JP4431676B2 - 水処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水処理方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、炭酸ガスを含む工業用水の循環水系において、炭酸カルシウムを主体とするスケールの生成を防止するための水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
銑鉄製造に用いられる高炉から排出されるガス(高炉ガス)や鉄鋼製造に用いられる転炉から排出されるガス(転炉ガス)は、多量の粉塵と炉内での反応により生じた各種反応ガスを含むので、乾式および/または湿式集塵器を通して除塵した後、有用なガスをガスホルダーに回収して再利用する方式が一般に採用されている。
【0003】
湿式集塵器で除塵に用いられた水、すなわち集塵水には鉄鉱石、コークスおよび石灰石などの製銑原料に由来する微粉(ダスト)やカルシウム、鉄、亜鉛およびマグネシウムなどの塩類が溶解・懸濁している。これらの溶解・懸濁物は沈殿池で沈殿除去するだけでは清浄化できず、このような集塵水を放流することは環境保全上好ましくないため、集塵水は通常、完全循環方式で用いられている。
【0004】
水に溶解しないダストは、凝集剤添加などの沈殿促進手段によって、シックナーなどの沈殿池で効果的に除去される。しかしながら、水に溶解している前記のような塩類は凝集剤添加によっても除去されず、集塵水の循環水系において、スケールとして析出し、パイプやバルブなどの閉塞事故を引き起こしやすい。
例えば、高炉集塵水の循環水系においては、高炉ガスが石灰石などの製銑原料に由来するカルシウム成分および炭酸ガスを多く含むので、炭酸カルシウムを主体とするスケールが生成しやすい。
【0005】
そこで、スケール析出による循環水系の閉塞事故を防止するため、集塵水にアルカリを添加してpHを調整した後、ポリ燐酸塩を添加する方法が開発されている(特開昭49−133209号公報参照)。この方法では、pH調整によって水に溶解している塩類を水に不溶性の水酸化物として析出させ、さらに凝集剤を添加して析出物を分離している。
また、凝集剤としては、アニオン系(一部、カチオン系)の高分子凝集剤が用いられている。
【0006】
しかしながら、集塵水のpHを調整する方法では、用水に溶解している炭酸水素塩を水に不溶性の炭酸化物として析出させることができなかった。
また、凝集剤としてアニオン系高分子凝集剤を用いる処理方法では、凝集剤の添加後、時間の経過と共に凝集物が空気酸化されて乳白色または赤褐色のコロイド状になり、これが沈殿池に浮遊して、懸濁物質(SS)濃度を上昇させ、かえって悪影響を与えるという問題があった。
したがって、さらに効果的な集塵水の処理方法の開発が望まれている。
【0007】
本発明の方法における用水中での曝気は、用水中のダストの沈降を防止する手段や鉄イオンを含む用水から酸化鉄を生成させる手段として知られているが、炭酸ガスを含む用水から炭酸化物を生成させる手段としては知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、炭酸ガスを含む工業用水の循環水系において、炭酸カルシウムを主体とするスケールの生成を効率的に防止するための水処理方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、炭酸ガスを含む工業用水においてはカルシウム成分が炭酸水素塩として溶解していることに着目し、この用水を曝気、すなわち脱炭酸させることによりカルシウムイオンを不溶性の炭酸カルシウムとして析出させ、用水中のカルシウムイオンを低下させることにより、炭酸カルシウムを主体とするスケールの生成を効率的に防止できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0010】
また、本発明者らは、上記の曝気処理した用水にカチオン系高分子凝集剤を添加して用水中の懸濁物を凝集沈殿除去すること、およびさらにホスホン酸系スケール防止剤を添加することにより、炭酸カルシウムを主体とするスケールの生成をさらに効率的に防止できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0011】
かくして、本発明によれば、炭酸ガスを含む工業用水の循環水系において、用水を曝気して用水中に溶解しているカルシウムイオンを不溶性の炭酸カルシウムとして析出させ(以下、「曝気処理」という)、次いで用水中の懸濁物を除去し、処理された用水を循環使用することを特徴とする水処理方法が提供される。
【0012】
また、本発明によれば、上記の曝気処理の後、カチオン系高分子凝集剤を添加して用水中の懸濁物を凝集沈殿除去し(以下、「凝集剤添加処理」という)、処理された用水を循環使用することを特徴とする水処理方法が提供される。
【0013】
さらに、本発明によれば、上記の凝集剤添加処理の後、ホスホン酸系スケール防止剤を添加した用水を循環使用することを特徴とする水処理方法が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明における「炭酸ガスを含む工業用水の循環水系」とは、炭酸カルシウムを主体とするスケールが生成しやすい循環水系であれば特に限定されない。具体的には、製鉄所の高炉集塵水や転炉集塵水の循環水系および製紙工場の紙パルプ工程の循環水系などが挙げられる。本発明の水処理方法は、高炉集塵水の循環水系における水処理に特に好適に用いられる。
【0015】
本発明の水処理方法では、用水を曝気して用水中に溶解しているカルシウムイオンを不溶性の炭酸カルシウムとして析出させ、析出した炭酸カルシウムを含む用水中の懸濁物を除去する。
高炉集塵水の場合、集塵水に高炉ガスが接触すると、ガス中のカルシウム成分は炭酸水素カルシウムの形態で集塵水に溶解する。この溶解した炭酸水素カルシウムが次式のように曝気によって脱炭酸されて、炭酸カルシウムの形態で析出する。
Ca(HCO3)2 → CaCO3 +CO2 +H2
【0016】
曝気処理は、公知の水中散気装置やエアーポンプなどの装置を用いて行うことができる。装置の排気能力は、用水中のカルシウムイオンの含有量などに応じて設定すればよい。したがって、処理対象の用水中のカルシウムイオンの含有量を予め測定しておき、装置の排気能力を設定すればよい。例えば、用水中のカルシウムイオンの含有量が200mg/リットルで、かつ循環水量が500m3 /時間である高炉集塵水の場合、装置の排気能力は100〜200m3 /時間程度で十分である。
【0017】
曝気処理後、用水中の懸濁物を除去し、処理された用水を循環使用する。懸濁物を除去する方法としては、公知の方法、例えばシックナーなどの沈殿池を用いる方法が挙げられる。
【0018】
本発明の水処理方法では、曝気処理した用水にカチオン系高分子凝集剤を添加して用水中の懸濁物を凝集沈殿除去することにより、さらに効率的に炭酸カルシウムを主体とするスケールの生成を防止できる。
【0019】
カチオン系高分子凝集剤としては、水溶性アニリン樹脂塩酸塩、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、キトサンおよびヘキサメチレンジアミン・エピクロロヒドリン重縮合物などの中重合度(分子量数千〜数万)のもの、ポリビニルイミダゾリン、ポリアルキルアミノアクリレート、ポリアルキルアミノメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル系(共重合物を含む)およびポリアクリルアミドならびにそれらのマンニッヒ変性物および部分加水分解物などの高重合度(分子量数十万〜数千万)のものが挙げられる。これらの中でも、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミド部分加水分解物およびポリメタクリル酸エステル共重合物が好ましく、工業的に最も汎用されているポリアクリル酸エステル共重合物が特に好ましい。
【0020】
カチオン系高分子凝集剤は、そのイオン性により、強カチオン系(エステル化度65モル%以上)、中カチオン系(エステル化度30〜65モル%)および弱カチオン系(エステル化度30モル%以下)にさらに分類される。そして、カチオン系高分子凝集剤の中でも、凝集効果の点では強カチオン系が特に好ましい。なお、一般に基準となるイオン性は、凝集剤がエステル化物の場合には、エステル化度でもって分類することもでき、上記の( )内に示されるのがそれぞれの目安となるエステル化度である。
【0021】
また、その他の高分子凝集剤としては、「新高分子文庫4 高分子凝集剤」(大森英三著、株式会社高分子刊行会、1986年11月30日第7刷発行)、第34頁に記載のものが挙げられる。
【0022】
用水に添加する凝集剤の添加割合は、用水中の懸濁物の量により変動し得るが、通常、高炉集塵水に対しては、0.1〜5mg/リットル、好ましくは0.2〜1mg/リットルである。
凝集剤の添加割合が0.1mg/リットル未満の場合には、凝集物を十分に凝集沈殿させることができないので好ましくない。また、凝集剤の添加割合が5mg/リットルを超える場合には、それ以上の効果が期待できず、かつコスト的に不利になるので好ましくない。
【0023】
本発明の水処理方法によれば、曝気処理および凝集剤添加処理を行い、用水中の懸濁物を凝集沈殿除去した用水に、さらにホスホン酸系スケール防止剤を添加することにより、さらに効率的に炭酸カルシウムを主体とするスケールの生成を防止できる。
カチオン系高分子凝集剤で処理した用水への特定のホスホン酸系スケール防止剤の添加は、スケール生成の抑制に特異的に作用する。
【0024】
本発明において用いられるホスホン酸系スケール防止剤としては、分子内にカルボキシ基を含有しないホスホン酸系のスケール防止剤が好ましく、例えば、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、1,1,1−ニトリロトリ(メチルホスホン酸)もしくはエチレンジアミンテトラメチルホスホン酸またはそれらの塩が挙げられる。その塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩およびカリウム塩などのアルカリ金属塩、ならびにアンモニウム塩などが挙げられる。これらの中でも、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、1,1,1−ニトリロトリ(メチルホスホン酸)およびエチレンジアミンテトラメチルホスホン酸ならびにそれらの塩が特に好ましい。
【0025】
用水に添加するホスホン酸系スケール防止剤の添加割合は、通常、0.1〜10mg/リットル、好ましくは1〜5mg/リットルである。
スケール防止剤の添加割合が0.1mg/リットル未満の場合には、十分なスケール防止効果が期待できないので好ましくない。また、スケール防止剤の添加割合が10mg/リットルを超える場合には、それ以上の効果が期待できず、かつコスト的に不利になるので好ましくない。
【0026】
本発明の水処理方法を、図1を用いて具体的に説明する。
図1は高炉から排出されたガスの流れ、およびそのガスを処理する集塵水の循環経路を示す概略図である。高炉(1)から排出されたガス(高炉ガス)は、まず乾式集塵器(2)(DC:ダストキャッチャー)で集塵され、次いで湿式集塵器(3)に送られる。湿式集塵器(3)は一般に二段VS(ベンチュリースクラバー)が多く、1VS(4)および2VS(5)から構成される。高炉ガスは1VS(4)、2VS(5)およびTRT(6)(炉頂圧回収発電設備)の順に送られ、1VS(4)および2VS(5)で湿式集塵されてTRT(6)に導入されてから高炉ガスホルダー(図示しない)に回収される。湿式集塵に用いられた水(高炉集塵水)は、シックナー(7)で固形物が回収され、貯水槽(8)を経て、1VS(4)および2VS(5)に送られ、循環系でくり返し利用される。なお、必要に応じてA点(水補充口)では新しい水が補充され、B点(凝集沈殿物排出口)では凝集沈殿物が排出除去される。
【0027】
上記の高炉集塵水の循環水系に本発明の方法を適用する場合には、曝気処理を1VS(4)および2VS(5)の出口付近で行い、凝集剤添加処理をシックナー(7)の入口付近で行い、ホスホン酸系スケール防止剤の添加を貯水槽(8)と1VS(4)および2VS(5)の入口の間で行うのが好ましい。
【0028】
【実施例】
本発明を試験例により以下に説明するが、これらの試験例により本発明が限定されるものではない。
【0029】
試験例1(エアーポンプによる曝気試験)
某製鉄所の高炉集塵水の循環再利用経路の1VS〔図1(4)参照〕出口において採取した水を試験水として、エアーポンプによる曝気試験を行った。
図2に示されるように、試験水(9)0.5リットルを容量0.5リットルのメスシリンダー(10)に採取し、排気能力1.2リットル/分のエアーポンプ(11)で所定時間曝気した。図中、(12)は曝気用のノズルを示す。曝気後、試験水を濾過し、試験水中のカルシウムイオン濃度(Caイオン濃度)を測定した。
曝気前の試験水の水質を表1に、曝気後のCaイオン濃度を曝気時間、空気量および空気と水の比率(空気/水比)とともに表2に示す。なお、曝気時間0分(曝気前)と曝気時間8分後の試験水については、水温とpHを付記する。
【0030】
【表1】
Figure 0004431676
【0031】
【表2】
Figure 0004431676
【0032】
試験例2(水中散気装置による曝気試験)
試験例1と同様にして採取した水(水質については表1を参照)を試験水として、水中散気装置(ミニプラント)による曝気試験を行った。
図3に示されるように、試験水(13)150リットルを容量200リットルのドラム型ポリエチレン容器(14)に採取し、排気能力7リットル/分の水中散気装置(15)(一部分のみ図示)で所定時間曝気した。曝気後、試験水を濾過し、試験水中のCaイオン濃度を測定した。
曝気後のCaイオン濃度を曝気時間、空気量および空気/水比とともに表3に示す。なお、曝気時間0分(曝気前)と曝気時間20分後の試験水については、水温とpHを付記する。
【0033】
【表3】
Figure 0004431676
【0034】
試験例3(高炉集塵水の循環再利用経路での水中散気装置による曝気試験)
図1に示される某製鉄所の高炉集塵水の循環再利用経路の1VS(4)とシックナー(7)の間に図4に示される水系を設置し、水中散気装置による曝気試験を行った。
350m3 /時間で集塵水が循環する1VS(4)とシックナー(7)との間から17.5リットル/分で集塵水を取水した(水質については表1を参照)。この集塵水を0.7リットル/分で凝集槽2(18)(容量130リットル)に送液し、残りを曝気槽(16)(容量150リットル)に送液した。曝気槽(16)では排気能力7リットル/分の水中散気装置(19)で集塵水を曝気し、流量調整槽(20)を介して集塵水を0.7リットル/分で凝集槽1(17)(容量130リットル)に送液した。凝集槽1(17)および凝集槽2(18)における集塵水の滞留時間は共に3時間、シックナー(7)における集塵水の滞留時間は3時間であった。
【0035】
図4の▲1▼〜▲5▼において集塵水を採取し、それぞれのCaイオン濃度を測定した。一部の集塵水についてはその水温とPHを測定した。
得られた結果を表4に示す。
【0036】
【表4】
Figure 0004431676
【0037】
凝集槽1(17)および凝集槽2(18)の出口側にスケールの付着速度測定用のテストチューブ(SGP)CおよびDをそれぞれ設置し、集塵水を7日間流通させた。
テストチューブを試験前に予め酸洗浄し、重量(W0 )を測定しておき、試験後にテストチューブを乾燥してその重量(W7 )を測定した。
測定結果から次式によりスケールの付着速度を算出した。
Figure 0004431676
T (cm2) :テストチューブの内面積
D(日) :試験日数
なお、付着速度の単位「Mcm」は「mg/cm2 ・月」を意味する。
得られた結果を集塵水の曝気処理の有無とともに表5に示す。
【0038】
【表5】
Figure 0004431676
【0039】
試験例4(高炉集塵水の曝気処理水の凝集効果確認試験)
試験例3における曝気処理後の集塵水(図4の▲2▼において採取)を試験水として、凝集剤の添加による凝集効果確認試験を行った。
試験水0.5リットルを容量0.5リットルのビーカーに採取し、下記のような各種凝集剤を試験水に対して添加割合が0.3mg/リットルになるようにそれぞれ添加して、3時間静置した。その後、試験水の上澄み液について下記の基準で外観を評価し、試験水中のCaイオン濃度および全カルシウム濃度(全Ca濃度)を測定した。また、カルシウム粒子(Ca粒子)の析出量は、試験水中のCaイオン濃度と全Ca濃度の差から求めた。なお、凝集剤を添加しないものについても同様に評価、測定した。
【0040】
(供試凝集剤)
A:ポリアクリルアミド
B:ポリアクリルアミド部分加水分解物
C:弱カチオン性ポリメタクリル酸エステル共重合物
D:中カチオン性ポリメタクリル酸エステル共重合物
E:強カチオン性ポリメタクリル酸エステル共重合物
【0041】
(外観の評価基準)
◎:無色透明
△:処理水中に少量のSSを含む(濁質少量あり)
×:処理水中に多量のSSを含む(濁質多量あり)
得られた結果を表6に示す。
【0042】
【表6】
Figure 0004431676
【0043】
試験例5(高炉集塵水の曝気処理および凝集剤添加処理後のスケール防止剤添加効果確認試験)
試験例4において曝気処理後の集塵水に凝集剤として中カチオン性ポリメタクリル酸エステル共重合物(D)を添加し、凝集処理および濾過した水を試験水として、スケール防止剤の添加によるスケール防止効果確認試験を行った。
図5に示されるセパラブルフラスコ(22)からなるジャーテスト装置(21)に試験水(23)1リットルを導入し、表7に示されるスケール防止剤を試験水に対して添加割合が3mg/リットルになるようにそれぞれ添加した。次いで、マグネチックスターラー(24)および回転子(25)で試験水を攪拌し、温度調節器(26)およびヒーター(27)を用いて、試験水を70℃で3時間保持した。図中、(28)はコンデンサーである。その後、試験水を濾過し、Caイオン濃度を測定し、次式よりCa析出量およびその析出率(%)を算出した。なお、スケール防止剤を添加しないものについても同様に試験、測定した。
【0044】
Ca析出量(mg/リットル)=X−Y
Ca析出率(%)=(X−Y)/X×100
X:初期(試験前)のCaイオン濃度(mg/リットル)
Y:濾過後の試験水のCaイオン濃度(mg/リットル)
スケール防止剤を添加する前の試験水の水質を表7に、Ca析出量とその析出率(%)を、添加したスケール防止剤とともに表8に示す。
【0045】
【表7】
Figure 0004431676
【0046】
【表8】
Figure 0004431676
【0047】
表8の実施例に記載のスケール防止剤は本発明のホスホン酸系のものであり、次のような略号で表される。また、比較例に記載のスケール防止剤はホスホン酸系以外のものである。
A :1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸
B :1,1,1−ニトリロトリ(メチルホスホン酸)
C :エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸
−Na :ナトリウム塩
−K :カリウム塩
−LI :リチウム塩
−NH4:アンモニウム塩
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、炭酸ガスを含む工業用水の循環水系において、用水を曝気して用水中に溶解しているカルシウムイオンを不溶性の炭酸カルシウムとして析出させ、次いで用水中の懸濁物を除去するので、炭酸カルシウムを主体とするスケールの生成を効率的に防止することができる。
【0049】
また、曝気処理した用水にカチオン系高分子凝集剤を添加して用水中の懸濁物を凝集沈殿除去するので、炭酸カルシウムを主体とするスケールの生成をより効率的に防止することができる。
【0050】
さらに、曝気処理および凝集剤添加処理を行い、用水中の懸濁物を凝集沈殿除去した用水にホスホン酸系スケール防止剤を添加するので、炭酸カルシウムを主体とするスケールの生成をさらに効率的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高炉からの排出ガスを処理する集塵水の処理装置を示す模式図である。
【図2】試験例1のエアーポンプによる曝気試験の装置を示す模式図である。
【図3】試験例2の水中散気装置による曝気試験の装置を示す模式図である。
【図4】試験例3の高炉集塵水の循環再利用経路での水中散気装置による曝気試験の水系を示す模式図である。
【図5】試験例5の高炉集塵水の曝気処理および凝集剤添加処理後のスケール防止剤添加効果確認試験のジャーテスト装置を示す模式図である。
【符号の説明】
1 高炉
2 乾式集塵器
3 湿式集塵器
4 1VS
5 2VS
6 TRT
7 シックナー
8 貯水槽
9、13、23 試験水
10 メスシリンダー
11 エアーポンプ
12 ノズル
14 ドラム型ポリエチレン容器
15、19 水中散気装置
16 曝気槽
17 凝集槽1
18 凝集槽2
20 流量調整槽
21 ジャーテスト装置
22 セパラブルフラスコ
24 マグネチックスターラー
25 回転子
26 温度調節器
27 ヒーター
28 コンデンサー
A 水補充口
B 凝集沈殿物排出口
C、D テストチューブ

Claims (8)

  1. 炭酸ガスを含む工業用水の循環水系において、用水を曝気して用水中に溶解しているカルシウムイオンを不溶性の炭酸カルシウムとして析出させ、次いで用水中の懸濁物を除去し、処理された用水を循環使用することを特徴とする水処理方法。
  2. 炭酸ガスを含む工業用水の循環水系において、用水を曝気して用水中に溶解しているカルシウムイオンを不溶性の炭酸カルシウムとして析出させ、次いでカチオン系高分子凝集剤を添加して用水中の懸濁物を凝集沈殿除去し、処理された用水を循環使用することを特徴とする水処理方法。
  3. カチオン系高分子凝集剤が、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミド部分加水分解物またはポリメタクリル酸エステル共重合物である請求項2に記載の水処理方法。
  4. カチオン系高分子凝集剤の添加割合が用水に対して0.1〜5mg/リットルである請求項2または3に記載の水処理方法。
  5. 炭酸ガスを含む工業用水の循環水系において、用水を曝気して用水中に溶解しているカルシウムイオンを不溶性の炭酸カルシウムとして析出させ、次いでカチオン系高分子凝集剤を添加して用水中の懸濁物を凝集沈殿除去し、さらにホスホン酸系スケール防止剤を添加した用水を循環使用することを特徴とする水処理方法。
  6. ホスホン酸系スケール防止剤が、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、1,1,1−ニトリロトリ(メチルホスホン酸)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸またはそれらの塩である請求項5に記載の水処理方法。
  7. ホスホン酸系スケール防止剤の添加割合が用水に対して0.1〜10mg/リットルである請求項5または6に記載の水処理方法。
  8. 用水が高炉集塵水である請求項1〜7のいずれか1つに記載の水処理方法。
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