JP4390991B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4390991B2
JP4390991B2 JP2000258850A JP2000258850A JP4390991B2 JP 4390991 B2 JP4390991 B2 JP 4390991B2 JP 2000258850 A JP2000258850 A JP 2000258850A JP 2000258850 A JP2000258850 A JP 2000258850A JP 4390991 B2 JP4390991 B2 JP 4390991B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tft
electrostatic protection
liquid crystal
electrode
crystal display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000258850A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001142096A (ja
Inventor
洋二 長瀬
義規 田中
徹也 藤川
安宏 那須
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2000258850A priority Critical patent/JP4390991B2/ja
Publication of JP2001142096A publication Critical patent/JP2001142096A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4390991B2 publication Critical patent/JP4390991B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下、TFTという)をスイッチング素子として備えたアクティブマトリクス型の液晶表示装置(Liquid Crystal Display)に関し、特に、アレイ側基板上に形成されたTFTやバスライン間を静電気による破壊や短絡から保護する静電気保護素子を備えた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
アクティブマトリクス型のLCDは、優れた画像品質が得られるフラットパネル・ディスプレイとしてコンピュータやOA機器等に多用されている。このアクティブマトリックス型のLCDは、TFT及び画素電極が形成されたアレイ側基板と共通電極が形成された対向基板との間に封止した液晶層に対して両電極から電圧を印加して液晶を駆動するようになっている。
【0003】
アレイ側基板上には、駆動する表示画素を選択するための走査信号が順次入力される複数のゲートバスラインが互いに平行に形成されている。また、複数のゲートバスライン上には絶縁膜が形成され、絶縁膜上にはゲートバスラインにほぼ直交する複数のデータバスラインが形成されている。互いに直交する複数のゲートバスラインとデータバスラインとでマトリクス状に画定される各領域が画素領域となり、各画素領域内にはTFTと表示電極が形成されている。TFTのゲート電極は所定のゲートバスラインに接続され、ドレイン電極は所定のデータバスラインに接続され、ソース電極は画素領域内の表示電極に接続されている。
【0004】
ところで、TFT−LCDの液晶動作を制御するTFTやゲートバスライン、データバスライン等は絶縁物であるガラス基板の上に形成されるため基本的に静電気に弱い。従って、TFTを作り込むアレイ側基板工程からアレイ側基板と対向基板とを張り合わせて液晶を封止しドライバIC等を搭載させるパネル工程までの間でアレイ側基板上に静電気が発生すると、TFTが破壊されたりその特性が変動してしまったり、あるいは各バスライン間が短絡したりする不具合が生じてパネルの製造歩留まりが著しく低下してしまう。このため、アレイ側基板上の素子やバスラインを静電気から保護する確実な手段が必要になる。
【0005】
アレイ側基板を静電気から保護する手段として、例えば、バスラインを全て共通電極(ショートリング)に接続して同電位に保つ手法が知られている。ショートリングは、データバスラインあるいはゲートバスラインの形成時にこれらの形成材料で形成される。このため、数kΩ以下の抵抗値で各バスラインが電気的に接続される。従って、パネル上の特定箇所に帯電があっても瞬時に電荷分散が生じるため、表示部内のTFTの素子破壊もしくは特性変化を防止することができる。
【0006】
しかし、この方法では各バスライン同士が短絡されてしまうためバスラインごとに独立の信号を印加することができない。このため、表示パネルの画素電極と共通(コモン)電極間に電荷を保持させて、そのチャージング量を検出して各画素のTFTの特性試験を高精度で行うアレイ検査(TFT検査)ができなくなるという問題が生じる。また、ショートリングは隣接するバスラインを低抵抗で電気的に接続するためパネル工程もしくはパネル完成以降のユニット組み立て工程において除去する必要があり、それ以降の工程では静電気対策が施されないという問題がある。
【0007】
そこで、ショートリングと各バスライン間に抵抗成分を設ける方法が考案されている。図40は、特開平8−101397号公報に開示された、バスラインとショートリングとの間に抵抗成分を接続した従来技術の説明図である。図40はアレイ側基板表面の一部を示しており、バスライン504端部にはゲートメタルあるいはドレインメタル上に形成されたITO(インジウム・ティン・オキサイド)をパターニングして蛇行した抵抗層400が形成されている。蛇行した抵抗層400の先端はショートリング506に接続されている。この構造によりアレイ検査が可能になる。通常この抵抗層400及びショートリング506は、パネル組み立て時のパネルスクライブ工程において、図中破線で示したスクライブラインSLを切断することにより除去される。
【0008】
ところがこの方法は、ITOで高抵抗化を図るには蛇行距離を長くするための領域を確保する必要が生じ、このためパネル外形サイズが大きくなってしまうという問題がある。
【0009】
上記方法のほか、バスラインとショートリングとの間にトランジスタ等による静電気保護素子を挿入するという方法が考案されている。たとえば特開昭61−79259号公報にはゲート電極をソース/ドレイン電極と容量結合させる方法が示されている。
【0010】
図41は特開昭61−79259号に示されている従来技術の説明図である。図41(a)は、アレイ側基板の一部を基板面に向かって見た状態を示しており、図41(b)は、静電気保護素子の断面を示している。図41(a)に示すように、静電気保護素子500は、バスライン502端部の外部取り出し電極504とショートリング506との間に配されたTFT構造を有している。静電気保護素子500はガラス基板508上の画素領域に形成されるTFTと同一工程で形成される。
【0011】
図41(b)に示すように、ガラス基板508上にゲート電極510が形成され、ゲート電極510上にはゲート絶縁膜512を介して例えばアモルファスシリコン(以下、a−Siと略記する)からなる動作半導体層514が形成されている。動作半導体層514上には保護膜520が形成され、保護膜を挟んで動作半導体層514の両側には、ソース電極518とドレイン電極516が形成されている。ドレイン電極516はショートリング506に接続され、ソース電極518は外部取り出し電極504に接続されている。基板面方向に見て、ゲート電極510はソース/ドレイン電極518、516と平面的重なりを有しており、ソース/ドレイン電極518、516と容量結合によって接続されている。
【0012】
従ってソース/ドレイン電極518、516間に静電気による高電圧が発生した場合には、ゲート電極510はソース/ドレイン電極518、516間に生じる電位差の中間の電位になるため動作半導体層514にチャネルが形成され、静電気による電荷がバスライン502から開放される。
【0013】
しかし、この静電気保護素子500の構造は構成素子が1個であるため冗長性に乏しい。つまり、静電気による高電圧をただ1つのTFTで受け止めるため破壊されやすく、破壊によりバスライン502とショートリング506との間が絶縁されてしまうと、画素領域のTFTが静電気に曝される可能性が高くなってしまう。また仮に静電気による異常が発生しなくても何らかの原因で静電気保護素子500が短絡してしまうとTFT試験が行えなくなってしまう。
【0014】
次に、図41に示した構成より冗長性を持たせた、特開平10−303431号公報に開示された静電気保護回路について図42を用いて説明する。静電気保護素子である第1のTFT530のソース電極(S)はバスラインの外部取り出し電極502に接続されており、他方のドレイン電極(D)はショートリング506に接続されている。第1のTFT530のゲート電極(G)はバスライン外部取り出し電極502とショートリング506のいずれとも電気的に絶縁された導電体536に接続されている。
【0015】
一方、第2のTFT532のソース電極(S)及びゲート電極(G)はバスラインの外部取り出し電極502に接続されており、他方のドレイン電極(D)は導電体536に接続されている。また、第3のTFT534のドレイン電極(D)は導電体536に接続されており、他方のソース電極(S)およびゲート電極(G)はショートリング506に接続されている。
【0016】
静電気によって、ショートリング506に対して正の高電圧がバスラインに発生した場合、第2のTFT532ではゲート電極(G)に高電圧が印加されてチャネルが形成されるため導電率が急激に大きくなる。一方、第3のTFT534のゲート電極(G)はショートリング506に接続されているため、チャネルが形成されることはなく、導電率は非常に小さいままである。この導電率の差は非常に大きく、従って導電体536の電位は、バスラインの電位とほぼ等しくなる。この結果、静電気保護素子である第1のTFT530のゲート電極にはバスラインとショートリング506との間の電圧が印加されてチャネルが形成され、電荷を開放することができる。なお、第2及び第3のTFT532、534は基本的に電流を流さず、第1のTFT530のゲート電位を制御するためだけに使われる。
【0017】
このように上記静電気保護回路では、第2及び第3のTFT532、534のゲート電極(G)がバスラインの外部取り出し電極502またはショートリング506に接続されているため、外部取り出し電極502及びショートリング506との間の電位差は即座に解消される。ところが、静電気によって発生した電圧が時間の経過と共に低くなると導電体536の電位も低くなって第1のTFT530の導電率が低下する。このため、静電気による電圧が比較的低い(〜数ボルト)状態では電荷の解放の効率が低下してしまう。
【0018】
また、これまでの製造上の経験から静電気による障害の発生は、非常に高い電圧レベルで時間的には短い鋭いパルス状の静電気による場合と、電圧は比較的低くても長時間に渡って当該電圧を各素子に印加し続ける静電気による場合があることが分かっている。従って、特開平10−303431号公報に記載された静電気保護回路は、前者の場合に対しては効果が期待できるが、後者の場合に対しては電圧がある程度低くなった時点で電流の逃げ道が断たれるため効果が殆ど期待できない。さらに上記公報に記載された静電気保護回路では、静電気による電流は全て第1のTFTを流れるため冗長性に乏しく、負荷が大きくなりすぎて第1のTFTが破壊されてしまう可能性を有している。また、第2のTFT532のゲート電極(G)がバスラインの外部取り出し電極502と直接接続され、第3のTFT534のゲート電極(G)がショートリング506と直接接続されているため、短絡に対する冗長性が低くなってしまっている。
【0019】
さらに他の従来の静電気保護回路として、図43に示す特開平8−262485号公報に記載された構成がある。これは各バスライン504とショートリング506との間を非線型素子402、404を用いた双方向トランジスタによる抵抗成分を介して接続した静電気保護回路である。双方向トランジスタの他に抵抗成分となり得るショットキーダイオードのような非線型素子を介する場合もある。非線型素子による抵抗成分は各バスラインを駆動させる場合に影響しないように十分な高抵抗成分をもつためパネル完成後も残存させることができる。また静電気に対しては電荷分散が可能な程度の電流は流れるため耐静電気素子として機能する。
【0020】
双方向トランジスタのような非線型素子で高抵抗成分を設ける方式では比較的狭い領域で高抵抗成分を形成することが可能であるが素子構造が複雑になり、その上非線型素子であるがため外部電荷(例えば静電気)により抵抗成分が変化するという電流制御面での問題が生じる。またガラス端面近傍のようなトランジスタの動作半導体膜の動作保証領域外では高抵抗成分を形成することができないため、マザーガラスに対してパネルサイズを大きくできないという問題がある。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の液晶表示装置では、パネル工程もしくはパネル完成以降のユニット組み立て工程でショートリングを除去する必要があるが、ショートリング除去以後の工程で静電気対策を施せないという問題が生じる。
また、ITOを用いた蛇行パターンを設ける方式では蛇行距離を長くとるとパネル外形サイズが大きくなってしまうという問題がある。
【0022】
さらに従来の液晶表示装置では、静電気による素子破壊を防止させるための静電気保護素子(回路)が冗長性に乏しくバスライン及びショートリング間が短絡し易かったり、比較的低い電圧が長時間発生する静電気に対しては保護回路として機能しないという問題を有している。
またさらに、高抵抗成分に双方向トランジスタのような非線型素子を用いると素子構造が複雑になると共に電流制御面でも不利になる。また非線形素子をガラス端面近傍に形成できないのでマザーガラスに対してパネルサイズを大きくできないという問題を有している。
【0023】
本発明の目的は、冗長性に優れた静電気保護回路を備えた液晶表示装置を提供することにある。
また本発明の目的は、比較的低い電圧が長時間発生する静電気に対しても十分な保護機能を備えた液晶表示装置を提供することにある。
またさらに本発明の目的は、基板組み立て工程の最終段階まで静電気対策の施せる液晶表示装置を提供することにある。
さらに本発明の目的は、静電気保護素子部がパネルサイズに影響を与えない液晶表示装置を提供することにある。
またさらに本発明の目的は、素子構造が簡素で電流制御面で不利のない静電気保護素子部を有する液晶表示装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、複数のバスラインで画定された複数の画素ごとに形成されたスイッチング素子と、前記複数のバスラインに接続されたショートリングと、前記複数のバスラインのそれぞれと前記ショートリングとの間に形成された静電気保護素子部とを有するアクティブマトリクス型の液晶表示装置において、前記静電気保護素子部は、前記バスラインに接続されるソース/ドレイン電極と、前記ショートリングに接続されるドレイン/ソース電極とを有する薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタのゲート電極を前記バスラインに接続する第1の抵抗体と、前記薄膜トランジスタの前記ゲート電極を前記ショートリングに接続する第2の抵抗体とを備えていることを特徴とする液晶表示装置によって達成される。
【0025】
上記本発明の液晶表示装置において、前記第2の抵抗体が、複数の前記薄膜トランジスタの前記ゲート電極を前記ショートリングに接続する共用抵抗体であってもよい。
【0026】
また上記目的は、複数のバスラインで画定された複数の画素ごとに形成されたスイッチング素子と、隣接する前記バスライン間に形成された静電気保護素子部とを有するアクティブマトリクス型の液晶表示装置において、前記静電気保護素子部は、隣接する前記バスラインの一方に接続されるソース/ドレイン電極と、前記バスラインの他方に接続されるドレイン/ソース電極とを有する薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタのゲート電極を前記バスラインの一方に接続する第1の抵抗体と、前記薄膜トランジスタの前記ゲート電極を前記バスラインの他方に接続する第2の抵抗体とを備えていることを特徴とする液晶表示装置によって達成される。
【0027】
またさらに上記目的は、複数のバスラインで画定された複数の画素ごとに形成されたスイッチング素子と、前記複数のバスラインに接続されたショートリングと、前記複数のバスラインのそれぞれと前記ショートリングとの間に形成された静電気保護素子部とを有するアクティブマトリクス型の液晶表示装置において、前記静電気保護素子部は、前記バスラインに接続されるソース/ドレイン電極と、前記ショートリングに接続されるドレイン/ソース電極とを有する第1の薄膜トランジスタと、前記第1の薄膜トランジスタのゲート電極に接続された導電体と、前記バスラインに接続されたソース/ドレイン電極と、前記導電体に接続されたドレイン/ソース電極と、電気的に孤立しているゲート電極とを有する第2の薄膜トランジスタと、前記ショートリングに接続されたソース/ドレイン電極と、前記導電体に接続されたドレイン/ソース電極と、電気的に孤立しているゲート電極とを有する第3の薄膜トランジスタとを備えていることを特徴とする液晶表示装置によって達成される。
【0028】
上記本発明の液晶表示装置において、前記第3の薄膜トランジスタが、複数の前記第1の薄膜トランジスタの前記ゲート電極を前記ショートリングに接続する共用トランジスタであってもよい。
【0029】
さらに上記目的は、複数のバスラインで画定された複数の画素ごとに形成されたスイッチング素子と、隣接する前記バスライン間に形成された静電気保護素子部とを有するアクティブマトリクス型の液晶表示装置において、前記静電気保護素子部は、隣接する前記バスラインの一方に接続されるソース/ドレイン電極と、前記バスラインの他方に接続されるドレイン/ソース電極とを有する第1の薄膜トランジスタと、前記第1の薄膜トランジスタのゲート電極に接続された導電体と、前記バスラインの一方に接続されたソース/ドレイン電極と、前記導電体に接続されたドレイン/ソース電極と、電気的に孤立しているゲート電極とを有する第2の薄膜トランジスタと、前記バスラインの他方に接続されたソース/ドレイン電極と、前記導電体に接続されたドレイン/ソース電極と、電気的に孤立しているゲート電極とを有する第3の薄膜トランジスタとを備えていることを特徴とする液晶表示装置によって達成される。
【0030】
上記本発明の液晶表示装置において、前記第1の薄膜トランジスタのゲート電極は、前記導電体と容量を介して接続されるようにすることも可能である。また、前記第2及び第3の薄膜トランジスタの少なくとも一方のチャネル長は、前記第1の薄膜トランジスタのチャネル長より短いことを特徴とすることもできる。
【0031】
図42に示したような、第2及び第3のTFT532、534のゲート電極(G)をそれぞれバスライン502とショートリング506に短絡させた従来の静電気保護回路では、実質的に第2及び第3のTFT532、534には電流が流れず、第1のTFT530のゲート電位を制御するためだけに用いられるのに対し、本発明の第1及び第2の抵抗体、あるいは第2及び第3のTFTはバスラインとショートリングとの間で双方向性の導電性を示し電流を流すことができる。このため主として電流を流すための第1のTFTが十分に導通する前から第1及び第2の抵抗体、あるいは第2及び第3のTFTで予備的に静電気による電荷を解放する機能を有している。すなわち、第2、第3のTFTに予備的に電流が流れるため第1のTFTにかかる負荷を軽減することができるので静電気保護回路の冗長性が向上する。
【0032】
また、本発明の第1のTFTのゲート電極は、容量を介してバスライン、ショートリングと接続されており、ゲート電極の電位はこれら容量の充放電に要する時間の分だけ緩やかに変化する。従って、本発明の構成によれば、緩やかな静電気に対しても十分対応することができる。第1のTFTのゲート電極と第2、第3のTFTの間の共通導電体の間に容量を挿入させた場合はさらに全体としての反応が緩やかになり静電気保護素子としての効率が向上する。
【0033】
また、図42に示した構成は、図41に示した構成より素子数が多く冗長性が向上しているが、例えば、第2のTFT532のゲート電極(G)とドレイン電極(D)が短絡し、且つ第1のTFT530のゲート電極(G)とドレイン電極(D)が短絡すると静電気保護回路としての機能は失われてしまう。同様に、第3のTFT534のゲート電極(G)とドレイン電極(D)が短絡し、且つ第1のTFT530のゲート電極(G)とドレイン電極(D)が短絡した場合、または、第2のTFT532のゲート電極(G)とドレイン電極(D)が短絡し、且つ第3のTFT530のゲート電極(G)とドレイン電極(D)が短絡した場合にも静電気保護回路としての機能は失われてしまう。つまり、図42に示した回路では上述のように回路中の素子の2カ所が短絡すると不具合を生じてしまう。
【0034】
それに対し、例えば本実施の形態の図4を参照して説明すると、本発明による構成では、第2のTFT38のゲート電極(G)とソース電極(S)が短絡し、且つ第2のTFT38のゲート電極(G)とドレイン電極(D)が短絡し、且つ第1のTFT32のゲート電極(G)とドレイン電極(D)が短絡すると静電気保護回路としての機能が失われる。同様に、第3のTFT40のゲート電極(G)とソース電極(S)が短絡し、且つ第3のTFT40のゲート電極(G)とドレイン電極(D)が短絡し、且つ第1のTFT32のゲート電極(G)とドレイン電極(D)が短絡した場合、または、第2のTFT38のゲート電極(G)とソース電極(S)が短絡し、且つ第2のTFT38のゲート電極(G)とドレイン電極(D)が短絡し、且つ第3のTFT40のゲート電極(G)とソース電極(S)が短絡し、且つ第3のTFT40のゲート電極(G)とドレイン電極(D)が短絡した場合に静電気保護回路としての機能が失われる。つまり、図4に示す本発明の具体的回路では回路中の素子の3カ所以上が短絡して初めて静電気保護回路として機能しなくなる。このように、本発明による静電気保護回路はゲートがフローティングなので構成素子の短絡についての冗長性にも優れている。
【0035】
また、上記目的は、複数のバスラインで画定された複数の画素ごとに形成されたスイッチング素子と、前記複数のバスラインに接続されたショートリングと、前記複数のバスラインのそれぞれと前記ショートリングとの間に形成された静電気保護素子部とを有するアクティブマトリクス型の液晶表示装置において、前記静電気保護素子部は、複数の金属層と、前記複数の金属層上に形成された絶縁層と、前記複数の金属層上の前記絶縁層を開口して形成したコンタクトホールと、前記コンタクトホールを介して前記金属層間を電気的に接続する接続層とを有していることを特徴とする液晶表示装置によって達成される。
【0036】
さらに上記目的は、複数のバスラインで画定された複数の画素ごとに形成されたスイッチング素子と、隣接する前記バスライン間に形成された静電気保護素子部とを有するアクティブマトリクス型の液晶表示装置において、前記静電気保護素子部は、複数の金属層と、前記複数の金属層上に形成された絶縁層と、前記複数の金属層上の前記絶縁層を開口して形成したコンタクトホールと、前記コンタクトホールを介して前記金属層間を電気的に接続する接続層とを有していることを特徴とする液晶表示装置によって達成される。
【0037】
本発明によれば、ゲートバスラインまたはデータ(ドレイン)バスライン上の保護膜にコンタクトホールを形成し、これを介してショートリングと各バスラインとを電気的に接続する。この構造で生じる異なるメタル(例えばTiとITO)間の接触抵抗は、材料を選択することでオーミックコンタクトを得ることができ、かつコンタクトホール数、サイズもしくは下層メタルの後処理工程により抵抗成分の抵抗値を制御することが可能である。もちろんメタルコンタクトはオーミックコンタクトに限ることではなく、ショットキー接続で非線型特性を有する抵抗素子を設けることが可能である。
【0038】
本発明によって形成された耐静電気素子は抵抗制御(電流制御)が容易であり、構造も簡単であるため安定した抵抗成分をもつことができる。また前述の手法により任意の抵抗成分を形成することが可能なため、高抵抗を作り込むことでアレイ検査を可能とし、かつ静電気に対して十分な保護機能を持つことができるようになる。なお本発明による液晶表示装置の薄膜トランジスタは、チャネルエッチング型あるいはエッチングストッパ型であることを特徴としている。
【0039】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態による液晶表示装置について図1乃至図3を用いて説明する。まず、本実施の形態による液晶表示装置の概略の構成を図1を用いて説明する。図1は、本液晶表示装置のアレイ側基板1側の一部を基板面に向かってみた状態を示している。なお、画素領域内は液晶駆動のための等価回路を示している。アレイ側基板1上には、図中基板左右方向に延びるゲートバスライン2が上下方向に平行に複数形成されている。また、複数のゲートバスライン2上には図示を省略した絶縁膜が形成され、絶縁膜上にはゲートバスライン2にほぼ直交するように複数のデータバスライン4が形成されている。互いに直交する複数のゲートバスライン2とデータバスライン4とでマトリクス状に画定される各領域が画素領域となり、各画素領域内にはTFT6と表示電極8が形成されている。TFT6のゲート電極は所定のゲートバスライン2に接続され、ドレイン電極は所定のデータバスライン4に接続され、ソース電極は画素領域内の表示電極8に接続されている。図中の破線14は対向基板の端部を示している。対向基板側には、共通電極12が形成されている。アレイ側基板1と対向基板との間には液晶10が封止されている。
【0040】
所定のゲートバスライン2に出力された走査信号により当該ゲートバスライン2にゲート電極が接続されたTFT6はオン状態となり、データバスライン4に出力された階調信号に基づく電圧が画素電極8に印加される。一方、対向基板側の共通電極12にも所定の電圧が印加され、画素電極8と共通電極12とに印加された電圧により、画素電極8と共通電極12の間の液晶が駆動されるようになっている。
【0041】
各ゲートバスライン2の端部には外部取り出し電極16が形成され、各データバスライン4の端部にも外部取り出し電極18が形成されている。外部取り出し電極16、18の外周囲には静電気保護回路の構成要素であるショートリング20が形成されている。ショートリング20はゲートバスライン側共通線22とデータバスライン側共通線24とを有している。ゲートバスライン側共通線22と各ゲートバスライン2の外部取り出し電極16との間には、静電気保護回路の構成要素となる静電気保護素子部28が形成されている。一方、データバスライン側共通線24と各データバスライン4の外部取り出し電極18との間には、静電気保護回路の構成要素となる静電気保護素子部30が形成されている。
【0042】
次に、本実施の形態による静電気保護素子部28、30の回路構成及び動作について図2を用いて説明する。なお、静電気保護素子部28と静電気保護素子部30の構成及び動作は同一であるので、これ以降、静電気保護素子部28を例にとって説明する。静電気保護素子部28は、TFT32、第1の抵抗体34、及び第2の抵抗体36を有している。静電気保護素子であるTFT32のソース電極(S)はゲートバスライン2の外部取り出し電極16に接続されており、他方のドレイン電極(D)は共通線22に接続されている。TFT32のゲート電極(G)は第1の抵抗体34によって外部取り出し電極16に接続されており、また、同時にTFT32のゲート電極(G)は、第2の抵抗体36によって共通線22に接続されている。
【0043】
静電気により共通線22に対して正の高電圧がバスラインに発生すると、TFT32のゲート電極(G)には静電気によって発生した高電圧を第1の抵抗体34と第2の抵抗体36で分割した値の電圧が印加される。その結果、TFT32の導電率が急激に大きくなるため、TFT32を介して静電気による電荷が解放される。このとき、TFT32だけでなく、第1及び第2の抵抗体34、36を介しても電荷は解放され、TFT32を流れる電流は図41に示したようなTFTが単一の場合に比べて緩和され、さらに、図42に示した保護回路より静電気保護素子としての冗長性に優れている。従って、静電気で容易に破壊されず且つTFT試験も十分行える静電気保護回路を搭載した液晶表示装置を製造することができる。
【0044】
次に、静電気保護素子部28(=30)の他の回路構成例について図3を用いて説明する。静電気保護素子部28は、TFT32、第1の抵抗体34、及び第2の抵抗体36に加えて、導電体42及び容量100を有している。
【0045】
TFT32のゲート電極(G)は導電体42に接続されている。第1の抵抗体34は、外部取り出し電極16と導電体42の間に接続されている。第2の抵抗体36は、共通線22と導電体42との間に接続されている。容量100は、導電体42とTFT32のゲート電極(G)との間に形成されている。静電気が発生した場合、容量100によりTFT32は緩やかに動作する。さらに、容量100を付加することにより短絡による不具合に対する冗長性も向上している。
【0046】
次に、本発明の第2の実施の形態による液晶表示装置について図4乃至図8を用いて説明する。本液晶表示装置の概略構成は第1の実施の形態で用いた図1と同様であるので説明は省略し、特徴的構成要素である静電気保護素子部28、30の回路構成について図4を用いて説明する。静電気保護素子部28は、第1乃至第3のTFT32、38、40、及び導電体42を有している。静電気保護素子である第1のTFT32のソース電極(S)はバスライン2の外部取り出し電極16に接続されており、他方のドレイン電極(D)は共通線22に接続されている。第1のTFT32のゲート電極(G)はバスライン2の外部取り出し電極16と共通線22のいずれとも電気的に絶縁された導電体42に接続されている。
【0047】
一方、第2のTFT38のソース電極(S)は外部取り出し電極16に接続されており、他方のドレイン電極(D)は導電体42に接続されている。また、第3のTFT40のドレイン電極(D)は導電体42に接続されており、他方のソース電極(S)は共通線22に接続されている。そして、第2及び第3のTFT38、40のゲート電極(G)はいずれのパターンにも接続されておらず孤立している。
【0048】
静電気により共通線22に対して正の高電圧がバスラインに発生すると、第2及び第3のTFT38、40のゲート電極(G)にはそれぞれ寄生容量(C2gs、C2gd、C3gs、C3gd)によって内分された高電圧が印加されて第2及び第3のTFT38、40でチャネルが形成される。その結果、第2及び第3のTFT38、40を通して電流が流れ、導電体42の電位も上昇する。それにより第1のTFT32にチャネルが形成されて導電率が大きくなるため静電気による電荷が解放される。
【0049】
このように本実施の形態によれば、第2、第3のTFT38、40に予備的に電流が流れるため第1のTFT32にかかる負荷が軽減されており静電気保護回路の冗長性を向上させることができる。また、第1のTFT32のゲート電極(G)は、容量を介して外部取り出し電極16、18、及びショートリング20の共通線22、24と接続されており、ゲート電極(G)の電位はこれら容量の充放電に要する時間の分だけ緩やかに変化する。従って、本実施の形態の構成によれば、緩やかな静電気に対しても十分対応することができる。
【0050】
このように電荷は複数の経路で解放されるため、TFTが1個である従来の場合に比べて第1のTFTへの負荷が緩和され、また静電気保護素子としての冗長性が増すので、静電気で容易に破壊されず且つTFT試験も十分行える静電気保護回路を搭載した液晶表示装置を製造することができる。
【0051】
次に、本実施の形態による静電気保護回路の構造について図5を用いて説明する。図5(a)は、アレイ側基板1上の1つの静電気保護回路を基板面に向かってみた状態を示している。図5(b)は図5(a)のA−A’線で切断した断面を示している。図5(c)は、図5(a)のB−B’線で切断した断面を示している。
【0052】
図5(a)において、図中左側で上下に延びる共通線22(または24、以下記載を省略する)と外部取り出し電極16(または18、以下記載を省略する)との間に静電気保護素子部28(または30、以下記載を省略する)が形成されている。図5(b)、(c)に示すように、ガラス基板50上にゲートバスライン2及び画素領域のTFT6(図1参照)のゲート電極を形成する際に同時に第1乃至第3のTFT32、38、40のゲート電極(G)も形成される。第2及び第3のTFT38、40のゲート電極(G)は他の配線構造から電気的に孤立して形成されている。ゲート電極(G)及びガラス基板50上にはゲート絶縁膜52が形成されている。
【0053】
第1乃至第3のTFT32、38、40の各ゲート電極(G)上に形成されたゲート絶縁膜52上にはa−Siからなる動作半導体層44がそれぞれパターニングされている。各動作半導体層44を挟んで両側には、データ(ドレイン)バスライン4及び外部引き出し電極16の形成と同時にパターニングされたソース/ドレイン電極が形成されている。各ソース/ドレイン電極の端部は各動作半導体層44に乗り上がり、基板面方向に見て各ソース/ドレイン電極の端部と下層のゲート電極(G)とがオーバーラップする領域が形成されている。なお、ショートリング22もデータバスライン4形成時に同時に形成される。素子形成領域全面にパッシベーション膜54が形成されている。
【0054】
第2及び第3のTFT38、40間のソース/ドレイン電極のほぼ中央部上のパッシベーション膜54を除去してコンタクトホール56が形成されている。同様に、第1のTFT32のゲート電極の一端部上のゲート絶縁膜52とパッシベーション膜54も除去されてコンタクトホール58が形成されている。2つのコンタクトホール56、58を介して、第2及び第3のTFT38、40間のソース/ドレイン電極のほぼ中央部と第1のTFT32のゲート電極とが導電体の一部を構成するITO層43で接続されている。本例では、導電体42の一構成要素であるITO層43は、各画素領域内の表示電極を形成する際の透明電極としてのITOのパターニングの際に同時に形成される。
【0055】
図5に示した構成では、外部取り出し電極16、18及びショートリング20の共通線22、24は共にデータバスライン4の形成と同時に同一の材料で形成されるが、これは本質的なことではない。例えば、図6に示すようにゲートバスライン2の形成時に同時にゲートバスライン2と同じ金属層により外部取り出し電極16、18及びショートリング22、24を形成してもよい。
【0056】
図6は、アレイ側基板1上の1つの静電気保護回路を基板面に向かってみた状態を示している。図6に示すように、外部取り出し電極16、18と接続される第1のTFT32のソース電極70は、その一端部上に形成されたコンタクトホール74と、外部取り出し電極16、18上に形成されたコンタクトホール76とを介して、表示電極形成時のITO層72で接続されている。
【0057】
同様に、外部取り出し電極16、18と接続される第2のTFT38のソース電極60は、その一端部上に形成されたコンタクトホール64と、外部取り出し電極16、18上に形成されたコンタクトホール66とを介して、表示電極形成時のITO層62で接続されている。また同様に、ショートリング20の共通線22、24と接続される第1のTFT32のドレイン電極80及び第3のTFT40のソース電極90は、それらの一端部上に形成されたコンタクトホール84、94と、共通線22、24上に形成されたコンタクトホール86、96をそれぞれ介して、表示電極形成時のITO層82、92でそれぞれ接続されている。
【0058】
なお、上記図5及び図6に示す静電気保護回路の構造は、画素領域にチャネルエッチング型TFTが形成される液晶表示装置に適用される。チャネルエッチング型TFTは、ゲート電極上にゲート絶縁膜を介して形成された例えばa−Siからなる動作半導体層の上層がソース/ドレイン電極のパターニングの際のエッチング液に曝されて一部除去されている構造を有している。
【0059】
これに対し、ソース/ドレイン電極のパターニングの際に動作半導体層上層がエッチングされないよう動作半導体層上層に例えばSiN膜からなるチャネル保護膜を形成した構造のエッチングストッパ型TFTを画素領域に用いた液晶表示装置も存在する。
【0060】
図7及び図8は図5及び図6に対応させて、エッチングストッパ型TFTを備えた液晶表示装置に本実施の形態による静電気保護回路を適用した例を示している。図7及び図8において、図5及び図6に示す構成と同一の機能作用を奏する構成には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0061】
第1乃至第3のTFT32、38、40の各ゲート電極(G)上に形成されたゲート絶縁膜52上にはa−Siからなる動作半導体層44と、動作半導体層44とほぼ同じ形状をしたチャネル保護膜45の積層領域がそれぞれパターニングされている。各動作半導体層44とチャネル保護膜45の積層領域を挟んで両側には、データ(ドレイン)バスライン4および外部引き出し電極16の形成と同時にパターニングされたソース/ドレイン電極が形成されている。各ソース/ドレイン電極の端部は各動作半導体層44とチャネル保護膜45の積層領域に乗り上がり、基板方向に見て各ソース/ドレイン電極の端部と下層のゲート電極(G)とがオーバーラップする領域が形成されている。
【0062】
エッチングストッパ型TFTは、ゲートバスライン2をマスクとした背面露光を用いて動作半導体層44とチャネル保護膜45のパターニングを行うため、形成された動作半導体層44とチャネル保護膜45は同一形状でゲートバスライン(ゲート電極)2の内方に形成される。このため、図7及び図8に示す静電気保護回路においても、図5及び図6に示す動作半導体層44に相当する領域が動作半導体層44上にチャネル保護膜45を積層した構造となり、また基板面に向かって見た状態で、動作半導体層44とチャネル保護膜45は同一形状でゲートバスライン2の内方に形成されている。
【0063】
次に、本発明の第3の実施の形態による液晶表示装置について図9及び図10を用いて説明する。図9及び図10は、アレイ側基板1上の静電気保護回路を基板面に向かって見た状態を示している。図9は、チャネルエッチング型TFTが形成される場合における静電気保護回路の構造を示し、図10は、エッチングストッパ型TFTが形成される場合における静電気保護回路の構造を示している。本実施の形態による液晶表示装置も静電気保護回路に特徴を有しており、他の構成要素については第1の実施の形態で図1を用いて説明した構成と同一であるのでそれらの説明は省略する。また、静電気保護素子部においても、第1及び第2の実施の形態と同様の機能作用を有する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0064】
本実施の形態の静電気保護回路は、図5を用いて説明した第2の実施の形態の静電気保護素子部28、30を隣接するバスライン間に形成することにより、ショートリング20を形成しない点に特徴を有している。すなわち、第1のTFT32のソース電極は隣接する2本のバスライン2(または4;以下記載を省略する)の一方に接続され、ドレイン電極は隣接する2本のバスライン2の他方に接続されている。また、第2のTFT38のソース電極は隣接する2本のバスライン2の一方に接続され、3のTFT40のソース電極は隣接する2本のバスライン2の他方に接続されている。以上の構成の相違を除き、本実施の形態の静電気保護回路によっても第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
次に、本発明の第4の実施の形態による液晶表示装置について図11乃至図19を用いて説明する。本液晶表示装置の概略構成は第1の実施の形態で用いた図1と同様であるので説明は省略し、特徴的構成要素である静電気保護素子部28、30の回路構成について図11を用いて説明する。但し、図4及び図5に示した構成と同様の機能作用を発揮する構成要素には同一の符号を付してその説明も省略する。
【0066】
本実施形態による静電気保護素子部28は、第2の実施形態と同様に第1乃至第3のTFT32、38、40、及び導電体42を有している。第2の実施形態と異なるのは容量100を有している点にある。容量100は、導電体42と第1のTFT32のゲート電極(G)との間に形成されている。静電気が発生した場合、容量100により第2及び第3のTFT38、40に比べて第1のTFT32の動作は緩やかになる。そのため、鋭いパルス状の電圧変化を生じる静電気の場合は、第2及び第3のTFT38、40に先に電流が流れて第1のTFT32を保護することができる。
【0067】
また、電圧上昇が緩やかな静電気の場合は、第2及び第3のTFT38、40に続いて第1のTFT32が動作して電荷の解放に寄与するようになる。このように本実施の形態によれば、第2、第3のTFT38、40に予備的に電流が流れるため、第1のTFT32にかかる負荷が軽減されており静電気保護回路の冗長性を向上させることができる。
【0068】
また、第1のTFT32のゲート電極(G)は、容量を介して外部取り出し電極16、18、及びショートリング20の共通線22、24と接続されており、ゲート電極(G)の電位はこれら容量の充放電に要する時間の分だけ緩やかに変化する。従って、本実施の形態の構成によれば、緩やかな静電気に対しても十分対応することができる。
【0069】
さらに本実施の形態では、第1のTFT32のゲート電極(G)と第2、第3のTFT38、40の間の共通導電体42の間に容量100を挿入させているので、外部取り出し電極16、18とショートリング20の共通線22、24との間の電位差が低くなっても容量100の充放電に要する時間の分だけさらに長く導通状態を保つことができるため電荷解放の効率をより向上させることができる。また、容量100を付加したことにより短絡による不具合に対する冗長性も向上している。本実施形態の場合も電荷は複数の経路で解放されるため、TFTが1個である従来の場合に比べて静電気保護素子としての冗長性が増すので、静電気で容易に破壊されない保護回路を形成することができる。
【0070】
次に、本実施の形態による静電気保護回路の構造について図12を用いて説明する。図12(a)は、アレイ側基板1上の1つの静電気保護回路を基板面に向かってみた状態を示している。図12(b)は図12(a)のA−A’線で切断した断面を示している。図12(c)は、図12(a)のB−B’線で切断した断面を示している。
【0071】
図12(a)において、図中左側で上下に延びる共通線22と外部取り出し電極16との間に静電気保護素子部28が形成されている。図12(b)、(c)に示すように、ゲートバスライン2及び画素領域のTFT6(図1参照)のゲート電極を形成する際にガラス基板50上に同時に第1乃至第3のTFT32、38、40のゲート電極(G)も形成される。第2及び第3のTFT38、40のゲート電極(G)は他の配線構造から電気的に孤立して形成されている。ゲート電極(G)及びガラス基板50上にはゲート絶縁膜52が形成されている。第1乃至第3のTFTの各ゲート電極(G)上のゲート絶縁膜52上にはa−Siからなる動作半導体層44がそれぞれパターニングされている。各動作半導体層44を挟んで両側には、データ(ドレイン)バスライン4及び外部引き出し電極16の形成と同時にパターニングされたソース/ドレイン電極が形成されている。各ソース/ドレイン電極の端部は各動作半導体層44に乗り上げて形成されている。なお、ショートリング22もデータバスライン4形成時に同時に形成される。素子形成領域全面にパッシベーション膜54が形成されている。
【0072】
第2及び第3のTFT38、40間のソース/ドレイン電極は導電体42として機能すると共に、導電体42下方にまで延びた第1のTFT32のゲート電極(G)との間で、容量100を形成している。
【0073】
図12に示した構成では、外部取り出し電極16、18及びショートリング22、24は共にデータバスライン4の形成と同時に同一の材料で形成されるが、これは本質的なことではない。例えば、図13に示すようにゲートバスライン2の形成時に同時にゲートバスライン2と同じ金属層により外部取り出し電極16、18及びショートリング22、24を形成してもよい。そして図6を用いて説明したの同様の配線のつなぎ換えを行うことにより図13に示す構成を得ることができる。
【0074】
なお、上記図12及び図13に示す静電気保護回路の構造は、画素領域にチャネルエッチング型TFTが形成される液晶表示装置に適用される。これに対し、図14及び図15は図12及び図13に対応させて、エッチングストッパ型TFTを備えた液晶表示装置に本実施の形態による静電気保護回路を適用した例を示している。図14及び図15において、図12及び図13に示す構成と同一の機能作用を奏する構成には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0075】
第1乃至第3のTFT32、38、40の各ゲート電極(G)上に形成されたゲート絶縁膜52上にはa−Siからなる動作半導体層44と、動作半導体層44とほぼ同じ形状をしたチャネル保護膜45の積層領域がそれぞれパターニングされている。各動作半導体層44とチャネル保護膜45の積層領域を挟んで両側には、データ(ドレイン)バスライン4および外部引き出し電極16の形成と同時にパターニングされたソース/ドレイン電極が形成されている。各ソース/ドレイン電極の端部は各動作半導体層44とチャネル保護膜45の積層領域に乗り上がり、基板方向に見て各ソース/ドレイン電極の端部と下層のゲート電極(G)とがオーバーラップする領域が形成されている。
【0076】
エッチングストッパ型TFTは、ゲートバスライン2をマスクとした背面露光を用いて動作半導体層44とチャネル保護膜45のパターニングを行うため、形成された動作半導体層44とチャネル保護膜45は同一形状でゲートバスライン(ゲート電極)2の内方に形成される。このため、図14及び図15に示す静電気保護回路においても、図12及び図13に示す動作半導体層44に相当する領域が動作半導体層44上にチャネル保護膜45を積層した構造となり、また基板面に向かって見た状態で、動作半導体層44とチャネル保護膜45は同一形状でゲートバスライン2の内方に形成されている。
【0077】
次に、本実施の形態による静電気保護回路の変形例を図16乃至図19を用いて説明する。第1及び第2の実施の形態及び本実施の形態では、ショートリング20及び静電気保護素子部28、30はアレイ側基板上で外部取り出し電極16、18の外側に位置している。従って、パネルスクライブ後に面取り工程によって除去することができる。一方、ショートリング20を外部取り出し電極16、18より内側に配置すれば、ガラス基板のスクライブ領域を狭めてガラス基板を無駄なく有効に利用することができる。この場合にはショートリング20及び静電気保護素子部28、30はパネルスクライブ後にも液晶表示パネルに残存することになり、各バスライン2、4は静電気保護回路を介して短絡するが、その抵抗は各バスライン間の干渉を無視できるほど大きいので、製品の品質には何ら影響を与えない。ショートリング20の形成位置についてはこれ以降に説明する実施形態全てについて同様に考えることができる。
【0078】
図16は、データバスライン4の外部取り出し電極18より内側にショートリング20の共通線24が形成された静電気保護回路の構造例を示している。図中上下に延びる共通線24と、図示を省略した画素領域(共通線24に関し外部取り出し電極18の反対側)との間に静電気保護素子部30が形成されている。ゲートバスライン2及び画素領域のTFT6(図1参照)のゲート電極を形成する際にガラス基板50上に同時に第1乃至第3のTFT32、38、40のゲート電極(G)が形成される。第2及び第3のTFT38、40のゲート電極(G)は他の配線構造から電気的に孤立して形成されている。また、共通線24もゲートバスライン2形成時に同時に形成される。第1のTFT32のドレイン電極(D)と第3のTFT40のドレイン電極(D)は、コンタクトホール部77を介して共通線24に接続されている。
【0079】
第2及び第3のTFT38、40間のソース/ドレイン電極は導電体42として機能すると共に、導電体42下方にまで延びた第1のTFT32のゲート電極(G)との間で、容量100を形成している。
【0080】
また、本例においては、第2及び第3のTFT38、40のチャネル長を第1のTFT32のチャネル長より短く形成している。こうすることにより、非常に鋭いパルス電圧で静電気がデータライン4に発生した場合には、第1のTFT32が破壊される前に第2又は第3のTFT38、40が先に破壊されて第1のTFT32を保護することができる。このため、第2又は第3のTFT38、40のいずれかが破壊されたとしてもデータバスライン4と共通線24とが直接短絡することがないので、TFT試験も含め、その後の工程に支障が生じることはない。また本例では、第2及び第3のTFT38、40のチャネル長を等しくし、且つ第1のTFT32のチャネル長の約半分の長さにしている。また、第2及び第3のTFT38、40のチャネル幅を等しくし、且つ第1のTFT32のチャネル幅と同程度の長さにしている。従って、第1のTFT32の導電率と、第2及び第3のTFT38、40を直列にみたときの導電率がほぼ同一となり、静電気保護における電流の分担を第1のTFT32と第2及び第3のTFT38、40とでほぼ半々に分けることができる。
【0081】
図17は、ゲートバスライン2の外部取り出し電極16より内側にショートリング20の共通線22が形成された静電気保護回路の構造例を示している。図中上下に延びる共通線22と、図示を省略した画素領域(共通線22に関し外部取り出し電極16の反対側)との間に静電気保護素子部28が形成されている。ゲートバスライン2及び画素領域のTFT6(図1参照)のゲート電極を形成する際にガラス基板50上に同時に第1乃至第3のTFT32、38、40のゲート電極(G)が形成される。第2及び第3のTFT38、40のゲート電極(G)は他の配線構造から電気的に孤立して形成されている。
【0082】
第1乃至第3のTFT32、38、40のソース/ドレイン電極及び共通線22は、データバスラインの形成と同時に同一の形成材料で形成される。第1のTFT32のソース電極(S)と第2のTFT38のソース電極(S)は、それぞれコンタクトホール部78、79を介してゲートバスライン2に接続さされている。
【0083】
第2及び第3のTFT38、40間のソース/ドレイン電極は導電体42として機能すると共に、導電体42下方にまで延びた第1のTFTのゲート電極(G)との間で、容量100を形成している。
【0084】
また、本例においても、図16に示したのと同様に、第2及び第3のTFT38、40のチャネル長を等しくし、且つ第1のTFT32のチャネル長の約半分の長さにしている。また、第2及び第3のTFT38、40のチャネル幅を等しくし、且つ第1のTFT32のチャネル幅と同程度の長さにしている。従って、第1のTFT32の導電率と、第2及び第3のTFT38、40を直列にみたときの導電率がほぼ同一となり、静電気保護における電流の分担を第1のTFT32と第2及び第3のTFT38、40とでほぼ半々に分けることができる。
【0085】
なお、上記図16及び図17に示す静電気保護回路の構造は、画素領域にチャネルエッチング型TFTが形成される液晶表示装置に適用される。これに対し、図18及び図19は図16及び図17に対応させて、エッチングストッパ型TFTを備えた液晶表示装置に本実施の形態による静電気保護回路を適用した例を示している。図18及び図19において、図16及び図17に示す構成と同一の機能作用を奏する構成には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0086】
形成された動作半導体層44とチャネル保護膜45は同一形状でゲートバスライン(ゲート電極)2の内方に形成される。このため、図18及び図19に示す静電気保護回路においても、図16及び図17に示す動作半導体層44に相当する領域が動作半導体層44上にチャネル保護膜45を積層した構造となり、また基板面に向かって見た状態で、動作半導体層44とチャネル保護膜45は同一形状でゲートバスライン2の内方に形成されている。
【0087】
上述のように、図16及び図17に示した構造では、第2及び第3のTFT38、40のチャネル長を第1のTFT32のチャネル長の約半分にしている。それに対し、図18及び図19に示す構成での第2及び第3のTFT38、40のチャネル長は、第1のTFT32のチャネル長の約半分より若干長く形成されているが、第1のTFT32のチャネル長よりは短いので図16及び図17に示した構造と同様に静電気保護における電流の分担を半々にする効果を得ることができる。
【0088】
次に、本発明の第5の実施の形態による液晶表示装置について図20及び図21を用いて説明する。上述の第1乃至第4の実施の形態では、各バスラインにそれぞれ1組の静電気保護素子部が形成されているのに対し、本実施の形態では静電気保護素子部に形成された素子をできるだけ共有化して、全体の素子数を少なくした液晶表示装置を示す。構成素子の不良発生率や素子の占有する面積等を考慮すると、構成素子数はできるだけ少なくしたほうが望ましい。
【0089】
図20に本実施の形態の静電気保護素子部の回路を示す。図20に示すように静電気保護素子部28−1、28−2(または、30−1、30−2)は、外部取り出し電極16−1、16−2(または18−1、18−2)ごとにTFT32−1、32−2及び第1の抵抗体34−1、34−2が形成されている。第2の抵抗体36は各素子部28−1、28−2に形成されていない。その代わり、第1のTFT32−1、32−2のゲート電極(G)が接続した導電体42と共通線22、24とが、第2の抵抗体としての1個の共用抵抗体37で接続されている。共用抵抗体37を設けることにより、静電気保護素子部の構成素子数を第1乃至第4の実施の形態に比して3/4に減らすことができる。
【0090】
例えば、静電気により共通線22に対して正の高電圧が外部取り出し電極16−1のバスラインに発生すると、TFT32−1、32−2のゲート電極(G)には静電気によって発生した高電圧を第1の抵抗体34−1と共用抵抗体37で分割した値の電圧が印加される。その結果、TFT32−1、32−2の導電率が急激に大きくなるため、TFT32−1、32−2を介して静電気による電荷が解放される。このとき、TFT32−1、32−2だけでなく、第1の抵抗体34−1、34−2、共用抵抗体37を介しても電荷は解放され、TFT32−1を流れる電流は緩和されるので、静電気保護素子としての冗長性が増して静電気で容易には破壊されない静電気保護回路を実現できる。
【0091】
次に、図21を用いて本実施の形態の変形例について説明する。図21に示す構成は、静電気保護回路の構成素子数をできるだけ少なくするため、図20に示した構成をさらに進めて、n(nは3以上の整数)本以上のバスラインの静電気保護素子部28−1〜28−n(または30−1〜30−n)間で1個の共用抵抗体37を共用している点に特徴を有している。
【0092】
外部取り出し電極16−1〜16−nごとに設けられた静電気保護素子部28−1〜28−nには、それぞれTFT32−1〜32−n及び第1の抵抗体34−1〜34−nが形成されている。第2の抵抗体36は各素子部28−1〜28−nに形成されていない。その代わり、第1のTFT32−1〜32−nのゲート電極(G)が接続された導電体42と共通線22、24とが、個々の第2の抵抗体に代えて1個の第2の抵抗体としての共用抵抗体37で接続されている。
【0093】
全てのバスラインの静電気保護素子部28、30について個々の第2の抵抗体に代えて共有抵抗体37を用いることにすれば、バスライン1本あたりの構成素子数をほぼ2個にすることができ、第1実施の形態での静電気保護回路で使用される素子数を約半分まで減らすことが可能である。
【0094】
次に、本発明の第6の実施の形態による液晶表示装置について図22乃至図26を用いて説明する。上記第2の実施の形態による液晶表示装置では各バスラインにそれぞれ1組の静電気保護素子部が形成されているのに対し、本実施の形態では、第5の実施の形態と同様に、静電気保護素子部に形成された素子をできるだけ共有化して、全体の素子数を少なくした液晶表示装置を示す。
【0095】
図22に本実施の形態の静電気保護素子部の回路を示す。図22に示すように静電気保護素子部28−1、28−2(または、30−1、30−2)は、外部取り出し電極16−1、16−2(または18−1、18−2)ごとに第1のTFT32−1、32−2及び第2のTFT38−1、38−2が形成されている。第3のTFT40は各素子部28−1、28−2に形成されていない。その代わり、第1のTFT32−1、32−2のゲート電極(G)が接続した導電体42と共通線22、24とが、個々の第3のTFTに代えて1個の第3のTFTとしての共用TFT41で接続されている。共用TFT41を設けることにより、静電気保護素子部の構成素子数を第1乃至第4の実施の形態に比して3/4に減らすことができる。
【0096】
例えば静電気により共通線22に対して正の高電圧が外部取り出し電極16−1のバスラインに発生すると、第2のTFT38−1と共用TFT41のゲート電極(G)にはそれぞれ寄生容量(C2gs、C2gd、Ccgs、Ccgd)によって内分された高電圧が印加されて第2のTFT38−1、共用TFT41でチャネルが形成される。その結果、第2のTFT38−1及び共用TFT41を通して電流が流れ、導電体42の電位も上昇する。それにより第1のTFT32−1にチャネルが形成されて導電率が大きくなるため静電気による電荷が解放される。この場合でも電荷は複数の経路で解放されるため、TFTが1個である従来の場合に比べて第1のTFT32に流れる電荷の量が緩和されるので、静電気保護素子としての冗長性が増して静電気で容易には破壊されない保護回路を形成することができる。
【0097】
次に、本実施の形態による静電気保護回路の構造について図23及び図24を用いて説明する。図23は、アレイ側基板1上の1つの静電気保護回路を基板面に向かってみた状態を示している。図23は、チャネルエッチング型TFTが形成される場合における静電気保護回路の構造を示している。図23において、図中左側で上下に延びる共通線22と外部取り出し電極16−1、16−2との間に静電気保護素子部28−1、28−2が形成されている。
【0098】
本例では、導電体42が図中上下に延びて、コンタクトホール56−1、58−1を介して静電気保護素子部28−1側の第1のTFT32−1とITO層43により接続されている。また、導電体42は、コンタクトホール56−2、58−2を介して静電気保護素子部28−2側の第1のTFT32−2とITO層43により接続されている。
【0099】
共用TFT41のゲート電極(G)上のゲート絶縁膜上にはa−Siからなる動作半導体層44がパターニングされている。動作半導体層44を挟んで両側には、導電体42のほぼ中央部から引き出された共用TFT41のドレイン電極(D)が接続されている。共用TFT41のソース電極は、共通線22、24に接続されている。共用TFT41のソース/ドレイン電極の端部は動作半導体層44に乗り上がり、基板面方向に見て各ソース/ドレイン電極の端部と下層のゲート電極(G)とがオーバーラップする領域が形成されている。導電体42、外部引き出し電極16−1、16−2、及び共通線22、24はデータバスライン4を形成する際に同時に形成されている。
【0100】
図24は、エッチングストッパ型TFTが形成される場合における静電気保護回路の構造を示している。共用TFT41のゲート電極(G)上のゲート絶縁膜上にはa−Siからなる動作半導体層44と、動作半導体層44とほぼ同じ形状をしたチャネル保護膜45の積層領域がそれぞれパターニングされている。各動作半導体層44とチャネル保護膜45の積層領域を挟んで両側には、導電体42のほぼ中央部から引き出された共用TFT41のドレイン電極(D)が接続されている。共用TFT41のソース電極は、共通線22、24に接続されている。共用TFT41のソース/ドレイン電極の端部は各動作半導体層44とチャネル保護膜45の積層領域に乗り上がり、基板面方向に見て各ソース/ドレイン電極の端部と下層のゲート電極(G)とがオーバーラップする領域が形成されている。導電体42、外部引き出し電極16−1、16−2、及び共通線22、24はデータバスライン4を形成する際に同時に形成されている。
【0101】
次に、図25を用いて本実施の形態の変形例について説明する。図25に示す構成は、静電気保護回路の構成素子数をできるだけ少なくするため、図23に示した構成をさらに進めて、n(nは3以上の整数)本以上のバスラインの静電気保護素子部28−1〜28−n(または30−1〜30−n)間で1個の共用TFT41を用いている点に特徴を有している。
【0102】
外部取り出し電極16−1〜16−nごとに設けられた静電気保護素子部28−1〜28−nには、それぞれ第1のTFT32−1〜32−n及び第2のTFT38−1〜38−nが形成されている。第3のTFT40は各素子部28−1〜28−nに形成されていない。その代わり、第1のTFT32−1〜32−nのゲート電極(G)が接続された導電体42と共通線22、24とが、個々の第3のTFTに代えて1個の第3のTFTとしての共用TFT41で接続されている。
【0103】
全てのバスラインの静電気保護素子部28、30について第3のTFT40に代えて共有TFT41を用いることにすれば、バスライン1本あたりの構成素子数はほぼ2個にすることができ、第2の実施の形態での静電気保護回路で使用される素子数を約半分まで減らすことが可能である。
【0104】
次に、本実施の形態による静電気保護回路の他の構造例について図26及び図27を用いて説明する。図26及び図27は、アレイ側基板1上の1つの静電気保護回路を基板面に向かってみた状態を示している。図26は、チャネルエッチング型TFTが形成される場合における静電気保護回路の構造を示し、図27は、エッチングストッパ型TFTが形成される場合における静電気保護回路の構造を示している。図26及び図27において、図中左側で上下に延びる共通線22と外部取り出し電極16−1〜16−nとの間に静電気保護素子部28−1〜28−nが形成されている。
【0105】
本例では、導電体42が図中上下に延びて、複数の第1のTFT32−1〜32−nのゲート電極に接続されている。また、導電体42にコンタクトホールを介して第2のTFT38−1〜38−nがITO層43により接続されている。共用TFT41の構造は図23あるいは図24を用いて説明したのと同一であるので説明は省略する。共用TFT41のドレイン電極は、コンタクトホールを介してITO層43により導電体42に接続され、ソース電極は共通線22、24に接続されている。
【0106】
次に、本発明の第7の実施の形態による液晶表示装置について図28乃至図32を用いて説明する。上記第3の実施の形態による液晶表示装置では各バスラインにそれぞれ1組の静電気保護素子部が形成されているのに対し、本実施の形態では、第5及び第6の実施の形態と同様に、静電気保護素子部に形成された素子をできるだけ共有化して、全体の素子数を少なくした液晶表示装置を示す。
【0107】
図28に本実施の形態の静電気保護素子部の回路を示す。図28に示すように各静電気保護素子部28−1、28−2には容量100−1、100−2が形成されている。第3のTFT40は静電気保護素子部28−1、28−2に形成されていない。その代わり、第1のTFT32−1、32−2のゲート電極(G)が接続した導電体42と共通線22、24とが、個々の第3のTFTに代わる1個の第3のTFTとしての共用TFT41で接続されている。共用TFT41を設けることにより、静電気保護素子部の構成素子数を第1乃至第4の実施の形態に比して3/4に減らすことができる。
【0108】
本実施形態の場合も、容量100を有していることにより、静電気が発生した場合の第1のTFT32−1、32−2の動作は、第2のTFT38−1、38−2及び及び共用TFT41に比べて緩やかになる。そのため、鋭いパルス状の電圧変化を生じる静電気の場合は、第2のTFT38−1、38−2及び共用TFT41に先に電流が流れて第1のTFT32−1、32−2を保護することができる。
【0109】
また、電圧上昇が緩やかな静電気の場合は、第2のTFT38−1、38−2及び共用TFT41に続いて第1のTFT32−1、32−2が動作して電荷の解放に寄与するようになる。本実施の形態によれば、第2のTFT38−1、38−2及び共用TFT41に予備的に電流が流れるため、第1のTFT32−1、32−2にかかる負荷が軽減されており静電気保護回路の冗長性を増すことができる。
【0110】
また、第1のTFT32−1、32−2のゲート電極(G)は、容量を介してそれぞれ外部取り出し電極16−1、18−1、16−2、18−2、及びショートリング20の共通線22、24と接続されており、ゲート電極(G)の電位はこれら容量の充放電に要する時間分だけ緩やかに変化する。従って、本実施の形態の構成によれば、緩やかな静電気であっても十分対応することができる。
【0111】
さらに本実施の形態では、第1のTFT32−1、32−2のゲート電極(G)と第2のTFT38−1、38−2及び共用TFT41の間の共通導電体42の間に容量100−1、100−2を挿入させているので、外部取り出し電極16、18とショートリング20の共通線22、24との間の電位差が低くなっても容量100−1、100−2の充放電に要する時間の分だけさらに長く導通状態を保つことができるため電荷解放の効率をより向上させることができる。また、容量100−1、100−2を付加したことにより短絡による不具合に対する冗長性も向上している。本実施形態の場合も電荷は複数の経路で解放されるため、TFTが1個である従来の場合に比べて静電気保護素子としての冗長性が増すので、静電気による素子の破壊が生じにくくなる。
【0112】
次に、本実施の形態による静電気保護回路の構造について図29を用いて説明する。図29は、アレイ側基板1上の1つの静電気保護回路を基板面に向かってみた状態を示している。図29は、チャネルエッチング型TFTが形成される場合における静電気保護回路の構造を示し、図30は、エッチングストッパ型TFTが形成される場合における静電気保護回路の構造を示している。図29及び図30に示す構造は図23及び図24に示す構造に対して、第1のTFT32−1、32−2のゲート電極が導電体42下層に絶縁膜を介して位置することにより容量100−1、100−2が形成されている点にある。それ以外の構成は図23及び図24に示したのと同一であるので説明は省略する。
【0113】
次に、図31乃至図33を用いて本実施の形態の変形例について説明する。図31乃至図33に示す構成は、静電気保護回路の構成素子数をできるだけ少なくするため、図28に示した構成をさらに進めて、n(nは3以上の整数)本以上のバスラインの静電気保護素子部28−1〜28−n(または30−1〜30−n)間で1個の共用TFT41を用いている点に特徴を有している。図31、図32、及び図33に示す回路構成及び素子構造は、図25、図26、及び図27に対して、第1のTFT32−1〜32−nのゲート電極が導電体42下層に絶縁膜を介して位置することにより容量100−1〜100−nが形成されている点にある。それ以外の構成は図25、図26、及び図27に示したのと同一であるので説明は省略する。
【0114】
以上説明した第1乃至第7の実施の形態による静電気保護回路が形成されたアレイ側基板1の説明において、動作半導体層44あるいはチャネル保護膜45上にソース/ドレイン電極が直接形成されているようにみえるが、現実には動作半導体層44あるいはチャネル保護膜45と、ソース/ドレイン電極との間に接続抵抗を低くするためのn+a−Si層が形成されている。
【0115】
チャネルエッチング型TFTであれば、動作半導体層44のa−Si層上にn+a−Si層が形成されている。チャネル部のn+a−Si層はソース/ドレイン電極のパターニング時に除去される。当該パターニング時に除去されないn+a−Si層はソース/ドレイン電極形成金属層とa−Si層との間に残存する。
また、エッチングストッパ型TFTの場合には、ソース/ドレイン電極およびデータバスラインの下地にn+a−Si層が形成されている。
【0116】
以上説明した第1乃至第7の実施の形態による静電気保護回路が形成されたアレイ側基板1に対するTFTの製造工程において、TFT検査ではなく単にバスラインの断線/短絡を検出するためのオープン/ショート検査(O/S検査)によりパネルの良否判断をする場合がある。この場合、層間短絡を検出するためには、ゲートバスライン2側のショートリング20の共通線22と、データバスライン4側の共通線24とを高抵抗成分で電気的に分離する必要がある。そこで一例として図34に示すような構成を取ることができる。図34において、共通線22と共通線24との交差部には、例えば第1乃至第4の実施の形態で図2乃至図19を用いて説明した静電気保護素子部28、30と同様の構成を有する層間分離部23が形成されている。
【0117】
また、図34に示すように、ショートリング20の共通線22、24のいずれか(図34では共通線22)を、例えば対向基板側の共通電極12またはグランドと接続する接続端子25に接続して、より確実にTFTやバスラインを静電気による障害から保護するようにすることもできる。
【0118】
次に、本発明の第8の実施の形態による液晶表示装置について説明する。まず、本実施の形態で用いるTFT−LCDのアレイ側基板の製造プロセスを簡単に説明する。第1に、アレイ側基板上にゲートメタルを成膜してパターニングし、ゲートバスライン及び各画素領域のTFTのゲート電極を形成する。第2に、全面にゲート絶縁膜を形成し、その上にTFTの動作半導体膜となるa−Si層、及びチャネル保護膜を形成するための絶縁膜をこの順に成膜する。第3に、ゲートバスライン及びゲート電極をマスクとする背面露光と、ゲートバスライン上のa−Si層を画素領域から電気的に分離するための通常のマスクを用いた露光により上記絶縁膜をパターニングしてチャネル保護膜を形成する。第4に、オーミックコンタクト層となるn+層とドレイン/ソース電極及びデータバスラインを形成するためのドレインメタル(例えば、Ti(チタン))層をこの順に全面に成膜する。第5に、n+層とドレインメタル層をパターニングしてドレイン/ソース電極及びデータバスラインを形成する。第6に、全面にパッシベーション膜(例えば、SiN膜(シリコン窒化膜))を形成してからパターニングし、所定位置のパッシベーション膜にコンタクトホールを形成する。第7に、ITOを全面に成膜してからパターニングし、画素電極を形成する。以上の工程において、第1、第3、第5、第6、及び第7の工程に露光工程が含まれており、全部で5枚のマスクを用いる5枚マスクプロセスとなっている。
【0119】
さて、以上の工程を含んで形成される本液晶表示装置における静電気保護回路について図35乃至図39を用いて詳細に説明する。なお、本実施形態において、第1乃至第7の実施の形態と同一の機能作用を有する構成要素には同一の符号を付している。
【0120】
図35(a)は、アレイ側基板をその基板面に向かって見た状態を示している。図35(b)は、図35(a)のA−A線で切断した断面を示している。図35は、ガラス基板であるアレイ側基板1上のデータバスライン4(図示せず)から外部取り出し電極18が引き出されて形成されている状態を示している。外部取り出し電極18先端には静電気保護素子部30が形成され、静電気保護素子部30を介して外部取り出し電極18とショートリング20の共通線24が接続されている。以上の構成は、ゲートバスライン2及びその外部取り出し電極16についても図示を省略したが同様の構成となっている。
【0121】
図35(b)に示すように、アレイ側基板1上に上記の第2の工程によるゲート絶縁膜52が形成され、その上に、第4の工程でのドレインメタル層をパターニングして外部取り出し電極18と共通線24が形成されている。また、外部取り出し電極18と共通線24の対向側には、静電気保護素子部30の一部を構成するドレインメタル層をパターニングした金属層200が形成されている。対向する金属層200両端部間はパッシベーション膜54が埋め込まれて電気的に分離されている。対向する金属層200両端部上にはパッシベーション膜54を開口したコンタクトホール98がそれぞれ形成されている。2つのコンタクトホール内壁及び両者間に第7の工程で成膜された導電膜のITO層43がパターニングされており、対向する2つの金属層200はITO層43により電気的に接続されている。この場合、下層のドレインメタル(Ti)と上層メタル(ITO)とはオーミック接続になり、コンタクトホールのサイズにより抵抗成分が変化する。下層メタルにTiを用い、ITO成膜前に熱処理(例えば、180℃〜215℃程度)を行い、且つコンタクトホール98の径がφ=4μmである場合には、形成される抵抗成分は7〜8kΩとなる。コンタクトホール98は上述の第6の工程で形成されるものであり、ITO膜も第7の工程で形成されるものであるから、従来の製造工程を何ら変更することなく静電気保護回路を形成することができる。
【0122】
図36(a)および(b)は静電気保護素子部30を高抵抗にするためにコンタクトホール98を複数個直列接続した本実施形態の変形例を示している。図36(a)では、外部取り出し電極18と共通線24の対向側に設けられ先端が対向する2つの金属層200の間に、さらに島状の複数の金属層202が形成されている。直列に整列した複数の金属層202の両端部上のパッシベーション膜54にはコンタクトホール98が形成されている。隣り合う金属層200、202はコンタクトホール98を介してITO層43により電気的に接続されている。
【0123】
図36(b)に示す構造は、直線上に整列した金属層200、202の各対向端部近傍に、電気的に独立した島状の金属層204が設けられ、それらの両端部にコンタクトホール98が形成されている。そして、金属層200、202の各対向端部は、金属層204とコンタクトホール98を介してITO層43の接続層で接続されている。このようにして、静電気保護素子部30を蛇行配置させることにより、共通線24と外部取り出し電極18との間の距離を短くさせることが可能になる。
【0124】
アレイ検査装置により画素電極とコモン電極間にチャージングした電荷を積分回路により読み出す場合には、アイソレーション抵抗として抵抗値が100kΩ以上あるのが望ましい。従って図36に示すような構成を採用してコンタクトホール98の数を14個以上にすれば、アレイ検査に影響しない静電気保護回路を実現できる。このように本実施の形態によれば、コンタクトホールを介して抵抗体を複数段接続することにより任意の値の抵抗成分を有する静電気保護回路を形成することができる。
【0125】
次に、本実施の形態による静電気保護素子部において下層メタルを多層構造とした変形例について図37を用いて説明する。図37は静電気保護素子部の形成工程断面を示しており、(A)列はゲートバスライン側を示し、(B)列はデータバスライン側を示している。また、(a)行〜(e)行は各工程での処理を示している。まず図37(a)において、ガラス基板であるアレイ側基板1上にゲートバスライン及び各画素領域のTFTのゲート電極を形成する際、ゲートバスライン2側の静電気保護素子部28の金属層200gをゲートメタルで同時に形成する。金属層200gの形成と共にショートリング20の共通線22をゲートメタルで同時に形成することもできる。次いで、例えばSiN(窒化シリコン)を用いて全面にゲート絶縁膜52を形成する。
【0126】
次に、図37(b)に示すように、データバスライン4及び各画素領域のTFTのドレイン/ソース電極を形成する際、ドレインメタルを用いて同時に、データバスライン4側の静電気保護素子部30の金属層200dを形成する。ドレインメタル層は下層から順にTi/Al/Tiで構成されている。なお、金属層200dの形成と共にショートリング20の共通線24をドレインメタルで同時に形成することもできる。次いで、全面にパッシベーション膜54を形成する。
【0127】
次に、図37(c)に示すように、金属層200g、200d上のパッシベーション膜54を開口してコンタクトホール98を形成する。さらに図37(d)に示すように、金属層200g上のゲート絶縁膜52をエッチングして金属層200g上部が露出するコンタクトホール98を形成する。パッシベーション膜54とゲート絶縁膜52を一括してエッチングするプロセスでは、ゲート絶縁膜42をエッチングしている間はドレインメタル最上層のTi層がエッチングストッパとして機能する。このときドレインメタル最上層のTiの膜厚が薄いと下層のAl層が露出することがある。
【0128】
次に、図37(e)に示すように、隣接する所定の金属層200、202等がコンタクトホール98を介して電気的に接続されるように、表示電極形成時のITOパターニングしてITO層43を形成する。このとき、ITO層43aと金属層200dのAl層とはショットキー接続となり、コンタクトホール98内にリング状に残存するTi層とITO層43bとはオーミック接続となるため全体の接触抵抗を高くすることができる。例えばドレインメタルをTi(20nm)/Al(75nm)/Ti(20nm)とすると金属層200d上のコンタクトホール1個当たりの接触抵抗は35〜36kΩになり、金属層200dを3〜4個直列接続すればアレイ検査が可能な状態が得られる。
【0129】
なお、ITO層43の形成前であってコンタクトホール98底部にメタル層が露出した状態で熱処理温度を変えることにより、メタル/ITOの接触抵抗を変化させることが可能である。より高抵抗の素子が必要な場合には当該ベーク温度を高くすればよい。
【0130】
このようにして形成される抵抗成分は抵抗値を10MΩ以上にすることも可能であり、パネル完成後において各バスラインに走査信号や画像信号等を印加をしても、この高抵抗成分により隣接するバスラインに影響を及ぼさないようにすることができる。従って、これら高抵抗成分はパネル完成後にもパネル内に残存させることができる。このため、パネルが完成してからユニット組み立て工程における静電気障害も防止することができ、より高い歩留りで液晶表示装置を製造することができ、また装置の信頼性を向上させることができるようになる。
【0131】
本実施の形態では、各バスライン2、4とショートリング20(共通線22、24)との間に複数のコンタクトホール98を直列配列することで任意の抵抗値の抵抗成分を配置できることを説明したが、本実施形態はこれに限られず、図38に示すように、隣接するゲートバスライン2間、あるいは隣接するデータバスライン4間に本実施の形態による構造を形成することも可能である。この場合にも、金属層200、202等に設けられたコンタクトホール間をITO層で接続して十分な高抵抗素子を形成することによりパネル完成後もパネル内に静電気保護回路を残存させることができる。もちろん隣接するバスライン間に限らず、高抵抗成分が必要な任意の場所に本実施の形態による静電気保護素子部を製造プロセスの変更なしに形成することが可能である。
【0132】
また、TFT製造工程において、アレイ検査を用いないで単にバスラインの断線/短絡を検出するためのオープン/ショート検査(O/S検査)によりパネルの良否判断をする場合がある。この場合、層間短絡を検出するためには、ゲートバスライン2側のショートリング20の共通線22と、データバスライン4側の共通線24とを高抵抗成分で電気的に分離する必要がある。そこで一例として図39に示すような構成を取ることができる。図39の破線120で示すブロック内は、ショートリング20を構成する共通線22と共通線24の接続状態を示している。図39に示すように、ゲートメタル層をパターニングして形成した共通線22の端部が露出するコンタクトホール121と、ドレインメタル層をパターニングして形成した共通線24の端部が露出するコンタクトホール122とをITO層43で接続することにより接続端部で容易に高抵抗部を形成することが可能である。コンタクトホール122での高抵抗部の形成は上述の図37(d)、(e)に示した方式を採用することにより抵抗値を任意に調整することが可能である。
【0133】
なお、上記実施の形態において、絶縁膜としてシリコン窒化膜を用いているが、シリコン酸化膜(SiO2膜)を用いることももちろん可能である。また、上記実施の形態では、コンタクトホール98間の接続層にITOを用いているが、本実施の形態はこれに限られず、他の比較的抵抗値の高い材料を用いるようにしてももちろんよい。また、ドレインメタルとしてTi/Al/Tiの積層構造を用いたが上層の金属層はTiに代えてモリブデン(Mo)、タングステン(W)、あるいはタンタル(Ta)、及びそれらの合金、あるいはそれらの窒化酸化物を用い、中間層のAlに代えて、銅(Cu)、Al合金、Cu合金等を用いることができる。
なお、上記実施の形態における図35乃至図39に示された各構造は、図34に示す層間分離部23に適用可能である。
【0134】
以上説明したように本実施の形態によれば、高抵抗成分を容易に形成することができ、且つ抵抗値の制御も可能であるので、静電気による素子破壊を防止すると共に高精度でアレイ検査を行うことができるようになる。またパネル完成後、ユニット組み立て工程における静電気破壊まで対処することができるようになるので、製造歩留りの向上による生産量の増加、さらに信頼性の高い装置を提供することができるようになる。
【0135】
なお、上記第1乃至第8の実施の形態では、a−Siを動作半導体層に用いたチャネルエッチング型TFTあるいはエッチングストッパ型TFTを形成したアレイ基板を例にとって説明したが、本発明はそれらに限らず、例えば、低温ポリシリコン製造プロセスによりp−Si(ポリシリコン)を動作半導体層に用いたTFT構造を備えたアレイ基板にももちろん適用可能である。
【0136】
また、上記実施の形態で図5、図6、あるいは図9等に例示したチャネルエッチング型TFTの動作半導体層44は、ソース/ドレイン電極方向の端部がゲート電極Gの外方にまで延びて形成されている。しかしながら、動作半導体層44のソース/ドレイン電極方向の端部がゲート電極Gの内方に位置して形成されるチャネルエッチング型TFTも存在し、本発明はもちろん当該TFTを備えたアレイ基板に適用することが可能である。
【0137】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、冗長性に優れた静電気保護回路を備えた液晶表示装置を実現できる。また本発明によれば、比較的低い電圧が長時間発生する静電気に対しても十分な保護機能を備えた液晶表示装置を実現できる。
【0138】
またさらに本発明によれば、基板組立工程の最終段階まで静電気対策の施せる液晶表示装置を実現できる。さらに本発明によれば、静電気保護素子部がパネルサイズに影響を与えない液晶表示装置を実現できる。またさらに本発明によれば、素子構造が簡素で電流制御面で不利のない静電気保護素子部を有する液晶表示装置を実現できる。
【0139】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による液晶表示装置の概略の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による静電気保護素子部の回路構成及び動作を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による静電気保護素子部の他の回路構成例を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による液晶表示装置の特徴的構成要素である静電気保護素子部の回路構成を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態による静電気保護回路の構造を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護回路の変形例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態による静電気保護回路の他の構造例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護回路の他の変形例を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護回路を基板面に向かってみた状態を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護回路の他の構成例を基板面に向かってみた状態を示す図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態による液晶表示装置の特徴的構成要素である静電気保護素子部の回路の構成を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態による静電気保護回路の構造を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態による静電気保護回路の構造の変形例を示す図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態による静電気保護回路の他の構造を示す図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態による静電気保護回路の構造の他の変形例を示す図である。
【図16】本発明の第4の実施の形態による静電気保護回路の変形例を示す図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態による静電気保護回路の他の変形例を示す図である。
【図18】本発明の第4の実施の形態による図16に示す静電気保護回路の変形例を示す図である。
【図19】本発明の第4の実施の形態による図17に示す静電気保護回路の変形例を示す図である。
【図20】本発明の第5の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護素子部の回路を示す図である。
【図21】本発明の第5の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護回路の変形例を示す図である。
【図22】本発明の第6の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護素子部の回路を示す図である。
【図23】本発明の第6の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護回路の構造を示す図である。
【図24】本発明の第6の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護回路の他の構造を示す図である。
【図25】本発明の第6の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護回路の変形例を示す図である。
【図26】本発明の第6の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護回路の変形例の構造を示す図である。
【図27】本発明の第6の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護回路の他の変形例の構造を示す図である。
【図28】本発明の第7の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護素子部の回路を示す図である。
【図29】本発明の第7の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護回路の構造を示す図である。
【図30】本発明の第7の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護回路の他の構造を示す図である。
【図31】本発明の第7の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護回路の変形例を示す図である。
【図32】本発明の第7の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護回路の変形例の構造を示す図である。
【図33】本発明の第7の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護回路の他の変形例の構造を示す図である。
【図34】本発明の第1乃至第7の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護回路の変形例の構造を示す図である。
【図35】本発明の第8の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護回路の構造を示す図である。
【図36】本発明の第8の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護回路の変形例の構造を示す図である。
【図37】本発明の第8の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護回路の製造工程を示す図である。
【図38】本発明の第8の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護回路の他の変形例の構造を示す図である。
【図39】本発明の第8の実施の形態による液晶表示装置の静電気保護回路の応用例の構造を示す図である。
【図40】従来の液晶表示装置の静電気保護回路の構造を示す図である。
【図41】従来の液晶表示装置の静電気保護回路の構造を示す図である。
【図42】従来の液晶表示装置の静電気保護回路の構成を示す図である。
【図43】従来の液晶表示装置の静電気保護回路の構造を示す図である。
【符号の説明】
1 アレイ側基板
2 ゲートバスライン
4 データバスライン
6、530、532、534 TFT
8 表示電極 画素電極
10 液晶
12 共通電極
16、18、502、504 外部取り出し電極
20、506 ショートリング
22、24 共通線
28、30 静電気保護素子部
32 第1のTFT
34 第1の抵抗体
36 第2の抵抗体
37 共用抵抗体
38 第2のTFT
40 第3のTFT
41 共用TFT
42、536 導電体
43、62、72、82、92 ITO層
44、514 動作半導体層
45 チャネル保護膜
50、508 ガラス基板
52、512 ゲート絶縁膜
54 パッシベーション膜
56、58、64、66、74、76、84、86、94、96、98 コンタクトホール
60、70、90、518 ソース電極
77、78、79 コンタクトホール部
80、516 ドレイン電極
100 容量
120 破線
200、202、204 金属層
500 静電気保護素子
502 バスライン
510 ゲート電極
520 保護膜

Claims (3)

  1. 複数のバスラインで画定された複数の画素ごとに形成されたスイッチング素子と、前記複数のバスラインに接続されたショートリングと、前記複数のバスラインのそれぞれと前記ショートリングとの間に形成された静電気保護素子部とを有するアクティブマトリクス型の液晶表示装置において、
    前記静電気保護素子部は、
    前記バスラインに接続されるソース/ドレイン電極と、前記ショートリングに接続されるドレイン/ソース電極とを有する薄膜トランジスタと、
    前記薄膜トランジスタのゲート電極を前記バスラインに接続する第1の抵抗体と、
    複数の前記薄膜トランジスタの前記ゲート電極を前記ショートリングに接続する共用抵抗体である第2の抵抗体と
    を備えていることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 請求項1記載の液晶表示装置において、
    前記薄膜トランジスタは、チャネルエッチング型であること
    を特徴とする液晶表示装置。
  3. 請求項1記載の液晶表示装置において、
    前記薄膜トランジスタは、エッチングストッパ型であること
    を特徴とする液晶表示装置。
JP2000258850A 1999-08-31 2000-08-29 液晶表示装置 Expired - Fee Related JP4390991B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000258850A JP4390991B2 (ja) 1999-08-31 2000-08-29 液晶表示装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-244468 1999-08-31
JP24446899 1999-08-31
JP2000258850A JP4390991B2 (ja) 1999-08-31 2000-08-29 液晶表示装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009122967A Division JP5081195B2 (ja) 1999-08-31 2009-05-21 液晶表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001142096A JP2001142096A (ja) 2001-05-25
JP4390991B2 true JP4390991B2 (ja) 2009-12-24

Family

ID=26536759

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000258850A Expired - Fee Related JP4390991B2 (ja) 1999-08-31 2000-08-29 液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4390991B2 (ja)

Families Citing this family (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4646420B2 (ja) 2001-02-28 2011-03-09 三菱電機株式会社 薄膜トランジスタアレイ基板およびそれを用いた表示装置
JP4486770B2 (ja) * 2001-09-28 2010-06-23 シャープ株式会社 フラットパネルディスプレイ用基板
US7760317B2 (en) 2003-10-14 2010-07-20 Lg Display Co., Ltd. Thin film transistor array substrate and fabricating method thereof, liquid crystal display using the same and fabricating method thereof, and method of inspecting liquid crystal display
US7554260B2 (en) * 2004-07-09 2009-06-30 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Display device provided with a conductive film connection between a wiring component and a metal electrode film
JP4817730B2 (ja) * 2004-07-09 2011-11-16 株式会社半導体エネルギー研究所 表示装置
JP4667846B2 (ja) * 2004-12-10 2011-04-13 三菱電機株式会社 薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法
JP4297103B2 (ja) 2005-02-17 2009-07-15 セイコーエプソン株式会社 電気光学装置及びその製造方法、並びに電子機器
JP4940615B2 (ja) * 2005-09-30 2012-05-30 カシオ計算機株式会社 液晶表示装置
JPWO2007055047A1 (ja) * 2005-11-10 2009-04-30 シャープ株式会社 表示装置およびそれを備える電子機器
JP4946042B2 (ja) * 2005-12-26 2012-06-06 エプソンイメージングデバイス株式会社 液晶表示装置
JP4816110B2 (ja) * 2006-01-31 2011-11-16 ソニー株式会社 液晶表示装置
KR100847640B1 (ko) 2006-05-23 2008-07-21 가시오게산키 가부시키가이샤 표시장치
JP4850589B2 (ja) * 2006-05-31 2012-01-11 株式会社 日立ディスプレイズ 表示装置
EP2073255B1 (en) * 2007-12-21 2016-08-10 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Diode and display device comprising the diode
WO2010029859A1 (en) * 2008-09-12 2010-03-18 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device and method for manufacturing the same
WO2010029866A1 (en) * 2008-09-12 2010-03-18 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Display device
KR101762112B1 (ko) * 2008-09-19 2017-07-27 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 액정표시장치
KR101490148B1 (ko) * 2008-09-19 2015-02-05 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 표시 장치
EP2172804B1 (en) * 2008-10-03 2016-05-11 Semiconductor Energy Laboratory Co, Ltd. Display device
KR101273972B1 (ko) * 2008-10-03 2013-06-12 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 반도체장치
JP5472895B2 (ja) * 2008-10-20 2014-04-16 株式会社ジャパンディスプレイ 液晶表示装置
JP5313028B2 (ja) * 2009-04-23 2013-10-09 株式会社ジャパンディスプレイ 画像表示装置およびその製造方法
WO2011122271A1 (en) 2010-03-31 2011-10-06 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Field-sequential display device
JP5696030B2 (ja) * 2011-12-20 2015-04-08 株式会社ジャパンディスプレイ 液晶表示装置
JP5602281B2 (ja) * 2013-05-29 2014-10-08 シャープ株式会社 表示装置用基板及びそれを用いた液晶表示装置
US9911756B2 (en) * 2015-08-31 2018-03-06 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device including transistor and electronic device surrounded by layer having assigned band gap to prevent electrostatic discharge damage
WO2020065866A1 (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 シャープ株式会社 表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001142096A (ja) 2001-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5081195B2 (ja) 液晶表示装置
JP4390991B2 (ja) 液晶表示装置
JP3029531B2 (ja) 液晶表示装置
JP3261699B2 (ja) アクティブマトリクス基板
JP4088619B2 (ja) アクティブマトリクス基板及び表示装置
KR100750548B1 (ko) 표시 장치 및 표시 장치의 단선 수복 방법
US7336336B2 (en) Thin film transistor array substrate, method of fabricating the same, liquid crystal display panel having the same and fabricating method thereof
JP4057127B2 (ja) アクティブマトリックス基板及びアクティブマトリックス基板の製造方法並びに液晶装置
US5606340A (en) Thin film transistor protection circuit
US7796202B2 (en) Liquid crystal display and fabricating method thereof
CN102473368B (zh) 有源矩阵基板和有源矩阵型显示装置
US6731364B2 (en) Liquid crystal display device
US20040169781A1 (en) Repair method for defects in data lines and flat panel display incorporating the same
EP1352428B1 (en) A method of manufacturing an active matrix substrate
JP4294096B2 (ja) 改良されたアクティブ・マトリクスのesd保護および試験体系
US8111342B2 (en) Display substrate, method of manufacturing the same and display device using the display substrate
JP3807096B2 (ja) アクティブマトリクス基板及びこれを備えた電気光学パネル
CN113078167A (zh) 有源矩阵基板及其制造方法
JPH09152626A (ja) 液晶表示装置およびその製造方法
JP3491080B2 (ja) 液晶表示装置のマトリクス型アレイ基板およびその製法
JPH11160732A (ja) Tftアレイ基板およびこれを用いた液晶表示装置並びにtftアレイ基板の製造方法
JP2000164874A (ja) 薄膜トランジスタアレイ基板とその製造方法および液晶表示装置
JP3231410B2 (ja) 薄膜トランジスタアレイ及びその製造方法
JP4627081B2 (ja) アクティブマトリクス基板及び表示装置
JP3907297B2 (ja) Tftアレイ基板及びその製造方法並びにこのtftアレイ基板を備えた液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20050712

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20050713

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050722

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061011

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090324

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090521

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091006

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091007

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121016

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131016

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees