JP4394193B2 - リンクチェーン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サイレントチェーン及びリーフチェーン等の複数のリンクプレートをピンにて連結したリンクチェーンに係り、特にエンジン内においてクランクシャフト及びカムシャフトを連動するタイミングチェーンに用いて好適であり、詳しくは特定の材質からなるリンクプレート及びピンを用いたリンクチェーンに関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、高速及び高荷重条件下で使用されるタイミングチェーンにサイレントチェーンが用いられている。
【0003】
従来、タイミングチェーンとして用いられるサイレントチェーンは、例えばC;0.5[Wt%]の炭素鋼を焼入れ・焼戻し又は恒温変態処理等の熱処理をして硬度400〜600[Hv]程度(550Hv近辺)としたリンクプレートと、低炭素はだ焼鋼を浸炭焼入れにより表面硬化したピンとを組合せてなり、リンクプレートに穿孔されたピン孔にピンが嵌挿して屈曲しつつ、駆動側スプロケット及び従動側スプロケットに噛合して駆動している。
【0004】
この際、上記リンクの屈曲によるピンとピン孔との摺接により、ピン及びピン孔に摩耗が発生し、チェーン伸びが大きくなってエンジンの長寿命要求に応えられない場合を生じる。なお一般に、上記チェーンの駆動に伴うピン及びピン孔の摩耗は、ピン:ピン孔(リンクプレート)≒7:3の割合で進行する。
【0005】
このような状況から、例えば特公昭57−60422号公報に示すように、炭素鋼からなるピン素材にクロマイジング処理を施して、表面に非常に硬質のCr炭化物層を10〜20[μm]程度形成したピンが採用され、これによりピンの摩耗を少なくしてチェーン全体の伸びを小さくすることが図られている。
【0006】
図3は、前記浸炭焼入ピンと、上記Cr炭化物層を形成したピン(表面硬さ1300[Hv]以上)を用いたチェーンを、所定の荷重で所定時間運転した状態のチェーンの伸び率を示す図(比較摩耗試験データ)である。これにより、Cr炭化物層を形成したピンを用いることにより大幅な伸びの低減、即ちチェーンの長寿命化が図られることがわかる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、エンジンの高回転化や長寿命の要求から、更にチェーンの伸びの低減が望まれている。上記Cr炭化物層を被覆したピンを組込んだチェーンにあっては、ピンの摩耗が減少する結果、ピン摩耗量:ピン孔(リンクプレート)≒1:9となり、上記更なるチェーンの伸びの対策としては、リンクプレートのピン孔の摩耗量にも注目する必要がある。
【0008】
リンクプレートのピン孔の摩耗による伸びを低減する対策として、リンクプレートに浸炭を施して焼入れすることが考えられる。このものは(浸炭焼入プレート)は、図4に示すように、炭素鋼通常熱処理プレートに比してチェーンの伸び率の向上が見られるが、図5に示すように、該浸炭焼入プレート、例えば表面から0.2[mm](板厚の17[%])浸炭したプレートは、靭性が低下することに基づき、浸炭を施さない標準プレートに対して引張り強度(破断荷重)が著しく低下する。
【0009】
更に、リンクプレートの引張り強度を維持すること、並びにチェーンと噛合するスプロケットの歯面及びチェーンに摺接するチェーンガイド、ダンパー等が早期に摩耗することを防ぐことも望まれている。
【0010】
そこで、本発明は、ピン及びリンクプレートの硬度の絶対値及び両者の差を考慮して、ピンに対応したリンクプレートの材質を選定することにより、上記課題を解決したリンクチェーンを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明は、多数のリンクプレート(2)をピン(3)にて連結したリンクチェーンにおいて(図1、図2参照)、
前記ピンが、その表面に、クロム(Cr)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)の少なくとも1種類の、拡散浸透法により形成されるビッカース硬度が1300[Hv]以上の金属炭化物層を5[μm]以上被覆してなり、
前記リンクプレートが、炭素を0.30〜0.55[重量%]の範囲で含有する炭素鋼又は合金鋼を素材として、その表面から板厚の25[%]以下の深さで窒化層を形成して、その表面のビッカース硬度を500〜700[Hv]の範囲に調整してなる、
リンクチェーンにある。
【0012】
また、前記リンクプレートの芯部のビッカース硬度が、400〜650[Hv]の範囲からなる
【0015】
請求項に係る本発明は、多数のリンクプレートをピンにて連結したリンクチェーンにおいて、
前記ピンが、その表面に、クロム、バナジウム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、タンタル、モリブデン、タングステンの少なくとも1種類の、拡散浸透法により形成されるビッカース硬度が1300[Hv]以上の金属炭化物層を5[μm]以上被覆してなり、
前記リンクプレートが、炭素を0.30〜0.60[重量%]の範囲で、かつクロム、バナジウム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、タンタル、モリブデン、タングステンの少なくとも1種類の元素を含有した合金鋼を素材として、熱処理により前記少なくとも1種類の元素よりなる微細な金属炭化物を略々均一に残留させて、該リンクプレート全体でロックウェル硬度が52〜57[HRC]の範囲からなる、
リンクチェーンにある。
【0016】
なお、上記リンクチェーンは、サイレントチェーンに適用して好適であるが、これに限らず、吊下用・引張り用等に用いられるリーフチェーン、木材加工用のブレードチェーン等の、他のリンクプレートとピンとの組合せによるチェーンにも適用可能である。
【0017】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明によると、リンクプレート表面を窒化処理により硬度を向上したので、金属炭化物層を有して硬度の高いピンに対しても、ピン孔の摩耗を増加することなく、チェーン伸びを低減できると共に、窒化深度は浅く、脆性による引張り強度の低下に対する影響はなく、チェーンの破断強度を保持することができ、また本リンクプレートによる硬さ程度では、それと摺接するスプロケット歯面、チェーンガイド等の摩耗に対しての影響は少なく、伸びの少ない実用的なリンクチェーンを得ることができる。
【0018】
また、リンクプレート芯部が高い靭性を有しており、表面が窒化により硬化されているにも拘らず、充分な引張り強度を保持することができる。
【0021】
請求項に係る本発明によると、リンクプレート全体に亘って、高い硬度を有する微細な金属炭化物を略々均一に残留して、表面に硬度の高い金属炭化物層を被覆したピンと組合せても、ピン孔を早期に摩耗することを防止して、チェーン伸びの低減化を図ることができ、かつリンクプレート全体としての硬度はそれ程高くなく、引張り強度を保持できると共に、スプロケット歯面等の摺接する部材の摩耗も所定レベルに抑えることができ、実用性の高いリンクチェーンを得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をサイレントチェーンに適用した実施の形態について説明する。図1は、サイレントチェーンの正面図、図2は、同平面図である。
【0023】
サイレントチェーン1は、内側に2個の歯2a,2aを有する多数のリンクプレート2をピン3により交互に連結して無端状に構成されている。各列のリンクプレート2は、偶数枚及び奇数枚からなり、図示の実施例にあって2枚のリンクプレートからなるリンク列と3枚のリンクプレートからなるリンク列とからなり、少ない枚数のリンク列の両側には、上記歯2aを有さないガイドリンクプレート4がピン3によりカシメられて連結されている。従って、ガイドリンクプレート4を有するガイドリンク列11 とガイドリンクプレートを有さないノンガイドリンク列12 とがピン3によりチェーン長手方向に交互に連結されてなる。
【0024】
上記サイレントチェーン1は、上記リンクプレート2の歯2aがスプロケットと噛合することにより動力伝達が行なわれる。各リンク列11 ,12 は、スプロケットに噛合する際及び噛合から外れる際、屈曲してリンクプレート2のピン孔5とピン3とが相対回転する。特に、エンジンのタイミングチェーンとして用いられる場合、比較的大きな張力が作用しかつ高温に晒されている環境下にあって、上記リンクプレートのピン孔5とピン3との相対回転が、ピン及びピン孔の摩耗となって、チェーン伸びの原因となっている。
【0025】
前記ピンは、Cr,V,Nb,Ti,Zr,Ta,Mo,Wの少なくとも1種類の硬度1300[HP ]以上の金属炭化物層を、拡散浸透法によりピン表面の少なくとも5[μm]以上被覆して形成されている。
【0026】
〔実施例1〕窒化処理したリンクプレート
材質がSCM435(クロムモリブデン合金鋼)で板厚が1.2[mm]のリンクプレート素材に、シアン酸塩(KCNO)を主成分とする塩浴中に浸して、空気を送り込みながら比較的低温下で窒化する、いわゆるタフトライト処理(軟窒化処理)を580[℃]で約10分間行う。このようにして作られたリンクプレートは、表面硬さ・断面硬さは、図6の窒化処理プレートに示す通りである。即ち、窒化層(拡散層)が表面から約0.2[mm]あり、板厚(1.2mm)の約17[%]に相当する。なお、材質SCM435の成分は、C;0.35[%]、Si;0.27[%]、Mn;0.65[%]、Cr;1.12[%]、Mo;0.18[%]、残余は鉄及び不純物からなる。
【0027】
そして、図7は、窒化層の深さを変えたリンクプレートの引張り強度を試験した結果であり、該図7から明らかなように、窒化層が約0.25[mm]までは、窒化処理しないリンクプレートと略々同じ強度(破断強度)を有し、かつ窒化層が0.25[mm]、即ち板厚の21[%]を越えると、脆くなり、窒化層の増加に略々比例して破断強度が低下する。従って、窒化層が0.30[mm](板厚の25[%])以下、好ましくは0.20[mm](板厚の17[%])以下であることが、リンクプレートの強度上望ましい。
【0028】
また、前記表面にCr等の炭化物層を被覆したピンと、上記窒化処理プレートの組合せによるサイレントチェーンは、図4に示すように、従来の炭素鋼通常熱処理したプレート及び浸炭焼入れしたプレートよりもチェーンの伸び率が減少し、上記炭素鋼通常熱処理プレートに比して約30[%]の伸び率の低減が確認された。更に、本窒化処理プレートは、表面硬度が約600[Hv]であり、この程度の表面硬度では、図8に示すように高周波焼入れ又は浸炭焼入れしたスプロケットの歯面に対して従来のプレート(炭素鋼通常熱処理プレート及び浸炭プレート)より摩耗を増加する等の影響を与えることはなく、かつリンクプレート自体の歯面(クロッチ面a、フランク面b;図1参照)の摩耗が軽減されることが確認された。
【0029】
上記窒化処理プレートは、C;0.30〜0.50[Wt%]の範囲で含有する炭素鋼又は合金鋼を素材として適用可能であり、かつその表面から板厚の25[%]以下の深さで窒化層が形成され、その表面硬さが500〜700[Hv]の範囲に調整されればよい。
【0030】
また、該窒化処理プレートは、芯部硬さが400〜650[Hv]の範囲にあって、脆性による引張り強度の低下が少ないものが好ましい。
【0031】
参考例2〕炭化物層を被覆したリンクプレートを、以下参考例として説明する。なお、該参考例を便宜上実施例と表記する。
材質がSCM435で板厚が1.2[mm]のリンクプレート素材を、浸炭処理して表面の炭素濃度を増加した後、金属クロム粉末及び活性剤としての塩化アンモニウム(NHCl)、焼付防止剤としてアルミナ(Al)等を一緒にして密閉容器内に詰め、電気炉に入れて昇温・保持し、Crをリンクプレート表面に拡散浸透させる、いわゆるクロマイジング処理を施す。これにより、リンクプレートの表面には、CrとFeの固溶体からなる固溶体中にCrとCとの化合物であるCr炭化物が多数点在するCr炭化物層が形成された。
【0032】
そして、該表面にCr炭化物層を有するリンクプレートは、引張り強度を上げるため、約850[℃]により焼入れしかつ約230[℃]にて焼戻しをした後、表面及びピン孔が研磨される。これにより、該リンクプレートは、基部がマルテンサイトからなり、充分な強度を保持しつつ、表面から約5[μm]に亘って形成されたCr炭化物層の表面粗さが改善される。
【0033】
該表面にCr炭化物層が被覆されたリンクプレートと前記ピンとの組合せによるサイレントチェーンは、図4に示すように、従来のチェーンに対して約60[%]の伸び率の低減が確認された。
【0034】
該リンクプレートは、表面に、硬度1350[Hv]からなる極めて硬いCr炭化物層が被覆されているため、図8に示すように、スプロケット歯面の摩耗を増大してしまう。同様な理由で、ゴム、プラスチック又は金属からなるチェーンガイド、チェーンテンショナ、ダンパー等のチェーンと摺接する部材(チェーン振動防止部材)の摩耗を促進させてしまう。
【0035】
このため、スプロケット歯と接触するリンクプレートのクロッチ面a又はフランク面b(歯面)(図1参照)、及び上記チェーンガイド等に摺接するリンクプレートの背面d(図1参照)を研削して、Cr炭化物層を除去する。更に、角を丸めるため、該リンクプレートは再度研磨される。
【0036】
このようにして作られたリンクプレート(噛合い面炭化物層除去あり)は、図8に示すように、スプロケット歯面の摩耗量を、従来のプレートと略々同等の問題のないレベルに低減し得た。該リンクプレートは、歯面(クロッチ面a又はフランク面b)及び背面dを研磨してCr炭化物層を除去したが、プレートの側面は、そのままCr炭化物層が被覆されているため、リンクプレート同士の摺接に対しては、ピンとピン孔の摺接と同様に、極めて摩耗の少ない構造になっており、かつ凝着摩耗に対しても優れた特性を有する。
【0037】
なお、上記実施例は、金属炭化物層としてCr炭化物を用いたが、上記クロマイジングの代りに、チタンナイジング(Ti)等の他の金属拡散浸透処理を施すことにより、V,Nb,Ti,Zn,Ta,Mo又はWの金属炭化物層を被覆してもよく、またリンクプレート母材からの金属の滲出により複数の金属炭化物を散在させてもよく、更にCr−Ni、Cr−Mo等の複合金属炭化物でもよい。
【0038】
上記金属炭化物層被覆リンクプレートは、Cを0.30〜0.55[Wt%]の範囲で含有する炭素鋼又は合金鋼を素材として適用可能であり、かつその表面に、Cr,V,Nb,Ti,Zr,Ta,Mo,Wの少なくとも1種類の硬度が1300[Hv]以上の金属炭化物層を5[μm]以上の厚さに拡散浸透法により被覆すればよい。
【0039】
〔実施例3〕炭化物を含有したリンクプレート
材質がC;0.52[%]、Cr;1.00[%]V;0.20[%]を主要成分とする合金鋼からなるリンクプレート素材を、約860[℃]で焼入れ後、約230[℃]焼戻しして、硬度54[HRC](580[Hv]換算)に調整した後、研磨して構成される。該リンクプレートは、表面に限らず、その内部に亘って極めて硬い微細なCr炭化物が略々均一に点在されて、リンクプレート全体で約54[HRC]の上記硬度が保持される。
【0040】
上記Cr炭化物を含有したリンクプレートと従来の浸炭焼き入れピンとを組合せたサイレントチェーンは、図3に示すように、炭素鋼通常熱処理プレートと浸炭焼入れピンとの組合せからなる従来のサイレントチェーンよりも伸び率が高くなってしまうが、本実施例によるCr炭化物含有リンクプレートとCr炭化物層被覆ピンとの組合せによると、図4に示すように、従来のチェーンに対して約40[%]の伸び率の低減が図られる。これは、プレート母材内部、従ってピン孔周囲にも、硬度1300[Hv]を越える非常に硬いCr炭化物が豊富に内在しているため、浸炭焼入れピンではピンが摩耗してチェーン伸びを促進するが、ピン自体を表面が非常に硬いCr炭化物層にて構成すると、ピンの摩耗が低減されると共にリンクプレートのピン孔の摩耗も低減されることによる。
【0041】
また、本実施例によるCr炭化物含有プレートは、その表面全体ではそれ程硬度が高くなく、従って図8に示すように、スプロケットの歯面摩耗量に対して、従来の通常熱処理プレートを使用したチェーンに比して僅かに増加するが、実用上問題のないレベルに保っている。また、リンクプレート全体は、硬度がそれ程高くなく、従って靭性の低下による引張り強度の低下を防止し得る。
【0042】
上記金属炭化物含有リンクプレートは、C;0.30〜0.60[Wt%]の範囲で、かつCr,V,Nb,Ti,Zr,Ta,Mo,Wの少なくとも1種類の元素を含有した合金鋼を素材として適用可能であり、焼入れ・焼戻し又は恒温変態処理等の適当な熱処理により、硬度が1300[Hv]を超える非常に硬く微細な金属炭化物を略々均等に残留させて、プレート全体の硬さを52〜57[HRC]の範囲に調整すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用し得るサイレントチェーンを示す正面図。
【図2】その平面図。
【図3】各ピンとリンクプレートによるチェーン伸び試験の結果を示す図。
【図4】Cr炭化物層形成ピンを組込んだ各リンクプレートによるチェーン伸び試験の結果を示す図。
【図5】標準リンクプレートと浸炭リンクプレートの引張り強度の比較を示す図。
【図6】各リンクプレートの表面からの距離によるビッカース硬さを示す図。
【図7】窒化層深さによるチェーンの引張り強度を示す図。
【図8】各リンクプレートによるスプロケットの歯面の摩耗量を示す図。
【符号の説明】
1 リンク(サイレント)チェーン
2 リンクプレート
3 ピン
5 ピン孔

Claims (2)

  1. 多数のリンクプレートをピンにて連結したリンクチェーンにおいて、
    前記ピンが、その表面に、クロム、バナジウム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、タンタル、モリブデン、タングステンの少なくとも1種類の、拡散浸透法により形成されるビッカース硬度が1300[Hv]以上の金属炭化物層を5[μm]以上被覆してなり、
    前記リンクプレートが、炭素を0.30〜0.55[重量%]の範囲で含有する炭素鋼又は合金鋼を素材として、該リンクプレートの芯部のビッカース硬度が、400〜650[Hv]の範囲からなるように調整し、かつ該リンクプレートの表面から板厚の25[%]以下の深さで窒化層を形成して、その表面のビッカース硬度を500〜700[Hv]の範囲に調整してなる、
    リンクチェーン。
  2. 多数のリンクプレートをピンにて連結したリンクチェーンにおいて、
    前記ピンが、その表面に、クロム、バナジウム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、タンタル、モリブデン、タングステンの少なくとも1種類の、拡散浸透法により形成されるビッカース硬度が1300[Hv]以上の金属炭化物層を5[μm]以上被覆してなり、
    前記リンクプレートが、炭素を0.30〜0.60[重量%]の範囲で、かつクロム、バナジウム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、タンタル、モリブデン、タングステンの少なくとも1種類の元素を含有した合金鋼を素材として、熱処理により前記少なくとも1種類の元素よりなる微細な金属炭化物を略々均一に残留させて、該リンクプレート全体でロックウェル硬度が52〜57[HRC]の範囲からなる、
    リンクチェーン。
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