JP4459969B2 - Pllシンセサイザ - Google Patents

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Description

本発明は、送受信装置に用いられるPLLシンセサイザに関する。
図8は、従来の整数分周型のPLLシンセサイザの構成例を示す。図8において、整数分周型のPLLシンセサイザは、高精度の基準周波数信号を出力する基準発振器1、基準分周器2、位相比較器3、ループフィルタ4、電圧制御発振器(VCO)5、分周比が可変かつ整数である可変整数分周器6Aにより構成される。
電圧制御発振器5の出力信号は、分岐して可変整数分周器6Aに入力され、分周して位相比較器3の一方の入力としてフィードバックされる。基準発振器1から出力される基準周波数信号は基準分周器2で分周され、位相比較器3の他方の入力として与えられる。位相比較器3は、2つの入力信号の位相比較を行い、その出力信号をループフィルタ4を介して電圧制御発振器5に与え、基準周波数に対応する発振周波数になるように制御する。
このような構成のPLLシンセサイザにおいて、引き込み時間を短縮するには基準分周器2の出力周波数を高くする必要がある。ここで、基準分周器2の初期の出力周波数をfr=Δfとし、可変整数分周器6Aがとる分周比を
…,N−1,N,N+1,…
とすると、引き込み後の電圧制御発振器5の出力周波数は、
…,(N−1)Δf,NΔf,(N+1)Δf,…
となり、間隔Δfの周波数チャネルを有することになる。
引き込み時間を短縮するために、基準分周器2の出力周波数をL倍(Lは整数)であるfr=LΔfとし、可変整数分周器6Aがとる分周比を
…,N/L−1,N/L,N/L+1,…
とすると(N/Lは整数)、引き込み後の電圧制御発振器5の出力周波数は、
…,(N−L)Δf,NΔf,(N+L)Δf,…
となる。このとき、周波数は間隔LΔfで変化するので、間隔Δfの周波数チャネルに対して使用できない周波数チャネルが生じ、必ずしも収束時間を短縮できない問題がある。
図9は、従来の分数分周型(フラクショナルN)のPLLシンセサイザの構成例を示す。図8に示す整数分周型のPLLシンセサイザとの違いは、可変整数分周器6Aに代えて可変分数分周器6Bを用いるところにある。
基準分周器2の出力周波数をL倍(Lは整数)であるfr=LΔfとし、可変分数分周器6Bがとる分周比を
N/L,(N+1)/L,(N+2)/L,…
とすると、引き込み後の電圧制御発振器5の出力周波数は、
NΔf,(N+1)Δf,(N+2)Δf,…
となり、周波数は間隔Δfで変化するので、すべての周波数チャネルを使用できることになる。
以上説明したように、分数分周型(フラクショナルN)PLLシンセサイザは、可変周波数ステップ幅を増やすことなく、基準分周器2の出力周波数を高くすることができるので、整数分周型のPLLシンセサイザに比べて引き込み時間を短縮できる。
しかし、この方法では位相比較器3の出力が周期性をもって変化するので、電圧制御発振器5の制御電圧が周期性をもち、電圧制御発振器5の出力はスプリアスを生じる。このスプリアスは、PLLシンセサイザの周波数が一定である定常状態においてチャネル間干渉の原因となり、望ましくない。このスプリアスを低減する方法として、位相誤差拡散回路を用いる方法が提案されている(非特許文献1)。
足立寿史,他,「分数分周方式を用いた高速周波数切換シンセサイザ」,電子情報通信学会論文誌 C-1, Vol.J76-C-1, No.11, pp.445-452, 1993年11月
分数分周器を用いたPLLシンセサイザは、可変周波数ステップ幅を増やすことなく基準分周器の出力周波数を高くすることができるので、引き込み時間を短縮し、高速起動を実現することができる。しかし、電圧制御発振器の制御電圧の周期性により出力がスプリアスを生じる問題があった。これに対して位相誤差拡散回路を用いた場合、スプリアス低減効果は期待できるものの、大規模な回路構成が必要となり、消費電力が増大する問題がある。このように、従来のPLLシンセサイザでは、(1) 高速起動性、(2) 低消費電力性、(3) 定常状態における低スプリアス性の3点を同時に満足するものはなかった。
本発明は、高速起動性、低消費電力性、定常状態における低スプリアス性を同時に満足することができ、かつ性能を左右するパラメータを最適化したPLLシンセサイザを提供することを目的とする。
第1の発明は、入力する制御信号に応じた発振周波数の信号を出力する電圧制御発振器と、電圧制御発振器の出力信号を分岐して入力し、可変設定される分周比で分周して出力する可変分周器と、高精度の基準周波数信号を出力する基準発振器と、基準周波数信号を所定の分周比で分周して出力する基準分周器と、基準分周器の出力信号と可変分周器の出力信号を入力して位相比較を行い、その位相差信号を出力する位相比較器と、位相差信号を平滑化して制御信号として電圧制御発振器に与えるループフィルタとを備え、電圧制御発振器の出力信号を可変分周器を介して位相比較器にフィードバックする位相同期ループ(PLL)構成により、基準分周器の出力信号に対して電圧制御発振器の出力信号の周波数および位相の同期引き込みを行うPLLシンセサイザにおいて、可変分周器は、分周比が整数である可変整数分周器と、1クロック当たりの平均分周比が分数で表される可変分数分周器としての機能を有し、外部からの切換信号によりこの2つの分周器の機能を切り換える手段を含む切換型可変分周器であり、基準分周器は、外部からの切換信号により分周比の切り換えが可能な切換型基準分周器であり、切換型可変分周器を可変分数分周器として機能させ、かつ切換型基準分周器の出力信号の周波数が電圧制御発振器の出力信号の周波数チャネル間隔より大きくなるようにその分周比を設定する分数分周モードと、切換型可変分周器を可変整数分周器として機能させ、かつ切換型基準分周器の出力信号の周波数が電圧制御発振器の出力信号の周波数チャネル間隔に等しくなるようにその分周比を設定する整数分周モードとを切り換える切換信号を生成し、切換型可変分周器および切換型基準分周器に送出する切換制御回路を備え、切換制御回路は、PLL起動時から収束に至るまでの収束時間Tacq を設定し、その収束時間Tacq が、制動係数ζ、固有周波数ωn 、初期周波数差Ω0 に対して、
Tacq =Ω0 2/(2ζωn 3) …(a)
で表されるときに、制動係数ζを
0.5 ≦ζ≦1
とし、PLL起動時に固有周波数ωn が (a)式を満たすように分数分周モードの分周比を設定し、周波数誤差が収束したと見なすタイミングTs(=Tacq)で、ループフィルタを切り換えることなく、整数分周モードの分周比に切り換える構成である。
第2の発明は、第1の発明と同様の構成において、切換制御回路は、PLL起動時から収束に至るまでの収束時間Tacq を設定し、その収束時間Tacq が、制動係数ζ、固有周波数ωn 、初期周波数差Ω0 、収束したと見なす位相誤差φf に対して、
Tacq =(1/ζωn) ln(Ω0/(φfωn)) …(b)
で表されるときに、制動係数ζを
0.5 ≦ζ≦1
とし、PLL起動時に固有周波数ωn が (b)式を満たすように分数分周モードの分周比を設定し、周波数誤差が収束したと見なすタイミングTs(=Tacq)で、ループフィルタを切り換えることなく、整数分周モードの分周比に切り換える構成である。
第3の発明は、第1の発明と同様の構成において、切換制御回路は、PLL起動時から収束に至るまでの収束時間Tacq を設定し、その収束時間Tacq が、制動係数ζ、固有周波数ωn 、初期周波数差Ω0 に対して、
Tacq =Ω0 2/(2ζωn 3) …(a)
で表されるときに、制動係数ζを
0.5 ≦ζ≦1
とし、PLL起動時に固有周波数ωn が (a)式を満たすように分数分周モードの分周比を設定し、周波数誤差が低減したと見なすタイミングTs1 (<Tacq)で、収束時間Tacq が、制動係数ζ、固有周波数ωn 、初期周波数差Ω0 、収束したと見なす位相誤差φf に対して、
Tacq =(1/ζωn) ln(Ω0/(φfωn)) …(b)
で表されるときに、制動係数ζを
0.5 ≦ζ≦1
とし、固有周波数ωn が (b)式を満たすように分数分周モードの分周比を設定し、周波数誤差が収束したと見なすタイミングTs2(=Tacq)で、ループフィルタを切り換えることなく、整数分周モードの分周比に切り換える構成である。
本発明のPLLシンセサイザは、同期引き込みにおけるPLL起動時から定常状態に遷移するまでの期間は分数分周型として動作させ、その後に整数分周型として動作させることができる。特に、ループフィルタを切り換えることなく分周器の切り換えのみにより、分数分周型から整数分周型へモード切換およびパラメータの自己調整を行うことにより、高速起動性と定常状態における低スプリアス性を実現することができる。また、その切換制御は簡単な構成で実現できるので、低消費電力性も併せて実現することができる。
(本発明のPLLシンセサイザの実施形態)
図1は、本発明のPLLシンセサイザの実施形態を示す。図1において、本実施形態のPLLシンセサイザは、高精度の基準周波数信号を出力する基準発振器1、分周比の切り換えが可能な切換型基準分周器11、位相比較器3、ループフィルタ4、電圧制御発振器(VCO)5、分数分周モードと整数分周モードの切り換えが可能な切換型可変分周器12、切換型可変分周器12の切り換えタイミングを制御し、かつその切り換えタイミングに対応させて切換型基準分周器11の分周比を切り換える切換制御回路13により構成される。なお、電圧制御発振器5の出力段に分周器7を備え、電圧制御発振器5の出力信号を分周して取り出すようにしてもよい。
ここで、基準発振器1の出力信号の周波数をfr 、切換型可変分周器12の分数分周モードまたは整数分周モードの設定に対応して分周比が設定された切換型基準分周器11の出力信号の周波数をff またはfi (ff >fi )、電圧制御発振器5の出力信号の周波数をfv とする。
本実施形態におけるPLLシンセサイザとしての基本的な動作は従来構成と同様である。すなわち、電圧制御発振器5の出力信号(fv )は、分岐して切換型可変分周器12に入力され、分周して位相比較器3の一方の入力としてフィードバックされる。基準発振器1の出力信号(基準周波数信号(fr ))は切換型基準分周器11で分周され、位相比較器3の他方の入力(位相比較信号(ff ,fi ))として与えられる。位相比較器3は、2つの入力信号の位相比較を行い、その出力信号をループフィルタ4を介して電圧制御発振器5に与え、所定の発振周波数になるように制御する。
本実施形態の特徴とする制御手順について図2を参照して説明する。本実施形態のPLLシンセサイザの切換制御回路13は、PLL起動時(引き込み開始時)から定常状態に遷移するまでの起動状態(分数分周モード)と、定常状態(整数分周モード)の切り換えタイミングをタイマで管理し、あらかじめ設定した切換時間Ts で分数分周モードから整数分周モードに切り換える。以下、詳しく説明する。
まず、PLL起動時から切換時間ts が経過するまでの分数分周モード(S1〜S3)では、切換制御回路13は切換型基準分周器11の分周比をfr /ff に設定し、基準周波数信号(fr)から位相比較信号(ff)を生成する。なお、位相比較信号の周波数ff は、電圧制御発振器5の出力信号(fv )の周波数チャネル間隔より大きい。また、切換制御回路13は切換型可変分周器12を分数分周器としてその分周比を
fv /ff =Nv +n/m
に設定する。なお、Nv は整数であり、n/m<1である。
以上の分数分周モードによりPLL起動時から切換時間Ts まで同期引き込み動作を行い、切換時間Ts が経過した時点で、切換制御回路13は分数分周モードから整数分周モードに移行する。整数分周モード(S2,S4,S5)では、切換型基準分周器11の分周比をfr /fi に切り換え、基準周波数信号(fr )から位相比較信号(fi )を生成する。このときの位相比較信号の周波数fi は、電圧制御発振器5の出力信号(fv )の周波数チャネル間隔と等しい。すなわち、切換時間Ts が経過したときに、位相比較信号の周波数が周波数fv の周波数チャネル間隔に等しい周波数fi になるように切換型基準分周器11の分周比を切り換える。また、切換制御回路13は切換型可変分周器12を整数分周器としてその分周比Nをfv /fi に切り換え、位相および周波数の同期動作を行う。
ところでPLLシンセサイザでは、初期周波数差および位相誤差が大きいときの収束に要する時間(収束時間)Tacq は、図3のようなサイクル・スリップしながら引き込む時間が大半を占め、ループフィルタ4が図4 (1)〜(3) に示すような一般的な低域通過フィルタ(RC回路)とチャージポンプ回路で構成されるとき、制動係数ζ、固有周波数ωn 、初期周波数差Ω0 に対して、
Tacq =Ω0 2/(2ζωn 3) …(1)
の関係があることが知られている(A.Blanchard,"Phase-locked loops, application to coherent receiver design", John Wiley & Sons, pp.241-278, 1975)。なお、図3の横軸は位相、縦軸は周波数を表す。
ここで、位相比較器3の利得Kp 、電圧制御発振器5の変換利得Kv 、図4に示すループフィルタ4の利得K1 、容量C、抵抗R2 、チャージポンプ回路の利得gm とすると、制動係数ζおよび固有周波数ωn は、
ζ=(τ2/2)ωn …(2)
ωn =(2πK1KpKv/τ1 N)1/2 …(3)
τ1 =C/gm (時定数)
τ2 =R2 C (時定数)
と表される。また、固有周波数ωn が一定の条件下で速やかな収束を可能にするには、制動係数ζを 0.5〜1に設定することが一般的になっている。
しかし、従来の整数分周型のPLLシンセサイザでは、位相比較信号の周波数fi は、電圧制御発振器5の出力信号(fv )の周波数チャネル間隔にしか設定できず、固有周波数ωn も位相比較信号の周波数fi の1/10程度(黒田忠広 監訳、「RFマイクロエレクトロニクス」、丸善、p.289, 2002 )なので、固有周波数ωn を所望の収束時間に合わせて設定することができない。
そこで、本実施形態の分周モード切換型のPLLシンセサイザでは、PLL起動時(同期開始時)から収束に至るまでの収束時間Tacq を設定し、その収束時間Tacq に対して分数分周モードで制動係数ζを 0.5〜1、固有周波数ωn が(1) 式を満たすように分周比Nを設定する。すなわち、(1),(3) 式から
ωn =Ω0 2/(2ζTacq)1/3 …(4)
N=2πK1KpKv/(τ1ωn 2) …(5)
に基づいて分周比Nを設定する。
そして、図5に示すように周波数誤差が収束したと見なすタイミングの切換時間Ts (=Tacq )で、ループフィルタ4を切り換えることなく、切換型可変分周器12の分周比Nを整数分周モードにおけるfv /fi に切り換えることにより、定常状態における制動係数ζと固有周波数ωn を自己調整する。
本実施形態のPLLシンセサイザでは、以上説明したように最初は分数分周モードで同期引き込み動作を行い、周波数が一定値に収束したと見なす切換時間Ts(Tacq)の経過タイミングで整数分周モードに切り換える。このように、PLL起動時から切換時間Ts まで分数分周モードで動作させることにより周波数が一定値に収束する時間を短縮でき、さらに切換時間Ts 以降の定常状態における制動係数ζと固有周波数ωn を自己調整することにより、高速同期が可能になるとともに、整数分周モードで動作させることによりスプリアスの発生を抑制することができる。すなわち、低消費電力性、高速起動性、定常状態における低スプリアス性を同時に達成することができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、分周モードの切換時間Ts と、PLL起動時(同期開始時)から収束に至るまでの収束時間Tacq が等しくなるように設定したが、本実施形態では、
Ts <Tacq
の関係でTs 、Tacq をそれぞれ設定する。そして、分数分周モードで制動係数ζをできるだけ大きな値、すなわち整数分周モードにおける制動係数ζ(0.5≦ζ≦1)の数倍程度に設定し、(1),(3) 式((4),(5) 式)に基づいて分周比Nを設定する。
これにより、図6に示すように周波数誤差が整数分周モードに切り換えて十分に収束可能なレベルに小さくなった(収束前の)タイミングの切換時間Ts で、ループフィルタ4を切り換えることなく、切換型可変分周器12の分周比Nを整数分周モードにおけるfv /fi に切り換えることにより、定常状態における制動係数ζと固有周波数ωn を自己調整(0.5 ≦ζ≦1)し、速やかに収束させることができる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態のPLLシンセサイザでは、初期周波数差および位相誤差が大きいときの場合であったが、本実施形態では初期周波数および位相誤差が小さく、サイクル・スリップが少ないことが明らかな場合を想定する。
この場合の収束に要する時間(収束時間)Tacq は、ループフィルタ4が図4(1)〜(3)に示すような一般的な低域通過フィルタ(RC回路)とチャージポンプ回路で構成されるとき、制動係数ζ、固有周波数ωn 、初期周波数差Ω0 、収束したと見なす位相誤差φf に対して、
Tacq =(1/ζωn) ln(Ω0/(φfωn)) …(6)
の関係があることが知られている(K.Kishine and H.Onodera,"Acquisition-time estimation for over 10 Gbit/s clock and data recovery ICs", Electronics Letters Vol.41, No.23, Nov.2005 )。
本実施形態のPLLシンセサイザでは、PLL起動時(同期開始時)から収束に至るまでの収束時間Tacq を設定し、その収束時間Tacq に対して分数分周モードで制動係数ζを 0.5〜1、固有周波数ωn が(6),(5) 式を満たすように分周比Nを設定する。
そして、図5に示すように周波数誤差が収束したと見なすタイミングの切換時間Ts (=Tacq )で、ループフィルタ4を切り換えることなく、切換型可変分周器12の分周比Nを整数分周モードにおけるfv /fi に切り換えることにより、定常状態における制動係数ζと固有周波数ωn を自己調整する。これにより、高速同期が可能になるとともに、整数分周モードで動作させることによりスプリアスの発生を抑制することができる。すなわち、低消費電力性、高速起動性、定常状態における低スプリアス性を同時に達成することができる。
(第4の実施形態)
第1の実施形態のPLLシンセサイザでは、初期周波数差および位相誤差が大きいときの場合であったが、その場合でも収束に至るまでに周波数差および位相誤差が小さな状態を経る。第2の実施形態では、Ts <Tacq の関係にある切換時間Ts で分数分周モードから整数分周モードに切り換えていた。本実施形態では、その切換時間を第1の切換時間Ts1(<Tacq )として、PLL起動時(同期開始時)から第1の切換時間Ts1までは、収束時間Tacq に対して分数分周モードで制動係数ζを 0.5〜1、固有周波数ωn が(4),(5) 式を満たすように分周比Nを設定する。
次に、第1の切換時間Ts1(<Tacq )で、分数分周モードのまま第3の実施形態のように固有周波数ωn が(6) 式を満たすように分周比Nを切り換える。そして、図7に示すように周波数誤差が収束したと見なすタイミングTs2(=Tacq )で、ループフィルタ4を切り換えることなく、切換型可変分周器12の分周比Nを整数分周モードにおけるfv /fi に切り換えることにより、定常状態における制動係数ζと固有周波数ωn を自己調整する。これにより、高速同期が可能になるとともに、整数分周モードで動作させることによりスプリアスの発生を抑制することができる。すなわち、低消費電力性、高速起動性、定常状態における低スプリアス性を同時に達成することができる。
本発明のPLLシンセサイザの実施形態を示す図。 本発明のPLLシンセサイザの特徴とする制御手順を示すフローチャート。 PLLシンセサイザの同期過程における位相と周波数の軌跡を示す図。 PLLシンセサイザのループフィルタ4の構成例を示す図。 第1,第3の実施形態の同期過程におけるVCO制御電圧の変化例を示すタイムチャート。 第2の実施形態の同期過程におけるVCO制御電圧の変化例を示すタイムチャート。 第4の実施形態の同期過程におけるVCO制御電圧の変化例を示すタイムチャート。 従来の整数分周型のPLLシンセサイザの構成例を示す図。 従来の分数分周型のPLLシンセサイザの構成例を示す図。
符号の説明
1 基準発振器
2 基準分周器
3 位相比較器
4 ループフィルタ
5 電圧制御発振器(VCO)
6A 可変整数分周器
6B 可変分数分周器
7 分周器
11 切換型基準分周器
12 切換型可変分周器
13 切換制御回路

Claims (3)

  1. 入力する制御信号に応じた発振周波数の信号を出力する電圧制御発振器と、
    前記電圧制御発振器の出力信号を分岐して入力し、可変設定される分周比で分周して出力する可変分周器と、
    高精度の基準周波数信号を出力する基準発振器と、
    前記基準周波数信号を所定の分周比で分周して出力する基準分周器と、
    前記基準分周器の出力信号と前記可変分周器の出力信号を入力して位相比較を行い、その位相差信号を出力する位相比較器と、
    前記位相差信号を平滑化して前記制御信号として前記電圧制御発振器に与えるループフィルタとを備え、
    前記電圧制御発振器の出力信号を前記可変分周器を介して前記位相比較器にフィードバックする位相同期ループ(PLL)構成により、前記基準分周器の出力信号に対して前記電圧制御発振器の出力信号の周波数および位相の同期引き込みを行うPLLシンセサイザにおいて、
    前記可変分周器は、分周比が整数である可変整数分周器と、1クロック当たりの平均分周比が分数で表される可変分数分周器としての機能を有し、外部からの切換信号によりこの2つの分周器の機能を切り換える手段を含む切換型可変分周器であり、
    前記基準分周器は、外部からの切換信号により分周比の切り換えが可能な切換型基準分周器であり、
    前記切換型可変分周器を前記可変分数分周器として機能させ、かつ前記切換型基準分周器の出力信号の周波数が前記電圧制御発振器の出力信号の周波数チャネル間隔より大きくなるようにその分周比を設定する分数分周モードと、前記切換型可変分周器を前記可変整数分周器として機能させ、かつ前記切換型基準分周器の出力信号の周波数が前記電圧制御発振器の出力信号の周波数チャネル間隔に等しくなるようにその分周比を設定する整数分周モードとを切り換える前記切換信号を生成し、前記切換型可変分周器および前記切換型基準分周器に送出する切換制御回路を備え、
    前記切換制御回路は、PLL起動時から収束に至るまでの収束時間Tacq を設定し、その収束時間Tacq が、制動係数ζ、固有周波数ωn 、初期周波数差Ω0 に対して、
    Tacq =Ω0 2/(2ζωn 3) …(a)
    で表されるときに、制動係数ζを
    0.5 ≦ζ≦1
    とし、前記PLL起動時に固有周波数ωn が (a)式を満たすように前記分数分周モードの分周比を設定し、周波数誤差が収束したと見なすタイミングTs(=Tacq)で、前記ループフィルタを切り換えることなく、前記整数分周モードの分周比に切り換える構成である
    ことを特徴とするPLLシンセサイザ。
  2. 入力する制御信号に応じた発振周波数の信号を出力する電圧制御発振器と、
    前記電圧制御発振器の出力信号を分岐して入力し、可変設定される分周比で分周して出力する可変分周器と、
    高精度の基準周波数信号を出力する基準発振器と、
    前記基準周波数信号を所定の分周比で分周して出力する基準分周器と、
    前記基準分周器の出力信号と前記可変分周器の出力信号を入力して位相比較を行い、その位相差信号を出力する位相比較器と、
    前記位相差信号を平滑化して前記制御信号として前記電圧制御発振器に与えるループフィルタとを備え、
    前記電圧制御発振器の出力信号を前記可変分周器を介して前記位相比較器にフィードバックする位相同期ループ(PLL)構成により、前記基準分周器の出力信号に対して前記電圧制御発振器の出力信号の周波数および位相の同期引き込みを行うPLLシンセサイザにおいて、
    前記可変分周器は、分周比が整数である可変整数分周器と、1クロック当たりの平均分周比が分数で表される可変分数分周器としての機能を有し、外部からの切換信号によりこの2つの分周器の機能を切り換える手段を含む切換型可変分周器であり、
    前記基準分周器は、外部からの切換信号により分周比の切り換えが可能な切換型基準分周器であり、
    前記切換型可変分周器を前記可変分数分周器として機能させ、かつ前記切換型基準分周器の出力信号の周波数が前記電圧制御発振器の出力信号の周波数チャネル間隔より大きくなるようにその分周比を設定する分数分周モードと、前記切換型可変分周器を前記可変整数分周器として機能させ、かつ前記切換型基準分周器の出力信号の周波数が前記電圧制御発振器の出力信号の周波数チャネル間隔に等しくなるようにその分周比を設定する整数分周モードとを切り換える前記切換信号を生成し、前記切換型可変分周器および前記切換型基準分周器に送出する切換制御回路を備え、
    前記切換制御回路は、PLL起動時から収束に至るまでの収束時間Tacq を設定し、その収束時間Tacq が、制動係数ζ、固有周波数ωn 、初期周波数差Ω0 、収束したと見なす位相誤差φf に対して、
    Tacq =(1/ζωn) ln(Ω0/(φfωn)) …(b)
    で表されるときに、制動係数ζを
    0.5 ≦ζ≦1
    とし、前記PLL起動時に固有周波数ωn が (b)式を満たすように前記分数分周モードの分周比を設定し、周波数誤差が収束したと見なすタイミングTs(=Tacq)で、前記ループフィルタを切り換えることなく、前記整数分周モードの分周比に切り換える構成である
    ことを特徴とするPLLシンセサイザ。
  3. 入力する制御信号に応じた発振周波数の信号を出力する電圧制御発振器と、
    前記電圧制御発振器の出力信号を分岐して入力し、可変設定される分周比で分周して出力する可変分周器と、
    高精度の基準周波数信号を出力する基準発振器と、
    前記基準周波数信号を所定の分周比で分周して出力する基準分周器と、
    前記基準分周器の出力信号と前記可変分周器の出力信号を入力して位相比較を行い、その位相差信号を出力する位相比較器と、
    前記位相差信号を平滑化して前記制御信号として前記電圧制御発振器に与えるループフィルタとを備え、
    前記電圧制御発振器の出力信号を前記可変分周器を介して前記位相比較器にフィードバックする位相同期ループ(PLL)構成により、前記基準分周器の出力信号に対して前記電圧制御発振器の出力信号の周波数および位相の同期引き込みを行うPLLシンセサイザにおいて、
    前記可変分周器は、分周比が整数である可変整数分周器と、1クロック当たりの平均分周比が分数で表される可変分数分周器としての機能を有し、外部からの切換信号によりこの2つの分周器の機能を切り換える手段を含む切換型可変分周器であり、
    前記基準分周器は、外部からの切換信号により分周比の切り換えが可能な切換型基準分周器であり、
    前記切換型可変分周器を前記可変分数分周器として機能させ、かつ前記切換型基準分周器の出力信号の周波数が前記電圧制御発振器の出力信号の周波数チャネル間隔より大きくなるようにその分周比を設定する分数分周モードと、前記切換型可変分周器を前記可変整数分周器として機能させ、かつ前記切換型基準分周器の出力信号の周波数が前記電圧制御発振器の出力信号の周波数チャネル間隔に等しくなるようにその分周比を設定する整数分周モードとを切り換える前記切換信号を生成し、前記切換型可変分周器および前記切換型基準分周器に送出する切換制御回路を備え、
    前記切換制御回路は、PLL起動時から収束に至るまでの収束時間Tacq を設定し、その収束時間Tacq が、制動係数ζ、固有周波数ωn 、初期周波数差Ω0 に対して、
    Tacq =Ω0 2/(2ζωn 3) …(a)
    で表されるときに、制動係数ζを
    0.5 ≦ζ≦1
    とし、前記PLL起動時に固有周波数ωn が (a)式を満たすように前記分数分周モードの分周比を設定し、周波数誤差が低減したと見なすタイミングTs1 (<Tacq)で、収束時間Tacq が、制動係数ζ、固有周波数ωn 、初期周波数差Ω0 、収束したと見なす位相誤差φf に対して、
    Tacq =(1/ζωn) ln(Ω0/(φfωn)) …(b)
    で表されるときに、制動係数ζを
    0.5 ≦ζ≦1
    とし、前記固有周波数ωn が (b)式を満たすように前記分数分周モードの分周比を設定し、周波数誤差が収束したと見なすタイミングTs2(=Tacq)で、前記ループフィルタを切り換えることなく、前記整数分周モードの分周比に切り換える構成である
    ことを特徴とするPLLシンセサイザ。
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