JP5707677B2 - 転炉集塵水系の鉄スケール付着防止方法及び付着防止剤 - Google Patents

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本発明は、転炉集塵水系の鉄スケール付着防止方法に係り、特に転炉集塵水系において、鉄系懸濁物質を水中に捕捉すると共に鉄イオンが溶解した後、pH上昇などにより析出する鉄系スケールの付着を有効に防止する方法に関する。
製鋼工場で発生するダストは、工場内に設置された集塵機により回収され、この回収されたダストは、鉄源として溶銑処理や転炉等で再利用されている。特に、転炉による精練工程では、酸化鉄を主体とする大量のダストが発生するため、排ガス中のCOガスを分離する方式(OG方式)の排ガス回収系統を利用した湿式集塵法によってダストの回収が行われている。
図1は、転炉排ガスの湿式集塵設備の一例を示す系統図であり、転炉からの排ガスは、1次集塵機2及び2次集塵機3で湿式集塵処理された後、誘導通風ファン4により吸引されて、回収弁5、水封V弁6を経てOGガスホルダ7に一時貯留され、他工場へ送られる。なお、8,9は処理ガスの流路を煙突10又はOGガスホルダ7へ調整するバイパス弁、三方弁である。
1次集塵機2及び2次集塵機3には、それぞれ集塵用の水が導入され、集塵処理によりダストを含む水が排出される。各集塵機2,3の集塵排水は、循環利用されるが、その際、次のような循環方式が知られている。
(1) シリーズ給水方式
図1に示すように1次集塵機2から排出される集塵排水を水処理系統20で処理して2次集塵機3の集塵用水として給水し、2次集塵機3から排出される集塵排水を1次集塵機2の集塵用水として循環する。この場合、1次集塵機2から排出される集塵排水は、図1に示す如く、まず、粗粒分離機21で粗粒分が分離された後、シックナ23で固液分離され、分離水がOG処理水槽24を経てポンプ25により2次集塵機3に送給される。粗粒分離機21で分離された粗粒分はダストホッパ22を経て排出される。シックナ23の分離汚泥は、焼結工場等へ送給される。また、OG処理水槽24内の水の一部はオーバーフローピット26を経て系外へ排出され処理設備等へ送給される。
2次集塵機3の集塵排水はタンク27を経てポンプ28により1次集塵機2に循環される。
なお、各集塵機2,3からの集塵排水は、必要に応じて、途中、ピットやホッパ等を経て移送されるが、これらについての説明は省略する。
(2) パラレル給水方式
1次集塵機2から排出される集塵排水を水処理して1次集塵機2の集塵用水として循環し、2次集塵機3から排出される集塵排水を水処理して2次集塵機3の集塵用水として循環する。
この場合、1次集塵機2の集塵排水と2次集塵機3の集塵排水は、図1に示すような水処理系統に送給されて処理され、処理水がそれぞれ1次集塵機2及び2次集塵機3に集塵用水として送給される。
このような転炉集塵水系では、次のような要因で鉄スケールの析出、付着の問題があった。
転炉集塵水は、吹錬時に酸化鉄や鉄を主体とするダストを捕捉すると同時に、炭酸ガスを吸収してpHが低下する。pH低下(pH6〜7或いはそれ以下)により鉄がイオンとして溶解するが、徐々に炭酸ガスを放出してpHが上昇すると同時に鉄溶解度が下がるため、鉄の析出が起こる。即ち、FeイオンはpH上昇に伴い溶解度が小さくなり、また、Feイオンの中でもFe2+は不安定なため、より溶解度の小さいFe3+に酸化され易いことから、鉄の析出、付着が起こる。この鉄の析出、付着の際、共存する鉄系懸濁物質を抱き込むことにより系内のスケール付着が増大する。集塵系内にスケールが付着すると、集塵水量が低下するため、集塵効率が低下し、著しい場合には操業停止に至る場合がある。
従来、水系の鉄系スケールの防止方法としては、ホスホン酸系、アクリル酸系、或いはマレイン酸系の重合物や共重合物をスケール防止剤として添加することが行われてきた。
また、水系に添加されたスケール防止剤は、その水系に懸濁物質が存在すると、その懸濁物質に吸着、消耗され、目的とする効果が得られないことが知られている。例えば、特許文献1には、鉄化合物や懸濁物質が存在する水系では、従来のスケール防止剤を添加しても十分な効果が得られないため、スケール防止剤を添加する水系の全鉄濃度(鉄イオン・コロイド・粒子の合計量)を1mg/L以下に制御する必要があることが報告されている。
しかしながら、従来においては、鉄系懸濁物質存在下での鉄イオンの析出が原因で鉄系スケールが付着する系に対して、有効なスケール付着防止技術の提案はなされていない。このため、前述の転炉集塵水系における鉄スケールの析出、付着については、定期的に運転を停止して、配管内洗浄や配管交換を行うことで対応しており、このことが、安定操業に支障を来していた。
特開2008−6369号公報
本発明は、鉄系懸濁物質が存在する弱酸性条件下で鉄スケールが析出、付着する転炉集塵水系において、鉄系懸濁物質に対する吸着、消耗が少なく且つ鉄イオンの析出抑制効果に優れたスケール防止剤を用いて、鉄系スケールの付着を確実に防止して安定操業を図る転炉集塵水系の鉄スケール付着防止方法を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の転炉集塵水系の鉄スケール付着防止方法は、転炉集塵水系のうち、集塵機に対して集塵用水として給水される水であり、かつ鉄系懸濁物質が100mg/L以上存在し、pH7以下、鉄イオン濃度が1mg/L以上である箇所に、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及び/又はその塩を添加することを特徴とする。
請求項2の転炉集塵水系の鉄スケール付着防止方法は、請求項1において、前記鉄系懸濁物質が、FeO、Fe、Fe、Fe、及びFeO(OH)よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を主成分とすることを特徴とする。
請求項3の転炉集塵水系の鉄スケール付着防止方法は、請求項1又は2において、前記転炉集塵水系が、転炉排ガスを1次集塵機及び2次集塵機で順次集塵処理している集塵水系であって、1次集塵機から排出される集塵排水を水処理した後、2次集塵機の集塵用水として給水し、2次集塵機から排出される集塵排水を1次集塵機の集塵用水として循環するシリーズ給水の集塵方式においては、2次集塵機から排出され1次集塵機に循環される循環水及び/又は1次集塵機から排出され水処理後に2次集塵機に給水される処理水に、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及び/又はその塩を添加し、1次集塵機から排出される集塵排水を水処理した後、1次集塵機の集塵用水として循環し、2次集塵機から排出される集塵排水を水処理した後、2次集塵機の集塵用水として循環するパラレル給水の集塵方式においては、1次集塵機から排出され水処理後に1次集塵機に循環される循環水及び/又は2次集塵機から排出され水処理後に2次集塵機に循環される循環水に、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及び/又はその塩を添加することを特徴とする。
請求項4の転炉集塵水系の鉄スケール付着防止方法は、請求項1ないし3のいずれか1項において、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及び/又はその塩を、転炉集塵水系における濃度が0.1〜100mg/Lとなるように添加することを特徴とする。
本発明(請求項5)の転炉集塵水系の鉄スケール付着防止剤は、転炉集塵水系のうち、集塵機に対して集塵用水として給水される水であり、かつ鉄系懸濁物質が100mg/L以上存在し、pH7以下、鉄イオン濃度が1mg/L以上である箇所に添加される鉄スケール付着防止剤であって、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及び/又はその塩を含むことを特徴とする。
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及び/又はその塩(以下「1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(塩)」と称す場合がある。)は、鉄系懸濁物質が存在する系において、懸濁物質に対する吸着及びそれによる消耗が少なく、しかも鉄イオンの析出抑制効果に優れ、鉄系懸濁物質が100mg/L以上存在し、かつpH7以下で鉄イオン濃度が1mg/L以上の鉄が析出し易い転炉集塵水系において、鉄スケールの析出及び付着を有効に防止する。
なお、カルシウム系の懸濁物質の存在下では、懸濁物質表面のCaとホスホン酸との吸着或いはホスホン酸カルシウムの生成によりホスホン酸系化合物である1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(塩)は消耗する。しかしながら、本発明で対象とする転炉集塵水系中の鉄系懸濁物質の場合は、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(塩)の吸着が少なく、吸着、消耗によるスケール付着防止効果の低下は防止され、添加効果を有効に発揮することができる。
このため、本発明によれば、転炉集塵水系における鉄イオンの析出、付着による集塵効率の低下を防止し、また配管洗浄や配管交換の頻度を大幅に低減して、安定操業を図ることが可能となる。
転炉排ガスの湿式集塵設備の一例を示す系統図である。
以下に本発明の転炉集塵水系の鉄スケール付着防止方法の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の転炉集塵水系の鉄スケール付着防止方法においては、転炉集塵水系に対して鉄スケールの付着防止剤として、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(塩)を添加する。このうち1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸の塩としては、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸のナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩やアンモニウム塩などを用いることができ、この塩は一つのホスホン酸基のみが塩形となったものであっても、二つのホスホン酸基が塩形となったものでも良い。1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(塩)は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
本発明において処理対象とする転炉集塵水系は、鉄系懸濁物質を100mg/L以上を含み、pHが7以下の酸性条件であり、鉄イオン濃度が1mg/L以上の水系である。
このうち鉄系懸濁物質は、一般に、FeO、Fe、Fe等の酸化鉄、金属鉄、FeO(OH)等の水酸化鉄といった鉄系成分を主体とし、通常これらの鉄系成分を60重量%以上含むものである。
転炉集塵水系中の鉄系懸濁物質の存在量は、通常100mg/L以上、特に500mg/L以上である。鉄系懸濁物質の存在量の上限には特に制限はないが、通常10,000mg/L以下である。このような鉄系懸濁物質存在量の転炉集塵水系は、通常濁度が20度以上、例えば50〜90度の高濁度懸濁水である。
また、転炉集塵水系のpHは、炭酸ガスの放出量によっても異なるが、通常pH6〜7、特に6.5〜7程度であり、このような弱酸性の転炉集塵水系内では、その後の炭酸ガスの放出によるpH上昇で鉄イオンの析出がおこる。
また、転炉集塵水系の鉄イオン濃度は通常1mg/L以上であり、その上限は通常100mg/L以下である。本発明においては、10mg/L以上特に20mg/L以上の高濃度の鉄イオンが存在する場合でも有効に鉄スケールの付着を防ぐことができる。
本発明においては、このように鉄系懸濁物質が多量に存在し、かつ鉄イオン濃度の高い、弱酸性の、鉄イオンが析出し易い転炉集塵水系に、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(塩)を添加することにより、鉄スケールの析出、付着を防止する。
転炉集塵水系への1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(塩)の添加量は、鉄スケールの付着防止効果が得られる程度であれば良く、転炉集塵水系の水質による鉄スケールの析出傾向によっても異なるが、通常、処理対象水中の1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(塩)濃度が0.1〜100mg/L、特に1〜10mg/Lとなるように添加することが好ましい。1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(塩)添加量が少な過ぎると十分なスケール付着防止効果を得ることができず、多過ぎても添加効果に見合う向上効果は得られず、薬剤コストの面で経済的に不利である。
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(塩)の添加箇所としては特に制限はないが、前述の集塵方式に応じて、例えば次のような箇所とすることが好ましい。
(1) シリーズ給水の集塵方式の場合
2次集塵機から排出され1次集塵機に循環される循環水及び/又は1次集塵機から排出され水処理後に2次集塵機に給水される処理水に添加する。
例えば、図1において、1次集塵機2へ循環される2次集塵機3の集塵排水、及び/又は1次集塵機2の集塵排水を水処理系統20で処理した後、2次集塵機3に給水される集塵用水に、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(塩)を添加する。
(2) パラレル給水の集塵方式の場合
1次集塵機から排出され水処理後に1次集塵機に循環される循環水、及び/又は、2次集塵機から排出され水処理後に2次集塵機に循環される循環水に添加する。
即ち、本発明では、集塵機に対して集塵用水として給水される水に対して1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(塩)を添加することが好ましく、特に、前段側の1次集塵機に集塵用水として給水される水に1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(塩)を添加することが好ましく、これにより、鉄系懸濁物質を多く含み、また転炉排ガスと接触した直後であるため炭酸成分を多く含み、pHが上昇する前の系内で1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(塩)によるスケール析出防止効果を効果的に発揮させることができる。
なお、このような転炉集塵水系への1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(塩)の添加にあたり、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(塩)は配管にライン注入しても良く、また、適当なピットやタンクに添加しても良い。また、給水ポンプの入口側で添加して、ポンプ内での攪拌効果を得ることも好ましい態様である。
例えば、図1におけるシリーズ給水の集塵方式の場合、2次集塵機3からの集塵排水を受けるタンク27に添加することにより、薬注作業が容易であると共に、添加した1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(塩)を集塵水中に均一に溶解させることができ好ましい。
ただし、本発明は、図1に示すように、1次集塵機と2次集塵機の2機の集塵機で集塵処理する場合に何ら限定されず、1機の集塵機で集塵処理する場合であっても、当該集塵機の集塵用水に1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(塩)を添加して良好なスケール析出防止効果を得ることができる。
また、集塵機には、集塵排水を処理して循環使用する循環水の他、補給水として、系外から工業用水等を導入する場合があるが、この場合、この補給水に1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(塩)を添加して、鉄系懸濁物質が100mg/L以上存在し、pH7以下、鉄イオン濃度が1mg/L以上である転炉集塵水系に1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(塩)が添加されるようにすることもできる。
以下に実施例、比較例及び参考例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[机上試験]
1) 模擬試験水の調製
野木町水に鉄系懸濁物質として市販のFeO試薬(粒子径75μm以下)を1000mg/L添加して攪拌し、pHを塩酸で6.5に調整して模擬試験水Aを調製した。
比較のためにFeO試薬を無添加で、pHのみ6.5とした模擬試験水Bを調製した。
2) 試験方法
模擬試験水A及びBにそれぞれ、表1示す薬剤を添加した後(ただし、比較例1,4では薬剤無添加)、硫酸第一鉄を鉄イオン(Fe2+)濃度が3mg/Lとなるように添加して10分間攪拌した。この液を0.1μmマイクロフィルターで濾過することにより、残留鉄イオン濃度を分析し、鉄イオンの析出抑制効果を調べた。この残留鉄イオン濃度が多い方が、析出抑制効果が高いことを示す。
3) 試験結果及び考察結果
試験結果を表1に示す。
Figure 0005707677
表1より、次のことが分かる。
FeO試薬無添加の場合(比較例1〜3、参考例1)においても、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸と他の薬剤では、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸の方がやや析出抑制効果が優れるもののその効果に大差はない。これに対して、FeO試薬を添加した場合(比較例4〜6、実施例1)には、他の薬剤では殆どスケール析出防止効果が得られないが、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸であれば十分な効果が得られ、本発明による1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸のスケール析出抑制効果が顕著である。
[実機試験]
1) 対象水系
転炉1次集塵機送りライン(図1において、2次集塵機3の集塵排水を1次集塵機2に循環するライン)
2) 試験方法
1次集塵機送りラインから分岐した各試験ラインにそれぞれ表3に示す薬剤を注入し(ただし比較例7,10では薬剤無添加)、ステンレス試験チューブ(径:1/2B、長さ:100mm)に流速2m/sで通水したときのスケール付着速度を調べた。
なお、試験はそれぞれ2回行い、1回目を比較例7〜9と実施例2、2回目を比較例10,11と実施例3とした。
各々の試験中の水質は次の通りであった。
1回目:懸濁物質=560〜720mg/L,Feイオン=52〜61mg/L,
pH=6.5〜7.0
2回目:懸濁物質=450〜1,230mg/L,Feイオン=20〜36mg/L,
pH=6.5〜7.0
また、各回における無薬注時の試験チューブ内付着物を分析した結果は下記表2の通りであり、酸化鉄等を主成分とする鉄スケールが析出、付着していたことを確認した。
Figure 0005707677
3) 試験結果及び考察
試験結果を表3に示す。
Figure 0005707677
表3より、鉄系懸濁物質が100mg/L以上存在し、pH7以下で鉄イオン濃度が1mg/L以上の、鉄スケールが析出、付着する転炉集塵水系において、従来のスケール防止剤に比べて、本発明で用いる1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸が優れたスケール付着防止効果を発揮することが分かる。
1 転炉
2 1次集塵機
3 2次集塵機
4 誘引通風ファン
5 回収弁
7 OGガスホルダ
10 煙突
20 水処理系統

Claims (5)

  1. 転炉集塵水系のうち、集塵機に対して集塵用水として給水される水であり、かつ鉄系懸濁物質が100mg/L以上存在し、pH7以下、鉄イオン濃度が1mg/L以上である箇所に、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及び/又はその塩を添加することを特徴とする転炉集塵水系の鉄スケール付着防止方法。
  2. 請求項1において、前記鉄系懸濁物質が、FeO、Fe、Fe、Fe、及びFeO(OH)よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を主成分とすることを特徴とする転炉集塵水系の鉄スケール付着防止方法。
  3. 請求項1又は2において、前記転炉集塵水系が、転炉排ガスを1次集塵機及び2次集塵機で順次集塵処理している集塵水系であって、
    1次集塵機から排出される集塵排水を水処理した後、2次集塵機の集塵用水として給水し、2次集塵機から排出される集塵排水を1次集塵機の集塵用水として循環するシリーズ給水の集塵方式においては、2次集塵機から排出され1次集塵機に循環される循環水及び/又は1次集塵機から排出され水処理後に2次集塵機に給水される処理水に、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及び/又はその塩を添加し、
    1次集塵機から排出される集塵排水を水処理した後、1次集塵機の集塵用水として循環し、2次集塵機から排出される集塵排水を水処理した後、2次集塵機の集塵用水として循環するパラレル給水の集塵方式においては、1次集塵機から排出され水処理後に1次集塵機に循環される循環水及び/又は2次集塵機から排出され水処理後に2次集塵機に循環される循環水に、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及び/又はその塩を添加することを特徴とする転炉集塵水系の鉄スケール付着防止方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及び/又はその塩を、転炉集塵水系における濃度が0.1〜100mg/Lとなるように添加することを特徴とする転炉集塵水系の鉄スケール付着防止方法。
  5. 転炉集塵水系のうち、集塵機に対して集塵用水として給水される水であり、かつ鉄系懸濁物質が100mg/L以上存在し、pH7以下、鉄イオン濃度が1mg/L以上である箇所に添加される鉄スケール付着防止剤であって、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及び/又はその塩を含むことを特徴とする転炉集塵水系の鉄スケール付着防止剤。
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