JP4417304B2 - 電圧プローブ - Google Patents
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Description
すなわち、この様な方法では、図17に示すようにトレースの為に特別に接続用の端子101を配設し、ワイヤボンディングによってボンディングワイヤ102を介して信号取り出し端子102に接続するかあるいは検査時のみ針でプロービングできるパッドを設けるかいずれかの方法をとる必要があった。このためトレースすることのできる信号本数を多くすることが困難であり、通常は8本程度で出力しているため、十分な信号モニタを行うことができないという問題があった。
また半導体チップの高集積化および高速化に伴い、ゲート入力容量C2に比べ、ボンディングワイヤを含めて配線間の結合容量C1が大きく、十分な感度を得ることができないという問題があった。
一方、量産用と、開発用のLSIを共に開発出来る場合には、問題がないが、コストも時間もかかるので全てのLSIには適用出来ないという問題があった。
また、半導体基板を用いた集積回路チップからなる電圧プローブも提案されている(特開平8−254545)。このプローブでは、入力と出力とこれらの間に接続可能なアナログ増幅器と、グランドプレーンを含むプローブグランドを有する回路基板で構成されている。しかしながらこの電圧プローブでは、入力はIC入力の一つに接続する必要があり、依然としてモニタしようとするLSI自体には特別の接続用端子が必要であった。
また高速信号をモニタし得る電圧プローブを提供することを目的とする。
また、ワイヤボンディングも不要であり、チップ自体には特別の付加回路を追加することなく形成できるため、寄生容量の発生もなく、高速で信頼性の高いモニタが可能となる。
また望ましくは、前記センサ部は前記センサ電極と前記誘電体層を挟んで相対向して補助電極を具備しており、前記補助電極と前記信号線とが直接電気的に接続可能に構成されたことを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の基本的な構成図を示す。
この電圧プローブは、図1および図2に示すように、システムLSIを構成するLSIチップ100上のモニタしようとする信号線104に、相対向するようにセンサ部204が形成され、この信号線の電圧変化を、静電誘導による誘起電圧として検出するように構成された電圧プローブチップ200を配置してなるものである。
例えばアンテナとなるセンサ電極の絶縁物は誘電体とし、隣接電極との間は空気にするなどにより、クロストークは大幅に低減される。
例えば、信号線104に、電圧変化ΔVがあったとすると、信号処理回路202において信号処理がなされ出力電圧ΔV‘が現われる。
そしてこのLSIチップ100の信号線(バス信号配線)104と、電圧プローブチップ200のセンサ電極204は、物理的に同じ形状でミラーリングしたパターンであり、LSIチップ100と電圧プローブチップ200の素子面同士をフェースツーフェースで対面させて、位置合わせした後、位置ずれが生じないように直接接合で固定している。
なお、前記第1の実施の形態では、LSIチップ表面に同じサイズの電圧プローブチップが搭載される例について説明したが、図3にその変形例を示すようにモニタ領域の一部のみが接合するような形態をとる電圧プローブチップ220を用い、この電圧プローブチップを信号処理回路チップ221に接続し、この信号処理回路チップ221内で信号処理を行うようにしてもよいことは言うまでもない。
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
前記第1の実施の形態では、電圧プローブチップのセンサ電極表面に形成された比誘電率4、膜厚0.5μmのシリケートガラス層205bを介して、誘導電圧を生起せしめるようにしたが、この例ではLSIチップ100側表面もシリケートガラス層105で被覆したことを特徴とするものである。この例では、図4に示すように、LSIチップおよび電圧プローブチップのシリケートガラス層105、205Sとこの間の接着層300とを介して誘導電圧が生起せしめられる。
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。
この実施の形態では、図5に示すように、センサ電極204に誘起する電圧のクロストークノイズ対策として、センサ電極204の間に断面が串状となるように、周辺の電位を接地レベルにおさえるための接地電極207を、挿入したことを特徴とするものである。
このため、高精度に位置合わせをして、接合する必要があり、位置ずれが生じるとショートする危険が高い。このため必要に応じて接地電極207は表面に露呈しないようにし、表面が薄いシリケートガラス層で覆われる程度の深さに形成するようにした方が加工が容易である。
他の部分については前記第1の実施の形態と同様に形成する。
なお、システムLSIチップ側には、接地電極を設けていないが、物理的に許諾されるレイアウトが可能な場合には、LSIチップ側のモニタ領域にも信号線間を接地層で区切ることによりクロストークノイズの更なる低減をはかることが可能となる。
次に本発明の第4の実施の形態について説明する。この例では、図6に示すようにセンサ電極がLSIチップのモニタ領域の信号線に狭ピッチで容量接合するように形成された複数のセンサ電極214を具備したことを特徴とする。
すなわち、センサ電極214を信号線のパターン数よりも多く設け、複数のセンサ電極群の中から、もっとも静電結合が強力なセンサ電極だけを選択的に使い分けるセレクタ回路を搭載することにより、機械的なアライメントをラフにすることが出来るようにしたものである。
すなわち、わずかな位置ずれが生じても、信号処理回路において、出力信号の大きなもののみを取り出すように調整すればよく、機械的なアライメントとしては、信号線の傾きだけに着目し信号線とセンサ電極とが平行となるように配置すればよいことになる。
また、この電圧プローブチップは、測定すべきLSIチップのモニタ領域の信号線のピッチと必ずしも同一でなくてもよいため、汎用型電圧プローブとしても有効である。
次に本発明の第5の実施の形態について説明する。
この実施の形態では、図7に示すように、3本の小センサ電極224Sからなるセンサ電極ユニット224が各信号線に対応して配列されており、各信号線を通過する信号による誘起電圧を3本の小センサ電極224Sで検出し、ノイズ除去のための信号処理を行うようにしたものである。
すなわち、この例では、誘起する電圧のクロストークを抑える為、3本の小センサ電極224Sを用いることにより中央のみならず、両隣の信号レベルもトレースした上で、演算処理により、ノイズを軽減する。
まず、相互の電極距離を求め、相応する減衰量を決めた後、両隣のセンサ電極からの信号の逆相を加算している。演算のアルゴリズムは、隣り合う電極の信号に距離を考慮したゲインを乗じて、元の信号に減算しノイズの相殺をはかるようにしている。
次に本発明の第6の実施の形態について説明する。
この実施の形態では電圧プローブチップについて説明する。図8(a)および(b)は、センサ電極を備えた電圧プローブチップ200の詳細構造であり、センサ電極線の直下に、ゲート長Lの長いゲートが構築され、P‐chと、N‐chのMOSトランジスタを前段とする電圧増幅器が形成されている。また、セルフバイアスの為のネガティブフィードバック用高抵抗227も同様に構築されている。
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。
図9は、信号取り出し部の構造例について示すもので、この例では、シリコン基板201に集積回路を形成してなるチップ200のセンサ電極204と増幅回路を含む信号処理回路202からの信号を電極パッド15上に形成されたバンプ10を介してシステムLSIチップ100のパッド12に接続し、さらにシステムLSIチップ100の端部に形成されたボンディングパッド13を介してボンディングワイヤ14に取り出すようにしたものである。ここでは検出された信号は、システムLSIチップ100からボンディングパッド13,ワイヤー14を介して、測定器(図示せず)に出力される。
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。
図10は、本発明の第8の実施の形態であり、センサ電極を搭載している電圧プローブチップ200の素子面から、パッド15を経由して、TABケーブル(Tape automated bonding Cable)16にバンプ接続し、測定器に出力される。
次に、本発明の第9の実施の形態について説明する。
図11は、第9の実施例であり、センサ電極を搭載している電圧プローブチップ200の素子面とは反対側の面に、スルーホール17などを介して信号を取り出し、ボンディングパッド15を経由して、TABケーブル16にバンプ接続することにより測定器に接続している。
次に、本発明の第10の実施の形態について説明する。この例では、図12に示すように、システムLSIチップ100と電圧プローブチップ200との間は電気的なコンタクトをとり、電圧プローブチップ200内部に、静電結合部分を設けるようにしたものである。
次に、本発明の第11の実施の形態について説明する。この例では、図13に示すように、センサ電極を備えた電圧プローブチップ200の詳細構造を示すものである。この例では、図8で説明した第6の実施の形態において説明したような、直下に、P‐chと、N‐chのMOSトランジスタを前段とする電圧増幅器を具えたセンサ電極226が、マトリックス状になるように配列したことを特徴とするものである。
また、セルフバイアスの為のネガティブフィードバック用高抵抗227も同様に構築されている。
かかる構成によれば、機能ブロックをアレイ上に配置する場合の観測に適している。
次に、本発明の第12の実施の形態について説明する。この例では、図14に示すように、センサ電極を備えた電圧プローブチップ200の詳細構造を示すものである。この例では、図8で説明した第6の実施の形態において説明したような、直下に、P‐chと、N‐chのMOSトランジスタを前段とする電圧増幅器を具えたセンサ電極226が、扇状になるように配列したことを特徴とするものである。
かかる構成によれば、等長配線を施して機能ブロックを配置する必要がある程度に高速の回路に適している。
次に、本発明の第13の実施の形態について説明する。
図15は、第13の実施例であり、センサ電極を搭載している電圧プローブチップ200を50μm程度まで薄く加工し、基板をまげて接続できるようにしたものである。他の部分については前記第12の実施の形態の電圧プローブチップと同様に形成されている。
電圧プローブチップ200を引き出し電極の厚さ以上に曲げることができるようにすれば、接続が容易で、使用場所を選ばず、自由度が高いという効果を奏効する。
次に、本発明の第14の実施の形態について説明する。
図16は、第14の実施例であり、センサ電極を搭載している電圧プローブチップ200を、50μm程度まで薄く加工し、基板を折り返すことができる程度に接続できるようにしたものである。他の部分については前記第9の実施の形態の電圧プローブチップと同様に形成されている。
電圧プローブチップ200を折り返すことができる程度に曲げることができるようにすれば、ワイヤボンディングにより接続することが可能となりさらに、自由度が向上するという効果を奏効する。
200 電圧プローブチップ
104 信号線
204 センサ電極(センサ部)
10 バンプ
12,13,15 パッド
14、16 ボンディングワイヤ
Claims (17)
- 半導体チップのモニタしようとする信号線に接続された配線パターンに、容量結合するように、相対向して配置可能に構成された誘電体層を備えたセンサ電極を有するセンサ部を具備し、
前記センサ電極を構成する配線パターンは、前記半導体チップのモニタしようとする信号線に接続された配線パターンと同一の配線パターンであり、
前記信号線の電圧変化を、静電誘導による誘起電圧として検出することによりリアルタイムトレースするように構成された電圧プローブ。 - 前記センサ部のセンサ電極は、前記半導体チップの使用時に用いる実際の電圧が印加された前記信号線に接続され、半導体チップ表面近傍に前記信号配線から引き出された配線パターンに、容量結合するように配設されていることを特徴とする請求項1に記載の電圧プローブ。
- 前記誘電体層は、前記配線パターンに接触可能に構成され、
前記配線パターンと、前記センサ電極との間の誘起電圧を検出するように構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の電圧プローブ。 - 前記センサ部は前記センサ電極と前記誘電体層を挟んで相対向して補助電極を具備しており、
前記補助電極と前記信号線とが直接電気的に接続可能に構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の電圧プローブ。 - 前記センサ部は、前記半導体チップの前記信号線に接続され、半導体チップ表面近傍に前記信号配線から引き出され、配列された複数の配線パターンのそれぞれに相対向して配設され、容量結合するように配設された複数のセンサ電極を具備したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電圧プローブ。
- さらに、前記複数のセンサ部はクロストーク防止手段を具備したことを特徴とする請求項5に記載の電圧プローブ。
- 前記センサ部は、前記半導体チップのモニタしようとする信号線に接続され、半導体チップ表面近傍に前記信号配線から引き出された配線パターンとの間に介在する前記誘電体層を介して前記配線パターンと容量結合するように形成されたセンサ電極を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電圧プローブ。
- 前記誘電体層は、前記センサ電極表面に形成されたプローブ誘電体膜であることを特徴とする請求項7に記載の電圧プローブ。
- 前記誘電体層は、測定しようとする前記配線パターン表面に形成された誘電体膜であることを特徴とする請求項7に記載の電圧プローブ。
- 前記誘電体層は、前記センサ電極表面に形成されたプローブ誘電体膜と、測定しようとする前記配線パターン表面に形成された誘電体膜との複合膜であることを特徴とする請求項7に記載の電圧プローブ。
- 前記クロストーク防止手段は、接地電極と絶縁領域からなり、前記センサ電極間に接地電極があり、前記センサ電極と前記接地電極との間に絶縁領域があることを特徴とする請求項6に記載の電圧プローブ。
- 前記センサ電極のそれぞれが、モニタしようとする信号線を、チップ表面に近い配線パターンに引き出している信号配線部の前記信号線に、相対向して静電結合するように配列されていることを特徴とする請求項2に記載の電圧プローブ。
- 前記センサ電極は、モニタしようとする信号を、チップ表面に近い配線パターンに引き出している信号配線部よりも十分に狭い、ピッチで配設されていることを特徴とする請求項2に記載の電圧プローブ。
- さらに、前記センサ電極のそれぞれから誘起する電圧が最大となるセンサ電極を選択する信号処理回路を具備し、
前記信号処理回路で選択された前記センサ電極からの信号を当該信号線の出力として取り出すように構成したことを特徴とする請求項13に記載の電圧プローブ。 - 前記センサ部は、半導体チップ上のモニタしようとする信号線に、相対向するように配置可能に構成され、モニタチップとしての半導体基板表面の所定の領域に形成されたセンサ電極と、前記センサ電極の出力に基づく前記信号線の電圧変化を、静電誘導による誘起電圧として検出し、所望のモニタ信号を出力する信号処理回路を備えたことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の電圧プローブ。
- 前記モニタチップは、前記半導体チップ上のモニタしようとする信号線に、前記センサ電極が相対向して静電結合するように、前記半導体チップ表面の配線パターンと物理的に接合面が一致する位置に前記センサ電極が配置され、チップオンチップ接続可能に構成されたことを特徴とする請求項15に記載の電圧プローブ。
- 前記モニタチップは、前記センサ電極に対応してその直下に配置された電圧センスアンプを具備した多層構造基板であることを特徴とする請求項16に記載の電圧プローブ。
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