脂を著しく溶かさないことが明らかである。従って、これら溶剤を用いた導電性ペーストは、従来のものと比較し、積層時のシートアタック現象やそれに伴うデラミネーション現象をより抑制することができる。
本発明の導電性ペーストは、積層セラミックコンデンサーなどの製造の際に使用される導電性ペーストとして利用できる。

Claims (6)

  1. セラミック誘電体粉末およびポリビニルブチラール樹脂を含むセラミックスラリーを成形してなるセラミックグリーンシート上に印刷される金属電極層となるものであり、セルロース系樹脂あるいはアクリル系樹脂を含む有機バインダーおよび有機溶剤を含有する有機ビヒクル中に金属粉末が分散されてなる、多層セラミック部品を製造する際に用いる導電性ペーストにおいて、当該有機溶剤成分として下記式(I)で示されるボルナン骨格含有カルボン酸付加物を含有することを特徴とした導電性ペースト。
    〔ただし、式(I)において、Rの炭素数は2〜4である。〕
  2. セラミック誘電体粉末およびポリビニルブチラール樹脂を含むセラミックスラリーを成形してなるセラミックグリーンシート上に印刷される金属電極層となるものであり、セルロース系樹脂あるいはアクリル系樹脂を含む有機バインダーおよび有機溶剤を含有する有機ビヒクル中に金属粉末が分散されてなる、多層セラミック部品を製造する際に用いる導電性ペーストにおいて、当該有機溶剤成分として下記式(II)で示されるボルナン骨格含有カルボン酸付加物を含有することを特徴とした導電性ペースト。






    〔ただし、式(II)において、RはCHまたはHである。〕
  3. セラミック誘電体粉末およびポリビニルブチラール樹脂を含むセラミックスラリーを成形してなるセラミックグリーンシート上に印刷される金属電極層となるものであり、セルロース系樹脂あるいはアクリル系樹脂を含む有機バインダーおよび有機溶剤を含有する有機ビヒクル中に金属粉末が分散されてなる、多層セラミック部品を製造する際に用いる導電性ペーストにおいて、当該有機溶剤成分として下記式(III)で示されるボルナン骨格含有カルボン酸付加物を含有することを特徴とした導電性ペースト。
    〔ただし、式(III)において、RはCHまたはHである。〕
  4. セラミック誘電体粉末およびポリビニルブチラール樹脂を含むセラミックスラリーを成形してなるセラミックグリーンシート上に印刷される金属電極層となるものであり、セルロース系樹脂あるいはアクリル系樹脂を含む有機バインダーおよび有機溶剤を含有する有機ビヒクル中に金属粉末が分散されてなる、多層セラミック部品を製造する際に用いる導電性ペーストにおいて、当該有機溶剤成分として下記式(IV)で示されるボルナン骨格含有カルボン酸付加物を含有することを特徴とした導電性ペースト。
  5. 有機ビヒクルを構成する有機バインダーが、エチルセルロースおよびニトロセルロースから選ばれたセルロース系樹脂、あるいは、ブチルメタクリレートおよび/またはメチルメタクリレートを重合してなるアクリル系樹脂であり、導電性ペーストを構成する金属粉末が、Ni、Cu、AgおよびPdから選ばれたものである、請求項1〜4いずれかに記載の導電性ペースト。
  6. 有機溶剤成分として用いられる前記ボルナン骨格含有カルボン酸付加物の割合が有機ビヒクル中に60〜95重量%であり、かつ導電性ペースト中における有機ビヒクルの割合が5〜40重量%である、請求項1〜5いずれかに記載の導電性ペースト。
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