JP4504653B2 - 画像形成方法 - Google Patents
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2成分現像剤の補給量を少なくしても長期に亘って安定した画像を形成するために、特許文献1においては、補給用の2成分現像剤中のキャリヤとして、スタート現像剤中のキャリヤよりも帯電量が大きく、かつ電気抵抗値が同等かまたは低いものを使用することが提案された。
この発明の目的は、トリクル現像法を採用して、しかもこれまでより長期に亘って、カブリなどのない安定した良好な画像を形成することができる新規な画像形成方法を提供することにある。
5≦R 1 /R 2 ≦200 (1)
〔式中のR 1 はスタート現像剤に使用するキャリヤの電気抵抗値、R 2 は補給用の2成分現像剤に使用するキャリヤの電気抵抗値である。〕
を満足する電気抵抗値を有するとともに、前記スタート現像剤中のキャリヤに対して式(2):
1<Q 2 /Q 1 ≦10 (2)
〔式中のQ 1 はスタート現像剤に使用するキャリヤの帯電量、Q 2 は補給用の2成分現像剤に使用するキャリヤの帯電量である。〕
を満足する帯電量を有し、上記範囲内で体積基準の中心粒径が大きく、かつ嵩密度が大きいキャリヤと、上記スタート現像剤中のトナーよりも、上記範囲内でトナー粒子の、体積基準の中心粒径が小さいトナーとを組み合わせた2成分現像剤を使用することを特徴とする画像形成方法である。
また請求項2記載の発明は、補給用のトナーとして、トナー粒子の、体積基準の中心粒径DVと、個数基準の平均粒径DNとの比DV/DNが1.15以下であるものを用いる請求項1に記載の画像形成方法である。
また上記キャリヤとして、スタート現像剤に使用するものよりも体積基準の中心粒径が大きく、かつ嵩密度が大きいものを用いることにより、スペントによる現像剤の流動性の低下を抑制することもできる。
また請求項2記載の発明によれば、補給用のトナーとして、トナー粒子の、体積基準の中心粒径D V と、個数基準の平均粒径D N との比D V /D N が1.15以下であって、粒度分布がシャープであるものを用いることにより、体積基準の中心粒径が5μm以下であるような微粉トナーの含有割合を少なくして現像性能を向上し、スペントの発生を抑制することができる。
《画像形成方法》
図1は、この発明の画像形成方法を実施するために用いる現像手段の一例を示す概略断面図である。
図に見るようにこの例の現像手段は、画像形成装置の像担持体EPに対面配置した、磁石を組み込んだ磁気ロール1を内蔵し、2成分現像剤D1を収容するための装置本体2と、この装置本体2に補給用の2成分現像剤D2を供給するための現像剤容器3と、補給によって過剰になった装置本体2内の2成分現像剤D1を回収するための回収容器4とを備えている。そして装置本体2には最初、2成分現像剤D1として所定量のスタート現像剤が収容される。
そしてこの状態で、磁気ロール1を像担持体EPの回転に合わせて回転させるとともに、かく拌搬送スパイラル21、22を回転させて、装置本体2内の2成分現像剤D1を磁気ロール1の方向に搬送しながら画像形成を開始する。そうすると磁気ロール1の表面に形成され、規制ブレード23によって所定の高さにそろえられた磁気ブラシの穂が、像担持体EPの表面と接触して、当該像担持体の表面に形成された静電潜像をトナー像に現像することで画像形成が行われる。
また、補給用の2成分現像剤D2の補給によって装置本体2内の2成分現像剤D1の量が過剰になった場合には、前記開口41aを超える過剰の2成分現像剤D1が、自動的に、筒体41を通して回収容器4に回収される。
《2成分現像剤》
この発明の画像形成方法においては、上記のうち、現像剤容器3から装置本体2に供給する補給用の2成分現像剤D2として、現像手段の装置本体2に最初に、2成分現像剤D1として収容するスタート現像剤中のキャリヤよりも電気抵抗値が低く、帯電量が大きく、体積基準の中心粒径が大きく、かつ嵩密度が大きいキャリヤと、上記スタート現像剤中のトナーよりもトナー粒子の体積基準の中心粒径が小さいトナーとを組み合わせたものを用いる必要がある。
2成分現像剤に用いるキャリヤとしては、従来公知の種々の構成を有するものを用いることができる。すなわちキャリヤとしては、たとえばガラスビーズや、酸化または未酸化の鉄粉、フェライト、Co系、Mn−Mg系、Cu−Zn系、Li系などの磁性体粒子、あるいはその表面を合成樹脂(アクリル系、フッ素系、シリコーン系、ポリエステル系などの樹脂)で被覆したもの等を挙げることができる。キャリヤは、体積基準の中心粒径が35〜100μmに限定される。中でも特に40〜65μmであるのが好ましい。またキャリヤの電気抵抗値は106〜1013Ω・cmであるのが好ましい。
トナーとしては、2成分現像剤用として従来公知の種々の構成を有するトナー粒子を含むものを用いることができる。具体的には、従来同様に定着用樹脂中に、着色剤その他の添加剤を分散させた構造を有するトナー粒子に、必要に応じてシリカ等の外添剤を外添したトナーが好ましい。またトナー粒子の、体積基準の中心粒径は4〜12μmに限定される。
0.5≦D1−D2≦2
の範囲内とするのが好ましい。またスタート現像剤に使用するトナーの、体積基準の中心粒径(D1)は6〜12μm、補給用の2成分現像剤に使用するトナーの、体積基準の中心粒径(D2)は4〜10μmとするのが好ましい。
また補給用の2成分現像剤に使用するトナーは、帯電量が、スタート現像剤中のトナーと同等か、もしくは0.8〜0.9倍程度、小さいことが好ましい。前記のように体積基準の中心粒径が小さい補給用のトナーは、キャリヤとの付着力が大きく、現像されにくい傾向にあるが、上記のように帯電量を下げることによって、十分な現像性能を確保することができる。
定着用樹脂としては、たとえばスチレン系重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系重合体、塩素化ポリスチレン、ホリプロピレン、アイオノマー等のオレフィン系重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエステル系樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、キシレン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジンエステルなどを挙げることができ、とくにスチレン系重合体、スチレン−アクリル系重合体、ポリエステル系樹脂が好ましい。このうちスチレン系重合体、スチレン−アクリル系重合体としては、スチレンの単独重合体や、当該スチレンと他の単量体との共重合体を挙げることができる。
着色剤としては、トナー粒子の色に合わせた各色の着色剤を用いることができる。その好適な例は下記の通りである。
黒色顔料
カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック。
黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネープルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ。
赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGK。
赤色顔料
べンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B。
マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ。
青色顔料
紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC。
クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG。
白色顔料
亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。
バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト。
着色剤の添加量は、定着用樹脂100重量部に対して1〜20重量部であるのが好ましく、2〜8重量部であるのがさらに好ましい。
着色剤以外の他の添加剤の代表例としては、電荷制御剤、オフセット防止剤を挙げることができる。
電荷制御剤は、トナーの摩擦帯電特性を制御するためのもので、トナーの帯電極性に応じて正電荷制御用および/または負電荷制御用の電荷制御剤を用いる。このうち正電荷制御用の電荷制御剤としては、塩基性窒素原子を有する有機化合物、例えば塩基性染料、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン類等や、上記各化合物で表面処理された充填剤等を挙げることができる。
トナー粒子に外添する外添剤としては、例えばトナーの流動性を向上したり、保存安定性を維持したりするための、超微粒子状のシリカ(コロイダルシリカ、疎水性シリカ等)や酸化チタンなどを挙げることができる。また、例えばアモルファスシリコン感光体の表面を研磨したりするための研磨剤粒子としての、個数平均径が0.1〜2μm程度の酸化チタンやアルミナなどを外添してもよい。
上記この発明の画像形成方法に用いる像担持体EPとしては、表面硬度が高く長寿命であるアモルファスシリコン感光体が好ましい。またアモルファスシリコン感光体としては、例えばドラム状などの所定の形状に形成した導電性基体の表面にアモルファスシリコン系の感光層を備えた、従来公知の種々の構造を有する感光体を用いることができる。
とくにa−SiCを用いるのが好ましく、その場合はSi1−xCxのxの値を0<x≦0.5、好ましくは0.05≦x≦0.45に設定するのがよい。この範囲であればa−SiC層を、良好なキャリアの輸送を維持しつつa−Si層よりも高抵抗にして、感光体の光感度特性を向上することができる。
さらにアモルファスシリコン系の感光層を、光キャリア発生の機能を高めた層領域(光励起層領域)と、キャリア輸送の機能を持たせた層領域(キャリア輸送層領域)とを積層したものとすると、感光体の光感度と耐電圧特性とをともに高めることができる。
またキャリア輸送層領域は、主に感光層の耐圧を高めるとともに、光励起層領域から注入されたキャリアを導電性基体にスムースに輸送する役割を持つが、この層領域においても、光励起層領域を透過してきた光によりキャリア生成が行われるため、感光体の光感度の向上に寄与する。
また感光層を、上記のように光励起層領域とキャリア輸送層領域とを積層したものとする場合には、光励起層領域の厚みを、上記光吸収の深さにほぼ等しく設定するのが好ましい。
キャリア阻止層は、現像時に感光体の表面がバイアス電圧を印加されつつトナーと接触した際に、導電性基体から感光層へのキャリアの注入を阻止することにより、露光部と非露光部との静電コントラストを高めて画像の濃度を向上させるとともに、地肌カブリを低減する機能を有する。
かかる特性を考慮すると、キャリア阻止層もa−SiCにて形成するのが好ましい。
キャリア阻止層を形成するa−SiCを絶縁性とするためには、キャリア阻止層に含まれるCの量を、感光層の場合に比べて多くすればよい。
また感光層の表面は、有機もしくは無機の絶縁材料からなる表面保護層によって被覆して保護するのが好ましい。これにより、帯電手段などによる放電時に感光層の表面が酸化されて、放電生成物や水分子などを吸着しやすい酸化物被膜が形成されるのを防止することができる。また絶縁耐圧を向上したり、繰り返し使用した際の耐磨耗性を向上したりすることもできる。
とくにa−SiCにて形成するのが好ましい。表面保護層にa−SiCを用いる場合は、絶縁性を付与するため、キャリア阻止層の場合と同様に、含まれるCの量を感光層に比べて多くすればよい。
また上記Cのx値を調整して、表面保護層の暗抵抗率を1013Ω・cm以上とするのが好ましい。
暗抵抗率が1013Ω・cm以上であると、感光体は、表面保護層の面方向における電位の流れが少ないため静電潜像の維持能力が高い上、耐湿性にも優れており、吸水による画像流れの発生を抑制する効果に優れたものとなる。
また、a−SiC以外の他の絶縁材料にて形成した表面保護層は、画像形成後にも光キャリアがトラップされ続けてしまい、通常の除電工程では残留電位を確実に消去できないおそれがある。しかしa−SiCにて形成した表面保護層は、表面からの正電荷は有効に阻止するが、導電性基体からの負電荷は比較的通し易いという性質を持つため、画像形成後の残留電位を、通常の除電工程によって効果的に消去でき、連続して画像形成を行えるという利点もある。
a−SiCにて形成した表面保護層は、その層内で、Cの量に厚み方向の勾配を形成してもよいし、CとともにN、O、Geなどの元素を含有させて耐湿性をさらに高めることもできる。
〈トナー1〉
定着用樹脂としてのポリエステル樹脂100重量部に、着色剤としてのカーボンブラック〔三菱化学(株)製のMA−100〕5重量部、電荷制御剤〔藤倉化成(株)製のFCA201PS〕3.5重量部、およびオフセット防止剤としてのポリエチレンワックス〔三洋化成(株)製のユーメックス(登録商標)100TS〕7重量部を加えて、ヘンシェルミキサーを用いて前混合し、次いで二軸混練押出機を用いて溶融、混練して冷却後、粗粉砕、微粉砕および分級の工程を経て、体積基準の中心粒径が9.0μm、前記比DV/DNが1.2であるトナー粒子を作製した。
〈トナー2〉
電荷制御剤の量を5重量部に変更するとともに分級の条件を調整して作製した、体積基準の中心粒径が8.0μm、前記比DV/DNが1.2であるトナー粒子を用いたこと以外はトナー1と同様にしてトナー2を製造した。
分級の条件を調整して作製した、体積基準の中心粒径が8.0μm、前記比DV/DNが1.15であるトナー粒子を用いたこと以外はトナー1と同様にしてトナー3を製造した。
〈キャリヤ1〉
キャリヤ1としては、Mn−Mg系の磁性体粒子の表面を、当該磁性体粒子100重量部に対して20重量部のふっ素−シリコーン系樹脂で被覆した、体積基準の中心粒径が60μmであるものを用いた。かかるキャリヤ1の電気抵抗値は1012Ω・cm、帯電量は16.5μC/g、嵩密度は2.02g/cm3であった。
キャリヤ2としては、Mn−Mg系の磁性体粒子の表面を、当該磁性体粒子100重量部に対して10重量部のふっ素−シリコーン系樹脂で被覆した、体積基準の中心粒径が80μmであるものを用いた。かかるキャリヤ2の電気抵抗値は1011Ω・cm、帯電量は18.5μC/g、嵩密度は2.10g/cm3であった。
上記で製造したトナー1〜3、キャリヤ1、2を表1に示すように組み合わせて、スタート現像剤と、補給用の2成分現像剤とを調製した。いずれもトナー濃度は5%とした。
そしてこれらのスタート現像剤、補給用の2成分現像剤を、現像手段を図1のものに改造したレーザープリンタ〔京セラミタ(株)製の品番FS−8000Cの改造機〕に使用して、原稿濃度4%の画像を連続画像形成した。すなわち図1の現像装置のうち装置本体2にスタート現像剤D1を収容し、現像剤容器3に補給用の2成分現像剤D2を収容した。装置の使用開始時に装置本体2に収容したスタート現像剤D1の量は500gとした。
上記の操作を繰り返しながら20万枚の連続画像形成を行った後、画像形成1枚目、5万枚目および20万枚目の形成画像の画像濃度IDと、余白部分のカブリ濃度FDとを測定した。
また、スタート現像剤と補給用の2成分現像剤とで、次に述べる実施例1、2と同様にキャリヤは違えたものの、トナーは同じトナー1を使用した比較例2では、比較例1ほどではないものの、やはり20万枚の連続画造形性を行うことによって画像濃度IDが上昇するとともに、カブリ濃度FDも上昇することがわかった。
D2 補給用の2成分現像剤
EP 像担持体
Claims (2)
- キャリヤとトナーとを含む2成分現像剤を随時、補給するとともに、この補給によって過剰になった2成分現像剤を回収しながら、像担持体上の静電潜像を、上記2成分現像剤を用いてトナー像に現像する工程を含む画像形成方法であって、画像形成に最初に使用するスタート現像剤、および補給用の2成分現像剤は、ともに体積基準の中心粒径が35〜100μmの範囲内であるキャリヤと、体積基準の中心粒径が4〜12μmの範囲内であるトナー粒子とを組み合わせてなり、上記補給用の2成分現像剤としては、上記スタート現像剤中のキャリヤに対して式(1):
5≦R 1 /R 2 ≦200 (1)
〔式中のR 1 はスタート現像剤に使用するキャリヤの電気抵抗値、R 2 は補給用の2成分現像剤に使用するキャリヤの電気抵抗値である。〕
を満足する電気抵抗値を有するとともに、前記スタート現像剤中のキャリヤに対して式(2):
1<Q 2 /Q 1 ≦10 (2)
〔式中のQ 1 はスタート現像剤に使用するキャリヤの帯電量、Q 2 は補給用の2成分現像剤に使用するキャリヤの帯電量である。〕
を満足する帯電量を有し、上記範囲内で体積基準の中心粒径が大きく、かつ嵩密度が大きいキャリヤと、上記スタート現像剤中のトナーよりも、上記範囲内でトナー粒子の、体積基準の中心粒径が小さいトナーとを組み合わせた2成分現像剤を使用することを特徴とする画像形成方法。 - 補給用のトナーとして、トナー粒子の、体積基準の中心粒径DVと、個数基準の平均粒径DNとの比DV/DNが1.15以下であるものを用いる請求項1に記載の画像形成方法。
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