JP4393603B2 - 空気入りタイヤの設計方法、空気入りタイヤの加硫金型設計方法、空気入りタイヤの製造方法、及び空気入りタイヤの設計プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

空気入りタイヤの設計方法、空気入りタイヤの加硫金型設計方法、空気入りタイヤの製造方法、及び空気入りタイヤの設計プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りタイヤの設計方法、空気入りタイヤの加硫金型設計方法、空気入りタイヤの製造方法、及び空気入りタイヤの設計プログラムを記録した記録媒体にかかり、特に、操綻安定性能、耐偏磨耗性能を考慮した空気入りタイヤの設計方法、空気入りタイヤの加硫金型設計方法、空気入りタイヤの製造方法、及び空気入りタイヤの設計プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、空気入りタイヤにおいてタイヤトレッド部の踏面Cまでの高さすなわちブロック高さhは一定であることが通常であった(図1(A)参照)。このように、ブロック高さhを一定に設定した場合には、図1(B)に接地圧力分布特性S1として示したように、走行時に各ブロック内で接地圧力の不均一が生じるため、踏面C全体によって路面Eに制駆動力を伝えることが困難になる。また、このような接地性のばらつきからブロックの一部が早期に摩耗してしまう偏摩耗が起こりやすいことや、接地圧の局所的集中に起因する剪断入力時に入力側接地端付近Aのみが局所的に高い圧力で接地する結果、方向Dで移動する路面Eに対して、めくれあがる現象が操縦安定性や磨耗に悪影響を及ぼすことがある。
【0003】
これに対して、従来より接地特性改良のためにトレッドパターンの改良等も行われてきたが、排水性やその他諸性能とのバランスから、トレッドパターンの改良等には限界があった。また、ブロック高さをタイヤ周方向または幅方向断面において凸状態になるようにタイヤを形成する技術が提案されている(特開昭62−279105号参照)。しかしながら、この技術のみでは諸性能を両立させる踏面形状を得ることは困難であり、また、形状決定には試行錯誤を伴うので、作業が煩雑であった。すなわち、接地圧の分布は、パターンの形状に依存しており、入力時の変形(例えば図1(A)から図1(B)への変形や、図1(A)から図1(C)への変形)の影響を受けるため予測が難しいためである。また、タイヤが受ける入力は様々であり、その全てを満たす適切な改良方向を一意的に決定することは非常に困難である。
【0004】
本発明は、上記事実を考慮して、操縦安定性能、耐偏摩耗性能を向上させるタイヤを提供することが可能な、空気入りタイヤの設計方法、空気入りタイヤの加硫金型設計方法、空気入りタイヤの製造方法、及び空気入りタイヤの設計プログラムを記録した記録媒体を得ることが目的である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、トレッドパターンに存在する各ブロック内のブロック高さを、タイヤが受ける入力に対する接地圧に対応して一意的に適正化するタイヤを設計することやタイヤの加硫金型を設計することことによりタイヤパターン内またはブロック内の接地圧の不均一を解消している。すなわち、図2に概念図を示すように、ブロック高さhを一定に設定した踏面形状の場合には、接地圧力分布特性S2は、ブロック内で不均一になる(図2(A))。本発明では、踏面形状を変更することによって、ブロック内で略均一になる接地圧力分布特性S3を得る(図2(B))。
【0006】
このため、本発明では、まず、形状基本モデルを作成し、これに入力条件を与える。このときに求められる接地圧から目的関数値を算出する。そして、設計変数をブロックの踏面形状として、形状変更を行い、この新形状を用いたモデルに再び入力を与え、接地圧の分布を得る。この作業を目的関数の最適値が与えられるまで繰り返す。なお、本発明では、制約条件を有した場合にも適用が可能であり、この場合は入力を与えた後に目的関数値及び制約関数値を求める。この場合の設計終了は、制約条件内で目的関数の最適値が得られた場合となる。この最適な設計変数に基づいてタイヤを設計したり、タイヤの加硫金型を設計したり、タイヤを製造したりする。
【0007】
具体的には、請求項1に記載の発明の空気入りタイヤの設計方法は、(A)内部構造を含むブロックの単体の形状、内部構造を含むタイヤクラウン部のうち1部のパターン形状、及び内部構造を含むタイヤ周方向に運続する陸部の形状のうち選択された1つの形状を表す形状基本モデルを定めるステップ、(B)前記形状基本モデルに少なくとも1つの入力条件を与えるステップ、(C)前記ブロックの単体の形状またはパターン形状もしくは陸部の形状の少なくとも一部を表す踏面形状を設計変数とし、前記入力条件におけるタイヤ接地圧を演算して接地圧分布の目的関数として定めるステップ、(D)タイヤ平均接地圧より高い箇所及び低い箇所の少なくとも一方の箇所の設計変数を変化させることにより前記目的関数の最適値が与えられる設計変数の値を求めるステップ、(E)目的関数の最適値を与える設計変数に基づいてタイヤを設計するステップ、を含んでいる。
【0008】
前記ステップ(C)は、タイヤ接地面積、及び設計変数の変化範囲の少なくとも一方を制約条件として更に定め、前記ステップ(D)は、前記制約条件を考慮しながら前記目的関数の最適値が与えられるまで設計変数の値を変化させることを特徴とする。
【0009】
前記ステップ(D)は、タイヤ平均接地圧より高い箇所及び低い箇所の少なくとも一方の箇所の設計変数を変化させる。
【0010】
前記タイヤ平均接地圧より高い箇所の設計変数を変化させる場合、ブロック高さを減少させるように変化させることを特徴とする。
【0011】
前記タイヤ平均接地圧より低い箇所の設計変数を変化させる場合、ブロック高さを増加させるように変化させることを特徴とする。
【0012】
前記タイヤ平均接地圧からの各偏差に応じてブロック高さを変化させることにより、設計変数を変化させることを特徴とする。
【0013】
前記入力条件が複数ある場合には、ブロック高さの変化量が大きい入力条件を優先して変化させることを特徴とする。
【0014】
前記設計変数により表される踏面形状の少なくとも一部を、多項式、区分多項式、スプライン関数及び有理関数の何れかで表すことを特徴とする。
【0015】
発明の空気入りタイヤの加硫金型設計方法は、(イ)内部構造を含むブロックの単体の形状、内部構造を含むタイヤクラウン部のうち1部のパターン形状、及び内部構造を含むタイヤ周方向に運続する陸部の形状のうち選択された1つの形状を表す形状基本モデルを定めるステップ、(ロ)前記形状基本モデルに少なくとも1つの入力条件を与えるステップ、(ハ)前記ブロック形状単体またはパターン形状もしくは陸部の形状の少なくとも一部を表す踏面形状を設計変数とし、前記入力条件におけるタイヤ接地圧を演算して接地圧分布の目的関数として定めるステップ、(ニ)タイヤ平均接地圧より高い箇所及び低い箇所の少なくとも一方の箇所の設計変数を変化させることにより前記目的関数の最適値が与えられる設計変数の値をを求めるステップ、(ホ)目的関数の最適値を与える設計変数に基づいて空気入りタイヤの加硫金型を設計するステップ、を含んでいる。
【0016】
前記ステップ(ハ)は、タイヤ接地面積、及び設計変数の変化範囲の少なくとも一方を制約条件として定め、前記ステップ(ニ)は、前記制約条件を考慮しながら前記目的関数の最適値が与えられるまで設計変数の値を変化させることを特徴とする。
【0017】
前記ステップ(ニ)は、タイヤ平均接地圧より高い箇所、及び低い箇所の少なくとも一方の箇所の設計変数を変化させることを特徴とする。
【0018】
前記タイヤ平均接地圧より高い箇所の設計変数を変化させる場合、ブロック高さを減少させるように変化させることを特徴とする。
【0019】
前記タイヤ平均接地圧より低い箇所の設計変数を変化させる場合、ブロック高さを増加させるように変化させることを特徴とする。
【0020】
前記タイヤ平均接地圧からの各偏差に応じてブロック高さ変化させることにより、設計変数を変化させることを特徴とする。
【0021】
前記入力条件が複数ある場合には、ブロック高さの変化量が大きい入力条件を優先して変化させることを特徴とする。
【0022】
前記設計変数により表される踏面形状の少なくとも一部を、多項式、区分多項式、スプライン関数及び有理関数の何れかで表すことを特徴とする。
【0023】
発明の空気入りタイヤの製造方法は、前記空気入りタイヤの加硫金型設計方法により設計された空気入りタイヤの加硫金型を製作し、該加硫金型を用いて空気入りタイヤを製造する。
【0024】
発明の記録媒体は、コンピュータによって空気入りタイヤを設計するための空気入りタイヤの設計プログラムを記録した記録媒体であって、(1)内部構造を含むブロックの単体の形状、内部構造を含むタイヤクラウン部のうち1部のパターン形状、及び内部構造を含むタイヤ周方向に運続する陸部の形状のうち選択された1つの形状を表す形状基本モデルを定めるステップ、(2)前記形状基本モデルに少なくとも1つの入力条件を与えるステップ、(3)前記ブロックの単体の形状またはパターン形状もしくは陸部の形状の少なくとも一部を表す踏面形状を設計変数とし、前記入力条件におけるタイヤ接地圧を演算して接地圧分布の目的関数として定めるステップ、(4)タイヤ平均接地圧より高い箇所及び低い箇所の少なくとも一方の箇所の設計変数を変化させることにより前記目的関数の最適値が与えられる設計変数の値を求めるステップ、(5)目的関数の最適値を与える設計変数に基づいてタイヤを設計するステップ、を含んでいる。
【0025】
前記ステップ(3)は、タイヤ接地面積、及び設計変数の変化範囲の少なくとも一方を制約条件として更に定め、前記ステップ(4)は、前記制約条件を考慮しながら前記目的関数の最適値が与えられるまで設計変数の値を変化させることを特徴とする。
【0026】
前記ステップ(4)は、タイヤ平均接地圧より高い箇所及び低い箇所の少なくとも一方の箇所の設計変数を変化させることを特徴とする。
【0027】
前記タイヤ平均接地圧より高い箇所の設計変数を変化させる場合、ブロック高さを減少させるように変化させることを特徴とする。
【0028】
前記タイヤ平均接地圧より低い箇所の設計変数を変化させる場合、ブロック高さを増加させるように変化させることを特徴とする。
【0029】
前記タイヤ平均接地圧からの各偏差に応じてブロック高さを変化させることにより、設計変数を変化させることを特徴とする。
【0030】
前記入力条件が複数ある場合には、ブロック高さの変化量が大きい入力条件を優先して変化させることを特徴とする。
【0031】
前記設計変数により表される踏面形状の少なくとも一部を、多項式、区分多項式、スプライン関数及び有理関数の何れかで表すことを特徴とする。
【0032】
発明のステップ(A)では、内部構造を含むブロックの単体の形状、内部構造を含むタイヤクラウン部のうち1部のパターン形状、及び内部構造を含むタイヤ周方向に運続する陸部の形状のうち選択された1つの形状を表す形状基本モデルを定める。
【0033】
ブロック単体の形状を表す形状基本モデルとしては、ブロック単体の外面形状を特定するためのラインを表す関数や変曲点の座標値を表す変数から構成することができる。また、内部構造を含むタイヤクラウン部のうちの1部のパターン形状を表す形状基本モデルとしては、タイヤクラウン部のうちの1つの陸部の路面接地側のパターン形状を幾何学的に解析可能な関数、例えば長方形や菱形等の多角形を定めるための関数で構成できる。また、内部構造を含むタイヤ周方向に連続する陸部の形状を表す形状基本モデルとしては、タイヤ断面形状を表すラインを表す関数や変曲点の座標値を表す変数から構成することができる。これら形状基本モデルは、複数の要素に分割する有限要素法と呼ばれる手法によるモデルを用いても良く解析的手法によるモデルを用いても良い。
【0034】
次のステップ(B)では、前記形状基本モデルに少なくとも1つの入力条件を与える。入力条件には、付加する荷重を表す荷重条件、剪断方向を表す方向条件がある。次のステップ(C)では、前記ブロックの単体の形状またはパターン形状もしくは陸部の形状の少なくとも一部を表す踏面形状を設計変数とし、入力条件におけるタイヤ接地圧を演算して接地圧分布の目的関数として定める。
【0035】
次のステップ(D)では、目的関数の最適値が与えられる設計変数の値を求める。このステップ(D)では、目的関数の最適値が与えられるまで設計変数の値を変化させながら演算することにより設計変数の値を求めることができる。次のステップ(E)では、目的関数の最適値を与える設計変数に基づいてタイヤを設計する。
【0036】
前記ステップ(C)において、前記踏面形状を設計変数とし、入力条件におけるタイヤ接地圧を演算して目的関数として定めるとき、計算負荷軽減等のために制約条件を考慮することが好ましい。そこで、前記ステップ(C)において、タイヤ接地面積、及び設計変数の変化範囲の少なくとも一方を制約条件として更に定め、ステップ(D)では、制約条件を考慮しながら目的関数の最適値が与えられるまで設計変数の値を変化させる。この設計変数の変化範囲は、踏面の範囲及びブロック高さの何れかで表すことができる。
【0037】
前記ステップ(D)において、目的関数の最適値が与えられる設計変数の値を求めるときは、タイヤ平均接地圧より高い箇所及び低い箇所の少なくとも一方の箇所の設計変数を変化させることができる。このように、タイヤ平均接地圧より高い箇所の設計変数を変化させる場合には、ブロック高さを減少させるように変化させることができる。また、タイヤ平均接地圧より低い箇所の設計変数を変化させる場合には、ブロック高さを増加させるように変化させることができる。さらに、前記タイヤ平均接地圧からの各偏差に応じてブロック高さを変化させることにより、設計変数を変化させることもできる。
【0038】
なお、前記入力条件が複数ある場合には、ブロック高さの変化量が大きい入力条件を優先して変化させることができる。
【0039】
また、前記設計変数により表される踏面形状の少なくとも1部は、多項式、区分多項式、スプライン関数及び有理関数の何れかの数式で表すことができる。これらの数式で表した踏面形状の少なくとも1部を変化させる場合には、計算時問や計算機の能力を考慮して、毎演算ごと或いは数演算に1回でも良い。
【0040】
ところで、空気入りタイヤを製造するためには加硫金型が用いられる。従って、トレッドパターンに存在する各ブロック内のブロック高さを、タイヤが受ける入力に対する接地圧に対応して一意的に適正化するタイヤを製造できるタイヤの加硫金型を設計することことによりタイヤパターン内またはブロック内の接地圧の不均一が解消されたタイヤの製造が可能となる。
【0041】
そこで、発明のステップ(イ)では、内部構造を含むブロックの単体の形状、内部構造を含むタイヤクラウン部のうち1部のパターン形状、及び内部構造を含むタイヤ周方向に運続する陸部の形状のうち選択された1つの形状を表す形状基本モデルを定める。次のステップ(ロ)では、前記形状基本モデルに少なくとも1つの入力条件を与える。次のステップ(ハ)では、前記ブロック形状単体またはパターン形状もしくは陸部の形状の少なくとも一部を表す踏面形状を設計変数とし、前記入力条件におけるタイヤ接地圧を演算して目的関数として定める。次のステップ(ニ)では、前記目的関数の最適値が与えられる設計変数の値をを求める。次のステップ(ホ)において目的関数の最適値を与える設計変数に基づいて空気入りタイヤの加硫金型を設計する。
【0042】
前記ステップ(ハ)は、タイヤ接地面積、及び踏面の範囲及びブロック高さの何れかを表す設計変数の変化範囲の少なくとも一方を制約条件として定め、前記ステップ(ニ)は、前記制約条件を考慮しながら前記目的関数の最適値が与えられるまで設計変数の値を変化させることができる。
【0043】
前記ステップ(ニ)は、タイヤ平均接地圧より高い箇所、及び低い箇所の何れか一方の箇所の設計変数を変化させることができる。タイヤ平均接地圧より高い箇所の設計変数を変化させる場合には、ブロック高さを減少させるように変化させることができる。また、タイヤ平均接地圧より低い箇所の設計変数を変化させる場合には、ブロック高さを増加させるように変化させることができる。なお、前記タイヤ平均接地圧からの各偏差に応じてブロック高さ変化させることにより、設計変数を変化させることもできる。
【0044】
前記入力条件が複数ある場合には、ブロック高さの変化量が大きい入力条件を優先して変化させることができる。また、設計変数により表される踏面形状の少なくとも一部は、多項式・区分多項式・スプライン関数の何れかの数式で表すことができる。これらの数式で表した踏面形状の少なくとも1部を変化させる場合には、計算時問や計算機の能力を考慮して、毎演算ごと或いは数演算に1回でも良い。
【0045】
前記空気入りタイヤの加硫金型設計方法により設計された空気入りタイヤの加硫金型を製作し、該加硫金型を用いて空気入りタイヤを製造することができる。これによって、トレッドパターンに存在する各ブロック内のブロック高さを、タイヤが受ける入力に対する接地圧に対応して一意的に適正化するタイヤを製造でき、タイヤパターン内またはブロック内の接地圧の不均一が解消されたタイヤの製造が可能となる。
【0046】
前記空気入りタイヤの設計方法は、に記載の記録媒体に記録した空気入りタイヤの設計プログラムの実行によって実現可能である。詳細には、コンピュータによって空気入りタイヤを設計するための空気入りタイヤの設計プログラムを記録した記録媒体であって、ステップ(1)では内部構造を含むブロックの単体の形状、内部構造を含むタイヤクラウン部のうち1部のパターン形状、及び内部構造を含むタイヤ周方向に運続する陸部の形状のうち選択された1つの形状を表す形状基本モデルを定め、ステップ(2)では前記形状基本モデルに少なくとも1つの入力条件を与え、ステップ(3)では前記ブロックの単体の形状またはパターン形状もしくは陸部の形状の少なくとも一部を表す踏面形状を設計変数とし、前記入力条件におけるタイヤ接地圧を演算して目的関数として定め、ステップ(4)では前記目的関数の最適値が与えられる設計変数の値を求め、ステップ(5)では目的関数の最適値を与える設計変数に基づいてタイヤを設計する。
【0047】
前記ステップ(3)は、タイヤ接地面積、及び設計変数の変化範囲の少なくとも一方を制約条件として更に定め、前記ステップ(4)は、前記制約条件を考慮しながら前記目的関数の最適値が与えられるまで設計変数の値を変化させることができる。
【0048】
前記ステップ(4)は、タイヤ平均接地圧より高い箇所及び低い箇所の少なくとも一方の箇所の設計変数を変化させることができる。前記タイヤ平均接地圧より高い箇所の設計変数を変化させる場合には、ブロック高さを減少させるように変化させることができる。また、前記タイヤ平均接地圧より低い箇所の設計変数を変化させる場合には、ブロック高さを増加させるように変化させることができる。なお、前記では、前記タイヤ平均接地圧からの各偏差に応じてブロック高さを変化させることにより、設計変数を変化させることができる。
【0049】
前記入力条件が複数ある場合には、ブロック高さの変化量が大きい入力条件を優先して変化させることができる。また、前記設計変数により表される踏面形状の少なくとも一部を、多項式、区分多項式、スプライン関数及び有理関数の何れかの数式で表すこともできる。これらの数式で表した踏面形状の少なくとも1部を変化させる場合には、計算時問や計算機の能力を考慮して、毎演算ごと或いは数演算に1回でも良い。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。本実施の形態は、偏磨耗抑制性能と操縦安定性能を向上させるために、接地面積を減少させずに接地圧を均一にする直方体ブロック踏面形状を設計するものである。
【0051】
図3には本発明の空気入りタイヤの設計方法を実施するためのパーソナルコンピュータの概略が示されている。このパーソナルコンピュータは、データ等を入力するためのキーボード10、予め記憶されたプログラムに従って制約条件を考慮すると共に目的関数を最適、例えば最大または最小にする設計変数を演算するコンピュータ本体12、及びコンピュータ本体12の演算結果等を表示するCRT14から構成されている。
【0052】
なお、コンピュータ本体12には、記録媒体としてのフロッピーディスク(FD)が挿抜可能なフロッピーディスクユニット(FDU)を備えている。なお、後述する処理ルーチン等は、FDUを用いてフロッピーディスクFDに対して読み書き可能である。従って、後述する処理ルーチンは、予めFDに記録しておき、FDUを介してFDに記録された処理プログラムを実行してもよい。また、コンピュータ本体12にハードディスク装置等の大容量記憶装置(図示省略)を接続し、FDに記録された処理プログラムを大容量記憶装置(図示省略)へ格納(インストール)して実行するようにしてもよい。また、記録媒体としては、CD−ROM等の光ディスクや、MD,MO等の光磁気ディスクがあり、これらを用いるときには、上記FDUに代えてまたはさらにCD−ROM装置、MD装置、MO装置等を用いればよい。
【0053】
図4は、本実施の形態のプログラムの処理ルーチンを示すものである。ステップ100では、タイヤを構成する1ブロックについて踏面が平面のブロック形状を基準形状とし、この基準形状を有限要素法等のように路面入力時の応答を数値的・解析的に求めることができる手法によりモデル化し、ブロック形状を表すと共にメッシュ分割によって複数の要素に分割されたブロック基本モデルを求める。なお、基準形状は、踏面が平面のものに限らず任意の形状で良い。ここで、モデル化とは、パターン形状、ブロック形状、構造、材料等を数値的・解析的手法に基づいて作成されたコンピュータプログラムヘのインプットデータ形式に数値化することをいう。
【0054】
図5はブロック基本モデルの一例を示すものである。また、このブロック基本モデルはメッシュ分割によって複数の要素に分割、すなわち図中、複数の線分PLによって複数の要素に分割されている。なお、上記ではブロック基本モデルを図5に示されるように複数の要素に分割した例について示したが、この分割方法は任意であり、目的に応じて分割幅を変化させたり、また、三角形等の任意の形状に分割しても良い。本実施の形態の場合ではブロック踏面形状を決定する節点Di (i:節点の番号、i≧1)の、ブロック高さ方向(図5の矢印UP方向)の座標を設計変数ri としている。
【0055】
次のステップ102では、上記ステップ100でモデル化されたブロック基本モデルに少なくとも一つの入力Ij (j:入力の番号、j≧1)を与える。本実施の形態では合計9個の入力Ij を与えている。図6(A)に示すように、ブロック基本モデルに対して略垂直に荷重付与したときの平押し荷重(例えば、面圧4kgf/cm2 )を入力I1 とする。この平押し荷重下において、図6(B)に示すように、ブロック基本モデルの中心部からブロック高さ方向UPと交差する方向(踏面Cに沿う方向)でかつ等角度で8方向の入力、すなわち約45度ピッチ(8方向)の剪断方向入力をそれぞれ1mm与え、これらの入力を入力I2 〜I9 としている。この1mmとは、基準となるブロック底面に対して路面を1mm動かしたことに相当する。これらの入力I1 〜I9 は、本発明の入力条件に相当する。入力条件は、与える入力を規定するための条件であり、入力の力(荷重)、方向、及び複数入力の組み合わせをいうものである。
【0056】
なお、本実施の形態では複数の入力I1 〜I9 を与える場合を説明するが、上記入力数に限定されるものではなく、目的に応じて、荷重条件を2つ以上の複数にしてもよい。また、剪断方向入力は、5つに限定されるものではなく、1つ以上であればよく、また、剪断方向入力の各々を荷重設定してもよい。
【0057】
次のステップ104では、上記ステッブ102で与えられた入力Ij に対する接地圧pi,j を演算し、パターン性能評価用物理量やブロック性能評価用物理量(以下、パターン/ブロック性能評価用物理量と記載する)を表す目的関数OBJ、パターン/ブロック踏面形状を制約する制約条件Gを決定する。本実施の形態では、操縦安定性を向上させ同時に偏摩耗抑制の効果を狙い、目的関数(OBJ及び制約条件(G1,G2)を次のように定めている。
【0058】
目的関数OBJ:接触領域における接地圧分布の標準偏差
制約条件G1:接地面積が同じ入力のブロック基本モデル同等以上
制約条件G2;ブロック最大高さがブロック基本モデルと同じであること
なお、本実施の形態では接地性重視の観点から接地面積を制約条件Gとして設け、さらにタイヤ半径を変えない目的でブロック最大高さを不変としている。しかし、上記制約条件Gは目的に応じて他の物理量を用いることも可能であり、制約条件Gが単数または複数もしくは制約条件Gを用いなくても本設計方法は成立する。
【0059】
また、上記では、ステップ104において入力に対する接地圧を求めているが、ステップ102で入力が与えられた時点で接地圧分布を求めてもよい。
【0060】
次のステップ106では、各節点の接地圧偏差を感度情報として用い、設計変数ri の変化量を予測する(ブロック踏面の形状の変化量を予測する)。すなわち、各節点の接地圧から平均より高ければ(低ければ)ブロック高さを減少(増加)方向に設計変数の改良方向の変化量を予測する。本実施の形態のステップ106では、次に示す(1)式に則って設計変数ri の変化量を予測している。
【0061】
【数1】
Figure 0004393603
【0062】
上記(1)式は、「各節点は、複数の入力条件を考えたときに、最も平均接地圧との比率が大きい入力条件にしたがって、その比率にある比例定数αをかけた距離だけ変化する」ということを表している。なお、この(1)式は、接地圧均一化を想定した場合に、接地圧が低い部分の踏面形状(ブロック高さ)を高くする、接地圧が高い部分の踏面形状(ブロック高さ)を低くする、という設計変数ri の変更を可能にするために用いている。
【0063】
次のステップ108では、設計変数ri の変化量の予測値に対応する修正モデルを作成する。次のステップ110では、上記ステップ104で求めた目的関数OBJの値と、前回の繰り返し処理までに求められている目的関数の値(前回の繰り返し処理におけるステップ104で求めた目的関数の値)とを比較することで、目的関数の値が収束したか否かを判断する。制約条件を満たす目的関数の収束値が得られたときは、ステップ110で肯定され、ステップ112へ進む。一方、制約条件を満たす目的関数の収束値が得られなかったときは、ステップ110で否定され、ステップ102へ戻り、上記処理を繰り返し実行する。
【0064】
本実施の形態では、目的関数である、接触領域における接地圧分布の標準偏差が小さい程、偏磨耗抑制性能と操縦安定性能とが向上することが予想されるので、目的関数OBJの値が小さくなる方向に収束される。従って、本実施の形態では、目的関数OBJの最小値が得られるまでステップ102からステップ110の処理を繰り返し実行する。
【0065】
なお、本実施の形態では制約条件Gがあるため、この制約条件Gを満たす中で目的関数OBJの最小値が得られたとき、繰り返し処理(ステップ102〜ステップ110)が終了する。形状の変化を定義する数式は、上記(1)式以外を用いてもよく、様々な方法が可能である。例えば、複数の入力の中で特定の入力が重視されるような重みwを乗算して各入力からの応答を混ぜ合わせる数式等も用いることができる。以下の(2)式に一例を示す。
【0066】
【数2】
Figure 0004393603
【0067】
なお、本実施の形態の目的関数は小さい程よいというメジャーを採用したため最小値を求めるが、目的に応じて値が大きい程よい目的関数や、ある特定の値を最良とする目的関数の選定も可能である。
【0068】
次のステップ112では、ブロック踏面形状をカーブフイット処理する。このカーブフィット処理は、ブロックの接地縁付近の形状について予め定めた曲率半径Rの形状に揃える処理である。具体的には、図7(A)及び図7(B)に示すように、ブロックの接地縁付近について、ブロック端から、ブロックへ垂直方向(方向UPに沿う方向及び逆方向)に予め定めた長さHの位置と、ブロックへ水平方向(方向UPの交差方向)に予め定めた長さLの位置とを結ぶ曲線を、曲率半径Rとなるようにブロック形状を揃える。これは、踏面全体が設計変数ri となり、上記ステップ110までの処理によって、接地縁付近または踏面全体の形状は複雑になるので、製造上の手間やコストを考慮して、より単純な形状にするためである。
【0069】
図8に、ステップ110までに計算したブロック形状の一例を示す。図9に、図8の矢印B方向から見た斜視図を示す。ステップ112のカーブフィット処理を行った結果を図10に示した。従って、図9に示すブロックの形状は、図10に示すブロックの形状に置き換えられる。この各ブロック端に配される曲率半径Rは最小二乗近似により最も最適な設計変数ri に近い形状を得ることができる。この近似はブロック端断面の数箇所で行い、他の部分はその数点の間をラグランジェ多項式で補間して形状決定することができる。
【0070】
なお、本実施の形態では近似に曲率半径Rを用いているが、この曲率半径Rは多項式、区分多項式、スプライン、NURBS、有理関数等を用いても良い。さらに、その指定断面の間の部分はラグランジェ多項式で補間したが、上記曲率半径Rと同様に他の多項式、区分多項式、スプライン関数、NURBS、有理関数等を用いてもよい。また、断面を指定するのではなく、踏面形状そのものを多項式補間曲面、区分多項式曲面、スプライン曲面、NURBS曲面などで表現することもできる。近似においても、最小二乗近似以外の近似方法を用いてもよい。このように、本実施の形態では最適な目的関数値を与える設計変数が得られた後に製造を考慮して形状の近似を行っている。
【0071】
以上の処理が終了すると、次のステップ114において踏面形状を決定する。このステップ114では、上記演算から得られた最良の目的関数値を与える設計変数に基づいてタイヤを設計、すなわち、上記決定した踏面形状を有するブロックを配置したタイヤを設計する。なお、このステップ114では、タイヤの設計に代えてタイヤ加硫用金型の設計を行うことができる。
【0072】
上記では、最適な目的関数値を与える設計変数が得られた後に製造を考慮して形状を近似した場合を説明したが、上記関数あるいは数式に従い形状を変化させる処理は、計算時間や計算機の能力を考慮して、毎演算あるいは数演算に1回でも良い。毎演算ごとに形状近似する場合の処理の流れの一例を図11に示す。図11の処理は、図4のステップ112の処理、すなわち最適な目的関数値を与える設計変数が得られた後に製造を考慮して形状近似する処理を、ステップ108とステップ110との間で処理させるものである。
【0073】
図11の処理では、ステップ108において、設計変数ri の変化量の予測値に対応する修正モデルを作成し、次のステップ112でブロック踏面形状をカーブフイット処理する。そして、ステップ110において、上記ステップ104で求めた目的関数OBJの値と、前回繰り返し処理までに求められた目的関数の値とを比較することで、制約条件を満たす目的関数の値が得られたか、すなわち目的関数の値が収束したか否かを判断する。
【0074】
従って、毎演算ごとに形状近似することによって、近似した形状で目的関数の収束を判断することができる。なお、数演算に1回の近似を行う場合には、図11において、ステップ112の処理を数演算に1回行うように判定条件を負荷すればよい。
【0075】
なお、形状の近似を毎演算ごとに行う場合、設計変数に与える制約条件としての機能を果たすことになる。
【0076】
一方、形状近似を用いずに最適形状そのものをタイヤ設計に適用することも可能である。形状近似を行わない場合のフローチャートを図12に示す。図12の処理は、図4のステップ112の処理、すなわち最適な目的関数値を与える設計変数が得られた後に製造を考慮して形状近似する処理を削除したものである。
【0077】
以上説明したように、本実施の形態では、パターンやブロック踏面形状を適正化するので、操縦安定性及び耐偏摩耗性能を向上させたタイヤを提供することができる。
【0078】
【実施例】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。本実施例は、上記実施の形態で設計された踏面形状を有するブロックを配置したサイズ195/50R15の乗用車用ラジアルタイヤを試作し、試験したものである。上記実施の形態で設計されたタイヤを試作し、試験を行った結果を、以下の表1、表2、表3に示す。
【0079】
【表1】
Figure 0004393603
【0080】
【表2】
Figure 0004393603
【0081】
【表3】
Figure 0004393603
上記表1ではブロック踏面の接地圧均一の度合いを指数で各入力毎に示している。この表1から、接地圧の不均一を、上記実施の形態のメジャーで平均45%改良していることが理解される。また、制約条件として設けた接地面積を各入力ごとに示した表2は、上記改良が接地面積を損なわずになされたことを表している。表3は実車走行試験によるフィーリング評価の結果である。これらの表から理解されるように、操縦安定性能が向上されることが理解できる。
【0082】
また、これらのタイヤについての摩耗の様子を概念図として図13及び図14に示す。実線は摩耗前、破線は摩耗後の接地端付近断面図を表す。図13に示すように、従来形状のタイヤでは、接地端部が局所的に激しく摩耗する。一方、14に示すように、本実施例のタイヤは略均等な摩耗状態になる。これにより、適正な踏面形状により局所的な偏摩耗が起こっていないことが確認された。
【0083】
以上のように、本発明によりパターン/ブロック踏面形状を適正化することにより、操縦安定性及び耐偏摩耗性能を向上させたタイヤを提供することができる。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ブロック高さを、タイヤが受ける入力条件に対応する接地圧に対して一意的に適正化するタイヤを設計することやタイヤの加硫金型を設計することができるので、タイヤパターン内またはブロック内の接地圧の不均一を解消できる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気入りタイヤの踏面形状やブロックが変形することを説明するための説明図である。
【図2】本発明により、ブロック内で略均一な接地圧力分布を得ることを説明するための概念図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかる、空気入りタイヤの設計方法を実施するためのパーソナルコンピュータの概略図である。
【図4】本実施の形態にかかり、空気入りタイヤの設計プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】形状基本モデルを示す斜視図である。
【図6】形状基本モデルに与える入力を示す概念斜視図である。
【図7】カーブフイット処理を説明するためのブロックの接地縁付近の形状について示す線図である。
【図8】ステップ110までの計算結果のブロック形状を示す線図である。
【図9】図8の矢印B方向から見た斜視図である。
【図10】図8のブロック形状を、カーブフィット処理した結果のブロック形状を示す線図である。
【図11】毎演算ごとに形状近似する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】形状近似を用いずに最適形状そのものをタイヤ設計に適用する処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】従来のタイヤ形状についての摩耗の様子を説明するための概念図である。
【図14】本発明によるタイヤ形状についての摩耗の様子を説明するための概念図である。
【符号の説明】
10 キーボード
12 コンピュータ本体
14 CRT
FD フロッピーディスク
FDU フロッピーディスクユニット

Claims (22)

  1. 次の各ステップを含む空気入りタイヤの設計方法。
    (A)内部構造を含むブロックの単体の形状、内部構造を含むタイヤクラウン部のうち1部のパターン形状、及び内部構造を含むタイヤ周方向に運続する陸部の形状のうち選択された1つの形状を表す形状基本モデルを定めるステップ。
    (B)前記形状基本モデルに少なくとも1つの入力条件を与えるステップ。
    (C)前記ブロックの単体の形状またはパターン形状もしくは陸部の形状の少なくとも一部を表す踏面形状を設計変数とし、前記入力条件におけるタイヤ接地圧を演算して接地圧分布の目的関数として定めるステップ。
    (D)タイヤ平均接地圧より高い箇所及び低い箇所の少なくとも一方の箇所の設計変数を変化させることにより前記目的関数の最適値が与えられる設計変数の値を求めるステップ。
    (E)目的関数の最適値を与える設計変数に基づいてタイヤを設計するステップ。
  2. 前記ステップ(C)は、タイヤ接地面積、及び設計変数の変化範囲の少なくとも一方を制約条件として更に定め、前記ステップ(D)は、前記制約条件を考慮しながら前記目的関数の最適値が与えられるまで設計変数の値を変化させることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤの設計方法。
  3. 前記タイヤ平均接地圧より高い箇所の設計変数を変化させる場合、ブロック高さを減少させるように変化させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤの設計方法。
  4. 前記タイヤ平均接地圧より低い箇所の設計変数を変化させる場合、ブロック高さを増加させるように変化させることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤの設計方法。
  5. 前記タイヤ平均接地圧からの各偏差に応じてブロック高さを変化させることにより、設計変数を変化させることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤの設計方法。
  6. 前記入力条件が複数ある場合には、ブロック高さの変化量が大きい入力条件を優先して変化させることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の空気入りタイヤの設計方法。
  7. 前記設計変数により表される踏面形状の少なくとも一部を、多項式、区分多項式、スプライン関数及び有理関数の何れかで表すことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤの設計方法。
  8. 次の各ステップを含む空気入りタイヤの加硫金型設計方法。
    (イ)内部構造を含むブロックの単体の形状、内部構造を含むタイヤクラウン部のうち1部のパターン形状、及び内部構造を含むタイヤ周方向に運続する陸部の形状のうち選択された1つの形状を表す形状基本モデルを定めるステップ。
    (ロ)前記形状基本モデルに少なくとも1つの入力条件を与えるステップ。
    (ハ)前記ブロック形状単体またはパターン形状もしくは陸部の形状の少なくとも一部を表す踏面形状を設計変数とし、前記入力条件におけるタイヤ接地圧を演算して接地圧分布の目的関数として定めるステップ。
    (ニ)タイヤ平均接地圧より高い箇所及び低い箇所の少なくとも一方の箇所の設計変数を変化させることにより前記目的関数の最適値が与えられる設計変数の値を求めるステップ。
    (ホ)目的関数の最適値を与える設計変数に基づいて空気入りタイヤの加硫金型を設計するステップ。
  9. 前記ステップ(ハ)は、タイヤ接地面積、及び設計変数の変化範囲の少なくとも一方を制約条件として定め、前記ステップ(ニ)は、前記制約条件を考慮しながら前記目的関数の最適値が与えられるまで設計変数の値を変化させることを特徴とする請求項8に記載の空気入りタイヤの加硫金型設計方法
  10. 前記タイヤ平均接地圧より高い箇所の設計変数を変化させる場合、ブロック高さを減少させるように変化させることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の空気入りタイヤの加硫金型設計方法。
  11. 前記タイヤ平均接地圧より低い箇所の設計変数を変化させる場合、ブロック高さを増加させるように変化させることを特徴とする請求項8乃至請求項10の何れか1項に記載の空気入りタイヤの加硫金型設計方法。
  12. 前記タイヤ平均接地圧からの各偏差に応じてブロック高さ変化させることにより、設計変数を変化させることを特徴とする請求項8乃至請求項11の何れか1項に記載の空気入りタイヤの加硫金型設計方法。
  13. 前記入力条件が複数ある場合には、ブロック高さの変化量が大きい入力条件を優先して変化させることを特徴とする請求項8乃至請求項12の何れか1項に記載の空気入りタイヤの加硫金型設計方法。
  14. 前記設計変数により表される踏面形状の少なくとも一部を、多項式、区分多項式、スプライン関数及び有理関数の何れかで表すことを特徴とする請求項8乃至請求項13の何れか1項に記載の空気入りタイヤの加硫金型設計方法。
  15. 請求項8乃至請求項14の何れか1項に記載の空気入りタイヤの加硫金型設計方法により設計された空気入りタイヤの加硫金型を製作し、該加硫金型を用いて空気入りタイヤを製造する空気入りタイヤの製造方法。
  16. コンピュータによって空気入りタイヤを設計するための空気入りタイヤの設計プログラムを記録した記録媒体であって、次の各ステップを含むことを特徴とする空気入りタイヤの設計プログラムを記録した記録媒体。
    (1)内部構造を含むブロックの単体の形状、内部構造を含むタイヤクラウン部のうち1部のパターン形状、及び内部構造を含むタイヤ周方向に運続する陸部の形状のうち選択された1つの形状を表す形状基本モデルを定めるステップ。
    (2)前記形状基本モデルに少なくとも1つの入力条件を与えるステップ。
    (3)前記ブロックの単体の形状またはパターン形状もしくは陸部の形状の少なくとも一部を表す踏面形状を設計変数とし、前記入力条件におけるタイヤ接地圧を演算して接地圧分布の目的関数として定めるステップ。
    (4)タイヤ平均接地圧より高い箇所及び低い箇所の少なくとも一方の箇所の設計変数を変化させることにより前記目的関数の最適値が与えられる設計変数の値を求めるステップ。
    (5)目的関数の最適値を与える設計変数に基づいてタイヤを設計するステップ。
  17. 前記ステップ(3)は、タイヤ接地面積、及び設計変数の変化範囲の少なくとも一方を制約条件として更に定め、前記ステップ(4)は、前記制約条件を考慮しながら前記目的関数の最適値が与えられるまで設計変数の値を変化させることを特徴とする請求項16に記載の空気入りタイヤの設計プログラムを記録した記録媒体。
  18. 前記タイヤ平均接地圧より高い箇所の設計変数を変化させる場合、ブロック高さを減少させるように変化させることを特徴とする請求項16または請求項19に記載の空気入りタイヤの設計プログラムを記録した記録媒体。
  19. 前記タイヤ平均接地圧より低い箇所の設計変数を変化させる場合、ブロック高さを増加させるように変化させることを特徴とする請求項16乃至請求項18の何れか1項に記載の空気入りタイヤの設計プログラムを記録した記録媒体。
  20. 前記タイヤ平均接地圧からの各偏差に応じてブロック高さを変化させることにより、設計変数を変化させることを特徴とする請求項16乃至請求項19の何れか1項に記載の空気入りタイヤの設計プログラムを記録した記録媒体。
  21. 前記入力条件が複数ある場合には、ブロック高さの変化量が大きい入力条件を優先して変化させることを特徴とする請求項16乃至請求項20の何れか1項に記載の空気入りタイヤの設計プログラムを記録した記録媒体。
  22. 前記設計変数により表される踏面形状の少なくとも一部を、多項式、区分多項式、スプライン関数及び有理関数の何れかで表すことを特徴とする請求項16乃至請求項21の何れか1項に記載の空気入りタイヤの設計プログラムを記録した記録媒体。
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