JP4443377B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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従来、この種の吸収性物品を製造する際には、ウイング部まで含めた形状の表面シート及び/又は裏面シートを、表面シート原反及び裏面シート原反からそれぞれ切断して形成していたが、この場合、ウイング部を含めた形状以外は吸収性物品に利用されることなく無駄なトリムとして廃棄されていた。
このようなウイング部は、強度的に弱く、本体部から外れやすいため、ウイング片と表面シート及び裏面シートとの間の双方の接合領域を5mm以上にし、更に、その接合領域において、表面シート側の接合幅寸法を、裏面シート側の接合幅寸法よりも大きくした技術が提案されている(特許文献1参照)。
各ウイング部形成材は、本体の長手方向に間欠的に形成された間欠接合部において、側部シート及び裏面シートに接合されていると共に、本体の長手方向に連続的に形成され且つ前記間欠接合部より吸収体側に位置する連続接合部において、側部シート及び/又は裏面シートに接合されている吸収性物品を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明(第1発明)の吸収性物品の一実施形態としての生理用ナプキン1(以下、ナプキン1ともいう)は、図1及び図2に示すように、吸収体4、該吸収体4の側部上面を覆う一対の側部シート5,5、及び該吸収体4の下面を覆う裏面シート3を具備する本体10と、該本体10の両側それぞれに固定されて、左右のウイング部20をそれぞれ形成している一対のウイング部形成材21,21とからなる。
ウイング部形成材21は、サイドフラップ部7に固定されている。ウイング部形成材21は、図1に示すように、本体10の長手方向に間欠的に形成された間欠接合部31において、側部シート5及び裏面シート3の両者に接合されている。
間欠接合部31は、側部シート5と裏面シート3との間にウイング部形成材21を介在させた状態において、これらに一体的に加熱及び加圧処理を施して形成されている。間欠接合部31を形成する加熱及び加圧処理としては、熱エンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を挙げることができ、特に熱エンボスが加工性及び接合部の安定性の観点から好ましい。また、接着剤を塗布した後、加熱及び加圧処理を施すことが、間欠接合部31の接合を安定化させる観点からより好ましい。
間欠接合部31は、複数個が本体10の長手方向に並んでおり、内方部21aの長手方向の略全域にわたるように間欠配置されている。また、間欠接合部31は、側部シート5及び裏面シート3それぞれの幅方向の外側端部近傍、より具体的には外側の側縁端よりやや内側に形成されている。
また、間欠接合部31は、ナプキン1の長手方向の寸法L(図1参照)が、0.5〜10mm、特に1〜5mmであることが、接合を安定化させる点(接合強度向上と切れ発生の抑制)から好ましい。前記寸法Lは、前記寸法Wより大きくても小さくも同じであっても良いが、前記寸法Wより小さいことが長手方向への湾曲を起こり易くし着用者への装着性及び装着感を更に良好にする点からより好ましい。
また、間欠接合部31は、ナプキン1の長手方向の間隔P(図1参照)が、0.5〜10mm、特に1〜5mmであることが、着用者への装着感を良好にする点から好ましい。
尚、本体10の周縁部における、ウイング部形成材21が介在していない部分においては、側部シート5又は表面シート2と、裏面シート3とが公知の接合手段により接合されている。ウイング部形成材21が介在しない部分は、接合による剛性の増大の影響が小さい。
しかも、連続接合部32において、ウイング部形成材21が、裏面シート3に接合されているため、吸収体4が吸収した液が、間欠接合部31と間欠接合部31との間を通って外部にしみ出すことを防止することができる。また、連続接合部32において、ウイング部形成材21が、側部シート5及び裏面シート3のうちの一方である裏面シート3のみに接合されているため、連続接合部32をヒートシール又はホットメルト接着剤等により形成しても、ナプキン1の長手方向への曲がりを阻害しにくい。
尚、間欠接合部31及び連続接合部32は、それぞれ、ウイング部の前記寸法L1又は内方部21aの前記長さL2の少なくとも半分以上の長さにわたっていることが好ましく、間欠接合部31及び連続接合部32は、それぞれ、前記寸法L1よりも長い長さにわたって形成されていることがより好ましく、それぞれ、内方部21aの長さL2と略同じかそれ以上の長さにわたって形成されていることが更に好ましい。
3次元的に捲縮した繊維により伸縮性を示す不織布の好ましい例としては、3次元的に捲縮した捲縮繊維を含む第1繊維層と、3次元的に捲縮した捲縮繊維を含まないか又は3次元的に捲縮した捲縮繊維を第1繊維層中よりも低い含有率で含む第2繊維層とからなり、第1繊維層と第2繊維層が部分的に熱融着されて一体化された伸縮性の積層不織布を挙げることができる。この積層不織布は、例えば、構成成分の熱収縮により捲縮を発現する潜在捲縮性繊維を含む第1繊維層形成材と、前記潜在捲縮性繊維の収縮開始温度以下では熱収縮しない繊維を含む第2繊維層形成材とを互いに積層した状態で、両者を熱又は超音波エンボス等により部分的に熱融着して、多数の熱融着部が分散状態に形成された中間体を製造した後、該中間体に熱処理を施して、第1繊維層形成材を熱収縮させて得ることができ、第2繊維層側には、独立した多数の又は連続した多数の凸部を有する。積層不織布は、第2繊維層側を表面シート側にして用いる。潜在捲縮性繊維は、加熱される前は、従来の不織布用の繊維と同様に取り扱うことができ、且つ所定温度での加熱によって螺旋状の捲縮が発現して収縮する性質を有する繊維である。潜在捲縮性繊維は、例えば収縮率の異なる2種類の熱可塑性ポリマー材料を成分とする偏心芯鞘型複合繊維又はサイド・バイ・サイド型複合繊維からなる。熱可塑性ポリマー材料としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド等が挙げられる。このような構成の積層不織布としては、例えば特開2002-187228号公報に記載の立体シート材料を好ましく用いることができる。
裏面シート3の形成材料としては、防漏性のシート材が好ましく、吸収性物品の裏面シートとして従来用いられている各種のシート材を用いることができ、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム等を用いることができる。これらのフィルムは通気性のための微細孔が設けられていてもよい。また、SMS不織布などの耐水性の高い不織布等を用いることができる。
表面シート2及び吸収体4等の形成材料としては、生理用ナプキン等の吸収性物品に従来用いられている各種のもの等を特に制限なく用いることができ、例えば、表面シートには親水性処理されたエアスルー不織布やその開孔処理シート、及び開孔フィルムを用いることができる。吸収体には、パルプと高吸収性ポリマーを混合して積繊したものやポリマーシート等を用いることができる。
図3(a)及び図3(b)は、第1発明の他の実施形態である。図3(a)に示すナプキンにおいては、側部シート5とウイング部形成材21とがヒートシールにより接合されて連続接合部32が形成されている。連続接合部32は、接合強度を強くする観点や、硬さを低下させる観点からホットメルト接着剤を併用しても良い。図3(b)に示すナプキンにおいては、連続接合部32が、ホットメルト型接着剤により形成されている。ホットメルト型接着剤を用いて連続接合部を形成する場合、図3(b)に示すように、ウイング部形成材21の端部をホットメルト型接着剤により側部シート5及び裏面シート3に固定するのに代えて、ウイング部形成材21と側部シート5との間、又はウイング部形成材21と裏面シート3との間にホットメルト型接着剤を介在させて連続接合部を形成することもできる。
また、側部シート5又はウイング部形成材21を折り返して間欠接合部31に固定しているため、吸収体4が吸収した液が、外部に漏れ出すことを防止することができる。
例えば、本発明の吸収性物品は、生理用ナプキンの他、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド等であっても良い。
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 側部シート
10 本体
20 ウイング部
21 ウイング部形成材
Claims (4)
- 吸収体、該吸収体の側部上面を覆う一対の側部シート、及び該吸収体の下面を覆う裏面シートを具備する本体と、該本体の両側それぞれに固定されてウイング部を形成しているウイング部形成材とからなる吸収性物品であって、
側部シートは、防漏性のシート材からなり、
各ウイング部形成材は、エラストマー材料により伸縮性を示す不織布からなり、
各ウイング部形成材は、本体の長手方向に間欠的に形成された間欠接合部において、側部シート及び裏面シートに接合されていると共に、本体の長手方向に連続的に形成され且つ間欠接合部より吸収体側に位置する連続接合部において、前記側部シート及び/又は裏面シートに接合されており、
前記間欠接合部においては、側部シートとウイング部形成材との間、及びウイング部形成材と裏面シートとの間が、本体の幅方向の同じ位置において接合されており、
前記間欠接合部は、本体の長手方向の両側部に形成されており、且つ側部シート及び裏面シートそれぞれの側端縁の近傍に形成されており、
前記本体の両側それぞれにおいて、ウイング部形成材が、側部シート及び裏面シートそれぞれの側端縁から延出し、延出した該ウイング部形成材によって前記ウイング部が形成されている吸収性物品。 - 各ウイング部形成材が、前記連続接合部において、側部シート及び裏面シートの何れか一方のみに接合されている請求項1記載の吸収性物品。
- 吸収体、該吸収体の側部上面を覆う一対の側部シート、及び該吸収体の下面を覆う裏面シートを具備する本体と、該本体の両側それぞれに固定されてウイング部を形成しているウイング部形成材とからなる吸収性物品であって、
側部シートは、防漏性のシート材からなり、
各ウイング部形成材は、エラストマー材料により伸縮性を示す不織布からなり、
各ウイング部形成材は、本体の長手方向に間欠的に形成された間欠接合部において、側部シート及び裏面シートに接合されており、側部シート又はウイング部形成材は、折り返されてそれ自体が2層をなしている部分が前記間欠接合部に固定されており、
前記間欠接合部においては、側部シートとウイング部形成材との間、及びウイング部形成材と裏面シートとの間が、本体の幅方向の同じ位置において接合されており、
前記間欠接合部は、本体の長手方向の両側部に形成されており、且つ側部シート及び裏面シートそれぞれの側端縁の近傍に形成されており、
前記本体の両側それぞれにおいて、ウイング部形成材が、側部シート及び裏面シートそれぞれの側端縁から延出し、延出した該ウイング部形成材によって前記ウイング部が形成されている吸収性物品。 - 各ウイング部は、本体の長手方向に沿う方向の寸法が3〜20cmである請求項1〜3の何れか記載の吸収性物品。
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