JP2013122582A - 帯電部材、電子写真画像形成装置および電子写真画像形成方法 - Google Patents

帯電部材、電子写真画像形成装置および電子写真画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い電荷注入効率を示す帯電部材の提供。
【解決手段】該帯電部材は、導電性の基体と、一方の端が該基体に結合されている導電性繊維とを有する。該導電性繊維は、熱可塑性樹脂からなる芯部と、該芯部を被覆している鞘部とを有し、該鞘部は、熱可塑性樹脂、および、絡み合っている複数のカーボンナノチューブを含み、該導電性繊維は、その先端部においては、該カーボンナノチューブが表面に露出している。
【選択図】図1

Description

本発明は、帯電部材、電子写真画像形成装置および電子写真画像形成方法に関する。
電子写真画像形成装置における接触帯電の帯電機構(帯電メカニズム、帯電原理)には、(1)放電帯電機構と(2)直接注入帯電機構の2種類の帯電機構が知られている。
直接注入帯電機構は、接触帯電部材から電子写真感光体などの被帯電体へ電荷が直接注入されることで、被帯電体表面を帯電するものである。接触帯電部材としての帯電ブラシを使用した帯電装置は、機構的に簡易であり、コスト的にも帯電ローラを使用したローラ帯電方式より有利なため実用化されつつある。
帯電ブラシによる帯電では、電子写真感光体の表面に帯電ブラシの導電性繊維からなるブラシ毛を均一に接触させる必要がある。そのため、当該導電性繊維としては、例えばナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンやポリプロピレンなどの基材樹脂中にカーボン等の導電性フィラーを分散させた導電性繊維が使用されている。
このような導電性繊維は、例えば基材樹脂と導電性フィラーが所望の組成に調整された樹脂コンパウンドペレットを、例えばエクストルーダーで混練・溶融し、紡糸口金より押し出し、冷却・延伸を行うことにより製造される。
ところが、かかる導電性繊維は、その表面に導電性フィラーが分布する割合は、数パーセント以下であるのが通常である。つまり、導電性繊維の表面のほとんどが、絶縁性の基材樹脂が露出している状態である。導電性繊維の先端部分から被帯電体への電荷注入は、被帯電体に直接接触している、導電性繊維の表面の導電性フィラーからのみ行われる。
すなわち、導電性フィラーが存在しない基材樹脂部分からは電荷注入が行われない。そのため、表面の大半が絶縁性の樹脂が露出している導電性繊維で形成されてなる帯電ブラシによる被帯電体への接触注入帯電においては、電荷の注入効率の点で未だ改善の余地が大きいと言える。
特許文献1には、導電性繊維の最外層のみにカーボンナノチューブが保持され、カーボンナノチューブの一端が導電性繊維から外部に突出している帯電ブラシが提案され、電子写真感光体の表面への均一な帯電が可能になることが記載されている。
また、特許文献2には、帯電部材において、基材樹脂中に分散された導電性フィラーとしてのカーボンナンナノチューブを繊維の長さ方向にほぼ揃った導電性繊維を使用することにより、導電性繊維の抵抗値のばらつきが小さくなることが記載されている。
また、特許文献3には、熱可塑性重合体からなる芯部と導電性微粒子を混合した熱可塑性重合体からなる鞘部からなる導電性繊維とそれからなる帯電ブラシが提案され、電子写真感光体の表面への均一な帯電が可能になることが記載されている。
特許第4119072号公報 特開2007−34196号公報 特開平11−65227号公報
しかしながら、上記した特許文献1〜3に係る帯電ブラシも、本発明者らの検討によれば、今後、電子写真画像形成装置に望まれる高速化や高画質化の注入帯電条件に鑑みると、後述する理由により、電子写真感光体の表面に十分な帯電電位を付与することが困難であることが予想される。
特許文献1に記載されている帯電部材は、導電性繊維の最外層のみにカーボンナノチューブが保持され、カーボンナノチューブの一端が導電性繊維から外部に突出している帯電ブラシとして提案されている。ところが、カーボンナノチューブの長手方向の一部を繊維表面から突出させた状態では、感光体表面に接触した導電性繊維の先端部全面からの電荷注入は困難であり、特に高速注入帯電時の注入効率の向上を期待できない。
さらに、導電性繊維の最外層のみにカーボンナノチューブが保持された繊維においては、カーボンナノチューブ以外の導電性フィラーを含有する導電性繊維を作製する必要があり、繊維の細繊維化と糸抵抗を同時に満たす繊維の作製が困難である。
また、特許文献2に記載されている導電性繊維は、基材樹脂中に分散されたカーボンナノチューブの向きが、基材樹脂の内部において糸の長さ方向にほぼ揃っている。そのため、感光体に対して注入帯電が行われる際、導電性繊維の表面に存在する高抵抗のスキン層が感光体に接触することになる。そのため、導電性繊維の側面からの電荷注入はほとんど行われず、高効率な電荷注入が期待できない。
さらに、特許文献3に記載されている帯電ブラシでは、熱可塑性重合体からなる芯部と導電性微粒子を混合した熱可塑性重合体からなる鞘部からなる導電性繊維が提案されている。しかし、導電性繊維の表面、すなわち鞘部の表面には熱可塑性重合体からなるスキン層が存在するため、これを用いた帯電ブラシでは帯電効率が悪いことが予測される。
さらに、カーボンブラック等の導電性微粒子を混合した鞘部が非導電性成分を完全に包み込む芯鞘構造繊維においては、均一帯電可能な抵抗値を有する導電性繊維の作製のために、鞘部に数十質量%以上のカーボンブラック等の導電性微粒子を含有させる必要がある。そのため、導電性繊維の作製が困難であり、または作製可能であっても導電性繊維の機械的特性が劣化するものと考えられる。
そこで、本発明の目的は、高い電荷注入効率を示す帯電部材を提供することにある。また、本発明の他の目的は、高品位な電子写真画像を形成し得る電子写真画像形成装置を提供することにある。更に、本発明の目的は、高品位な電子写真画像の形成に資する電子写真画像形成方法を提供することにある。
本発明によれば、導電性の基体と、一方の端が該基体に結合されている導電性繊維とを有する帯電部材であって、該導電性繊維は、熱可塑性樹脂からなる芯部と、該芯部を被覆している鞘部とを有し、該鞘部は、熱可塑性樹脂、および、絡み合っている複数のカーボンナノチューブを含み、該導電性繊維は、その先端部においては、該カーボンナノチューブが表面に露出している帯電部材が提供される。
また、本発明によれば、上記の帯電部材と、該帯電部材の導電性繊維の先端部が接触するように配置されている電子写真感光体とを有する電子写真画像形成装置が提供される。
更に、本発明によれば、上記の帯電部材と電子写真感光体との間に帯電のためのバイアスを印加し、該帯電部材の導電性繊維の先端部分と該電子写真感光体との間に導電パスを形成させることにより該電子写真感光体を帯電させる工程と、帯電された該電子写真感光体の表面に露光して静電潜像を形成する工程と、該静電潜像を現像する工程と、を有する電子写真画像形成方法が提供される。
本発明によれば、高い電荷注入効率を示す帯電部材を得ることができる。また、本発明によれば、高品位な電子写真画像を形成し得る電子写真画像形成装置を得ることができる。さらに、本発明によれば、高品位な電子写真画像の形成に資する電子写真画像形成方法を得ることができる。
本発明に係る帯電部材の概略図である。 本発明に用いるリボン状パイル織物断面を示す概略図である。 実施例1および2に係る導電性繊維の先端部近傍の径方向の断面に存在するカーボンナノチューブの分散状態の模式図である。 実施例5に係る導電性繊維の径方向の断面図である。(a)導電性繊維の先端部の径方向の断面図である。(b)導電性繊維の先端部の斜視図である。 実施例3に係る導電性繊維の先端部の径方向の断面図である。 比較例1に係る導電性繊維の径方向の断面図である。 本発明に係る電子写真画像形成装置の概略図である。 本発明に係る導電性繊維の径方向の断面図である。(a)基体側の径方向断面図である。(b)、(c)先端部の径方向断面図である。 導電性繊維の評価に用いる走査型プローブ顕微鏡の説明図である。 本発明に係る導電性繊維の紡糸に用いる芯鞘型複合ノズルの説明図である。 (a)芯鞘型複合ノズルの平面図である。(b)芯鞘型複合ノズルの1つのノズルの断面図である。
以下に、本発明に係る帯電部材について詳細に説明する。
図1は本発明に係る帯電部材の一実施形態を示す帯電ブラシ3の断面を模式的に示している。帯電ブラシ3は、基体13の表面に導電性接着層12によって導電性繊維11が結合させられている。
図8は、1本の導電性繊維11の径方向の断面図であり、図8(a)は基体に近い側の径方向の断面を示し、図8(b)および(c)は被帯電体である電子写真感光体と接触する先端部の径方向の断面を示す。
図8(a)において、21は樹脂122からなる芯部である。そして、芯部21は、鞘部22によって被覆されている。鞘部22は、カーボンナノチューブ121および基材としての樹脂122を含み、かつ、基材樹脂122中でカーボンナノチューブ121が絡み合ってなる構成を有する。また、基体側では、鞘部22は、熱可塑性樹脂を含む最外層23に被覆されている。
一方、図8(b)および(c)に示したように、導電性繊維11の先端部分、すなわち、図1における符号10で示す部分においては、最外層23が存在しない。そして、導電性繊維11の先端部分10は、例えば、図8(b)に示したように、芯部21と、該芯部を被覆し、カーボンナノチューブ121が絡み合ってなる構成を有する鞘部22で構成されている。
あるいは、先端部分10は、図8(c)に示したように、芯部21と、該芯部を被覆し、基材樹脂中にカーボンナノチューブ121が絡み合ってなる構成を有する第一の鞘部22と、さらに第一の鞘部22を被覆し、カーボンナノチューブ121が絡み合ってなる構成を有する第二の鞘部24で構成されている。ここで、第一の鞘部22および第二の鞘部24は、複数のカーボンナノチューブが絡み合ってなる構成を有する。
図8(b)または図8(c)に示したように、導電性繊維11の先端部分10においては、絡み合ったカーボンナノチューブが表面に露出し、電子写真感光体との接触によって導電パスを形成可能な放電点が多数存在しているものと考えられる。
鞘部22の構成成分であるカーボンナノチューブは、長さLが1μm以上5μm以下、直径Dに対する長さLの比であるアスペクト比L/Dが150以上400以下であることが好ましい。カーボンナノチューブの長さLを5μm以下、アスペクト比L/Dを400以下とすることによって、溶融紡糸法によって導電性繊維を形成した際にも、カーボンナノチューブが繊維の紡糸方向に配向することが抑制され、鞘部のカーボンナノチューブをより良く絡み合わせることができる。
カーボンナノチューブの具体例としては、単一のグラフェンからなる円筒状のチューブである単層カーボンナノチューブ、2つ以上の径の異なるグラフェンからなる円筒状のチューブが重なった多層カーボンナノチューブ等を挙げられる。
芯部21、鞘部22および最外層23中に含まれる熱可塑性樹脂としては、例えばナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイドやポリエーテルエーテルケトンが挙げられる。また、2種以上の樹脂からなる混合樹脂であってもよい。
本発明に係る導電性繊維は、芯部21には上記の熱可塑性樹脂ペレットを、鞘部22には上記熱可塑性樹脂にカーボンナノチューブを分散させた樹脂コンパウンドのペレットを、芯鞘型複合ノズルを用いて、溶融紡糸法により製造することができる。鞘部の原料として用いられる樹脂コンパウンドのペレットは、例えば以下の方法により製造することができる。すなわち、その方法とは、基材樹脂ペレットを凍結粉砕し所望の粒度分布とした基材樹脂微粉末をカーボンナノチューブと混合し、二軸エクストルーダー等を用いて、混練・溶融したものをペレット化する方法である。
溶融紡糸法による導電性繊維の製造方法としては、図10に示す複合ノズルから、芯部を構成する熱可塑性樹脂の溶融物、および、熱可塑性樹脂とカーボンナノチューブを含む鞘部形成用の樹脂混合物の溶融物を押し出すことにより形成される。芯鞘型複合ノズル4は、図10(a)は複合ノズルの平面図、図10(b)は、1つのノズルの断面図である。
図10(a)及び(b)に示したように、複合ノズルは、36個の丸形孔が窄孔された口金板401と、口金板の上面に配置され、前記口金板の丸形孔に対応する分配孔を窄孔した分配板402を張り合わせた構造を有する。分配孔へ芯部形成用の熱可塑性樹脂の溶融物404が流通するパイプ403が挿着され、該パイプの外側を鞘部形成用のカーボンナノチューブを含有する熱可塑性樹脂混合物の溶融物405が流通し、溶融物404の周囲が溶融物405で囲まれた芯鞘状の繊維が、口金板の丸形の紡糸口406から押し出される。
前記紡糸口から押し出された繊維は、その後の、冷却過程で熱可塑性樹脂からなる芯部と、その芯部を被覆し熱可塑性樹脂中にカーボンナノチューブを含む鞘部と、さらにその鞘部を被覆し熱可塑性樹脂を含む最外層とからなる3層構造を有する導電性繊維が形成される。
熱可塑性樹脂からなる最外層23の形成について、以下に説明する。複数の丸形孔の口金を有する芯鞘型複合ノズルの口金内面を溶融状態の樹脂が流れる際に、溶融状態の樹脂の先端部においては、口金断面の中心から周囲の口金内面へ噴出するように流動する。これはファウンテン流動と呼ばれているが、この際、口金内面に接した溶融状態の樹脂は、口金内面で急冷されスキン層(以降、「最外層」ともいう)を形成する。溶融状態の樹脂中にカーボンナノチューブを含むフィラーが含有されている場合には、前記スキン層中には、カーボンナノチューブを含むフィラーは含有されず、樹脂のみで形成される。
このように、芯部、該芯部の周囲を被覆する鞘部および該鞘部の外側を覆う最外層とからなる3層の芯鞘構造を有する導電性繊維は、冷却後処理剤を付着せしめた後、100〜10000m/min、好ましくは300m/min〜2000m/minの巻き取り速度で巻き取られる。ここで、芯鞘型複合ノズルから押し出される繊維は、1本のモノフィラメントよりも、複数の繊維の束からなるマルチフィラメントが好ましく、その繊維一束の本数は、20〜200本が好ましい。また、付着せしめる処理剤は、含水系あるいは非含水系の処理剤が好ましい。
本発明に係る導電性繊維は、まず、3層構造を有する導電性繊維を形成した後、先端部分の最外層を除去し、鞘部を露出させることで得ることができる。ここで、最外層の除去には、例えば酸素プラズマ処理、アルカリ水溶液処理が好適に用いられる。
酸素プラズマ処理は、真空容器内に酸素ガスを導入して減圧状態に保持し、真空容器と真空容器内に設置した多孔金属円筒電極の間に酸素プラズマを誘起し、前記多孔金属円筒電極内に設置した帯電ブラシの表面を処理するものである。前記多孔金属円筒電極内に帯電ブラシを設置することにより、プラズマ中のイオンや電子を制御することで、酸素原子ラジカルにより、帯電ブラシを構成する芯鞘構造を有する導電性繊維の先端部表面の最外層を除去することが可能となる。プラズマ生成条件は、装置構成及び処理物の大きさにより、好適に選択されるが、高周波電力としては、30W〜500Wが、また酸素ガス流量は30sccm〜200sccmが好ましい。
酸素プラズマ処理時間については、被処理物(導電性繊維)の過熱を抑え、かつ、十分な酸素プラズマ処理を行うために、2分以上60分以下が好ましい。また、酸素プラズマ処理を10分以上行う場合には、10分毎に数分間プラズマ処理を中断し、帯電ブラシ表面の温度を低下させることが好適である。
さらに前記鞘部および最外層を構成する熱可塑性樹脂がポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルの場合には、アルカリ水溶液処理が好適に用いられる。
アルカリ水溶液処理としては、50℃〜100℃に保持された、数質量%の水酸化ナトリウム溶液または水酸化カリウム溶液中に、数10分〜数100分保持することが好適である。
ところで、注入帯電では、電位の収束性を確保するため、電子写真感光体が帯電ブラシと接触しているニップを通過する時間が、帯電ブラシ部材外周表面の導電性繊維の抵抗と感光体の静電容量からなる時定数の約5倍以上になることが望ましい。例えば、有機系の電子写真感光体と比較して誘電率が高いアモルファスシリコン感光体は、200mm/sec以上の周速で使用されることがある。この場合、つまり時定数が2msec以下になる場合は、電子写真感光体と帯電ブラシの先端部の接触部分、所謂侵入量は数100μm以上であることが好ましく、また電子写真感光体に接触しているニップの感光体回転方向の幅がある程度あることが好ましい。
そのため、一般的に、電子写真感光体の半径と帯電部材の半径の合計から、電子写真感光体と帯電部材の回転軸間の距離を引いた値である所謂侵入量は400μm以上が好ましい。このため、熱可塑性樹脂からなる芯部と、該芯部を被覆し熱可塑性樹脂中に3次元的に絡み合っている複数のカーボンナノチューブを含んでいる鞘部と、さらに該鞘部を被覆してなる熱可塑性樹脂を含む最外層とからなる3層芯鞘構造を有する導電性繊維の先端部において、鞘部が露出する範囲は、導電性繊維の先端部から少なくとも400μm以上が好ましい。
本発明で用いられる導電性繊維1本当たりの電気抵抗値は、感光体の一部への電流集中による感光体破壊を防止するために、1×10Ω以上が好ましい。また、時定数が2msec以下になる注入帯電条件でも帯電電位を安定させるためには、必要に応じて、導電性繊維1本当たりの抵抗値を1×1010Ω以下にすることが好ましい。
以上から、帯電ブラシの導電性繊維1本当たりの電気抵抗値は、1×10Ω以上1×1010Ω以下が好ましい選択範囲である。
本発明に係る帯電部材の基体としては、金属、合金などの導電性材料が好ましく用いられるが、絶縁体や半導体に導電性金属をコートした基体であってもよい。具体的には、ステンレス鋼(SUS)、AlやAl合金、FeやFe合金、CuやCu合金、NiやNi合金等であり得る。あるいは、前記金属や合金の表面に導電性ゴム層を設けたものであってもよい。
本発明に係る帯電ブラシとしては、以下の2つの方法で製造されるものを具体的に挙げることができる。
1)溶融紡糸法により製造された導電性繊維の複数本を集めた束が織り込まれた帯状の基布を、導電性の芯金軸に螺旋状に巻回することによる製造される織りブラシ。
2)溶融紡糸法により製造された導電性繊維を、長さ0.5mm〜3mm前後にカットし、その後静電気を利用して飛翔させ、あらかじめ導電性接着層が塗布された基体に植え付ける、いわゆる静電植毛法で製造される静電植毛ブラシ。
織りブラシの製造方法を以下に説明する。まず、溶融紡糸法により製造された導電性繊維を緯糸に用いて製造された、導電性繊維のパイルを有する緯パイル織の基布を得る。導電性繊維からなるパイルの長さは例えば0.5〜5mmとする。
次いで、前記基体表面に導電性接着剤を、例えばスプレー法で、20μm〜100μmの厚さでコートする。その後、前記基布の導電性繊維の起立していない面を、前記導電性接着剤を塗布した面に、螺旋状に巻回して貼り合わせ、その後60℃〜100℃の乾燥機で数時間乾燥する。
静電植毛ブラシの製造法は以下の通りである。溶融紡糸法により製造された導電性繊維を長さ0.5mm〜3mm前後にカットし、カットパイルを得る。次に、前記基体表面に導電性接着層を形成する。次に、導電性接着層が塗布された基体を軸線まわりに回転させながら、その下方に電極版を配置する。次に、電極板上に前記カットパイルを載置し、電極板と基体とを高電圧電源に接続することで、カットパイルが飛翔して基体上の導電性接着層に植毛される。
基体の表面に形成する導電性接着層は、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系樹脂の接着剤に導電性フィラーを分散させた導電性接着剤をスプレー法によって厚さ50〜200μmで塗布し、その後熱硬化させて形成することができる。
また、本発明に用いられる導電性接着層の抵抗率の値は、1.0×10Ωcm以上、1.0×10Ωcm以下が好ましい範囲である。
図7に示すように、本発明の一実施形態による電子写真画像形成装置は、上述した帯電ブラシからなる帯電部材3と、前記帯電部材により帯電され潜像が形成される感光体(感光ドラムともいう)201とを有する。感光体201は帯電部材3の導電性繊維の表面が接触するように配置される。
電子写真感光体201としては、例えば、直径φが80mmの負帯電性のa−Si系感光ドラムを用い、感光体の回転速度は300mm/secである。前露光ランプ202には、波長660nmのLEDを用い、帯電直前の感光ドラムの表面電位を均一に低下させるために感光ドラム表面を露光する。
帯電装置としては、上述したカーボンナノチューブを含有した導電性繊維を有する帯電ブラシ3を用いる。そして、導電性繊維の先端部において露出したカーボンナノチューブと感光ドラムの表面とを接触させることによって導電パスを形成させ、感光ドラムの表面を帯電させる。
次いで、画像信号により変調されたレーザー光203により走査露光が行われ、感光ドラム上に静電潜像を形成する。
現像器204には、マグネットローラを内包した4色の現像スリーブ(M、Y、C、K)上に、現像剤をコーティングし、図示しない現像器用電源を用いて現像バイアスを印加することによって、感光ドラム上にトナーが現像される。現像剤としては、例えば、粒径が、約7μmの負帯電性トナーと、約35μmの現像用磁性粒子とを用いる。現像スリーブは、感光ドラムと同方向に回転し、その周速は約450mm/secである。感光ドラムに対向しているマグネットローラの磁極は90mTであり、現像スリーブと感光ドラムとの隙間は350μmとする。
転写装置は、直径φ16mmの導電性スポンジローラ205と直流電源206とからなり、被転写部材209を被転写部材搬送ベルトを介して、導電性スポンジローラ205と感光体201との間に挟んで、直流電源206からトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで被転写部材上にトナーを移動させる。
クリーナー207としては、厚さ2mmのウレタン製のクリーニングブレードを用い、転写残トナーをクリーニングブレードで感光ドラム上から掻き落とすことによりクリーニングを行う。
本発明で用いる帯電装置に装着される帯電ブラシは、外径20mmであり、感光体に対して回転軸を平行になるように配置する。帯電ブラシの半径と感光体の半径を加えた値から、各々の回転軸間の距離を引いた値である、所謂侵入量は、750μmとする。帯電ブラシの回転方向は感光体と同じにすることで、感光体と帯電ブラシとの接触領域ではお互い逆方向に移動するようにし、帯電ブラシの回転速度は450mm/sec〜900mm/secとする。
帯電のためのバイアスとして、−700Vの直流電圧を電源208より印加する。本実施例では直流のみであるが、正弦波のような交流電圧を重畳してもよい。
以上のように帯電ブラシを搭載した画像形成装置を用いて作像動作を行うことにより、良好な画像出力を行うことが可能となる。
これまで述べてきたように、本発明に係る帯電ブラシは、絡み合っているカーボンナノチューブを含み、かつ、当該カーボンナノチューブが繊維の先端部で露出している。そのため、感光体の表面と帯電部材の繊維先端部との接触抵抗が低減され、また、高効率な電荷注入が可能となる。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
固有粘度(以下IV値と略す)が0.8であり、直径3mm、長さ5mmのポリエチレンテレフタレートペレットを凍結粉砕後、分級により粒径20μm以下の微粉末を作製した。次に、粒径20μm以下のポリエチレンテレフタレート微粉末と、長さが5μm以下で平均長さが3μm、アスペクト比が400以下で平均アスペクト比が200のカーボンナノチューブを、カーボンナノチューブが5質量%になるようにドライブレンドした後、二軸エクストルーダーで混練・溶融することで、カーボンナノチューブが均一に分散されたポリエチレンテレフタレート樹脂コンパウンドのペレットを作製した。
次に、カーボンナノチューブが均一に分散されたポリエチレンテレフタレート樹脂コンパウンドのペレットとIV=0.95のポリエチレンテレフタレートペレットを、140℃で、4時間乾燥させた。
次に、鞘部形成用の材料としての、前記カーボンナノチューブが均一に分散されたポリエチレンテレフタレート樹脂コンパウンドのペレット、および、芯部形成用の材料としての、IV=0.95のポリエチレンテレフタレートペレットを各々、二つの二軸エクストルーダーに別々に導入した。そして、それらを紡糸温度290℃にて、口径0.3mm、孔数が36個の丸形孔の口金を有する芯鞘型複合ノズル(図10参照)から、芯部と鞘部の断面積の比率が5:5になるように、各ペレットの溶融物を吐出させて紡糸した。
得られた紡出糸条は、冷却長1mの冷却装置(ユニフロータイプ)を用いて風温25℃、風速0.5m/秒の冷却風によって冷却・固化させつつ、1000m/分で巻き取りホイールに巻き取って、繊維径38μmの導電性繊維からなる未延伸マルチフィラメント糸を作製した。なお、冷却・固化の過程において、紡出糸条には、油剤(実効成分10質量%濃度)を付着させた。
次いで、得られた未延伸マルチフィラメント糸を、温度150℃で、延伸倍率が2倍となるように熱延伸処理して36本の、繊維径が24μmの導電性繊維からなる延伸マルチフィラメント糸を作成した。
得られた延伸マルチフィラメント糸から1本の導電性繊維を抜き取り、その導電性繊維の表面及び断面のSEM観察を行った。その結果、導電性繊維は、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる芯部と、その芯部を被覆しポリエチレンテレフタレート樹脂中に絡み合ったカーボンナノチューブを含む鞘部と、さらにその鞘部を被覆しポリエチレンテレフタレート樹脂を含む最外層とからなる3層芯鞘構造を有していた。
次に、前記3層芯鞘構造を有する導電性繊維36本からなる延伸処理後のマルチフィラメント糸を用いて、図2に示すように幅15mmのリボン状のパイル織物を作製した。リボン状のパイル織物をアルミパイプに巻き付けた状態で、真空容器内の多孔金属円筒電極内にアルミパイプの両端のみを支持する状態で設置し、前述の酸素プラズマ処理を、周波数13.56MHz、供給電力350W、酸素ガス流量150sccmで15分間行った。
酸素プラズマ処理後のリボン状のパイル織物から1本の導電性繊維を抜き取り、導電性繊維のプラズマ処理側先端部の表面および断面のSEM観察を行った。SEM観察の結果から、図3に示したように、鞘部を被覆していたポリエチレンテレフタレート樹脂を含む最外層は除去され、さらに繊維表面の鞘部において、カーボンナノチューブが鞘部の表面および内部において、絡み合ったネットワーク組織を構成していることが分かった。また、導電性繊維の先端部の表面には、絡み合ったカーボンナノチューブが露出していた。なお、この導電性繊維1本当たりの電気抵抗値は、8×10Ωであった。
[実施例2]
実施例1において、鞘部のカーボンナノチューブの含有量を4質量%としたこと以外は実施例1と同様の溶融紡糸法により、繊維径38μmの未延伸マルチフィラメント糸を作製した。次に、実施例1と同じ条件で熱延伸処理を行い、36本の、繊維径24μmの芯鞘構造を有する導電性繊維からなるマルチフィラメント糸を作製した。
次に、前記3層芯鞘構造を有する導電性繊維36本からなる延伸処理後のマルチフィラメント糸を用いて、図2に示すような幅15mmのリボン状のパイル織物を作製した。次に、このリボン状のパイル織物をアルカリ水溶液処理した。アルカリ水溶液処理は濃度3質量%、温度65℃の水酸化ナトリウム水溶液中に、リボン状パイル織物を構成する導電性繊維先端部全面を浸漬し、緩やかに撹拌しながら240分間保持することで行った。処理後、十分に水で洗浄した後、70℃で90分間乾燥処理を行った。
乾燥後、リボン状のパイル織物から1本の導電性繊維を抜き取り、水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬されていた導電性繊維の先端部の表面および断面のSEM観察を行った。その結果、図3に示したように、鞘部22を被覆していたポリエチレンテレフタレート樹脂を含む最外層は除去されていること、そして、芯部21を被覆している鞘部22においては、基材樹脂中にカーボンナノチューブが3次元的に絡み合っており、かつ、鞘部22の表面に、3次元的に絡み合っているカーボンナノチューブが露出していることが分かった。また、導電性繊維1本当たりの抵抗値は、1×10Ωであった。
[実施例3]
溶融粘度が10Pa・sで、直径3mm、長さ5mmのポリフェニレンサルファイドペレットを凍結粉砕後、分級により、粒径が100μm以下で、平均粒径が60μmの微粉末を作製した。溶融粘度は、キヤピラリーレオメーターを用いて、310℃、剪断速度1000/秒の条件で測定した値である。
次に、上記ポリフェニレンサルファイド微粉末と、長さが5μm以下で平均長さが3μm、アスペクト比が400以下で平均アスペクト比が200のカーボンナノチューブを、カーボンナノチューブが6質量%になるようにドライブレンドした後、二軸エクストルーダーで混練・溶融することで、カーボンナノチューブが均一に分散されたポリフェニレンサルファイド樹脂コンパウンドのペレットを作製した。
次に、前記カーボンナノチューブが均一に分散されたポリフェニレンサルファイド樹脂コンパウンドのペレットを鞘部に、溶融粘度が40Pa・sのポリフェニレンサルファイドペレットを芯部になるように、実施例1と同様の溶融紡糸法により、芯部と鞘部の断面積比が8:2で繊維径42μmの導電性繊維からなる未延伸マルチフィラメント糸を作製した。次に、実施例1と同じ条件で熱延伸処理を行い、36本の、繊維径29μmの芯鞘構造を有する導電性繊維からなるマルチフィラメント糸を作製した。
36本の導電性繊維からなるフィラメント糸から導電性繊維1本を抜き取り、その繊維の表面及び断面のSEM観察を行った結果、繊維は、ポリフェニレンサルファイド樹脂からなる芯部と、その芯部を被覆しポリフェニレンサルファイド樹脂中にカーボンナノチューブを含む鞘部と、さらにその鞘部を被覆しポリフェニレンサルファイド樹脂を含む最外層とからなる3層芯鞘構造を有していることが分かった。
次に、前記3層芯鞘構造を有する導電性繊維36本からなる延伸処理後のマルチフィラメント糸を用いて、図2に示すような幅15mmのリボン状のパイル織物作製後、酸素プラズマ処理を行った。
酸素プラズマ処理後のリボン状のパイル織物から導電性繊維を1本抜き取り、導電性繊維のプラズマ処理した側の先端部の表面および断面のSEM観察を行った。SEM観察の結果から、図5に示したように、鞘部を被覆していたポリフェニレンサルファイド樹脂を含む最外層は除去されていること、および、鞘部においては、カーボンナノチューブが鞘部の表面および内部において、絡み合ったネットワーク組織を構成していることが分かった。また、鞘部の表面には、絡み合ったカーボンナノチューブの露出が確認できた。なお、この導電性繊維1本当たりの抵抗値は、2×10Ωであった。
[比較例1]
実施例1で、熱延伸後で36本の、繊維径24μmの芯鞘構造を有する導電性繊維からなるマルチフィラメント糸から1本の導電性繊維を抜き取り、導電性繊維の表面および断面のSEM観察を行った。SEM観察の結果から、図6に示した模式図のように、繊維はポリエチレンテレフタレート樹脂からなる芯部と、その芯部を被覆しポリエチレンテレフタレート樹脂中にカーボンナノチューブを含む鞘部と、さらにその鞘部を被覆しポリエチレンテレフタレート樹脂を含む最外層とからなる3層芯鞘構造を有していることが分かった。また、カーボンナノチューブは鞘部内部において3次元的に絡み合ったネットワーク組織を構成していることが分かるが、前記鞘部の外側、すなわち繊維の最外層にはカーボンナノチューブがほとんど存在しないことが分かった。また、この導電性繊維1本当たりの抵抗値は、3×1011Ωであった。
[比較例2]
カーボンナノチューブとして、平均長さが2μm、平均アスペクト比が650のものを用いた以外は、実施例1と同様にして溶融紡糸法により、未延伸マルチフィラメント糸を作成した。得られた未延伸マルチフィラメント糸を、温度150℃で、延伸倍率2倍になるように熱延伸を行ったところ、延伸工程中で繊維が切断されてしまい、導電性繊維を得ることができなかった。
[比較例3]
実施例1において、カーボンナノチューブが分散されたポリエチレンテレフタレート樹脂コンパウンドペレット作製において、直径3mm、長さ5mmのポリエチレンテレフタレートペレットと、長さが5μm以下で平均長さが3μm、アスペクト比が400以下で平均アスペクト比が200のカーボンナノチューブを直接ドライブレンドする以外は実施例1と同様にして溶融紡糸法により、未延伸マルチフィラメントを作成した。
得られた未延伸マルチフィラメント糸を、温度150℃で、延伸倍率2倍になるように熱延伸を行ったところ、延伸工程中で繊維が切断されてしまい、導電性繊維を得ることができなかった。
[実施例4]
実施例1と同じ方法により、36本の、繊維径24μmの導電性繊維からなるマルチフィラメント糸を作製した。
次に、前記36本の導電性繊維からなるからなるマルチフィラメント糸を用いて、図2に示すような幅15mmのリボン状のパイル織物を作製した。このリボン状のパイル織物をSUS製円筒状基体に巻き付けた状態で、酸素プラズマ処理を行った。プラズマ処理後、表面の最終仕上げ加工を行うことで、外径20mmの帯電ブラシを作製した。この帯電ブラシ表面の導電性繊維密度は、200kF/inchであった。
この帯電ブラシから導電性繊維を1本抜き取り、その導電性繊維の表面および断面のSEM観察を行った。その結果、導電性繊維の先端部において、図3に示したように、鞘部を被覆していたポリエチレンテレフタレート樹脂を含む最外層は除去され、さらに繊維表面の鞘部において、カーボンナノチューブが導電性繊維の表面および鞘部内部において、絡み合ったネットワーク組織を構成していることを確認した。
また、この導電性繊維の先端部の酸素プラズマ処理を施した部分の表面の放電性を以下の方法によって評価した。すなわち、図9に示す走査型プローブ顕微鏡を用いて、STM探針304にバイアス電圧を10V印加し、前記STM探針をアルミニウム製の試料台302上においた良導電性シート303の上に設置した導電性繊維305の表面に接触させ、5μm×5μmの領域の走査を行いながら前記探針に流れる電流値を走査範囲全域で測定した。その結果、酸素プラズマ処理部の測定部分の全表面積を基準として、約78%の領域で電極との間に導電パスが形成されていることが分かった。
次に、この帯電ブラシを図7に示す電子写真画像形成装置(複写機)に装着し、帯電ブラシの感光体への侵入量を750μmに設定した。帯電ブラシの回転速度を800mm/secとし、帯電ブラシに−600Vの直流電圧を印加して電子写真画像の形成を行った。その結果、ハーフトーン部の網目の大きさが均一で、良好な画像が得られた。すなわち、感光体を均一かつ良好に帯電できたことを確認できた。
[実施例5]
実施例4と同様な方法で、図2に示すような幅15mmのリボン状のパイル織物を作製した。次に実施例2と同様の方法で、リボン状パイル織物にアルカリ水溶液処理を行い、その後水洗、乾燥処理を施した。乾燥処理後のリボン状パイル織物をSUS製基体に巻き付けた後、表面の最終仕上げ加工を行うことで、外径20mmの帯電ブラシを作製した。この帯電ブラシ表面の導電性繊維密度は、200kF/inchであった。
この帯電ブラシから導電性繊維を1本に抜き取り、その導電性繊維の表面および断面のSEM観察を行った。その結果、導電性繊維の先端部において、図4に示した模式図のように、鞘部を被覆していたポリエチレンテレフタレート樹脂を含む最外層は除去されていることを確認した。また、芯部21を被覆している鞘部22が、基材樹脂中にカーボンナノチューブが3次元的に絡み合っている第一の鞘部と、さらに第一の鞘部を被覆し、3次元的に絡み合っているカーボンナノチューブからなっている第二の鞘部とで構成されていることを確認した。
また、この導電性繊維の表面の放電性を以下の方法によって評価した。すなわち、実施例4と同様な方法で走査型プローブ顕微鏡を用いて、導電性繊維表面の電流値を走査範囲全域で測定した。その結果、アルカリ水溶液処理部の測定部分の全表面積を基準として、約95%の領域で電極との間に導電パスが形成されていることが分かった。
次に、この帯電ブラシを図7に示す電子写真画像形成装置(複写機)に装着し、帯電ブラシの感光体への侵入量を750μmに設定した。帯電ブラシの回転速度を500mm/secとし、帯電ブラシに−600Vの直流電圧を印加して電子写真画像の形成を行った。その結果、ハーフトーン部の網目の大きさが均一で、良好な画像が得られた。すなわち、感光体を均一かつ良好に帯電できたことを確認できた。
[比較例4]
実施例1と同様にして、導電性繊維36本からなるマルチフィラメント糸を作製し、次いで幅15mmのリボン状のパイル織物を作製した。
次に、このリボン状のパイル織物をSUS製円筒状基体に巻き付けた後、酸素プラズマ処理を行うことなしに、表面の最終仕上げ加工を行うことで、外径20mmの帯電ブラシを作製した。この帯電ブラシ表面の導電性繊維密度は、200kF/inchであった。また、この帯電ブラシから導電性繊維を1本抜き取り、この導電性繊維の表面の放電性を以下の方法によって評価した。すなわち、実施例5と同様な方法で走査型プローブ顕微鏡を用いて、導電性繊維表面の電流値を走査範囲全域で測定した。その結果、導電性繊維の測定部分の全表面積を基準として、約32%の領域で電極との間に導電パスが形成されていることが分かった。
次に、この帯電ブラシを実施例5と同様に図7に示す電子写真画像形成装置(複写機)に装着し、帯電ブラシの感光体への侵入量を750μmに設定した。帯電ブラシの回転速度を800mm/secとし、帯電ブラシに−600Vの直流電圧を印加して電子写真画像の形成を行った。その結果、白地部に紙の進行方向に沿って、スジ状にトナーがかぶった画像が出力された。また、ハーフトーン部の網目の大きさが乱れ、がさついた画像となった。
本発明の帯電ブラシは、電子写真方式を用いた画像形成装置に利用可能なものである。より詳しくは、像担持体として電荷注入層を表面に備える有機感光体やアモルファスシリコン系感光体に対して、接触帯電にて該感光体を帯電した後、潜像の形成と現像剤像の形成を行い、その像を転写材上に転写、定着させ、画像形成を行う装置に対して、放電を用いることなく均一な帯電電位を得ることを可能とする。

Claims (8)

  1. 導電性の基体と、一方の端が該基体に結合されている導電性繊維とを有する帯電部材であって、
    該導電性繊維は、熱可塑性樹脂からなる芯部と、該芯部を被覆している鞘部とを有し、
    該鞘部は、熱可塑性樹脂、および、絡み合っている複数のカーボンナノチューブを含み、
    該導電性繊維は、その先端部においては、該カーボンナノチューブが表面に露出していることを特徴とする帯電部材。
  2. 前記導電性繊維は、
    基体側においては、該鞘部が熱可塑性樹脂を含む最外層で被覆され、
    先端部においては、該鞘部が該最外層で被覆されておらず、該鞘部に含まれている前記カーボンナノチューブが表面に露出している請求項1に記載の帯電部材。
  3. 前記カーボンナノチューブが、長さが1μm以上、5μm以下であり、アスペクト比が150以上、400以下である請求項1または2に記載の帯電部材。
  4. 前記芯部および前記鞘部に含まれる熱可塑性樹脂が、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、およびポリエーテルエーテルケトンから選択される少なくとも1つの熱可塑性樹脂である請求項1〜3のいずれか一項に記載の帯電部材。
  5. 前記導電性繊維が、芯鞘型複合ノズルを用いて溶融紡糸法により製造された、芯部、該芯部を被覆する鞘部、および該鞘部の外側を覆うスキン層とからなる3層の芯鞘構造を有する繊維の先端部のスキン層を除去し、該鞘部が含むカーボンナノチューブを露出させることにより得られたものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の帯電部材。
  6. 前記導電性繊維の1本の電気抵抗値が、1×10Ω以上、1×1010Ω以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載の帯電部材。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の帯電部材と、
    該帯電部材の導電性繊維の先端部が接触するように配置されている電子写真感光体とを有することを特徴とする電子写真画像形成装置。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の帯電部材と電子写真感光体との間に帯電のためのバイアスを印加し、該帯電部材の導電性繊維の先端部分と該電子写真感光体との間に導電パスを形成させることにより該電子写真感光体を帯電させる工程と、
    帯電された該電子写真感光体の表面に露光して静電潜像を形成する工程と、
    該静電潜像を現像する工程と、を有することを特徴とする電子写真画像形成方法。
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