JP5110890B2 - ポリアミド系導電糸及び電子写真装置用ブラシ - Google Patents

ポリアミド系導電糸及び電子写真装置用ブラシ Download PDF

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Description

本発明は、電子写真装置(複写機、ファクシミリ、プリンター等)に用いる接触帯電用ブラシ及び感光ドラムクリーニング用ブラシ等の各種ブラシに好適なポリアミド系導電糸であって、特にクリーニング用ブラシに好適なポリアミド系導電糸及び本発明のポリアミド系導電糸を少なくとも一部に用いた電子写真装置用ブラシに関するものである。
従来、電子写真複写機等の電子写真装置において、接触帯電用ブラシ及び感光ドラムクリーニング用ブラシ等に使用される導電糸として、セルロース系繊維が多く用いられている(例えば、特許文献1)。また、合成繊維として広く使用されているポリエステルやポリアミド繊維においても、導電性微粒子を含有する繊維が多く提案されている(例えば特許文献2)。
中でもクリーニング用ブラシは、良好な画像を得るうえで重要なものであり、転写残トナーを除去する機能を有するものである。転写残トナーは本来のトナー帯電極性とは逆の極性を有するものが含まれるため、1本の導電性クリーニング用ブラシにバイアスを印加して良好なクリーニング性能を維持することは困難であった。
すなわち、トナーの正規帯電極性がマイナスの場合、転写残トナーは主にマイナスであるが、一部転写バイアスによりプラスに反転してしまうものがある。マイナス帯電トナーをクリーニングする場合、プラス電圧を印加しクリーニングするが、その場合プラスに反転したトナーはクリーニングできない。
特許文献3では2本の導電性ブラシを用い、まず上流側の導電性ブラシでAC重畳DC電圧を印加、トナーの帯電極性をそろえて、下流側の導電性ブラシでクリーニングする方式が用いられている。特許文献4では上流側のブラシにDC電圧を印加している。いずれも2個の導電性ブラシ、2種の高圧電源が必要であり、装置の小型化、低価格化が困難であった。
特開2000−355823号公報 特開2003−105623号公報 特開平8−248849号公報 特開2004−053893号公報
本発明は、上記のような問題点を解決し、特に電子写真装置用のクリーニングブラシに使用することが好適なポリアミド系導電糸であって、ポリマーが改質されているため電気的特性に優れており、一本の導電性ブラシでも転写残トナーを良好にクリーニングすることができるため、良好な画像を得ることが可能となり、装置の小型化、低価格化も図ることができるポリアミド系導電糸及び電子写真装置用ブラシを提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は次の(1)、(2)を要旨とするものである。
(1)スルホン酸基を含有するポリアミド中に導電性微粒子を15〜45質量%含有するポリマー(A)からなる単繊維で構成されたマルチフィラメントであって、温湿度が25℃、45%RHの雰囲気中での比抵抗値が10〜1010Ω・cmであるポリアミド系導電糸。
(2)(1)記載のポリアミド系導電糸を少なくとも一部に使用した電子写真装置用ブラシ。
本発明のポリアミド系導電糸は、スルホン酸基を含有しているポリアミドからなるものであるため、電気的特性に優れており、一本の導電性ブラシでも転写残トナーを良好にクリーニングすることができるため、特に電子写真装置用のクリーニングブラシに使用することが好適なものである。
また、本発明の電子写真装置用ブラシは、本発明のポリアミド系導電糸を少なくとも一部に用いているため、電気的特性に優れており、長期間良好な画像を得ることが可能となり、装置の小型化、低価格化を図ることも可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明でいう電子写真装置用ブラシとは、複写機、ファクシミリ、プリンター(例えばレーザービームプリンター)等の電子写真装置に用いる各種ブラシであり、例えば現像用ブラシ、接触帯電用ブラシ、除電用ブラシ、クリーニングブラシ、トナー供給ブラシが挙げられる。本発明のポリアミド系導電糸は、中でもクリーニングブラシに好適に使用し得るものである。
本発明のポリアミド系導電糸を形成するポリアミドとは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン11、ポリメタキシレンアジパミド等が挙げられるが、中でもナイロン6が好ましい。
そして、本発明の導電糸を形成するポリアミドは、上記のようなポリアミド成分中にスルホン酸基が含有されているものである。このようにポリアミド成分中にスルホン酸基が含有されていることにより、ポリマーが改質され、電気的特性に優れるようになるものである。
本発明において、スルホン酸基を含有するポリアミドとは、ポリアミド中にスルホン酸基含有化合物が混合(ブレンド)されているものや、スルホン酸基含有化合物が共重合され、ポリアミド分子中にスルホン酸基が導入されているもののいずれであってもよい。
中でも、ポリマー改質の効果が高いため、スルホン酸基含有化合物が共重合されていることが好ましい。さらには、スルホン酸基含有化合物を1.0〜20.0モル%共重合していることが好ましい。
本発明のポリアミド系導電糸のスルホン酸基含有化合物の共重合量が1.0モル%未満では、ポリマーの改質が不十分となり、電気的特性に優れる効果が少なくなる。一方、スルホン酸基含有化合物の共重合量が20.0モル%を超えると、溶融、紡糸時の操業性が悪化するため、好ましくない。
スルホン酸基含有化合物としては、5−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、2−スルホ−パラ−クレゾキシ酢酸、3−スルホ安息香酸、4−スルホ酢酸などのスルホアルカリ金属塩が挙げられる。
なお、本発明のポリマーの改質効果を損なわない範囲であれば、他の共重合成分や各種の添加剤等を含有していてもよい。
本発明の導電糸(マルチフィラメント)を構成する各単繊維中には、導電性微粒子が含有されている。導電性微粒子としては、例えばカーボンブラック、金属粉、金属酸化物等が挙げられ、中でもカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック等)が好ましい。添加する量としては、15〜45質量%が好ましく、より好ましくは20〜35質量%である。
従来、導電性微粒子を均一に分散させた導電性繊維は製造が困難であり、得られた繊維の強度も低く、コスト高となるという問題があった。つまり、導電性微粒子として通常カーボンブラックを使用しているが、カーボンブラックは熱可塑性樹脂に比べて比熱が小さいため、カーボンブラックを含有しない繊維の場合と比較して、紡糸後の冷却速度が速いという現象が生じる。カーボンブラックの含有量が多くなるほどこの現象は顕著となるが、冷却速度が速いことにより繊維の剛直化や延伸時に糸切れが生じ、製造が困難となり、得られたとしても強度の低い繊維となっていた。
本発明においては、このような現象を考慮し、改質されたポリアミドの特性を考慮し、紡糸、延伸の製造工程の条件を適切に選択することにより、導電性微粒子が含有された改質ポリアミドのみからなる繊維を得ることができたものである。
すなわち、紡糸工程においては、紡糸口金の形状や紡糸速度、冷却条件を最適化することにより、繊維の形状の安定化、急激な冷却による繊維の剛直化を防ぎ、延伸工程においては、延伸速度、温度等の条件を最適化することによって、実用的な強度を有する繊維を安定して得ることができたものである。
このように、本発明のポリアミド系導電糸は、スルホン酸基を含有するポリアミド中に導電性微粒子を15〜45質量%含有するポリマー(A)からなる単繊維で構成されたマルチフィラメントであって、各単繊維は、ポリマー(A)のみを構成ポリマーとし、他の非導電性樹脂を用いることのない単層構造のものである。
これにより、使用により繊維形状に変化が生じたとしても導電性性能の変化がなく、繊維全体としての導電性、導電性の均一性に優れており、また、コスト的にも有利に得ることができる。
さらに、本発明のポリアミド系導電糸は、温湿度が25℃、45%RHの雰囲気中での比抵抗値が10〜1010Ω・cmである。この範囲の比抵抗値とすることで、電子写真複写機、電子写真プリンター等に用いられる各種ブラシにより適した繊維とすることができる。
比抵抗値が1010Ω・cmを超えると、電子写真複写機、電子写真プリンター等の帯電ブラシとして用いる際に、感光ドラムの表面に均一に帯電させることが困難となる。一方、比抵抗値が10Ω・cm未満であると、感光帯層にピンホール等の欠陥があった時、大電流が流入して帯電不良が発生しやすい。
また、本発明のポリアミド系導電糸は、その単糸の断面形状は特に限定するものではなく、丸形のみならず、三角、四角形等の多角形状や扁平等の異形断面形状のものであってもよい。また、中空部を有するものでもよい。
さらには、総繊度(マルチフィラメントの繊度)が50〜600dtex、単繊維の繊度が0.5〜20dtex、単繊維数10〜100とすることが好ましい。
本発明のポリアミド系導電糸は、紡糸後、未延伸糸を一旦巻き取った後、延伸工程に供して延伸を行う二工程法、紡糸後、未延伸糸を一旦巻き取ることなく連続して延伸を行う一工程法のいずれを採用してもよい。
本発明のポリアミド系導電糸の製造方法について、二工程法により製造する方法を一例を用いて説明する。
まず、ナイロン6の重合時にスルホン酸基含有化合物を添加し、分子中にスルホン酸基が導入されているナイロン6を得、チップ化する(チップ1とする)。そして、導電性微粒子とナイロン6との混練・溶融方法としては、導電性微粒子を例えば、二軸エクストルーダー等を用いて直接混練することもできるが、一旦導電性微粒子を高濃度に含有したマスターチップを作製してから混練するほうが、より均一な混練ができるため好ましい。このため、上記のようにして得た分子中にスルホン酸基が導入されているナイロン6中に導電性微粒子を高濃度に含むチップ(チップ2とする)を作成し、チップ1とチップ2を例えばエクストルーダーで混練・溶融し、ポリマー(A)を得、ポリマー(A)を紡糸口金より押し出し、溶融紡糸を行う。そして、実質的に延伸を施さず、未延伸マルチフィラメント糸を得る。
溶融紡糸の方法は特に限定するものではなく、常法によって行うことができる。紡糸温度はポリマー(A)の融点Tmに対して、Tm+10〜Tm+80℃の範囲とすることが好ましい。紡糸温度が高ぎると熱可塑性ポリマーが熱分解を起こし、円滑な紡糸が困難になるとともに得られるフィラメントの物性が劣ったものとなる。また紡糸温度が低すぎると未溶解物等が残るために均一な混練ができなくなるため好ましくない。
そして、紡糸時において、得ようとする断面形状となるように紡糸口金のスリット形状を選択し、紡糸を行う。紡出されたフィラメントを、0〜100℃、好ましくは15〜40℃の冷却風により冷却する。冷却温度をあまり低くすると温度管理及び作業性等に困難をきたし、高すぎると冷却不足となり最終的に得られるフィラメントの糸質性能が劣ったものとなる。
次いで、冷却固化したフィラメントは、実質的に延伸されることなく、500〜1500m/分で一旦巻き取られる。
そして、未延伸マルチフィラメント糸に延伸を施すが、熱処理しながら延伸を行う、熱延伸とすることが好ましい。延伸温度は50〜200℃、延伸倍率は最大延伸倍率(未延伸マルチフィラメント糸が延伸により切断する倍率のこと)の50〜80%とするのが好ましい。延伸倍率を最大延伸倍率の50%未満にすると伸度が残りすぎるため、実質的な強伸度を有する導電マルチフィラメント糸を得られにくくなるという傾向が生じる。延伸倍率が最大延伸倍率の80%を超えると、糸長方向に均一な繊度の導電マルチフィラメント糸が得られにくくなる傾向がある。
また、熱延伸時の熱処理時間を0.02秒以上となるように熱延伸を行うことが好ましい。延伸時の熱処理時間を0.02秒以上とすることにより、各単繊維が等しく延伸されるように十分な熱量を与えることができ、ゆっくりと均一に延伸される。これにより導電性微粒子の含有量が比較的多く、剛性の高い繊維であっても延伸時に糸切れが生じることなく、均一な延伸を行うことが可能となる。
熱延伸処理は、具体的には図1に示したように行われる。なお、図1は本発明の導電マルチフィラメント糸の製造方法の一実施態様を示す概略工程図である。まず、未延伸マルチフィラメント糸1を案内ローラ2を通して、引張ローラ4に引き取る。そして、案内ローラ2の下方に設けられた箱型ヒータ3の温度を50℃〜200℃とし、熱が与えられる時間を0.02秒以上とする。延伸は案内ローラ2と引張ローラ4間で施される。箱型ヒータ3に代えて、複数の加熱ローラを用いて、加熱ローラ間で熱延伸処理を施してもよい。また、延伸時に未延伸マルチフィラメント糸に負荷される張力(延伸張力)を1.0cN/dtex以下とすることが好ましい。
次に、熱延伸の後又は延伸後連続して、弛緩熱処理することが好ましい。この弛緩熱処理工程では、先の熱延伸工程において均一に配列されているが、密な連鎖状態が緩和された状態になっている導電性微粒子を、特定の低張力下、特定の温度、時間で弛緩熱処理することにより、単繊維を収縮させて、再度、密な連鎖状態にするものである。これにより、導電性を向上させるとともに、単繊維間の電気抵抗値のバラツキもより減少させることができる。
通常、延伸後の熱処理はローラ間で緊張状態で行うものであるため、繊維の熱収縮率は低下するが、上記したような、導電微粒子同士を再度、密な連鎖状態にする効果は非常に乏しい。
そこで、本発明においては、0.5cN/dtex以下の張力で0.5秒以上弛緩熱処理を行うことが好ましく、中でも、張力は0.2cN/dtex以下が好ましく、さらに好ましくは0.1cN/dtex以下である。熱処理時の張力が0.5cN/dtexを超える場合、糸条を緊張熱処理することになり繊維の熱収縮率は低下するが、導電性微粒子を再度、密な連鎖状態にすることが困難となりやすい。
また、弛緩熱処理時間は、0.5秒以上、中でも1秒以上、さらには2秒以上であることが好ましい。0.5秒未満の場合は、繊維が十分に熱収縮することができないため、導電性微粒子を再度、密な連鎖状態とする効果が乏しくなり、単繊維間の電気抵抗値のバラツキを減少させる効果も小さくなる。また、熱安定性も付与することができない。
弛緩熱処理温度は70℃〜200℃とすることが好ましく、中でも100℃〜190℃、さらには140℃〜180℃とすることが好ましい。弛緩熱処理温度が70℃未満であると、繊維を十分に熱収縮させることが困難となるため、弛緩熱処理が不十分となり、上記したような効果を奏することが困難となる。一方、弛緩熱処理温度が200℃を超えると、熱融着を生じる場合があり好ましくない。
このような弛緩熱処理は、図1に示した熱処理装置6(鞍型ヒータ5及び加熱ローラ7を有する装置)を用いて行えばよい。熱処理装置6を通過したマルチフィラメント糸は、トラベラ8で巻き取られ、導電マルチフィラメント糸が得られる。
次に、本発明の電子写真装置用ブラシについて説明する。
本発明のブラシは、本発明のポリアミド系導電糸を少なくとも一部に使用したものであり、ブラシ中に占める本発明のポリアミド系導電糸の割合は50質量%以上とすることが好ましく、中でも、本発明のポリアミド系導電糸のみからなるものとすることが好ましい。ブラシの形態等は特に限定されるものではないが、本発明の繊維をパイル織物に製織した後、このパイル織物をテープ状に裁断し、円筒状のシャフトの表面に螺旋状に巻き付けてブラシとしたものが挙げられる。また、本発明の繊維を短繊維にカットしてフロッキー加工により布帛面に接着し、この布帛を同様にテープ状とし、シャフトの表面に螺旋状に巻き付けてブラシとしたものも挙げられる。
そして、本発明のブラシは、上記のようにシャフトの表面に螺旋状にパイル布帛等を巻き付けた後、ブラシ表面の繊維を開繊し、ブラシ表面を整えるために、熱水処理によるヒートセットを行うことが好ましい。
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例、比較例における各種の値の測定方法及び評価は以下のように行った。
〔比抵抗値〕
本発明の導電糸を長さ方向に沿って、100m間隔で、長さ10cmの試験片を20個採取した。10cmの試験片の間(両端間)に50Vの電圧をかけて、測定環境25℃、45%RHの条件下、東亜電波工業株式会社製の抵抗値測定機「SM−10E」を使用して、その電気抵抗値R(Ω)を測定し、下記の数式により20個の試験片の比抵抗値(ρ)(Ω・cm)を求め、その平均値を比抵抗値とした。
比抵抗値(ρ)(Ω・cm)=R(Ω)×(S/L)
式中、Rは試験片の電気抵抗値(Ω)、Sは試験片の断面積(cm2)、およびLは試験片の長さ(10cm)を示す。ただし、ここではS=Dtex/(1000000×d)であり、Dtexとは導電糸の総デシテックス数をそのまま質量(g)として読みかえた値を示し、dは繊維の密度を示す。
〔クリーニング評価〕
得られたポリアミド系導電糸のみを用い、得られた導電糸を用いて、パイル密度1000本/2.54cm、パイル長7mm、生地幅15mmのパイルテープを製織した後、直径6mmの円筒面に螺旋状に巻き付けて、直径14mmのブラシを作成した。
ブラシを電子写真複写機のクリーニングブラシとして装着し、マイナス帯電OPCドラム、マイナス帯電トナー、プロセス速度100mm/sec、ブラシ回転数60rpm、ドラムに対しカウンター回転、食い込み1mmの条件でクリーニングを行った。
このときのクリーニングブラシ通過前トナー量(Pw)、通過後トナー量(Aw)を測定し、クリーニング性(Vc)=Aw/Pwとして算出した。
Vcが0.1未満ならば○、0.1以上ならば×とした。
〔紡糸・延伸操業性評価〕
24時間連続して操業を行い、一錘あたりの糸切れ回数で以下の3段階評価とした。
○:紡糸、延伸時の糸切れ回数の合計が0〜2回
△:紡糸、延伸時の糸切れ回数の合計が5回以下、もしくはいずれかの糸切れ回数が3回以上
×:紡糸、延伸時の糸切れ回数の合計が6回以上
実施例1
5−スルホイソフタル酸を3.0質量%共重合し、相対粘度2.54(96%硫酸を溶媒として、濃度1g/d1、温度25℃で測定)のナイロン6に、導電性微粒子としてカーボンブラックを23質量%含有させた。そして、エクストルーダー型溶融押出機に供給し、紡糸温度255℃で溶融し、孔径0.35mmの紡糸孔径を96個有する紡糸口金より吐出させて、捲取速度600m/分で未延伸糸を巻き取った。
次いで得られた未延伸糸を熱延伸機に供給して、150℃の箱型ヒータ(延伸温度150℃)で加熱しながら、熱処理時間が0.1秒、延伸張力が0.5cN/ dtexとなるように、最大延伸倍率の60%で延伸し、次いで弛緩熱処理機に供給して、170℃の鞍型ヒータ(弛緩熱処理温度170℃)で加熱しながら、熱処理時間が3秒、張力が0.05cN/ dtexとなるように熱弛緩処理を行い、220dtex/96fのポリアミド系導電糸を得た。
実施例2〜9、比較例1〜3
5−スルホイソフタル酸の共重合量、カーボンブラック含有量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、紡糸・延伸・弛緩熱処理を行ってポリアミド系導電糸を得た。
実施例1〜9、比較例1〜3で得られたポリアミド系導電糸の特性値、評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜9で得られたポリアミド系導電糸は、比抵抗値がいずれも10〜1010Ω・cmの範囲内であり、またクリーニング性(Vc)が0.1未満であり、ポリアミド系導電糸からなるブラシのクリーニング性は良好であった。
一方、比較例1のポリアミド系導電糸は、スルホン酸基を含有しないポリアミドであったため、比抵抗値が106.6Ω・cmであるものの、クリーニング性(Vc)に劣るものであった。比較例2のポリアミド系導電糸は、カーボンブラックの含有量が少なすぎたため、比抵抗値が1013Ω・cmであり、クリーニング性にも劣るものであった。比較例3のポリアミド系導電糸は、カーボンブラックの含有量が多すぎたため、紡糸、延伸時の操業性に劣るものであった。
本発明のポリアミド系導電糸の製造方法の一実施態様を示す概略工程図である。
符号の説明
1 未延伸糸マルチフィラメント糸
2 案内ローラ
3 箱型ヒータ
4 引張りローラ
5 鞍型ヒータ
6 熱処理装置(鞍型ヒータ5及び加熱ローラ7を有する装置)
7 加熱ローラ
8 トラベラ

Claims (4)

  1. スルホン酸基を含有するポリアミド中に導電性微粒子を15〜45質量%含有するポリマー(A)からなる単繊維で構成されたマルチフィラメントであって、温湿度が25℃、45%RHの雰囲気中での比抵抗値が10〜1010Ω・cmであるポリアミド系導電糸。
  2. スルホン酸基を含有するポリアミドが、スルホン酸基含有化合物を1.0 〜20.0モル%共重合しているポリアミドである請求項1記載のポリアミド系導電糸。
  3. ポリアミドがナイロン6である請求項1又は2記載のポリアミド系導電糸。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド系導電糸を少なくとも一部に使用した電子写真装置用ブラシ。
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