JP3615578B2 - 水硬性不定形耐火組成物 - Google Patents

水硬性不定形耐火組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、水硬性アルミナセメントを含む硬化時間の温度依存性の少ない水硬性不定形耐火組成物、特にキャスタブル耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミナセメントを結合剤とする不定形耐火物の代表的なものに、キャスタブル耐火物がある。キャスタブル耐火物は一般窯炉関係に広く利用されており、最近の不定形化の動きに伴い、その使用量及び適用場所も広範囲になってきている。
【0003】
例えば、特公昭60−9983号公報には、各種骨材100重量部にアルミナセメント3〜10重量部、カルシウムイオンまたはアルミニウムイオンに対して錯体形成能を有する酸性化合物0.01〜1重量部、分散剤0.01〜1重量部、粒子径10μm以下が50%以上を有し、かつ比表面積が10m/g以上の耐火微粉末0.1〜10重量部からなる水硬性耐火組成物が開示されている。この発明は、錯体形成能を有する酸性化合物及び分散剤の適量を添加することにより、アルミナセメント及び不活性耐火微粉末の分散を促し、流動性を確保しつつ、絶対水分量を減少して耐火性、耐食性の向上を図ったもので、錯体形成能を有する酸性化合物の添加で、アルミナセメントから溶解するカルシウムやアルミニウムイオンを錯体として封鎖し、分散状態を維持することを特徴とする技術である(可使時間と温度との関係を図で示している)。
【0004】
また、特開昭61−158872号公報には、100〜1μmのアルミナセメント及び/またはマグネシア1〜8重量%、粒子径5〜0.01μmでpH3.5〜8.5のシリカ超微粉1〜10重量%、残部粒度調整された耐火性粉末と、解膠剤を外掛で0.01〜0.3重量%加えてなるキャスタブル耐火物が開示されている。特に、シリカ超微粉のpHを特定することにより、可使時間の確保と硬化時間短縮を図る技術である(雰囲気温度と可使時間、硬化時間の値が示されているが、同一材料の硬化依存性については何も考慮されていない)。
【0005】
更に、特公昭62−51912号公報には、耐火骨材84〜97重量%、粒子径10μm以下の耐火性超微粉2〜8重量%、1種以上のアルミナセメント1〜8重量%、pH7未満の解膠剤が外掛で0.01〜0.5重量%、アルミナセメントの硬化遅延剤が外掛0.005〜0.1重量%、アルミナセメントの硬化促進剤が外掛0.005〜0.1重量%よりなる低気温作業用耐火コンクリート組成物が開示されている。異常凝集に起因する可使時間、硬化時間の変動による施工及び冬季の硬化不良を調整剤を用いて解決する技術である。
【0006】
また、特開昭56−120577号公報には、予め粒度調整した主骨材60〜80重量%、その他の耐火性骨材10〜40重量%、ステンレススチールファイバー1〜5重量%、耐火粘土1〜15重量%、12CaO・7Al(以下、C12と記載する)の含有量が2重量%以下のアルミン酸石灰塩セメント1〜8重量%、作業性調整剤0.01〜1重量%及び粉末アルミニウム0.1〜2重量%からなる流し込み用高炉出銑口孔造り材が開示されている。C12は水に対する反応は急速であり、可使時間が短く、孔造り部の作業性が得られない問題が指摘されている。
【0007】
また、耐火物(1988)40、第200〜217頁には、低セメントキャスタブルの流動性、硬化機構について、また、アルミナセメントの水和反応について詳細に解説されている。この文献には幾つかの低セメントキャスタブルの問題点が挙げられており、施工雰囲気(夏場、冬場)により、可使時間、硬化時間及び常温強度が影響され易い旨の問題が指摘されている。
【0008】
従って、アルミナセメントを結合剤とする水硬性不定形耐火組成物は、その硬化反応において、養生温度の影響を大きく受けるため、水硬性不定形耐火組成物が使用される季節や場所等の温度条件によって、綿密な硬化調整を必要とする。しかも、特に季節の変わり目等において、製造時と施工時の間の僅かな温度変化で、硬化が早過ぎてミキサー内で固まってしまったり、あるいは硬化が遅過ぎて翌日に型枠を外す(脱枠する)と部分的に流れたりするというトラブルが発生することがある。
【0009】
また、本発明者等の一部は、耐火物(1993)45、第660頁に、ハイアルミナセメントの養生温度と水和特性について、C12含有のハイアルミナセメントは養生温度による硬化時間の変化は少ないのに対し、C12を含まないハイアルミナセメントは低温養生で硬化時間が長くなり、ハイアルミナセメントの種類によって硬化時間が異なることを開示した。
【0010】
更に、本発明者等は、粒度調整を施した耐火性骨材に、結合剤としてC12を1〜20重量%含有するアルミナセメントを0.5〜15重量%、アルミナセメントと同等以下の粒度を有する超微粉原料を1〜30重量%及び分散剤を0.005〜2重量%添加、配合してなる水硬性不定形耐火組成物を既に提案している(特願平6−67316号)。この水硬性不定形耐火組成物は、養生温度に変化があっても、可使時間、硬化時間が実用上問題ない程度の範囲であるような硬化時間の温度依存性の少ないものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
さて、水硬性不定形耐火物の結合剤として使用されるアルミナセメントは、実に多種のものが市販されている。JIS R2511には、耐火物用アルミナセメントの規定があり、その規定内容は、粉末度、凝結時間、安定性、強度、化学成分であり、鉱物組成については特に規定されていない。国内外の各セメントメーカーにおいて製造されるアルミナセメントはCaO・Al(以下、CAと記載する)、C12及びCaO・2Al(以下、CAと記載する)の三鉱物が主体であり、その他原料中の不純物から生成する2CaO・Al・SiO(CAS)、4CaO・Al・FeO(CAF)などの混合鉱物からなっており、耐火性を向上させる目的でα−AlやCaO・6Al(CA)を含有するアルミナセメントもあり、その鉱物組成の組み合わせは様々であり、C12を含有しないアルミナセメントも多々ある。
【0012】
本発明者等は、このC12を含まないアルミナセメントを有効に利用することに注目し、アルミナセメントの鉱物組成中にC12を含まないアルミナセメントを使用し、C12単体及び超微粉原料とその分散剤を使用した水硬性不定形耐火組成物は硬化の温度依存性が小さくなることを知見した。
【0013】
従って、本発明の目的は、C12を含まないアルミナセメントを用い、養生温度に変化があっても可使時間、硬化時間が実用上問題ない水硬性不定形耐火組成物を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の水硬性不定形耐火組成物は、粒度調整した耐火骨材に、12CaO・7Alを含まないアルミナセメントを0.5〜15重量%及び超微粉原料を1〜30重量%配合してなる配合物に、12CaO・7Alを外掛で0.005〜2.300重量%且つ12CaO・7Al /(アルミナセメント+12CaO・7Al )の重量比=0.047〜0.090の範囲内で並びに分散剤を外掛で0.005〜2重量%添加配合してなることを特徴とする。
【0015】
【作用】
以下、本発明の水硬性不定形耐火組成物を更に説明する。
本発明の水硬性不定形耐火組成物における硬化は、水を添加すると超微粉は分散剤によって一定時間の分散状態を保つことができ、例えば、水硬性不定形耐火組成物の流動性は著しく高められる等施工性を改善すると共に、少ない水分量で流動性が得られるので緻密な施工体が得られる。
【0016】
一方、アルミナセメントからカルシウムイオンやアルミニウムイオンの溶出が始まり、超微粉原料の電気二重層の厚さ、あるいはξ電位の影響を及ぼし分散→凝集状態に変化を与える。この場合、C12を含まないアルミナセメントからのカルシウムイオンやアルミニウムイオンの溶出速度は養生温度に大きく影響を受けるために低温では超微粉の凝集が起こり始めるのに長時間を要する。
【0017】
しかし、C12の添加によって、温度変化による超微粉に対する凝集作用が余り変わらない。従って、低温下でも超微粉を凝集し易くする作用がある。また、C12には、アルミナセメント中のCA、CAの水和反応の促進作用があり、特に低温において、CA、CAの水和反応が遅くなる場合に、硬化促進作用が働き、結果として硬化時間の温度依存性は小さくなる。
【0018】
詳細は不明であるが、実験の結果、アルミナセメント中にC12を含有した混合鉱物からなっている水和反応は各水硬性鉱物の競争反応下で進むものと推察され、この場合の水和反応速度に比較してC12を含まないアルミナセメントに、別にC12を添加する本発明では凝集作用が強く現れるために、添加量が少量でもその効果が現れる。
【0019】
粒度調整を施した耐火性骨材とは、珪砂、珪石、溶融石英などの珪酸質原料、ロー石、陶石、粘土、シャモットなどのシリカ−アルミナ質原料、バン土頁岩、シリマナイト、カイヤナイト、アンダルサイト、ボーキサイト、ムライトなどのアルミナ−シリカ質原料、電融アルミナ、焼結アルミナ、仮焼アルミナなどの高アルミナ質原料、クロム鉄鉱、焼結スピネル、電融スピネル、マグクロなどのスピネル質原料、マグネシアクリンカー、フォルステライト、ドロマイトクリンカー、カルシアなどの塩基性原料、ジルコニア質原料、ジルコン質原料、炭化珪素、炭化ジルコニウム、炭化アルミニウム、炭化硼素などの炭化物質原料、窒化珪素、窒化ジルコニウム、窒化硼素、窒化アルミニウムなどの窒化物質原料、ピッチ、コークス、天然黒鉛、人造黒鉛、無煙炭、カーボンブラック、カーボンれんが屑、電極屑などの炭素質原料の他、珪酸ソーダ塊、珪素、酸化クロムなどであり、これらの原料を1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
【0020】
また、これらの骨材の粒度は、例えば粗粒として1mm以上を15〜70重量%、好ましくは20〜65重量%、中粒として1〜0.3mmを5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%、微粉として0.3mm以下を5〜40重量%、好ましくは10〜35重量%程度となるように組み合わせて粒度調整して使用するのが良い。
【0021】
12を含まないアルミナセメントは市販のアルミナセメントが使用できる。その中でもアルミナ含有量が多く、かつアルミナとカルシア以外の不純物が少ないものが望ましい。なお、C12を含まないアルミナセメントは、CA、CA及びAlを主体としたものであり、C12含有量は1重量%未満のものである
【0022】
また、C12を含まないアルミナセメントは、88μm以下が97重量%以上となるように粒度調整されたものを使用するのが望ましい。このアルミナセメントの添加量が0.5重量%よりも少ないと、超微粉を凝集するのに必要なカルシウムイオンの溶出が不足したり、アルミナセメント自身の水和物生成による強度発現が十分でない。また、15重量%よりも多くなると、凝集が早過ぎたり、高温焼成による過焼結及び耐食性の低下が激しくなる。従って、アルミナセメントの添加量としては0.5〜15重量%、好ましくは1〜13重量%が良い。
【0023】
超微粉原料としては、シリカ、アルミナ、粘土、カオリン、ベントナイト、チタニア、アルミノシリケート、酸化クロム、炭素、または前記耐火性骨材を微粉砕したもの等を挙げることができ、これらの原料を1種または2種以上組み合わせて使用する。なかでも、分散性及びC12からのカルシウムイオン溶出による凝集挙動の両面で、シリカフラワー及び/または粘土を使用することが好ましい。
【0024】
超微粉原料の添加量が1重量%未満では超微粉原料とアルミナセメントが骨材中に均一に分散できず、また、30重量%を超えると微粉過剰となって高温下で過焼結に伴う収縮を生ずる等の点で好ましくない。超微粉原料の添加量としては、更に好ましくは2〜25重量%である。
【0025】
更に、C12の添加量が、耐火骨材、12CaO・7Alを含まないアルミナセメント及び超微粉原料の合計量に対して外掛で0.005重量%未満であると、硬化時間の温度依存性を抑制する効果が少ないために好ましくなく、逆に、C12の添加量が外掛で2.300重量%より多くなると、分散剤による超微粉の分散作用の限界を超えて、水硬性不定形耐火組成物の施工時に異常凝集が始まる等、可使時間を短縮してしまい、施工トラブルを引き起こすことがあるために好ましくない。このため、C12の添加量としては外掛で0.005〜2.300重量%程度が好ましい。なお、安定した施工性、硬化性を得るには、C12の添加量は外掛で0.01〜1.5重量%程度が更に好ましい。また、C 12 /(アルミナセメント+C 12 )の重量比を0.047〜0.090の範囲内とする。
【0026】
12は、アルミナまたは水酸化アルミニウムと炭酸カルシウムまたは水酸化カルシウムを12CaO/7Alのモル比で調合し、1450℃以上で焼成または溶融して容易に得られるものである。ここで使用する原料はなるべく高純度のものが好ましい。得られたC12の粒度を44μm以下、好ましくは10μm以下が50重量%以上になるように粉砕したものを用いることができる。なお、製造手段は特に限定されるものではない。
【0027】
分散剤はアルミナセメント、C12及び超微粉原料を分散させるために使用するもので、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩等の無機系分散剤、アルカリ金属フミン酸塩、カルボン酸、アルカリ金属カルボン酸塩、カルボン酸の共重合体、アルキルスルホン酸塩、芳香族スルホン酸塩等の有機系分散剤の1種以上を使用する。
【0028】
分散剤の添加量が0.005重量%以下では良好な分散状態が得られず、また、2重量%を超えると最適な分散状態から外れ、また、分散剤に含まれるアルカリ金属等が増えて、耐火物の性能が低下する恐れがある。分散剤の添加量としては、更に好ましくは0.01〜1重量%である。
【0029】
分散剤の種類としては、無機系のリン酸ソーダではヘキサメタリン酸ソーダ、テトラポリリン酸ソーダ、ピロリン酸ソーダ等の縮合リン酸ソーダがアルミナセメントの分散において高性能を示す。また、有機系の酒石酸、酒石酸ソーダ、クエン酸、クエン酸ソーダ等のカルボン酸あるいはカルボン酸塩、無水カルボン酸の重合物は、水硬性不定形耐火組成物の異常凝集を抑制する効果がある。また、超微粉原料の分散剤として、有機系のリグニンスルホン酸塩、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、アルキルスルホン酸塩縮合物、芳香族スルホン酸系縮合物、ビスフェノールスルホン酸系縮合物等が効果的である。
【0030】
また、本発明の水硬性不定形耐火組成物への水の添加量は良好な施工性を得る目的で適宜調整することができる。なお、本発明の水硬性不定形耐火組成物において、添加される水の量の差によって品質的に大きな差はなく、更に、硬化時間の差についても水の添加量の影響はないものと思料され、水の添加量は特に限定されるものではない。
【0031】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明の水硬性不定形耐火組成物を更に説明する。
実施例
表1に使用した各種セメントの品質特性を示す。アルミナセメントA及びBは、C12を含まないアルミナセメントである。アルミナセメントC及びDは、C12を含有するアルミナセメントである。また、C12は、仮焼アルミナと炭酸カルシウム(試薬1級)をC12のモル比になるように配合し、1000℃で2時間焼成し、C12を合成し、更に10μm以下の粉末としたものである。なお、合成したC12は、C12が98重量%であることを確認した。
【0032】
【表1】
Figure 0003615578
【0033】
本発明品の配合例を表2に、比較品の配合例を表3にそれぞれ示す。表2及び3にそれぞれ示す各種骨材を用いて、1mm以上の粗粒が40重量%、1〜0.3mmの中粒が25重量%、0.3mm以下の微粉が20重量%になるように粒度調整し、水硬性不定形耐火組成物を作成した。
【0034】
【表2】
Figure 0003615578
【0035】
【表3】
Figure 0003615578
【0036】
それぞれの配合物の流動性が振動を5秒間与えたときのフロー値で180〜190mmとなるように、所定量の水分を添加して、混練した後、所定の温度を保持し、10分毎にフロー値を測定し、フロー値が160mm未満になるまでの時間を可使時間とした。可使時間が1時間以上である場合を○、1時間〜30分である場合を△、30分未満である場合を×として評価した(通常、水硬性不定形耐火組成物は水と混練後30分以上の可使時間があれば問題なく大量施工が可能である)。
【0037】
なお、上記の「振動を5秒間与えたときのフロー値」はJIS R2521耐火物用アルミナセメントの物理試験方法のフロー試験において、フローテーブルの代わりに振動テーブルを用い、15回の落下運動の代わりに5秒間の振動を与えて、不定形耐火組成物の広がった後の径をJISの規定に従って測定したものである。
現場における水硬性不定形耐火組成物の施工では、棒状バイブレーターあるいは型枠に取り付けたユーラスモーターによって振動を与えて施工を行う。このため、水硬性不定形耐火組成物の施工性(流動性)の評価は、この振動を5秒間与えたときのフロー値で行うのがより現実的な評価となる。因みに、フロー値の大きさによって施工性の目安は次のようになる。
Figure 0003615578
このフロー値は当然のことながら水の添加量によって変化する。良好な施工性(流動性)が得られるように、即ち、振動を5秒間与えたときのフロー値が180〜190mmとなるように所定量の水を水硬性不定形耐火組成物中に添加してそれぞれの試験サンプルを得た。
【0038】
また、上記と同様に水を加えて混練した後、通常の気温の範囲として5℃、10℃、20℃、35℃の各温度で養生し、硬度計を用いて硬度が80に達するまでの時間を測定し、硬化時間とした。硬化時間測定の結果、いずれの場合も5℃において硬化時間が最も長く、35℃において硬化時間が最も短かったので、5℃養生における硬化時間と35℃養生における硬化時間の差を、硬化時間の温度依存性の大小として評価した。時間差の大きいものほど硬化時間の温度依存性が大きく、温度変化による硬化時間の変動が激しいことを意味する。
【0039】
また、各配合物を40×40×160mmの形状に流し込み成形し、5℃及び35℃で24時間養生後に105℃で24時間乾燥し、曲げ強度を測定した。
更に、20℃で養生した試料を1500℃で3時間加熱し、加熱による焼結性を線変化率で比較した。マイナスの線変化、即ち、収縮の大きいものは過焼結を表しており、亀裂を生じ易い。
【0040】
本発明品1及び2は、C12を含有するアルミナセメントを用いた比較品1及び2と同じ配合物にC12を含有しないアルミナセメントと、更にC12を添加したものであるが、可使時間に問題がなく、また、硬化時間の温度依存性は比較品1及び2と同じく少ないものである。
【0041】
更に、本発明品3〜10は、いずれも可使時間に問題ない。硬化時間の温度依存性は少なく、いずれも12時間(720分)以下であり、現場における実際の施工作業においても例えば夕刻に施工して翌朝の脱枠が可能である。また、乾燥後強度も養生温度による差が少なく安定している。加熱後線変化率は通常収縮のマイナスを示すと亀裂の原因となるので、幾分のプラスが望ましいが、本発明品は概ねプラスを示し、問題ない値である。
【0042】
これに対して、比較品3及び4は初期凝集が早いため可使時間が確保できず、流動性が大きく低下するので流し込み試料の強度が非常に低い。比較品5は硬化時間の温度依存性が大きく、5℃の低温では25時間(1500分)でも硬化しなかった。従って、5℃養生後の強度は測定できなかった。また、加熱後線変化率は測定しなかった。比較品6は硬化時間の温度依存性、強度に大きな問題はないが、初期凝集が早いために可使時間が確保できず、また、加熱後収縮が大きく実用に供することはできなかった。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、以上詳記した通り、水硬性不定形耐火組成物において、粒度調整を施した耐火性骨材に、結合剤としてC12を含まないアルミナセメントとC12を使用することを特徴とし、これにより、その硬化時間が養生温度に余り依存せず、硬化のトラブルをなくす効果を奏する。

Claims (1)

  1. 粒度調整した耐火骨材に、12CaO・7Alを含まないアルミナセメントを0.5〜15重量%及び超微粉原料を1〜30重量%配合してなる配合物に、12CaO・7Alを外掛で0.005〜2.300重量%且つ12CaO・7Al /(アルミナセメント+12CaO・7Al )の重量比=0.047〜0.090の範囲内で並びに分散剤を外掛で0.005〜2重量%添加配合してなることを特徴とする水硬性不定形耐火組成物。
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