JP4450460B2 - 結晶化ガラスおよびその製造方法、ならびにそれを用いた情報記録媒体用基板、情報記録媒体および情報記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ハードディスクや光磁気ディスクなどの情報記録媒体用基板、あるいは電気・電子部品用基板、光学部品および光学部品用基板に適した弾性率の高い結晶化ガラスおよびその製造方法に関する。さらには、その高い弾性率と高い耐熱性を利用した、たわみの小さい高性能な情報記録媒体用基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に結晶化ガラスは、その前駆体である非晶質のガラスをガラス転移点から軟化点付近の温度で一定時間保持することなどによって製造される。結晶化ガラスは、ガラス本来の表面平坦度の高さと、結晶化によって向上した機械的強度および耐熱性の高さとを併せ備え、セラミックスでは根絶することの困難な空孔や気孔などを有しない。さらに、熱膨張係数などの物性をその使用用途に合わせて適宜調節できるなどの特徴もある。
【0003】
これらの特性を利用して、結晶化ガラスは、従来から耐熱食器や建築部材として、また近年では電気・電子部品用基板、光学部品や光学部品用基板あるいは情報記録媒体用基板として利用されている。ここで、情報記録媒体とは、何らかの形で情報を保持する物という意味であるが、具体的には磁気、光、熱などの作用により、記録層の一部が磁気的・物理的・化学的または機械的に変化し、その変化の状態を永久的または一時的に保持する物をいう。さらに、情報記録媒体用基板とは、例えばコンピュータやデジタルカメラ、デジタルビデオなどで使用するハードディスクに組み込まれる磁気ディスクや光磁気ディスク、コンパクトディスク(CD)などの基板をいうが、これらに限定されるものではない。
【0004】
情報記録媒体用基板(以下、単に「基板」とする)には情報記録の高密度化および高速化が常に求められるが、特に最近では情報のデジタル化が世情となり、その要求が極めて大きくなってきている。この情報記録の高密度化を実現するには、基板表面の平坦度を高める必要がある。例えば、ハードディスクにおいては、磁気ヘッドと基板との距離(グライドハイト)を狭めることで高密度化が可能となる。しかし、基板表面の平坦度が低い場合は、磁気ヘッドが基板表面の突起物に接触し破損する問題が生じる。一方で、情報記録または読み出しの高速化を実現するには、基板の機械的強度(弾性率)を高くする必要がある。例えば、ハードディスクにおいては、基板の回転数を上げることで高速化が可能となる。しかし、基板の回転数を上げると、基板のたわみや振動の振幅が大きくなり、磁気ヘッドが基板と接触し破損するおそれが高くなる。
【0005】
従来、ハードディスクの基板には、アルミニウム合金製のものが一般的に使用されてきた。アルミニウム合金製の基板(以下、「アルミ基板」とする)は、安価で形状加工し易いなどの点で優れているが、一方で弾性率を高くできない、表面の平坦度をある一定以上に向上できないなどの短所もある。アルミ基板は、弾性率(ヤング率)が71GPaであり、今後主流となるであろう10,000r.p.m以上で駆動するハードディスクには、その弾性率の低さがネックとなり利用できなくなると考えられる。高速回転によりアルミ基板のたわみや振動の振幅が大きくなり、グライドハイトを小さくできなくなるという問題が生じるからである。また、ハードディスクをはじめとする種々の情報記録装置は、今後さらにコンパクト化が要求されることから、基板も薄板化が要求されることになる。アルミ基板は、薄板化されるとさらにたわみが大きくなることから、その要求に応えることができない。
【0006】
結晶化ガラスからなる基板(以下、「結晶化基板」とする)は、平坦度および弾性率の点でアルミ基板より優れる。しかし、それでも近年の高密度化、高速化のさらなる要求には十分応えられなくなってきた。そこで、さらに弾性率の高い結晶化基板を得るため、例えば特開平8−91873号公報では、ニッケルスピネロイド(NiAl2O4とNi2SiO4の固溶体)を主結晶相に含む結晶化ガラスが開示されている。また、米国特許第5,476,821号公報、同第5491116号公報、国際公開番号WO98/22405号公報には、結晶化ガラスの組成を変更して、弾性率を高める発明が記載されている。
【0007】
さらに、特開平10−188260号公報には、マンガン(MnO)やクロム(Cr2O3)を1〜3重量%添加することによって、二ケイ酸リチウム(lithium disilicate, Li2O・2SiO2)を主結晶相とし、クリストバライト(cristobalite, SiO2)結晶が共存する結晶化ガラスの平坦度を改善できることが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の技術には、以下のような問題点があった。
特開平8−91873号公報に記載の結晶化ガラスは、酸化ニッケル(NiO)を大量に含有するものである。ニッケルは高価な元素であるため、この結晶化ガラスは、コストが高く大量生産には向かない。
【0009】
また、米国特許第5,476,821号公報、同第5,491,116号公報および国際公開番号WO98/22405号公報に記載の結晶化ガラスは、ガラス成形時に急速に冷却しなければ失透が生成する。したがって、失透温度が高く、安定して大量に製造することが困難である。さらに、乳白ガラスであるまたはヘイズが存在するため、表面の傷や付着物などの欠点を検査することが困難である。
【0010】
また、特開平10−188260号公報に記載の結晶化ガラスは、主結晶相が二ケイ酸リチウム(Li2O・2SiO2)であるため、弾性率(ヤング率)が低いという欠点がある。
【0011】
この発明は、上記のような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、弾性率が高く製造が容易で安価な結晶化ガラスおよびその製造方法を提供することにある。さらには、たわみや振動を効果的に抑えることができる結晶化基板を安価に提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の結晶化ガラスは、組成モルパーセントで、二酸化ケイ素(SiO2):33〜55%、酸化アルミニウム(Al2O3):5〜15%、酸化マンガン(MnO):9〜50%、酸化マグネシウム(MgO):0〜20%、酸化亜鉛(ZnO):0〜10%、二酸化チタン(TiO2):4〜15%、酸化ジルコニウム(ZrO2):0〜5%、酸化セリウム(CeO2):0〜5%およびその他:0〜8%からなるものである。
【0019】
請求項2に記載の発明の結晶化ガラスは、請求項1に記載の発明において、二価金属酸化物成分RO(MnO+MgO+ZnO)をモルパーセントで25〜50%含有するものである。
【0020】
請求項3に記載の発明の結晶化ガラスは、請求項1または2に記載の発明において、ヤング率で示される弾性率が110GPa以上であるものである。
【0021】
請求項4に記載の発明の結晶化ガラスは、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前駆体ガラスの液相温度が1,260℃以下であるものである。
【0022】
請求項5に記載の発明の結晶化ガラスの製造方法は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶化ガラスまたはその前駆体ガラスを研削または研磨する際に発生する研削屑または研磨屑を原料として利用するものである。
【0023】
請求項6に記載の発明の結晶化ガラスの製造方法は、前駆体ガラスを一定温度で一定時間保持(一段目の熱処理)した後、それより高い温度で一定時間保持(二段目の熱処理)する請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶化ガラスの製造方法であって、一段目の熱処理の温度が前駆体ガラスのガラス転移温度(Tg)より25〜100℃高く、その温度での保持時間が30分以上であり、かつ二段目の熱処理の温度が前駆体ガラスのガラス転移温度(Tg)より75〜300℃高く、その温度での保持時間が10分以上であるものである。
【0024】
請求項7に記載の発明の基板は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶化ガラスを用いたものである。
【0025】
請求項8に記載の発明の情報記録媒体は、請求項7に記載の結晶化基板を用いたものである。
【0026】
請求項9に記載の発明の情報記録装置は、請求項8に記載の情報記録媒体を組み込んだものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施形態について、詳細に説明する。なお、特に注釈がない限り、「%」はモルパーセント(mol%)を、「弾性率」はヤング率で示される弾性率を表す。
【0028】
この発明は、結晶化ガラスにおける組成−熱処理条件−析出晶系−弾性率に関する本発明者らの精力的な研究の結果なされたものである。すなわち、Mnを含む結晶が結晶化ガラスの主結晶相を組織すると、その弾性率が特異的に高くなり、さらにTiO2をはじめとする各種成分の含有率が適当であれば前駆体ガラスの液相温度が低くなることを見出し、この知見に基づいて完成されたものである。
【0029】
結晶化ガラスは、Mnを主結晶相に含むことにより、高弾性率を示し、かつ安価で製造される。Mnは、マンガン重石(huebnerite MnWO4)、マンガンラングバイナイト(manganolangbeinite K2Mn2(SO4)3)、マンガンミョウバン石(apjohnite MnAl2(SO4)4・22H2O)、マンガン土(wad, black ocher, bog manganese, earthy manganese)などの多量に存在する鉱物に含有される安価な元素である。したがって、Mnが含まれる結晶が主結晶相を形成することにより、弾性率が高くかつ安価というこの発明の効果が両立されることになる。
【0030】
また、Mnはガラスの着色剤として従来から利用されており、Mnを含むガラスは、その含有率により茶褐色から黒色に色付く。さらに、Mnを含む非晶質のガラス(前駆体ガラス)を結晶化した結晶化ガラスもまた同様に、茶色〜黒色に着色するため、この結晶化ガラスはその表面の欠点、例えば傷や異物などの検査が容易である。
【0031】
ここで、主結晶相とは、前駆体ガラスの結晶化で複数種類の結晶が同時に形成する場合において、その中の最も多い結晶を主な構成単位として組織された結晶相をいう。結晶相の比率は、以下の方法のいずれか、またはその他の方法で求めることができる。(1)光学顕微鏡や電子顕微鏡などで観察し、各結晶相の面積から体積%として算出する方法、(2)X線回折計で粉末X線回折パターンに現れる回折ピークの強度から算出する方法、である。なお、学術的な意味での主結晶相とは、最も多量に存在する1種類の結晶相を指すが、現実には複数の結晶相が同程度の量で析出し主結晶相が不明確な場合があり、上記定義にしたがえばそのような場合でもこの発明の外延が明確になる。
【0032】
この結晶化ガラスは、高弾性率を示す有色の組成物であり、その特性を有効に利用できれば、使用用途は特に限定されない。例えば 光学部品や光学部品用基板に利用された場合は、高弾性率を活かして外力による変位が少なく、また有色であることを活かして別段の処置を行うことなく迷光を効果的に抑制できるなどの利点が生じる。これらの利点を活用して、補強材や複合材としての高弾性率セラミックファイバ、建築材としての外壁用セラミックタイルまたは遮光性に優れた薬品瓶などに利用されてもよい。また、熱膨張係数が広い範囲に及ぶことから、光学装置の調整の温度変化によるズレを補償する部材としても利用可能である。とくに高弾性率に注目すれば、結晶化基板に適している。この結晶化基板は、高速回転においてもたわみが小さく、フライングハイトの狭小化を可能とし、情報記録装置における記録の高密度化と高速化に寄与する。
【0033】
主結晶相を組織するMnを含む結晶には、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)またはチタン(Ti)の少なくとも1種類以上の元素が含まれ、かつその主結晶相のモース硬度が6以上であることが好ましい。これらの元素を含む結晶が主結晶相を構成することにより、結晶化ガラスの弾性率がさらに高まる。このような結晶相としては、例えばガラクサイト(galaxite, MnAl2O4, モース硬度8)、スペッサルタイト(spessartite, Mn3Al2Si3O12, モース硬度7)、ロードナイト(rhodonite, MnSiO3, モース硬度6.5)、テフロイト(tephroite, Mn2SiO4, モース硬度6)、パイロックスマンガン石(pyroxmangite, MnSiO3, モース硬度6)、パイロファン石(pyrophanite, MnTiO3, モース硬度6)またはマンガンコージェライト(manganese cordierite, Mn2Al4Si5O18, モース硬度7)で表される結晶相のいずれかあるいは幾つかが主結晶相を構成することが好ましい。弾性率は外部応力に対する変形し難さの度合いであるから、硬い結晶が多く含まれるほど結晶化ガラスの弾性率が向上すると考えられる。この予見に基づき各種実験を行ったところ、モース硬度が6以上の結晶相が析出した場合に、その弾性率が確実に110GPa以上になることが判った。
【0034】
さらに、Mnを含む結晶には、弾性率をより高める、各結晶粒のサイズを微細化する、前駆体ガラスの作製を容易にするなどを目的として、上記以外の金属元素または金属イオンが含まれてもよい。例えば、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、セリウム(Ce)またはこれらのイオンが挙げられる。マグネシウム(Mg)またはそのイオンが含まれた場合は、結晶化ガラスの弾性率がより向上し、前駆体ガラスおよび結晶化ガラスが均質化され、また結晶化されずガラス質のまま残った部分の弾性率が向上する。亜鉛(Zn)またはそのイオンが含まれる場合は、前駆体ガラスおよび結晶化ガラスがより均質化する。ジルコニウム(Zr)またはそのイオンが含まれる場合は、微小な結晶核が多量に生成し、結晶相が緻密になる。また、結晶化ガラスにおけるガラス質のまま残った部分の弾性率を向上させる。セリウム(Ce)またはそのイオンが含まれる場合は、結晶にならずにガラス質のまま残った部分の弾性率が向上する。
【0035】
Mnは、主結晶相を形成するための必須成分である。結晶化ガラスにおけるその含有率は、MnOに換算して8〜55%が好ましい。この含有率が8%未満の場合は、バッチの熔融温度が急激に上昇するため均質な前駆体ガラスの製造が困難となり、その結果結晶が偏在する結晶化ガラスが形成され易くなる。また、Mnを含む結晶が主結晶相を組織し難くなり、結晶化ガラスの弾性率が低下したり、色が薄くなりその表面の欠点検査が難しくなる。ここで、バッチとは、各組成成分が適当な含有率となるよう調合されたガラス原料をいう。一方、55%を越える場合は、熔融ガラスの液相温度が急激に上昇するため、均質な前駆体ガラスが形成され難く、結晶が偏在する結晶化ガラスが形成され易くなる。このような問題を効果的に回避するために、Mnの含有率は、9〜50%が、さらには9〜40%が、特には16〜40%が好ましい。なお、MnOの含有率が16%未満の場合は、結晶化ガラスの弾性率が低下しがちであるので、MgOが1%以上含まれることが好ましい。
【0036】
SiO2は、前駆体ガラスをガラス化させ、前駆体ガラスおよび結晶相の骨格を構成しうる必須の成分である。その含有率に関して、均質な前駆体ガラスの形成のために下限値が、Mnを含む結晶が主結晶相たりうるために上限値が定められる。具体的には、30〜75%が好ましく、33〜60%がより好ましく、さらには33〜55%が好適である。この含有率が30%未満の場合は、液相温度が急激に上昇すると共に、ガラス融液の粘度が非常に低く失透の成長速度が速くなり、均質な前駆体ガラスが形成され難くなる。一方、含有率が75%を越えると、液相温度が上昇する問題に加えて、ガラス融液の粘度が非常に高くなり、均質な前駆体ガラスを得ることが困難になる。さらに、トリジマイト(tridymite, SiO2)またはムライト(mullite, Al6Si4O13)が主結晶相となり、結晶化ガラスの弾性率が低下する。
【0037】
Al2O3は、前駆体ガラスおよび結晶相を構成する成分であって、その含有率は4〜33%が好ましい。また、4〜27%がより好ましく、さらには5〜15%が好適である。この含有率が4%未満の場合は、液相温度が急激に上昇するため、均質な前駆体ガラスおよび結晶化ガラスの成形が困難になる。一方、33%を越えると、Al2O3が熔解し切れず未熔解物となって残り、均質な前駆体ガラスが形成され難くなる。また、液相温度が上昇する問題に加えて、主結晶相がムライト(mullite, Al6Si4O13)となり、結晶化ガラスの弾性率が低くなる問題が発生する。
【0038】
MgOは、前駆体ガラスおよび結晶化ガラスの均質化に役立つと共に弾性率を向上させるという機能がある。その半面、多量に含有させると前駆体ガラスの液相温度を上昇させてしまう傾向があるため任意の成分とされる。MgOの含有率は、上記の弾性率の向上と液相温度の悪化とのバランスにより決定され、0〜20%が好ましく、0〜10%がより好ましい。なお、MnOの含有率が16%未満の場合は、結晶化ガラスの弾性率の低下を防ぐため、MgOが少なくとも1%以上含有されることが好ましい。また、MgOを含有する結晶化ガラスは、主結晶相中にMgOを含有することがあり、その場合は弾性率がさらに向上する。
【0039】
ZnOは、任意成分であり、前駆体ガラスおよび結晶化ガラスの均質化に役立つ。ZnOの含有率は、0〜20%が好ましく、0〜12%がより好ましく、さらには0〜10%が好適である。この含有率が20%を越える場合は、前駆体ガラスを失透させるおそれが高くなる。主結晶相にZnOが含まれた場合、結晶化ガラスの弾性率が少し低下するが、その影響は無視できる程度である。
【0040】
二価金属酸化物成分(RO=MnO+MgO+ZnO)の含有率は、前駆体ガラスの液相温度と結晶化ガラスの弾性率に大きな影響を与える。その含有率が25%未満では、結晶化ガラスの弾性率が低下し、一方50%を超えると、前駆体ガラスの液相温度が上昇し、ガラス融液の冷却固化時に失透し均質な前駆体ガラスが形成されないことが多い。したがって、ROの含有率は25〜50%が好ましい。
【0041】
TiO2は、任意成分ではあるが、前駆体ガラスおよび結晶化ガラスの均質化に役立つ成分であると共に、結晶の微細化に役立つ核形成剤である。結晶中に取り込まれた場合は、結晶化ガラスの弾性率を大きく向上させ、結晶に取り込まれない場合でも結晶以外の部分の弾性率を向上させる。したがって、他の任意成分に優先して含有されるべき成分である。また、TiO2は乳白色のガラスに比較的多量に含まれることから判るように、ガラスを乳濁させてしまう副作用がある。 そのためTiO2の含有率は、0〜20%が好ましく、0.5〜15%がより好ましく、さらには4〜15%が好適である。この含有率が20%を越える場合は、前駆体ガラスの液相温度が上昇し、耐失透性が悪化するとともに、乳濁し易くなる。
【0042】
ZrO2は、任意成分であり、また結晶核の形成に役立つ核形成剤の一つとして従来から知られている成分である。さらに、結晶化ガラスにおける結晶以外の部分の弾性率を向上させる成分でもある。ただし、前駆体ガラスに過多に含有されると、不必要な結晶化(失透)を引き起こすおそれがある。ZrO2の過剰な添加は、前駆体ガラスの耐失透性を悪化させるのみならず、分相による乳濁を引き起こす。したがって、ZrO2の含有率は0〜10%が好ましく、0〜5%がより好ましく、さらには0.5〜5%が好適である。
【0043】
CeO2は、任意成分であり、結晶化ガラスにおける結晶以外の部分の弾性率を向上させる成分である。また、一般に使用されている研磨剤の主成分でもある。結晶化ガラスにおけるCeO2の含有率は、5%以下が好ましく、0〜3%がより好ましい。この含有率が5%を越える場合は、前駆体ガラスの液相温度が上昇し、その耐失透性が悪化する。
【0044】
また、熔解時の清澄、ガラス融液の粘性の調整、液相温度の調整などを目的として、上記の主成分以外の成分(以下、「その他の成分」とする)をさらに加えることができる。例えば、As2O3、Sb2O3、SO3、SnO2、Fe2O3、CoO、Cl、F、R2O(Rは、Li、Na、K、Cs)、R'O(R'は、Ca、Sr、Ba)などである。これらのうち、Li2OとNa2Oは液相温度をやや下げ、K2Oはガラス融液の粘性を上昇させる傾向が強いという好ましい機能を発揮する。その他の成分の含有率の上限は5%であり、それを超えると極めて失透が生じ易くなる。その他の成分は、意図的に加えられる場合の他、主成分の原料の不純物として混入する場合もある。結晶化ガラスにおける他の成分の含有率は、8%以下であることが好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。この含有率が8%を越える場合は、主成分の含有率に及ぼす影響が大きくなり、また他の成分の特性を結晶化ガラスが示すようになる。一方、2%程度は、主成分の原料の不純物として混入することが多い。
【0045】
上記の各組成成分の含有率からなる結晶化ガラスは、弾性率が110GPa以上、かつその前駆体ガラスの液相温度は1,260℃以下である。アルミ基板の弾性率は71GPaであり、この結晶化ガラスの弾性率はその150%以上である。また、後述の実施例に記載するように、上記範囲内で組成成分をさらに調整すれば、その弾性率が確実に120GPa以上となり、さらには130GPa以上となる場合もある。したがって、この結晶化ガラスは、高弾性率による特性を必要とする上記各種用途において有効に利用される。また、液相温度が1,260℃以下さらには1,100℃以下であるので、この前駆体ガラスは、工業的生産において一般的なフロート法による製造が可能である。この液相温度であれば、ガラス融液の温度管理が容易で、また窯の熱損傷が効果的に防止される。
【0046】
結晶化ガラスは、自重に耐えられなくなる温度(屈伏点)が900℃以上であり耐熱性がよいことから、高温での加工処理でも変形などの不具合を生じ難い。したがって、基板として用いられる場合、その表面上に形成される機能性膜の性能を容易に高めることができる。かかる機能性膜は、通常は結晶化基板上にスパッタリング法により成膜されるが、その際に結晶化基板が十分に加熱されると、その肌理が細かくなり、情報記録の高密度化が可能となる。また、前記結晶化基板の十分な加熱を、機能性膜の成膜後に行っても同様の効果がある。すなわち、結晶化ガラスの耐熱性が高いことにより、情報記録媒体における情報記録の高密度化が体現される。
【0047】
結晶化ガラスの製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の技術がそのまま流用可能である。例えば、以下の2つの製造方法を挙げることができる。(1)前駆体ガラスを、ガラス転位温度より20℃以上高い温度で、一定時間以上保持する一段階熱処理による製造方法。(2)前駆体ガラスを、ガラス転位温度近辺の温度である時間保持して結晶核を発生させ、しかる後に昇温しその核が成長するのに十分な時間保持する二段階熱処理による製造方法。
【0048】
しかし、以下の製造方法によれば、弾性率が高くかつ極めて微細な結晶が多量に析出した結晶化ガラスが容易に形成される。すなわち、二段階熱処理であって、前駆体ガラスをそのガラス転移温度(Tg)より25〜100℃高い温度で30分以上保持(一段目の熱処理)した後、Tgより75〜300℃高い温度で10分以上保持(二段目の熱処理)する方法である。一段目の熱処理は、公知のとおり前駆体ガラス中に結晶核を生成させる過程である。その処理温度がTgより25℃高い温度未満であったり、保持時間が30分未満である場合は、結晶核の発生が不十分となるため、二段目の熱処理において弾性率の向上にあまり寄与しない結晶相が析出したり、析出した結晶が粗大化し微細な結晶の成長が妨げられたりする。一方、その処理温度がTgより100℃を超えて高い場合は、一段目の熱処理中に前駆体ガラスが大きく変形したり、融解したりする可能性が高い。また、二段目の熱処理は、公知のとおり前駆体ガラス中に発生させた結晶核を成長させる過程である。しかし、その処理温度がTgより75℃高い温度未満であったり、保持時間が10分未満である場合は、結晶の成長が不十分となるため、結晶化ガラスの弾性率が低くなりがちである。また、二段目の熱処理の温度は、一段目の熱処理の温度より高くなければ二段階の熱処理を行う意味がない。一方、その処理温度がTgより300℃を超えて高い場合は、弾性率の向上にあまり寄与しない結晶相が析出したり、熱処理中に前駆体ガラスが大きく変形したり、融解したりしてしまう可能性が高い。
【0049】
前駆体ガラスおよび結晶化ガラスは、使用用途に応じて適宜加工されるが、例えば基板に加工される場合、その研磨工程において多くの研磨屑が発生する。この研磨屑は、結晶化ガラスまたはその前駆体ガラスと研磨剤との混合物であって、CeO2を主成分とする研磨剤を用いる場合には、前駆体ガラスの原料となりうる。したがって、この研磨屑をバッチに加えることにより、リサイクルによる資源の有効利用および研磨屑という産業廃棄物の排出量の削減による環境保護という新たな効果が発揮されることになる。研磨剤の成分は、特に限定されないが、上記の効果を発揮させるため結晶化ガラスの主成分からなるものであることが好ましい。
【0050】
結晶化ガラスを基板に加工するには、従来の技術がそのまま流用可能である。この結晶化基板は、弾性率が高いため、薄くてもたわみが生じ難く、かつ共振による振動を起こし難いという優れた特性を備える。また、結晶化基板自体が有色であるため、その表面に存在する傷や異物などの欠点が微少なものであっても精度よく検出される。さらに、その表面をレーザ加工する場合には、熱吸収率が高いことからより微細な加工が可能となる。したがって、この結晶化基板を組み込んだ情報記録装置は、今後さらに厳しくなる高密度化、高速化および薄板化の要求に対し、十分に応えることができるものである。
【0051】
【実施例】
以下に、実施例および比較例を用いて、この発明をさらに具体的に説明する。
【0052】
(実施例1)
「表1」の各組成成分の含有率になるように、通常のガラス原料であるシリカ、アルミナ、二酸化マンガン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、チタニア、ジルコニア、酸化セリウムなどを用いてバッチを調合した。なお、二酸化マンガン(MnO2)の代わりに三酸化二マンガン(Mn2O3)、炭酸マンガン(MnCO3)を用いてもよい。このバッチを白金ルツボを用いて1,550℃で熔融させ、そのまま4時間保持した後に、ガラス融液を鉄板上に流し出した。鉄板上に流し出したガラス融液は、10数秒で冷却固化し、固化後直ちに600℃に設定した電気炉に入れた。30分後、電気炉の電源を切り、室温まで放冷して徐冷することにより、前駆体ガラスを得た。
【0053】
この前駆体ガラスの液相温度を次の方法により測定した。通常、液相温度は前駆体ガラス粒を長方形の白金皿に満たし、温度勾配炉中に一定時間保持した後、光学顕微鏡で観察し、ガラス中に析出した結晶のうち最も高い温度の値をもって液相温度とすることが多い。しかしながら、この前駆体ガラスは茶褐色〜黒色をしているため、光学顕微鏡や目視観察など光学的な手段でガラス内部に析出した結晶の有無を判別することが困難である。そのため、前駆体ガラス粒を白金皿に並べ、温度勾配炉中に1時間保持した後、目視観察し、ガラス表面の結晶が消失し観察されない最低の温度を液相温度とした。ガラスの熱処理において、結晶は内部よりも表面の方に析出し易く、また結晶消失温度は内部より表面の方が高くなることが一般に知られている。したがって、測定結果としての液相温度は1,090℃であるが、従来の方法で測定したならば、その温度はより低い値になると考えられる。すなわち、この前駆体ガラスは、一般的な商業ガラスと同程度、もしくはそれ以下の液相温度であると考えられる。
【0054】
〔前駆体ガラスの物性測定〕
前駆体ガラスを10×30×30mmに切断し、各面を鏡面研磨して板状サンプルを製造した。まず、アルキメデス法により、板状サンプルの密度を測定した。つぎに、シングアラウンド発振器を用い、超音波パルス法(JIS R 1602-1986)により板状サンプルの弾性率を算出した。つづいて、直径5mm、長さ15mmの円柱状のサンプルを製造し、通常の熱膨張計を用いて、熱膨張係数が急増する温度として定義されるガラス転移点、円柱状サンプルが自重に耐えられなくなり垂直方向の膨張が観測されなくなる温度として定義される屈伏点および50〜350℃の平均線膨張係数を求めた。
【0055】
〔結晶化処理〕
つぎに、前駆体ガラスを750℃に設定した電気炉の中で4時間保持し、十分に結晶核を発生させた。その後、電気炉内の温度を5℃/分で昇温して850℃にまで上げてさらに4時間保持し、結晶を十分に成長させた後、炉の電源を切り室温まで冷却した。
【0056】
上記の熱処理によっても前駆体ガラスは変形することなく、得られた結晶化ガラスは黒色であった。この結晶化ガラスの一部を採取し、X線回折計を用いて粉末X線回折パターンを測定したところ、主結晶相はパイロファン石およびロードナイトの各々にチタンが固溶した結晶で組織され、スペッサルタイトにチタンが固溶した結晶も共存していることが判った。
【0057】
[結晶化ガラスの物性測定〕
サンプルの準備および測定は、上記「前駆体ガラスの物性測定」と全く同じである。ただし、サンプルは均質なガラスではないので、前駆体ガラスにおいてガラス転移点と定義した温度は、膨張係数の転移温度と呼称した。
【0058】
測定の結果、この結晶化ガラスの密度は3.52g・cm-3、弾性率は130GPa、膨張係数は74×10-7℃-1であった。また、膨張係数が大きく変化する転移温度は871℃、自重で変形する屈伏点は900℃以上(装置の測定能力を越える)であった。このことから、この結晶化ガラスは耐熱性に優れるものであることが判る。また、破断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、結晶化ガラス中に析出した結晶は、直径20〜40nmの微細な結晶粒であることが判った。これらの測定値を、下記「表1」に併せて記載する。
【0059】
(実施例2〜40)
各実施例毎に各組成成分の含有率を変えて、実施例1と同様にして前駆体ガラスを製造した。各実施例の組成を下記「表1」〜「表6」に示す。それぞれの前駆体ガラスを、表に記載の条件で熱処理して結晶化ガラスを得た。各実施例の結晶化ガラスの主結晶相は、いずれもガラクサイト、スペッサルタイト、ロードナイト、テフロイト、パイロックスマンガン石、パイロファン石、マンガンコージェライトに同定される結晶からなることが粉末X線回折パターンより判った。また、X線回折パターンは、各々の上記の結晶の純粋なもののパターンとはズレを生じており、それぞれの結晶を形成する陽イオンの一部が他の金属イオン、例えばチタンやマグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、セリウムなどと置換していることが判った。また、実施例1と同様にして、各実施例毎に板状サンプルおよび円柱状サンプルを製造し、その密度と弾性率、熱膨張係数、転移温度および屈伏点を測定した。測定の結果を下記「表1」〜「表6」に併せて記載する。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
【表6】
【0066】
〔結晶化基板の製造および性能測定〕
各実施例で製造した結晶化ガラスを、厚さ1.1mm、外径95mm、内径25mmのドーナツ状に切り出し、内周面と外周面に面取り加工および端面研磨を施した。つぎに、平均粒径が1μmの遊離砥粒(主成分はCeO2)を用いてその両面を粗研磨し、さらに平均粒径が約0.6μmの遊離砥粒(主成分はCeO2)を用いて精研磨をし、厚さ0.8mmになるまで表面を研磨した。研磨の方法および装置には、公知の技術および装置を用いた。研磨後、ドーナツ状の結晶化ガラスの表面を原子間力顕微鏡(AFM)で測定したところ、その表面粗さRaは、約0.3nmであることが判った。なお、研磨の際に生じた研磨屑は、実施例7、8、15および19の原料の一部として使用した。
【0067】
つぎに、このドーナツ状結晶化ガラスを基板として利用した場合の性能を調査した。この結晶化基板は、黒色で結晶粒による反射光の散乱がなく、表面の欠点検査が容易であった。欠点検査の結果、その表面に傷および付着物の存在は認められなかった。
【0068】
さらに、この結晶化基板上に下地層としてクロム(Cr)を、記録層としてコバルト(Co)−クロム(Cr)−タンタル(Ta)を、保護層としてカーボン(C)を、それぞれスパッタリング法で順次成膜した。そして、この保護層の上に有機性溶剤からなる潤滑層を形成させた。このようにして得た基板を、密閉型のハードディスクドライブに公知の方法で装着し、10,000および12,000r.p.mでそれぞれ10時間連続稼動させたが、ヘッドクラッシュなどの問題を生じることはなかった。
【0069】
(比較例1および2)
下記「表7」の各組成成分の含有率となるようにバッチを調合し、実施例1と同様の方法で試料ガラスを作製した。その結果、ガラス融液が固化する途中でどちらも失透および分相を起こし、均質な前駆体ガラスを得ることができなかった。そのため、これ以降の評価は行わなかった。
【0070】
(比較例3)
下記「表7」の各組成成分の含有率となるようにバッチを調合し、実施例1と同様の方法でバッチを熔融しようとしたが、バッチが塊状になり熔融しなかった。そこで1,700℃まで昇温したところ、概ね熔融したが依然としてその一部が残存したため、均質な前駆体ガラスが得られなかった。そのため、これ以降の評価は行わなかった。
【0071】
(比較例4)
下記「表7」の各組成成分の含有率となるようにバッチを調合し、実施例1と同様の方法で試料ガラスを作製した。この試料ガラスを800℃に設定した電気炉内に4時間保持した後、電気炉を975℃に昇温し、十分に結晶化させた。つぎに、実施例1と同様の方法で、結晶化ガラスの物性測定を行った。この結晶化ガラスの色調が白色であったため、その表面の傷や異物などの欠点は評価できなかった。なお、比較例4は米国特許第5476821号に開示されているものである。
【0072】
(比較例5および6)
下記「表7」の各組成成分の含有率となるようにバッチを調合し、実施例1と同様の方法で試料ガラスを作製した。この試料ガラスを850℃に設定した電気炉内に4時間保持した後、電気炉を1,200℃に昇温し、十分に結晶化させた。つぎに、実施例1と同様の方法で、結晶化ガラスの物性測定を行った。なお、これらの結晶化ガラスは、特開平8−91873号公報に開示されているものである。この公報に開示されているとおり、結晶化ガラスは形成されたがそれぞれ表面粗さRaが2.4nmと粗く、また弾性率が103GPaと低いものであった。
【0073】
(比較例7)
下記「表7」の各組成成分の含有率であるソーダライムガラスを比較対象として記載する。このソーダライムガラスは、市販のフロート製法によるガラスをサンプリングしたものである。このソーダライムガラスを結晶化させることなく、実施例1と同様にして物性測定を行った。このガラスは透明で欠点の評価がしやすいものであったが、弾性率がわずか72GPaと低いものであった。
【0074】
【表7】
【0075】
これらの実施例および比較例より、以下のことが判る。
実施例1〜40の結晶化ガラスは、非常に高い弾性率、適度な密度および工業的生産に適した液相温度などの優れた物性を備える。例えば、実施例2では弾性率が158GPaで、従来のアルミニウム合金(71GPa)の2倍以上である。これらの物性を利用して、結晶化基板として有効に利用される。
【0076】
実施例1では、液相温度が1,090℃と低いので、130GPaの高弾性率を備える結晶化ガラスが容易に製造される。
【0077】
130GPa以上の高弾性率を備える結晶化ガラスに限定してその密度を調べると、最低値が実施例25の3.23g・cm-3、最大値が実施例16の3.84g・cm-3である。したがって、この結晶化ガラスによれば、高弾性率を備えたつつ、その密度を広範囲に調整できる。
【0078】
熱膨張係数に関しては、最低値が実施例7の63×10-7℃-1であり、最大値が実施例9の101×10-7℃-1である。したがって、この結晶化ガラスによれば、熱膨張係数を広範囲に調整できる。
【0079】
ハードディスクドライブの回転軸はステンレス鋼が用いられることが多く、その熱膨張係数が100×10-7℃-1程度であるため、基板と軸との熱膨張係数の差による各種障害を防ぐために、基板の熱膨張係数は70〜100×10-7℃-1が適している。各実施例の結晶化ガラスは、その範囲を容易にカバーでき、さらに熱膨張係数の小さいものの要求があった場合でもそれに容易に応じることができる。また、基板を回転軸に固定するためにステンレス鋼製のリングが用いられるが、これはステンレス鋼よりガラスである方が好ましい。とくに、基板がガラス製である場合は、リングも同じ組成のガラスであることが好ましい。ガラス製のリングは、ステンレス鋼製のものよりも表面平滑性が高いため、基板や回転軸との接触によっても異物を発生させ難い。このような異物は基板表面に付着してヘッドクラッシュの原因となるため、ガラス製のリングを用いることにより、その危険性を低下させることができる。さらに、ガラス製の基板と同じ組成のリングを用いることにより、それらの熱膨張係数の差をなくすことができ、接触位置のズレの発生を防止できる。ハードディスクの内部温度が100℃以上になることは珍しくなく、基板とリングの熱膨張係数のわずかな差でもこのようなズレは生じうる。基板とリングの接触位置にズレが生じると、基板の回転軌道にぶれが生じ、振動を発生させる原因となる。したがって、この結晶化ガラスからなるリングは、ステンレス鋼製のリングのより高品質な代替品として利用されることができる。さらに、結晶化基板を用いる場合は、それと同じ組成の結晶化ガラスからなるリングを用いることが好ましい。
【0080】
各実施例の結晶化ガラスは、いずれも弾性率が120GPaを超え、その多くが130GPa以上であった。また、その最高値は158GPaであり、アルミニウム合金や比較例7のソーダライムガラスの2倍以上であった。
【0081】
なお、この発明は形態を次のように変更して具体化することも可能である。
(a)組成モルパーセントで、二酸化ケイ素(SiO2):30〜75%、酸化アルミニウム(Al2O3):4〜33%、酸化マンガン(MnO):8〜55%、酸化マグネシウム(MgO):0〜20%、酸化亜鉛(ZnO):0〜20%、二酸化チタン(TiO2):0〜20%、酸化ジルコニウム(ZrO2):0〜10%、酸化セリウム(CeO2):0〜5%およびその他:0〜8%からなり、マンガン(Mn)を含む結晶が主結晶相を形成する結晶化ガラス。
【0082】
(b)主結晶相を形成するマンガン(Mn)を含む結晶がアルミニウム(Al)、シリコン(Si)またはチタン(Ti)の少なくとも1種類以上の元素と、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)またはセリウム(Ce)の少なくとも1種類以上の元素とを含有し、その結晶を含む主結晶相のモース硬度が6以上である結晶化ガラス。
【0083】
(c)マンガン(Mn)を含む結晶が主結晶相を形成する結晶化基板を回転軸に連動するために使用され、前記結晶化基板と同じ組成成分からなる結晶化ガラスリング。
【0084】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているため、以下のような効果を奏する。
【0090】
請求項1に記載の発明によれば、各組成成分の含有率が最適であるので、弾性率がさらに高く製造が容易で安価な結晶化ガラスが最も確実に得られる。
【0091】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、二価金属酸化物成分RO(MnO+MgO+ZnO)を25〜50%含有するので、前駆体ガラスの液相温度が低く、かつ弾性率の向上した結晶化ガラスが得られる。
【0092】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、その弾性率が110GPa以上であるので、各種用途において高性能で耐久性のある結晶化ガラスが得られる。
【0093】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、前駆体ガラスの液相温度が1,260℃以下であるので、前駆体ガラスの失透が生じ難く、フロート法による大量生産が可能となる。
【0094】
請求項5に記載の発明によれば、研削屑または研磨屑を原料として利用するので、リサイクルによる資源の有効利用および産業廃棄物の排出量の削減による環境保護が図られる。
【0095】
請求項6に記載の発明によれば、特定条件下で二段階の結晶化熱処理を行うので、弾性率が高くかつ極めて微細な結晶が多量に析出した結晶化ガラスが簡便に得られる。
【0096】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶化ガラスを用いるので、表面平滑性が高く、高速回転においてもたわみが小さい結晶化基板が確実に得られる。
【0097】
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の結晶化基板を用いるので、情報記録のさらなる高密度化が体現される。
【0098】
請求項9に記載の発明によれば、請求項8に記載の情報記録媒体を組み込むので、フライングハイトが小さく、情報記録密度が高く、情報記録再生速度が速く、さらに耐久性の高い情報記録装置が確実に得られる。
Claims (9)
- 組成モルパーセントで、
二酸化ケイ素(SiO2) 33〜55%、
酸化アルミニウム(Al2O3) 5〜15%、
酸化マンガン(MnO) 9〜50%、
酸化マグネシウム(MgO) 0〜20%、
酸化亜鉛(ZnO) 0〜10%、
二酸化チタン(TiO2) 4〜15%、
酸化ジルコニウム(ZrO2) 0〜 5%、
酸化セリウム(CeO2) 0〜 5%、
その他 0〜 8%
からなる結晶化ガラス。 - 二価金属酸化物成分RO(MnO+MgO+ZnO)をモルパーセントで25〜50%含有する請求項1に記載の結晶化ガラス。
- ヤング率で示される弾性率が110GPa以上である請求項1または2に記載の結晶化ガラス。
- 前駆体ガラスの液相温度が1,260℃以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の結晶化ガラス。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶化ガラスまたはその前駆体ガラスを研削または研磨する際に発生する研削屑または研磨屑を原料として利用する結晶化ガラスの製造方法。
- 前駆体ガラスを一定温度で一定時間保持(一段目の熱処理)した後、それより高い温度で一定時間保持(二段目の熱処理)する請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶化ガラスの製造方法であって、一段目の熱処理の温度が前駆体ガラスのガラス転移温度(Tg)より25〜100℃高く、その温度での保持時間が30分以上であり、かつ二段目の熱処理の温度が前駆体ガラスのガラス転移温度(Tg)より75〜300℃高く、その温度での保持時間が10分以上である結晶化ガラスの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶化ガラスを用いた情報記録媒体用基板。
- 請求項7に記載の情報記録媒体用基板を用いた情報記録媒体。
- 請求項8に記載の情報記録媒体を組み込んだ情報記録装置。
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