JP5030548B2 - 生理用ナプキン及びその製造方法 - Google Patents
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この種の生理用ナプキンにおけるウイング状フラップ部は、その片面にフラップ粘着部が設けられており、ナプキンの使用の際にショーツ等の下着(以下、単にショーツともいう)における股下部の縁部に沿って折り曲げられ、該フラップ粘着部を介して該下着の外表面に固定されるものである。
特許文献1には、透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸収体が介在されるとともに、両側部にそれぞれ下着に対する固定のために側方に突出する1つ以上のウイング状フラップ部が形成されており、不透液性裏面シートは吸収性物品の両側部において吸収体側縁を若干越えた位置をシート端とし、吸収性物品の表面がわ両側部にそれぞれ長手方向に沿って、かつ吸収性物品のほぼ全長に亘ってサイド不織布を設けるとともに、サイド不織布の一部を側方に延在させることによりウイング状フラップ部を形成されており、ウイング状フラップ部の非肌当接面側にはフラップ粘着部が形成されている吸収性物品が開示されている。特許文献1記載の吸収性物品によれば、ウイング状フラップ部の存在によって不快感を与えることが無いとともに、肌触り感や通気性が向上するようになる。サイド不織布を伸縮性不織布で構成する場合には、ウイング状フラップ部によって下着に固定されても、身体の動きに十分に追従し得るものとなる。
また、特許文献2に記載の生理用ナプキンは、ウイング状フラップ部の非肌当接面側の面が不透性裏面シートから形成されており、該裏面シートが樹脂フィルムから形成されている場合には、装着感及び操作性が劣る場合がある。
また、本実施形態のナプキン1において、一対のウイング状フラップ部6,6それぞれは、不織布から厚み方向に層構造を有するように形成されており、その基部62よりも吸収性本体10における幅方向の外方の位置に、該基部62よりも不織布の層数が多い部分としての中央部Mを有しており、該中央部Mと、非肌当接面側に形成されたフラップ粘着部61とが重なっている(中央部Mの非肌当接面側にフラップ粘着部61が形成されている)。
ナプキン1は、その長手方向が前方部A、長手方向中央領域である***部対向部B(着用者の液***部に対向配置される***部対向領域を幅方向中央に有する部分)及び後方部Cに区分される。
本実施形態の一対のウイング状フラップ部6,6は、ナプキン1の***部対向部Bに設けられている。一対のウイング状フラップ部6,6それぞれは、縦長であり、その長手方向が本体長手方向と一致している。
ウイング状フラップ部形成シート6Aは、ウイング状フラップ部6における本体幅方向の外方の端縁から、本体幅方向の内方に向って延びており、ウイング状フラップ部6の非肌当接面側の面を形成している。また、ウイング状フラップ部形成シート6Aは、吸収性本体10の長手方向の側縁部10aから、吸収性本体10の肌当接面側を覆うように、本体幅方向の内方に向って延びており、吸収性本体の長手方向の側部で、吸収性本体10の幅方向の内方に折り返し端部51を有するように、肌当接面側に且つ本体幅方向の外方に向って折り返された後、本体幅方向の外方に向って延びている。更に、ウイング状フラップ部形成シート6Aは、吸収性本体10の長手方向の側縁部10aから延出して、ウイング状フラップ部6の中央部Mまで延びており、ウイング状フラップ部6における内方部I及び中央部Mの肌当接面側の面を形成している。
そして、ウイング状フラップ部6の中央部Mの本体幅方向の長さは、2〜30mmであることが好ましく、特に5〜20mmであることが、中央部Mが剛性を有し、フラップ粘着部61を介して固定されているショーツ等の下着から、ウイング状フラップ部6を脱着する際に、ウイング状フラップ部6が破れない程度の所定の強度を中央部Mが有する上で好ましい。
また、内方部Iの本体幅方向の長さは、5〜30mmであることが好ましく、特に10〜20mmであることが、ウイング状フラップ部6を基部62で折り曲げてショーツ等に固定する際の操作性の観点から好ましい。
ここで、ウイング状フラップ部6及びその各部位の本体幅方向の長さは、吸収性本体10の***部対向部Bにおける本体幅方向の長さが最も大きい値をいう。
ウイング状フラップ部形成シート6Aを形成する不織布の坪量は、10〜80g/m2、特に20〜50g/m2であることが、ウイング状フラップ部6の基部62が柔軟性を有し、ウイング状フラップ部6の操作性が良好になると共に、ウイング状フラップ部6及びサイド防漏部5に所定の強度及び良好な装着感を与える上で好ましい。
ウイング状フラップ部形成シート6Bを形成する不織布の坪量は、10〜80g/m2、特に20〜50g/m2であることが、ウイング状フラップ部6に所定の強度及び良好な装着感を与える上で好ましい。
例えば、ウイング状フラップ部6の基部62近傍の柔軟性を確保しつつ、中央部Mに所定の強度を確保するためには、ウイング状フラップ部形成シート6Aを形成する不織布の坪量を、ウイング状フラップ部形成シート6Bよりも小さくすることが好ましい。
本実施形態のナプキン1の一対のサイド防漏部5,5それぞれは、図1に示すように、縦長に形成されており、その長手方向が本体長手方向と一致している。一対のサイド防漏部5,5それぞれは、略同じ幅を有し、本体長手方向の両端部間に亘って配されている。
***部対向部Bにおいて、裏面シート3における長手方向の両側縁部それぞれは、図2に示すように、シール部8よりも本体幅方向の外方に若干延出している。この裏面シート3の延出している部分は、ウイング状フラップ部6とは接合されていないことが、ウイング状フラップ部6の柔軟性及び操作性を良好にする上で好ましい。
一対のサイド防漏部5,5は、図1に示すように、それぞれ、第1接合線52で、該吸収性本体10に接合されている。第1接合線52は、吸収性本体10の長手方向に連続している。
第1接合線52は、本実施形態のようにサイド防漏部5が表面シート2のみと接合されて形成されたもの、又はサイド防漏部5が表面シート2と共に吸収体4にも固定されているが、該吸収体4の前記第1接合線相当部分に溝が形成されていないものである場合、吸収性物品が一層柔らかくなり、身体へのフィット性が向上する点で好ましい。
平面視において吸収体4と重なっているとは、第1接合線52の全体又は一部が、吸収体4が配されている領域内に存することを意味する。第1接合線52は、揺動幅W1の一部が、吸収体4と重なっていることが好ましく、前記揺動幅W1の全体が、吸収体4と重なっていることがより好ましい。本実施形態においては、第1接合線52は、その全長に亘って前記揺動幅W1の全体が吸収体4と重なっている。
一対のサイド防漏部5,5は、図2に示すように、それぞれ、第2接合線53で、該吸収性本体10に接合されている。第2接合線53は、吸収性本体10の長手方向に連続している。
更に説明すると、第2接合線53は、本体幅方向中央側に向けて凸の円弧状部分と、本体幅方向中央側に向けて凹の円弧状部分とが交互に連なった形状であり、本体長手方向と平行な部分を有していない。
また、第2接合線53の折り返し端部51に近い部分53aと折り返し端部51から遠い部分53bとの離間距離W3(図3参照以下、揺動幅ともいう)は、ヒートエンボス加工による第1接合線52のシール幅W2(図3参照)よりも長いことが好ましい。第1接合線52は所定の幅を有しており、第1接合線52の両側縁は微視的には平行な2本の直線とみなせるので、シール幅W2は、平行な前記2直線間の距離をいう。
第2接合線により形成される小さなポケット53cの領域は、第一接合線の長さL1に対し、前後にそれぞれ10%以上であることが好ましい。ポケット53cの長手方向の長さは、L1に対し、4%以上であることが好ましい。
また、第2接合線53における前記距離L2は、4〜30mmであることが好ましい。L2/L1は、4〜75%であることが好ましい。
また、第1接合線52の揺動幅W1は、2〜15mmであることが好ましく、第2接合線53の揺動幅W3は、2〜15mmであることが好ましい。W1は、W3と同じであるか、W3よりも大きいことが好ましい。
ナプキン1における吸収性本体10の肌当接面側には、図1に示すように、溝7が設けられている。溝7は、本体長手方向に延びる一対のエンボス溝、及び該エンボス溝の長手方向の両端部において、本体幅方向に延びる円弧状の2重のエンボス溝とから形成されている。また、本体長手方向に延びる一対の前記エンボス溝は、それぞれ内側に括れた形状を有している。溝7によって、表面シート2及び吸収体4が接合されている。
サイド防漏部5の折り返し端部51は、図2に示すように、溝7のすぐ外側に位置している。
また、着用時にねじれが生じやすい***部対向部Bに、大きなポケット52cを形成している第1接合線52を有すると共に、その前後に第2接合線53,53を有するため、ナプキン1にねじれが生じても、第2接合線53が形成する小さなポケット53cが変形して、ナプキン1のねじれが吸収される。そのため、***部対向部Bにおける大きなポケット52cは、ねじれによってつぶされることなく、幅方向に移動した体液を捕らえることができる。更に、ナプキン1は、着用時にはヒップ部にもねじれが生じやすいが、前記後方部Cにも、第2接合線53を有しているので、防漏性が一層高められている。
ウイング状フラップ部6は、不織布からなる2枚のウイング状フラップ部形成シート6C,6Dから形成されている。ウイング状フラップ部形成シート6Cは、図5に示すように、ウイング状フラップ部6の中央部Mから本体幅方向の外方に向って延びて、中央部M及び外方部Iの肌当接面側の面を形成しており、ウイング状フラップ部6の本体幅方向の外方に折り返し端縁部を形成するように、非肌当接面側に向って且つ本体幅方向の内方に向って折り返された後、本体幅方向の内方に向って延びて、ウイング状フラップ部6の非肌当接面側の面を形成し、吸収性本体10の側縁部10aにおいてシール部8により裏面シート3と接合されている。
例えば、本発明の吸収性物品は、前述した各実施形態において、フラップ粘着部61が、ウイング状フラップ部6の中央部Mのみに形成されていたが、フラップ粘着部61は、中央部Mから、内方部I又は外方部Oへ延出して形成されていても良い。
前述した一の実施形態のみが有する部分は、すべて適宜相互に利用できる。
まず、前記繰り出し工程においては、ロール状に巻回されている長尺状の不織布の原反(図示せず)から、不織布連続体60を繰り出す。
ロール状に巻回された状態にある不織布連続体60は、巻回圧によってその嵩(厚み)が減じられている。この状態の不織布連続体60を、前記熱風処理工程によってその嵩を回復させるため、繰り出された不織布連続体60を、前記熱風処理工程へ送る。
両側部60a,60aが重なっている部分Pの幅は、不織布連続体60の幅に対して1〜20%、特に3〜13%であることが、サイド防漏部5及びウイング状フラップ部6それぞれの寸法を確保する上で好ましい。
そして、折り返された不織布連続体60´を、前記エンボス工程へ送る。
そして、長尺状部材64を前記塗布工程へ送る。
そして、粘着剤が塗布された長尺状部材64を前記第1切断工程へ送る。
切断は、エンボス部63が形成されている帯状部分における幅方向の両端間を揺動するように行うことが好ましい。尚、前記粘着剤を保護している前記保護シートも同時に切断する。
そして、一対のサイド防漏部連続部材50,50を前記接合工程へ送る。
表面シート複合連続体20´は、ウイング状フラップ部形成部65が該裏面シート連続体30の長手方向の両側縁部から延出するように且つ塗布された前記粘着剤が非肌当接面側を向くように、裏面シート連続体30に接合する。また、吸収体4の上には、別に作製して用意したポリマーシート41を載置接合することが好ましい。
尚、本実施態様において、表面シート連続体20等を含め、特に説明していない部材は、常法に従い製造される。
1A 吸収性物品連続体
10 吸収性本体
10a 吸収性本体の長手方向の側縁部
101 吸収性本体連続体
11 吸収層
12 防漏層
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
41 ポリマーシート
5 サイド防漏部
50 サイド防漏部連続部材
5A サイド防漏部形成シート
51 折り返し端部
52 第1接合線
52a 折り返し端部に近い部分
52b 折り返し端部から遠い部分
52c ポケット
53 第2接合線
53a 折り返し端部に近い部分
53b 折り返し端部から遠い部分
53c ポケット
6 ウイング状フラップ部
6A,6B、6C、6D ウイング状フラップ部形成シート
60 不織布連続体
60´ 折り返された不織布連続体
60a 不織布連続体の長手方向の両側部
60a´ 折り返された不織布連続体の長手方向の両側部
61 フラップ粘着部
62 基部
63 エンボス部
64 長尺部材
7 溝
8 シール部
100A 原反
I ウイング状フラップ部の内方部
M ウイング状フラップ部の中央部
O ウイング状フラップ部の外方部
Claims (7)
- 吸収層及び防漏層を有する実質的に縦長の吸収性本体を具備し、該吸収性本体における長手方向の両側縁部から延出する一対のウイング状フラップ部を有する生理用ナプキンにおいて、
一対の前記ウイング状フラップ部それぞれは、不織布から厚み方向に層構造を有するように形成されており、該層構造は、該不織布の層数が部分的に異なっており、
一対の前記ウイング状フラップ部それぞれは、その前記吸収性本体における幅方向の中央部が3層の不織布から形成されており、該中央部より該幅方向内方に位置する該ウイング状フラップ部の基部が2層の不織布から形成されており、該中央部の3層の不織布同士及び該基部の2層の不織布同士はそれぞれ接合されており、
前記ウイング状フラップ部の非肌当接面側に形成されたフラップ粘着部は、該ウイング状フラップ部の前記中央部のみと重なっている生理用ナプキン。 - 一対のサイド防漏部を有しており、一対の該サイド防漏部により、前記吸収性本体における肌当接面側の長手方向両側部が覆われており、一対の該サイド防漏部それぞれと、一対の前記ウイング状フラップ部それぞれとが一体的に形成されており、
一対の前記ウイング状フラップ部それぞれには、多数のエンボス部が形成されている請求項1記載の生理用ナプキン。 - 一対の前記サイド防漏部それぞれは、前記ウイング状フラップ部を形成する不織布により、前記吸収性本体の前記幅方向の内方に折り返し端部を有するように、該不織布が該幅方向の外方に折り返されて形成されており、該折り返し端部の内面同士は少なくとも部分的に離間している請求項2記載の生理用ナプキン。
- 一対の前記サイド防漏部それぞれは、前記吸収性本体の前記幅方向内方側に向って凹状をなす第1接合線、及び該第1接合線の前記吸収性本体の前記長手方向前後に位置し、該長手方向に交差するように延びる第2接合線で該吸収性本体と接合されており、
一対の前記サイド防漏部それぞれにおける前記第1接合線と前記折り返し端部との間に、着用時に開口するポケットが形成されており、
前記第2接合線は、前記折り返し端部に近い部分と該折り返し端部から遠い部分とを交互に有しており、隣り合う前記折り返し端部に近い部分同士間の距離が、前記第1接合線の長手方向の長さよりも短い請求項3記載の生理用ナプキン。 - 請求項2記載の生理用ナプキンの製造方法であって、
ロール状に巻回されている長尺状の不織布の原反から、該不織布連続体を繰り出す繰り出し工程と、
繰り出された前記不織布連続体における長手方向の両側部それぞれを、該両側部同士が重なるように、その幅方向に折り返して3つ折りにする折り返し工程と、
折り返された前記不織布連続体を、前記両側部が重なっている部分を含むように、且つ折り返された該不織布連続体の両側部を除く部分に所定の幅で多数のエンボス部を形成して、長尺状部材を作製するエンボス工程と、
前記長尺状部材の一方の面における、前記両側部が重なっている前記部分に、粘着剤を連続体的に塗布する塗布工程と、
前記粘着剤が塗布された前記長尺状部材を、その幅方向に且つ前記エンボス部が形成された前記所定の幅内で揺動するように、その長手方向に切断して、ウイング状フラップ部形成部が間欠的に形成された一対のサイド防漏部連続部材を作製する第1切断工程と、
一対の前記サイド防漏部連続部材を、別に作製した吸収性本体連続体における肌当接面側の長手方向の両側部に、前記ウイング状フラップ部形成部が該吸収性本体連続体の長手方向の両側縁部から延出するように且つ塗布された前記粘着剤が非肌当接面側を向くように、該吸収性本体連続体に接合して吸収性物品連続体を作製する接合工程と、
前記吸収性物品連続体を個々の吸収性物品に切断する第2切断工程とを具備する生理用ナプキンの製造方法。 - 前記不織布連続体は通気性を有しており、前記繰り出し工程の後に、該不織布連続体に熱風をエアースルー方式で吹き付けて該不織布連続体の嵩を増加させる熱風処理工程を有する請求項5記載の生理用ナプキンの製造方法。
- 前記接合工程において、一対の前記サイド防漏部連続部材における前記エンボス部が形成されていない部分を、
前記吸収性本体連続体の幅方向内方側に向って凹状をなす第1接合線、及び該第1接合線の該吸収性本体連続体の長手方向前後に位置し、該長手方向に交差するように延びる第2接合線で、該吸収性本体連続体と接合する請求項5又は6に記載の生理用ナプキンの製造方法。
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