JP4367062B2 - 燃料電池用セパレータ - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子電解質型燃料電池セルの燃料電池用セパレータに関するものである。
従来、黒鉛系セパレータを用いた固体高分子電解質型燃料電池セルを図7により説明する。
図7は、固体高分子電解質型燃料電池セルの概略断面図である。
電解質である固体高分子電解質膜61の両側に、アノード、カソードの触媒層、その外側にガス拡散層を配置した燃料極62と酸化剤極63を設けてMEA(Membrane-Electrode Assembly )64を構成し、そのMEA64の両面を、燃料ガス流路65と酸化剤ガス流路66がそれぞれ形成された一対の黒鉛セパレータ67,68で挟み、その周囲をガスケット69,70でシールしながら、適切な圧力で加圧して固定し、固体高分子電解質型燃料電池セル60を形成する。
この固体高分子電解質型燃料電池セル60は約80℃に加熱され、燃料ガス中の水素と酸化剤ガス中の酸素を利用して電気化学反応により発電する。
燃料ガス流路65の燃料ガス中の水素が、燃料極62の触媒に接触することにより下記の反応が生ずる。
2H→4H+4e
は、MEA中の固体高分子電解質膜61中を移動し、酸化剤極63の触媒に達し、前記酸化剤ガス流路65の酸化剤ガス中の酸素と反応して水となる。
4H+4e+O→2H
上記の電極反応により起電力が生じ、セパレータ67、68により外部に電流が取り出される。
燃料電池は、一般的に前記固体高分子電解質型燃料電池セルが多数積層されて構成されるが、この場合、単に図7の固体高分子電解質型燃料電池セルのまま積層するのではなく、効率的に積層できるような様々な積層形態が存在する。
従来の黒鉛系セパレータに変わる金属セパレータの事例として、ステンレス鋼を用いたものがあるが、表面をそのまま使用したのでは、ステンレス鋼の成分元素が溶出し、燃料電池特性を劣化させてしまうことが知られている。
その対策として、ステンレス鋼をベース材とし、その表面にTa、Zr、Nb、Ti等の耐酸性被膜を形成し、その被膜の耐酸性表面にAu等の貴金属を0.01〜0.06μm、もしくは0.03μmめっきする技術(特許文献1、特許文献2)があるが、このように薄い貴金属被膜は、必ずポーラスであり、ステンレス鋼の表面を完全に被覆するものではない。
従って、導電性の点では良いが、耐蝕性の点では不完全であり、長時間使用に対し、ステンレス鋼の成分元素が溶出してしまい、燃料電池特性を劣化させる結果となる。
特開平10−228914号公報 特開2001−93538号公報 特開平6−349508号公報
ところで、前記固体高分子電解質型燃料電池は、一般的に多数のセルが積層されており、該セルは、二つの電極(燃料極と酸化剤極)で固体高分子電解質膜を挟んで接合した固体高分子電解質膜と電極の接合体を、燃料ガスまたは酸化剤ガスのガス流路を有するセパレータで挟んだ構造をしている。
前記燃料電池が広く普及する上で障害となっていることの一つにコストが高いという問題があり、燃料電池の主要構成部品である上記電極等を備えたセルのコストをできる限り下げることは重要である。
また、自動車等の車載用としては小型・軽量化が求められている。低コスト化、小型・軽量化のために、従来の緻密性カーボンセパレータの代わりに金属セパレータの実用化の研究開発が進められている。
この金属セパレータに要求される性能として、電極との接触抵抗が低いこと、および耐蝕性に優れていることがある。この性能を実現するために、従来技術として、特許文献3には、めっき処理した金属製の二極板が開示されている。
ただし公知例では金属材料上のめっき処理のピンホールを防ぐには、結果的にかなりの貴金属のめっき膜に厚みを必要とし、工業的、コスト的にほぼ不可能に近く、ピンホールから溶出した金属イオンが固体高分子電解質膜の特性を低下させ、性能劣化の主原因になっている。この意味で、特許文献1、特許文献2に記載のAuめっき厚はピンホールを防ぐ限界の厚さである。
われわれは、この問題を解決するために、耐蝕性金属材料、たとえばTiなどを金属母材上に形成し、導電性塗料を塗布するなど、廉価な固体高分子燃料電池用セパレータの開発を進めている。この方法でも、信頼性は良好であるが、導電性塗料は、本質的に電流のトンネル特性を利用するために、取り扱い、塗布方法が難しく、また、接触抵抗がある程度発生してしまい、IR損による効率低下が発生していた。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、金属セパレータを燃料電池セルに用いるにあたって、耐蝕性、導電性が良好で、その結果、高出力の電池特性が得られ、しかも、廉価な燃料電池用セパレータを提供することにある。
上記目的を達成するために請求項の発明は、MEAの両側に設けられ、ガス流路が形成された金属製の燃料電池用セパレータにおいて、セパレータ基材をTiと他の金属のクラッド複合材料でかつ表面がTiとなるようにした複合材料で形成し、前記セパレータ基材上にTiからなる接合層を0.6〜50nmで形成し、前記接合層の上に、素からなる導電性接点層を、膜厚0.0005〜0.1μmで形成した燃料電池用セパレータである。
請求項2の発明は、前記セパレータ基材上に形成されるTiからなる接合層は、蒸着により形成される請求項1に記載の燃料電池用セパレータである。
請求項の発明は、導電性接点層が、MEAの導電性ガス拡散層と接触するリブ面のみに形成されている請求項1又は2に記載の燃料電池用セパレータである。
タン系の耐蝕材料を用いた場合、リブ面以外の溝部は、酸化チタンで被覆されることになるが、その溝面は親水性があり、燃料電池の特性をさらに向上させる効果がある。
請求項の発明は、導電性接点層が、MEAの導電性ガス拡散層と接触するリブ面のみに形成され、それ以外の溝部は、酸化チタンが被覆されている請求項1又は2に記載の燃料電池セパレータである。
本発明においては、従来知られてきた貴金属めっきによる主としてステンレス鋼の金属製セパレータに対して、Ti系耐蝕金属を用いることにより、耐蝕性と導電性の機能を分け、それぞれの層で分担することにあり、そのことで貴金属層の欠陥(ピンホール)発生に特に気にしなくともよく、厚みも導電性に問題にならないまで、ぎりぎりに薄くすることができ、非常に廉価に抑えることが可能になった。
また、セパレータの機能は電極からの集電機能だけでなく、MEA全体に燃料、酸素を行き渡らすことにあり、一般に溝、ディンプルが形成されている。この溝の底の部分は導電性である必要がなく、ガス拡散層と接触する部分のみ、導電性であればよく、そこに選択的に貴金属層を形成すれば機能を十分に果たすことができ、貴金属の使用量を抑えることができるので、コストが低減できる。この効果は、Ti系耐蝕金属材特有の効果で、貴金属層の欠陥貫通部において、セパレータ基材が、ステンレス鋼では、成分元素が、イオンとして溶出するのに対し、Ti系耐蝕金属では、酸化するのみで、電気抵抗は落とすが、成分元素のイオンとしての溶出がないことに起因している。
さらには、貴金属層を有しない溝面の酸化チタンの表面は、親水性があり、生成水が流れやすく排出しやすいことから、生成水の停滞により電気化学反応が抑えられることがないので、電池出力を向上させる上で効果的である。
以上要するに本発明によれば、耐蝕性に優れ、IR損が極めて少ない金属製セパレータを製作することができ、燃料電池セルが廉価・高信頼性で、コンパクトに製作することができるようになった。
特に、DMFCに適用した場合、本発明のセパレータを使用することにより、高性能で、極めてコンパクトな燃料電池セルスタックが出来るメリットが生じる。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
先ず、図1により、固体高分子電解質型燃料電池に用いられる金属製の燃料電池用セパレータについて説明する。
図1は、燃料電池セル10の構造を示したものである。
図1において、MEA(Membrane-Electrode Assembly )14は、電解質である固体高分子電解質膜11の両側に、アノード、カソードの触媒層、その外側にガス拡散層を配置した燃料極12と酸化剤極13を設けて構成される。
このMEA14の両面を、燃料ガス流路15と酸化剤ガス流路16を区画形成する金属製のセパレータ17,18が、その周囲をガスケット19にてシールされて挟まれて燃料電池セル10が構成される。
このセパレータ17,18は、図2に示すように、そのセパレータ基材(母材)20が、Ti金属、Ti系合金など耐蝕金属材料或いはSUS等の表面にTi金属、Ti系合金など耐蝕金属材料をクラッド材として複合化した複合材料で形成され、そのセパレータ基材20の表面、すなわち、MEA14に面する側の表面に、貴金属等からなる導電性接点層21が設けられて構成される。
導電性接点層21は、図2に示すようにセパレータ基材20の全面に設けても良いが、図3に示すように、MEA14と接するリブ面20aのみに形成することで、より廉価に形成できる。
この導電性接点層21は、その膜厚が0.0005〜0.01μm未満であり、図4に示すように、微少なピンホール22が存在するが、セパレータ基材20が、Ti系耐蝕性金属材料で形成されるため、腐食は進行せず、安定した発電特性が得られ、またセパレータ17,18とMEA14のガス拡散層との接触抵抗は8mΩ/cm2 以下と、従来の緻密黒鉛をセパレータに用いたとき以上に低く、きわめて良好な特性を示す。
図5(a)、図5(b)は、セパレータ17,18のセパレータ基材20の表面に形成する導電性接点層21の詳細を示したものである。
図5(a)に示すように導電性接点層21は、セパレータ基材20に直接めっきなどで形成しても、また図5(b)に示すように導電性接点層21を、接合層23を介しセパレータ基材20に設けてもよい。
この図5(a)、図5(b)において、導電性接点層21には微少なピンホール22が存在し、このためMEA側にセパレータ基材20が露出することとなるが、ピンホール22内で露出したセパレータ基材20の表面に酸化層24が形成されるため、接触抵抗はいくぶん落ちるもののそれ以上腐食は進行しない。
これに対して、図5(c)に示した、従来のSUSをセパレータ基材50とし、貴金属を導電性接点層51としたセパレータでは、ピンホール52内にSUSの不動体層54は形成されるものの腐食は防止できずセパレータ基材50からの成分元素の溶出は避けられない。
本発明に用いるセパレータ基材20としては、Ti金属、Ti系合金など耐蝕金属材料或いはSUS等の表面にTi金属、Ti系合金など耐蝕金属材料のクラッド材、例えばTi/Al/Ti、Ti/SUS/Tiクラッド材などの複合材料(板厚0.3mm前後、Tiクラッド層厚30μm前後)を用いることができる。
また、導電性接点層21としては、Au、Pt、Ru、Pdなどの貴金属を膜厚0.0005〜0.01μm未満(0.5〜10nm未満)で形成、或いは炭素、TiN、TiC、TiB、TiNC、TiNCB等、バンドギャップが0.6V以下の複合化合物で、膜厚0.0005〜0.1μm(0.5〜100nm)で形成する。また、導電性接点層21をセパレータ基材20に必要に応じて接着する接合層23としては、Ti、Ni、Ta、Nd、或いはPtを、0.0005〜0.05μm(0.5〜50nm)で形成する。
図1〜4に示すような形状のセパレータの溝形成加工については、平板からなるセパレータ基材20をプレス加工により溝形加工し、導電性接点層21の形成は前記溝形成加工後に行うこともできるが、平板からなるセパレータ基材20の表面全体あるいは必要個所に導電性接点層21を形成した後で、プレス加工により溝形成加工を行う方が、めっき作業性およびプレス加工性(Tiの場合、表面に被覆層が存在する方が加工し易い)の点で有利である。また、何れの方法によるセパレータを使用しても、電池特性上は同等の特性が得られる。
以下、より具体的な本発明の実施例を比較例との対比で説明する。
参考例I
表1は、参考例の導電性接点層付Ti系耐蝕金属セパレータの構成とそれを用いた燃料電池特性を比較例との対比で示したものである。
Figure 0004367062
参考例1は、耐蝕金属としてTiクラッドAl材の表面に導電性接点層として、金を5nmめっきしたもの、参考例2は、Ti単体材の表面に金を5nmめっきしたもの、さらに参考例3は、耐蝕金属としてTiクラッドSUS材表面に5nmのTiを接合層として蒸着により形成し、この接合層を介して導電性接点層として5nmのAuのめっき層を設けたものである。
接合層および薄膜の導電性接点材の形成は、TiクラッドSUS材の表面のTiの耐蝕金属面を研磨し、酸化層を除去した上で、その上に蒸着により気相めっきした。
比較例1は、耐蝕金属としてTiクラッドAl材の表面に導電性接点層として黒鉛を30μmを塗布したもの、比較例3は、金属セパレータとして、SUS316を用い、その上にAuを5μm(5000nm)めっきしたもの、比較例2は、SUS316上にAuを20nmめっきしたもの、比較例4は、セパレータ基材として、従来からの、黒鉛のみを用いたもの、比較例5は、セパレータ基材にTi単体材を用い、その上にAuを50nmめっきしたもの、比較例6は、セパレータとしてTiクラッドAl材のみを用いたもの、比較例7は、セパレータとして、SUS316のみを用いたものである。
参考例1〜3の接触抵抗は、6〜10mΩcm2 で、比較例4の従来の黒鉛セパレータと比較しても同程度以下で、抵抗が少ない。その値は、電池特性を取った前後でもほとんど、変わっていない。
特に密着性を改善するために、Ti系耐蝕金属と導電性接点層の界面に接着層としてTiの薄膜を0.005μm入れた参考例3の接触抵抗は、7mΩcm2 と特に小さい。しかも気相めっきしたAuの表面接点材層は、0.005μm(5nm)と極めて薄く、材料費は特に安くなる。
それに対し、比較例6,7で示した導電性接点のない場合、金属のTiクラッド材(比較例6)、SUS材単独(比較例7)ともに、電池試験前の表面研磨状態では、接触抵抗は低いものの、電池試験後は酸化層或いは、図5(c)で説明した不動体層が出来てしまい、抵抗値は、急激に大きな値となってしまう。また導電性接点層として、黒鉛塗料を30μm塗布した比較例1の場合は、長期的信頼性はあるが、そもそも、抵抗値が、20mΩcm2 以上と大きくなってしまう。
セパレータ材の耐蝕性を評価する意味で、分極特性を測定した結果の良否を表1中に示すが、参考例1〜3、比較例1、5、及び6のTi耐蝕金属材及び比較例4の黒鉛セパレータの場合、その上の表面処理にかかわらず、分極特性の異常はないが、比較例3のSUS材の場合5μmのAuめっきでは、異常はないが、比較例7のSUSむく、及び比較例2の20nm厚のAuめっきでは、分極特性に反応性を示し、成分元素のイオン溶出があることが分かる。
参考例1、3及び比較例1、3、4のセパレータを用い、単電池の電池特性を測定した場合のI−V特性の代表値を、図6に示す。
図6は、100時間運転後の特性を示したものである。
比較例4の黒鉛セパレータのデータは、焼結黒鉛に機械加工で、溝を設けたもので、リブ面の形状も矩形で、基準的な特性を示す。
他の金属セパレータの特性は、類似のリブ溝形状をプレス成形により付けたものである。
運転時間1hr及び100hr、電流密度0.5A/cm2 での発生電圧を表1にも示す。この電圧が、高いほど、良い電池特性ということになる。
参考例1、3のTi系耐蝕金属の場合、いずれも0.6V以上の黒鉛セパレータ(比較例4)と同等の特性を示していることが分かる。
特に、参考例3の複合導電性接点層付のTi系耐蝕金属材の場合、100hr後でも安定した発電特性を示した。
発電特性は、セパレータ材の接触抵抗の大小と相関関係があり、比較例6、7で示した導電性接点層のない場合、金属のTiクラッド材(比較例6)、SUS材(比較例7)ともに、抵抗値の変化に対応し、電池特性の結果は、良くない。
また、導電性接点層として、黒鉛塗料を30μm塗布した比較例1の場合は、そもそも、抵抗値が、20mΩcm2 以上と大きいことと対応し、発電電圧は低めであるが、時間の経過で変化は少ない。
セパレータ基材として、SUSを用いた比較例2、3の場合、Auめっき厚さで、電池特性は異なる。5μm厚(比較例3)と十分厚い場合は、電池の発電特性は良好である。しかし、20nm厚(比較例2)と薄くなると、電池にしたときの初期特性は良好であるが、時間の経過で、特性は低下してしまう。
SUSをセパレータ基材として使用した場合は、導電性接点層の厚さは、数μmのオーダーで厚くしておくことが必要である。
比較例5のTi上にAuを50nmめっきしたものは、特性的には良好であるが、Auを多量に使うため価格的には高価で問題が残る。
金属セパレータを用いた場合の電池特性は、表面性状によって、大きく影響を受け、材質により顕著に変わる。それは、以下のように推測できる。
表面導電性接点層は、比較的欠陥の少ない気相めっきにより形成しているが、一般的な溶液によるめっき層は、かなりポーラスで、欠陥なくめっき層で覆うには、4〜5μmの厚さが必要である。だが、燃料電池のセパレータが集電材としての機能における導電性接点層として、Au等の貴金属を使用するとなると工業的には1/1000オーダーに薄くしないと、工業的な価値が出ない。0.01〜0.5μmのめっき層では、多数のピンホール状の貫通部が存在することになる。そのピンホール貫通部の挙動を、再度図5を基に考える。
図5(c)の従来のSUS系セパレータ基材50の場合、ピンホール52の貫通部は、局部的にSUSの地肌が露出し、不動体膜54が形成され、電池反応の際に、SUSの成分元素が、イオンの形で溶出することになる。金属イオンは、PEFCの固体高分子膜中の陰イオン基と反応し、水素イオン(ヒドロニウムイオン)の導電性を低下させ、電池特性を悪化させる。
表1の比較例3のSUSセパレータ基材上に20nmAuをめっきしたセパレータでは、電池の初期特性としては良いが、時間と共に劣化することになる。これは金属イオンの溶出が原因と考えられる。SUSセパレータ基材の場合には、Auめっきの役目は、腐食防止で、Auめっき層としては、5μm程度の厚さ(比較例3)が必要であり、それくらい厚ければ、電池特性は良好となる。
ここでは、SUSを例に取り示したが、貴金属、Ti系材料以外のほとんどの金属、SUS同様にイオン溶出の問題があり、その程度によって電池用セパレータとして使用できないものが多い。
これに対して、本発明の図5(a)のTi系セパレータ基材の場合、ピンホール22の貫通部では、局部的にTiの地肌が露出するものの、導電性接点層の役目は、Ti系セパレータ基材20とガス拡散層との電流路の確保にあり、その厚さは、薄くてもよく、数分子層の被膜があれば良い。被膜の均一性を考えると0.0005〜0.01μm未満(0.5〜10nm未満)の厚さであればよい。
導電性接点層の密着は、セパレータ基材の表面状態により不十分なときがある。
そこで、図5(b)のTi系セパレータ基材の場合は、図5(a)と基本的に変わらないが、Tiの接合層23を入れることで、導電性接点層21とセパレータ基材20との接合性を改善し、接触抵抗を改善して、電池特性を向上させるとともに、高信頼性・長寿命の効果がある。
以上のように、セパレータ基材20として、Ti系材料では、導電性接点層21の役割は、導電性の確保で、セパレータ基材20が溶解しなければ、ポーラスでもよく、極薄の状態であればよく、0.0005〜0.1μm未満で厚さの自由度がある。
実施例II
実施例Iでは、導電性接点層21として、金の薄膜を用いたが、貴金属以外でも、導電性があり、Tiの酸化防止が出来る貴金属の被膜であればよい。
このTiの酸化防止ができる実施例1および参考例4および参考例5を表2に示す。
Figure 0004367062
表2に示すように、導電性接点層として、実施例の炭素(C)、参考例4のホウ化チタン(TiB)、参考例4の窒化チタン(TiN)の被膜を導電性接点層とし、接合層としてTiを用いて形成したセパレータを制作し、それにより、電池特性の測定を行った。
結果としては、いずれの材料でも、特性が出ることを確認した。
なお、実施例として、前述では耐蝕金属としてTiを取り上げたが、カソード、アノードで酸化や還元反応が起こらなければどんな導電性材料であってもよい。IR損を抑えるため、一般には導電率が高いもので、加工性がいい金属材がよい。
貴金属層はセパレータ全面に形成してもよいが、MEAの発電領域のリブ面だけに形成されていれば、本来の目的である低抵抗接点としての機能を満足するため、コストを下げるために選択的にめっきするほうがよい。
貴金属層の材料として、今回は純金を使用したが、白金族や、その合金であってもかまわない。耐蝕金属材との間には、第3の材料の存在があっても構わない。
貴金属層の形成方法として、本実施例では蒸着による気相めっきを用いたが、ほかの薄膜形成技術を用いても一向に構わない。
貴金属層の厚さは、接点材としての機能を満足すれば、機械的な擦れなどが起こる箇所ではないので、薄くても構わない。0.5〜50nmの範囲であれば構わない。厚くなると貴金属層が増え、高価となる問題がある。
本発明の実施例の説明では、水素ガスと空気とを反応させるPEFC(固体高分子型燃料電池)の場合について記載しているが、それに限定されるものではなく、水素ガスと純酸素を反応させるPEFCの場合、さらには、メタノールと空気を反応させるDMFC(直接メタノール燃料電池)等の、種々の燃料電池に、本発明のセパレータは適用できる。
本発明の固体高分子型燃料電池セルの基本構成を示す断面図である。 図1の金属セパレータ部の拡大断面図である。 図2の他の形態を示す金属セパレータ部の拡大断面図である。 図3の形態で、ピンホールが存在する金属セパレータ部の拡大断面図である。 本発明と従来例でセパレータ表面におけるピンホール貫通部での腐食を説明する図である。 本発明と比較例の各種セパレータを用いた単セル電池の出力特性(100hr発電後)を示す図である。 従来の黒鉛セパレータを用いた固体高分子電解質型燃料電池セルの基本構成を示す断面図である。
符号の説明
14 MEA
15、16 ガス流路
17、18 金属製セパレータ
20 セパレータ基材
21 導電性接点層
22 ピンホール
23 接合層

Claims (4)

  1. MEAの両側に設けられ、
    ガス流路が形成された金属製の燃料電池用セパレータにおいて、
    セパレータ基材をTiと他の金属のクラッド複合材料でかつ表面がTiとなるようにした複合材料で形成し、
    前記セパレータ基材上にTiからなる接合層を0.6〜50nmで形成し、
    前記接合層の上に、素からなる導電性接点層を、膜厚0.0005〜0.1μmで形成したことを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  2. 前記セパレータ基材上に形成されるTiからなる接合層は、蒸着により形成される請求項1に記載の燃料電池用セパレータ。
  3. 導電性接点層が、MEAの導電性ガス拡散層と接触するリブ面のみに形成されている請求項1又は2に記載の燃料電池用セパレータ。
  4. 導電性接点層が、MEAの導電性ガス拡散層と接触するリブ面のみに形成され、それ以外の溝部は、酸化チタンが被覆されている請求項1又は2に記載の燃料電池セパレータ。
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