JP4402731B2 - 内燃機関用スパークプラグ及びスパークプラグの製造方法 - Google Patents

内燃機関用スパークプラグ及びスパークプラグの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関に使用されるスパークプラグ、及び、その製造方法に関する。
内燃機関用スパークプラグは、内燃機関(エンジン)に取付けられ、燃焼室内の混合気への着火のために用いられるものである。一般的にスパークプラグは、軸孔を有する絶縁体と、当該軸孔に挿通される中心電極と、絶縁体の外周に設けられる主体金具と、主体金具の先端面に設けられ、中心電極との間に火花放電間隙を形成する接地電極とを備える。
また、耐火花消耗性及び着火性の向上を目的として、ニッケル合金など耐熱耐食性金属からなる接地電極の先端部分に、白金等の貴金属合金からなる貴金属チップが接合される。貴金属チップを接地電極に接合するにあたっては、接地電極と貴金属チップとの接合面外縁部に沿ってレーザービームでスポット溶接を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3460087号公報
ところで、近年、エンジンの高出力化を図るために、高圧縮比のエンジンが開発される傾向にあり、このようなエンジンの燃焼室内において、貴金属チップや接地電極等は、より高温条件下に晒される。加えて、接地電極はその先端側ほど熱が引かれにくく、接地電極の先端側により近い部位ほど高温となりやすい。このため、貴金属チップ、接地電極、及び両者の接合部分において、接地電極の先端側の部位に働く熱応力と基端側の部位に働く熱応力とに差異が生じてしまうおそれがある。ひいては、貴金属チップと接地電極との境界部分等で酸化スケールやクラック等が発生してしまい、貴金属チップが接地電極からの脱落してしまうことが懸念される。
また昨今では、エンジンの小型化の要請からスパークプラグの小型化が図られており、主体金具自体が小径薄肉化する傾向にあり、これに接合される接地電極も主体金具との接合面積を小さくせざるを得ないことからサイズをより減少させなければならない。その結果、接地電極の熱引き性能がより一層低下してしまい、前述の不具合が一層顕著なものとなってしまうおそれがある。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、熱応力の差異に起因する貴金属チップの脱落を抑制し、ひいては長寿命化の実現を図ることができる内燃機関用スパークプラグ、及び、その製造方法を提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成の内燃機関用スパークプラグは、軸線方向に貫通する軸孔を有する筒状の絶縁体と、
前記軸孔に挿設された中心電極と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
自身の先端側の一側面に貴金属を主成分とする貴金属チップの基端が接合され、当該貴金属チップの先端面が前記中心電極の先端面と対向するよう前記主体金具の先端部に設けられる接地電極と、
を備えた内燃機関用スパークプラグであって、
前記貴金属チップは、自身と前記接地電極とが溶け込みあった溶融部が自身の周囲に形成されることにより接合されるとともに、自身の基端を前記接地電極に埋入されており
前記接地電極の長手方向に沿うとともに前記貴金属チップの中心軸を含む断面の前記溶融部をみたときに、
前記接地電極の基端側に位置する基端側溶融部Aの断面積と前記接地電極の先端側に位置する先端側溶融部Bの断面積との合計断面積を4mm2以上とするとともに、前記先端側溶融部Bの断面積を前記基端側溶融部Aの断面積の1.1倍〜1.3倍とし
前記基端側溶融部A及び前記先端側溶融部Bはそれぞれ、
前記溶融部形成前の前記貴金属チップの矩形状の第1仮想外形線で区画された領域のうち前記貴金属チップ側の貴金属チップ側溶融部Cと、
前記第1仮想外形線で区画された領域のうち、前記接地電極側の領域であって、さらに、前記溶融部の形成前の前記接地電極の第2仮想外形線で区画された前記接地電極側の接地電極側溶融部Dと、に区分され、
前記基端側溶融部A及び前記先端側溶融部Bのうち少なくとも一方において、
前記接地電極の長手方向に沿うとともに、前記貴金属チップの中心軸を含む断面における、前記接地電極側溶融部Dの断面積を、前記貴金属チップ側溶融部Cの断面積の1.0倍〜2.0倍としたことを特徴とする。
尚、基端側溶融部A及び先端側溶融部Bのうち少なくとも一方が、貴金属チップの中心軸を超えて両者が重畳して形成される場合がある。この場合、次のように断面積を決定することが望ましい。すなわち、接地電極の長手方向に沿うとともに、前記貴金属チップの中心軸を含む断面において、基端側溶融部Aの外形を形成する外形線と先端側溶融部Bの外形を形成する外形線との2交点を直線で結び、基端側溶融部A側に分割された溶融部分が「基端側溶融部A」として決定され、先端側溶融部B側に分割された溶融部分が「先端側溶融部B」として決定される。また、「貴金属材料」は、白金(Pt)やイリジウム(Ir)等の貴金属のみから構成されるもののみならず、貴金属を主成分とするものを含む。
上記構成1によれば、接地電極の先端部分に貴金属チップが接合されているため、耐火花消耗性及び着火性の向上を図ることができる。
一方で、上述の通り、接地電極の先端側ほど熱が引きにくい傾向にあるため、高温条件下においては、貴金属チップや溶融部等のうち、接地電極の先端部により近い部位において、より大きな熱応力が生じやすい。特に、貴金属チップの中心を基点に先端側と基端側とに着目すると、先端側には比較的大きな熱応力が生じる一方、基端側には比較的小さな熱応力が生じている状態にある。接地電極と貴金属チップとの間に溶接により形成される溶融部は両者の熱膨張差を吸収し、接地電極から貴金属チップが剥がれ落ちてしまうことを抑制する作用を成すが、先端側の溶融部と後端側の溶融部とが同じ面積であると、上記熱応力の差異が吸収されることがなく、接地電極と貴金属チップとの境界部分での貴金属チップの剥離に至るおそれがある。
この点、上記構成1においては、接地電極の長手方向に沿うとともに、貴金属チップの中心軸を含む断面の前記溶融部をみたときに、先端側溶融部Bの断面積が基端側溶融部Aの断面積の1.1倍〜1.3倍とされる。このため、先端側溶融部Bと貴金属チップとの境界の長さ(先端側の溶融部と貴金属チップとの接触面積)、及び、先端側溶融部Bと接地電極との境界の長さ(先端側の溶融部と接地電極との接触面積)をより増大させることができる。従って、当該先端側の溶融部においてより多くのエネルギーを吸収できることとなるため、貴金属チップへかかる熱応力の歪みを緩和させることができる。これにより、熱応力のバランスの崩れを抑制することができ、貴金属チップの耐剥離性(耐脱落性)の向上を図ることができる。ひいては、スパークプラグの長寿命化を図ることが可能となる。
また、上記構成1では、基端側溶融部Aの断面積と先端側溶融部Bの断面積との合計断面積が4.0mm2以上とされる。これにより、十分な溶接強度を確保することができるとともに、上記作用効果がより確実に奏されることとなる。
尚、基端側溶融部Aの断面積と先端側溶融部Bの断面積との合計断面積が4.0mm2未満である場合、溶接強度が不十分なものとなってしまい、上述の作用効果が十分に奏されないおそれがある。また、先端側溶融部Bの断面積が基端側溶融部Aの断面積の1.1倍未満である場合、接地電極先端側からの熱応力の緩和が十分に行われず、上述の作用効果が十分に奏されないおそれがある。一方で、先端側溶融部Bの断面積が基端側溶融部Aの断面積の1.3倍より大きい場合には、接地電極の先端側から貴金属チップへと加えられる熱応力が極端に緩和され過ぎてしまうおそれがある。その結果、接地電極の先端側から貴金属チップへと加えられる熱応力が、接地電極の基端側から貴金属チップへと加えられる熱応力より小さなものとなってしまい、熱応力のバランスが上記とは逆の方向へと崩れてしまうおそれがある。
また、上記構成によれば、基端側溶融部A及び先端側溶融部Bのうち少なくとも一方について、接地電極側溶融部Dの断面積が、貴金属チップ側溶融部Cの断面積の1.0倍〜2.0倍とされる。これにより、溶融部の線膨張係数が貴金属材料或いは金属材料のいずれか一方の線膨張係数にのみ近づき過ぎてしまうことがなくなる。すなわち、熱膨張に伴う、溶融部の体積変化と貴金属材料の体積変化とが大きく異なってしまうことがなくなり、さらに、溶融部の体積変化及び金属材料の体積変化についても、大きく異なってしまうことがなくなる。その結果、溶融部と貴金属チップとの境界部分、或いは、溶融部と接地電極との境界部分における、熱膨張に伴う剪断力の増大を抑制することができ、ひいては各境界での酸化スケールやクラック等の発生を抑制することができる。結果として、耐剥離性のより一層の向上を図ることができる。
尚、接地電極側溶融部Dの断面積が、貴金属チップ側溶融部Cの断面積の1倍未満とされた場合、溶融部の線膨張係数は貴金属材料の線膨張係数により近いものとなってしまうため、溶融部及び接地電極間の線膨張係数の差がより大きなものとなってしまう。その結果、熱膨張に伴って溶融部と接地電極との境界部分における剪断力が増大してしまい、溶融部と接地電極との間でクラック等が発生してしまうおそれがある。一方、接地電極側溶融部Dの断面積が、貴金属チップ側溶融部Cの断面積の2倍より大きくされた場合、溶融部の線膨張係数は金属材料の線膨張係数により近づくこととなってしまう。このため、溶融部と貴金属チップとの間の剪断力の増大を招いてしまい、ひいては溶融部と貴金属チップとの間でクラック等が発生してしまうおそれがある。
構成.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1において、前記接地電極の長手方向に沿うとともに、前記貴金属チップの中心軸を含む断面において、
前記貴金属チップの先端から前記基端側溶融部Aまでの最短距離をE(mm)とし、
前記貴金属チップの先端から前記先端側溶融部Bまでの最短距離をF(mm)としたとき、
次の式(1)及び式(2)を満たすことを特徴とする。
1.05≦E/F≦1.25…(1)
0.3mm≦E≦0.5mm…(2)
一般的に貴金属チップは高温条件下に置かれると、耐酸化性が低下し、ひいては耐消耗性が低下してしまう。ここで、上述したように接地電極においてはその先端側ほど熱が引かれにくく、接地電極の先端側により近い部位ほど高温となりやすいため、接地電極に接合される貴金属チップに関しても、接地電極の先端側に位置する部位ほど高温となりやすい。そのため、貴金属チップのうち接地電極の先端側に位置する部位は、基端側に位置する部位よりも放電に伴う消耗が進みやすく、貴金属チップが偏消耗してしまうおそれがある。貴金属チップが偏消耗してしまうと、放電位置が不安定となってしまうため、火炎の広がり方にばらつきが生じ、燃焼効率の低下を招いてしまうおそれがある。
この点、上記構成によれば、貴金属チップの先端から基端側溶融部Aまでの最短距離をE(mm)とし、貴金属チップの先端から先端側溶融部Bまでの最短距離をF(mm)としたとき、1.05≦E/F≦1.25を満たすようにして溶融部が形成されている。すなわち、貴金属チップのうち接地電極の先端側に位置する部位の表面積が、接地電極の基端側に位置する部位の表面積よりも小さくされている。このため、より高温となりやすい貴金属チップの接地電極の先端側に位置する部位の受熱量を低減することができ、ひいては貴金属チップのうち接地電極の先端側に位置する部位と、基端側に位置する部位との温度差を低減させることができる。これにより、貴金属チップの偏消耗を効果的に防止することができるとともに、放電位置の安定化を図ることができ、ひいては燃焼効率の向上を図ることができる。
ところで、貴金属チップのうち接地電極の先端側に位置する部位の表面積を小さくすると、溶融部のうち接地電極の先端側に位置する部位の表面積が増大することとなる。このため、当該部位において受熱量が増大してしまい、耐剥離性や耐久性が低下してしまうことが懸念される。しかしながら、一般的に接地電極を形成する金属材料(例えば、Ni合金)は、貴金属チップを形成する貴金属材料と比較して熱伝導率が低いため、接地電極を形成する金属材料と貴金属材料とが溶融されてなる溶融部の熱伝導率は、貴金属チップの熱伝導率よりも小さなものとなる。従って、溶融部に対しては燃焼ガスからの熱が比較的伝わりにくく、溶融部の表面積が増大しても、溶融部の受熱量が極端に増大してしまうといった事態は起こりにくく、耐剥離性や耐久性の低下といった事態も起こりにくい。
尚、1.05>E/Fとした場合には、貴金属チップのうち接地電極の先端側に位置する部位の受熱量を十分に低減させることができず、ひいては上述の作用効果が十分に奏されないおそれがある。また、E/F>1.25とした場合には、貴金属チップのうち接地電極の先端側に位置する部位の受熱量が極度に低減されることとなり、貴金属チップのうち接地電極の基端側に位置する部位においての消耗が進みやすくなってしまうおそれがある。加えて、0.3mm>Eとした場合には、火花放電間隙に対して溶融部が比較的接近した位置に形成されることとなってしまうため、溶融部との間で放電が生じやすくなり、ひいては放電位置の安定化を十分に図ることができないおそれがある。併せて、E>0.5mmとした場合には、貴金属チップが接地電極からより突出し、貴金属チップの受熱量が増大してしまうため、貴金属チップのうち接地電極の先端側に位置する部位と基端側に位置する部位との温度差のバランスが崩れてしまい、ひいては上述の作用効果が十分に奏されないおそれがある。
構成.本構成のスパークプラグの製造方法は、軸線方向に貫通する軸孔を有する筒状の絶縁体と、
前記軸孔に挿設された中心電極と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
自身の先端側の一側面に貴金属を主成分とする貴金属チップの基端が接合され、当該貴金属チップの先端面が前記中心電極の先端面と対向するよう前記主体金具の先端部に設けられた接地電極とを備え、
前記貴金属チップは、自身と前記接地電極とが溶け込みあった溶融部が自身の周囲に形成されることにより接合されてなるスパークプラグの製造方法であって、
抵抗溶接によって前記貴金属チップの端部を前記接地電極に埋入して仮止めする工程と、
前記接地電極及び前記貴金属チップの接合面外縁部に対してレーザービームを照射することによって前記溶融部を形成し、前記貴金属チップを前記接地電極へと接合する接合工程を含み、
前記接合工程において、前記接地電極の先端側に位置する部位に対しての溶融エネルギーが、前記接地電極の基端側に位置する部位に対しての溶融エネルギーよりも大きくなるようにしてレーザービームを照射することを特徴とする。
上記構成によれば、溶融部のうち接地電極の先端側に位置する部分(先端側溶融部B)が、基端側に位置する部分(基端側溶融部A)よりも大きくされる。このため、上記構成1等と同様の作用効果を奏するスパークプラグを比較的容易に、かつ、より確実に製造することができる。
構成.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成1又は2に記載の内燃機関用スパークプラグの製造方法であって、
抵抗溶接によって前記貴金属チップの端部を前記接地電極に埋入して仮止めする工程と、
前記接地電極及び前記貴金属チップの接合面外縁部に対してレーザービームを照射することによって前記溶融部を形成し、前記貴金属チップを前記接地電極へと接合する接合工程を含み、
前記接合工程において、前記接地電極の先端側に位置する部位に対しての溶融エネルギーが、前記接地電極の基端側に位置する部位に対しての溶融エネルギーよりも大きくなるようにしてレーザービームを照射することを特徴とする。
上記構成によれば、基本的には上記構成と同様の作用効果が奏されることとなる。
構成.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成又はにおいて、前記接地電極の基端側に位置する部位から前記接地電極の先端側に位置する部位へと溶融エネルギーを増大させていくようにしてレーザービームを照射することを特徴とする。
上記構成によれば、基本的には上記構成等と同様の作用効果が奏されることとなる。加えて、本構成によれば、溶融部が、接地電極の基端側に位置する部分から先端側に位置する部分へと徐々に増大していくようにして形成される。これにより、貴金属チップに加わる熱応力のバランスの崩れをより一層抑制することができ、貴金属チップの耐剥離性を一層向上させることができる。
構成.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成乃至のいずれかであって、前記接合工程において、
レーザービームの照射方向を固定した上で、
前記貴金属チップの中心軸のうち前記貴金属チップ側に位置する軸を、前記貴金属チップの中心軸と前記接地電極の一側面を含む平面との交点を基点に、前記接地電極の基端側へと傾けてなる軸を回転軸として、前記貴金属チップ及び前記接地電極を回転させることによって前記溶融部を形成することを特徴とする。
上記構成を実現する方法としては、例えば、接地電極の先端側に位置する部分と基端側に位置する部分とでレーザービームの照射方向(レーザービームの当たる位置)を変更することが考えられる。しかしながら、当該方法を用いた場合には、照射方向を変更するための手段を別途設ける必要があり、装置の複雑化や生産効率の低下といった事態を招いてしまうおそれがある。
この点、上記構成のように、貴金属チップの中心軸を傾けた軸を回転軸として貴金属チップ及び接地電極を回転させることで、レーザービームの照射方向を固定状態としたままであっても、上記構成を実現することができる。すなわち、本構成によれば、特段の困難性を伴うことなく上記構成を実現することができ、装置の複雑化や生産効率の低下をより確実に防止することができる。
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、スパークプラグ1を示す一部破断正面図である。なお、図1では、スパークプラグ1の軸線X方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2には、軸線Xに沿って軸孔4が貫通形成されている。そして、軸孔4の先端部側には中心電極5が挿入、固定され、後端部側には端子電極6が挿入、固定されている。軸孔4内における中心電極5と端子電極6との間には、抵抗体7が配置されており、この抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
中心電極5は、絶縁碍子2の先端から突出し、端子電極6は絶縁碍子2の後端から突出した状態でそれぞれ固定されている。また、中心電極5には、その先端に貴金属チップ31が溶接により接合されている(これについては後述する)。
一方、絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれより細径に形成された脚長部13とを備えている。絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。そして、脚長部13と中胴部12との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1をエンジンヘッドに取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3をエンジンヘッドに取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。尚、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料空気が外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端部26には、略L字状をなす接地電極27が接合されている。すなわち、接地電極27は、前記主体金具3の先端部26に対しその後端部が溶接されるとともに、先端側が曲げ返されて、その側面が中心電極5の先端部(貴金属チップ31)と対向するように配置されている。尚、本実施形態において、前記接地電極27は、Ni−23Cr−14.4Fe−1.4Al〔Inconel601(登録商標)〕により形成されており、当該金属材料の熱伝導率は、約0.111W/cm・Kとなっている。
さらに、当該接地電極27には、前記貴金属チップ31に対向するようにして貴金属チップ32が接合されている(これについては後述する)。そして、これら貴金属チップ31,32間の隙間が火花放電間隙33となっている。尚、本実施形態において、前記貴金属チップ31は、公知の貴金属材料(例えば、Pt−Ir合金等)により構成されており、また、貴金属チップ32は、Pt−20Ir−5Rh合金から形成されている。尚、当該金属材料の熱伝導率は、約0.262W/cm・Kであり、前記接地電極27を構成する金属材料よりも大きな熱伝導率を有している。
中心電極5は、銅又は銅合金からなる内層5Aと、ニッケル(Ni)合金からなる外層5Bとにより構成されている。また、接地電極27は、Ni合金で構成されている。
中心電極5は、その先端側が縮径されるとともに、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端面が平坦に形成されている。ここに円柱状をなす上記貴金属チップ31を重ね合わせ、さらにその接合面外縁部に沿ってレーザー溶接、電子ビーム溶接、或いは抵抗溶接等を施すことにより、貴金属チップ31と中心電極5とが接合されている。
一方、貴金属チップ31に対向する貴金属チップ32は、接地電極27の所定位置上に位置合わせされた上で、抵抗溶接によってその端部が接地電極27に埋入された状態で、その接合面外縁部に沿ってレーザービームでスポット溶接される。これにより、貴金属材料とNi合金とが溶融した溶融部34が形成され、接地電極27と貴金属チップ32とが接合される。尚、中心電極5側の貴金属チップ31を省略する構成としてもよい。この場合には、貴金属チップ32と中心電極5の先端部との間で火花放電間隙33が形成される。
加えて、本実施形態において、溶融部34は、接地電極27の基端側(図の左側)に位置する基端側溶融部Aから、接地電極27の先端側(図の右側)に位置する先端側溶融部Bにかけて、徐々にそのボリューム(溶融量)が増大するよう形成されている。より詳しくは、図2に示すように、接地電極27の長手方向に沿うとともに、貴金属チップ32の中心軸Yを含む断面(「中心軸断面」という)において、先端側溶融部Bの断面積が、基端側溶融部Aの断面積の1.1倍〜1.3倍(例えば、1.2倍)となるように形成されている。加えて、前記基端側溶融部Aの断面積と、先端側溶融部Bの断面積との合計断面積が、4.0mm2以上(例えば、5.0mm2)とされている。
さらに、図3に示すように、前記基端側溶融部A及び前記先端側溶融部Bはそれぞれ、溶融部34形成前(貴金属チップ32の端部が接地電極27に埋入された状態)の貴金属チップ32の矩形状の第1仮想外形線N1で区画された領域のうち前記貴金属チップ32側の貴金属チップ側溶融部C1,C2と、前記第1仮想外形線N1で区画された領域のうち、前記接地電極27側の領域であって、さらに、溶融部34の形成前の前記接地電極27の第2仮想外形線N2で区画された前記接地電極27側の接地電極側溶融部D1,D2とに区分される。尚、貴金属チップ側溶融部C1,C2は、右上がり斜線を付して図示されており、接地電極側溶融部D1,D2は、右下がり斜線を付して図示されている。
加えて、前記中心軸断面において、接地電極側溶融部D1の断面積が、貴金属チップ側溶融部C1の断面積の1.0倍〜2.0倍(例えば、1.5倍)とされるとともに、接地電極側溶融部D2の断面積が、貴金属チップ側溶融部C2の断面積の1.0倍〜2.0倍(例えば、1.7倍)とされている。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について説明する。まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状の金属素材(例えばS17CやS25Cといった鉄系素材やステンレス素材)を冷間鍛造加工により貫通孔を形成し、概形を製造する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
続いて、主体金具中間体の先端面に、Ni合金(例えばインコネル系合金等)からなる接地電極27が抵抗溶接される。当該溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去した後、主体金具中間体の所定部位にねじ部15が転造によって形成される。これにより、接地電極27の溶接された主体金具3が得られる。尚、後述する貴金属チップ32を接地電極27に設けた後に、接地電極27を主体金具中間体に溶接することとしてもよい。接地電極27の溶接された主体金具3には、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理が施されることとしてもよい。
さらに、接地電極27の先端部26には、上述した貴金属チップ32が接合される。より詳しくは、まず抵抗溶接によって接地電極27の所定部位に貴金属チップ32の端部が接地電極27に埋入された状態で仮止めされる。そして、レーザー照射手段に対して、貴金属チップ32の中心軸Yを回転軸として貴金属チップ32を相対回転させつつ、接地電極27と貴金属チップ32との接合面外縁部に対してレーザービームが間欠的に照射される。より詳しくは、レーザービームが照射されてなる溶融点の中心同士の間隔が略等しくなるようにして、所定回数(例えば、8回)のレーザービームが照射される。これにより、貴金属チップ32の先端側から見て環状に連なる多数の溶融点(溶融部34)が形成され、接地電極27と貴金属チップ32とが接合される(スポット溶接法)。また、レーザービームの照射に際しては、出力エネルギーを段階的に増減させつつ、前記接合面外縁部に対して所定角度でレーザービームが照射される。具体的には、接合面外縁部のうち、接地電極27の基端側に位置する部位に対しては比較的低エネルギーのレーザービームが照射される一方で、接地電極27の先端側に位置する部位に対しては比較的高エネルギーのレーザービームが照射される。これにより、接地電極27の先端側に形成される先端側溶融部Bの溶融量が、接地電極27の基端側に形成される基端側溶融部Aの溶融量と比較してより大きくされる。尚、上記のように出力エネルギーを増減させることなく、又は、出力エネルギーを増減させつつ、レーザービームの焦点距離を変更することで、基端側溶融部A及び先端側溶融部Bの溶融量を増減させることとしてもよい。
また、溶接をより確実なものとするべく、当該溶接に先だって溶接部位のメッキ除去が行われたり、或いは、メッキ工程に際し溶接予定部位にマスキングが施されたりする。また、当該貴金属チップ32の溶接を、後述する組合せの後に行うこととしてもよい。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用い、成型用素地造粒物を調製し、これを用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。得られた成形体に対し、研削加工が施され整形される。そして、整形されたものが焼成炉へ投入され焼成される。焼成後、種々の研磨加工を施すことで、絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、Ni合金が鍛造加工され、その中央部に放熱性向上を図るべく銅合金からなる内層5Aが設けられる。そして、その先端部には、上述した貴金属チップ31が抵抗溶接やレーザー溶接等により接合される。
そして、上記のようにして得られた絶縁碍子2及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。ガラスシール層8,9としては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されており、当該調製されたものが抵抗体7を挟むようにして絶縁碍子2の軸孔4内に注入された後、後方から前記端子電極6が押圧された状態とした上で、焼成炉内にて焼き固められる。尚、このとき、絶縁碍子2の後端側胴部10表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作成された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、接地電極27を備える主体金具3とが組付けられる。より詳しくは、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。
そして、最後に、接地電極27を屈曲させることで、中心電極5の先端に設けられた貴金属チップ31及び接地電極27に設けられた貴金属チップ32間の前記火花放電間隙33を調整する加工が実施される。
このように一連の工程を経ることで、上述した構成を有するスパークプラグ1が製造される。
次に、本実施形態によって奏される作用効果を確認するべく、次のような試験を行った。すなわち、接地電極に貴金属チップが接合されるとともに、当該接地電極の長手方向に沿うとともに、貴金属チップの中心軸を通る断面の溶融部をみたときの、基端側溶融部の断面積(以下、「SA」という)及び先端側溶融部の断面積(以下、「SB」という)の合計断面積(以下、「SA+SB」という)、SA及びSBの断面積比(以下「SB/SA」という)、先端側溶融部側の貴金属チップ側溶融部の断面積(以下、「SC」という)及び先端側溶融部側の接地電極側溶融部の断面積(以下「SD」という)の断面積比(以下「SD/SC」という)を種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルに対して耐剥離性評価試験を行った。当該試験の結果を図4〜図9の折れ線グラフ及び等高線グラフに示す。ここで、当該耐剥離性評価試験の概要は以下の通りである。すなわち、各スパークプラグのサンプルを、2000cc直列6気筒エンジンに取り付け、1分間の全負荷状態(エンジン回転数=5000rpm)とした後、1分間アイドリング状態とすることを1サイクルとして、貴金属チップの剥離が生じるまでのサイクル数(チップ剥離サイクル数)を測定した。また、当該試験では、チップ剥離サイクル数が10000サイクル以上となった場合に十分な耐剥離性能を有するものと判断することとした。
尚、図4,5においては、SA+SBを3mm2とした場合の、図6,7においては、SA+SBを4mm2とした場合の、図8,9においては、SA+SBを6mm2とした場合の折れ線グラフ及び等高線グラフをそれぞれ示している。
また、各折れ線グラフ(図4,6,8)において、縦軸をチップ剥離サイクル数、横軸をSD/SCとするとともに、SB/SAが「1.0」のサンプルについては黒丸で、「1.1」のサンプルについては黒三角形で、「1.2」のサンプルについては黒菱形で、「1.3」のサンプルについては黒正方形で、「1.4」のサンプルについては×印でそれぞれプロットしている。加えて、十分な耐剥離性能を有するものとして評価可能な限界値(剥離限界)たる10000サイクルを太線で表示している。
さらに、各等高線グラフ(図5,7,9)においては、縦軸をSB/SA、横軸をSD/SCとし、チップ剥離サイクル数が10000サイクル以上となった領域を白抜きで表示している。ここで、チップ剥離サイクル数が13000サイクル以上となった場合には、極めて優秀な耐剥離性能を有するものと認められるため、領域内の交差線を特に点線で表示することとしている。これに対して、チップ剥離サイクル数が10000サイクル未満となった場合には、耐剥離性能が十分でないとして、その領域内を散点状で表示している。この場合、点の密度が大きいほど(濃度が濃いほど)、耐剥離性能が不十分であることを示している。
図4〜図9に示すように、SA+SBの値によることなく、SB/SAを「1.1〜1.3」としたことで、SB/SAを「1.0」或いは「1.4」とした場合と比較して、チップ剥離サイクル数が増加した旨確認された。これは、先端側溶融部と貴金属チップとの境界の面積、及び、先端側溶融部と接地電極との境界の面積がより増大されたため、溶融部や接地電極のうち接地電極の先端側に位置する部位から貴金属チップへと加えられる熱応力が緩和され、ひいては接地電極の先端側からの熱応力と接地電極の基端側からの熱応力とのバランスが保たれたことに起因すると考えられる。
さらに、SD/SCを「1.0〜2.0」としたことによって、チップ剥離サイクル数がより一層増加することが明らかとなった。これは、溶融部の線膨張係数を貴金属材料或いは金属材料の一方の線膨張係数にのみ近づけ過ぎることがないため、溶融部と貴金属チップとの境界部分或いは溶融部と接地電極との境界部分における剪断力の増大を抑制することができ、ひいては各境界での酸化スケールやクラック等の発生を抑制することができたことによると考えられる。
一方で、図4,5に示すように、SA+SBを3mm2とした場合には、SB/SAを「1.1〜1.3」としたり、SD/SCを「1.0〜2.0」としたりすることで耐剥離性の向上は認められたものの、十分な耐剥離性能を有するものとまでは認められなかった。これは、溶融部の溶融量が少なすぎたため、溶接強度が不十分であったことが原因であると考えられる。
これに対して、図6,7に示すように、SA+SBを4mm2とした場合には、SB/SAを「1.1〜1.3」とし、かつ、SD/SCを「1.0〜2.0」とした(図7の太線で囲まれた領域内)ことで、チップ剥離サイクル数が10000サイクルを超え、十分な耐剥離性能を実現できていることが確認された。
さらに、図8,9に示すように、SA+SBを6mm2とした場合においては、SB/SAが「1.1〜1.3」であり、かつ、SD/SCが「1.0〜2.0」である領域(図9の太線で囲まれた領域内)において、チップ剥離サイクル数が13000サイクルを超える部分が当該領域の大部分を占め、非常に優れた耐剥離性能を実現できていることが確認された。
以上のように、SA+SBを4mm2以上とするとともに、SB/SAを「1.1〜1.3」、SD/SCを「1.0〜2.0」とすることで、貴金属チップの耐剥離性の向上を十分に図ることができるといえる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について、図11〜図16を参照しつつ説明する。尚、本実施形態においては、特に、溶融部34の構成、並びに、接地電極27及び貴金属チップ32の接合方法が上記第1実施形態と相違するため、以下においては、これらを中心に説明する。尚、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、前記中心軸断面において、先端側溶融部Bの断面積が、基端側溶融部Aの断面積の1.1倍〜1.3倍となるように形成されるとともに、基端側溶融部Aの断面積と先端側溶融部Bの断面積との合計断面積が、4.0mm2以上とされている。また、前記中心軸断面において、接地電極側溶融部D1,D2の断面積が、貴金属チップ側溶融部C1,C2の断面積の1.0倍〜2.0倍とされている。
さて、本第2実施形態において特有の溶融部34の構成について説明する。図11に示すように、本実施形態において、溶融部34は、貴金属チップ32の先端側に位置する端縁が、接地電極27の基端側に位置する部位から先端側に位置する部位へと徐々に貴金属チップ32の先端に接近するようにして形成されている。すなわち、図12に示すように、基端側溶融部Aと比較して先端側溶融部Bが貴金属チップ32の先端に対してより接近した状態で形成されている。より詳しくは、前記中心軸断面における前記貴金属チップ32の先端から基端側溶融部Aまでの最短距離をE(mm)とし、貴金属チップ32の先端から先端側溶融部Bまでの最短距離をF(mm)としたとき、1.05≦E/F≦1.25を満たすようにして、溶融部34が形成されている。さらに、本実施形態においては、0.3mm≦E≦0.5mmを満たすようにして、溶融部34が形成されている。
また、同図に示すように、貴金属チップ32は、その先端面32fが接地電極27の中心電極5側の端面27bと平行となるようにして接合されている。すなわち、接地電極27の先端面32fのうち接地電極27の先端側に位置する先端側端部32f1及び前記端面27bの間の貴金属チップ32の中心軸Yに沿った距離(先端側突出長)L1と、前記接地電極27の先端面32fのうち接地電極27の基端側に位置する基端側端部32f2及び前記接地電極27の端面27bの間の貴金属チップ32の中心軸Yに沿った距離(基端側突出長)L2とが等しくされている。
加えて、前記貴金属チップ32は、その先端面32fが、前記接地電極27の端面27bよりも前記中心軸Yに沿って0.8mm突出するようにして接合されている。
次いで、接地電極27及び貴金属チップ32の接合方法について説明する。まず抵抗溶接によって接地電極27の所定部位に貴金属チップ32の端部が接地電極27に埋入された状態で仮止めされる。そして、図13及び図14に示すように、貴金属チップ32の中心軸Yを、当該中心軸Yと接地電極27の一側面を含む平面との交点BPを基点に、接地電極27の基端側に所定角度だけ傾けてなる軸ARを回転軸として接地電極27及び貴金属チップ32を相対回転させつつ、照射方向の固定されたレーザービーム(LB)を接地電極27及び貴金属チップ32の当接面外縁部に対して間欠的に照射する。これにより、接地電極27の先端側に位置する部位においては、貴金属チップ32の先端に比較的接近した位置にレーザービーム(LB)が照射され、一方で、接地電極27の基端側に位置する部位においては、貴金属チップ32の先端から比較的離間した位置にレーザービーム(LB)が照射されることとなる。これにより、先端側溶融部Bが貴金属チップ32の先端に対してより接近した状態で形成され、基端側溶融部Aが貴金属チップ32の先端から比較的離間した位置に形成される。
以上、上述の製造方法を用いることにより、装置の複雑化や生産効率の低下を招くことなく、溶融部34の貴金属チップ32の先端側に位置する端縁が、接地電極27の基端側に位置する部位から先端側に位置する部位へと徐々に貴金属チップ32の先端に接近するようにして溶融部34を形成することができる。
次に、本実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、図15に示すように、接地電極側の貴金属チップの先端及び先端側溶融部間の最短距離「SF」に対する、当該貴金属チップの先端及び基端側溶融部間の最短距離「SE」の比(「SE/SF」)と、前記最短距離「SE」とを種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて耐久性評価試験を行った。耐久性評価試験の概要は次の通りである。すなわち、各サンプルを2000cc直列6気筒エンジンに取り付け、全負荷状態(エンジン回転数=5000rpm)でエンジンを100時間に亘って動作させた。その後、中心電極側の貴金属チップと、接地電極側の貴金属チップとについて、接地電極の基端側に位置する部位同士の距離「G1」、及び、接地電極の先端側に位置する部位同士の距離「G2」を測定するとともに、両者の差の絶対値(|G1−G2|)を算出した。図16に、SE/SFと、|G1−G2|との関係を表すグラフを示す。尚、同図においては、SEを0.3mmとしたときの試験結果を白抜き菱形でプロットし、SEを0.4mmとしたときの試験結果を白抜き三角でプロットし、SEを0.5mmとしたときの試験結果を白抜き丸でプロットし、SEを0.6mmとしたときの試験結果をバツ印でプロットした。また、貴金属チップは、Pt−20Ir−5Rh合金により形成し、接地電極は、Inconel601(登録商標)により形成した。
図16に示すように、SEを0.3mm以上0.5mm以下とするとともに、SE/SFを1.05以上1.25以下としたサンプルについては、|G1−G2|が0.05mm以下となり、貴金属チップの偏消耗を効果的に抑制できることがわかった。これは、SE/SFを1.05以上1.25以下としたことで、接地電極側の貴金属チップのうち接地電極の先端側に位置する部位の表面積が、接地電極の基端側に位置する部位の表面積よりも小さくされたため、より高温となりやすい接地電極の先端側に位置する部位の受熱量を低減することができ、ひいては接地電極の先端側に位置する部位と、基端側に位置する部位との温度差を低減させることができたことによると考えられる。
一方で、SE/SFが1.05未満のサンプル及びSE/SFが1.25を超えるサンプルについては、|G1−G2|が0.05mmを超えてしまい、貴金属チップに偏消耗が生じてしまうことが明らかとなった。これは次の理由によると考えられる。すなわち、SE/SFを1.05未満とした場合には、貴金属チップのうち接地電極の先端側に位置する部位における受熱量が十分に低減されなかったため、当該部位における消耗が進みやすくなってしまったことに起因すると考えられる。一方で、SE/SFが1.25を超える場合には、貴金属チップのうち接地電極の先端側に位置する部位の受熱量が極度に低減されてしまったため、接地電極の基端側に位置する部位での消耗が進みやすくなってしまったことによると考えられる。
また、SEを0.6mmとしたサンプルについては、SE/SFの値に関わらず、|G1−G2|が0.05mmよりも大きくなってしまい、貴金属チップに偏消耗が生じてしまうことが明らかとなった。これは、接地電極側の貴金属チップが接地電極から一層突出することとなったため、貴金属チップの受熱量が増大してしまい、ひいては貴金属チップのうち接地電極の先端側に位置する部位と基端側に位置する部位との温度差のバランスが崩れてしまったことによると考えられる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態においては、基端側溶融部A及び先端側溶融部Bは、貴金属チップ32の中心軸Yを超えることなく形成されているが、基端側溶融部A及び先端側溶融部Bのうち少なくとも一方が前記中心軸Yを超えて形成されることとしてもよい。このとき、図10(a)に示すように、基端側溶融部Aと先端側溶融部Bとが互いに重複することもあるが、このような場合には、次のようにして基端側溶融部Aの断面積及び先端側溶融部Bの断面積を決定することが望ましい。すなわち、図10(b)に示すように、前記中心軸断面において、基端側溶融部Aの外形を形成する外形線G1と、先端側溶融部Bの外形を形成する外形線G2との2交点K1,K2を仮想直線Sで結ぶ。そして、図10(c)に示すように、基端側溶融部A側に分割された溶融部分A1が「基端側溶融部A」として決定され、先端側溶融部B側に分割された溶融部分B1が「先端側溶融部B」として決定される。
(b)上記実施形態では、基端側溶融部Aにおける、接地電極側溶融部D1の断面積が、貴金属チップ側溶融部C1の断面積の1.0〜2.0倍とされるとともに、先端側溶融部Bにおける、接地電極側溶融部D2の断面積が、貴金属チップ側溶融部C2の断面積の1.0〜2.0倍とされている。これに対して、基端側溶融部A及び先端側溶融部Bのいずれか一方における、接地電極側溶融部D1(D2)の断面積を、貴金属チップ側溶融部C1(C2)の断面積の1.0〜2.0倍とすることとしてもよい。
(c)上記実施形態では、特に言及していないが、昨今のスパークプラグの小型化の要請を鑑みるに、接地電極27として、その先端部分の断面積が比較的小さい(例えば、2.0mm2以上3.5mm2以下)ものを用いることとしてもよい。このように断面積が比較的小さい場合には、接地電極27の熱引き性能が低下してしまうため、接地電極27がより高温となってしまいやすく、ひいては貴金属チップ32に加えられる熱応力のバランスが一層崩れやすくなってしまうことが懸念される。この点、上記構成を採用することで、熱応力のバランスの崩れを安定的に抑制することができる。すなわち、接地電極27がより高温となりやすい条件下において、上記構成とすることによる作用効果が一層効果的に奏される。
(d)上記実施形態において、貴金属チップ32はPt−20Ir−5Rh合金によって形成されているが、貴金属チップ32を他の貴金属や貴金属合金によって形成することとしてもよい。従って、例えば、Pt−20Rh合金によって形成することとしてもよい。
ところで、貴金属チップ32の組成を変更することによって、溶融部34の熱伝導率が変化し得る。そこで、貴金属チップ32の組成を変更した場合に上記実施形態の作用効果が奏されるかを確認すべく、Pt−20Rh合金からなる貴金属チップを備えるとともに、接地電極側の貴金属チップの先端及び先端側溶融部間の最短距離「SF」に対する、当該貴金属チップの先端及び基端側溶融部間の最短距離「SE」の比(「SE/SF」)と、前記最短距離「SE」とを種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて、上述の耐久性評価試験を行った。当該評価試験の結果を図17に示す。尚、Pt−20Rh合金の熱伝導率は、約0.372W/cm・Kである。また、接地電極は、Inconel601(登録商標)により形成した。
図17に示すように、Pt−20Rh合金からなる貴金属チップについても上記実施形態同様に、SEを0.3mm以上0.5mm以下とするとともに、SE/SFを1.05以上1.25以下としたサンプルについては、|G1−G2|が0.05mm以下となり、貴金属チップの偏消耗を効果的に抑制できることが明らかとなった。すなわち、接地電極を形成する金属材料の熱伝導率よりも大きな熱伝導率を有する貴金属材料で貴金属チップを形成することによって、上記実施形態における作用効果が奏されると考えられる。従って、このような関係を満たす限り、上述したPtを主成分とする合金に限らず、例えば、Irを主成分とする合金によって形成された貴金属チップであっても、同様の作用効果が奏されるといえる。
(e)上記実施形態では、接地電極27をInconel601(登録商標)により形成しているが、接地電極27を構成する金属材料はこれに限定されるものではない。尚、貴金属チップ32の偏消耗を効果的に抑制するという観点からは、貴金属チップ32を構成する金属材料の熱伝導率よりも小さな熱伝導率を有する金属材料によって接地電極27を形成することが好ましい。従って、例えば、熱伝導率が約0.149W/cm・Kと比較的小さな金属材料であるNi−15.5Cr−8Fe合金〔Inconel600(登録商標)〕によって接地電極27を形成することとしてもよい。
(f)上記第2実施形態では、接地電極27の端面27bと貴金属チップ32の先端面32fとが平行となるようにして貴金属チップ32が接地電極27に接合されており、先端側突出長L1及び基端側突出長L2が等しくされているが、貴金属チップ32は、前記端面27bと先端面32fとがほぼ平行な状態となるようにして接地電極27に接合されていればよい。従って、前記先端側突出長L1と基端側突出長L2との差が所定範囲(例えば、0.05mm)以内となるようにして、貴金属チップ32を接地電極27に対して接合することとしてもよい。
(g)上記実施形態では、主体金具3の先端に、接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。
(h)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部19の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
本実施形態におけるスパークプラグを示す一部破断正面図である。 本実施形態における溶融部等の断面を示す部分拡大断面図である。 本実施形態における貴金属チップ側溶融部及び接地電極側溶融部を示す部分拡大模式図である。 耐剥離性評価試験において、貴金属チップ側溶融部の断面積と接地電極側溶融部の断面積との合計断面積が3mm2である場合の試験結果を示す折れ線グラフである。 耐剥離性評価試験において、貴金属チップ側溶融部の断面積と接地電極側溶融部の断面積との合計断面積が3mm2である場合の試験結果を示す等高線グラフである。 耐剥離性評価試験において、貴金属チップ側溶融部の断面積と接地電極側溶融部の断面積との合計断面積が4mm2である場合の試験結果を示す折れ線グラフである。 耐剥離性評価試験において、貴金属チップ側溶融部の断面積と接地電極側溶融部の断面積との合計断面積が4mm2である場合の試験結果を示す等高線グラフである。 耐剥離性評価試験において、貴金属チップ側溶融部の断面積と接地電極側溶融部の断面積との合計断面積が6mm2である場合の試験結果を示す折れ線グラフである。 耐剥離性評価試験において、貴金属チップ側溶融部の断面積と接地電極側溶融部の断面積との合計断面積が6mm2である場合の試験結果を示す等高線グラフである。 (a)は、別の実施形態における先端側溶融部及び基端側溶融部等を示す部分拡大断面図であり、(b)及び(c)は、別の実施形態における先端側溶融部の断面積及び基端側溶融部の断面積の決定方法を説明する模式図である。 第2実施形態における接地電極と貴金属チップとの溶融部の構成を示す部分拡大正面図である。 第2実施形態における基端側溶融部及び先端側溶融部と貴金属チップとの位置関係を示す部分断面図である。 第2実施形態における接地電極と貴金属チップとの接合方法を説明するための断面模式図である。 第2実施形態における接地電極と貴金属チップとの接合方法を説明するための断面模式図である。 耐久性評価試験で用いるサンプルの概念を説明するための断面端面図である(但し便宜上ハッチングを省略してある)。 SE及びSE/SFが種々変更されたサンプルについて、耐久性評価試験の結果を示すグラフである。 異なる貴金属チップにおいて、SE及びSE/SFが種々変更されたサンプルの耐久性評価試験の結果を示すグラフである。
1…内燃機関用スパークプラグ、2…絶縁碍子、3…主体金具、4…軸孔、5…中心電極、26…主体金具の先端面、27…接地電極、32…貴金属チップ、33…火花放電間隙、34…溶融部、A…基端側溶融部、B…先端側溶融部、C1,C2…貴金属チップ側溶融部、D1,D2…接地電極側溶融部、N1…第1仮想外形線、N2…第2仮想外形線、X…軸線、Y…中心軸。

Claims (6)

  1. 軸線方向に貫通する軸孔を有する筒状の絶縁体と、
    前記軸孔に挿設された中心電極と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    自身の先端側の一側面に貴金属を主成分とする貴金属チップの基端が接合され、当該貴金属チップの先端面が前記中心電極の先端面と対向するよう前記主体金具の先端部に設けられる接地電極と、
    を備えた内燃機関用スパークプラグであって、
    前記貴金属チップは、自身と前記接地電極とが溶け込みあった溶融部が自身の周囲に形成されることにより接合されるとともに、自身の基端を前記接地電極に埋入されており
    前記接地電極の長手方向に沿うとともに前記貴金属チップの中心軸を含む断面の前記溶融部をみたときに、
    前記接地電極の基端側に位置する基端側溶融部Aの断面積と前記接地電極の先端側に位置する先端側溶融部Bの断面積との合計断面積を4mm2以上とするとともに、前記先端側溶融部Bの断面積を前記基端側溶融部Aの断面積の1.1倍〜1.3倍とし
    前記基端側溶融部A及び前記先端側溶融部Bはそれぞれ、
    前記溶融部形成前の前記貴金属チップの矩形状の第1仮想外形線で区画された領域のうち前記貴金属チップ側の貴金属チップ側溶融部Cと、
    前記第1仮想外形線で区画された領域のうち、前記接地電極側の領域であって、さらに、前記溶融部の形成前の前記接地電極の第2仮想外形線で区画された前記接地電極側の接地電極側溶融部Dと、に区分され、
    前記基端側溶融部A及び前記先端側溶融部Bのうち少なくとも一方において、
    前記接地電極の長手方向に沿うとともに、前記貴金属チップの中心軸を含む断面における、前記接地電極側溶融部Dの断面積を、前記貴金属チップ側溶融部Cの断面積の1.0倍〜2.0倍としたことを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
  2. 前記接地電極の長手方向に沿うとともに、前記貴金属チップの中心軸を含む断面において、
    前記貴金属チップの先端から前記基端側溶融部Aまでの最短距離をE(mm)とし、
    前記貴金属チップの先端から前記先端側溶融部Bまでの最短距離をF(mm)としたとき、
    次の式(1)及び式(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用スパークプラグ。
    1.05≦E/F≦1.25…(1)
    0.3mm≦E≦0.5mm…(2)
  3. 軸線方向に貫通する軸孔を有する筒状の絶縁体と、
    前記軸孔に挿設された中心電極と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    自身の先端側の一側面に貴金属を主成分とする貴金属チップの基端が接合され、当該貴金属チップの先端面が前記中心電極の先端面と対向するよう前記主体金具の先端部に設けられた接地電極とを備え、
    前記貴金属チップは、自身と前記接地電極とが溶け込みあった溶融部が自身の周囲に形成されることにより接合されてなるスパークプラグの製造方法であって、
    抵抗溶接によって前記貴金属チップの端部を前記接地電極に埋入して仮止めする工程と、
    前記接地電極及び前記貴金属チップの接合面外縁部に対してレーザービームを照射することによって前記溶融部を形成し、前記貴金属チップを前記接地電極へと接合する接合工程を含み、
    前記接合工程において、前記接地電極の先端側に位置する部位に対しての溶融エネルギーが、前記接地電極の基端側に位置する部位に対しての溶融エネルギーよりも大きくなるようにしてレーザービームを照射することを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の内燃機関用スパークプラグの製造方法であって、
    抵抗溶接によって前記貴金属チップの端部を前記接地電極に埋入して仮止めする工程と、
    前記接地電極及び前記貴金属チップの接合面外縁部に対してレーザービームを照射することによって前記溶融部を形成し、前記貴金属チップを前記接地電極へと接合する接合工程を含み、
    前記接合工程において、前記接地電極の先端側に位置する部位に対しての溶融エネルギーが、前記接地電極の基端側に位置する部位に対しての溶融エネルギーよりも大きくなるようにしてレーザービームを照射することを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  5. 前記接地電極の基端側に位置する部位から前記接地電極の先端側に位置する部位へと溶融エネルギーを増大させていくようにしてレーザービームを照射することを特徴とする請求項又はに記載のスパークプラグの製造方法。
  6. 前記接合工程において、
    レーザービームの照射方向を固定した上で、
    前記貴金属チップの中心軸のうち前記貴金属チップ側に位置する軸を、前記貴金属チップの中心軸と前記接地電極の一側面を含む平面との交点を基点に、前記接地電極の基端側へと傾けてなる軸を回転軸として、前記貴金属チップ及び前記接地電極を回転させることによって前記溶融部を形成することを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法。
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