JP4414496B2 - 不定形耐火物の施工方法 - Google Patents

不定形耐火物の施工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融金属容器、溶融金属処理装置、セメントキルン、焼却炉等の内張に使用する不定形耐火物の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、不定形耐火物の施工方法として、不定形耐火物への混練水や混練用有機溶剤を少なくすることによって気孔率を下げて緻密で耐食性に優れた施工体を得ること、あるいは、コスト低減と廃材活用のため使用後の耐火物屑塊を用いることを含めて、粗大粒、即ち塊状の耐火材料を添加することで、耐熱スポーリング性を向上させ亀裂の進展を防止することが行われている。
【0003】
この不定形耐火物と塊状の耐火材料との併用については、例えば、特公昭61−12194号公報には、容器と内張り施工枠の間隙部に予め投入した耐火材料塊の空隙に耐火材料と水分からなる流動性を有する不定形耐火混合物を充填すること、また、耐火材料塊と流動性を有する不定形耐火物を予め混練しておいて、これをその間隙部に流し込む施工方法が開示されている。
【0004】
しかしながら、前者の予め投入された耐火材料塊の空隙部に不定形耐火混合物を充填する方法では、耐火材料塊の充填量が多すぎると耐火材料塊の空隙部に不定形耐火混合物を完全に充填することが困難になり、施工体の中に鬆が発生する。この鬆の発生を防ぐには、不定形耐火混合物の流動性を大きくする必要があり、そのためには、混練時に加える水あるいは有機溶剤の量を多く必要とし、結果として施工体の気孔率が大きくなるので耐食性が劣る原因となる。
【0005】
また、後者の容器と内張り施工枠の間隙部に耐火材料塊と不定形耐火混合物との混練物を充填する場合には、耐火材料塊の配合量を多くすると、流し込み施工時に粗大粒がブリッジングを起こすため、これも、施工体中に鬆が発生する原因となる。
【0006】
また、特開平6−219853号公報には、施工体の耐スポール性の向上のため粗大粒として消化防止処理をしたMgO−Cれんがの廃材を添加したマグネシア質キャスタブルが開示されている。しかしながら、このマグネシア質キャスタブルも耐火材料塊の添加量を多くすると、流し込み施工時に粗大粒がブリッジングを起こすため施工体中にが発生する原因となる。
【0007】
さらに、特開平8−259340号公報には、構造スポーリングに対する抵抗性を向上し、スラグ浸潤を防止するものとして、微粉の炭素質原料を2〜20重量%添加した水系のMgO−C質キャスタブルが開示されている。この場合には、粗大粒の使用はなくブリッジング現象はないが、炭素質原料は水に濡れにくいので、施工時に必要な流動性を得るためには、添加水分を多くしなければならず、そうすると気孔率が大きくなって耐食性が大幅に低下することになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明における解決課題は、耐火材料塊を多量に添加した不定形耐火材料の施工に際して、鬆の発生をなくすことであり、これによって施工体の耐食性と,熱スポーリングに対する抵抗性を向上し、さらには耐スラグ浸潤性を高レベルでバランスさせて耐用性の向上を図ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
耐火材料の塊は、不定形耐火材料そのものよりも耐食性に優れており、本発明は、この耐火材料の塊を不定形耐火材料中に多量に分散させたことによって、従来と比較して耐食性が改善された施工体を得ることができる不定形耐火物を提供できた。
【0010】
耐火材料塊(B)は、溶融スラグに対する溶損速度が不定形耐火材料(A)の0.7倍以下となるように配合することが好ましい。この溶融スラグに対する溶損速度とは、例えば、ASTM(C874−77)の「耐火材料の回転スラグ試験方法」に準じた方法で、不定形耐火物が実際に接触するスラグ若しくは、組成がスラグに近いスラグを用い、不定形耐火物が実際に使用される温度で測定した溶損速度のことを意味する。
【0011】
すなわち、本発明の施工方法で使用する不定形耐火物は、粒径5mm以下の不定形耐火材料(A)と粒径20mm以上耐火材料塊(B)とからなり、且つ、その全量中の耐火材料塊(B)の割合が30〜70体積%であることを特徴とする。
【0012】
使用する耐火材料塊(B)の特性としては、熱膨張係数が不定形耐火材料(A)の0.8〜1.2倍であり、見掛け気孔率が10%以下である。
【0013】
さらに、本発明は、不定形耐火材料(A)が炭素成分を1〜7重量%含有し、耐火材料塊(B)が炭素成分を5〜30重量%含有することで、耐食性、熱スポーリングに対する抵抗性、耐スラグ湿潤性のある耐火物が得られる。
【0014】
本発明に使用する不定形耐火材料(A)は、一般的な耐火原料の骨材と微粉、結合剤、流動性助材、それに分散剤等を配合したものである。
【0015】
不定形耐火材料(A)を構成する骨材及び微粉としては、溶融金属容器、溶融金属処理容器、セメントキルン、焼却炉等の耐火材料として適当ないづれの耐火材料であってもよい。例えば、電融又は焼結アルミナ、仮焼アルミナ、ボーキサイト、電融又は合成ムライト、シリマナイト、アンダーリューサイト、カイヤナイト、バン土頁岩、シャモット、ロー石、粘土、珪石、溶融シリカ、電融又は焼結マグネシア、電融又は焼結スピネル、電融又は焼結ジルコニア、ジルコン、クロム鉱、電融又は焼結マグネシア−ライム、電融ジルコニア−ムライト、電融アルミナ−ジルコニア、チタニア、炭化珪素、窒化珪素、天然又は人造黒鉛、石油コークス、ピッチ・コークス、無煙炭、カーボンブラック、ピッチ等の無定形炭素等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
【0016】
本発明で言う微粉とは、粒径が0.2mm以下であり、実質的にその内の50重量%以上が74μm以下である前記の耐火材料を意味する。
【0017】
また、不定形耐火材料(A)が炭素成分を含有するキャスタブル組成物の場合は、炭素の酸化防止や強度向上の目的で、アルミニウム,アルミニウム−シリコン合金,アルミニウム−マグネシウム合金,シリコン,マグネシウム等の金属粉の他、炭化珪素,炭化硼素等の炭化物,硼化ジルコニウム等の硼化物,硼珪酸ガラス等のガラス成分を使用することができる。
【0018】
結合剤としては、不定形耐火材料(A)を水で混練する水系材料の場合は、アルミナセメント等のセメント、マグネシア−シリカ系の水硬組成物、水硬性遷移アルミナ、珪酸アルカリ、リン酸塩、粘土、コロイド粒子等の1種又は2種以上を使用することができる。
【0019】
また、不定形耐火材料(A)が非水系材料の場合は、結合剤として、フェノール系やフラン系の樹脂を使用することができ、それらの樹脂と相溶性のある有機溶剤を一緒に使用する。
【0020】
流動性助材としては、仮焼アルミナ、珪酸質微粒子、チタニア、カーボンブラック等の粒径10μm以下の超微粉や超微粒子の1種又は2種以上を使用することができる。ここで、珪酸質微粒子とは、シリコンあるいはフェロシリコン製造時に副産物的に発生する蒸発(揮発)シリカと呼ばれるものやホワイトカーボン、無水又は含水無定形珪酸、シラス及びシリカゾル等を意味する。
【0021】
分散剤としては、不定形耐火材料に一般的に使用されるいずれのものも使用することができる。例えば、縮合燐酸、ポリアクリル酸、スルホン酸、フミン酸、アルキルスルホン酸、芳香族スルホン酸等、あるいは、それらの塩類の1種又は2種以上を使用する。
【0022】
その他の添加剤として、硬化遅延剤や硬化促進剤等の可使・硬化時間調整剤、耐爆裂性を改善するための有機繊維やアルミナ系金属粉、可塑性を調整するための高分子有機材料等、不定形耐火材料に通常使用されている副原料も、必要に応じて添加することができる。
【0023】
次に、耐火材料塊(B)は、耐火原料の塊、あるいは、定形耐火れんが及びその廃材の塊、不定形耐火物及びその廃材の塊の内1種又は2種以上を使用する。耐火材料塊(B)の材質としては、溶融金属容器,溶融金属処理容器、セメントキルン、焼却炉等の耐火材料として適当ないづれのものであってもよく、例えば、電融又は焼結アルミナ、仮焼アルミナ、ボーキサイト、電融又は合成ムライト、シリマナイト、アンダーリューサイト、カイヤナイト、バン土頁岩、シャモット、ロー石、粘土、珪石、溶融シリカ、電融又は焼結マグネシア、電融又は焼結スピネル、電融又は焼結ジルコニア、ジルコン、クロム鉱、電融又は焼結マグネシア−ライム、電融ジルコニア−ムライト、電融アルミナ−ジルコニア、チタニア、炭化珪素、窒化珪素、人造黒鉛等を使用することができる。
【0024】
本発明において耐火材料塊(B)の使用量は、不定形耐火材料(A)と耐火材料塊(B)を合わせた全不定形耐火物中で30〜70体積%、好ましくは40〜60体積%とすることが望ましい。耐火材料塊(B)の割合が30体積%より少ないと、不定形耐火材料(A)中に耐火材料塊(B)を均一分散させることが困難であり、不定形耐火材料(A)だけの層と耐火材料塊(B)の分散した層とに分離する場合が生じる。耐火材料塊(B)の割合が70体積%を超えると施工体にができ健全な施工体が得られなくなる。
【0025】
なお、耐火材料塊(B)の体積%とは、不定形耐火材料(A)と耐火材料塊(B)を合わせた不定形耐火物のカサ容積に対する耐火材料塊(B)のカサ容積の百分率のことを意味する。
【0026】
耐火材料塊(B)の大きさは耐火材料塊全体が20mmの篩を不通過の大きさとする。この条件を満たさない場合は、施工体中にが形成され健全な施工体が得られない。
【0027】
耐火材料塊(B)の熱膨張係数は、室温から1200℃の範囲の平均値が、不定形耐火材料(A)の熱膨張係数の平均値に対して0.8〜1.2倍の範囲となるようにすることで、加熱冷却による不定形耐火物への大きな亀裂の発生を防止することができる。特に、粒径の大きな耐火材料塊を多量に添加する場合、この熱膨張係数の差が大きくなると亀裂が発生し易くなる。したがって、不定形耐火材料(A)と耐火材料塊(B)の熱膨張係数の差を規定することで、加熱冷却が繰り返される不定形耐火物の耐用を向上することができる。1200℃以上の温度においても耐火材料塊(B)の熱膨張係数が不定形耐火材料(A)の0.8〜1.2倍の範囲であることが望ましいが、この温度域では、耐火材料がクリープを生じるようになるので、熱膨張係数差が規定の範囲より多少大きくても良い。なお、耐火材料塊の添加量が少ない場合は、意図的に熱膨張係数差を大きくすることによって微細な亀裂を発生させ、熱スポーリングに対する抵抗性を高めることができるが、本発明のように耐火材料塊(B)を多量に添加する場合は、微細亀裂が連結して大きな亀裂となるため、逆に熱スポーリングに対する抵抗性が著しく低下する原因となる。
【0028】
使用する耐火材料塊(B)の見掛け気孔率を10%以下、好ましくは5%以下とすることで、施工時に不定形耐火材料(A)中の水あるいは有機溶剤が耐火材料塊(B)に吸収されることで生じる不定形耐火材料(A)の流動性の低下を防ぎ、施工性が改善でき、耐食性を改善することができる。
【0029】
すなわち、不定形耐火材料(A)中に多量の耐火材料塊(B)を配合して施工する場合、一般的には、不定形耐火材料(A)だけで施工するよりも不定形耐火材料(A)の流動性を大きくしなければならない。通常、不定形耐火材料(A)の流動性を大きくするためには、水系の材料では水を、非水系の材料では有機溶剤の添加量を多くすることになり、結果として気孔率が大きくなり耐食性は低下する。特に、耐火材料塊(B)の見掛け気孔率が大きい場合は、施工時に耐火材料塊(B)は不定形耐火材料(A)中の水あるいは有機溶剤を部分的に吸収して不定形耐火材料(A)の流動性が低下するので、流動性確保のため不定形耐火材料(A)に水あるいは有機溶剤を必要以上に多く添加することになり、不定形耐火物の耐食性が低下する。つまり、耐火材料塊(B)を多量に添加して不定形耐火物全体の耐食性を向上させようとしても、耐火材料塊(B)の気孔率が大きい場合は耐食性を向上させる効果は半減する。
【0030】
また、耐火材料塊(B)の見掛け気孔率を小さくすることで、耐火材料塊(B)自体の耐食性も大きくなり、本発明の不定形耐火物の耐食性改善につながる。耐火材料塊(B)として見掛け気孔率が大きい定形耐火れんが及びその廃材の塊、不定形耐火物及びその廃材の塊を使用する場合、事前に表面コーティング処理や含浸処理を施すことにより見掛け気孔率が10%以下になるようにすればよい。この場合、耐火材料塊(B)の耐食性が低下しないように表面コーティング処理材や含浸処理材を選定することが望ましい。また、不定形耐火材料(A)が水系の材料であり、耐火材料塊(B)が消化性の材料の場合も、耐火材料塊(B)の耐消化性を高めるため表面コーティング処理材や含浸処理材を選定することが望ましい。さらに、不定形耐火材料(A)混練時に添加する水あるいは有機溶剤を耐火材料塊(B)の気孔内に事前に浸透させることで、施工時に不定形耐火材料(A)中の水あるいは有機溶剤が耐火材料塊(B)に部分的に吸収されることを防止することができる。しかし、見掛け気孔率が小さい耐火材料塊(B)を使用した方が施工時の作業が簡便で短時間なものとなる。
【0031】
本発明において、耐食性を大幅に向上させた不定形耐火物を得るために、不定形耐火材料(A)炭素成分を1〜7重量%含有、耐火材料塊(B)は炭素成分5〜30重量%含有るものを使用する。この炭素成分の含有量は、非酸化雰囲気中で炭化した場合の値である。
【0032】
不定形耐火材料(A)の炭素成分の含有量が1重量%未満ではスラグ浸潤の防止が十分ではなく、7重量%より多いと混練水あるいは混練用有機溶剤の増加により気孔率が大きくなり、耐食性の改善の程度は小さいものとなる。
【0033】
耐火材料塊(B)の炭素成分の含有量が5重量%未満では不定形耐火物の熱スポーリングに対する抵抗性が低下する。これは前述したように、耐火材料塊(B)は見掛け気孔率が10%以下の緻密なものを使用するので、耐火材料塊(B)の炭素成分含有量が5重量%未満では、耐火材料塊(B)の部分の熱スポーリングに対する抵抗性が小さくなり不定形耐火物全体に影響するからである。耐火材料塊(B)の炭素成分が30重量%より多い場合、耐火材料塊(B)の部分の耐食性が小さくなり、不定形耐火物全体として耐食性の改善が小さいものとなる。
【0034】
耐火材料塊(B)として新たに製造する場合は、耐火原料の骨材と微粉、フェノール系やフラン系等の樹脂による結合剤、添加剤及び必要に応じて炭素成分と、その他に有機溶剤を添加して混練後、プレス成形することが簡単であり、大きな形状のブロックに成形した後粉砕したものを使用しても良い。その他の方法での形状付与によっても何ら問題はない。
【0035】
本発明の不定形耐火物は、型枠内あるいは施工体間隙に不定形耐火材料(A)を投入し、次に耐火材料塊(B)を投入する作業を繰り返し行うことによって好適に施工される。更に詳しく説明すると、先ず不定形耐火材料(A)を50〜200mmの高さまで投入後、耐火材料塊(B)を所定の体積%となるように投入して埋め込んでゆく作業を繰り返すのである。不定形耐火材料(A)の投入位置が高くなりすぎると、後から投入する耐火材料塊(B)が埋め込まれない部分を形成することがあるので、不定形耐火材料(A)の投入高さは200mm以内、さらに好ましくは100mm以内にすることが望ましい。また、不定形耐火材料(A)あるいは耐火材料塊(B)を投入する際に振動を加えると充填性が向上する。とくに、耐火材料塊(B)に振動を加えながら機械的に押し込むことが有効であるが、不定形耐火材料(A)中に耐火材料塊(B)を完全に埋め込んでしまう必要はない。つまり、耐火材料塊(B)が埋め込まれていない部分の高さが100mm以内の程度であれば、次に投入する不定形耐火材料(A)で耐火材料塊(B)の空隙を充填することができるからである。この施工形態は耐火材料塊(B)の充填性が良好であり、また、振動を加えながら耐火材料塊(B)を機械的に押し込むことも容易にできる。
【0036】
なお、不定形耐火材料(A)の投入後、耐火材料塊(B)を投入する作業の繰り返しの一形態として、断続的に投入する場合のみでなく、不定形耐火材料(A)投入より遅れて耐火材料塊(B)を投入した後、不定形耐火材料(A)を投入して耐火材料塊(B)を埋没し、さらに、耐火材料塊(B)を投入する継続作業も同様に含まれる。
【0037】
本発明の施工方法は、樋や鍋等の現地施工なみならず、プレキャストブロック等の製造にも適用できる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、表1から表6に示す本発明の実施例と比較例によって、発明の実施の形態を具体的に説明する。
【0039】
表1は、使用した不定形耐火材料(A)の原料構成を示し、表2は、使用した耐火材料塊(B)の種類とその見掛け気孔率を示す。
【0040】
【表1】
Figure 0004414496
【表2】
Figure 0004414496
表1および表2において、B−3のアルミナ質れんが塊、B−4のジルコン質れんが破砕塊のそれぞれは見掛け気孔率を小さくするために、また、B−5のマグ・クロ質れんが破砕塊とB−9の焼結マグネシア質塊は見掛け気孔率を小さくすると共に耐消化性を高めるために、シリコーンレジンを含浸コーティング処理したものである。
【0041】
表3は、表1と表2に示す不定形耐火材料(A)と耐火材料塊(B)との配合例と施工時の特性をの発生状態と分散性によって示す。
【0042】
【表3】
Figure 0004414496
表3において耐火材料塊(B)は20〜100mmに破砕、整粒したものを使用した。同表に示す実施例1〜9及び比較例3,4は、内寸が300(W)×300(D)×500(H)mmの金型を使用し、以下の要領で製造した。
【0043】
1)先ず不定形耐火材料(A)を高さ70mm程度流し込む。
【0044】
2)先に投入した不定形耐火材料(A)に対して所定の割合になる耐火材料塊(B)を投入する。
【0045】
3)上から耐火材料塊(B)を不定形耐火材料(A)の中に押し込む。
【0046】
4)金型の高さ500mmに達するまで、1)〜3)の操作を繰り返す。
【0047】
1)〜4)の操作中は金型に振動を加えた。
【0048】
比較例1の不定形耐火物は、不定形耐火材料(A)の混練時にミキサーに耐火材料塊(B)を投入して同時に混練した後、同形状の金型に振動を加えながら流し込んだものである。
【0049】
また、比較例2は、同形状の金型を使用し、以下の方法で製造した。
【0050】
1)先ず耐火材料塊(B)を高さ150mm程度投入する。
【0051】
2)次に不定形耐火材料(A)を投入して、先に投入した耐火材料塊(B)の空隙を充填する。
【0052】
3)金型の高さ500mmに達するまで、1)〜2)の操作を繰り返す。
【0053】
なお、1)〜3)の操作中は金型に振動を加えた。
【0054】
それぞれ得られた不定形耐火物の施工試料を切断した断面の鬆を観察した。
【0055】
鬆は、ほとんどが認められなかったものには「◎」印、僅かに鬆が認められるが実用上問題がないと判断されるものには「〇」印、鬆が多く実用に適さないと判断されるものには「×」印とした。
【0056】
分散性は、耐火材料塊(B)が均一に分散していたものには「◎」印、僅かに分散の偏りが認められるが実用上問題がないと判断されるものには「〇」印、耐火材料塊(B)の分散が不均一であり実用に適さないと判断されるものには「×」印とした。
【0057】
また、表3に示す施工時に添加した耐火材料塊(B)の体積%は、以下の表4と表6の場合も含めて、下記の式によって計算した値を示す。
【0058】
耐火材料塊(B)の体積%=100×(W/BD)/V
この式において、それぞれの記号は以下の事項を意味する。
【0059】
W :使用した耐火材料塊(B)の総質量(g)
BD:耐火材料塊(B)のカサ密度(g/cm3
V :金型の内容積(cm3
この不定形耐火物の施工試料は、成形後20℃で24時間養生後に脱枠し、110℃で24時間乾燥して得たものである。
【0060】
実施例1〜9の場合、耐火材料塊を多量に添加しても鬆の発生がなく、耐火材料塊が均一に分散した、良好な不定形耐火物を得ることができた。
【0061】
これに対して、比較例1の場合は、耐火材料塊(B)の使用量は本発明の実施例と同じ程度であるが、施工体中にができ、健全な不定形耐火物を得ることができなかった。比較例2の場合は、耐火材料塊(B)の使用量は本発明の実施例と同じ程度であるが、施工体中にができ、健全な不定形耐火物を得ることができなかった。比較例3は、耐火材料塊(B)の使用量が本発明の実施例より少ない例であり、施工体は不定形耐火材料(A)だけの層と耐火材料塊(B)が分散した層に分離していた。比較例4は、耐火材料塊(B)が本発明の実施例より多い例であり、施工体中に鬆ができ、健全な不定形耐火物を得ることができなかった。
【0062】
表4は、同じく他の配合例と施工時の特性をの発生状態と分散性、それに、耐食性と耐スポーリング性によって示す。
【0063】
表4に示す例は、表3に示す場合と同様に、表1と表2に示す不定形耐火材料(A)と耐火材料塊(B)とによる配合例で、金型も同形状であり、表3の実施例と同じ施工方法により製造した施工試料である。
【0064】
【表4】
Figure 0004414496
表中の添加水分量(重量%)は不定形耐火材料(A)の混練時外掛け添加の量を示し、粒径の範囲(mm)は耐火材料塊(B)の篩目での整粒範囲を示し、20mm以下の割合(重量%)とは耐火材料塊(B)で20mmの篩目を通過したものの割合を示す。
【0065】
熱膨張係数の比は、以下の式によって計算した値を示す。
【0066】
「熱膨張係数の比」=α(B)/α(A)
α(B):耐火材料塊(B)の室温〜1200℃の平均熱膨張係数
α(A):110℃乾燥後の不定形耐火材料(A)の室温〜1200℃
の平均熱膨張係数
鬆、分散性の評価は、表3の場合と同様である。
【0067】
耐食性は、不定形耐火物中で不定形耐火材料(A)だけの部分と、実施例及び比較例に該当する部分を切り出したサンプルを使用して、C/S=2.5のスラグを用いて1650℃で、ASTM(C874−77)の「耐火材料の回転スラグ試験方法」に準じた方法で侵食試験を行い、実施例あるいは比較例の不定形耐火物の侵食速度が不定形耐火材料(A)だけの部分の不定形耐火物の侵食速度の60%以下と耐食性が非常に良好であったものは「◎」印、60より大きく80%以下と良好であったものには「〇」印、80%より大きく耐食性の改善効果が小さいと判断されたものには「×」印で示した。
【0068】
熱スポーリングは、不定形耐火物から230×114×65mmのサンプルを切り出し、230×114mmの面が加熱面となるようにし、加熱面を1400℃に保持した炉で30分間加熱→30分間空冷の処理を5回繰り返すパネルスポーリング試験を行い、亀裂が全く発生しなかったものには「◎」印、非常に小さい亀裂が僅かに発生したが実用上問題ないと判断されたもの「〇」印、亀裂が大きく実用に適さないと判断されたものには「×」印で示した。
【0069】
実施例10及び実施例15〜27は、本発明が規定する不定形耐火物及び施工方法であり、耐火材料塊(B)を多量に添加しても施工体中にの発生がない不定形耐火物を得ることができ、耐食性を大きく改善することができた。
【0070】
比較例5〜10で、比較例5は20mm以下の耐火材料塊(B)の割合が本発明の規定より多いため施工体中にができ健全な不定形耐火物が得られなかった。比較例6は、耐火材料塊(B)を本発明の規定量より少なくしたところ、施工体が不定形耐火材料(A)だけの層と耐火材料塊(B)が分散した層に分離していた。比較例7は、耐火材料塊(B)の添加量が本発明の規定より多いため施工体中にができ、健全な不定形耐火物が得られなかった。比較例8,9は不定形耐火材料(A)と耐火材料塊(B)の熱膨張係数の差が本発明の規定より大きいため熱スポーリングに対する抵抗性が小さくなり耐食性も悪かった。比較例10は、耐火材料塊(B)の気孔率が規定値より大きい例で、施工時に耐火材料塊(B)が不定形耐火材料(A)中の水分を部分的に吸収するので、施工時の不定形耐火材料(A)の流動性を確保するためには混練水分が必要以上に多くなり、結果として耐食性が低下した。
【0071】
表5は、使用した不定形耐火材料(A)と耐火材料塊(B)が共に炭素を含有するときのそれぞれの原料構成及び炭素量と見掛け気孔率を示す。
【0072】
【表5】
Figure 0004414496
同表において、不定形耐火材料(A)の炭素量は、不定形耐火材料(A)だけを混練し、金枠に流し込んで得た成形体を窒素雰囲気中1000℃で1時間炭化処理した後に測定したフリー炭素量を示す。見掛け気孔率は、得られた成形体試料をコークス中1500℃で3時間焼成後に測定した値である。
【0073】
表中A−9〜A−10が本発明に規定する量の炭素を含むもの、A−12は炭素量が規定より少なく、A−13は規定量を超える炭素を含む不定形耐火材料である。
【0074】
耐火材料塊(B)の見掛け気孔率は、耐火材料塊(B)の配合を混練後、プレス成形し、200℃で乾燥後に測定した値を示し、炭素量は前記と同様の成形体を窒素雰囲気中1000℃で1時間炭化熱処理した後に測定したフリー炭素量である。なお、耐火材料塊(B)において、B−12〜B−16が本発明に規定する量の炭素を含むもの、B−17は炭素量が規定より少なく、B−18は規定量を超える炭素を含むものである。
【0075】
表6は、表5に示す不定形耐火材料(A)との耐火材料塊(B)を使用した配合例とその特性を示す。
【0076】
【表6】
Figure 0004414496
表6に示す実施例と比較例23〜28の不定形耐火物は、前記表3に示す実施例の場合と同様にして施工試料を作成した。また、比較例21、22は前記表3の比較例1と同じ方法で施工試料を作成した。
【0077】
同表に示す諸特性は、次のような評価による。
【0078】
耐食性は、前記の方法で得られた不定形耐火物から切り出したサンプルを使用して、1650℃でC/S=2.5のスラグを用い、ASTM(C874−77)の「耐火材料の回転スラグ試験方法」に準拠した方法で侵食試験を行い、その侵食速度が比較例1の侵食速度の60%以下と耐食性が非常に良好であった物には「◎」印、60%より大きく80%以下と耐食性が良好であったものには、「○」印、80%より大きく耐食性の改善効果が小さいと判断されたものには「×」印で示した。
【0079】
スラグ浸潤は、前記回転スラグ試験を実施したサンプルで、スラグ浸潤が1mm以下と非常に少なかったものには「◎」印、1mmより大きいが3mm以下と少なかったものに「〇」印、3mmより大きかったものには「×」印で示した。熱スポーリングは、不定形耐火物から230×114×65mmのサンプルを切り出し、230×114mmの面が加熱面となるようにし、加熱面を1400℃に保持した炉で30分間加熱→30分間空冷の処理を5回繰り返すパネルスポーリング試験前後での弾性率を比較し、試験後の弾性率が試験前の70%と熱スポーリングに対する抵抗性が非常に良好であったものには「◎」印、70%より小さいが50%以上と良好なものに「○」印、50%より小さく、熱スポーリングに対する抵抗性に劣ると判断されたものには「×」印で示した。
【0080】
実施例28〜38は、耐食性、耐スラグ浸潤性および熱スポーリングに対する抵抗性が非常に良好な炭素含有不定形耐火物を得ることができた。
【0081】
比較例21,22は従来の施工方法によるものであり、比較例21は耐火材料塊(B)の添加量が少なく実施例に比較すると耐食性が劣った。比較例22は、耐火材料塊(B)の添加量が規定範囲内であるが、従来の施工法では施工体中に多数のが発生した。不定形耐火材料(A)中の炭素量が規定より少ない比較例23は、実施例に比較してスラグ浸潤が大きく、炭素量が規定より多い比較例24は耐食性に問題があった。耐火材料塊(B)中に炭素量が少ない比較例25は熱スポーリングに対する抵抗性が小さく、炭素量が多い比較例26は耐食性が悪かった。耐火材料塊(B)の添加量が少ない比較例27は耐火材料塊(B)の分散性、耐食性、熱スポーリングに対する抵抗性に劣り、添加量が規定を超える比較例28は施工体中にができ、健全な不定形耐火物を得ることができなかった。
【0082】
【発明の効果】
本発明によって、以下の効果を奏する。
【0083】
1) 不定形耐火物の耐食性を大きく改善でき、また、熱スポーリングに対する抵抗性,耐スラグ浸潤性を改善できる。
【0084】
2) 耐火材料塊を多量に添加しても、施工体中にの発生がない不定形耐火物の施工体を得ることができる。

Claims (1)

  1. 炭素成分を1〜7重量%含有する粒径5mm以下の不定形耐火材料(A)と、炭素成分を5〜30重量%含有し、粒径20mm以上であり、見掛け気孔率が10%以下であり、かつ熱膨張係数が不定形耐火材料(A)の0.8〜1.2倍の耐火材料塊(B)とからなり、全量中の耐火材料塊(B)の割合が30〜70体積%である不定形耐火物の施工方法であって、被施工体に対し、不定形耐火材料(A)の投入に次いで、耐火材料塊(B)を投入し不定形耐火材料(A)中に埋没させる作業の繰り返しによる不定形耐火物の施工方法。
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