JP3117180B2 - 不定形耐火物成形体とその製造方法 - Google Patents

不定形耐火物成形体とその製造方法

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JP3117180B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐溶銑性と耐スポール
性に優れ、製銑用高炉の炉底築炉用に適した不定形耐火
物成形体(施行体を含む)とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の高炉炉底構造は、通常、鉄皮の内
側にカーボンブロックを下積にしてその上に中積れんが
を設け、さらにその上にシャモットれんがを上積に配設
したラィニング構造が主になっている。
【0003】前記の中積れんがとしては、溶銑やスラ
グ、アルカリの侵食を防止すると共に炉内の熱を断熱
し、下積のカーボンブロックを保護するために、耐溶銑
性及び耐スポール性の優れたAl2 3 −C−Si質れ
んがが通常使用されている。
【0004】その他に特開公昭63−57706号公報
に示されるAl2 3 −C−SiC質れんがやC−Si
C質れんが、さらに、特開公昭61−122160号公
報に示されているAl2 3 −SiO2 質れんがや、こ
れにSiCウィスカーを添加したれんががある。
【0005】この上積れんがや中積れんがは、1個当り
の重量が30〜40kg前後の小型れんがであり、高炉
の築炉作業時には、手作業により1つずつ積み重ねられ
もので、手間の掛かる重労働であると共に多大の時間を
要するので、築炉工程が長くなり能率が悪い。とくに、
最近では築炉工の高齢化及び熟練工の人員不足による問
題が大きく、築炉の自動化や省力化、機械化が要求され
ている。
【0006】この問題を解消するための手段として、小
型れんがを築炉前に事前に組み合わせたれんが接着ブロ
ックが採用されつつある。こうしたれんが接着ブロック
は、見掛上大型れんがとなるため、築炉時にクレーンや
リフトの使用による取扱いを容易にし、築炉の能率化、
省力化を可能にする。しかし、セット形状に制約がある
と共に、小型れんがに比べて接着分だけコスト高にな
る。また、このような接着ブロックでは目地数が減少し
ないため、大型化に伴う耐用の向上が期待できない。つ
まり、築炉時にこうした煉瓦間の目地や隙には通常モル
タルが使用されるが、モルタルはれんがに比べて著しく
組織が不良となるため、結果として高炉火入れ後に目地
部に溶銑の侵入をもたらし耐火物の寿命を短くする。
【0007】その点から言って目地のない大型の一体物
で製造することが望ましいが、大型のれんがは、品質あ
るいは寸法精度上、製造が困難であると共に、れんが製
造時における大型成形機や大型焼成炉の使用のためのコ
ストが掛かりすぎ実用的でない。
【0008】そのため、不定形耐火物を用いた成形体も
使用されるようになった。このような不定形耐火物製の
成形体は、一般に、粒度調整された耐火原料の配合物
に、結合剤としてアルミナセメントなどを使用した粉末
材料を、通常は鋳込現場に搬入して、水を添加し、混
練、鋳込、養生、脱枠し、必要に応じて熱処理を施して
製造される。
【0009】こうして得られた不定形耐火物からなる成
形体は以下のような利点がある。
【0010】 大型形状になってもれんがに比べて均
一な品質を得ることができ、特別な成形機や焼成炉を必
要としないため、大型化が容易で炉床の目地数が減少で
き、耐火層の耐用向上が期待できる。また、鋳込みブロ
ックであればリフティングプラグで吊上げるためのコア
の設置もその修復も容易である。
【0011】 鋳込み成形体である為、枠形状にこだ
わらずにブロック化できるので、製造上形状的な制約が
なく、築炉上炉底コーナー部の隙間のようなれんがを配
設できない部位を含んだ特殊形状れんがに容易に製造で
きる。
【0012】しかしながら、不定形耐火物成形体は、こ
のような利点と共に、製造に際して以下のような欠点が
ある。
【0013】 れんがに比べて成形圧が低く添加水分
が多いために成形体の密度が低く、気孔径が大きくなり
耐溶銑浸透性を下げると共に、熱間強度が低下する。
【0014】 アルミナセメントのような耐熱性が低
い結合剤を多く使用するため、成形ブロックの耐食性、
容積安定性、熱間強度等熱間特性を下げ、耐スポール性
を低下させる。
【0015】 不定形耐火物を混練後、型枠に鋳込む
際に振動充填によって成形される際に内部空洞が発生し
やすく、この空洞は集合発達して独立気泡として残り、
成形体の表面及び内部に比較的大きな空洞を形成し、こ
のため、成形体の耐溶銑浸透性を低下させる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、築炉
効率を上げるための不定形耐火物成形体の熱間強度、耐
スポール性、耐溶銑浸透性を向上せしめるための組成物
成形体とその製造法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明による成形体は、
バインダーとしてセメン卜の添加量を抑えて分散剤等を
使用し、成形体の高温特性を改善せしめたものである。
【0018】すなわち、本発明の不定形耐火物成形体
は、Al2 3 を75〜90重量%、Cを4〜15重量
%、金属Siを1〜6重量%、及びケイ酸質粉末起源の
SiO2 を1〜6重量%、水硬性セメント起源のCaO
を0.5〜2重量%を含有する組成物に分散剤を0.0
05〜1重量%添加した鋳込み成形体であり、且つ、1
300〜1500℃の温度で還元焼成後の平均気孔径が
1μm以下であることを特徴とする。
【0019】使用する分散剤として、通常の流し込み材
に使用する分散剤を使用することができる。例えば、ア
ルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属カルボン酸塩、アル
カリ金属フミン酸塩、ポリカルボン酸ナトリウム等の
塩、アルキルスルホン酸ナトリウム等の塩、芳香族スル
ホン酸ナトリウム等の塩、アルカリ金属珪酸塩、アルカ
リ金属炭酸塩、又はリグニンスルホン酸ナトリウム等の
塩、無水マレイン−イソブチレン共重合物のナトリウム
塩及びこれらのアンモニウム塩等、更に、これらと同様
な効果が得られる物質から1種又は2種以上を選択して
使用できる。これら分散剤の使用量は、慣用の使用範囲
内であり、例えば耐火骨材100重量部当たり0.00
5〜1.000重量%程度である。
【0020】本成形体に使用する耐火骨材として、溶銑
に対する耐食性、耐摩耗性、容積安定性に優れたAl2
3 を用いる。
【0021】Al2 3 の原料としては、Al2 3
有量が95%以上であるかぎり、特に限定されず、電融
アルミナ、焼結アルミナ、仮焼アルミナ等の人造アルミ
ナ、天然コランダム、ボーキサイト等の天然アルミナが
挙げられるが、この中で前述の具備条件を満足するには
電融アルミナが最も望ましく、粒径は0mm以上5mm
未満及び5mm以上10mm未満の2種に粒度調整す
る。
【0022】とくに、Al2 3 のうち1〜6重量%を
10μm以下の仮焼アルミナとするのが好ましい。
【0023】仮焼アルミナは分散剤、解膠剤、界面活性
剤等との組み合わせにより、混練時に低水分で流動性が
出て鋳込みが可能になることで、成形体の組織が緻密
で、高強度となり、耐食性を向上することができる。1
%未満だと十分な効果を得られず、また、6%を越える
と過焼結現象を生じやすくなり、耐スポール性が下がる
からである。
【0024】電融アルミナや仮焼アルミナの全使用量は
75〜90重量%である必要があり、75重量%未満で
は耐溶銑性が悪く、90重量%を越えると過焼結が進
み、耐スポール性が悪くなる。
【0025】Cとしては、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状
黒鉛等の天然黒鉛、人造電極屑等の人造黒鉛、コーク
ス、カーボンブラック、無煙炭、石炭粉、ピッチ粉、カ
ーボンレンガ屑等を使用する。これらカーボンの中で溶
銑への溶解度が小さく、揮発分が少なく、粒自体が緻密
で、耐アルカリ性に優れており、凝集性が強くないこと
等より、無煙炭が良く、中でも揮発分を除去した仮焼無
煙炭が良好である。こうした無煙炭及び黒鉛質の骨材
は、粉末、粒状など各種の粒度のものが存在し、大きな
粒では2メッシュの程度まで用いることができる。
【0026】ケイ酸質粉末は、ホワイトカーボン、無水
又は含水無定型ケイ酸、蒸発シリカ、シラス、フライア
ッシュ等を用いる。このケイ酸質粉末は、一次粒子の粒
子径は数μm〜数十μmに達し、これが団粒化した2次
粒子もほぼ20μm以下である。
【0027】CaOは、耐火材の結合材として併用添加
する水硬性セメントに起因し、一般的にはアルミナセメ
ントを使用するが、アルミナセメントはJIS規格の耐
火物アルミナセメント1種又は2種相当品の他に、Ca
O量が少ない、例えば電気化学社製のハイアルミナセメ
ント、ハイアルミナセメントスーパー等も使用できる。
【0028】また、この成形体は、減圧混練あるいは減
圧振動鋳込みによる鋳込む成形によって製造することが
できる。
【0029】製造に際しては、骨材やバインダー、分散
剤の種類を決定し、混練時に添加水分を低下させて緻密
な組織を有する成形体を得るために粗粒、中粒、微粒に
調整する。
【0030】1300〜1500℃の温度で還元焼成後
の平均気孔径が1μmとなる成形体を得るためには、混
練時の添加水分を極力抑える必要があり、過剰の水を加
えないように注意する必要があり、例えば、ボルテック
スミキサー等の混練効果の良いミキサーを使用する。更
に、混練後常圧下で棒状バイブレーターあるいは振動ゴ
テ等を使用し、直接又は間接的に混練物及び、枠に振動
を与えて混練物の脱気を行ないながら振動充填により枠
に鋳込む。この際、前述のように添加水分を抑えた混練
物は、粘りが強く、脱気が困難になる。このため、混練
物を鋳込む際に、巻き込みエアーが抜けにくくなり、成
形体中にこうしたエアーが集合して成形体中に比較的大
きな空洞を形成して成形体の耐溶銑性を下げる。従っ
て、成形体中に空洞を形成しないようにする為には、必
要に応じて、鋳込み時に混練物及び枠に振動を強くかけ
て脱気を充分に行なったり、減圧混練あるいは、減圧振
動鋳込み方法を併用することにより、成形体中の脱気を
行なう。
【0031】また、成形体の平均気孔径が1300〜1
500℃の還元焼成後としたのは、高炉炉床に配設され
た成形体が、使用時に熱を受けて還元雰囲気下で130
0〜1500℃まで昇温するからである。そして、この
時に前述の様な成形体中の組織の緻密化が生じる。
【0032】
【作用】カーボンの添加により、高炉スラグに対する高
耐食性と耐アルカリ性、更に容積安定性による耐スポー
リング性の改善と共に、高温での還元雰囲気下で金属シ
リコンとの反応により成形体の組織を緻密にする。使用
量は4重量%未満では耐アルカリ性、耐食性が下がる。
逆に、15重量%を超えるとカーボンが疎水性である
為、不定形耐火物の粉末材料に水を添加して混練する際
の流動性が下がり、水分を過剰にして鋳込まざるを得な
くなる為に、緻密な組織を有する成形体が得られず、強
度も大幅に低下すると共に耐溶銑浸透性が下がる。
【0033】金属シリコンは加熱されて還元雰囲気下で
カーボンと反応し、自己結合してβ−SiCを生成す
る。この反応により、成形体のマトリックスを強化し、
熱間強度は向上し、平均気孔径が1μm以下に微小化し
て、耐溶銑浸透性を良好にする。この時、金属シリコン
とカーボンが反応する重量比は金属シリコンが100重
量部に対しカーボンは約50重量部である。反応を効率
良く行わせるために金属シリコンの粒径は小さいほど望
ましいが、粒径は1mm以下で充分であり、0.1mm
以下の微粉であれば更に良好である。
【0034】ここで、金属シリコンやカーボンを所定量
添加せずに、例えばβ−SiC粉末やSiCウィスカ
ー、その他のSiC粉末原料を配合物に添加して粒度調
整して鋳込み成形を行っても、還元焼成後の組織の平均
気孔径を1μm以下にすることはできない。即ち、金属
シリコンとカーボンを原料として用い、実炉使用温度に
等しい1300〜1500℃の還元雰囲気下においてマ
トリックス中のこれらの原料が反応してβ−SiCの生
成により、組織が緻密になる。
【0035】また、還元焼成としたのは、還元雰囲気下
で金属シリコンとカーボンが反応してβ−SiCとなる
からであり、還元焼成をせずに、酸化焼成をすると金属
シリコンは、酸化して二酸化珪素となる。
【0036】金属シリコンの使用量を1〜6%としたの
は、1%未満だと充分な効果が得られず、また、6%を
超えると珪素粉と反応するカーボンの量が多くなり過ぎ
て、充分に金属シリコンとカーボンを反応する事ができ
なくなり、工業的に意味がないばがりでなく、耐スポー
ル性が下がるためである。
【0037】平均気孔径を1μm以下に限定したのは、
平均気孔径が1μmをこえると溶銑が成形体中へ侵入し
て成形体が著しく損耗するためである。
【0038】このことは次式による計算値及び実験によ
っても確認できる。
【0039】 v=A・√(b2 r/4)・√(γcosθ/η)・t v:融液侵入量 A:断面積 b:見掛気孔率 r:気孔径 γ:融液の表面張力 θ:耐火物と融液の接触角 t:時間 η:融液の粘性 従って、成形体の平均気孔径を1μm以下に限定するこ
とにより、溶銑が成形体中へ侵入する量を少なくするこ
とができる。ここで、成形体中の平均気孔径で限定した
のは、成形体中の全ての気孔径を1μm以下にすること
は製造上困難であり、平均気孔径を1μm以下に管理し
た成形体を、高圧操業の実炉条件下で試用した所、使用
上問題のないことを使用後の調査結果より確認した。
【0040】ケイ酸質粉末に起因するSiO2 は、耐火
材料中に組織の緻密化を図る為に用いる。即ち、ケイ酸
質粉末を添加する事により、鋳込み時における流動性を
良好にし、低水分による鋳込みを行い、組織を緻密にし
て気孔率を低下させ耐溶銑性を良好にする。
【0041】この種のケイ酸質粉末を配合した成形体
は、前記仮焼アルミナと同様に分散剤、解膠剤、界面活
性剤等を併用して使用することにより、低水分で鋳込み
ができ、充填性向上による緻密な組織を得られると共
に、ケイ酸質粉末が超微粒である事に起因して、焼結の
促進による高強度な組織が得られる。使用量は1重量%
以上が良好で、これ以下だと十分な効果が得られない。
しかし、使用量が6重量%を超えると過焼結現象を生じ
やすくなると共に、耐食性が低下する。
【0042】CaOは、0.5重量%未満では乾燥強度
が低下し、乾燥成形体では築造できなくなる。また、2
重量%を超えると、耐火材の使用時に前述のSiO2
反応し、アノーサイト(CaO・Al2 3 ・2SiO
2 )やゲーレナイト(2CaO・Al2 3 ・Si
2 )等の低融点化合物が生成し、耐火骨材の耐熱性を
下げ、また、アルミナセメントは硬化時に水和物を作
り、この水和物が昇温時に分解して耐火材の中間強度を
低下させる。
【0043】このように本発明は鋳込み成形体であって
も、上記組成と鋳込み方法の調整を行うことにより、1
300〜1500℃の温度で還元焼成後の平均気孔径が
1μm以下となる耐溶銑性のあるれんが相当の成形体と
することができる。これによって使用時の耐用を上げる
と共に、大型成形体を可能にして築炉を容易にする。
【0044】成形体の大きさや形状、重量については、
高炉の規模により違いがあると共に、築造時における大
型成形体のハンドリング作業でのクレーン及びリフトの
能力、大型成形体の炉床への取り込み、押し付け施工な
どを考慮すると、施工調整できる成形体の大きさと重量
には制限があるものの、小型レンガと比較した場合、築
炉工期の短縮を計るためには、成形体の大きさは0.1
3 程度以上は必要であり、好ましくは0.2m3 程度
以上が適用できる。
【0045】
【実施例】以下に本発明を高炉炉床用の成形体に適用し
た場合の実施例を比較例と共に示す。
【0046】実施例1〜4 表1の実施例1〜3は、仮焼アルミナ、金属シリコン、
ケイ酸質粉末、水硬性セメント、分散剤の添加量を所定
量の範囲内で一定となるようにして、仮焼無煙炭の添加
量を4〜15部、すなわちC量を4〜15重量%の間で
変化させ、合計が100部になる様に電融アルミナで調
整した。実施例4は実施例3の配合から金属シリコンを
増加させ、Al2 3 成分が下限値になるように調整し
配合原料を得た。
【0047】この配合原料を密充填が得られるように粒
度を粗粒、中粒、微粒に調整し、JIS R2553で
示される標準軟度状態になるようにそれぞれ粉末材料に
水を添加して、混練後900×600×500mmの大
きさで減圧振動鋳込みを行い、養生、脱枠、乾燥後、約
200×100×100mmの大きさに切出した後、1
350℃でコークスブリーズを詰めたサヤ内にて還元焼
成した。その後、40×40×160mmの大きさでサ
ンプルを切り出した後、品質の測定を行った。
【0048】
【表1】 比較例1として、表2に示す配合原料を、混練後100
0〜1300kg/cm2 の成形圧で成形し、脱枠、乾
燥後、1350℃で還元焼成した後、40×40×14
0mmの大きさでサンプルを切出した。その後、品質測
定を行なった。
【0049】実施例1〜4に示す成形体は、比較例1の
れんがの品質に比較し、いずれも同等以上の品質を得
た。
【0050】表2に示す比較例2〜4は、仮焼無煙炭を
0部(C=0%)、3部(C=3%)、16部(C=1
6%)とし、調整のAl2 3 は90%より大きく、7
5%未満になった。製造方法は、実施例1〜4と同様な
方法でサンプルの製作を行い、品質測定を行った結果、
Cが3%と0%のものはスポーリングテストで亀裂が発
生し、Cが16%と多いものは、強度が不足してサンプ
ルの成形ができなかった。
【0051】
【表2】 実施例5、6 表1の実施例5、6は、仮焼アルミナ、仮焼無煙炭、ケ
イ酸質粉末、水硬性セメント、分散剤の添加量を本特許
請求範囲内で一定とし、金属シリコンを1部(Si=1
%)と5部(Si=5%)添加し、合計が100部にな
るように電融アルミナで調整した。サンプルの製作は、
実施例1〜4と同様な方法で行い、品質測定を行った結
果、比較例1のれんがの品質に比較し、いずれも同等以
上の品質を得た。
【0052】表2の比較例5、6は、金属シリコンを0
部と7部(Si=7%)の添加品を実施例1〜4と同様
な方法で製作後、サンプリングして品質測定を行った結
果、Siのないものは、溶銑浸透試験で溶銑の浸透があ
った。また、Siが7%のものは、溶銑の浸透は見られ
なかったが、スポーリングテストにおいて亀裂が発生し
た。
【0053】実施例7、8 表1に示す実施例7、8は、仮焼アルミナ、仮焼無煙
炭、金属シリコン、ケイ酸質粉末、分散剤の添加量を、
その製品の組成が本特許請求範囲内で一定とし、水硬性
セメントを2部(CaO=0.6%)と6部(CaO=
1.8%)添加し、合計が100部になるように電融ア
ルミナで調整した。サンプルの製作は、実施例1〜4と
同様な方法で行い、品質測定を行った結果、比較例1の
れんがの品質に比較し、いずれも同等以上の品質を得
た。
【0054】表2に示す比較例7、8は、水硬性セメン
トを1部(CaO=0.3%)と8部(CaO=2.4
%)の添加品を実施例1〜4と同様な方法で製作後、サ
ンプリングして品質測定を行った結果、CaOが0.3
%のものは、強度が不足してサンプルの成形ができなか
った。また、CaOが2.4%と多いものは、スポーリ
ングテストで亀裂が発生すると共に、溶銑浸透試験で溶
銑の浸透が見られた。 実施例9、10 表1の実施例9、10は、仮焼アルミナ、仮焼無煙炭、
金属シリコン、水硬性セメント、分散剤の添加量を本特
許請求範囲内で一定とし、ケイ酸質粉末を1部(SiO
2 =1%)と5部(SiO2 =5%)添加し、合計が1
00%になるように電融アルミナで調整した。サンプル
の製作は、実施例1〜4と同様な方法で行い、品質測定
を行った結果、比較例1のれんがの品質に比較し、いず
れも同等以上の品質を得た。
【0055】表2の比較例9、10はケイ酸質粉末を0
部と7部(SiO2 =7%)の添加品を実施例1〜4と
同様な方法で製作後、サンプリングして品質測定を行っ
た結果、SiO2 が0%のものは、スポーリングテスト
で亀裂は発生しないが、溶銑浸透試験で溶銑の浸透が見
られた。また、SiO2 が7%と多いものは、スポーリ
ングテストで亀裂が発生し、溶銑浸透試験でも溶銑の浸
透が見られた。
【0056】実施例11、12 表1に示す実施例11、12は、仮焼無煙炭、金属シリ
コン、ケイ酸質粉末、水硬性セメント、分散剤の添加量
を本特許請求範囲内で一定とし、仮焼アルミナを1部と
6部添加し、合計が100%になるように電融アルミナ
で調整した。サンプルの製作は、実施例1〜4と同様な
方法で行い、品質測定を行った結果、比較例1のれんが
の品質に比較し、いずれも同等以上の品質を得た。
【0057】これに対して、表2に示す比較例11、1
2は仮焼アルミナを0部と7部の添加品を実施例1〜4
と同様な方法で製作後、サンプリングして品質測定を行
った結果、仮焼アルミナが0部が0%のものは、スポー
リングテストで亀裂は発生しないが、溶銑浸透試験で溶
銑の浸透が見られた。また、仮焼アルミナが7%と多い
ものは、スポーリングテストで亀裂が発生し、溶銑浸透
試験でも溶銑の浸透が見られた。
【0058】実施例13、14 表1に示す実施例13、14は、実施例1の配合の分散
剤の添加量を外掛けで0.005部と1部とし、実施例
1〜4と同様な方法で製作後品質測定を行なった結果、
比較例1のれんがの品質に比較し、いずれも同等以上の
品質を得た。
【0059】これに対して、表2に示す比較例13、1
4は、分散剤を0部と1.1部の添加品を実施例1〜4
と同様な方法で製作後サンプリングして品質測定を行な
った結果、分散剤が0%のものは、強度が不足してサン
プルの成形ができなかった。また、分散剤が1.1%と
多いものは、スポーリングテストで亀裂が発生し、溶銑
浸透試験でも溶銑の浸透が見られた。
【0060】また、表3に示す比較例15は、実施例1
の配合の金属シリコンを焼成後に生成するβ−SiCに
置き換え、実施例1〜4と同様な方法で製作後、サンプ
リングして品質測定を行った結果、スポーリングテスト
で亀裂は発生しないが、溶銑浸透試験で溶銑の浸透が見
られた。
【0061】また、同表3に示す比較例16は、実施例
1の配合の仮焼無煙炭をβ−SiCに置き換え、実施例
1〜4と同様な方法で製作後、サンプリングして品質測
定を行った結果、比較例15と同様にスポーリングテス
トで亀裂は発生しないが、溶銑浸透試験で溶銑の浸透が
見られた。
【0062】さらに、表3に示す比較例17は、実施例
1の配合の金属シリコンを除き、仮焼無煙炭を4部(C
量としては4重量%)とし、β−SiC5部に置き換
え、実施例1〜4と同様な方法で製作後、サンプリング
して品質測定を行った結果、溶銑浸透試験で溶銑の浸透
が見られた。
【0063】また、さらに、表3に示す比較例18は、
表1の実施例1の配合にJIS R2553で示される
標準軟度状態になるように粉末材料に水を添加して、混
練後900×600×500mmの大きさで常圧下での
振動鋳込みを行い、養生、脱枠、乾燥後、約200×1
00×100mmの大きさに切出した後、1350℃で
コークスブリーズを詰めたサヤ内にて還元焼成した。そ
の後、40×40×160mmの大きさでサンプルを切
り出した後、品質の測定を行った。こうして得られたサ
ンプルは、その表面及び内部に多数の残存気泡が確認さ
れ、平均気孔径が1μm以上になり、溶銑浸透試験で溶
銑の浸透が認められた。
【0064】さらに、表3に示す比較例19〜22は、
電融アルミナ、仮焼アルミナ、金属シリコン、ケイ酸質
粉末、水硬性セメント、分散剤の添加量を本特許請求範
囲内で一定とし、仮焼無煙炭4部を他のカーボン源、即
ち無煙炭、ピッチ、カーボンブラック、コークスに置き
換え、それぞれ4部ずつ配合して、実施例1〜4と同様
な方法で900×600×500mmの大きさの鋳込
み、脱枠、養生、乾燥を行なった。その結果、カーボ
ン源変更により、混練時における添加水分の増加による
成形体の養生強度の低下と乾燥時における内部蒸気圧の
上昇及びカーボン源中の揮発分による成形体中の内部
圧の上昇により、乾燥後に内部亀裂が入り、40×40
×160mmの大きさでサンプルを切り出すことができ
ず、品質の測定が不能になった。
【0065】
【表3】 このように、本発明の成形体の還元焼成は、成形体を高
炉炉床に築炉後、炉の火入れに成形体が熱をうけて行な
われる場合について説明したが、成形体を必要に応じて
事前に熱処理を施し、高炉炉床に築炉しても差し支えな
い。例えば、鋳込み終了後脱枠、養生したAl2 3
C−Si質成形体は、300〜500℃で乾燥した後、
事前に1300〜1500℃の還元焼成を行うこともで
きる。
【0066】また、本発明の成形体を高炉に適用する場
合には、予め成形した成形体に代えて高炉炉底に型枠を
セットして直接鋳込み施工して成形体を得ることもでき
る。
【0067】このようにして得た成形体を高炉炉床に配
設し、火入れ後は成形体が熱を受けて、即ち還元焼成さ
れて組織が緻密化し、れんが並みの特性を有する。
【0068】
【発明の効果】本発明の不定形耐火物の成形体によって
以下の効果を奏する。
【0069】(1) 大型成形体で築造できる為、築造
の工期を短縮でき、築炉の省力化が可能になる。
【0070】(2) 目地数が少ないため溶銑に接触し
た場合、目地部への溶銑、及びスラグ侵入による溶損を
低減でき、高炉炉床の耐火層、即ち耐火物の耐用が長く
なる。 (3) 鋳込み成形体である為、製造から見ても形状的
な制約がない。即ち、築炉上炉底コーナ一部の問隙の様
なれんがを配設できない部位を含んだ特殊形状れんが
は、これまでれんがで製造できなかったり、製造コスト
が掛かり過ぎる為にスタンプやモルタル等を使用して埋
めていたが、成形体であればこうした特殊形状でも比較
的容易に製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 倫 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (72)発明者 石井 章生 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/00 - 35/22 C04B 35/622 - 35/636 C04B 35/66

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al2 3 を75〜90重量%、Cを4
    〜15重量%、金属Siを1〜6重量%、及びケイ酸質
    粉末起源のSiO2 を1〜6重量%、水硬性セメント起
    源のCaOを0.5〜2重量%を含有する組成物に分散
    剤を0.005〜1重量%添加した鋳込み成形体であ
    り、且つ、1300〜1500℃の温度で還元焼成後の
    平均気孔径が1μm以下であることを特徴とする不定形
    耐火物成形体。
  2. 【請求項2】 Al2 3 のうちの1〜6重量%を仮焼
    アルミナであることを特徴とする請求項1記載の不定形
    耐火物成形体。
  3. 【請求項3】 C量のうちの一部又は全部が仮焼無煙炭
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の不定
    形耐火物成形体。
  4. 【請求項4】 Al2 3 を75〜90重量%、Cを4
    〜15重量%、金属Siを1〜6重量%、及びケイ酸質
    粉末起源のSiO2 を1〜6重量%、水硬性セメント起
    源のCaOを0.5〜2重量%を含有するからなる組成
    物とする原料を減圧混練あるいは減圧振動により鋳込む
    ことを特徴とする不定形耐火物成形体の製造方法。
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